JP2003231480A - クローラ走行車 - Google Patents

クローラ走行車

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JP2003231480A
JP2003231480A JP2002032619A JP2002032619A JP2003231480A JP 2003231480 A JP2003231480 A JP 2003231480A JP 2002032619 A JP2002032619 A JP 2002032619A JP 2002032619 A JP2002032619 A JP 2002032619A JP 2003231480 A JP2003231480 A JP 2003231480A
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turning
shift
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JP2002032619A
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English (en)
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Kenichi Adachi
憲一 足立
Hiroaki Yamazaki
弘章 山崎
Masahiro Nishigori
将浩 錦織
Masashi Kamoto
政司 嘉本
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速クラッチの断続動作に基づいて機体を旋
回させるクローラ走行車において、非作業走行時等にお
ける旋回開始時のショックを緩和する。 【解決手段】 動力源から入力した走行動力を左右のク
ローラ駆動軸16L、16Rに同期伝動する直進動力伝
動系14と、前記走行動力を変速クラッチC1〜C4で
変速し、該変速動力を左右のクローラ駆動軸16L、1
6Rに選択的に伝動する旋回動力伝動系15と、マルチ
レバー69の旋回操作に応じて前記変速クラッチC1〜
C4を断続動作させる制御部70とを備えるコンバイン
1であって、前記制御部70に、前記変速クラッチC3
を連続的に接続動作させる連続接続モードと、前記変速
クラッチC3を間欠的に接続動作させるインチング接続
モードと、所定の条件に応じて前記接続モードを切換え
る接続モード切換手段(旋回操作制御)とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右一対のクロー
ラ走行体を備えるコンバイン等のクローラ走行車の技術
分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年、左右一対のクローラ走行体を備え
るコンバイン等のクローラ走行車においては、走行動力
を左右のクローラ駆動軸に伝動するトランスミッション
に、前記走行動力を左右のクローラ駆動軸に同期伝動す
る直進動力伝動系と、前記走行動力を左右のクローラ駆
動軸に選択的に伝動する旋回動力伝動系とを独立的に構
成したものがあり、このものでは、直進動力伝動系によ
って良好な直進性を確保しつつ、旋回動力伝動系の変速
に基づいて様々な旋回パターンを現出できる利点があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記旋
回動力伝動系を変速クラッチで変速する場合には、旋回
開始時に変速ショックが発生する許りでなく、走行条件
(走行路面抵抗、走行速度等)によって変速ショックの
大きさが変化するため、旋回時の操作性や機体の安定性
が低下する可能性がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、動力源から入力した走行動力を左
右のクローラ駆動軸に同期伝動する直進動力伝動系と、
前記走行動力を変速クラッチで変速し、該変速動力を左
右のクローラ駆動軸に選択的に伝動する旋回動力伝動系
と、操向具の旋回操作に応じて前記変速クラッチを断続
動作させる旋回制御部とを備えるクローラ走行車におい
て、前記旋回制御部に、前記変速クラッチを連続的に接
