JP2003237977A - シートの搬送機構及びシートの搬送方法並びにこれらを用いた写真処理装置 - Google Patents

シートの搬送機構及びシートの搬送方法並びにこれらを用いた写真処理装置

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JP2003237977A JP2002039973A JP2002039973A JP2003237977A JP 2003237977 A JP2003237977 A JP 2003237977A JP 2002039973 A JP2002039973 A JP 2002039973A JP 2002039973 A JP2002039973 A JP 2002039973A JP 2003237977 A JP2003237977 A JP 2003237977A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結果物の質に特に影響を与える搬送工程中の
シート状の被処理物の斜行を好適に矯正することができ
るようにする。 【解決手段】 本発明に係るシートの搬送機構は、シー
ト状の被処理物を挟持する姿勢と挟持しない姿勢とに変
更可能な挟持手段を上下方向に適宜配置し、挟持手段に
よって被処理物を挟持しつつ、該挟持手段の駆動をもっ
て被処理物を上方に位置する下流側の挟持手段に送り出
すように構成されたシートの搬送機構において、所定の
挟持手段は、上流側の挟持手段から抜けた被処理物を所
定時間挟持しないように制御され、その際、該上流側の
挟持手段は、抜けた被処理物が搬送方向と平行になるよ
うにその下端を支持するようになっている点を特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートの搬送機構
及びシートの搬送方法に関するものであり、特に、写真
処理装置に適したものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真処理装置、印刷装置等、
シート状の被処理物を扱う装置にあっては、処理内容の
異なる処理部を複数有し、各処理部間及び各処理部内で
搬送機構により被処理物を搬送し、各処理部内で目的の
処理を施した後、結果物として取り出す構成が採用され
ている。
【0003】この場合、写真処理装置を例にとって概略
を述べると、マガジンからロール状に巻回された長尺の
感光材料(シート状の被処理物)を引き出し、所定長さ
に切断して露光部に搬送し、ここで露光処理を施こした
後、現像処理部に搬送し、ここで現像処理を施した後に
写真プリントとして排出するものであり、マガジンから
排出までの感光材料の搬送は、搬送機構により行われ
る。
【0004】搬送機構としては、複数対の圧着ローラ及
び駆動ローラによって感光材料を挟持しつつ、該駆動ロ
ーラの回転をもって感光材料を送る方式、一対の駆動ベ
ルトによって感光材料を挟持しつつ、該駆動ベルトの無
端走行をもって感光材料を送る方式、挟持部材によって
感光材料を挟持しつつ、該挟持部材の移動走行をもって
感光材料を送る方式などがあり、これらの方式の搬送機
構がそれぞれ単独であるいは複合的に装置内に組み込ま
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
搬送機構にあっては、感光材料が搬送機構内部で搬送方
向(進行方向)に対して傾いた状態(いわゆる「斜行」
した状態)や本来の位置から幅方向(搬送方向と直交す
る方向)にずれた状態(いわゆる「蛇行」した状態)と
なって搬送されることがある。特に、ローラ方式の搬送
機構は、ローラの圧着力が幅方向において不均一になる
などの原因により、感光材料が斜行や蛇行する傾向が強
い。そして、このような事態が生じると、例えば写真処
理装置の場合、感光材料が斜行や蛇行した状態のままで
露光部に搬送され、該露光部内において形成される画像
が感光材料に対して傾いたり横ずれしたものとなってし
まい、写真プリントの商品価値が損なわれてしまうこと
となる。
