JP2003238474A - シクロアルカノンの製造方法 - Google Patents
シクロアルカノンの製造方法Info
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Abstract
くシクロアルカノンを製造する方法を提供する。 【解決手段】(1)配位子として、少なくとも1級また
は2級アミノ基を含有するホスフィン化合物とシクロア
ルカジエニル基とを、有するルテニウム錯体化合物の存
在下に、環構成炭素数が5〜12の環状α,β−不飽和
アルコールを異性化することを特徴とするシクロアルカ
ノンの製造方法、および(2)配位子として、少なくと
も1級または2級アミノ基を含有するホスフィン化合物
とシクロアルカジエニル基とを、有するルテニウム錯体
化合物の存在下に、環構成炭素数が5〜12の環状共役
ジエン化合物を部分水和し、次いで異性化することを特
徴とするシクロアルカノンの製造方法。
Description
料の製造原料、溶剤などに有用なシクロアルカノンを効
率よく製造する方法に関する。
の中間原料や溶剤などとして工業的に広く用いられてい
る。例えば、シクロヘキサノンおよびシクロドデカノン
からそれぞれ誘導されるε−カプロラクタムおよびラウ
リルラクタムは、それぞれナイロン6およびナイロン1
2の原料モノマーとして重要である。
る各種のジカルボン酸、例えばシクロペンタノンから得
られるグルタル酸、シクロヘキサノンから得られるアジ
ピン酸、シクロデカノンから得られるセバシン酸など
は、可塑剤、合成潤滑油、その他有機薬品の原料などと
して重要である。さらに、シクロヘキサノンは汎用溶剤
として多量に用いられており、また高純度のシクロペン
タノンはエレクトロニクス分野における特殊溶剤として
近年脚光をあびている。
造方法についても、各種の化合物を出発原料とする様々
な反応方法が知られている。例えば、シクロヘキサノン
は、シクロヘキサンを酸化してシクロヘキサノールとシ
クロヘキサノンとの反応混合物を得、副生したシクロヘ
キサノールを更に脱水素することにより製造されてい
る。また、シクロペンタノンは、アジピン酸からバリウ
ム/鉄系触媒により合成する方法が一般的に採用されて
いる。
製法における酸化反応は、厳しい反応条件下で行われる
ために反応選択率が低く、副生成物の脱水素反応と組み
合わさざるを得ないため工程が複雑になるという問題が
あった。また、アジピン酸を原料とするシクロペンタノ
ンの製法は比較的良好な反応収率を示すが、アジピン酸
自体をシクロヘキサノンまたはシクロヘキサノールの酸
化反応により製造するという問題があった。
で効率よく製造する方法が探し求められており、そのよ
うな検討の一つとしてルテニウム錯体化合物を触媒とす
る方法が報告されている。
は、ケトンの製造方法において、周期表第VIII族金
属の供給源とプロトンの供給源とを一緒にすること(接
触させるの意)によって得られる触媒系の存在下に、共
役ジオレフィンと水とを液相にて反応させることが開示
されている。また、第VIII族金属としてルテニウム
が開示され、その配位子として2,2−ビピリジルおよ
びその誘導体のような二座配位子が記載されている。同
公報によると、この方法は共役ジオレフィンの中でも
1,3−ブタジエン、イソプレンなどの鎖状化合物に好
ましく適用されると記載され、それらのケトン選択率は
94〜95%であると開示されている。
1993年、第115巻、2027頁には、シクロペン
タジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム
クロライドの存在下に、鎖状または環状のアリルアルコ
ール型化合物、すなわちアルコール性OH基のα,β−
位に炭素−炭素二重結合を有する化合物を異性化して、
対応するケトン化合物が得られることが記載されてい
る。そこには種々の反応基質(原料)が開示されている
が、一般的に鎖状化合物に較べて環状化合物の反応性は
低い。
うな従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、入手
容易な原料化合物から簡便な方法で効率よくシクロアル
カノンを製造する方法を提供することを課題とする。
てルテニウム錯体化合物を用い、環状のアリルアルコー
ル型化合物を原料または中間原料もしくは反応中間体と
する異性化反応を用いるシクロアルカノンの製造方法に
ついて鋭意検討を重ねた。その結果、特定の配位子を有
するルテニウム錯体化合物を使用することにより、目的
化合物を効率よく製造できることを見出し、本発明を完
成するに到った。
として、少なくとも1級または2級アミノ基を含有する
ホスフィン化合物とシクロアルカジエニル基とを、有す
るルテニウム錯体化合物の存在下に、環構成炭素数が5
〜12の環状α,β−不飽和アルコールを異性化するこ
とを特徴とするシクロアルカノンの製造方法が提供され