続動作させる連続接続モードと、前記変速クラッチを間
欠的に接続動作させるインチング接続モードと、所定の
条件に応じて前記接続モードを切換える接続モード切換
手段とを設けたことを特徴とする。つまり、変速クラッ
チを間欠的に接続動作させるインチング接続モードを備
えるため、旋回開始時の変速ショックを小さくして旋回
操作性や機体安定性を向上させることができ、しかも、
所定の条件に応じて連続接続モードとインチング接続モ
ードとを切換えるため、無駄なインチング接続動作に起
因する作業性や作業効率の低下も回避することが可能に
なる。また、前記接続モード切換手段は、走行速度が遅
いとき、前記変速クラッチを連続接続モードで接続動作
させ、走行速度が速いとき、前記変速クラッチをインチ
ング接続モードで接続動作させることを特徴とする。こ
の場合においては、低速走行時や中速走行時における無
駄なインチング接続動作を回避しつつ、高速走行時にお
ける旋回開始時の変速ショックを小さくすることができ
る。また、前記接続モード切換手段は、作業走行時に低
速側に変速操作される走行副変速機構の変速位置が低速
側のとき、前記変速クラッチを連続接続モードで接続動
作させ、前記走行副変速の変速位置が高速側のとき、前
記変速クラッチをインチング接続モードで接続動作させ
ることを特徴とする。この場合においては、作業走行時
における無駄なインチング接続動作を回避しつつ、非作
業走行時における旋回開始時の変速ショックを小さくす
ることができる。また、前記接続モード切換手段は、作
業走行時に接続操作される作業機クラッチが接続状態の
とき、前記変速クラッチを連続接続モードで接続動作さ
せ、前記作業機クラッチが切断状態のとき、前記変速ク
ラッチをインチング接続モードで接続動作させることを
特徴とする。この場合においては、作業走行時における
無駄なインチング接続動作を回避しつつ、非作業走行時
における旋回開始時の変速ショックを小さくすることが
できる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
を図面に基づいて説明する。図面において、1はコンバ
インであって、該コンバイン1は、茎稈を刈取る前処理
部2と、刈り取った茎稈の脱穀処理および選別処理を行
う脱穀選別部3と、選別した穀粒を貯溜する穀粒タンク
4と、脱穀済みの排稈を放出する後処理部5と、運転席
6および各種の操作具が設けられる操作部7と、左右一
対のクローラ走行体8からなる走行部9とを備えて構成
されている。
【0006】10はコンバイン1に搭載されるトランス
ミッションであって、該トランスミッション10は、入
力プーリ11を備える入力軸12からエンジン動力を入
力すると共に、入力した動力を、一側面部に組付けられ
るHST変速装置13で無段階状に変速し、その出力動
力を、独立状に構成される直進動力伝動系14および旋
回動力伝動系15を介して左右のクローラ駆動軸16
L、16Rに伝動するように構成されている。因みに、
上記HST変速装置13は、入力軸12から入力した動
力で吐出駆動する斜板式の可変容量ポンプと、該可変容
量ポンプの吐出油で回転駆動する固定容量モータとを上
下に並設し、上記斜板コントロールに基づいて固定容量
モータの出力回転を無段変速する油圧式無段変速機構で
ある。
【0007】S1〜S11はトランスミッション10に
設けられる軸部材であって、該軸部材S1〜S11のう
ち、第一軸S1は、HST変速装置13のモータ軸に一
体的に連結される筒状軸であり、第二軸S2に動力伝動
を行うギヤ17を一体的に備えている。第二軸S2は、
前処理動力取出し軸であって、上記ギヤ17に噛合する
ギヤ18と、第三軸S3に動力伝動を行うギヤ19と、
前処理部2に動力伝動を行う出力プーリ20とを一体的
に備えている。第三軸S3は、走行副変速機構21を構
成する副変速軸であって、上記ギヤ19に噛合するギヤ
22を一体的に備えると共に、選択的に伝動される第一
〜第三の副変速ギヤ23〜25を回転自在に支持してい
る。第四軸S4は、直進動力伝動系14と旋回動力伝動
系15とに動力を分配する動力分配軸であって、上記第
一副変速ギヤ23に噛合し、且つ、第五軸S5に動力伝
動を行うギヤ26と、上記第二副変速ギヤ24に噛合す
るギヤ27と、上記第三副変速ギヤ25に噛合し、且
