JP2003238458A - 含ハロゲンベンジルハライドの製造方法 - Google Patents
含ハロゲンベンジルハライドの製造方法Info
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Abstract
造する方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも1つのハロゲン原子で置換さ
れてなるベンジルアルコールとハロゲン化剤とを反応さ
せることによって、含ハロゲンベンジルハライドを高い
収率で製造することができる。
Description
ルハライドの製造方法に関し、より詳しくは、ベンジル
アルコールとハロゲン化剤とを反応させて含ハロゲンベ
ンジルハライドを製造する方法に関する。
としては、Robert Filler等によって、
2,3,5,6−テトラフルオロキシレンを四塩化炭素
中で臭素化する方法が開示されている(Journal
of Fluoride Chemistry,30
(1986)p399−414)。しかしながら、当該
製造方法の収率は50%程度と低いため、より高収率で
含ハロゲンベンジルハライドを製造する方法の開発が期
待されていた。
アルキルアルコールのヒドロキシ基をハロゲン原子で置
換することによって、ハロゲン化物を得る方法が知られ
ている(新実験化学講座、第14巻、p361〜37
3)。ただし、一般的に知られているのは脂肪族アルキ
ルアルコールや脂環式アルキルアルコールのハロゲン化
であって、フッ素などのハロゲン原子で置換されている
ベンジルアルコールに適用できるかは不明である。
明は、含ハロゲンベンジルハライドを高い収率で製造す
る方法を提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意検討したところ、ハロゲン原子で置換
されているベンジルアルコールを出発化合物として用
い、この化合物に含まれるヒドロキシ基をハロゲン置換
することによって、高い収率で含ハロゲンベンジルハラ
イドを得ることができることを見出した。かかる知見に
基づき本発明は完成されたものである。
原子で置換されてなるベンジルアルコールとハロゲン化
剤とを反応させる、含ハロゲンベンジルハライドの製造
方法である。
〜5の整数であり、mが2以上の場合にはXは同一であ
っても異なっていてもよく、mが1〜4の整数である場
合の残基は同一または異なって水素原子、脂肪族炭化水
素基、脂環式炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アシル基、アミノ基、アルキルアミノ基またはニ
トロ基である)で表されるベンジルアルコールとハロゲ
ン化剤とを反応させる、下記式(2):
はハロゲン原子を表す)で表される含ハロゲンベンジル
ハライドの製造方法である。
ルハライドの製造において用いられる出発化合物につい
て説明する。
化合物は、少なくとも1つのハロゲン原子で置換されて
なるベンジルアルコールである。具体的には、下記式
(1):
し、具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子また
はヨウ素原子である。mは1〜5の整数である。即ち、
少なくとも1つのハロゲン原子でベンゼン環のC−H結
合が置換されている。mが2以上の場合には、Xは同一
であっても、異なっていてもよい。上記式(1)で表さ
れるベンジルアルコールは、上記式(1)に表されるよ
うに少なくとも1つのハロゲン原子Xがベンゼン環に結
合してなる。mが1〜4である場合には上記式(1)で
表される化合物は、ベンゼン環の残基の水素原子が種々
の置換基で置換されていてもよい。また、置換基が2以
上ある場合にあっては、置換基は同一であっても異なっ
ていてもよい。このような置換基としては、脂肪族炭化
水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アシル基、アミノ基、アル
キルアミノ基、ニトロ基などが挙げられる。脂肪族炭化
水素の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペ
ンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデ
シル基、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソ
プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、2−
ペンテニル基などが挙げられる。脂環式炭化水素基の具
体例としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、1−シクロヘキセニル基などが挙げ
られる。芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル
基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、
ベンジル基、ナフチル基などが挙げられる。アルコキシ
基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペン
チルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオ
キシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。アリール
オキシ基の具体例としては、フェノキシ基などが挙げら
れる。アシル基の具体例としては、ホルミル基、アセチ
ル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基な
どが挙げられる。アルキルアミノ基の具体例としては、
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基などが挙げられる。