る。
て、少なくとも1級または2級アミノ基を含有するホス
フィン化合物とシクロアルカジエニル基とを、有するル
テニウム錯体化合物の存在下に、環構成炭素数が5〜1
2の環状共役ジエン化合物を部分水和し、次いで異性化
することを特徴とするシクロアルカノンの製造方法が提
供される。
は、前記ルテニウム錯体化合物として、1級または2級
アミノ基を含有するホスフィン化合物およびシクロアル
カジエニルルテニウムハライド化合物を反応させて得ら
れたルテニウム錯体化合物を用いるのが好ましい。
の製造方法について、(A)ルテニウム錯体化合物、
(B)原料化合物および(C)シクロアルカノンの製造
方法の項目に分けて詳細に説明する。
錯体化合物を異性化触媒および/または水和触媒として
用いることを特徴とする。本発明に用いるルテニウム錯
体化合物は、配位子の一つとして、1級または2級アミ
ノ基を含有するホスフィン化合物(以下、単に「アミノ
基含有ホスフィン化合物」という。)を有する。
子内の窒素原子とリン原子を介して、ルテニウムに配位
するものであれば特に限定されないが、アミノ基は1級
または2級であることが必須である。
例は、式:R1R2P−(CR3R 4)n−NHR5で
表される化合物である。式中、R1、R2は、それぞれ
独立して、置換基を有していてもよいフェニル基、置換
基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基また
は置換基を有していてもよい炭素数3〜8のシクロアル
キル基を表す。R3、R4は、それぞれ独立して水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基または置換基を有してい
てもよいフェニル基を表す。nは1〜4の整数を表す。
nが2以上のとき、炭素鎖(CR3R4)は同一でも相
異なっていてもよい。R5は水素原子、置換基を有して
いてもよい炭素数1〜20のアルキル基または置換基を
有していてもよいフェニル基を表す。
ては、例えば、フッ素、塩素などのハロゲン原子;メチ
ル基などのアルキル基;メトキシ基などのアルコキシ
基;などが挙げられる。これらの置換基はベンゼン環の
任意の位置に置換されていてもよい。また、フェニル基
は同一または相異なる複数の置換基で置換されていても
よい。
アルキル基の置換基としては、例えば、メチル基などの
アルキル基;フェニル基;メトキシ基などのアルコキシ
基;などが挙げられる。また、アルキル基およびシクロ
アルキル基は、同一または相異なる複数の置換基で置換
されていてもよい。
中でも、分子内に窒素原子とリン原子とが炭素数2〜3
のアルキレン鎖を介して互いに結合した構造を有する化
合物(n=2または3)が好ましく、炭素数2のアルキ
レン鎖を介して互いに結合した構造を有する化合物(n
=2)がより好ましく、エチレン鎖を介して互いに結合
した構造を有する化合物が特に好ましい。
具体例としては、以下のものが挙げられる。 (1)R1R2P−(CH2)2−NHR5型の構造を
有する化合物 2−(ジフェニルホスフィノ)エチルアミン、2−[ジ
(4−メチルフェニル)ホスフィノ]エチルアミン、2
−[ジ(3−クロロフェニル)ホスフィノ]エチルアミ
ン、2−[ジ(4−メトキシフェニル)ホスフィノ]エチ
ルアミン、2−[ジ(2,4−ジメチルフェニル)ホス
フィノ]エチルアミン、2−[ジ(2,4,6−トリメチ
ルフェニル)ホスフィノ]エチルアミン、
ン、2−(ジエチルホスフィノ)エチルアミン、2−
(ジ−n−プロピルホスフィノ)エチルアミン、2−
(ジイソプロピルホスフィノ)エチルアミン、2−(ジ
−n−ブチルホスフィノ)エチルアミン、2−(ジシク
ロペンチルホスフィノ)エチルアミン、2−(ジシクロ
ヘキシルホスフィノ)エチルアミン、2−[ジ(2−メ
チルシクロヘキシルホスフィノ)]エチルアミン、2−
[ジ(2,4−ジメチルシクロヘキシル)ホスフィノ]エ
チルアミン、2−[ジ(2,4,6−トリメチルシクロ
ヘキシル)ホスフィノ]エチルアミン、2−(メチルフ
ェニルホスフィノ)エチルアミン、2−ジ(ベンジルホ
スフィノ)エチルアミン、
ルアミン、2−[ジ(4−メチルフェニル)ホスフィノ]
エチルメチルアミン、2−[ジ(4−クロロフェニル)
ホスフィノ]エチルメチルアミン、2−[ジ(4−メトキ
シフェニル)ホスフィノ]エチルメチルアミン、2−[ジ
(2−メチルフェニル)ホスフィノ]エチルメチルアミ
ン、2−[ジ(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィノ]
エチルメチルアミン、2−[ジ(2,4,6−トリメチ
ルフェニル)ホスフィノ]エチルメチルアミン、2−
(ジメチルホスフィノ)エチルメチルアミン、2−(ジ
エチルホスフィノ)エチルメチルアミン、2−(ジ−n
−プロピルホスフィノ)エチルメチルアミン、2−(ジ
