JP2002274420A - クローラ走行車 - Google Patents

クローラ走行車

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JP2002274420A
JP2002274420A JP2001076526A JP2001076526A JP2002274420A JP 2002274420 A JP2002274420 A JP 2002274420A JP 2001076526 A JP2001076526 A JP 2001076526A JP 2001076526 A JP2001076526 A JP 2001076526A JP 2002274420 A JP2002274420 A JP 2002274420A
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turning
transmission
power
transmission system
power transmission
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JP2001076526A
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English (en)
Inventor
Masashi Kamoto
政司 嘉本
Shinjirou Nowaki
慎二郎 野脇
Kenichi Adachi
憲一 足立
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回動力伝動系を複数の変速クラッチで多段
に変速するトランスミッションにおいて、旋回動力伝動
系の伝動経路を可及的に短くして伝動効率の低下を回避
すると共に、変速クラッチをトランスミッションの左右
に配置できるようにし、良好なメンテナンス性を確保す
る。 【解決手段】 トランスミッション10に、走行動力を
左右のクローラ駆動軸16L、16Rに同期伝動する直
進動力伝動系14と、走行動力を複数の変速クラッチC
1〜C4で変速して左右のクローラ駆動軸16L、16
Rに選択的に伝動する旋回動力伝動系15とを構成する
にあたり、前記直進動力伝動系14および旋回動力伝動
系15の動力伝動(ギヤ伝動部14a、15a)を、ト
ランスミッション10の左右中央部で行うように構成す
ると共に、その左右に複数の変速クラッチC1〜C4を
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右一対のクロー
ラ走行体を備えるコンバイン等のクローラ走行車の技術
分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】近来、左右一対のクローラ走行体を備え
るコンバイン等のクローラ走行車においては、走行動力
を左右のクローラ駆動軸に伝動するトランスミッション
に、前記走行動力を左右のクローラ駆動軸に同期伝動す
る直進動力伝動系と、前記走行動力を左右のクローラ駆
動軸に選択的に伝動する旋回動力伝動系とを独立状に構
成したものがあり、このものでは、直進動力伝動系で良
好な直進性を確保しつつ、旋回動力伝動系の変速に基づ
いて様々な旋回パターンを現出できる利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
ものでは、直進動力伝動系を変速するHST(油圧無段
変速装置)とは別に、旋回動力伝動系を変速するHST
を備えるため、コストアップを招来する不都合がある。
そこで、旋回動力伝動系を複数の変速クラッチで多段に
変速することが提案されるが、この場合には、旋回動力
伝動系の構造が複雑になり、メンテナンス性が低下する
許りでなく、伝動経路が長くなって伝動効率が低下する
可能性がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、動力源から入力した走行動力を左
右のクローラ駆動軸に伝動するトランスミッションを備
えるクローラ走行車において、前記トランスミッション
に、前記走行動力を左右のクローラ駆動軸に同期伝動す
る直進動力伝動系と、前記走行動力を複数の変速クラッ
