JP2003232026A - 動植物生息水路用のブロック及び動植物生息用水路 - Google Patents

動植物生息水路用のブロック及び動植物生息用水路

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JP2003232026A
JP2003232026A JP2002028723A JP2002028723A JP2003232026A JP 2003232026 A JP2003232026 A JP 2003232026A JP 2002028723 A JP2002028723 A JP 2002028723A JP 2002028723 A JP2002028723 A JP 2002028723A JP 2003232026 A JP2003232026 A JP 2003232026A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 しじみ、かわにな、メダカ、どじょう等の魚
介類が生息したり、水草等の植物が繁殖することができ
るようにする。 【解決手段】 ブロック本体2の底面部3上に堰止め壁
5を適宜の間隔で設け、前記隣り合う堰止め壁5の間隔
内に、動植物の生息用床層7を設けることで動植物生息
水路用のブロックを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、しじみ、かわに
な、メダカ、どじょう等の魚介類が生息したり、水草等
の植物が繁殖氏、また周辺に蛍が棲息することができる
水路用のブロック及び動植物棲息用水路に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】周知のように、既存のU字型のコンクリ
ートブロックで水路を構成すると、水を通過させる機能
は十分であるが、魚介類などの小動物や水草などの植物
が生息する自然環境が充分ではない。そこで、水を流す
機能を配慮するとともに小動物や植物が生息できるよう
にすると、水路そのものや周辺地域に自然の環境機能を
もたらせることができるばかりでなく、流れる水も動植
物によって良好に浄化されるので、多目的な水路を形成
することができる。
【0003】そこで、従来ではトンボなどの昆虫生息用
のブロックとして、例えば特開平9−158153号公
報に記載の発明が知られている。上記した従来の生息用
のブロックは、断面が浅いU字状のブロック本体の底部
及び側部に多数の貫通孔を開設した構成で、前記多数の
貫通孔によって水生植物が地盤に根付いてブロックの内
部にまで繁茂し、また小生物が生息することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のブ
ロックでは、多数の貫通孔を開設する必要があるので、
製造過程での型枠に貫通孔に対応する多数の中子を設
け、脱型時に各中子を移動させなければならない手間を
要する。また、ブロックの内部は貫通孔を介して地盤に
臨んでいるので、水の流れが充分ではない。また、我が
国のように亜熱帯地域では、貫通孔の部分に過度に植物
が繁茂し、それが水の流れを阻害して、本来の目的であ
る水路機能が大きく損なわれる虞がある。したがって、
水路の主目的であって基本的本質である、水を流す機能
にも配慮し、しかも水路内に淡水の魚介類を生息させた
り、植物を適度に繁茂させることを図り、自然環境や景
観を保全できる水路が要望されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記従来からの
要望に鑑み提案されたもので、その目的とするところ
は、きわめて簡単な構造によって、水路の内部を広範囲
に動植物の生息環境をつくり出すことにより、水の流れ
が良好であるにもかかわらず、魚介類や水生植物を共存
させ、持って、自然環境を保全させるようにしたことに
ある。
【0006】前記目的達成のため、本願の請求項1に記
載の発明は、ブロック本体の底面部上に堰止め壁を適宜
の間隔で設け、前記隣り合う堰止め壁の間隔内に、動植
物の生息用床層を設けるようにしたことを特徴とする。
【0007】また本願の請求項2に記載の発明は、堰止
め壁には水の通過部を形成するとともに、前記底面部の
左右側縁から上方に延在する側壁部に湧き水、地下水な
どの導水孔を開設してなることを特徴とする。
【0008】また請求項3に記載の発明は、ブロック本
体の底面部上に堰止め壁を適宜の間隔で設け、前記隣り
合う堰止め壁の間隔内に、動植物の生息用床層を設けて
なるブロックを連接させてなることを特徴とする動植物
生息用水路に関するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図面に示す実施の