イソプロピルホスフィノ)エチルメチルアミン、2−
(ジ−n−ブチルホスフィノ)エチルメチルアミン、2
−(ジシクロペンチルホスフィノ)エチルメチルアミ
ン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)エチルメチル
アミン、2−(メチルフェニルホスフィノ)エチルメチ
ルアミン、
ルアミン、2−[ジ(4−メチルフェニル)ホスフィノ]
エチルエチルアミン、2−[ジ(2,4,6−トリメチ
ルフェニル)ホスフィノ]エチルエチルアミン、2−
(ジメチルホスフィノ)エチルエチルアミン、2−(ジ
エチルホスフィノ)エチルエチルアミン、2−(ジ−n
−プロピルホスフィノ)エチルエチルアミン、2−(ジ
−n−ブチルホスフィノ)エチルエチルアミン、2−
(ジシクロペンチルホスフィノ)エチルエチルアミン、
2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)エチルエチルアミ
ン、2−(メチルフェニルホスフィノ)エチルエチルア
ミン、2−(ジフェニルホスフィノ)エチルプロピルア
ミン、2−(ジメチルホスフィノ)エチル−n−プロピ
ルアミン、2−(ジエチルホスフィノ)エチル−n−プ
ロピルアミン、2−(ジシクロペンチルホスフィノ)エ
チル−n−プロピルアミン、2−(ジシクロヘキシルホ
スフィノ)エチル−n−プロピルアミン、2−(メチル
フェニルホスフィノ)エチル−n−プロピルアミン、
−ブチルアミン、2−(ジメチルホスフィノ)エチル−
n−ブチルアミン、2−(ジエチルホスフィノ)エチル
−n−ブチルアミン、2−(ジ−n−ブチルホスフィ
ノ)エチル−n−ブチルアミン、2−(ジシクロペンチ
ルホスフィノ)エチル−n−ブチルアミン、2−(ジシ
クロヘキシルホスフィノ)エチル−n−ブチルアミン、
2−(ジフェニルホスフィノ)エチルベンジルアミン、
2−(ジメチルホスフィノ)エチルベンジルアミン、2
−(ジエチルホスフィノ)エチルベンジルアミン、2−
(ジ−n−ブチルホスフィノ)エチルベンジルアミン、
2−(ジシクロペンチルホスフィノ)エチルベンジルア
ミン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)エチルベン
ジルアミン、
2)−NHR5型の構造を有する化合物 (2−ジフェニルホスフィノ−2−メチル)エチルアミ
ン、(2−ジフェニルホスフィノ−2−メチル)エチル
メチルアミン、(2−ジエチルホスフィノ−2−メチ
ル)エチルアミン、2−(ジエチルホスフィノ−2−メ
チル)ベンジルアミン(2−ジエチルホスフィノ−2−
メチル)エチルメチルアミン、(2−ジシクロヘキシル
ホスフィノ−2−メチル)エチルアミン、(2−ジシク
ロヘキシルホスフィノ−2−メチル)エチルメチルアミ
ン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ−2−メチル)
エチルベンジルアミン
3)−NHR5型の構造を有する化合物 (2−ジフェニルホスフィノ−1−メチル)エチルアミ
ン、(2−ジフェニルホスフィノ−1−エチル)エチル
メチルアミン、(2−ジフェニルホスフィノ−1−n−
プロピル)エチルアミン、(2−ジフェニルホスフィノ
−1−n−プロピル)エチルメチルアミン、(2−ジフ
ェニルホスフィノ−1−イソプロピル)エチルアミン、
(2−ジフェニルホスフィノ−1−イソプロピル)エチ
ルメチルアミン、2−(ジフェニルホスフィノ−1−イ
ソプロピル)エチルアミン、2−ジフェニルホスフィノ
−1−イソプロピル)エチルメチルアミン、(2−ジフ
ェニルホスフィノ−1−n−ブチル)エチルアミン、
(2−ジフェニルホスフィノ−1−n−ブチル)エチル
メチルアミン、(2−ジフェニルホスフィノ−1−te
rt−ブチル)エチルアミン、(2−ジフェニルホスフ
ィノ−1−tert−ブチル)エチルメチルアミン、
(2−ジフェニルホスフィノ−1−ベンジル)エチルア
ミン、(2−ジフェニルホスフィノ−1−ベンジル)エ
チルメチルアミン、(2−ジフェニルホスフィノ−1−
フェニル)エチルアミン、(2−ジフェニルホスフィノ
−1−フェニル)エチルメチルアミン、(2−ジエチル
ホスフィノ−1−メチル)エチルアミン、2−ジエチル
ホスフィノ−1−メチル)ベンジルアミン(2−ジエチ
ルホスフィノ−1−メチル)エチルメチルアミン、(2
−ジシクロヘキシルホスフィノ−1−メチル)エチルア
ミン、(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1−メチ
ル)エチルメチルアミン、2−(ジシクロヘキシルホス
フィノ−1−メチル)エチルベンジルアミン
5型の構造を有する化合物 3−(ジフェニルホスフィノ)プロピルアミン、3−
(ジフェニルホスフィノ)プロピルメチルアミン
1またはR2)とR5とが一緒になって、例えば、シク
ロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環な
どの5〜8員の炭素環を形成した化合物を用いることも
できる。かかる化合物としては、例えば、2−(ジフェ
ニルホスフィノメチル)ピロリジンなどが挙げられる。
(R3またはR4)と(R5またはR6)とが結合して
環を形成した構造を有する化合物を用いることもでき
る。かかる化合物としては、例えば、1−ジフェニルホ
スフィノ−2−アミノシクロヘキサン、1−ジフェニル
ホスフィノ−2−メチルアミノシクロヘキサンなどが挙
げられる。
が不斉炭素原子を有している場合には光学異性体が存在
する。本発明においては、アミノ基含有ホスフィン化合
物の光学異性体混合物、光学活性体のいずれも用いるこ
とができる。
えば、次のようにして製造することができる。
意味を表す。) すなわち、式(2)で表される化合物と式(3)で表さ
れるホスフィン化合物とを、不活性溶媒中、トリフルオ
ロメタンスルホン酸などの酸触媒の存在下に反応させる
ことにより、目的とするアミノ基含有ホスフィン化合物
(4)を得ることができる。
応に不活性なものであれば特に制限されない。例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タンなどの脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベ
ンゼンなどのハロゲン化炭化水素;などを用いることが
できる。反応は−20℃から用いる溶媒の沸点までの温
度範囲で行なわれる。反応時間は、通常0.5〜100
時間である。反応終了後は、通常の後処理操作および公
知の分離・精製手段により、目的とするアミノ基含有ホ
スフィン化合物を得ることができる。
もう一つの必須の配位子として、シクロアルカジエニル
基を有する。シクロアルカジエニル基は、シクロアルカ
ジエン構造を有し、ルテニウムに結合(配位)するもの
であれば特に限定されない。シクロアルカジエニル基と
しては、例えば、シクロペンタジエニル基、置換シクロ
ペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、
フルオレニル基、置換フルオレニル基などが挙げられ
る。これらの中でも、シクロペンタジエニル基、置換シ
クロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル
基が好ましく、非置換または置換シクロペンタジエニル
基がより好ましい。
インデニル基または置換フルオレニル基における置換基
としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、フェニ
ル基、ベンジル基やトリメチルシリル基などの珪素原子
を含有する炭化水素基などが挙げられる。
ては、メチルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチ
ルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、1,3−ジ(tert−ブチル)シク
ロペンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペ
ンタジエニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロ
ペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル
基、1−エチル−2,3,4,5− テトラメチルシク
ロペンタジエニル基、1−ベンジル−2,3,4,5−
テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−フェニル
−2,3,4,5− テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基、1−トリメチルシリル−2,3,4,5−テトラ
メチルシクロペンタジエニル基、1−トリフルオロメチ
ル−2,3,4,5− テトラメチルシクロペンタジエ
ニル基などが挙げられる。
2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデ
ニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデ
ニル基などが挙げられる。また、置換フルオレニル基の
具体例としては、メチルフルオレニル基などが挙げられ
る。
も、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエ
ニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、インデ
ニル基、1,2,3−トリメチルインデニル基が好まし
い。より好ましくは、シクロペンタジエニル基、ペンタ