チで変速し、該変速動力を左右のクローラ駆動軸に選択
的に伝動する旋回動力伝動系とを構成するにあたり、前
記直進動力伝動系および旋回動力伝動系の動力伝動を、
トランスミッションの左右中央部で行うように構成する
と共に、その左右に複数の変速クラッチを配置したこと
を特徴とするものである。つまり、旋回動力伝動系を複
数の変速クラッチで多段に変速するものでありながら、
旋回動力伝動系の伝動経路を可及的に短くして伝動効率
の低下を回避でき、しかも、変速クラッチがトランスミ
ッションの左右に配置されるので、良好なメンテナンス
性を確保することができる。また、直進動力伝動系は、
左右のクローラ駆動軸に対し、それぞれ遊星ギヤ機構を
介して動力を伝動する一方、旋回動力伝動系は、左右の
遊星ギヤ機構に設けられるリングギヤに対し、同方向の
回転動力を選択的に伝動することを特徴とするものであ
る。つまり、遊星ギヤ機構を介して直進動力と旋回動力
とを合成することにより、直進状態から旋回状態への移
行や、旋回状態から直進状態への移行を円滑に行うこと
ができ、しかも、左右のリングギヤに同方向の回転動力
を選択的に伝動するため、左右のリングギヤに逆方向の
回転動力を伝動する場合のように逆転軸を設ける必要が
なく、その結果、部品点数の削減および構造の簡略化を
図ることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
を図面に基づいて説明する。図面において、1はコンバ
インであって、該コンバイン1は、茎稈を刈取る前処理
部2と、刈り取った茎稈の脱穀処理および選別処理を行
う脱穀選別部3と、選別した穀粒を貯溜する穀粒タンク
4と、脱穀済みの排稈を放出する後処理部5と、運転席
6および各種の操作具が設けられる操作部7と、左右一
対のクローラ走行体8からなる走行部9とを備えて構成
されている。
【0006】10はコンバイン1に搭載されるトランス
ミッションであって、該トランスミッション10は、入
力プーリ11を備える入力軸12からエンジン動力を入
力すると共に、入力した動力を、一側面部に組付けられ
るHST変速装置13で無段階状に変速し、その出力動
力を、独立状に構成される直進動力伝動系14および旋
回動力伝動系15を介して左右のクローラ駆動軸16
L、16Rに伝動するように構成されている。因みに、
上記HST変速装置13は、入力軸12から入力した動
力で吐出駆動する斜板式の可変容量ポンプと、該可変容
量ポンプの吐出油で回転駆動する固定容量モータとを上
下に並設し、上記斜板コントロールに基づいて固定容量
モータの出力回転を無段変速する油圧式無段変速機構で
ある。
【0007】S1〜S11はトランスミッション10に
設けられる軸であって、該軸S1〜S11のうち、第一
軸S1は、HST変速装置13のモータ軸に一体的に連
結される筒状軸であり、第二軸S2に動力伝動を行うギ
ヤ17を一体的に備えている。
【0008】第二軸S2は、前処理動力取出し軸であっ
て、上記ギヤ17に噛合するギヤ18と、第三軸S3に
動力伝動を行うギヤ19と、前処理部2に動力伝動を行
う出力プーリ20とを一体的に備えている。
【0009】第三軸S3は、副変速機構21を構成する
副変速軸であって、上記ギヤ19に噛合するギヤ22
と、外周部に第一スリーブ23が装着される第一ハブ2
4と、外周部に第二スリーブ25が装着される第二ハブ
26とを一体的に備えると共に、第一〜第三の副変速ギ
ヤ27〜29を回転自在に支持している。そして、各副
変速ギヤ27〜29は、何れかのスリーブ25に選択的
に噛合可能なクラッチギヤ27a〜29aを一体的に備
えており、この選択噛合動作に応じて何れかの副変速ギ
ヤ27〜29が第三軸S3と一体回転するように構成さ
れている。
【0010】第四軸S4は、直進動力伝動系14と旋回
動力伝動系15とに動力を分配する動力分配軸であっ
て、上記第一副変速ギヤ27に噛合し、且つ、第五軸S
5および第七軸S7に動力伝動を行うギヤ30と、上記
第二副変速ギヤ28に噛合するギヤ31と、上記第三副
変速ギヤ29に噛合するギヤ32とを一体的に備えてい
る。
【0011】第五軸S5は、直進動力伝動用の中継軸で
あって、上記ギヤ30に噛合し、且つ、第六軸S6に動