【0006】このため、かかる感光材料の斜行や蛇行を
防止すべく、搬送機構、特にローラ方式の搬送機構に
は、感光材料の両側縁に摺接して幅方向の規制を加える
一対のガイド部材(幅規制部材)が設けられることがあ
る。しかしながら、通常、ガイド部材と感光材料の側縁
との間にはある程度のクリアランスが設定されるため、
この範囲内で感光材料が斜行や蛇行する可能性があり、
クリアランスの程度によっては、斜行した場合の影響を
無視することはできない。また、クリアランスを無くし
たとしても、ローラ等の搬送力により方形状の感光材料
の角が撓んでガイド部材間を斜行することもある。そし
て、感光材料には、常にローラ等の圧着力が付勢された
状態であるため、ガイド部材が設けられているにも関わ
らず、一旦斜行や蛇行した感光材料の姿勢を矯正するの
は困難である。
【0007】そこで、本発明は、上記の如き問題点に鑑
みてなされたもので、結果物の質に特に影響を与える搬
送過程における被処理物の斜行を好適に矯正することが
でき、併せて、被処理物の蛇行をも好適に矯正すること
ができるシートの搬送機構及びシートの搬送方法並びに
これらを用いた写真処理装置を提供することを課題とす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るシートの搬送機構は、シート状の被処
理物を挟持する姿勢と挟持しない姿勢とに変更可能な挟
持手段を上下方向に適宜配置し、挟持手段によって被処
理物を挟持しつつ、該挟持手段の駆動をもって被処理物
を上方に位置する下流側の挟持手段に送り出すように構
成されたシートの搬送機構において、所定の挟持手段
は、上流側の挟持手段から抜けた被処理物を所定時間挟
持しないように制御され、その際、該上流側の挟持手段
は、抜けた被処理物が搬送方向と平行になるようにその
下端を支持するようになっていることを特徴とする。
【0009】また、本発明に係るシートの搬送方法は、
上記シートの搬送機構に対応するもので、シート状の被
処理物を挟持する姿勢と挟持しない姿勢とに変更可能な
挟持手段を上下方向に適宜配置し、挟持手段によって被
処理物を挟持しつつ、該挟持手段の駆動をもって被処理
物を上方に位置する下流側の挟持手段に送り出すように
したシートの搬送方法であって、被処理物が所定の挟持
手段から抜けてから所定時間、該被処理物に掛かる下流
側の挟持手段を挟持しない姿勢にしておき、その際、抜
けた被処理物が搬送方向と平行になるようにその下端を
前記所定の挟持手段で支持させ、しかる後、下流側の挟
持手段を挟持する姿勢に変更すると共に、該下流側の挟
持手段を駆動させて被処理物をさらに上方に送るように
したことを特徴とする。
【0010】これらの発明によれば、被処理物は、所定
の挟持手段から抜けてから所定時間、何れの挟持手段に
も挟持されていない自由な状態となって、その自重によ
り挟持手段の上に乗り掛かる格好となる。この時、被処
理物がそれまで傾いた状態にあれば、挟持手段との当接
を受けてその姿勢が矯正されて、被処理物は搬送方向と
平行に位置決めされる。従って、以後の被処理物は、搬
送方向に沿って平行な状態で下流側に搬送されることと
なる。
【0011】また、請求項2記載の如く、挟持手段は、
回転駆動制御される駆動ローラと、該駆動ローラに対し
て圧着・離間する圧着ローラとからなるローラ対である
場合のシートの搬送方法は、請求項6記載の如く、挟持
手段は、回転駆動制御される駆動ローラと、該駆動ロー
ラに対して圧着・離間する圧着ローラとからなるローラ
対であり、所定のローラ対における駆動ローラの回転に
伴って被処理物の上端が下流側のローラ対に進入する
際、該下流側のローラ対における圧着ローラを離間させ
且つ該下流側のローラ対における駆動ローラを所定期間
回転させておき、しかる後、所定のローラ対から被処理
物が抜けると、該所定のローラ対における駆動ローラの
回転を停止し、さらに、所定時間経過後、下流側のロー
ラ対における圧着ローラを再度圧着させた後、該下流側
のローラ対における駆動ローラを再度回転させて、被処
理物をさらに上方に送るようにした構成を採用すること
