JP2003235482A - マイクロ波加熱用食品素材 - Google Patents
マイクロ波加熱用食品素材Info
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Abstract
類の原料に適したマイクロ波加熱調理食品素材を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 乳化剤を0.1〜2.0重量%添加した
小麦粉を常圧雰囲気下から加熱処理して得られるマイク
ロ波加熱用食品素材。
Description
理に適した食品素材に関する。
レンジによる加熱調理が普及している。この電子レンジ
加熱調理法は調理済み食品にマイクロ波を数分間照射す
ることで簡便かつ迅速に食事に供することができる利点
がある。そのために冷凍食品の解凍・加熱、冷蔵および
常温流通の調理済み食品の加熱にも良く用いられる。
天ぷら等のフライ食品の場合、電子レンジ加熱すると、
衣のクリスピー感(さくさく感)が失われ、べたついた
食感になったり、食感が硬くなり、「引き」が強くなっ
て歯切れが悪くなる等の欠点がある。これは電子レンジ
加熱により食品内部の温度上昇が速く、水分の蒸発が多
くなり、具材から衣へ水分が移行することによって生じ
るものと考えられる。
いくつかの改善策が提案されている。例えばメチルセル
ロースを含有する冷凍フライ食品用衣材(特開2000
−316509公報参照)、ポリグリセリン組成中、ト
リ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、オクタ、ノナ、
デカグリセリンから選ばれる1種のポリグリセリンの含
量が35%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを
含有する揚げ物食品用添加物(特開2000−3084
62公報参照)、糖アルコールを含有する揚げ物用衣材
料(特開2000−300198公報参照)等が知られ
ているが、いずれの方法も電子レンジ加熱調理後の食感
の改良効果は未だ満足し得るものではなかった。
変化の程度を制御し、かつ湿熱処理の時間短縮および温
度の低減を可能とする技術として、澱粉質材料を湿熱処
理するに際し、湿熱処理促進剤として界面活性剤、金属
塩類または糖類を用いる湿熱処理澱粉の製造法が知られ
ている(特開平6−145203号公報参照)。この方
法は具体的には澱粉質材料を減圧雰囲気下においてそこ
に加圧蒸気を入れて湿熱処理を行うものである。しかし
ながら、このような方法で得られた湿熱処理小麦粉を例
えば衣材として用い、電子レンジ加熱調理を行うと、電
子レンジ加熱調理後の経時変化が大きく、食感もクリス
ピー感が充分でなく満足し得るものではなかった。
子レンジで解凍・加熱しても優れた食感を有し、経時変
化のない食品素材を得るために種々研究を行った結果本
発明を完成するに至った。
化剤を0.1〜2.0重量%添加した小麦粉を常圧雰囲
気下から加熱処理してなる、マイクロ波加熱用食品素材
である。
する。本発明のマイクロ波加熱用食品素材は主原料とし
て小麦粉を用いる。小麦粉としては強力粉、準強力粉、
中力粉、薄力粉、デュラムセモリナ等が挙げられ、使用
目的により少なくとも1種を適宜選択すればよい。
て混合する。使用する乳化剤としては、グリセリン脂肪
酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシ
チン、リゾレシチン等が挙げられるが、特にグリセリン
脂肪酸エステルのなかでもステアリン酸モノグリセリ
ド、コハク酸モノグリセリドが好ましい。乳化剤の添加
量は、小麦粉に対し、0.1〜2.0重量%、特に0.
3〜1.0重量%の範囲が好ましい。
う。この加熱処理は、乳化剤を含有する小麦粉を常圧雰
囲気下から加熱処理を行うものであり、例えばその方法
として、加熱処理操作をすべて常圧下で行ったり、ま
た、加熱処理時に加圧状態となる処理操作方法等が挙げ
られる。また加熱方法としては例えばマイクロ波、蒸
気、加熱蒸気等の乾熱加熱あるいは湿熱加熱等の手段が
挙げられる。加熱処理温度は加熱手段によっても異なる
が、一般的に100〜130℃で、5〜60分間処理す
ることが好ましい。
ロ波加熱用食品素材は、未処理小麦粉(生小麦粉)に対
するアミロース溶出量が10〜80%に抑制され、かつ
蛋白質溶出量も30〜80%に抑制されている。
の測定法を示せば下記のとおりである。アミロース溶出量の測定 小麦粉160mgに対して蒸留水8mlを加えた後、撹拌し
ながら70℃、10分間加熱する。室温まで冷却した
後、遠心分離して上澄液を得る。上澄液0.5mlにヨー
ド発色液4ml(200mgKI, 20mgI2/1000ml蒸留水)を加え
て発色させた後、660nmの吸光度を測定し溶出アミロ
ース量とした。前記のようにしてアミロース溶出量を測