力伝動を行うギヤ33を回転自在に支持している。
【0012】第六軸S6は、前記左右のクローラ駆動軸
16L、16R間に直列状に配置される直進動力伝動系
最終軸であって、上記ギヤ33に噛合するギヤ34を一
体的に備えると共に、その左右両端部は、左右一対の遊
星ギヤ機構35L、35Rを介して左右のクローラ駆動
軸16L、16Rに連動連結されている。遊星ギヤ機構
35L、35Rは、第六軸S6の左右両端部に一体化さ
れたサンギヤ36L、36Rと、第六軸S6およびクロ
ーラ駆動軸16L、16Rに対して回転自在なリングギ
ヤ37L、37Rと、上記サンギヤ36L、36Rおよ
びリングギヤ37L、37Rの内周歯37aに噛合する
複数のプラネタリギヤ38L、38Rと、該プラネタリ
ギヤ38L、38Rを自転および公転自在に支持し、且
つ、クローラ駆動軸16L、16Rに一体的に連結され
るキャリア39L、39Rとを備えており、上記サンギ
ヤ36L、36Rから入力される直進系動力と、リング
ギヤ37L、37Rから入力される旋回系動力とを合成
するように構成されている。
【0013】第七軸S7は、旋回動力伝動用の中継軸で
あって、上記ギヤ30に噛合し、且つ、第八軸S8に動
力伝動を行うギヤ40を回転自在に支持している。
【0014】第八軸S8は、後述する第一〜第四の変速
クラッチC1〜C4に動力を分配する旋回動力分配軸で
あって、上記ギヤ40に噛合するギヤ41と、上記各変
速クラッチC1〜C4に動力伝動を行うギヤ42〜45
とを一体的に備えている。
【0015】第九軸S9は、左右両端部に上記第一、第
二変速クラッチC1、C2を備える第一の変速クラッチ
軸であって、さらに第九軸S9は、上記ギヤ42に噛合
するギヤ46と、上記ギヤ43に噛合する47とを回転
自在に支持すると共に、第十一軸S11に動力伝動を行
うギヤ48を一体的に備えている。上記各変速クラッチ
C1、C2は、ギヤ46、47に一体的に連結される駆
動ケース49と、第九軸S9に一体的に連結される従動
ケース50と、各ケース49、50に一体回転可能に係
合し、且つ、交互に重合される複数のディスク51と、
該ディスク51を圧縮して両ケース49、50を一体的
に接続するクラッチ作動体52と、該クラッチ作動体5
2を非圧縮方向に付勢して両ケース49、50を分離す
る復帰バネ53とを備えており、上記クラッチ作動体5
2の油圧操作に基づいてギヤ46、47と第九軸S9と
の間の動力伝動を断続するように構成されている。
【0016】第十軸S10は、左右両端部に上記第三、
第四変速クラッチC3、C4を備える第二の変速クラッ
チ軸であって、さらに第十軸S10は、上記ギヤ44に
噛合するギヤ54と、上記ギヤ45に噛合するギヤ55
とを回転自在に支持すると共に、第十一軸S11に動力
伝動を行うギヤ56を一体的に備えている。尚、上記変
速クラッチC3、C4の構成および作用は、変速クラッ
チC1、C2と略同一であるため、詳細な説明は省略す
る。
【0017】第十一軸S11は、左右両端部に左右一対
の旋回用クラッチ57L、57Rおよび左右一対の直進
用ブレーキ58L、58Rを備えるクラッチ・ブレーキ
軸であって、さらに第十一軸S11は、上記ギヤ48、
56に噛合するギヤ59を回転自在に支持している。上
記各旋回用クラッチ57L、57Rは、ギヤ59に一体
的に連結される駆動ケース60L、60Rと、第十一軸
S11に回転自在に支持される従動ケース61L、61
Rと、各ケース60L(60R)、61L(61R)に
一体回転可能に係合し、且つ、交互に重合される複数の
ディスク62L、62Rと、該ディスク62L、62R
を圧縮して両ケース60L(60R)、61L(61
R)を一体的に接続するクラッチ作動体63L、63R
と、該クラッチ作動体63L、63Rを介して従動ケー
ス61L、61Rに一体回転可能に連結され、且つ、前
記リングギヤ37L、37Rに噛合する旋回駆動ギヤ6
4L、64Rと、上記クラッチ作動体63を非圧縮方向
に付勢して両ケース60L(60R)、61L(61
R)を分離する復帰バネ65L、65Rとを備えてお
り、上記クラッチ作動体63L、63Rの選択的な油圧
操作に基づいてギヤ59と旋回駆動ギヤ64L、64R
との間の動力伝動を断続するように構成されている。ま