態様に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施例を
示す縦断面図、図2は図1の平面図、図3(a),
(b),(c)及び(d)は堰止め壁の実施例を示す縦
断面図、図4は本発明の第2実施例を示す縦断面図、図
5は図4の一部を断面とした平面図、図6は図4の縦断
正面図、図7は堰止め壁の水通過部の他の実施例を示す
縦断面図、図8は本発明の第3実施例を示す平面図、図
9は本発明の第4実施例を示す平面図である。
【0010】本発明に係る動植物生息水路用のブロック
1は、U字状のブロック本体2からなり、前記ブロック
本体2は、底面部3と対向する左右の側壁部4、4とを
有する上面及び左右の端面が開放した構成である。
【0011】そして、前記した底面部3の上面には、適
宜の間隔で前記側壁部4より高さが低い堰止め壁5を一
体に設け、底面部3の両端縁には堰止め壁の一半部5’
を設ける。したがって、隣り合う堰止め壁5の間には、
左右の堰止め壁5の対向面、底面部3の上面及び対向す
る側壁部4の内側下部で囲まれる浅い皿状の受け空間部
6が形成されるので、前記受け空間部6には動植物の生
息用床層7を設ける。
【0012】前記生息用床層7は、山砂を主体とする砂
を配合し、前記受け空間部6に充填することにより構成
することができる。しかし、土砂、礫、土壌などを適宜
に配合して、受け空間部6に充填することもできる。
【0013】前記堰止め壁5は、基本的にはブロック本
体2の長さ方向(水の流れ方向)に対して直交する方向
に設けるもので、断面において上端部分より下端部分の
ほうが幅広な台形形状(図(a))、上端部分より下端
部分のほうが幅狭な逆台形形状(図3(b))、上端部
分と下端部分とが同一幅の矩形形状(図3(c))、及
び矩形であって上端が半円弧状の形状(図3(d))な
どを提案することができるが、その他の形状であっても
よい。
【0014】本発明の動植物生息水路用のブロック1は
前記した構成であって、このブロック1により水路Sを
構築するには、ブロック1を、開放端部が連結するよう
に並列させて接続し、また堰止め壁の一半部5’を突き
合わせて接続部分にモルタルなどを充填し、一体的に連
結する。尚、前記生息用床層7は、ブロック1を連結し
て固定した後に受け空間部6に砂などを充填して形成す
るのが望ましい。
【0015】したがって、このようにして施工された水
路Sは、傾斜上方から下方に向かって水が流れると、広
い面積の自然環境となる生息用床層7に接触して浸透す
るので、著しく浄化されて地中の湧き水のように澄んだ
状態になる。このため、生息用床層7にしじみやかわに
なのような淡水貝が生息したり、どじょうやメダカが泳
ぐことになる。しかも、生息用床層7は、自然状態であ
るから、水草や水生科の植物が生育したり繁茂すること
ができる。
【0016】図4から図6の本発明の第2実施例は、前
記堰止め壁5に、上縁に開放する切欠状の水通過部8
を、交互に位置を変えて形成した構成である。また、左
右の側壁部4には、堰止め壁5の上端とほぼ同一高さ位
置に導水孔9を適宜の間隔で開設した構成で、その他の
構成は前記第1実施例と同一の構成であるから具体的説
明を省略する。
【0017】上記した本発明の第2実施例によれば、水
路を流れる水の量が少なくて水位が低い場合でも、水通
過部8を通って流れるので、魚介類が生息したり植物が
繁茂することができるし、生息用床層7に水が滞留しな
いので、腐食して動植物の生息を阻害することがない。
また、導水孔9は、地中に湧き水や地下水が発生した場
合に水路の内部に流入させることができる。したがっ
て、水路の水位が高くなって動植物の生息が活性化され
るし、湧き水や地下水を確実に、有効に処理することが
できる。
【0018】図7に示す実施例は、堰止め壁5に設けた
水通過部8を、前記第2実施例のように切欠状ではな
く、複数の小孔81を並列状に開設することによって構
成したもので、その他の構成は前記第1、第2実施例と
同一であるから詳細な説明は省略する。
【0019】前記図7に示す実施例の堰止め壁5によれ
ば、小孔81の径や数、及び形成する位置によって水路
を流れる水を調整することができる。例えば、年間を通
して水路を流れる水の量が少ない地帯では、比較的大径
な小孔81を、堰止め壁5の下方に多数形成すると、水
は生息用床層7を浸透しながら連続的に流れるので、動
植物の生息状態が活発になる。しかし、年間を通して水
量の多い地帯では、常に堰止め壁5を越えて水が流れる
ので、水通過用の小孔81を設けないか、或いは少数設
けるだけでよい。
【0020】図8に示す本発明の第3実施例は、堰止め
壁5を、ブロック本体2の長さ方向に対して直交状では