定し、下記式によりアミロース溶出抑制率(%)を算出
した。
ながら70℃、10分間加熱する。室温まで冷却した
後、遠心分離して上澄液を得る。上澄液50μlにBi
o−Rad社の蛋白アッセイキットA液200μl及び
蛋白アッセイキットB液2mlを加えて室温で反応させ7
50nmの吸光度を測定し溶出蛋白質量とした。前記のよ
うにして溶出蛋白質量を測定し、下記式により蛋白質溶
出抑制率(%)を算出した。
実施例を掲げるが、本発明は以下の実施例にのみ限定さ
れるものではない。
製「フラワー」)100重量部に対して乳化剤(ステア
リン酸モノグリセリド)1重量部を添加して充分に撹
拌、混合した後、蒸し器中で達温100℃の条件下で6
0分間加熱処理した。処理後、速やかに室温まで冷却、
篩いをとおしてマイクロ波加熱用食品素材を得た。得ら
れたマイクロ波加熱用食品素材のアミロースの溶出量は
生の小麦粉に対して23%に抑制されており、蛋白溶出
量は生の小麦粉に対して56%に抑制されていた。
量部に対して乳化剤(ステアリン酸モノグリセリド)1
重量部を添加して充分に撹拌、混合した後、耐熱性のア
ルミパウチに層厚1cmになるように充填してレトルト殺
菌機内に入れた。次に、レトルト殺菌機を密閉し2.0
kg/cm2の加圧蒸気ラインを開放して蒸気を導入し、1
10℃に達温後、60分間保持した。その後、圧力を開
放し、冷却した後、マイクロ波加熱用食品素材を取り出
した。得られたマイクロ波加熱用食品素材のアミロース
の溶出量は生の小麦粉に対して28%に抑制されてお
り、蛋白溶出量は生の小麦粉に対して39%に抑制され
ていた。
法) 生小麦粉(日清製粉株式会社製「フラワー」)100重
量部に対して乳化剤(ステアリン酸モノグリセリド)1
重量部を添加して充分に撹拌、混合した後、耐熱性のア
ルミパウチに層厚1cmになるように充填してレトルト殺
菌機内に入れた。次に、レトルト殺菌機を密閉し、減圧
ラインを開放し、5分後60トールに減圧した時、減圧
ラインを閉じ、2.0kg/cm2の加圧蒸気ラインを開放
して蒸気を導入し、105℃に達温後、5分間保持し
た。その後、圧力を開放し、さらに減圧冷却した後、湿
熱処理小麦粉を取り出した。得られた湿熱処理小麦粉の
アミロースの溶出量は生の小麦粉に対して37%に抑制
されており、蛋白溶出量は生の小麦粉に対して88%に
抑制されていた。
部、エーテル化タピオカ澱粉25重量部、デキストリン
15重量部および水300重量部からなるバッター液を
調製した。コロッケの具にバッター液をつけた後パン粉
をまぶし、175℃で3分30秒間油ちょうした。これ
を急速冷凍し、−20℃で3週間保存した。次に冷凍コ
ロッケを電子レンジ(500W)で加熱調理し、表1に
示す評価基準に従って評価した。その評価結果は表2に
示すとおりである。
施例2で調製したマイクロ波加熱用食品素材を用いた以
外は試験例1と同様に行った。その評価結果を示せば表
2のとおりである。
小麦粉を用いた以外は試験例1と同様に行った。その評
価結果を示せば表2のとおりである。
小麦粉60重量部および乳化剤0.6重量部を用いた以
外は試験例1と同様に行った。その評価結果を示せば表
2のとおりである。
考例で調製した湿熱処理小麦粉を用いた以外は試験例1
と同様に行った。その評価結果を示せば表2のとおりで
ある。
部、実施例1で調製したマイクロ波加熱用食品素材20
重量部、ベーキングパウダー1.5重量部および水15
0重量部からなるバッター液を調製した。イモに小麦粉
の打ち粉をした後、バッター液につけて170℃で3分
間油ちょうしてイモ天ぷらを得た。得られたイモ天ぷら
を冷蔵庫で24時間保存後、電子レンジ(500W)で
加熱調理し、表3に示す評価基準に従い評価した。その
評価結果を示せば表4のとおりである。
波加熱用食品素材として試験例3に用いたものに代えて
実施例2で調製したマイクロ波加熱用食品素材を10重
量部用いた以外は試験例3と同様に行った。その評価結
果を示せば表4のとおりである。
ず、その代り生小麦粉を100重量部用いて試験例3と
同様にして評価試験を行った。その評価結果を示せば表
4のとおりである。
いたフライ食品、パン類等を例えば冷凍し電子レンジで
解凍・加熱しても食感が硬くならず、「引き」が強くな
ることもなく、経時変化もなく、またフライ食品にあっ
ては前記優れた食感を有すると共に優れたクリスピー感
を有する衣とすることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 乳化剤を0.1〜2.0重量%添加した
小麦粉を常圧雰囲気下から加熱処理することを特徴とす
る、マイクロ波加熱用食品素材。 - 【請求項2】 請求項1記載のマイクロ波加熱用食品素
材を含有することを特徴とするマイクロ波加熱用衣材。
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