た、上記直進用ブレーキ58L、58Rは、上記クラッ
チ作動体63L、63Rの油圧操作に応じ、旋回用クラ
ッチ57L、57Rと背反的に動作するように構成され
ている。つまり、直進用ブレーキ58L、58Rは、ト
ランスミッションケース66内に固定状態で設けられる
固定ケース67L、67Rと、上記従動ケース61L、
61Rとの間に、交互に重合する複数のディスク68
L、68Rを係合状に介設して構成されており、上記ク
ラッチ作動体63L、63Rがクラッチ切り位置のとき
は、ディスク68L、68Rの圧縮に応じて両ケース6
1L(61R)、67L(67R)を一体的に接続する
ことにより、旋回駆動ギヤ64L、64Rの回転を制動
する一方、クラッチ作動体63L、63Rがクラッチ入
り位置のときは、各ケース61L(61R)、67L
(67R)を分離することにより、旋回系動力による旋
回駆動ギヤ64L、64Rの駆動回転を許容するが、さ
らに、クラッチ作動体63L、63Rが中立位置のとき
は、旋回用クラッチ57L、57Rが切り状態で、且
つ、旋回用クラッチ57L、57Rが非制動状態とな
り、旋回駆動ギヤ64L、64Rの空転が許容される。
【0018】即ち、トランスミッション10は、HST
出力を左右のクローラ駆動軸16L、16Rに同期伝動
する直進動力伝動系14と、HST出力を左右のクロー
ラ駆動軸16L、16Rに選択的に伝動する旋回動力伝
動系15とを備えており、さらに旋回動力伝動系は、伝
動比(減速比)が相違する複数の並列伝動経路を構成す
ると共に、各並列伝動経路に変速クラッチC1〜C4を
備え、該変速クラッチC1〜C4の選択的に断続動作に
よって旋回系動力を多段に変速するように構成される。
これにより、旋回動力伝動系15を変速するためのHS
T変速装置を設けることなく、旋回動力伝動系15を複
数の変速クラッチC1〜C4で多段に変速し、様々な旋
回パターンを現出させることが可能になる。
【0019】旋回動力伝動系15は、左右の遊星ギヤ機
構35L、35Rに設けられるリングギヤ37L、37
Rに対して旋回系動力を伝動するにあたり、旋回用クラ
ッチ57L、57Rの選択的な断続動作に基づき、同方
向の回転動力を何れか一方のリングギヤ37L、37R
に選択的に伝動するように構成されている。従って、旋
回用クラッチ57L、57Rの選択的な断続動作に基づ
いて旋回方向が決定され、その際の旋回パターンが、変
速クラッチC1〜C4の選択的な断続動作に基づいて決
定されることになり、また、旋回用クラッチ57L、5
7Rを中立状態に保持した場合には、リングギヤ37
L、37Rを空転させる空転旋回を行うことが可能にな
る。その結果、遊星ギヤ機構35L、35Rを介した直
進系動力と旋回系動力との合成により、直進状態から旋
回状態への移行や、旋回状態から直進状態への移行を円
滑に行うことができる許りでなく、左右のリングギヤ3
7L、37Rに同方向の回転動力を選択的に伝動する片
側変速を行うことにより、左右のリングギヤ37L、3
7Rに逆方向の回転動力を同時に伝動するものの如く、
逆転軸を設ける必要がない。
【0020】次に、トランスミッション10の配置構成
を説明する。側面視においては、直進動力伝動系14
(S4、S5、S6)と旋回動力伝動系15(S4、S
7、S8、S9、S10、S11)とが前後に並列配置
されている。これにより、トランスミッションケース6
6の幅寸法を可及的に小さくして泥押し等による走行性
の低下を防止することが可能になる。また、直進動力伝
動系14と旋回動力伝動系15とを前後に並列配置する
にあたり、旋回動力伝動系15に比して幅狭にし得る直
進動力伝動系14が前側に配置されている。そのため、
トランスミッションケース66の前部における泥溜りや
泥押しをさらに軽減でき、しかも、変速クラッチC1〜
C4の油圧配管をトランスミッションケース66の後部
に通すことにより、トランスミッションケース66を利
用して油圧配管を保護することが可能になる。また、直
進動力伝動系14は、側面視でくの字状に曲折するよう
に構成される一方、旋回動力伝動系15は、その一部が
直進動力伝動系14の曲折凹部に入り込むように配置さ
れており、その結果、伝動系の配置効率を向上させてト
ランスミッションケース66の小型化を図ることが可能