なくて、隣接する堰止め壁5を、傾斜方向を異ならせて
交互に、相反するように緩く傾けるとともに上面に第2
実施例と同様に切欠状の水通過部8を設けた構成であ
る。また、図9に示す本発明の第4実施例は、堰止め壁
5を直線状ではなく緩く屈曲するく字状にした形態であ
る。
【0021】前記両実施例によれば、水路内において堰
止め壁5を越えて流れる水の流れ形態に変化を与えるこ
とができるので、魚介類の生息を活発にするばかりでな
く、植物の成育も活性化させることができる。
【0022】以上本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものでは
なく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りど
のような形態にでも実施することができる。例えば、生
息用床層7は、水が浸透しながら通過して微少な動植物
が生息しやすい環境をつくり出すのであればどのような
組成物を使用してもよい。また、堰止め壁は、生息用床
層が水圧や水流によって流出しない構成であれば、どの
ような構造でもよい。
【0023】
【発明の効果】以上要するに、本発明によれば、ブロッ
ク本体の底面部上に堰止め壁を適宜の間隔で設け、前記
隣り合う堰止め壁の間隔内に、動植物の生息用床層を設
けるようにしたことを特徴とする。したがって、堰止め
壁の幅以外の底面の広い面積において、全て砂、土壌な
ど天然の無機質からなる生息用床層となっているので、
自然の環境機能が高まって魚介類、昆虫などの小動物が
棲息したり、水草などの植物が繁茂することができる。
また、流れる水が著しく澄んでいるので、植物の繁茂と
相俟って初夏等には蛍が棲息し、周辺の環境や景観を自
然の状態に戻すことができる。
【0024】そして、堰止め壁には水の通過部を形成す
ることにより、低水位であっても水が流れて動植物が棲
息することができるし、側壁部に導水孔を開設すると、
地中での湧き水や地下水などを水路に導くことができ、
構造が簡単で実用的価値の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】(a),(b),(c)及び(d)は堰止め壁
の実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図5】図4の一部を断面とした平面図である。
【図6】図4の縦断正面図である。
【図7】堰止め壁の水通過部の他の実施例を示す縦断面
図である。
【図8】本発明の第3実施例を示す平面図である。
【図9】本発明の第4実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 動植物の生息用ブロック 2 ブロック本体 3 底面部 4 側壁部 5 堰止め壁 6 受け空間部 7 生息用床層 8 水通過部 9 導水孔

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロック本体の底面部上に堰止め壁を適
    宜の間隔で設け、前記隣り合う堰止め壁の間隔内に、動
    植物の生息用床層を設けるようにしたことを特徴とする
    動植物生息水路用のブロック。
  2. 【請求項2】 堰止め壁には水の通過部を形成するとと
    もに、前記底面部の左右側縁から上方に延在する側壁部
    に湧き水、地下水などの導水孔を開設してなる請求項1
    に記載の動植物生息水路用のブロック。
  3. 【請求項3】 ブロック本体の底面部上に堰止め壁を適
    宜の間隔で設け、前記隣り合う堰止め壁の間隔内に、動
    植物の生息用床層を設けてなるブロックを連接させてな
    ることを特徴とする動植物生息用水路。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100335724C (zh) * 2005-03-24 2007-09-05 长江水利委员会长江科学院 涵闸及渠道输水工程灭螺方法及沉螺池
JP2008525677A (ja) * 2004-12-27 2008-07-17 ナム カン 魚道ブロック
KR100865571B1 (ko) 2006-10-02 2008-10-28 최진하 다슬기 양식조
JP2011140823A (ja) * 2010-01-08 2011-07-21 Tochigiken Concrete Seihin Kyodo Kumiai 排水フリューム
CN102650123A (zh) * 2011-02-23 2012-08-29 长江水利委员会长江科学院 一种卡槽浮式拦螺装置

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