JP2003227964A - フェルールの製造方法 - Google Patents

フェルールの製造方法

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JP2003227964A
JP2003227964A JP2002029342A JP2002029342A JP2003227964A JP 2003227964 A JP2003227964 A JP 2003227964A JP 2002029342 A JP2002029342 A JP 2002029342A JP 2002029342 A JP2002029342 A JP 2002029342A JP 2003227964 A JP2003227964 A JP 2003227964A
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Japan
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ferrule
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collar member
fitting hole
ferrule tubular
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JP2002029342A
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English (en)
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Naoyuki Hirayama
尚幸 平山
Junji Taira
淳司 平
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェルール用筒状体に発生する割れや欠け等
を防止して圧入作業を簡略化でき且つフェルール用筒状
体を十分な保持力で嵌合できると共に製造コストを大幅
に低減できるフェルールの製造方法を提供する。 【解決手段】 光ファイバが挿入される光ファイバ挿入
孔13を有するフェルール用筒状体11と、フェルール
筒状体11の外径より若干小さい内径を有し且つフェル
ール用筒状体11の一端部を嵌合させる嵌合孔15を有
するつば部材12とを具備するフェルール10の製造方
法において、少なくともつば部材12を所定温度に加熱
した状態で嵌合孔15内にフェルール用筒状体11の一
端部を嵌合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光接続するための
光コネクタを構成するプラグ側の一部であるフェルール
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】現在、通信用に用いられる光コネクタは、
内径と外径とを高精度に加工したフェルール内に光ファ
イバを挿入して接着固定させた後、その光ファイバの端
面を凸球面状に研磨し、光ファイバ同士を物理的に接触
させて光ファイバの軸を合わせて光接続するようにして
いる。
【0003】この光コネクタに組み付けられるフェルー
ルは、通常、ジルコニアなどの硬いセラミックやガラス
等で形成された光ファイバ挿入孔を有するフェルール用
筒状体と、フェルール用筒状体の外径より若干小さい内
径を有し且つフェルール用筒状体の一端部を嵌合させる
嵌合孔と光ファイバの外周に被覆を施した光ファイバ心
線が挿入される光ファイバ心線挿入孔とを有するステン
レス鋼で形成されたつば部材とから構成される。
【0004】このようなフェルールは、一般的に、つば
部材の嵌合孔内にフェルール用筒状体の一端部を高圧力
で圧入することで製造され、その後、例えば、接着剤等
を注入した光ファイバ挿入孔及び光ファイバ心線挿入孔
内に光ファイバを挿入することによってフェルールと光
ファイバ及び光ファイバ心線とを接着固定させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
フェルールでは、フェルール用筒状体の外径の規格はφ
2.499±0.0005mm、つば部材の嵌合孔の内
径の規格はφ2.5−0.007〜φ2.5−0.01
5mmであり、許容される寸法の幅が狭かった。この条
件下で、つば部材の嵌合孔内にフェルール用筒状体の一
端部を高圧力で圧入する際に、フェルール用筒状体の外
周面の特に圧入側縁部などに、例えば、割れ、欠け等が
発生することを防止するため、嵌合孔の内径及びフェル
ール用筒状体の外径との寸法公差を0.002〜0.0
2mm程度に高精度に加工する必要があった。つば部材
の嵌合孔の寸法を高精度に加工することは非常に困難で
あると共に歩留りが悪く、フェルールの製造コストが増
大するという問題がある。
【0006】一方、つば部材の嵌合孔の寸法を高精度に