なお、置換基は上記例示したものに限定されるものでは
なく、他の置換基を有していてもよい。
ルアルコールの具体的態様を下記に例示する。
フッ素原子である場合のみについて記載したが、Xをフ
ッ素原子に限定する趣旨ではない。塩素原子で置換され
た含ハロゲンベンジルアルコールを用いる場合には、上
記例示においてフッ素原子が塩素原子である化合物を用
いることができる。また、上記例示におけるフッ素原子
の一部が他のハロゲン原子である含ハロゲンベンジルア
ルコールを用いることも可能である。含ハロゲンベンジ
ルアルコールは公知技術を用いて合成してもよく、市販
されているものを用いてもよい。
ロゲン化剤と反応させ、ヒドロキシ基(−OH)をハロ
ゲン基(−Y)に転換し、下記式(2):
得る。前記式(2)において、Yはハロゲン原子を表
し、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子または
ヨウ素原子である。ハロゲン化剤としては、ハロゲン化
水素、ハロゲン化リン、ホスホン酸トリフェニルホスフ
ィンおよびハロゲン化アルキル、スルホニルハロゲニ
ド、ハロゲン化チオニル、並びに、酸ハロゲン化物など
を用いることができる。ハロゲン化剤としては、作業効
率等を考慮するとハロゲン化水素が好ましい。より具体
的には、ハロゲン化水素としてはフッ化水素、塩化水
素、臭化水素、ヨウ化水素等が挙げられる。ハロゲン化
リンとしては、三フッ化リン、三塩化リン、三臭化リ
ン、三ヨウ化リン等が挙げられる。ホスホン酸トリフェ
ニルホスフィンを用いる際に併用されるハロゲン化アル
キルとしては、四塩化炭素が代表例として挙げられる。
ハロゲン化剤は、ハロゲン化の方法に応じて生じる特徴
を考慮して、適宜選択すればよい。ハロゲン化水素を用
いてハロゲン化を進行させる方法は優れた経済性を有す
る。反面、反応の際にアルコールの量が共存する酸と比
較して少ないと、エーテルの生成が顕著になる恐れがあ
る。ハロゲン化リンを用いてハロゲン化を進行させる方
法は、一般に収率が優れている。ただし、有機リン化合
物を副生成物として伴いやすい欠点があることに留意す
る必要がある。このような副生成物は、臭化水素酸など
で処理することにより除去することができる。ホスホン
酸トリフェニルホスフィンおよびハロゲン化アルキルを
併用する方法は、ほぼ中性の穏やかな条件下でも速やか
に進行するので、不安定な含ハロゲンベンジルアルコー
ルをハロゲン化するのに適しているといえる。また、収
率も一般に優れている。スルホニルハロゲニドを用いて
ハロゲン化を進行させる方法は、通常の方法では反応が
うまく進行しない不安定な含ハロゲンベンジルアルコー
ルをハロゲン化するのに適している。ハロゲン化チオニ
ルを用いてハロゲン化を進行させる方法は、反応の際に
生じる化合物が基本的に二酸化硫黄とハロゲン化水素だ
けであるから、生成物の処理が容易といった利点を有す
る。また、適用できる範囲も広い。
ルコールの使用量は、使用するハロゲン化剤および含ハ
ロゲンベンジルアルコールの種類によって異なるため、
一義的に決定できるものではない。通常は、含ハロゲン
ベンジルアルコール1モルに対して、0.3〜20モル
程度の範囲から好適な量のハロゲン化剤を選択する。含
ハロゲンベンジルアルコールおよびハロゲン化剤の混合
における混合容器は、特に限定されるものではなく、ラ
ボスケールの器具からプラントスケールの機器まで様々
な機器を用いることができる。混合手段も特に限定され
るものではなく、マグネティックスターラーなどのラボ
スケールの器具からプラントスケールの撹拌翼まで種々
の手段を用いることができる。含ハロゲンベンジルアル
コールとハロゲン化剤との混合は、一方を徐々に加えな
がら混合してもよく、一度に全量を混合してもよい。
化剤とを混合した後に、ハロゲン化反応を進行させる。
ハロゲン化反応の条件は、使用するハロゲン化剤やハロ
ゲン化剤の使用量などに応じて適宜設定する必要があ
り、一義的に決定されるものではない。反応は周囲温度
で進行させてもよいが反応を促進させ短時間で反応を終
結させるためには加熱して反応温度を上昇させることが
好ましい。例えば、ハロゲン化水素を用いてハロゲン化
反応を進行させる際には、20〜200℃程度が好まし
い。反応温度は一定でなくともよく、2以上の異なる反
応温度において反応させてもよい。反応温度を変化させ
るときには、反応温度を段階的に変化させてもよく、連
続的に変化させてもよい。また、反応時間は1〜12時
間程度が一般的である。ハロゲン化反応においては、反
応を促進させる目的で第三アミン、塩化亜鉛などを加え
てもよい。他のハロゲン化剤を用いて反応させる場合も
使用する含ハロゲンベンジルアルコールに応じて条件を
適宜設定すればよい。
エチルエーテル、クロロホルム、アセトニトリル、ジメ
チルホルムアミドなどの各種液体を用いることができ
る。使用する含ハロゲンベンジルアルコールの溶解度
や、後処理の容易性を考慮してこれらから選択するとよ
い。
製する。反応物の精製は、HPLCなどの公知の分離装
置を用いておこなえばよく、特に限定されるものではな
い。精製には氷冷を用いた再結晶などの手法を用いても
よい。
用いて説明するが、本発明の技術的範囲が以下の実施例
に限定されるものではない。
5,6−テトラフルオロベンジルアルコール50.0g
(256mmol)および30%HBr/CH3COO
H溶液250ml(1.25mol)を加えた。これを
75℃で45分間加熱した。次に、氷水1100gを加
えて溶液を冷却した。析出した固体をろ過により得、得
られた固体を300mlの水で2回洗浄した。続いて、
洗浄後の固体をビーカーにとり、水300mlを加え、
炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを7に調整した。ビー
カー中の固体をろ過し、水300mlで2回洗浄した。
洗浄後の固体を乾燥することにより、4−メチル−2,
3,5,6−テトラフルオロベンジルブロマイド60.