になる。
【0021】一方、正面視(背面視)においては、直進
動力伝動系14および旋回動力伝動系15のギヤ伝動部
14a、15aがトランスミッション10の左右中央部
に配置されると共に、その左右両側に複数の変速クラッ
チC1〜C4(旋回クラッチ57L、57R、直進用ブ
レーキ58L、58R)が配置されている。これによ
り、旋回動力伝動系15を複数の変速クラッチC1〜C
4で多段に変速するものでありながら、旋回動力伝動系
15の伝動経路を可及的に短くして伝動効率の低下を回
避でき、しかも、変速クラッチC1〜C4がトランスミ
ッション10の左右に配置されるので、後述のように良
好なメンテナンス性を確保することが可能になる。
【0022】前記トランスミッションケース66の左右
両側部には、変速クラッチC1〜C4、旋回クラッチ5
7L、57Rおよび直進用ブレーキ58L、58Rの外
側方を開放可能な開口部66aが形成されている。この
開口部66aは、トランスミッションケース66に着脱
自在にボルト固定される後述の変速クラッチケース(カ
バー)69L、69Rによって覆蓋されており、該変速
クラッチケース69L、69Rを外すことによって変速
クラッチC1〜C4、旋回クラッチ57L、57R、直
進用ブレーキ58L、58R等のメンテナンスが可能に
なる。また、変速クラッチケース69L、69Rをトラ
ンスミッションケース66の左右に設けたことにより、
何れか一方を選択的に外して一部のクラッチまたはブレ
ーキをメンテナンスしたり、左右の変速クラッチケース
69L、69Rを両方外して2人でメンテナンスする
等、任意のメンテナンス形態を選択することができる。
【0023】前記変速クラッチケース69L、69R
は、それぞれ複数個分の変速クラッチケースとして機能
するように形成されている。つまり、変速クラッチケー
ス69L、69Rの内側部には、それぞれ複数の固定ケ
ース70L、70R、67L、67Rが一体的に組付け
られており、該固定ケース70L、70R、67L、6
7Rは、それぞれ第九軸S9、第十軸S10および第十
一軸S11の左右両端部を支持すると共に、変速クラッ
チC1〜C4、旋回クラッチ57L、57R(直進用ブ
レーキ58L、58R)を断続動作させるピストン71
L、71R、72L、72Rを進退自在に支持してい
る。これにより、旋回動力伝動系15を複数の変速クラ
ッチC1〜C4で多段に変速するものでありながら、変
速クラッチケース69L、69Rに対してそれぞれ複数
の変速クラッチC1〜C4、旋回クラッチ57L、57
R(直進用ブレーキ58L、58R)を組み付けること
により、軸間距離を縮めてトランスミッション10の小
型化を図ることができる許りでなく、部品点数を削減す
ることが可能になる。
【0024】また、前記遊星ギヤ機構35L、35Rの
リングギヤ37L、37Rは、直進操作時、直進用ブレ
ーキ58L、58Rによって制動される。これにより、
第六軸S6の直進系動力が左右のクローラ駆動軸16
L、16Rに同期的に伝動され、機体が直進することに
なる。一方、旋回操作時には、左右何れかのリングギヤ
37L、37Rに旋回駆動ギヤ64L、64Rの旋回系
動力が選択的に伝動される。この動力は、リングギヤ3
7L、37Rをサンギヤ36L、36Rと逆方向に回転
させる。これにより、旋回内側のクローラ駆動軸16
L、16Rが減速、停止もしくは逆転し、機体が旋回す
ることになる。上記の如く動作するリングギヤ37L、
37Rにあっては、大型化を回避しつつ、必要な支持強
度を確保することが要求される。この要求を満たすため
に上記遊星ギヤ機構35L、35Rでは、次の様なリン
グギヤ支持構造を採用している。
【0025】即ち、リングギヤ37L、37Rの内周部
を、第一の軸受73を介してキャリア39L、39Rの
外周部で支持すると共に、リングギヤ37L、37Rの
ボス内周部を、第二の軸受74を介してキャリア39
L、39Rのボス外周部で支持している。その結果、リ
ングギヤ37L、37Rが二箇所で支持されることにな
り、一箇所で支持するものに比してリングギヤ37L、
37Rの支持強度を高めることができ、しかも、リング
ギヤ37L、37Rの支持荷重を分散することにより、
