JP2003231604A - 抗菌剤水溶液 - Google Patents
抗菌剤水溶液Info
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Abstract
ッキ貝を原料とし、低コストで大量に製造することがで
き、しかも低濃度で抗菌効果の高い抗菌剤水溶液を提供
する。 【解決手段】 ホッキ貝の貝殻を不活性ガス雰囲気で加
熱、昇温し、最終到達温度900℃で焼成し且つ粉砕後
の最大粒子径が100μm以下、平均粒子径が1〜50
μm、または最終到達温度850〜950℃で焼成し且
つ粉砕後の最大粒子径が100μm以下、平均粒子径が
2〜5μmの抗菌剤粉末を水に溶解する。
Description
外食産業および家庭内における細菌による食品汚染を防
止し、医療産業、医療福祉産業における殺菌、消毒、除
菌に好適な抗菌剤水溶液に関する。
素系化合物は、廃水処理時にトリハロメタンが発生した
り、焼却処理時にダイオキシンが発生する等の原因とな
ることがあった。また、食品添加物として使用されてき
た抗菌剤の例としては、畜産、水産食品に使用されてい
る動物用医薬品としてスルファミジンやカルバドックス
等の合成抗菌剤があるが、食品の安全性の観点から残留
基準値を厳しく守る必要があった。
抗菌剤でなく、天然素材を原料とした抗菌剤を求める動
きが、特に経口摂取の可能性のあるものを取り扱う分野
で活発となった。たとえば、1995年には昭和大医学
部の島村忠勝教授らのグループにより、「O−157に
対する緑茶の効果」が発表されて消費者の注目を集め
た。この発表により、従来から食品添加物に使用されて
いた茶カテキンはさらに普及することとなった。
抗菌剤として注目された前記の茶カテキンは、原料であ
る緑茶から抽出しなければならないため大量生産には不
向きである。よって、人体への摂取に問題がない天然素
材を原料とし、低コストで大量に製造することができ、
しかもさらに抗菌効果の高い新しい抗菌剤が求められて
いる。
からなる抗菌剤は、水の浄化に関して有効と考えられ
る。
に、請求項1に係る抗菌剤水溶液は、水に抗菌剤の粉末
を溶解した水溶液であって、前記抗菌剤の粉末は、ホッ
キ貝の貝殻を不活性ガス雰囲気で加熱、昇温し、最終到
達温度900℃で焼成し且つ粉砕後の最大粒子径が10
0μm以下、平均粒子径が1〜50μmである構成とし
た。
抗菌剤の粉末を溶解した水溶液であって、前記抗菌剤の
粉末は、ホッキ貝の貝殻を不活性ガス雰囲気で加熱、昇
温し、最終到達温度850〜950℃で焼成し且つ粉砕
後の最大粒子径が100μm以下、平均粒子径が2〜5
μmである構成とした。
中で焼成されることにより、病原性大腸菌O−157、
その他の菌に対して微量の添加でも強くかつ継続的な抗
菌性を発揮する。また、カルシウムを主体とした人体に
安全な天然性素材である。そして、廃棄処理が必要とな
った場合でも大気、廃水、土壌を汚染することがない。
さらに、従来廃棄物として持て余されていた貝殻の有効
利用という効果もある。
品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律に規定す
る既存添加物名簿(平成8年4月16日公示)の二百十
八に、焼成カルシウム(貝殻等を焼成して得られたカル
シウム化合物を主成分とするもの)として記載されてお
り、人体に対して安全であることが公認されている。
食品製造業、外食産業および家庭内における細菌による
食品汚染防止、ならびに医療産業、医療福祉産業におけ
る殺菌、消毒、除菌に好適である。
キ貝は姥貝とも呼ばれる食用の二枚貝であり、本州中部
および日本海北部に分布する。このホッキ貝は缶詰、冷
凍、生食用に供されるが現状、貝殻は有効利用されてい
ないため調達コストは安価である。
は、先ずホッキ貝の貝殻を粉砕する。粉砕の方法として
は、貝殻を乾燥させた後にたとえばグラインドミルで大
まかに粉砕し最大粒子径が5mm以下となるように調製
する。
ートクレーブに入れ、不活性ガス雰囲気中で攪拌しなが
ら加熱する。不活性ガスとしては窒素ガスが好ましい。
昇温方法は問わないが、最終到達温度700〜2500