メチルシクロペンタジエニル基である。
次のようにして製造することができる。
味を表し、Lはシクロアルカジエニル基を表し、Xはハ
ロゲン原子を表す。また、L’は1,5−シクロオクタ
ジエン(COD)などの中性の脱離性配位子を表す。〕
カジエニルルテニウムハライド化合物(以下、「シクロ
アルカジエニルルテニウムハライド化合物(5)」とい
う。)に、不活性溶媒中、式(4)で表されるアミノ基
含有ホスフィン化合物(以下、「アミノ基含有ホスフィ
ン化合物(4)」という。)を反応させることにより、
式(1)で表されるルテニウム錯体化合物(以下、「ル
テニウム錯体化合物(1)」という。)を得ることがで
きる。
ン化合物(4)の使用量は、シクロアルカジエニルルテ
ニウムハライド化合物(5)1モルに対し、通常0.1
〜10倍モル、好ましくは0.5〜2倍モル、より好ま
しくは1.0〜1.5倍モルである。
素捕捉剤を添加するのが好ましい。ハロゲン化水素捕捉
剤を添加することにより、より収率よく目的とするルテ
ニウム錯体化合物(1)およびシクロアルカノンを得る
ことができる。
ハロゲン化水素を捕捉するものであれば特に制限されな
い。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム,水酸化カ
ルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシ
ド、カリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキ
シド、マグネシウムエトキシドなどの金属アルコキシ
ド;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩;炭酸
水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸水素塩;
トリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)などの有機
塩基;を用いることができる。ハロゲン化水素捕捉剤の
使用量は、シクロアルカジエニルルテニウムハライド化
合物(5)1モルに対して、通常1〜10倍モル、好ま
しくは1〜5倍モルである。
応に不活性なものであれば特に制限されない。例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−
ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタンなどの脂肪族炭化水素;などを用いることが
できる。溶媒の使用量は特に制約されないが、シクロア
ルカジエニルルテニウムハライド化合物(5)1gに対
し、通常1〜10,000ml、好ましくは10〜2,
000mlである。
点までの温度範囲で行なわれる。反応時間は通常0.5
〜100時間である。反応終了後は、公知の分離・精製
手段により目的とするルテニウム錯体化合物(1)を単
離することができる。また、ルテニウム錯体化合物
(1)を単離することなく、溶液の状態でそのまま異性
化反応に使用することもできる。
不飽和アルコール(以下、単に「環状α,β−不飽和ア
ルコール」という。)は、単環式化合物でも多環式化合
物であってもよい。単環式化合物としては、例えば、シ
クロペンタン−2−エン−1−オール、シクロヘキサン
−2−エン−1−オール、シクロヘプタン−2−エン−
1−オール、シクロオクタン−2−エン−1−オール、
シクロノナン−2−エン−1−オール、シクロデカン−
2−エン−1−オール、シクロウンデカン−2−エン−
1−オール、シクロドデカン−2−エン−1−オールな
どが挙げられる。また多環式化合物としては、インダン
−2−エン−1−オール、1,4−ジヒドロ−1−ナフ
トールなどが挙げられる。これらの化合物の中でも、環
構成炭素数が5〜12の単環式化合物が好ましい。
結合した炭素原子を除く任意の位置に1個または2個以
上の置換基を有していてもよい。置換基が複数の場合、
置換基は同一でも相異なっていてもよい。置換基として
は、メチル基、エチル基などのアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキ
シ基などのアルコキシ基;フェニル基、4−メチルフェ
ニル基、2−クロロフェニル基などの、置換基を有して
いてもよいフェニル基;アセトキシ基、ベンゾイルオキ
シ基などのアシルオキシ基;トリメチルシリルオキシ
基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基などのト
リアルキルシリルオキシ基;メトキシカルボニル基、エ
トキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基:な
どが挙げられる。
知物質であり、公知の方法で製造することができる。例
