JPS6016888Y2 - 光フアイバ用プラグ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は光フアイバ相互、あるいは、光ファイバと他の
光デバイスの接続に用いるプラグに関するものである。

光フアイバコネクタの接続においては、一般に、外径が
規定寸法に仕上げられた円筒プラグ（以下フエラルと呼
ぶ）の中心に光ファイバの中心を一致させ、固定し、該
フエラルをスリーブに挿入眩光ファイバの軸を整列させ
るようにしている。

このため、フエラルでは、外径、真円度、光ファイバと
の偏心（以下芯出しという）、端面の直角塵等に数ミク
ロン以下の加工精度が要求される。

第１図は従来のプラグの一例の断面図で、フエラル１は
中心軸に光ファイバ２を保持する小穴３を有している。

またフエラルは一般に金属材料からつくられていた。

光ファイバを装着するには被覆４を除去して先端部の光
ファイバ２を露出させた光フアイバ心線５をフエラル１
に挿入し、光ファイバ２を小穴３に通し接着剤６を用い
て固定する。

次にフエラル１、光ファイバ２と共にフエラルの端面７
の研磨を行う。

最後に光ファイバ２の中心を軸としてフエラルの外周面
８を規準寸法に研削する方法がとられている。

このような、フエラルでは、一般に相当面倒な芯出し作
業が加工上、不可欠の工程になる欠点がある。

また端面の研磨の際にガラスと金属という異質の材料を
同時に、高精度に仕上げねばならず、研磨工程が難しい
という欠点もある。

更に上記のフエラルは外周面が金属であり、機械的衝撃
に対して塑性変形を起こし易い。

したがって、その変形が突き合わせ係合時の誤差を増大
させる欠点がある。

上記欠点を解決するため、第２図に示すように特開昭５
２−１２０８４吋公報に、穿孔された時計用軸受石を管
状部材前面に取り付け、該時計用軸受石を芯出しの基準
面とするフエラルが提案された。

ここで、時計用軸受石として記載されているのは、ルビ
ー、サファイア等の宝石結晶材料のことである。

上記結晶材料を用いることにより、精密な穴あけが可能
となり、また、金属材料が有する欠点は、解決されたが
、薄い軸受層を装着する除油がってしまい、軸すれ、角
度ずれが生じる可能性があることや、結晶材料であるた
め、機械的衝撃に対して、きまった方向に割れやすい等
の欠点が新たに生じた。

更に、宝石材料であることから非常に高価になることが
予想される。

一方、軸ずれ、角度ずれを防ぐためには、寸法を長くし
たフエラルが有効と考えられるが、金属や結晶を材料と
する場合には光フアイバ外径より数ミクロン大きくつく
られた小穴への光ファイバの挿入が困難になる欠点を生
じた。

本考案の光フアイバ用プラグは、セラミック焼結材料か
らなり、中心軸上に光ファイバを挿通保持する小穴を有
し、かつスリーブの長さの１７２以上の長さを有するフ
エラルと該フエラル外周部の一端に、スリーブに挿入す
る十分に長いフエラル外周面を残しながら、係合固着さ
れたシェルからなることを特徴とし、上記の材料と構成
により光ファイバの挿入が容易で、しかも高精度な接続
を可能とする光フアイバ用プラグを安価に大量に提供す
ることを目的とする。

本考案の特徴の１つは、フエラルにセラミック焼結材料
を用いていることであるが、このため次の利点が生じる
。

第１に、焼結によって任意の形に成型可能であり、大量
生産に適していることである。

第２に、下穴を有するセラミック焼結体を出発材料とし
て研磨によってフエラルの中心軸上の小穴、外周面等の
寸法精度、平行度、偏心度、真円度においてすぐれたフ
エラルが実現できることである。

第３に、本考案のプラグは、フエラルの長さを十分長く
し、ファイバ外径より少し太きめにつくられた中心軸上
の小穴にファイバを挿入する構成になっているが、フエ
ラルの材料がセラミック焼結材料であることから、ファ
イバの挿入が他の材料と比較して容易になることである
。

これはセラミック焼結体が多孔質であり、実質的にファ
イバ表面との接触面積が少くなることに起因する。

光学的研磨面を有する２つの面を接触させると、容易に
はがれなくなることは、よく知られた事象であり、本考
案は、この点を回避するため多孔質であるセラミック焼
結材料を用いるものである。

更に、シェル係合部から突き出されたフエラルの長さを
十分に長く構成するのは、フエラルが高精度に製造でき
る点を利用し、フエラルを基準として精度の高い接続を
行わせるためである。

以下、図面に従って詳細に説明する。

第３図は本考案による光フアイバ用プラグの一実施例図
で、プラグはフエラル１′とシェル１３とから成る。

フエラル１′はセラミック焼結材料からなり、中心軸上
に光ファイバ２よりわずかに大きな径をもつ小穴３を有
し光ファイバ２の挿入を容易にするためテーパ１４が設
けられる。

フエラルの外周面８は二つのフエラルの突き合わせ係合
時（第４図参照）に、嵌合スリーブ１５の内壁と直接に
滑り係合するので、その内壁を削り取らないためと、機
械的衝撃時に欠けにくくするために、外周部の端部に面
取り１６を施しである。

小穴３がフエラルの端面７に開口している部分には、微
小の面取り１７を設ける。

前記微小の面取り１７は、他のフエラル１′（第４図参
照）との突き合わせ係合時に生ずる小穴周辺の鱗片状の
欠けを防止する効果が大である。

フエラル１′の他端には、より細い径を有する段付部１
８が設けられ、ここに光フアイバ心線の挿入を容易にす
るためテーパ１９を有する金属シェルがはめ込み、又は
接着剤により固着される。