℃、好ましくは900℃±50℃とし、3分以上この温
度を維持する。
が発現し難く、また1000℃を超えても粒子の活性部
位が破壊されてやはり抗菌活性が低下する。また、焼成
時間が3分未満では抗菌活性が発現し難い。なお、焼成
時間は長くなっても構わないが、コスト面から3〜5分
程度が好ましい。
し、その後さらに微粉砕して分級し、最大粒子径100
μm以下、平均粒子径1〜50μm、好ましくは2〜5
μmの粉体とする。最大粒子径が100μmを超えた
り、平均粒子径が50μmを超えると抗菌処理のために
たとえば飲料水等に添加しても溶解せず、沈殿してしま
って機能を発揮できない。また、平均粒子径1μm未満
では吸湿して固化する等、取り扱いが困難となる。
殻を粉砕せずにそのまま使用することも可能である。即
ち、微細化した場合には、水中に溶けるため、その効果
は大きいが、短期間のうちに効果が消滅する。長期に亘
る効果を期待する場合には、焼成した貝殻をそのまます
るか、一旦微細化した粉体をバインダーとともに混練し
た後焼成して所定形状にするのが好ましい。
造した抗菌剤は、O−157等の大腸菌、黄色ブドウ球
菌、緑膿菌、真菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ等の食
中毒菌さらにはウィルスに対しても有効であった。
の抗菌剤よりも高い抗菌性を示す。したがって、微量で
抗菌機能を発揮でき、また効果の持続時間も長いのが特
徴である。たとえば添加量については飲料水、その他の
殺菌対象物の重量に対して0.025重量%の添加で十
分であるから、使用状況に応じてこの量以上を使用すれ
ばよい。また、抗菌効果の持続時間も永く、48時間以
上継続することが確認されている。
乾燥後、約2〜3mmに予備粉砕したもの500gを、
窒素ガスを封入した2リットル容量の攪拌器付きオート
クレーブ中へ入れ、緩く攪拌しながら昇温を開始した。
この昇温を温度が900℃になるまで継続し、900℃
到達後5分間焼成して加熱を停止し、オートクレーブ内
部が常温に戻るまで窒素ガス気流中で放冷した。
ら取り出し、乳鉢でさらに粉砕し、分級器で50μm以
下の粒子のみを分取して本発明の抗菌剤を製造した。こ
の抗菌剤の成分濃度を以下の(表1)に示す(山形県理
化学分析センターが行った土壌養分分析法による分析、
山分セ第778号)。
0μm以下の粒子に調製したものを上記ホッキ貝貝殻製
抗菌剤と重量比1:1で混合し、変形実施例としての抗
菌剤を製造した。
殻を使用して同様の焼成、粉砕処理を行い牡蠣殻粉末を
製造した。
C 8739)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus AT
CC 6538)および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa ATCC
9027)、の3種を用い、使用培地はDDチェッカー一
般細菌用、血液寒天平板とし、培養条件は37℃で18
時間とした。
解させて所定の濃度となるように調整し、これらの抗菌
剤溶解蒸留水中に、前記の各試験菌を106個/ml程
度になるように添加した。菌添加後よく攪拌し、その後
室温で静置し、所定時間後にサンプリングを行って発育
菌数(個/ml)を測定した。
貝貝殻製抗菌剤の蒸留水溶液(1重量%、0.5重量
%、0.1重量%および0.05重量%)を使用し、大
腸菌、黄色ブドウ球菌および緑膿菌の滅菌効果を調べ
た。この結果を表2に示す。
て、竹炭とホッキ貝貝殻の混合抗菌剤(重量比1:1)
を使用した以外は実施例1と同様にして滅菌効果を調べ
た。この結果を表2に示す。
て、牡蠣貝殻製抗菌剤を使用した以外は実施例1と同様
にして滅菌効果を調べた。この結果を表2に示す。
キ貝貝殻製抗菌剤は0.05%の低濃度でも十分な滅菌
効果を達成し、24時間後、48時間後も効果は持続し
ている。一方、蠣殻抗菌剤では1%の濃度で効果を発揮
した。したがって、ホッキ貝が最も有効であると言え
る。
製抗菌剤の蒸留水溶液濃度を更に低くし(0.025重
量%および0.005重量%)、大腸菌および緑膿菌の
滅菌効果を調べた。この結果を表3に示す。