えば、α,β−不飽和ケトンのカルボニル基をLiAl
H4、NaBH4などの還元剤を用いて、カルボニル基
を選択的に還元する方法により得ることができる。ま
た、環状オレフィンにN−ブロモスクシンイミドなどの
ハロゲン化剤を作用させて、環状オレフィンのβ位がハ
ロゲン化された化合物を得た後、このものに、酢酸銀な
どの酢酸塩を作用させて環状オレフィンのβ位がアセト
キシ化された化合物を得、さらにこのものを加水分解す
ることによって得ることもできる(J.Am.Che
m.Soc.,76,2757(1956)など参
照)。
(1)の存在下に、環構成炭素数が5〜12の環状α,
β−不飽和アルコールを異性化することにより、シクロ
アルカノンを製造する方法である。この反応は、(a)
環状α,β−不飽和アルコールの不活性溶媒溶液に、ル
テニウム錯体化合物(1)を添加して撹拌する方法、ま
たは(b)ルテニウム錯体化合物(1)の溶液を調製
し、この溶液に環状α,β−不飽和アルコールを添加し
て撹拌する方法により行うことができる。
応に不活性なものであれば特に制限されない。例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−
ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタンなどの脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、エチ
レングリコールモノメチルエーテル(グライム)などの
エーテル系溶媒;などを用いることができる。溶媒の使
用量は特に制約されないが、環状α,β−不飽和アルコ
ール1gに対し、通常1〜10,000ml、好ましく
は10〜2,000mlである。
に制限されないが、環状α,β−不飽和アルコール1モ
ルに対して、通常0.00001〜1モル、好ましくは
0.0001〜0.5モルである。
の不活性ガス雰囲気下で行なうのが好ましい。反応温度
は、通常0〜100℃、好ましくは10〜60℃であ
る。反応時間は、反応規模、撹拌効率、環状α,β−不
飽和アルコールの種類などにもよるが、通常数十分から
数十時間、好ましくは1〜30時間である。
体化合物(1)の存在下に、環構成炭素数が5〜12の
環状共役ジエン化合物(以下、単に「環状共役ジエン化
合物」という。)を部分水和し、次いで異性化すること
によって、環構成炭素数が5〜12の環状共役ジエン化
合物から一挙に目的とするシクロアルカノンを製造する
方法である。
役ジエン化合物、多環式共役ジエン化合物のいずれも使
用できる。単環式共役ジエン化合物としては、例えば、
シクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン、
1,3−シクロヘプタジエン、1,3−シクロオクタジ
エン、1,3−シクロノナジエン、1,3−シクロデカ
ジエン、1,3−シクロウンデカジエン、1,3−シク
ロドデカジエンなどが挙げられる。また、多環式共役ジ
エン化合物としては、例えば、インデン、1,4−ジヒ
ドロナフタレンなどが挙げられる。これらの中でも、単
環式共役ジエン化合物が好ましい。
ないかぎり、任意の位置に1個または2個以上の置換基
を有していてもよい。置換基が複数の場合、置換基は同
一でも相異なっていてもよい。置換基としては、上述し
た環状α,β−不飽和アルコールの置換基として例示し
たものと同様なものが挙げられる。
る。1段階目は、環状共役ジエン化合物を部分水和して
環状α,β−不飽和アルコールとする反応であり、2段
階目は環状α,β−不飽和アルコールを異性化させてシ
クロアルカノンを得る反応である。これらの反応は連続
的であり、環状α,β−不飽和アルコールを単離するこ
となく直接シクロアルカノンを得ることができる。
の不活性溶媒溶液に、ルテニウム錯体化合物(1)およ
び水を添加して反応させる方法、または(b)ルテニウ
ム錯体化合物(1)の溶液を調製し、そこへ環状共役ジ
エン化合物および水を添加して反応させる方法によって
行なうことができる。
なものであれば特に制限されない。例えば、ジクロロメ
タン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエ
タン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;n−
ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン
などの脂肪族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、1,2−ジメトキシエタン、グライムなどの
エーテル系溶媒;などを用いることができる。溶媒の使
用量は特に制約されないが、環状共役ジエン化合物1g
に対し、通常1〜10,000ml、好ましくは10〜
2,000mlである。また、水の使用量は広範囲にわ