加工せずにフェルール用筒状体の一端部を嵌合孔内に圧
入させると、フェルール用筒状体の外径及び嵌合孔の内
径の寸法公差が一定でないため、つば部材の嵌合孔内に
フェルール用筒状体の一端部を十分な保持力で嵌合させ
ることができなかったり、或いは、フェルール用筒状体
の圧入側縁部などに、割れや欠け等が発生し易くなって
しまうという問題がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、フェル
ール用筒状体に発生する割れや欠け等を防止して圧入作
業を簡略化でき且つフェルール用筒状体を十分な保持力
で嵌合できると共に製造コストを大幅に低減できるフェ
ルールの製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【発明が解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、光ファイバが挿入される光ファイバ
挿入孔を有するフェルール用筒状体と、該フェルール用
筒状体の外径より若干小さい内径を有し且つ当該フェル
ール用筒状体の一端部を嵌合させる嵌合孔を有するつば
部材とを具備するフェルールの製造方法において、少な
くとも前記つば部材を所定温度に加熱した状態で前記嵌
合孔内に前記フェルール用筒状体の一端部を嵌合させる
ことを特徴とするフェルールの製造方法にある。
【0009】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記フェルール用筒状体の熱膨張率が前記つば部材
の熱膨張率より小さいことを特徴とするフェルールの製
造方法にある。
【0010】本発明の第3の態様は、第2の態様におい
て、前記つば部材と共に前記フェルール用筒状体も前記
所定温度に加熱することを特徴とするフェルールの製造
方法にある。
【0011】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記つば部材が金属材料からなり、前
記フェルール用筒状体がセラミックス材料からなること
を特徴とするフェルールの製造方法にある。
【0012】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記金属材料がステンレス鋼であり、前記セラミッ
クス材料がジルコニアであることを特徴とするフェルー
ルの製造方法にある。
【0013】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記嵌合孔内に前記フェルール用筒状
体の一端部を圧入する圧力が100N以下であり、前記
つば部材が前記フェルール用筒状体の一端部を保持する
保持力が10N以上であることを特徴とするフェルール
の製造方法にある。
【0014】かかる本発明では、つば部材を所定温度に
加熱して嵌合孔の内径を常温時より若干大きくさせるこ
とで、その嵌合孔内にフェルール用筒状体の一端部を容
易に嵌合させることができるため、フェルール用筒状体
に発生する割れや欠け等を防止して圧入作業を簡略化す
ることができ且つフェルール用筒状体を十分な保持力で
嵌合させることができる。従って、フェルールの製造コ
ストを大幅に低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0016】(実施形態1)図1(a)は、本発明の実
施形態1に係るフェルールの斜視図であり、図1(b)
は断面図である。
【0017】図1(a)、(b)に示すように、フェル
ール10は、フェルール用筒状体11と、フェルール用
筒状体11の一端部を嵌合させるつば部材12とから構
成されている。
【0018】フェルール用筒状体11は、略円筒形状を
有し、その内部には軸方向に貫通して光ファイバを挿入
保持する光ファイバ挿入孔13が設けられている。ま
た、この光ファイバ挿入孔13の後端部には、内径が開
口側に向かって漸大するテーパ部14が設けられてい
る。このようなテーパ部14を設けることによって、光
ファイバ挿入孔13に光ファイバを挿入する際に、光フ
ァイバがフェルール用筒状体11の端面に接触すること
で折れたり、あるいは曲ったりすることを防止できる。
【0019】このようなフェルール用筒状体11の材質
としては、例えば、ジルコニア等のセラミックス材料、
プラスチック材料、或いは、結晶化ガラス、ホウケイ酸
ガラス、石英等のガラス材料等を挙げることができる。
【0020】一方、つば部材12は、フェルール用筒状
体11の一端部を嵌合させる嵌合孔15と、光ファイバ
の外周に被覆を施した光ファイバ心線を挿入保持する光
ファイバ心線挿入孔16と、光コネクタ用ハウジング
(図示しない)に位置決め固定させるキー溝17が設け
られたつば部18とから構成される。
【0021】嵌合孔15は、フェルール用筒状体11の
外径より若干小さい内径を有し、光ファイバ心線挿入孔
16に連通して設けられている。この嵌合孔内には、フ