つ、第七軸S7に動力伝動を行うギヤ28とを一体的に
備えている。第五軸S5は、直進動力伝動用の中継軸で
あって、上記ギヤ26に噛合し、且つ、第六軸S6に動
力伝動を行うギヤ29を回転自在に支持している。第六
軸S6は、前記左右のクローラ駆動軸16L、16R間
に直列状に配置される直進動力伝動系最終軸であって、
上記ギヤ29に噛合するギヤ30を一体的に備えると共
に、その左右両端部は、左右一対の遊星ギヤ機構31
L、31Rを介して左右のクローラ駆動軸16L、16
Rに連動連結されている。
【0008】遊星ギヤ機構31L、31Rは、第六軸S
6の左右両端部に一体化されたサンギヤ32L、32R
と、第六軸S6およびクローラ駆動軸16L、16Rに
対して回転自在なリングギヤ33L、33Rと、上記サ
ンギヤ32L、32Rおよびリングギヤ33L、33R
の内周歯に噛合する複数のプラネタリギヤ34L、34
Rと、該プラネタリギヤ34L、34Rを自転および公
転自在に支持し、且つ、クローラ駆動軸16L、16R
に一体的に連結されるキャリア35L、35Rとを備え
ており、上記サンギヤ32L、32Rから入力される直
進系動力と、リングギヤ33L、33Rから入力される
旋回系動力とを合成するように構成されている。
【0009】第七軸S7は、旋回系動力を変速する後述
の変速クラッチC1〜C4に動力を分配する旋回動力分
配軸であって、上記ギヤ28に噛合するギヤ36と、上
記各変速クラッチC1〜C4に動力伝動を行うギヤ37
〜40とを一体的に備えている。第八軸S8は、左右両
端部に上記第一、第二変速クラッチC1、C2を備える
第一の変速クラッチ軸であって、さらに、上記ギヤ37
に噛合するギヤ41と、上記ギヤ38に噛合する42と
を回転自在に支持すると共に、第十軸S10に動力伝動
を行うギヤ43を一体的に備えている。
【0010】変速クラッチC1、C2は、ギヤ41、4
2に一体的に連結される駆動ケース44と、第八軸S8
に一体的に連結される従動ケース45と、各ケース4
4、45に一体回転可能に係合し、且つ、交互に重合さ
れる複数のディスク44a、45aと、該ディスク44
a、45aを圧縮して両ケース44、45を一体的に接
続するクラッチ作動体46と、該クラッチ作動体46を
非圧縮方向に付勢して両ケース44、45を分離する復
帰バネ47とを備えており、上記クラッチ作動体46の
油圧操作に基づいてギヤ41、42と第八軸S8との間
の動力伝動を断続するように構成されている。
【0011】第九軸S9は、左右両端部に上記第三、第
四変速クラッチC3、C4を備える第二の変速クラッチ
軸であって、さらに、上記ギヤ39に噛合するギヤ48
と、上記ギヤ40に噛合するギヤ49とを回転自在に支
持すると共に、第十軸S10に動力伝動を行うギヤ50
を一体的に備えている。尚、上記変速クラッチC3、C
4の構成および作用は、変速クラッチC1、C2と略同
一であるため、詳細な説明は省略する。第十軸S10
は、左右両端部に左右一対の旋回用クラッチ51L、5
1Rおよび左右一対の直進用ブレーキ52L、52Rを
備えるクラッチ・ブレーキ軸であって、さらに、上記ギ
ヤ43、50に噛合するギヤ53を一体的に備えてい
る。
【0012】旋回用クラッチ51L、51Rは、第十軸
S10に一体回転可能に連結される駆動ケース54L、
54Rと、第十軸S10に回転自在に支持される従動ケ
ース55L、55Rと、各ケース54L(54R)、5
5L(55R)に一体回転可能に係合し、且つ、交互に
重合される複数のディスク56L、56Rと、該ディス
ク56L、56Rを圧縮して両ケース54L(54
R)、55L(55R)を一体的に接続するクラッチ作
動体57L、57Rと、該クラッチ作動体57L、57
Rを非圧縮方向に付勢して両ケース54L(54R)、
55L(55R)を分離させる復帰バネ58L、58R
とを備えており、上記クラッチ作動体57L、57Rの
選択的な油圧操作に基づき、従動ケース55L、55R
に設けられる旋回駆動ギヤ59L、59Rへの動力伝動
を断続するように構成されている。尚、クラッチ作動体
57L、57Rは、従動ケース55L、55Rに軸方向
移動自在に係合しており、従動ケース55L、55Rと
一体的に回転する。
【0013】直進用ブレーキ52L、52Rは、上記ク
