JP2547089B2 - カルボン酸類の製法 - Google Patents

カルボン酸類の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、種々の医農薬またはその製造原料を得るた
めに、メチルケトン類から対応するカルボン酸類を製造
する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
メチルケトン類からのカルボン酸類の製法としては、
ハロゲンまたは次亜ハロゲン酸塩を用いてメチルケトン
類を酸化する方法が知られている。しかし、そのような
方法でメチルケトン類を酸化する場合には、それらの酸
化剤は次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、
塩素ガス、臭素などの取り扱い難いものであることか
ら、メチルケトン類にそれらの酸化剤を化学量論的に作
用させるのは難しく、従来、それらの酸化剤を大量に用
いる必要があった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、メチルケトン類に取り扱い易いテト
ラアルキルアンモニウムポリハライドを化学量論的に作
用させることによって、それら化合物に対応したカルボ
ン酸類を高い収率で得る方法を提供することである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の問題点を解決するために鋭意研
究した結果、5〜100℃の溶媒中で、種々のメチルケト
ン類1モルに対して取り扱い易いテトラアルキルアンモ
ニウムポリハライドを1〜5モルの存在下に、メチルケ
トン類を酸化反応(ハロホルム反応)させることによっ
て、対応する種々のカルボン酸類を高い収率で得ること
ができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、5〜100℃の溶媒中で、メチルケト
ン類1モルに対してテトラアルキルアンモニウムポリハ
ライドを1〜5モルの存在下に、メチルケトン類を反応
させ、メチルケトン類から対応するカルボン酸類を生成
させることを特徴とするカルボン酸類の製法に関するも
のである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカルボン酸類の製法は、5〜100℃の溶媒中
で、メチルケトン類に取り扱い易いテトラアルキルアン
モニウムポリハライドを酸化剤として化学量論的に作用
させることによって行うことができる。
本発明で用いる溶媒としては、本発明の目的を達成で
きる限り特に制限されず如何なるものを用いてもよい
が、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化
炭素、酢酸などの有機極性溶媒、または水などを挙げる
ことができる。
そして、このとき用いる溶媒は、そのまま、またはア
ルカリ性で用いることもできるが、メチルケトン類とテ
トラアルキルアンモニウムポリハライドとの反応が容易
に進行するように、アルカリ性で用いた方が好ましい。
このアルカリ性溶媒を調製するときに用いるアルカリ
としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などのアルカリ金属の水酸化物、または水酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属の水酸化物などを挙げること
ができる。そして、これらのアルカリを加える量は、反
応が容易に進行するようにメチルケトン類1モルに対し
て3〜10モル、特に4〜8モルの割合で加えておくのが
好ましい。
本発明で用いることができるメチルケトン類として
は、例えば、芳香族メチルケトン類、脂肪族メチルケト
ン類などの化合物を挙げることができるが、特に芳香族
メチルケトン類を用いるのが好ましい。そして、それら
芳香環の置換基としては、例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基;シ
クロヘキシル基などのシクロアルキル基;メトキシ基、
エトキシ基などのアルコキシ基;フッ素原子、塩素原
子、臭素原子などのハロゲン原子;ニトロ基などを挙げ
ることができる。
本発明のカルボン酸類の製法において、原料のメチル
ケトン類を有機極性溶媒に溶かし、これにテトラアルキ
ルアンモニウムポリハライドを加えて反応(5〜100℃
で10分〜5時間、好ましくは10〜70℃で10分〜5時間、
さらに好ましくは15〜50℃で15分〜2時間)させること
によって、ハロホルム反応が容易に進行し、それらのメ
チルケトン類に対応するカルボン酸類を高収率で得るこ
とができる。
本発明でメチルケトン類の酸化剤として用いるテトラ
アルキルアンモニウムポリハライドは、次式(I); (式中、R1はベンジル基、フェニル基または低級アルキ
ル基を表し、R2、R3およびR4は、同一または相異なる低
級アルキル基を表し、Xは、同一または相異なるハロゲ
ン原子を表す。) で示される化合物であり、特にR1はベンジル基で、R2
R3およびR4は同一の低級アルキル基であることが好まし
い。
前記式(I)の定義において、低級アルキル基とは、
炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペ
ンチル基などを挙げることができる。
本発明のカルボン酸類の製法におけるテトラアルキル
アンモニウムポリハライドの使用量は、用いるメチルケ
トン類の使用量に対して大量に加える必要はなく、化学
量論的に作用させるために約0.1モル比過剰を加えれば
十分であるが、メチルケトン類1モルに対して前記式
(I)の化合物を1〜5モル、好ましくは3〜3.5モル
程度の割合であることが好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を示す。
なお、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するも
のではない。
実施例1 アセトフェノン(0.60g、5mmol)に、水酸化ナトリウ
ム(1.20g、30mmol)、水(50ml)ベンジルトリメチル
アンモニウムトリブロミド(6.04g、15.5mmol)を加え
て、室温で20分間撹拌した。このときベンジルトリメチ
ルアンモニウムトリブロミドのオレンジ色の結晶が消失
した。内容物に5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(10m
l)を加えて生成したブロモホルムを濾別し、濾液を6M
塩酸で十分に酸性とし、エーテル(40ml×4)で抽出し
た。
得られたエーテル溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、エーテルを留去して安息香酸を得た。
実施例2〜9 原料のアセトフェノンの代わりに、第1表に示す反応
条件下で各種メチルケトン類を用いて、実施例1と同様
にハロホルム反応による酸化を行うことによって、各種
メチルケトン類に対応する各種カルボン酸類を得た。
以上の結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明によれは、メチルケトン類に取り扱い易いテト
ラアルキルアンモニウムポリハライドを酸化剤として化
学量論的に作用させることによって、それらのメチルケ
トン類に対応したカルボン酸類を容易に、かつ高収率で
得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 65/21 9450−4H C07C 65/21 B 201/12 201/12 205/56 205/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5〜100℃の溶媒中で、メチルケトン類1
    モルに対してテトラアルキルアンモニウムポリハライド
    を1〜5モルの存在下に、メチルケトン類を反応させ、
    メチルケトン類から対応するカルボン酸類を生成させる
    ことを特徴とするカルボン酸類の製法。
JP1087075A 1989-04-07 1989-04-07 カルボン酸類の製法 Expired - Lifetime JP2547089B2 (ja)

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