JP2003227743A - 荷重センサ取付金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化が生じても荷重センサに応力が加わ
ることがないようにする。 【解決手段】 アルミダイキャストから成る取付金具１
２は、基台１１に固定するためのボルト挿通用の２個の
孔部１２ａを有する基部１２ｂを備え、この基部１２ｂ
からそれぞれ前方に突出した２本ずつのアーム１２ｃ〜
１２ｆを有し、これらのアーム１２ｃ〜１２ｆの対ごと
に先端部同士を連結する連結部１２ｇが設けられ、これ
らの連結部１２ｇに荷重センサ１３を固定するための台
座１２ｉ、１２ｊがそれぞれ設けられている。そして、
台座１２ｉ、１２ｊには荷重センサ１３をねじ止めする
ためのねじ孔１２ｋ、１２ｌがアーム１２ｃ〜１２ｆの
長手方向に向けて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子はかり等にお
いて使用する音叉振動子を有する荷重センサを固定する
ための荷重センサ取付金具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】電子はかり等においては、荷重センサと
して金属ブロックを加工して、製作した音叉振動子を使
用することがある。図３に示すように、金属板体をワイ
ヤカットなどにより製造した荷重センサ１は、その一部
に音叉振動子２を備え、荷重点３に加えた荷重をてこ
４、支点５を介して音叉振動子２に伝達し、音叉振動子
２が発振する周波数により荷重を測定する。荷重センサ
１は基台６のボルト穴７に直接又は介在部材を介して複
数個所でボルト８により固定している。しかし、音叉振
動子を備えた荷重センサ１は一般に特殊金属製とされ、
基台６はアルミダイキャスト製や鉄製とされている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】荷重センサ１と基台６
が同種の金属であれば、使用環境上で温度変化が生じて
も熱変形による支障は殆どないが、上述のように異種金
属であると、熱膨張係数の差による異なる熱膨張により
荷重センサ１にボルト８を介して応力が加わり、音叉振
動子２の発信周波数に影響を与え、測定精度が不安定と
なることがある。

【０００４】本発明の目的は、上述の問題点を解決し、
温度変化が生じて熱膨張差が発生しても荷重センサに応
力が加わることがない荷重センサ取付金具を提供するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る荷重センサ取付金具は、音叉振動子を有
する金属製の荷重センサを熱膨張率が異なる異種の金属
製の基台に固定するに際して、金属製の変形吸収部材を
介して前記荷重センサを前記基台に固定したことを特徴
とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明を図示の実施の形態に基づ
いて詳細に説明する。図１は第１の実施の形態によるア
ルミダイキャスト製の基台１１に、取付金具１２を介し
て音叉振動子１３ａを備えた荷重センサ１３を固定した
状態の斜視図である。

【０００７】取付金具１２はアルミダイキャストから成
り、基台１１に固定するためのボルト挿通用の２個の孔
部１２ａを有する基部１２ｂを備え、この基部１２ｂか
らそれぞれ前方に突出した２本ずつのアーム１２ｃ〜１
２ｆを有し、これらのアーム１２ｃ〜１２ｆの対ごと
に、つまりアーム１２ｃと１２ｄ及びアーム１２ｅと１
２ｆの先端部同士を連結する連結部１２ｇ、１２ｈが設
けられ、これらの連結部１２ｇ、１２ｈに荷重センサ１
３を固定するための台座１２ｉ、１２ｊがそれぞれ設け
られている。そして、台座１２ｉ、１２ｊには、荷重セ
ンサ１３をねじ止めするためのねじ孔１２ｋ、１２ｌ
が、アーム１２ｃ〜１２ｆの長手方向に向けて形成され
ている。

【０００８】２個のボルト１４を荷重センサ１３の２個
の孔部１３ｂにそれぞれ挿通して、取付金具１２の台座
１２ｊ、１２ｋのねじ孔１２ｉ、１２ｊに螺合して荷重
センサ１３を取付金具１２に固定する。そして、この取
付金具１２を基部１２ｂの孔部１２ａに挿通した２個の
ボルト１５を用いて基台１１のねじ穴１１ａに固定す
る。

【０００９】ここで、使用環境に温度変化が生じ、基台
１１の２個のねじ穴１１ａの取付間隔が変化しても、取
付金具１２のアーム１２ｃ〜１２ｆが撓むなどして変形
することにより、基台１１の熱変形が吸収され、荷重セ
ンサ１３に熱変化による応力が伝達することはなく、音
叉振動子１３ａの性能に影響を与えることはない。

【００１０】図２に示す第２の実施の形態においては、
鋼板から成る取付金具２１はプレスにより成形されてい
る。この取付金具２１では、金属条片２１ａが略コ字形
に屈曲され、対向する上下の辺部２１ｂ、２１ｃから内
側に向けて２つの舌片部２１ｃ、２１ｅが設けられ、こ
れらの舌片部２１ｃ、２１ｅに、基台１１にボルトを介
して固定するための孔部２１ｆがそれぞれ設けられてい
る。辺部２１ｂ、２１ｃ同士を結ぶ連結部２１ｇには、
荷重センサ１３を固定するためのボルト２１ｈを突出し
た台座２１ｉ、２１ｊがそれぞれかしめ止められてい
る。

【００１１】この第２の実施の形態の取付金具２１にお
いて、荷重センサ１３の２個の孔部１３ｂをボルト２１
ｈに挿通しナットによりそれぞれ固定し、この取付金具
２１を孔部２１ｆを介して基台１１のねじ穴１１ａにボ
ルトを用いて固定する。

【００１２】これにより、温度変化が生じて基台１１の
２個のねじ孔１１ａの間隔が変化しても、取付金具２１
の辺部２１ｂ、２１ｃが変形することにより変形が吸収
され、荷重センサ１３に熱変形による応力が伝達するこ
とはない。

【００１３】なお、取付金具は基台１１に一体的に設け
られていても、同様な機能が得られる。

【００１４】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る荷重セ
ンサ取付金具は、温度変化によって荷重センサと基台と
の間に生ずる熱膨張差を変形吸収部材により吸収するよ
うにしたので、荷重センサに熱変化による応力が伝達し
難くなり、音叉振動子の測定精度に及ぼす影響が少なく
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】荷重センサを第１の実施の形態の取付金具を介
して基台に取り付けた状態の分解斜視図である。

【図２】第２の実施の形態の取付金具の斜視図である。

【図３】荷重センサを基台に固定した従来例の斜視図で
ある。

【符号の説明】

１１ 基台 １２、２１ 取付金具 １２ｃ〜１２ｆ アーム １３ 荷重センサ １３ａ 音叉振動子 １３ｂ 孔部 ２１ｂ、２１ｃ 辺部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 音叉振動子を有する金属製の荷重センサ
   を熱膨張率が異なる異種の金属製の基台に固定するに際
   して、金属製の変形吸収部材を介して前記荷重センサを
   前記基台に固定したことを特徴とする荷重センサ取付金
   具。
2. 【請求項２】 前記変形吸収部材は応力に対して変形し
   該応力を吸収する部分を有する請求項１に記載の荷重セ
   ンサ取付金具。
3. 【請求項３】 前記変形吸収部材は前記基台と同材料と
   した請求項１又は２に記載の荷重センサ取付金具。