ラッチ作動体57L、57Rの油圧操作に応じ、旋回用
クラッチ51L、51Rと背反的に動作するように構成
されている。つまり、直進用ブレーキ52L、52R
は、トランスミッションケース60内に固定状態で設け
られる固定ケース61L、61Rと、上記クラッチ作動
体57L、57Rと一体的に回転する回転ケース62
L、62Rと、各ケース61L(61R)、62L(6
2R)に一体回転可能に係合し、且つ、交互に重合され
る複数のディスク63L、63Rとを備えて構成されて
いる。そして、上記クラッチ作動体57L、57Rがク
ラッチ切り位置のときは、ディスク63L、63Rの圧
縮に応じて両ケース61L(61R)、62L(62
R)を一体的に接続することにより、旋回駆動ギヤ59
L、59R(リングギヤ33L、33R)の回転を制動
し、一方、クラッチ作動体57L、57Rがクラッチ入
り位置のときは、各ケース61L(61R)、62L
(62R)を分離することにより、旋回系動力による旋
回駆動ギヤ59L、59R(リングギヤ33L、33
R)の駆動回転を許容する。
【0014】第十一軸S11は、第十軸S10とリング
ギヤ33L、33Rとの間に介設される減速軸であっ
て、上記旋回駆動ギヤ59L、59Rに噛合するギヤ6
4L、64Rと、上記リングギヤ33L、33Rの外周
歯に噛合するギヤ65L、65Rとを一体的に備えてい
る。つまり、第十一軸S11は、旋回駆動ギヤ59L、
59Rの回転力を減速してリングギヤ33L、33Rに
伝動するが、換言すると、リングギヤ33L、33Rの
回転力を増速して旋回駆動ギヤ59L、59Rに伝動す
ることになる。従って、クラッチ作動体57L、57R
を介して旋回駆動ギヤ59L、59Rに連結される回転
ケース62L、62Rの回転トルクが減少し、直進用ブ
レーキ52L、52Rの必要容量を小さくすることが可
能になる。
【0015】上記のように、トランスミッション10
は、HST出力を左右のクローラ駆動軸16L、16R
に同期伝動する直進動力伝動系14と、HST出力を左
右のクローラ駆動軸16L、16Rに選択的に伝動する
旋回動力伝動系15とを備えており、さらに旋回動力伝
動系は、伝動比(減速比)が相違する複数の並列伝動経
路を構成すると共に、各並列伝動経路に変速クラッチC
1〜C4を備え、該変速クラッチC1〜C4の選択的に
断続動作によって旋回系動力を多段に変速するように構
成される。これにより、旋回動力伝動系15を変速する
ためのHST変速装置を設けることなく、旋回動力伝動
系15を複数の変速クラッチC1〜C4で多段に変速
し、様々な旋回パターンを現出させることが可能にな
る。
【0016】また、旋回動力伝動系15は、左右の遊星
ギヤ機構31L、31Rに設けられるリングギヤ33
L、33Rに対して旋回系動力を伝動するにあたり、旋
回用クラッチ51L、51Rの選択的な断続動作に基づ
き、同方向の回転動力を何れか一方のリングギヤ33
L、33Rに対して減速動力として選択的に伝動するよ
うに構成されている。従って、旋回用クラッチ51L、
51Rの選択的な断続動作に基づいて旋回方向が決定さ
れ、その際の旋回パターンが、変速クラッチC1〜C4
の選択的な断続動作に基づいて決定されることになる。
【0017】上記の如く構成したトランスミッション1
0においては、旋回動力伝動系15に複数構成される並
列伝動経路の伝動比設定や、各クラッチの選択的な断続
動作に基づいて下記に示す様々な走行パターンを現出さ
せることが可能になる。 (1)直進 動作条件:左右の旋回用クラッチ51L、51Rを切り
状態とし、リングギヤ33L、33Rの回転を直進用ブ
レーキ52L、52Rで制動する。 (2)第一減速ターン 動作条件:プラネタリギヤ34L、34Rの公転が減速
される伝動比(例えば減速比6:4)を、例えば変速ク
ラッチC3が介在する並列伝動経路に設定し、変速クラ
ッチC3および旋回内側の旋回用クラッチ51L、51
Rを入り側に動作させる。 (3)第二減速ターン 動作条件:プラネタリギヤ34L、34Rの公転が減速
される伝動比(例えば減速比7:3)を、例えば変速ク
ラッチC2が介在する並列伝動経路に設定し、変速クラ
ッチC2および旋回内側の旋回用クラッチ51L、51
Rを入り側に動作させる。 (4)第三減速ターン 動作条件:プラネタリギヤ34L、34Rの公転が略停