各支持部を小さくして遊星ギヤ機構35L、35Rの小
型化を図ることが可能になる。
【0026】また、本実施形態の遊星ギヤ機構35L、
35Rにおいては、キャリア39L、39Rに径方向を
向いて形成される挿通孔39aに、プラネタリギヤ38
L、38Rの支軸75を抜止めするロールピン76を挿
通状に組付けるにあたり、キャリア39L、39Rの外
周部でリングギヤ37L、37Rを支持する前記第一軸
受73の内周部と、サンギヤ36L、36R(第六軸S
6)を支持するためにキャリア39L、39Rの内周部
に設けられる第三軸受77の外周部との間で上記ロール
ピン76を抜止めしている。これにより、他目的で設け
られる軸受73、77を利用してロールピン76を抜止
めすることができ、その結果、専用の抜止め部材を不要
にして部品点数の削減および構造の簡略化を図ることが
可能になる。
【0027】さて、上記の如く構成したトランスミッシ
ョン10においては、旋回動力伝動系15に複数構成さ
れる並列伝動経路の伝動比設定や、各クラッチの選択的
な断続動作に基づいて下記に示す様々な旋回パターンを
現出させることができ、本実施形態では、下記に示す全
ての旋回パターンを設定する。 (1)複数段の減速旋回(緩旋回) 動作条件:プラネタリギヤ38L、38Rの公転が減速
される伝動比(例えば減速比7:3、9:1)を所定の
並列伝動経路に設定し、該並列伝動経路の変速クラッチ
C1〜C4および旋回内側の旋回用クラッチ57L、5
7Rを入り側に動作させる。 (2)信地旋回 動作条件:プラネタリギヤ38L、38Rの公転が停止
する伝動比を所定の並列伝動経路に設定し、該並列伝動
経路の変速クラッチC1〜C4および旋回内側の旋回用
クラッチ57L、57Rを入り側に動作させる。 (3)超信地旋回 動作条件:プラネタリギヤ38L、38Rが逆転方向に
公転する伝動比を所定の並列伝動経路に設定し、該並列
伝動経路の変速クラッチC1〜C4および旋回内側の旋
回用クラッチ57L、57Rを入り側に動作させる。 (4)空転旋回(リングギヤ空転による方向修正) 動作条件:旋回内側の旋回用クラッチ57L、57Rを
中立状態に保持する。
【0028】一方、操作部7には、HST変速装置13
を変速操作する主変速レバー78と、副変速機構21を
変速操作する副変速レバー79と、第一の操向操作具で
あるマルチレバー80とが設けられている。主変速レバ
ー78の操作領域には、前進変速操作領域、中立操作領
域および後進変速領域が設定されており、一本のレバー
操作で走行無段変速および前後進切換を行うことができ
る。また、副変速レバー79の操作領域には、高速位置
a(走行)、中立位置b、中速位置c(標準)、中立位
置dおよび低速位置e(倒伏)が前後に並ぶように設定
されており、この領域では、後述する通常旋回モード
(モード1)が適用される。また、低速位置eの一側方
には、第二の低速位置fが設定されており、この領域で
は、後述する超信地旋回モード(モード2)が適用され
る。また、マルチレバー80は、前後および左右方向に
操作可能なジョイスティック式操作具であって、前後レ
バー操作によって前処理部2の昇降を行う一方、左右レ
バー操作によって機体の旋回および方向修正を行うこと
ができ、さらに、マルチレバー80の握り部には、第二
の操向操作具である左右一対の方向修正スイッチ81
L、81Rと、超信地旋回モードであることを表示する
超信地旋回インジケータ82とが設けられている。
【0029】83はマイクロコンピュータを用いて構成
される制御部であって、該制御部83には、前記方向修
正スイッチ81L、81Rと、前記超信地インジケータ
82と、前記マルチレバー80の操作位置を検出するレ
バー位置検出センサ84と、副変速レバー79の操作領
域に基づいて適用する旋回操作モードを検出する操作モ
ード検出センサ85と、複数設定される旋回操作パター
ンの中から任意のパターンを選択操作する操作パターン
選択スイッチ86と、左旋回用クラッチ57Lおよび左
直進用ブレーキ58Lを動作させる左旋回クラッチアク
チュエータ(電磁バルブ等)87Lと、右旋回用クラッ
チ57Rおよび右直進用ブレーキ58Rを動作させる右
旋回クラッチアクチュエータ87Rと、緩旋回(7:
3)用に設定した変速クラッチを動作させる緩旋回