7gを得た。4−メチル−2,3,5,6−テトラフル
オロベンジルブロマイドの収率は91.7%であった。
5,6−テトラフルオロベンジルアルコール50.0g
(256mmol)、CH3COOH125mlおよび
48%HBr水溶液125mlを加えた。これを80℃
で1時間、100℃で2.5時間加熱した。次に、氷水
1000gを加えて溶液を冷却した。析出した固体をろ
過により得、得られた固体を100mlの水で洗浄し
た。続いて、洗浄後の固体をビーカーにとり、水300
mlを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを9に調
整した。ビーカー中の固体をろ過し、水100mlで2
回洗浄した。洗浄後の固体を乾燥することにより、4−
メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロ
マイド58.6gを得た。4−メチル−2,3,5,6
−テトラフルオロベンジルブロマイドの収率は88.5
%であった。
5,6−テトラフルオロベンジルアルコール650.0
g(3.33mol)および30%HBr/CH3CO
OH溶液2700ml(13.5mol)を加えた。こ
れを75℃で2時間加熱した。次に、氷水12000g
を加えて溶液を冷却した。析出した固体をろ過により
得、得られた固体を1000mlの水で2回洗浄した。
続いて、洗浄後の固体をビーカーにとり、水2000m
lを加え、炭酸水素ナトリウム水溶液でpHを7に調整
した。ビーカー中の固体をろ過し、水1000mlで2
回洗浄した。洗浄後の固体を乾燥することにより、4−
メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルブロ
マイド834.2gを得た。4−メチル−2,3,5,
6−テトラフルオロベンジルブロマイドの収率は96.
9%であった。
ことにより、含ハロゲンベンジルハライドを高い収率で
製造することが可能である。
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも1つのハロゲン原子で置換さ
れてなるベンジルアルコールとハロゲン化剤とを反応さ
せる、含ハロゲンベンジルハライドの製造方法。 - 【請求項2】 下記式(1): 【化1】 (式中、Xはハロゲン原子を表し、mは1〜5の整数で
あり、mが2以上の場合にはXは同一であっても異なっ
ていてもよく、mが1〜4の整数である場合の残基は同
一または異なって水素原子、脂肪族炭化水素基、脂環式
炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
基、アミノ基、アルキルアミノ基またはニトロ基であ
る)で表されるベンジルアルコールとハロゲン化剤とを
反応させる、下記式(2): 【化2】 (式中、X、mは前記定義通りであり、Yはハロゲン原
子を表す)で表される含ハロゲンベンジルハライドの製
造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002039916A JP4067843B2 (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 含ハロゲンベンジルハライドの製造方法 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007072966A1 (ja) * | 2005-12-22 | 2007-06-28 | Sumitomo Chemical Company, Limited | テトラフルオロトルエン化合物、その製造方法およびその利用 |
JP2007191472A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-08-02 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、その製造方法およびその利用 |
CN114716296A (zh) * | 2022-03-25 | 2022-07-08 | 北京大学 | 一种烷基卤化物的高效卤化合成方法 |
-
2002
- 2002-02-18 JP JP2002039916A patent/JP4067843B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2007191472A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-08-02 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 4−アルコキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロトルエン、その製造方法およびその利用 |
CN114716296A (zh) * | 2022-03-25 | 2022-07-08 | 北京大学 | 一种烷基卤化物的高效卤化合成方法 |
CN114716296B (zh) * | 2022-03-25 | 2023-12-12 | 润药仁智(北京)科技有限公司 | 一种烷基卤化物的高效卤化合成方法 |
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---|---|
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