ができる。
【0012】被処理物の上端が下流側のローラ対に進入
する際、該下流側のローラ対における圧着ローラを離間
させ且つ該下流側のローラ対における駆動ローラを所定
期間回転させておくのは、被処理物の先端(上端)がロ
ーラ対に引っ掛かり、搬送性が阻害されることがあるか
らである。ローラ対から被処理物が抜けて、該ローラ対
における駆動ローラの回転を停止すれば、被処理物は、
挟持による拘束が解除された自由な状態であるため、ロ
ーラ対の駆動ローラ及び圧着ローラ間上で起立した格好
となる。そして、この時、被処理物は、その後端(下
端)がローラの軸方向に沿った格好となるので、搬送方
向と平行に位置決めされている。従って、以後の被処理
物は、搬送方向に沿って平行な状態で下流側に搬送され
ることとなる。尚、圧着ローラを再度圧着させる際に、
対応する駆動ローラの回転を停止させた状態にしておく
のは、駆動ローラが回転している状態で圧着ローラを圧
着させると、その際に被処理物が搬送方向に対して傾い
た状態になることがあるからである。
【0013】また、本発明に係るシートの搬送機構は、
請求項3記載の如く、搬送方向と直交する方向における
被処理物の移動を規制する一対の幅規制部材をさらに備
え、また、請求項4記載の如く、一対の幅規制部材は、
搬送方向と直交する方向における搬送中心に対して左右
対称に接離して、間隔が可変となるような構成を採用す
るのが好ましい。これにより、幅サイズの異なる各種の
被処理物に対応しつつ、被処理物の蛇行(横ずれ)をも
好適に矯正することができる。
【0014】そして、本発明に係る写真処理装置は、被
処理物は、露光部にて露光処理が施される感光材料であ
り、請求項1乃至4記載のシートの搬送機構が感光材料
を露光部の上流側に設けられ、あるいは請求項5又は6
記載のシートの搬送方法が露光部の上流側で実施される
ことを特徴とするものである。かかる構成からなる写真
処理装置にあっては、感光材料を常に斜行あるいは蛇行
の無い状態で露光部に供給することができるようにな
る。従って、常に品質の高い写真プリントを提供するこ
とができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシートの搬送
機構を採用した写真処理装置の実施形態を図面を参酌し
つつ説明するが、まず始めに、本実施形態に係る写真処
理装置の概略構成について図1に基づき説明する。
【0016】本実施形態に係る写真処理装置1は、機能
上、装置本体の長手方向(横方向)の略中央部位を境と
して、上流側のプリンタ部Aと、下流側のプロセッサ部
Bとに分けられる。プリンタ部Aでは、マガジン2から
供給された感光材料Pを露光部5にて一定速度で搬送さ
せながら、デジタル画像データに基づく画像の走査露光
処理が施される。そして、プロセッサ部Bでは、露光処
理された感光材料Pを発色処理タンク、定着処理タン
ク、安定処理タンク等の各種の処理タンク(図示しな
い)内の処理液に順次浸漬させて、現像、漂白、定着、
安定化等の処理が施され、しかる後、乾燥処理が施さ
れ、さらにオーダー仕分部12にて乾燥された感光材料
Pがオーダー毎に仕分けられる。
【0017】プリンタ部Aには、長尺の感光材料Pをロ
ール状に巻回して収納する一対のマガジン2,2が着脱
自在に内装されている。選択された一のマガジン2から
引き出された感光材料Pは、第一搬送ユニット3へと導
かれる。第一搬送ユニット3内には、カッタ(図示しな
い)が配置されており、第一搬送ユニット3内に導かれ
た感光材料Pは、その幅方向(感光材料Pの搬送方向と
直交する方向)に所定の長さに切断されて方形状となっ
た後、本実施形態における特徴部分である第二搬送ユニ
ット4(これについては、後述する)へと送り出され
る。第二搬送ユニット4は、下方位置にて受け取った感
光材料Pを上方に位置する露光部5へと送り出す搬送ユ
ニットであって、第一搬送ユニット3と同様、メンテナ
ンス容易化のために、装置本体から引き出し可能に構成
されている。
【0018】露光部5は、感光材料Pに対してデジタル