ェルール用筒状体11の一端部が嵌合されている。な
お、つば部材12の嵌合孔15内にフェルール用筒状体
11の一端部を嵌合させる方法については詳しく後述す
る。
【0022】また、光ファイバ心線挿入孔16は、光フ
ァイバ心線の外径より若干大きい内径で嵌合孔15の底
面の中央部からつば部材12の嵌合孔15とは反対側の
端面に向かってつば部材12の軸方向に貫通するように
設けられている。
【0023】さらに、つば部材12の嵌合孔15が開口
する側の外周には、半径方向に所定量突出するつば部1
8が円周方向に亘って設けられている。このつば部18
には、光コネクタ用ハウジングに位置決め固定させるた
めのキー溝17が、つば部18の円周方向に亘って90
°間隔で4箇所に設けられており、これらキー溝17の
それぞれの間は、つば部18の半径方向に所定量突出す
る凸形状のフランジ部19となっている。なお、このよ
うなキー溝17の数、位置、深さ、形状等は、特に限定
されず、フェルール10を位置決めさせる光コネクタ用
ハウジングに応じて適宜決定すればよい。
【0024】このようなつば部材12の材質としては、
例えば、ステンレス鋼、真鍮、鉄等の金属材料を挙げる
ことができる。なお、本実施形態では、つば部材12の
材質としてステンレス鋼を用いた。
【0025】ここで、本実施形態に係るフェルールの製
造方法について図2を参照しながら説明する。なお、図
2は、実施形態1に係るフェルールの製造方法を説明す
る概略図である。
【0026】また、本実施形態では、つば部材12を所
定温度に加熱する、例えば、電気ヒータ等の加熱器20
と、加熱器20を覆うハウジング21とを具備する加熱
装置22を用意し、この加熱装置22を用いてつば部材
12を所定温度に加熱するようにしている。
【0027】まず、図2(a)に示すように、加熱器2
2のハウジング21内につば部材12を配置し、このつ
ば部材12をヒータ20によって所定温度に加熱するこ
とにより、つば部材12の嵌合孔15の内径を常温時よ
り若干大きくさせている。
【0028】すなわち、本実施形態では、つば部材12
の材質として所定の熱膨張率を有するステンレス鋼を用
いたので、つば部材12を所定温度に加熱すると、つば
部材12は熱膨張して嵌合孔15の内径が大きくなる。
この熱膨張によるつば部材12の寸法変化を利用して、
つば部材12の嵌合孔15の内径を常温時より若干大き
く且つフェルール用筒状体11の一端部の外径よりも小
さい寸法となるようにする。
【0029】なお、つば部材12を加熱装置22により
加熱する温度は、つば部材12に用いた材質の融点以下
であることが好ましい。本実施形態では、つば部材12
にステンレス鋼を用いたため、例えば、つば部材12を
300℃程度に加熱するようにした。
【0030】次に、図2(b)に示すように、つば部材
12の嵌合孔15の内径を常温時より若干大きくさせた
状態で、フェルール用筒状体11の一端部を嵌合孔15
内に圧入する。すなわち、つば部材12の光ファイバ心
線挿入孔16及びフェルール用筒状体11の光ファイバ
挿入孔13の中心軸同士を一致させた状態で、つば部材
12の嵌合孔15内にフェルール用筒状体11の一端部
を圧入する。このとき、フェルール用筒状体11の一端
部は、フェルール用筒状体11の一端部の外周面と嵌合
孔15の内周面とが部分的に摺接しながらつば部材12
の嵌合孔15内に圧入される。このとき、本実施形態で
は、つば部材12が熱膨張した状態での嵌合孔15の内
径は、フェルール用筒状体11の一端部を100N以下
で圧入できる内径であることが好ましい。
【0031】このように、つば部材12の嵌合孔15の
内径を常温時よりも若干大きくすることで、つば部材1
2の嵌合孔15内にフェルール用筒状体11の一端部を
低圧力で圧入させることができる。このため、フェルー
ル用筒状体11の一端部が嵌合孔15の開口周縁部に当
接して、例えば、割れや欠け等の損傷がフェルール用筒
状体11の一端部に発生することを防止することができ
る。従って、フェルール用筒状体11の一端部を嵌合孔
15内に圧入させる圧入作業を簡略化することができ
る。
【0032】次いで、フェルール用筒状体11の一端部
を嵌合孔15内の所定位置に圧入した状態で、フェルー
ル用筒状体11及びつば部材12を除々に冷却すること
で、つば部材12を収縮させて所定温度に加熱する前の
内径寸法、すなわち、常温時の内径寸法に戻す。これに
より、つば部材12の嵌合孔15内にフェルール用筒状
体11の一端部を十分な保持力で嵌合させることができ
る(図1(b)参照)。このとき、つば部材12がフェ
ルール用筒状体11の一端部を保持する保持力は、10
N以上となることが好ましい。
【0033】このように、つば部材11を加熱及び冷却
して嵌合孔15の内径を変化させることで、フェルール
用筒状体11及びつば部材12を高精度に加工しなくて
も、つば部材12の嵌合孔15内にフェルール用筒状体