止する伝動比(例えば減速比9:1)を、例えば変速ク
ラッチC4が介在する並列伝動経路に設定し、変速クラ
ッチC4および旋回内側の旋回用クラッチ51L、51
Rを入り側に動作させる。 (5)スピンターン 動作条件:プラネタリギヤ34L、34Rが逆転方向に
公転する伝動比を、例えば変速クラッチC1が介在する
並列伝動経路に設定し、変速クラッチC1および旋回内
側の旋回用クラッチ51L、51Rを入り側に動作させ
る。
【0018】操作部7には、走行主変速機構であるHS
T変速装置13を変速操作するための主変速レバー66
と、走行副変速機構21を変速操作するための副変速レ
バー67と、作業機クラッチ(図示せず)を入切操作す
るための作業機クラッチレバー68と、機体を旋回操作
するためのマルチレバー(操向具)69とが設けられて
いる。主変速レバー66の操作領域には、前進変速操作
領域、中立操作領域および後進変速領域が設定されてお
り、一本のレバー操作で走行無段変速および前後進切換
が行われる。副変速レバー67の操作領域には、高速位
置a(走行:非作業走行位置)、中立位置b、中速位置
c(標準:中速作業走行位置)、中立位置dおよび低速
位置e(倒伏:低速作業走行位置)が前後に並ぶように
設定されており、この領域では、前記スピンターン動作
が規制される。また、低速位置eの一側方には、第二の
低速位置fが設定されており、この位置では、スピンタ
ーン動作が許容される。作業機クラッチは、エンジンか
ら脱穀部3に至る脱穀動力伝動経路に介設されるベルト
テンションクラッチであり、作業機クラッチレバー68
によって入切操作される。作業走行時には、通常、作業
機クラッチレバー68が入り位置に操作されており、該
レバー位置に基づいて作業走行状態か否かの判断が可能
である。マルチレバー69は、左右および前後に倒し操
作可能で、かつ中立位置に自動復帰するジョイスティッ
ク型のもので、その左右方向の倒し操作に応じて機体の
旋回動作が行われ、前後方向の倒し操作に応じて前処理
部2の昇降動作が行われる。
【0019】70はCPU、ROM、RAM等を備えて
構成される制御部(旋回制御部)であって、該制御部7
0には、副変速レバー67のレバー位置を検出する副変
速スイッチ71、作業機クラッチレバー68の位置を検
出する作業機クラッチスイッチ72、マルチレバー69
の位置を検出するマルチレバーセンサ73、ミッション
回転に基づいて車速を検出するミッション回転センサ7
4、各変速クラッチC1〜C4を入切動作させる変速ク
ラッチ用電磁バルブ75〜78、旋回用クラッチ51
L、51Rを入切動作させる旋回クラッチ用電磁バルブ
79、80等が所定のインタフェース回路を介して接続
されている。つまり、制御部70は、マルチレバー69
の操作量および操作方向に応じて変速クラッチC1〜C
4および旋回用クラッチ51L、51Rを動作させるこ
とにより、前述した様々な旋回パターン(走行パター
ン)を現出させる。以下、制御部70において実行され
る旋回操作制御の制御手順をフローチャートに沿って説
明する。
【0020】図10に示すように、旋回操作制御におい
ては、先ず、マルチレバー69の操作量(左右方向)を
判断し、それに応じて旋回パターンを決定する。つま
り、マルチレバー69の操作量が小さい場合は、減速比
が小さい第一減速ターンによって機体を旋回させ、マル
チレバー69の操作量が大きい場合は、その操作量に応
じて減速比の大きい旋回パターン(第二減速ターン、第
三減速ターンもしくはスピンターン)に移行させる。第
一減速ターンは、前述したように、変速クラッチC3お
よび旋回内側の旋回用クラッチ51L、51Rを入り側
に動作させることにより出現される。変速クラッチC3
の接続モード(電磁バルブ駆動信号)には、変速クラッ
チC3を連続的に接続動作させる連続接続モードと、変
速クラッチC3を間欠的に接続動作させるインチング接
続モードとがあり、所定の条件に応じて各接続モードが
選択的に用いられる。図10に示す第一実施例では、ミ
ッション回転センサ74の検出回転に応じて接続モード
の切換えが行われる。つまり、走行速度が遅いときは
(ミッション中・低回転域)、変速クラッチC3を連続
接続モードで接続動作させる一方、走行速度が速いとき
は(ミッション高回転域)、変速クラッチC3をインチ