て、竹炭とホッキ貝の混合物抗菌剤(重量比1:1)を
使用した以外は実施例3と同様にして滅菌効果を調べ
た。この結果を表3に示す。
剤は0.025重量%という低濃度であっても十分な抗
菌効果を有することが判明した。
(サーフクラムカルシウムパウダー)、重炭酸カルシウ
ム、ホタテ、ハマグリ、サザエ、マキ貝、及び牡蠣につ
いて更なる滅菌力試験を財団法人山形県理化学分析セン
ターにておこなった。その結果を以下の(表4)〜(表
16)に示す。
囲気中で焼成したホッキ貝の貝殻粉末は重炭酸カルシウ
ムより滅菌力は劣るが、他の貝殻粉に比べて滅菌力が勝
っていることが分る。また、他の貝殻粉も含め焼成した
ものと焼成しないものとでは滅菌力において顕著な差が
生じることも分る。
菌剤水溶液は低い濃度で高い抗菌性を示す。具体的に
は、O−157等の大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、
真菌、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ等の食中毒菌さらに
はウィルスに対しても低濃度で殺菌効果を示しかつ抗菌
機能の保持時間も長い。
Claims (3)
- 【請求項1】 水に抗菌剤の粉末を溶解した水溶液であ
って、前記抗菌剤の粉末は、ホッキ貝の貝殻を不活性ガ
ス雰囲気で加熱、昇温し、最終到達温度900℃で焼成
し且つ粉砕後の最大粒子径が100μm以下、平均粒子
径が1〜50μmであることを特徴とする抗菌剤水溶
液。 - 【請求項2】 水に抗菌剤の粉末を溶解した水溶液であ
って、前記抗菌剤の粉末は、ホッキ貝の貝殻を不活性ガ
ス雰囲気で加熱、昇温し、最終到達温度850〜950
℃で焼成し且つ粉砕後の最大粒子径が100μm以下、
平均粒子径が2〜5μmであることを特徴とする抗菌剤
水溶液。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の抗菌剤
水溶液であって、この抗菌剤水溶液の濃度は0.025
重量%以上であることを特徴とする抗菌剤水溶液。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008136656A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Bando Chem Ind Ltd | 通気性粘着テープ |
WO2009104670A1 (ja) * | 2008-02-19 | 2009-08-27 | 東京ナノ・バイオテクノロジー株式会社 | 抗菌抗ウイルス剤及びその使用方法 |
JP2011231031A (ja) * | 2010-04-26 | 2011-11-17 | Seiichi Nakamura | 抗菌性水溶液 |
EP3789348A1 (en) * | 2019-09-04 | 2021-03-10 | Wen-Lung Chin | Water purifying agent and method for making it |
KR20220156183A (ko) * | 2021-05-18 | 2022-11-25 | 주식회사 엔투셀 | 항균 및 살균 효과를 갖는 조성물 및 이의 제조 방법 |
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2003
- 2003-02-14 JP JP2003036804A patent/JP3801569B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20220156183A (ko) * | 2021-05-18 | 2022-11-25 | 주식회사 엔투셀 | 항균 및 살균 효과를 갖는 조성물 및 이의 제조 방법 |
KR102644868B1 (ko) | 2021-05-18 | 2024-03-07 | 주식회사 엔투셀 | 항균 및 살균 효과를 갖는 조성물 및 이의 제조 방법 |
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