11の一端部を比較的容易に圧入できる。これにより、
フェルール用筒状体11の一端部に割れや欠け等が発生
することなく歩留まりを向上させることができる。従っ
て、フェルール10の製造コストを大幅に低減させるこ
とができる。
【0034】また、つば部材12の嵌合孔の内径とフェ
ルール用筒状体11の一端部の外径との寸法公差を大き
くしても、低圧力で圧入して組み立てられるため、つば
部材12の加工精度の範囲を広げることができる。これ
により、フェルール10の製造コストを低減することが
できる。
【0035】なお、本実施形態では、つば部材12を所
定温度に加熱して熱膨張させることで、嵌合孔15の内
径を常温時より若干大きくてフェルール用筒状体11の
一端部の外径よりも小さい寸法としたが、これに限定さ
れず、つば部材12を熱膨張させることで嵌合孔15の
内径をフェルール用筒状体11の外径より若干大きくな
るようにしてもよい。この場合、例えば、つば部材12
を熱膨張率の大きな材質としてもよく、或いは、つば部
材12の嵌合孔15の内径及びフェルール用筒状体11
の一端部の外径の常温時での寸法公差を予め小さくして
もよい。勿論、つば部材12に用いた材質の融点に余裕
がある場合には、加熱温度を高くしてつば部材12の熱
膨張による変化量を大きくしてもよい。
【0036】このように、つば部材12を熱膨張させて
嵌合孔15の内径をフェルール用筒状体11の一端部の
外径より若干大きくすることで、つば部材12の嵌合孔
15内にフェルール用筒状体11の一端部を圧力を加え
ずに挿入することができる。
【0037】ここで、上述した本発明のフェルールの製
造方法の実施例について説明するが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0038】(実施例)実施例では、熱膨張率が18×
10-6ppm/℃のステンレス鋼からなるつば部材とジ
ルコニアからなるフェルール用筒状体とを複数組用意し
た。この時、フェルール用筒状体の外径の規格はφ2.
499±0.005mmのものを用意した。上述した加
熱装置を用いて、つば部材を20℃(常温)から300
℃まで除々に加熱して嵌合孔の寸法を常温時より大きく
した状態で、その嵌合孔内にフェルール用筒状体の一端
部を100N以下で圧入できる場合のつば部材の嵌合孔
の内径の下限値と、10N以上の保持力で嵌合できるつ
ば部材の嵌合孔の内径の上限値とをそれぞれ求めた。
【0039】なお、ここでは、フェルール用筒状体の一
端部を100Nより大きい圧力で嵌合孔内に圧入させた
場合に、フェルール用筒状体の一端部に割れ又は欠けが
頻繁に発生するものと規定した。
【0040】(比較例)比較例では、実施例と同一材
料、同一規格からなるつば部材及びフェルール用筒状体
を複数組用意し、つば部材を熱膨張させずに、20℃
(常温)の温度条件下でつば部材の嵌合孔内にフェルー
ル用筒状体の一端部を100N以下で圧入できる場合の
つば部材の嵌合孔の内径の下限値と、10N以上の保持
力で嵌合できるつば部材の嵌合孔の内径の上限値とをそ
れぞれ求めた。
【0041】
【表1】 表1には用意したフェルール用筒状体の常温時20℃に
おける外径と外周の実測値での上限値に対して許容され
た嵌合孔の内径と内周の下限値、300℃における嵌合
孔の内周の値を示す。表1に示すように、比較例におい
ては、つば部材の嵌合孔内にフェルール用筒状体の一端
部を100N以下で圧入しようとした場合、20℃にお
いてフェルール用筒状体の外周が7.8524mm、外
径がφ2.4995mmと上限値のものを用いた時に、
つば部材の嵌合孔は20℃で内周が7.8069mm、
内径がφ2.4850mmまでであれば100N以下で
の圧入が可能であり、10N以上の保持力が確保でき
た。これに対し本願発明の実施例では、つば部材の嵌合
孔内にフェルール用筒状体の一端部を100N以下で圧
入しようとした場合、20℃においてフェルール用筒状
体の外周が7.8524mm、外径がφ2.4995m
mと上限値のものを用いた時に、つば部材の嵌合孔は2
0℃で内周が7.7692mm、内径がφ2.4730
mmまでであれば、熱膨張時には内周が7.8083m
mとなり、100N以下での圧入が可能であり、10N
以上の保持力が確保できた。実施例において比較例に比
べ嵌合孔の内径の下限値を小さくすることができたこと
がこの結果からわかる。更に実施例では、つば部材を常
温時の20℃まで冷却した時には、嵌合孔の内周及び内
径が比較例より狭くなるため、より強い保持力を確保す
ることができた。
【0042】
【表2】 表2には用意したフェルール用筒状体の常温時20℃に
おける外径と外周の実測値での下限値に対して許容され
た勘合孔の内径と内周の上限値、300℃における嵌合
孔の内周の値を示す。表2に示すように、20℃におい
てフェルール用筒状体の外周が7.8493mm、外径
がφ2.4985mmと下限値のものを用いた時には、