画像データに基づく画像の露光処理を行うもので、R,
G,B各色に対応する波長のレーザー光のビームをポリ
ゴンミラーを介して主走査方向(感光材料Pの搬送方向
と直交する方向)に照射する露光ヘッド6と、該露光ヘ
ッド6の露光ポイントを挟んで上流側及び下流側に配置
された2対の副走査用ローラ対8,8を備えた第三搬送
ユニット7とを備え、第二搬送ユニット4から受け取っ
た感光材料Pを副走査用ローラ対8で副走査方向に一定
速度で搬送させながらライン状の露光を行っていく、い
わゆる走査露光方式を採用している。
【0019】露光部5にて露光されて乳剤面に潜像が形
成された感光材料Pは、次に、第四搬送ユニット9、第
五搬送ユニット10に順次供給されてこれらを通過す
る。そして、第五搬送ユニット10から排出された感光
材料Pは、第六搬送ユニット11へと送り出される。第
六搬送ユニット11は、ここまで一列搬送されてきた感
光材料Pを2列或いはそれ以上の列に振り分けて並列搬
送された状態にする振り分け機構を備えている。
【0020】図2及び図3に示す如く、第二搬送ユニッ
ト4は、搬送経路の上流側(下方側)から下流側(上方
側)にかけて互いに適宜間隔を有する、第一ローラ対2
1、第二ローラ対22、第三ローラ対23、第四ローラ
対24、第五ローラ対25、第六ローラ対26、第七ロ
ーラ対27、第八ローラ対28、第九ローラ対29から
なる複数のローラ対を備え、駆動ローラ21a〜29a
及び圧着ローラ21b〜29bによって感光材料Pを挟
持しつつ、該駆動ローラ21a〜29bの回転をもって
感光材料Pを下方位置から上方位置に搬送する構成とな
っている。
【0021】また、第二搬送ユニット4は、幅方向に間
隔を有して対向する一対の側板15,15と、該側板1
5の下端位置から上下方向の略中間位置にかけて一対の
側板15,15間に跨って配設され、上下方向の略中間
位置にて略く字状に屈曲された第一ガイド板16と、該
第一ガイド板16の上端位置であって幅方向の略中間位
置に接続され、そこから側板15の上端位置にまで延び
る帯状の第二ガイド板17と、第一ガイド板16の屈曲
下方側と所定の隙間を有して対向し、下端18aが側板
15,15に回動自在に支持された第三ガイド板18
と、該第三ガイド板18の上端位置にリンク部材を介し
て回動自在に接続され、第一ガイド板16の屈曲上方側
と所定の隙間を有して対向する第四ガイド板19と、前
記第二ガイド板17と所定の隙間を有して対向し、下端
20aが側板15,15に回動自在に支持された第五ガ
イド板20とを備えている。
【0022】第二搬送ユニット4における搬送経路は、
第一ガイド板16と第三ガイド板18との隙間、第一ガ
イド板16と第四ガイド板19との隙間、そして、第二
ガイド板17と第五ガイド板20との隙間によって構成
され、この互いに連続するガイド板間の隙間内を感光材
料Pが通過するようになっている。尚、第三ガイド板1
8、第四ガイド板19及び第五ガイド板20は、対向す
るガイド板16,17と所定の隙間を維持するよう、側
板15,15に係止されているが、この係止を解除する
と、第三ガイド板18及び第四ガイド板19は、第一ガ
イド板16から離間するように回動し、第五ガイド板2
0は、第二ガイド板17から離間するように回動し、よ
って、搬送経路を開放させることができる。
【0023】駆動ローラ21a〜25aは、それぞれ一
の回転軸上に軸方向の間隔を有して配置される複数個の
ローラ体(図示しない)からなり、それぞれローラ体の
一部が第一ガイド板16の対応箇所に形成された切欠窓
(図示しない)を介して搬送経路内に臨出するよう、そ
の回転軸が側板15,15に軸支されている。駆動ロー
ラ26a〜28aは、それぞれ第二ガイド板17を挟み
込むように配置される二個のローラ体からなり、それぞ
れローラ体の一部が搬送経路内に臨出するよう、その回
転軸が側板15,15に軸支されている。駆動ローラ2
9aは、一の回転軸上に軸方向の間隔を有して配置され
る複数個のローラ体からなり、それぞれローラ体の一部
が搬送経路内に臨出するよう、その回転軸が側板15,
15に軸支されている。