ング接続モードで接続動作させる。これにより、低速走
行時や中速走行時においては(作業走行時)、連続接続
モードによって迅速な旋回が可能になる一方、高速走行
時においては(非作業走行時)、インチング接続モード
によって旋回開始時の変速ショックを緩和することが可
能になる。
【0021】また、図12に示す第二実施例では、副変
速レバー位置に応じて接続モードの切換えが行われる。
つまり、作業走行時に低速側(中速位置cまたは低速位
置e、f)に変速操作される副変速レバー67の変速位
置が低速側のときは、変速クラッチC3を連続接続モー
ドで接続動作させる一方、副変速レバー67の変速位置
が高速側(高速位置a)のときは、変速クラッチC3を
インチング接続モードで接続動作させる。これにより、
作業走行時における無駄なインチング接続動作を回避し
つつ、非作業走行時における旋回開始時の変速ショック
を緩和することが可能になる。
【0022】また、図14に示す第三実施例では、作業
走行時に接続操作される作業機クラッチレバー68が接
続状態のとき、変速クラッチC3を連続接続モードで接
続動作させる一方、作業機クラッチレバー68が切断状
態のとき、変速クラッチC3をインチング接続モードで
接続動作させる。これにより、作業走行時における無駄
なインチング接続動作を回避しつつ、非作業走行時にお
ける旋回開始時の変速ショックを緩和することが可能に
なる。
【0023】叙述の如く構成されたものにおいて、動力
源から入力した走行動力を左右のクローラ駆動軸16
L、16Rに同期伝動する直進動力伝動系14と、前記
走行動力を変速クラッチC1〜C4で変速し、該変速動
力を左右のクローラ駆動軸16L、16Rに選択的に伝
動する旋回動力伝動系15と、マルチレバー69の旋回
操作に応じて前記変速クラッチC1〜C4を断続動作さ
せる制御部70とを備えるコンバイン1であって、前記
制御部70に、前記変速クラッチC3を連続的に接続動
作させる連続接続モードと、前記変速クラッチC3を間
欠的に接続動作させるインチング接続モードと、所定の
条件に応じて前記接続モードを切換える接続モード切換
手段(旋回操作制御)とを設けたため、インチング接続
モードによって旋回開始時の変速ショックを小さくし、
旋回操作性や機体安定性を向上させることができる。し
かも、所定の条件に応じて連続接続モードとインチング
接続モードとを切換えるため、無駄なインチング接続動
作に起因する作業性や作業効率の低下も回避することが
可能になる。
【0024】また、第一実施例では、走行速度が遅いと
き、前記変速クラッチC3を連続接続モードで接続動作
させ、走行速度が速いとき、前記変速クラッチC3をイ
ンチング接続モードで接続動作させるため、低速走行時
や中速走行時における無駄なインチング接続動作を回避
しつつ、高速走行時における旋回開始時の変速ショック
を小さくすることができる。
【0025】また、第二実施例では、作業走行時に低速
側に変速操作される副変速レバー67の変速位置が低速
側のとき、前記変速クラッチC3を連続接続モードで接
続動作させ、前記副変速レバー67の変速位置が高速側
のとき、前記変速クラッチC3をインチング接続モード
で接続動作させるため、作業走行時における無駄なイン
チング接続動作を回避しつつ、非作業走行時における旋
回開始時の変速ショックを小さくすることができる。
【0026】また、第三実施例では、作業走行時に接続
操作される作業機クラッチレバー68が接続状態のと
き、前記変速クラッチC3を連続接続モードで接続動作
させ、前記作業機クラッチレバー68が切断状態のと
き、前記変速クラッチC3をインチング接続モードで接
続動作させるため、作業走行時における無駄なインチン
グ接続動作を回避しつつ、非作業走行時における旋回開
始時の変速ショックを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの斜視図である。
【図2】トランスミッションの側面図である。
【図3】トランスミッションの展開断面図である。
【図4】直進動力伝動系を示すトランスミッションの要
部展開断面図である。
【図5】旋回動力伝動系を示すトランスミッションの要
部展開断面図である。
【図6】第九軸および第十軸を示す同上要部展開断面図
である。