つば部材の嵌合孔のフェルール用筒状体の保持力は常温
時20℃において10N以上が必要であることから、実
施例、比較例ともつば部材の嵌合孔の内周の上限値は
7.8320mm、内径の上限値は2.4930mmと
同じ値となった。このように、常温時にフェルール用筒
状体の外周が7.8493〜7.8524mm、外径が
φ2.4985〜φ2.4995mmである時に、つば
部材の嵌合孔の内周は比較例では7.8069〜7.8
320mm、内径はφ2.5−0.007〜φ2.5−
0.015mmであった。これに対し実施例では、つば
部材の嵌合孔の内周は7.7692〜7.8320m
m、内径はφ2.5−0.007〜φ2.5−0.02
7mmであった。これらより、実施例では比較例に比べ
て、つば部材の嵌合孔の寸法精度に幅を持たせゆるくす
ることができたことがわかる。以上の結果から、表1及
び2に示すように、100N以下の圧入条件で、実施例
の方が、比較例に比べてフェルール用筒状体の一端部を
圧入可能な嵌合孔の内径の下限値を小さく設定して寸法
精度に幅を持たせゆるくすることができ、フェルール用
筒状体11の外径とつば部材12の嵌合孔15の内径と
の公差を大きくできた。この場合でも比較例よりも小さ
な力で圧入ができフェルール用筒状体の割れや欠けが防
止でき、且つ常温時には比較例よりも強い保持力を確保
できることが分かる。つば部材の嵌合孔の寸法精度を比
較例より幅を持たせてゆるく設定することができること
から、つば部材の加工が容易となり大幅なコストダウン
が可能となった。
【0043】また、つば部材のフェルール用筒状体を保
持する保持力を10N以上とするためには、上述のよう
に常温時に嵌合孔の内径の上限値が実施例、比較例共に
同じ値となることが分かる。しかし、実施例の方は、つ
ば部材を熱膨張させることによって嵌合孔の内径をフェ
ルール用筒状体の一端部の外径より若干大きくさせるた
め、つば部材の嵌合孔内にフェルール用筒状体の一端部
を低圧力で圧入、或いは圧力を加えずに挿入させること
ができ、フェルール用筒状体の一端部に割れや欠け等が
発生することを確実に防止することができる。
【0044】(他の実施形態)以上、説明した実施形態
1のフェルールの製造方法の基本的構成は、これに限定
されるものではない。
【0045】上述した実施形態1では、つば部材12の
みを加熱して熱膨張させたが、これに限定されず、つば
部材12と共にフェルール用筒状体11も所定温度に加
熱するようにしてもよい。この場合、つば部材12及び
フェルール用筒状体11のそれぞれを熱膨張させること
になるが、フェルール用筒状体11につば部材12の熱
膨張率より小さい熱膨張率の材料を用いることで、つば
部材12の嵌合孔15内にフェルール用筒状体11の一
端部を比較的容易に低圧力で圧入、或いは圧力を加えず
に挿入でき且つ十分な保持力で嵌合させることができ
る。つば部材12の嵌合孔15が形成された部分のみを
所定温度に加熱するようにしてもよい。
【0046】また、上述した実施形態1では、フェルー
ル用筒状体11の光ファイバ挿入孔13内に光ファイバ
のみを挿入するタイプのフェルール10を用いて説明し
たが、特にこれに限定されず、図3に示すように、フェ
ルール用筒状体11Bの後端部側のテーパ部14Bの開
口部側に光ファイバ心線の先端部を所定量保持する挿入
部28を有するフェルール10Bを用いてもよい。な
お、図3は、他の実施形態に係るフェルールの断面図で
ある。
【0047】このようなフェルール10Bでは、フェル
ール用筒状体11Bの圧入側に光ファイバ心線の先端部
を保持する挿入部28が設けられているため、フェルー
ル用筒状体11Bのつば部材12Bに嵌合される端部の
肉厚が薄く、つば部材12Bの嵌合孔15B内にフェル
ール用筒状体11Bの一端部を圧入すると、フェルール
用筒状体11Bの一端部に割れ等が発生し易くなる。し
かし、上述したように、つば部材12Bを加熱すること
で嵌合孔15B内にフェルール用筒状体11Bの一端部
を比較的容易に低圧力で圧入、或いは圧力を加えずに挿
入できるため、フェルール用筒状体11Bの一端部に割
れ等が発生することを確実に防止することができる。
【0048】また、このような光ファイバ心線挿入孔1
3Bに挿入部28が設けられたフェルール10Bでは、
つば部材として、フェルール用筒状体11Bの外周面に
のみ圧入されるもの、すなわち、キー溝を有するつば部
とフェルール用筒状体の嵌合孔からなるリング状のつば
部材を用いてもよい。
【0049】また、例えば、フェルール用筒状体のつば
部材が嵌合される外周面には、滑り止めのための、例え
ば、凹凸面が形成されている場合があり、このような滑
り止めが形成されていると、その部分につば部材を嵌合
させる圧入作業が比較的困難となる。しかし、本発明の
フェルールの製造方法を用いれば、つば部材を熱膨張さ
せて嵌合孔の内径を常温時より大きくさせることで、つ
ば部材のフェルール用筒状体に対する圧入作業を簡略化