【0024】また、駆動ローラ21a〜23aは、それ
ぞれの回転軸の端部に固着されたプーリ(図示しない)
に巻き掛けられた一本のタイミングベルト(図示しな
い)を介して1個のモータ(図示しない)により同期駆
動されるようになっている。駆動ローラ24a〜27a
は、それぞれの回転軸の端部に固着されたプーリ(図示
しない)に巻き掛けられた別の一本のタイミングベルト
(図示しない)を介して1個のモータ30により同期駆
動されるようになっている。駆動ローラ28a,29a
は、それぞれの回転軸の端部に固着されたプーリ(図示
しない)に巻き掛けられたさらに別の一本のタイミング
ベルト(図示しない)を介して1個のモータ31により
同期駆動されるようになっている。
【0025】圧着ローラ21b〜23bは、それぞれ駆
動ローラ21a〜23aに対応した個数(図示しない)
のローラ体からなり、それぞれローラ体の一部が第三ガ
イド板18の対応箇所に形成された切欠窓(図示しな
い)を介して搬送経路内に臨出するよう、その回転軸が
第三ガイド板18に軸支されている。圧着ローラ24
b,25bは、それぞれ駆動ローラ24a,25aに対
応した個数(図示しない)のローラ体からなり、それぞ
れローラ体の一部が第四ガイド板19の対応箇所に形成
された切欠窓(図示しない)を介して搬送経路内に臨出
するよう、その回転軸が第四ガイド板19に軸支されて
いる。圧着ローラ26b〜28bは、それぞれ駆動ロー
ラ26a〜28aの二個のローラ体間の長さに対応した
長さを有する1個(図3(ロ)参照)のローラ体からな
り、該ローラ体の一部が第五ガイド板20の対応箇所に
形成された切欠窓を介して搬送経路内に臨出するよう、
その回転軸が第五ガイド板20に軸支されている。圧着
ローラ29bは、駆動ローラ29aに対応した個数(図
示しない)のローラ体からなり、それぞれローラ体の一
部が第五ガイド板20の対応箇所に形成された切欠窓
(図示しない)を介して搬送経路内に臨出するよう、そ
の回転軸が第五ガイド板20に軸支されている。
【0026】また、図4にも示す如く、側板15,15
には、圧着ローラ24b〜29bの回転軸にそれぞれ接
離する複数のレバー32,…が回動自在に固着されてお
り、また、これらレバー32,…は、側板15,15に
軸支された回転軸の対応箇所に固着されたカム33,…
によって揺動操作されるようになっている。カム33用
の回転軸は三本設けられており、上流側二本の回転軸
は、それぞれ端部に固着されたプーリ(図示しない)に
巻き掛けられた一本のタイミングベルト(図示しない)
を介して1個のモータにより同期駆動されるようになっ
ている一方、下流側一本の回転軸は、別の1個のモータ
34により駆動されるようになっている。
【0027】そして、それぞれ回転軸に固着されたカム
33は、二個のレバー32,32を同期的に揺動操作で
きるよう、カム33の形状及びレバー32の配置位置が
設定されており、一本の回転軸が所定角度回転すること
によってカム33が所定角度回転すれば、一対のレバー
32,32が揺動して圧着ローラ24b〜29bのそれ
ぞれ回転軸のうちの互いに隣接する一対の回転軸に当接
し、常時は駆動ローラ24a〜29a側に付勢されてい
る圧着ローラ24b〜29bのうちの互いに隣接する一
対の圧着ローラが駆動ローラから離間する(圧着解除す
る)ようになっている。具体的には、上流側二本の回転
軸が同期回転するので、圧着ローラ24b〜27bが同
時に圧着解除姿勢となり、下流側一本の回転軸が単独で
回転するので、その際は、圧着ローラ28b,29bが
同時に圧着解除姿勢となる。
【0028】また、第二ガイド板17を中心として、幅
方向位置には、該第二ガイド板17と平行にして互いに
対向する一対のガイド部材35,35が設けられてい
る。該ガイド部材35は、開放端が互いに対向する凹状
のガイド部35a(図3(ハ)参照)が設けられてお
り、それぞれガイド部35aが感光材料Pの両側縁を囲
うことにより、感光材料Pに対して幅方向の規制を加え
ることができる。該ガイド部材35,35は、側板1
5,15に軸支されたボールネジ36に螺着されたナッ