【図7】操作部の平面図である。
【図8】副変速レバーの操作領域を示す平面図である。
【図9】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図10】旋回操作制御の第一実施例を示すフローチャ
ートである。
【図11】旋回操作制御の作用を示すタイミングチャー
トである。
【図12】旋回操作制御の第二実施例を示すフローチャ
ートである。
【図13】旋回操作制御の作用を示すタイミングチャー
トである。
【図14】旋回操作制御の第三実施例を示すフローチャ
ートである。
【図15】旋回操作制御の作用を示すタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
1 コンバイン 8 クローラ走行体 10 トランスミッション 13 HST変速装置 14 直進動力伝動系 15 旋回動力伝動系 16 クローラ駆動軸 31 遊星ギヤ機構 33 リングギヤ 51 旋回用クラッチ 52 直進用ブレーキ 66 主変速レバー 67 副変速レバー 68 作業機クラッチレバー 69 マルチレバー 70 制御部 71 副変速スイッチ 72 作業機クラッチスイッチ 74 ミッション回転センサ C1〜C4 変速クラッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 錦織 将浩 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内 (72)発明者 嘉本 政司 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内 Fターム(参考) 2B043 AA03 AB08 BA02 BA05 BB14 DB05 DB20 DB21 2B076 AA03 DA03 EC09 EC18 EC19 ED20 3D052 AA06 BB08 DD04 EE01 FF02 GG04 HH02 JJ10 JJ14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源から入力した走行動力を左右のク
    ローラ駆動軸に同期伝動する直進動力伝動系と、前記走
    行動力を変速クラッチで変速し、該変速動力を左右のク
    ローラ駆動軸に選択的に伝動する旋回動力伝動系と、操
    向具の旋回操作に応じて前記変速クラッチを断続動作さ
    せる旋回制御部とを備えるクローラ走行車において、前
    記旋回制御部に、前記変速クラッチを連続的に接続動作
    させる連続接続モードと、前記変速クラッチを間欠的に
    接続動作させるインチング接続モードと、所定の条件に
    応じて前記接続モードを切換える接続モード切換手段と
    を設けたことを特徴とするクローラ走行車。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記接続モード切換
    手段は、走行速度が遅いとき、前記変速クラッチを連続
    接続モードで接続動作させ、走行速度が速いとき、前記
    変速クラッチをインチング接続モードで接続動作させる
    ことを特徴とするクローラ走行車。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記接続モード切換
    手段は、作業走行時に低速側に変速操作される走行副変
    速機構の変速位置が低速側のとき、前記変速クラッチを
    連続接続モードで接続動作させ、前記走行副変速の変速
    位置が高速側のとき、前記変速クラッチをインチング接
    続モードで接続動作させることを特徴とするクローラ走
    行車。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記接続モード切換
    手段は、作業走行時に接続操作される作業機クラッチが
    接続状態のとき、前記変速クラッチを連続接続モードで
    接続動作させ、前記作業機クラッチが切断状態のとき、
    前記変速クラッチをインチング接続モードで接続動作さ
    せることを特徴とするクローラ走行車。
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