JP2003227737A - 計測機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる単位で数値を表示する計測機器におい
て、単位シールを使用することなく、各種単位の表示を
行えるようにする。 【解決手段】 センサから入力に基づく数値をＬＥＤで
セグメント表示する数値表示部２の横には、前記数値に
対応する各種の単位を、ドットマトリクス表示する単位
表示部７を備えており、所要のキー操作によって、必要
な単位を切換え選択して表示できるように構成してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数の異なる単位
で数値表示するための表示部を有する計測機器に関し、
更に詳しくは、温度や圧力などの各種の計測値を表示す
るデジタルパネルメータなどの計測機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の計測機器、例えば、デジタルパ
ネルメータ１’では、図７の正面図に示されるように、
センサからの入力に基づく計測値を、７セグメントＬＥ
Ｄを用いた数値表示部２にて表示している。

【０００３】デジタルパネルメータ１’では、計測対象
が、電流、電圧、温度、濃度、圧力など多岐にわたるの
で、ＬＥＤを用いたセグメント表示だけでは、各種の単
位に対応することができない。このため、メーカは、ユ
ーザに対して、図８に示されるように、各種単位を含む
単位シールシート１２を付属品として提供し、ユーザ
は、用途に応じて、必要な単位シール１３を選択して、
図１に示されるように、数値表示部２の横の単位名称の
部分に、貼り付けて使用している。なお、図７では、ｒ
ｐｍの単位シール１３を貼り付けて数値表示部２におい
て、回転数を表示している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来で
は、ユーザは、使用する単位シールを、単位シールシー
トから剥がしてデジタルパネルメータに貼り付けねばな
らず、面倒である。

【０００５】また、ユーザが使用する単位シールは、用
途に応じて１種類であるために、使用されない他の単位
シールは、廃棄され、無駄となっている。

【０００６】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、単位シールを使用することなく、各種単位の
表示を行える計測機器を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。

【０００８】すなわち、本発明は、センサからの入力を
デジタル数値に変換してセグメント表示する数値表示部
と、複数の異なる単位の内の前記デジタル数値に対応す
る単位を、ドットマトリクス表示する単位表示部とを備
えている。

【０００９】ここで、センサからの入力は、圧力セン
サ、流量センサあるいは温度センサなどからのアナログ
信号入力であってもよく、あるいは、光電スイッチや近
接スイッチなどからのパルス信号であってもよい。

【００１０】本発明によると、単位をドットマトリクス
表示するので、従来例のような単位シールシートが不要
となり、また、ドットマトリクス表示であるので、セグ
メント表示では対応できない各種の単位に対応すること
ができる。

【００１１】本発明の一実施態様においては、前記単位
表示部における単位を選択するために操作される操作部
と、前記センサからの入力のレンジを設定する設定部と
を備え、前記操作部によって選択された単位および前記
設定部で設定された入力のレンジの少なくとも一方に応
じて、予め定めたスケーリング設定、好ましくは、選択
された単位および設定された入力のレンジの少なくとも
一方において、汎用されているスケーリング設定を自動
的に行うものである。

【００１２】ここで、スケーリング設定とは、入力信号
に対応して任意の表示値に換算して表示させるための設
定をいう。

【００１３】本発明によると、単位が選択され、あるい
は、入力レンジが設定されると、予め定めたスケーリン
グ設定、好ましくは、選択された単位あるいは入力レン
ジにおいて、最も汎用されているスケーリングが設定さ
れるので、ユーザが、この汎用されているスケーリング
でよい場合には、従来例のようなスケーリング設定の操
作が不要となる。

【００１４】本発明の好ましい実施態様においては、前
記複数の異なる単位は、少なくとも圧力、温度、電流お
よび電圧の単位を含むものである。

【００１５】本発明によると、計測した圧力、温度、電
流あるいは電圧の値を、数値表示部に表示できるととも
に、対応する単位を、単位表示部に表示できる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の実施
の形態について詳細に説明する。

【００１７】(実施の形態１)図１は、本発明の一つの実
施の形態に係る計測機器としてのデジタルパネルメータ
１の正面図である。

【００１８】この実施の形態のデジタルパネルメータ１
は、その正面に、長手方向（図１の左右方向）に延びる
長方形の数値表示部２を有しており、この数値表示部２
は、従来と同様に、７セグメントＬＥＤで構成されてい
る。この数値表示部２の下方には、各種の機能設定など
のための複数、この例では、四つの操作キー３〜６が設
けられている。また、図示しないフロントカバーを開放
することにより、内部の設定部としてのスイッチが操作
可能に臨み、センサの入力に応じた入力レンジの設定な
どを従来と同様に行えるように構成されている。