(7:3)クラッチアクチュエータ88と、緩旋回
(9:1)用に設定した変速クラッチを動作させる緩旋
回(9:1)クラッチアクチュエータ89と、信地旋回
用に設定した変速クラッチを動作させる信地旋回クラッ
チアクチュエータ90と、超信地旋回用に設定した変速
クラッチを動作させる超信地旋回クラッチアクチュエー
タ91とが接続されている。つまり、制御部83は、第
一操向操作具であるマルチレバー80と、第二操向操作
具である方向修正スイッチ81L、81Rとの操作に応
じて変速クラッチC1〜C4、旋回用クラッチ57L、
57Rおよび直進用ブレーキ58L、58Rを動作させ
ることにより、様々な旋回パターンを現出させるように
構成されており、以下、各操向操作具に応じた旋回パタ
ーンを説明する。
【0030】方向修正スイッチ81L、81Rを操作し
た場合は、操作モード検出センサ85や操作パターン選
択スイッチ86の状態に拘わらず空転旋回が行われる。
そのため、遊星ギヤ機構35L、35Rを介して直進系
動力と旋回系動力とを合成するものでありながら、旋回
内側のクローラ駆動軸16L、16Rを空転させる空転
旋回を行うことができ、その結果、従来のサイドクラッ
チ方式に似た旋回状態を現出させることが可能になる。
【0031】一方、マルチレバー80の操作に基づく旋
回パターンは、操作モード検出センサ85や操作パター
ン選択スイッチ86の状態に応じて変化する。以下、各
状態の旋回パターンを説明する。 (1)第一旋回操作パターンを選択し、副変速レバー位
置がモード1領域の場合 マルチレバー80をA領域(6゜〜12゜)に操作する
と、緩旋回(7:3)が行われ、さらに、B領域(12
゜〜17゜)まで操作すると、緩旋回(9:1)に移行
する。 (2)第一旋回操作パターンを選択し、副変速レバー位
置がモード2領域の場合 マルチレバー80をA領域に操作すると、緩旋回(7:
3)が行われ、さらに、B領域まで操作すると、超信地
旋回に移行する。 (3)第二旋回操作パターンを選択し、副変速レバー位
置がモード1領域の場合 マルチレバー80をA領域に操作すると、緩旋回(7:
3)が行われ、さらに、B領域まで操作すると、超信地
旋回に移行する。 (4)第二旋回操作パターンを選択し、副変速レバー位
置がモード2領域の場合 マルチレバー80をA領域に操作すると、信地旋回が行
われ、さらに、B領域まで操作すると、超信地旋回に移
行する。 (5)第三旋回操作パターンを選択し、副変速レバー位
置がモード1領域の場合 マルチレバー80をA領域に操作すると、信地旋回が行
われ、さらに、B領域まで操作しても、信地旋回状態を
維持する。 (6)第三旋回操作パターンを選択し、副変速レバー位
置がモード2領域の場合 マルチレバー80をA領域に操作すると、信地旋回が行
われ、さらに、B領域まで操作すると、超信地旋回に移
行する。
【0032】叙述の如く構成されたものにおいて、動力
源から入力した走行動力を左右のクローラ駆動軸16
L、16Rに伝動するトランスミッション10であっ
て、該トランスミッション10に、前記走行動力を左右
のクローラ駆動軸16L、16Rに同期伝動する直進動
力伝動系14と、前記走行動力を複数の変速クラッチC
1〜C4で変速し、該変速動力を左右のクローラ駆動軸
16L、16Rに選択的に伝動する旋回動力伝動系15
とを構成するにあたり、前記直進動力伝動系14および
旋回動力伝動系15の動力伝動(ギヤ伝動部14a、1
5a)を、トランスミッション10の左右中央部で行う
ように構成すると共に、その左右に複数の変速クラッチ
C1〜C4を配置したため、旋回動力伝動系15を複数
の変速クラッチC1〜C4で多段に変速するものであり
ながら、旋回動力伝動系15の伝動経路を可及的に短く
して伝動効率の低下を回避でき、しかも、変速クラッチ
C1〜C4がトランスミッション10の左右に配置され
るので、良好なメンテナンス性を確保することができ
る。
【0033】また、直進動力伝動系14は、左右のクロ
ーラ駆動軸16L、16Rに対し、それぞれ遊星ギヤ機
構35L、35Rを介して動力を伝動する一方、旋回動
力伝動系15は、左右の遊星ギヤ機構35L、35Rに
設けられるリングギヤ37L、37Rに対し、同方向の
回転動力を選択的に伝動するように構成される。つま