ト37に固着されており、しかも、ボールネジ36は、
左右が互いに逆ネジの関係となっている。上下一対のボ
ールネジ3は、それぞれ端部に固着されたプーリ(図示
しない)に巻き掛けられた一本のタイミングベルト(図
示しない)を介して1個のモータ38により同期駆動さ
れるようになっており、その結果、モータ38を駆動さ
せれば、幅方向に一対のガイド部材35,35は、搬送
中心に対して左右対称に接離する構成となっており、感
光材料Pの各種の幅サイズに対応することができるよう
になっている。
【0029】本実施形態に係る写真処理装置は、以上の
構成からなり、次に、第二搬送ユニット4が受け入れた
感光材料Pを露光部5に送り出す搬送態様について図5
に基づき説明する。尚、一対のガイド部材35,35
は、搬送される感光材料Pの幅サイズに対応した間隔
(若干のクリアランスを考慮)に位置設定されているも
のとする。
【0030】図5(イ)は、ローラ対21〜27の駆動
に伴って搬送経路内を上昇してきた感光材料Pの先端が
ローラ対27を通過した時点を示す。この時点では、し
かる後に、下流側のローラ対28やローラ対29に感光
材料Pの先端が引っ掛かり、搬送性が阻害されるといけ
ないので、圧着ローラ28b,29bを圧着解除姿勢に
すると共に、駆動ローラ28a,29aを回転させてお
く必要がある。
【0031】そして、しかる後、感光材料Pの先端が下
流側のローラ対28あるいはローラ対29を通過した時
点で、駆動ローラ28a,29aの回転を停止させる
(図5(ロ))。これは、しかる後、圧着ローラ28
b,29bを圧着姿勢に復帰させる際、駆動ローラ28
a,29aが回転していると、感光材料Pに瞬間的な不
均一の圧着力が働いて、該感光材料Pが搬送方向に対し
て傾いた状態になることがあるからである。
【0032】次に、感光材料Pの後端がローラ対27を
過ぎた時点(即ち感光材料Pがローラ対27を抜けた時
点)で、駆動ローラ27a(駆動ローラ24a〜27
a)の回転を停止させる(図5(ハ))。この時、下流
側のローラ対28,29は、圧着解除しているから、感
光材料Pは、その上流側のローラ対27上で起立した格
好となる。ここで、特記すべきことは、ローラ対の駆動
ローラ27aと圧着ローラ27bとは圧着状態にあり、
その当接部位領域の上端縁は、ローラ対27の回転軸と
平行、即ち搬送方向と直交ということである。下流側の
ローラ対28,29の圧着が解除された状態で、ローラ
対27の駆動が停止されるということは、感光材料Pの
後端がその当接部位領域の上端縁に乗る、即ち感光材料
Pの後端縁と当接部位領域の上端縁とが一致するという
ことを意味する。従って、それまでに感光材料Pが斜行
した状態で搬送されてきたとすると、感光材料Pの姿勢
は矯正されることになる。そして、ガイド部材35,3
5が設けられているから、姿勢が矯正される際に、感光
材料Pの横ずれが生じることもない。
【0033】そこで、所定時間経過後に、圧着ローラ2
8b,29bを圧着姿勢に切り替え、さらに、駆動ロー
ラ28a,29aの回転を開始させる(図5(ニ))。
この時、感光材料Pは、搬送方向と平行な状態を維持し
つつ、露光部5に送り出され、露光部5においては、搬
送方向と平行な状態に維持しつつ、副走査用ローラ対8
により一定速度で搬送されながら露光処理が施されるこ
ととなる。
【0034】以上のように、本実施形態に係る感光材料
の搬送方法によれば、感光材料Pを下方から上方に搬送
する過程において、該感光材料Pを露光部5に送り出す
前に、感光材料Pが抜けたローラ対の駆動を所定時間停
止して、該ローラ対よりも下流側に位置するローラ対で
あって感光材料Pに掛かるものの圧着状態を解除してお
けば、感光材料Pはどのローラ対にも挟持されない自由
な状態が得られて、それまで搬送方向に対して傾いた状
態にある場合の感光材料Pは、その自重によりローラ対
の間に添うようにしてその姿勢が矯正されるため、ガイ
ド部材35,35の効果も併せれば、感光材料Pが斜行
した状態や蛇行した状態のままで露光部5に搬送され、
該露光部5内において形成される画像が感光材料Pに対