できると共にフェルール用筒状体の一端部をつば部材に
十分な保持力で嵌合させることができる。このため、フ
ェルール用筒状体の一端部に発生する割れ等も効果的に
防止できる。
【0050】何れにしても、フェルール用筒状体をつば
部材に圧入して製造するフェルールであれば、これらの
構造に限定されず、本発明のフェルールの製造方法を用
いることで、上述した実施形態1と同様の効果を得るこ
とができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフェルー
ルの製造方法によれば、少なくともつば部材を所定温度
に加熱した状態で嵌合孔内にフェルール用筒状体の一端
部を嵌合させるようにしたため、フェルール用筒状体及
びつば部材を高精度に加工しなくても、つば部材の嵌合
孔内にフェルール用筒状体の一端部を低圧力で圧入、或
いは圧力を加えずに挿入できる。従って、フェルール用
筒状体に発生する割れや欠け等を防止して圧入作業を簡
略化できる。
【0052】また、フェルール用筒状体の一端部に割れ
や欠け等が発生することがないので歩留まりを向上でき
ると共にフェルール用筒状体の一端部の外径及びつば部
材の嵌合孔の内径の寸法公差を大きくできる。従って、
つば部材にフェルール用筒状体の一端部を十分な保持力
で嵌合させることができると共にフェルールの製造コス
トを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るフェルールの斜視図
及び断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るフェルールの製造方
法を説明する概略図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るフェルールの断面
図である。
【符号の説明】
10 フェルール 11 フェルール用筒状体 12 つば部材 13 光ファイバ挿入孔 14 テーパ部 15 嵌合孔 16 光ファイバ心線挿入孔 17 キー溝 18 つば部 19 フランジ部 20 加熱器 21 ハウジング 22 加熱装置 28 挿入部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバが挿入される光ファイバ挿入
    孔を有するフェルール用筒状体と、該フェルール用筒状
    体の外径より若干小さい内径を有し且つ当該フェルール
    用筒状体の一端部を嵌合させる嵌合孔を有するつば部材
    とを具備するフェルールの製造方法において、 少なくとも前記つば部材を所定温度に加熱した状態で前
    記嵌合孔内に前記フェルール用筒状体の一端部を嵌合さ
    せることを特徴とするフェルールの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフェルールの製造方法に
    おいて、前記フェルール用筒状体の熱膨張率が前記つば
    部材の熱膨張率より小さいことを特徴とするフェルール
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のフェルールの製造方法に
    おいて、前記つば部材と共に前記フェルール用筒状体も
    前記所定温度に加熱することを特徴とするフェルールの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一項に記載のフェ
    ルールの製造方法において、前記つば部材が金属材料か
    らなり、前記フェルール用筒状体がセラミックス材料か
    らなることを特徴とするフェルールの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフェルールの製造方法に
    おいて、前記金属材料がステンレス鋼であり、前記セラ
    ミックス材料がジルコニアであることを特徴とするフェ
    ルールの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか一項に記載のフェ
    ルールの製造方法において、前記嵌合孔内に前記フェル
    ール用筒状体の一端部を圧入する圧力が100N以下で
    あり、前記つば部材が前記フェルール用筒状体の一端部
    を保持する保持力が10N以上であることを特徴とする
    フェルールの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103948374A (zh) * 2014-05-15 2014-07-30 哈尔滨易奥秘科技发展有限公司 一种抗电磁干扰医用体内光纤测温传感器
JP2016215334A (ja) * 2015-05-22 2016-12-22 トヨタ自動車株式会社 圧入装置

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