り、遊星ギヤ機構35L、35Rを介して直進動力と旋
回動力とを合成することにより、直進状態から旋回状態
への移行や、旋回状態から直進状態への移行を円滑に行
うことができ、しかも、左右のリングギヤ37L、37
Rに同方向の回転動力を選択的に伝動するため、左右の
リングギヤ37L、37Rに逆方向の回転動力を伝動す
る場合のように逆転軸を設ける必要がなく、その結果、
部品点数の削減および構造の簡略化を図ることができ
る。
【0034】尚、本発明は、前記実施形態に限定されな
いことは勿論であって、例えば変速クラッチの数は任意
に設定することができる。また、前記実施形態では、一
つの旋回操作パターンにおいて3つを越える変速クラッ
チを使用しないため、例えば変速クラッチC4を省いて
トランスミッションの構成を簡略化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの斜視図である。
【図2】トランスミッションの伝動回路図である。
【図3】直進動力伝動系および旋回動力伝動系の配置を
示すトランスミッションの概略側面図である。
【図4】クローラ駆動軸を含むトランスミッションの展
開断面図である。
【図5】トランスミッションの展開断面図である。
【図6】同上側面図である。
【図7】旋回動力伝動系を示す同上部分展開断面図であ
る。
【図8】遊星ギヤ機構を示す同上部分展開断面図であ
る。
【図9】操作部の斜視図である。
【図10】副変速レバーの操作領域を示す平面図であ
る。
【図11】マルチレバーを示す斜視図である。
【図12】制御部の入出力を示すブロック図である。
【図13】旋回操作パターンの説明図である。
【符号の説明】
1 コンバイン 8 クローラ走行体 10 トランスミッション 13 HST変速装置 14 直進動力伝動系 15 旋回動力伝動系 16 クローラ駆動軸 21 副変速機構 35 遊星ギヤ機構 36 サンギヤ 37 リングギヤ 38 プラネタリギヤ 39 キャリア 57 旋回用クラッチ 58 直進用ブレーキ 64 旋回駆動ギヤ 66 トランスミッションケース 66a 開口部 69 変速クラッチケース 78 主変速レバー 79 副変速レバー 80 マルチレバー 81 方向修正スイッチ 83 制御部 C 変速クラッチ S 軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 憲一 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内 Fターム(参考) 3D039 AA00 AA03 AA04 AA05 AB13 AB22 AC21 AC24 AC37 AC54 AC64 AC70 3D052 AA16 AA17 AA18 BB09 BB10 BB11 DD03 DD04 EE01 GG04 GG05 HH02 HH03 JJ10 JJ14 JJ21 JJ22 JJ37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源から入力した走行動力を左右のク
    ローラ駆動軸に伝動するトランスミッションを備えるク
    ローラ走行車において、前記トランスミッションに、前
    記走行動力を左右のクローラ駆動軸に同期伝動する直進
    動力伝動系と、前記走行動力を複数の変速クラッチで変
    速し、該変速動力を左右のクローラ駆動軸に選択的に伝
    動する旋回動力伝動系とを構成するにあたり、前記直進
    動力伝動系および旋回動力伝動系の動力伝動を、トラン
    スミッションの左右中央部で行うように構成すると共
    に、その左右に複数の変速クラッチを配置したことを特
    徴とするクローラ走行車。
  2. 【請求項2】 請求項1において、直進動力伝動系は、
    左右のクローラ駆動軸に対し、それぞれ遊星ギヤ機構を
    介して動力を伝動する一方、旋回動力伝動系は、左右の
    遊星ギヤ機構に設けられるリングギヤに対し、同方向の
    回転動力を選択的に伝動することを特徴とするクローラ
    走行車。
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