して傾いたり横ずれしたものとなってしまい、写真プリ
ントの商品価値が損なわれてしまうような事態を好適に
防止することができるという効果を奏する。
【0035】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
変更が可能である。
【0036】例えば、挟持手段としては、ローラ対以外
にも、一対の駆動ベルト、所定区間を往復移動する挟持
部材(搬送体)であってもよい。
【0037】また、上記実施形態においては、第二搬送
ユニット4における各ローラ対21〜29は、略垂直方
向に配置されるようになっているが、これに限定され
ず、垂直方向に対して傾いた斜め方向に配置されるよう
にしてもよい。要は、被処理物の挟持状態が解除された
状態において、下方に位置する挟持部材に被処理物の重
力が作用して、その反力により被処理物の姿勢が矯正さ
れるようになっていれば、本発明の意図する範囲であ
る。従って、「上」、「下」は、そのような意味で使用
される概念とする。
【0038】さらに、上記搬送方法以外に、下流側のロ
ーラ対が感光材料を所定量だけ上方に移動させて上流側
のローラ対との縁切りを行った後、上流側のローラ対及
び下流側のローラ対の駆動を停止し、さらに、下流側の
ローラ対を圧着解除状態にして、感光材料を上流側のロ
ーラ対上に落とし込み、しかる後、下流側のローラ対を
圧着状態にすると共に、駆動させて、感光材料を上方に
搬送するといった方法を採用することもできる。
【0039】また、被処理物が一切挟持されていない期
間の何れかのタイミングで、ガイド部材35,35(幅
規制部材)を被処理物の側縁に軽く当接するまで移動さ
せれば、横ずれの矯正も行われることとなる。
【0040】さらに、本発明は、写真処理装置のみに限
定されず、また、写真処理装置の場合であっても、感光
材料を露光部に供給するためのものに限定されないのは
言うまでもなく、その適用箇所に制限は無い。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明は、被処理物が挟
持手段から抜けてから所定時間、該被処理物に掛かる下
流側の挟持手段を挟持しない姿勢にしておき、その際、
抜けた被処理物が搬送方向と平行になるようにその下端
を下方に位置する挟持手段で支持させるようにしたた
め、この間の被処理物は、何れの挟持手段にも挟持され
ていない自由な状態となり、自重により挟持手段の上に
乗り掛かる格好となり、この時、被処理物がそれまで傾
いた状態にあれば、挟持手段との当接を受けてその姿勢
が矯正されて、被処理物は搬送方向と平行に位置決めさ
れることとなる。従って、結果物の質に特に影響を与え
る搬送工程中のシート状の被処理物の斜行を好適に矯正
することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す写真処理装置の全体
概略図を示す。
【図2】同実施形態の第二搬送ユニットの概略側面図を
示す。
【図3】(イ)は、図2のA−A線断面図、(ロ)は、
(イ)のB−B線断面図、(ハ)は、(イ)のC−C線
断面図を示す。
【図4】同実施形態の圧着解除機構の概略側面図であっ
て、(イ)は、圧着状態、(ロ)は、圧着解除状態を示
す。
【図5】同実施形態の第二搬送ユニットにおける下流側
の搬送系の概略側面図であって、(イ)は、上流側に位
置するローラ対を圧着状態にて駆動すると共に、それよ
りも下流側に位置するローラ対を圧着解除状態にて駆動
している状態、(ロ)は、感光材料が下流側に位置する
ローラ対に差し掛かって該ローラ対を駆動停止した状
態、(ハ)は、上流側に位置するローラ対を駆動停止し
ている状態、(ニ)は、下流側に位置するローラ対を圧
着状態にて駆動している状態を示す。
【符号の説明】