【００１９】このデジタルパネルメータ１は、温度セン
サや圧力センサなどの各種のセンサからの入力を、デジ
タル数値に変換して数値表示部２に表示するものであ
り、従来と同様に、計測対象に応じた各種の単位で表示
を行うものである。

【００２０】この実施の形態では、従来のような単位シ
ールを使用することなく、各種の単位の表示を行えるよ
うにするために、数値表示部２の横の単位表示部７は、
図２の拡大図に示されるように、ドットマトリクス液晶
で構成されており、各種の単位を、ドットマトリクス表
示するようにしている。なお、図２においては、回転数
の単位であるｒｐｍを表示している。

【００２１】図３は、この実施の形態のデジタルパネル
メータ１のブロック図であり、図１に対応する部分に
は、同一の参照符号を付す。

【００２２】デジタルパネルメータ１は、上述の複数の
操作キー３〜６等を備えるキー操作部８と、各種のセン
サからの入力が与えられる入力回路９と、各部を制御す
るＣＰＵ１０と、上述のの数値表示部２および単位表示
部７の表示を行う表示回路１１とを備えている。

【００２３】この実施の形態では、キー操作部８のキー
操作によって、単位表示部７に表示する単位を切換え選
択できるとともに、さらに、その選択された単位に応じ
て、予め定められたスケーリング設定が自動的に行われ
るものである。

【００２４】この実施の形態では、予め定められたスケ
ーリングを、選択された単位において、最も汎用されて
いるスケーリングとしている。

【００２５】ユーザが、この予め定められたスケーリン
グ以外のスケーリングを行う場合には、従来と同様にス
ケーリング設定を行うことになる。

【００２６】図４は、この実施の形態の単位選択の手順
を示すフローチャートである。

【００２７】先ず、電源を投入し(ステップｎ１)、キー
操作部８の第１の操作キー３を操作することによって、
単位のメニューモードとし、最初の単位、例えば、Ａを
単位表示部７に表示させる(ステップｎ２)。次に、キー
操作部８の第２の操作キー４を操作する度に、単位を切
換えて表示する(ステップｎ３)。例えば、第２の操作キ
ー４の操作の度に、例えば、Ａ→Ｖ→℃…といったよう
に単位が、単位表示部７に切換え表示される。

【００２８】次に、所望の単位が選択表示されたときに
は、キー操作部８の第３の操作キー５を操作し、単位表
示部７に表示する単位を決定する(ステップｎ４)。

【００２９】この実施の形態では、このようにして単位
が選択されると、自動的にデフォルト(その単位で最も
汎用される)スケーリング値に設定される。ユーザは、
デフォルトのスケーリング値を、マニュアルなどで知る
ことができるので、自動設定されたデフォルトのスケー
リング値でよいか否かを判断し(ステップｎ５)、よい場
合には、設定を終了し(ステップｎ６)、別のスケーリン
グが必要なユーザは、従来と同様にスケーリング設定を
行って(ステップｎ７)設定を終了するのである。

【００３０】このデフォルトによるスケーリング設定と
しては、例えば、圧力の単位であるｐａが選択されたと
すると、例えば、圧力センサからの１Ｖの入力を０ｐ
ａ、５Ｖの入力を１００ｋｐａと表示するものであり、
また、長さの単位であるｍｍが選択されたとすると、例
えば、測長センサからの１Ｖの入力を０ｍｍ、５Ｖの入
力を３００ｍｍと表示するものであり、また、湿度の単
位である％が選択されたとすると、例えば、湿度センサ
からの１Ｖの入力を２０％、５Ｖの入力を９５％と表示
するものであり、さらに、温度の単位である℃が選択さ
れたとすると、例えば、温度センサからの４ｍＡの入力
を０℃、２０ｍＡの入力を５００℃と表示するものであ
る。なお、上限と下限との間の入力に対して、比例的に
表示するのは言うまでもない。

【００３１】このように、単位表示部７に表示する単位
を選択したときには、その単位で最も汎用されるスケー
リング値でスケーリング設定が自動的に行われるので、
その汎用されるスケーリングでよいユーザは、従来のよ
うなスケーリング設定の操作が不要となる。

【００３２】(実施の形態２)図５は、本発明の他の実施
の形態の図４に対応するフローチャートである。

【００３３】上述の実施の形態では、一つのセンサをデ
ジタルパネルメータ１に接続してそのセンサからの入力
を表示するものであったけれども、この実施の形態で
は、複数のセンサを接続できるデジタルパネルメータに
適用したものであり、この実施の形態のデジタルパネル
メータでは、各センサからの入力を、その単位と共に周
期的に切換えて表示するものである。