ここで、シェル１３との係合部から突き出されたフエラ
ルの長さは前記シェルの直径と同等以上に十分長く構成
され、かつフエラル外周面の寸法精度、小穴の形状及び
位置精度（穴径、偏心、平行度）は数μ風以下の精度で
厳しく管理されている。

光ファイバ２の装着は次に示す方法で行われる。

被覆４を一部除去して光ファイバ２を露出させた光フア
イバ心線５を、第３図の右端から挿入し、光ファイバ２
を小穴３に通し、端面７に光ファイバ２の切断面を合わ
せ、被覆４はシェル１３の内面と接着剤２０で固定し、
光ファイバ２は小穴３に接着剤（図示されていない）で
固定する。

必要に応じて、フエラルの端面７の仕上げ研磨が行われ
る。

研磨の際、光ファイバ２とフエラル１′は類似の材料で
あるので、端面研磨加工は容易で高精度が得られ易い。

第４図は本考案のプラグをコネクタに適用した場合の二
つのプラグの突き合わせ嵌合状態を示す図である。

フエラル１′とシェル１３から戒るプラグは、光ファイ
バ２が装着されて、フエラル１′、シェル１３′から成
る他のプラグと、係合面Ａ−Ａ’において、嵌合スリー
ブ１５内で突き合わせ係合している。

Ａ−Ａ’の左側に位置する他の精密フエラルの各部分の
番号は、すでに説明して来た部分の番号にダッシュ１′
ヨをつけである。

どちらか一方のプラグは、嵌合スリーブ１５に固定され
ていてもかまわない。

嵌合スリーブ１５の入口は、プラグの導入のためテーパ
２１を有する。

フエラル１′、１“の長さは、係合時の精度を保つに充
分な長さを有し、シェル１３．１３’は嵌合スリーブ１
５．１５’の外部にあるので、スリーブの製作組立に高
い加工精度は要求されない利点がある。

次に第５図に本考案の他の実施例を示す。

第３図の実施例と異なる点についてのみ説明を加える。

フエラル１′には段付部１８（第３図参照）を設けず、
シェル１３に段付部２２を設ける。

ここにフエラル１′が接着剤１２又は、はめ込みの手段
で固定される。

またシェル１３の側面に、雌ねじを切った貫通孔２３を
設け、ねじ２４によって、光ファイバの被覆（図示され
ていない。

第３図参照）を固定してもよい。

第３図の実施例と比べて、高精度加工を必要とするフエ
ラル１′の加工工程を簡単にできる利点がある。

更にシェル１３には、コネクタを構成するため、又は他
の目的に応じて、切欠部２５、つば２６等を設けて、嵌
合時の位置決めや係合面へばね圧を加える等に応用でき
る。

次に第６図に、本考案の別の実施例を示す。

この実施例の特徴はフエラルの端面７において、小穴３
の周辺に溝２７を設けた点である。

前記溝２７は塵埃を吸着する効果を有し、光ファイバの
端面又はその近傍に塵埃が付着するために生ずる光の散
乱損失その他の悪影響を除くことができる。

以上説明したように、本考案の光フアイバ用プラグは、
セラミック焼結材料から作られたフエラルと、該フエラ
ル外周部の一端に係合固着したシェルからなり、しかも
シェルから突き出された部分が十分長く構成されている
。

このためフエラル中心軸上の小穴へのファイバの挿入が
容易でしかも高精度なフエラルの製造が可能となり、こ
れを用いて低損失な接続が実現できる。

更に、量産性に冨むため、光通信分野への貢献は非常に
大きいと考える。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来のプラグの断面図、第３図は本
考案の一実施例図、第４図は二つのプラグの嵌合状態を
示す図、第５図はフエラルとシェルの形状が第３図と異
なる本考案の他の実施例図、第６図はフエラルの端面上
、小穴の周辺に溝を有する本考案によるフエラルの実施
例図である。 １．１’、１’−・・・・・フエラル、２，２′・・・
・・・光ファイバ、３，３′・・・・・・小穴、４，４
′・・・・・・被覆、５・・・・・・光フアイバ心線、
６・・・・・・接着剤、７・・・・・・フエラルの端面
、訃・・・・・フエラルの外周面、９・・・・・・穴、
１０・・・・・・くぼみ、１１・・・・・・宝石軸受、
１２・・・・・・接着剤、１３． １３’・・・・・・
シェル、１４・・・・・・テーパ、１５・・・・・・嵌
合スリーブ、１６．１６’・・・・・・面取り、１７．
１７’・・・・・・微小の面取り、１８・・・・・・段
付部、１９・・・・・・テーパ、２０・・・・・・接着
剤、２１・・・・・・テーパ、２２・・・・・・段付部
、２３・・・・・・貫通孔、２４・・・・・・ねじ、２
５・・・・・・切欠部、２６・・・・・・つば、２７・
・・・・・溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スリーブに挿入して光ファイバを接続するための光フア
   イバ用プラグであって、セラミック焼結材料からなり、
   中心軸上に光ファイバを挿通保持する小穴を有し、かつ
   スリーブの長さの１７２以上の長さを有するフエラルと
   該フエラル外周部の一端に、スリーブに挿入する十分に
   長いフエラル外周面を残しながら、係合固着されたシェ
   ルからなることを特徴とする光フアイバ用プラグ。