たって変化させることができるが、好ましくは環状共役
ジエン化合物に比して過剰量である。
進するために、反応系に酸を添加することができる。用
いられる酸としては、例えば、ハロゲン化水素酸、ハロ
ゲノオキシ酸、カルボン酸、置換カルボン酸(例えば、
ハロゲノ酢酸)、オルトリン酸、ピロリン酸、ホスホン
酸、スルホン酸、置換スルホン酸(例えば、ハロゲノス
ルホン酸)、硫酸、フルオロケイ酸、酸性イオン交換樹
脂、ポリオキシアニオンを含有する酸(例えば、H4W
O4、H3[P(Mo3O10)4])などが挙げられ
る。
の不活性ガス雰囲気下で行なうのが好ましい。反応温度
は、通常0〜100℃、好ましくは10〜60℃であ
る。反応時間は、反応規模、撹拌効率、環状共役ジエン
化合物の種類などにもよるが、通常数十分から数十時
間、好ましくは1〜30時間である。
後は通常の後処理操作を行い、公知の分離・精製手段に
より目的物を単離することができる。また、同時にルテ
ニウム錯体化合物(1)を回収し、必要に応じて精製を
行なって再度反応に供することができる。目的物の構造
は、1H−NMR、13C−NMR,IR、マススペク
トルなどの各種スペクトルを測定することによって決定
または確認することができる。
ンは、洗浄剤、溶剤、機能性材料、工業薬品、医薬品、
農薬などの製造原料として有用である。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。部および%は、特に断わりがない限り重量基準であ
る。なお、以下の実施例においては、記号は次の意味で
用いた。 Cp*:テトラメチルシクロペンタジエニル cod:1,5−シクロオクタジエン
の合成 出発原料である[Cp*RuCl(cod)]は、Ch
em.Lett.,pp.1161−1163(198
4)に記載された方法に従い合成した(下記反応式参
照)。
20ml、[Cp*RuCl(cod)]0.015g
(0.04ミリモル)、Ph2PCH2CH2NH2
0.08g(0.04ミリモル)、及びカリウム te
rt−ブトキシド 0.011g(0.1ミリモル)を
仕込み、シュレンク管を冷却脱気した。その後、1時間
反応させた。次いで、シュレンク管の内部をアルゴン置
換した。そこへ、2−シクロペンテン−1−オール
0.335g(4.0ミリモル)を加えて、30℃で1
3時間反応させた。得られた反応液をガスクロマトグラ
フィー(内部標準:Ph2CH2)により分析した結
果、2−シクロペンテノンが収率90%で得られたこと
が分かった。
ム25ml、蒸留水40ml、[Cp*RuCl(co
d)]0.375g(1.0ミリモル)、Ph 2PCH
2CH2NH2 4.0g(2.0ミリモル)、パラト
ルエンスルホン酸一水和物 1.89g(10ミリモ
ル)、及びシクロペンタジエン 0.66g(10ミリ
モル)を仕込み、130〜140℃で5時間反応させ
た。反応終了後、冷却し、反応液をガスクロマトグラフ
ィーにより分析した結果、目的とする2−シクロペンタ
ノンが収率75%で得られたことが分かった。
から簡便な方法で効率よくシクロアルカノンを製造する
ことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】配位子として、少なくとも1級または2級
アミノ基を含有するホスフィン化合物とシクロアルカジ
エニル基とを、有するルテニウム錯体化合物の存在下
に、環構成炭素数が5〜12の環状α,β−不飽和アル
コールを異性化することを特徴とするシクロアルカノン
の製造方法。 - 【請求項2】配位子として、少なくとも1級または2級
アミノ基を含有するホスフィン化合物とシクロアルカジ
エニル基とを、有するルテニウム錯体化合物の存在下
に、環構成炭素数が5〜12の環状共役ジエン化合物を
部分水和し、次いで異性化することを特徴とするシクロ
アルカノンの製造方法。 - 【請求項3】1級または2級アミノ基を含有するホスフ
ィン化合物およびシクロアルカジエニルルテニウムハラ
イド化合物を反応させて得られたルテニウム錯体化合物
を用いる請求項1または2記載のシクロアルカノンの製
造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002035315A JP4106921B2 (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | シクロアルカノンの製造方法 |
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- 2002-02-13 JP JP2002035315A patent/JP4106921B2/ja not_active Expired - Lifetime
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