1 写真処理装置 4 第二搬送ユニット 5 露光部 15 側板 16〜20 ガイド板 21〜29 ローラ対 21a〜29a 駆動ローラ 21b〜29b 圧着ローラ 32 レバー 33 カム 35 ガイド部材 36 ボールネジ 37 ナット A プリンタ部 B プロセッサ部 P 感光材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 27/46 G03B 27/46 A Fターム(参考) 2H106 AB45 BA11 3F049 AA02 DA12 DA19 DB02 EA10 EA24 EA28 LA01 LB01 3F101 FC18 LA01 LB01 3F102 AA12 AB01 BA02 BB04 CB01 EA03 FA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の被処理物を挟持する姿勢と挟
    持しない姿勢とに変更可能な挟持手段を上下方向に適宜
    配置し、挟持手段によって被処理物を挟持しつつ、該挟
    持手段の駆動をもって被処理物を上方に位置する下流側
    の挟持手段に送り出すように構成されたシートの搬送機
    構において、所定の挟持手段は、上流側の挟持手段から
    抜けた被処理物を所定時間挟持しないように制御され、
    その際、該上流側の挟持手段は、抜けた被処理物が搬送
    方向と平行になるようにその下端を支持するようになっ
    ていることを特徴とするシートの搬送機構。
  2. 【請求項2】 挟持手段は、回転駆動制御される駆動ロ
    ーラと、該駆動ローラに対して圧着・離間する圧着ロー
    ラとからなるローラ対である請求項1記載のシートの搬
    送機構。
  3. 【請求項3】 搬送方向と直交する方向における被処理
    物の移動を規制する一対の幅規制部材をさらに備えてな
    る請求項1又は2記載のシートの搬送機構。
  4. 【請求項4】 一対の幅規制部材は、搬送方向と直交す
    る方向における搬送中心に対して左右対称に接離して、
    間隔が可変となるように構成されてなる請求項3記載の
    シートの搬送機構。
  5. 【請求項5】 シート状の被処理物を挟持する姿勢と挟
    持しない姿勢とに変更可能な挟持手段を上下方向に適宜
    配置し、挟持手段によって被処理物を挟持しつつ、該挟
    持手段の駆動をもって被処理物を上方に位置する下流側
    の挟持手段に送り出すようにしたシートの搬送方法であ
    って、被処理物が所定の挟持手段から抜けてから所定時
    間、該被処理物に掛かる下流側の挟持手段を挟持しない
    姿勢にしておき、その際、抜けた被処理物が搬送方向と
    平行になるようにその下端を前記所定の挟持手段で支持
    させ、しかる後、下流側の挟持手段を挟持する姿勢に変
    更すると共に、該下流側の挟持手段を駆動させて被処理
    物をさらに上方に送るようにしたことを特徴とするシー
    トの搬送方法。
  6. 【請求項6】 挟持手段は、回転駆動制御される駆動ロ
    ーラと、該駆動ローラに対して圧着・離間する圧着ロー
    ラとからなるローラ対であり、所定のローラ対における
    駆動ローラの回転に伴って被処理物の上端が下流側のロ
    ーラ対に進入する際、該下流側のローラ対における圧着
    ローラを離間させ且つ該下流側のローラ対における駆動
    ローラを所定期間回転させておき、しかる後、所定のロ
    ーラ対から被処理物が抜けると、該所定のローラ対にお
    ける駆動ローラの回転を停止し、さらに、所定時間経過
    後、下流側のローラ対における圧着ローラを再度圧着さ
    せた後、該下流側のローラ対における駆動ローラを再度
    回転させて、被処理物をさらに上方に送るようにした請
    求項5記載のシートの搬送方法。
  7. 【請求項7】 被処理物は、露光部にて露光処理が施さ
    れる感光材料であり、請求項1乃至4記載のシートの搬
    送機構が感光材料を露光部の上流側に設けられ、あるい
    は請求項5又は6記載のシートの搬送方法が露光部の上
    流側で実施されることを特徴とする写真処理装置。
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