【００３４】このため、この実施の形態では、一つの単
位が選択決定されてスケーリング設定がなされた後に、
他のセンサから入力に対応する単位の設定を行うか否か
を判断し(ステップｎ８)、他の単位の設定を行う場合に
は、ステップｎ３に戻って同様の手順で単位の選択およ
びスケーリングを行うのである。

【００３５】このようにして、複数、例えば、三つの入
力がある場合には、例えば、第１の入力から第３の入力
まで順番に単位を選択することになる。

【００３６】図６は、複数のセンサ、例えば、温度セン
サ、湿度センサおよび圧力センサを、デジタルパネルメ
ータに接続するとともに、上述のようにして、それぞれ
単位「℃」、「％」および「ｐａ」が選択された場合の
デジタルパネルメータの表示例を示している。この場合
には、周期的に、温度センサからの入力に基づく温度の
値、例えば、「２３」を数値表示部２に表示する一方、
単位表示部７に「℃」を表示し、湿度センサからの入力
に基づく湿度の値、例えば、「６０」を数値表示部２に
表示する一方、単位表示部７に「％」を表示し、圧力セ
ンサからの入力に基づく圧力の値、例えば、「１２１
２」を数値表示部２に表示する一方、単位表示部７に
「ｐａ」を表示するものであり、これらが、周期的にサ
イクリックに切換え表示される。

【００３７】この実施の形態によれば、複数のセンサか
らの入力を、その単位と共に周期的に切換え表示するこ
とができる。

【００３８】(その他の実施の形態)上述の実施の形態で
は、選択された単位に応じて、予め定めたスケーリング
設定を行ったけれども、本発明の他の実施の形態とし
て、センサの入力に応じて設定される入力レンジに応じ
て、予め定めたスケーリング設定を行うようにしてもよ
く、さらには、選択された単位および設定された入力レ
ンジの両者に応じて、予め定めたスケーリング設定を行
うようにしてもよい。

【００３９】上述の実施の形態では、デジタルパネルメ
ータに適用して説明したけれども、本発明は、デジタル
パネルメータに限るものではなく、その他の計測機器に
適用してもよい。

【００４０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、単位をド
ットマトリクス表示するので、従来例のような単位シー
ルシートから必要な単位シールを剥がして計測機器に貼
り付けるといった面倒な作業が不要になるとともに、使
用しない単位シールを廃棄して無駄にすることもなく、
コストを低減することでき、また、ドットマトリクス表
示であるので、セグメント表示では対応できない様々な
単位を表示することができる。

【００４１】さらに、表示する単位が選択され、あるい
は、入力レンジが設定されると、予め定めたスケーリン
グ設定、好ましくは、選択された単位あるいは入力レン
ジにおいて、最も汎用されているスケーリングが自動的
に設定されるので、ユーザが、この汎用されているスケ
ーリングでよい場合には、従来例のようなスケーリング
設定の操作が不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一つの実施の形態に係るデジタルパネ
ルメータの正面図である。

【図２】図１の単位表示部の拡大図である。

【図３】図１のデジタルパネルメータのブロック図であ
る。

【図４】図１の実施の形態の単位選択の手順を示すフロ
ーチャートである。

【図５】本発明の他の実施の形態の図４に対応するフロ
ーチャートである。

【図６】図５の実施の形態の表示例を示す図である。

【図７】従来例のデジタルパネルメータの正面図であ
る。

【図８】従来例の単位シールシートを示す図である。

【符号の説明】

１，１’ デジタルパネルメータ ２ 数値表示部 ３〜６ 操作キー ７ 単位表示部 １３ 単位シール

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 センサからの入力をデジタル数値に変換
   してセグメント表示する数値表示部と、複数の異なる単
   位の内の前記デジタル数値に対応する単位を、ドットマ
   トリクス表示する単位表示部とを備えることを特徴とす
   る計測機器。
2. 【請求項２】 前記単位表示部における単位を選択する
   ために操作される操作部と、前記センサからの入力のレ
   ンジを設定する設定部とを備え、 前記操作部によって選択された単位および前記設定部で
   設定された入力のレンジの少なくとも一方に応じて、予
   め定めたスケーリング設定を自動的に行う請求項１記載
   の計測機器。
3. 【請求項３】 前記予め定めたスケーリング設定を、選
   択された単位および設定された入力のレンジの少なくと
   も一方において、汎用されているスケーリング設定とし
   た請求項２記載の計測機器。
4. 【請求項４】 前記複数の異なる単位は、少なくとも圧
   力、温度、電流および電圧の単位を含む請求項１〜３の
   いずれかに記載の計測機器。