JPH0868696A - 温度測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 抵抗−電圧変換部の劣化に影響を受けること
なく正確な温度データを得ることができる温度測定装置
の提供。 【構成】 温度に応じて抵抗値の変化する温度センサ1
と、温度センサに一定電流を供給して抵抗値を電圧値に
変換する抵抗−電圧変換部4 と、電圧値を温度データに
変換する演算処理部8 と、温度データを外部に出力する
出力部10と、を有する温度測定装置において、基準抵抗
値を入力する基準抵抗値入力部2 と、基準抵抗値入力部
と温度センサを切替える切替部3 とを設けるとともに、
演算処理部8 に、切替部を切替えることにより基準抵抗
値入力部に一定電流を供給して変換した電圧値から補正
値を算出するよう構成してなる補正手段9 を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、温度に応じて抵抗値の
変化する温度センサを用いて温度を測定する温度測定装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】気温や水温等を測定して表示等の出力を
する温度測定装置として、図４に示すように、温度に応
じて抵抗値の変化する温度センサ1 と、その温度センサ
1 に一定電流を供給して抵抗値を電圧値に変換する抵抗
−電圧変換部4 と、その電圧値を温度データに変換する
演算処理部8 と、温度データを外部に出力する出力部10
と、を有するものがある。このものの抵抗−電圧変換部
4 は、抵抗をブリッジ状に配置した抵抗ブリッジ回路
（図示せず）を有しており、その抵抗ブリッジ回路に生
じる電圧差を利用して温度センサ1 の抵抗値を電圧値に
変換している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の温度測定装置
は、簡単な抵抗−電圧変換部の構成で温度センサの抵抗
値を電圧値に変換しているが、抵抗ブリッジ回路の抵抗
は、時間や使用頻度とともに劣化して抵抗値が変化す
る。したがって、次第に正確な温度データが得られなく
なってくる。

【０００４】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、抵抗−電圧変換
部の劣化に影響を受けることなく正確な温度データを得
ることができる温度測定装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、請求項１記載の温度測定装置は、温度に応じて抵
抗値の変化する温度センサと、該温度センサに一定電流
を供給して抵抗値を電圧値に変換する抵抗−電圧変換部
と、電圧値を温度データに変換する演算処理部と、温度
データを外部に出力する出力部と、を有する温度測定装
置において、基準とする基準抵抗値を入力する基準抵抗
値入力部と、該基準抵抗値入力部と温度センサを切替え
る切替部とを設けるとともに、前記演算処理部に、切替
部を切替えることにより温度センサの代わりに基準抵抗
値入力部に一定電流を供給して基準抵抗値を変換した電
圧値から補正値を算出するよう構成してなる補正手段を
設けた構成としている。

【０００６】また、請求項２記載の温度測定装置は、請
求項１記載の演算処理部を、マイクロコンピュータにて
形成してなる構成としている。

【０００７】

【作用】請求項１記載の構成によれば、演算処理部の補
正手段により、切替部を切替えて基準抵抗値入力部に一
定電流を供給して基準抵抗値を抵抗−電圧変換部で変換
した電圧値から補正値を算出し、その補正値で温度セン
サの抵抗値より算出した抵抗−電圧変換部の出力の電圧
値を補正することで、抵抗−電圧変換部が劣化して変換
誤差が生じた場合でも、その変換誤差を消去することが
できる。

【０００８】また、請求項２記載の構成によれば、請求
項１の作用に加えて、演算処理部の補正手段の動作がマ
イクロコンピュータ内のソフトウエアに従って行われ
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図３に基
づいて説明する。なお、従来例で説明したものと基本的
な機能が同様な部材には、同一の符号を付している。図
１は本発明の温度測定装置を示すブロック図であり、こ
の温度測定装置は、温度センサ1 と、基準抵抗値入力部
2 と、切替部3 と、抵抗−電圧変換部4 と、ゼロ点調整
部5 と、スパン調整部6 と、Ａ／Ｄ変換部7 と、補正手
段9 を有する演算処理部8 と、出力部10と、記憶部11と
を主要構成部品としている。

【００１０】温度センサ1 は、気温や水温等の温度を検
出するもので、その温度に応じて変化する抵抗値を有す
る。この温度センサ1 は、例えば、温度の上昇とともに
抵抗値が増加する白金測温抵抗体で、０℃のときに１０
０Ω、５０℃のときに１２０Ωの抵抗値を有するものを
用いる。

【００１１】基準抵抗値入力部2 は、基準とする基準抵
抗値を入力するもので、例えば、１００Ωの抵抗よりな
り、図２に示すように温度センサ1 に並列に設ける。切
替部3 は、基準抵抗値入力部2 と温度センサ1 を切替え
るスイッチの役目をするもので、後述する演算処理部8
の制御信号に基づいて動作する。

【００１２】抵抗−電圧変換部4 は、温度センサ1 また
は基準抵抗値入力部2 に一定電流を供給してその抵抗値
を電圧値に変換する。具体的には、図２に示すように抵
抗4a,4a,4aと、温度センサ1 または基準抵抗値入力部2
の抵抗で抵抗ブリッジ回路を形成しており、２ｍＡの電
流を温度センサ1 または基準抵抗値入力部2 に流すこと
によりＡＢ間の電圧差を後述するスパン調整部6 に入力
する。

【００１３】ゼロ点調整部5 は、温度測定範囲の下限で
の温度センサ1 にかかる電圧値を基準とし、実際に温度
センサ1 にかかる電圧値との差をスパン調整部6 に入力
するよう基準を調整するものであり、可変抵抗よりなり
後述する演算処理部8 の制御信号に基づいて動作する。
スパン調整部6 は、温度測定範囲に相当する電圧値の幅
を後述するＡ／Ｄ変換部7 の変換範囲の幅に合うよう調
整するものであり、これも演算処理部8 の制御信号に基
づいて動作する。このスパン調整は、温度センサ1 で得
られる抵抗の変化が微少なため、電圧値を増幅するもの
である。Ａ／Ｄ変換部7 は、今まで説明した電圧値がア
ナログの電圧値であるため、演算処理部8 で処理できる
ようにデジタルの電圧値に変換する。

【００１４】演算処理部8 は、Ａ／Ｄ変換部7 のデジタ
ルの電圧値を補正する補正手段9 を有してその補正した
電圧値を温度データに変換するとともに、この温度測定
装置の中央制御装置としての機能をもち、マイクロコン
ピュータにより形成されている。補正手段9 は、抵抗−
電圧変換部4 の変換誤差を消去するものであり、切替部
3 を切替えることにより温度センサ1 の代わりに基準抵
抗値入力部2 に一定電流を供給して基準抵抗値を変換し
た電圧値から算出した補正値で抵抗−電圧変換部4 の変
換誤差を消去する。具体的には、補正手段9 は、抵抗−
電圧変換部4 の変換誤差がないこの温度測定装置の使用
初期に、基準抵抗値入力部2 に一定電流を供給して基準
抵抗値をＡ／Ｄ変換部7 で変換した電圧値であるところ
の基準電圧値を、後述する記憶部11に記憶しており、そ
れを実際の温度測定装置の使用時に、基準抵抗値入力部
2 に一定電流を供給して基準抵抗値を変換した電圧値か
ら減算することにより、補正値を算出する。

【００１５】出力部10は、演算処理部8 の温度データを
外部に出力するものであり、液晶表示したり、信号とし
て出力する。記憶部11は、前述した基準電圧値や温度デ
ータや演算処理部8 の動作プログラム等を記憶する。

【００１６】次に、本実施例の動作について図３に基づ
いて説明する。この動作は、演算処理部8 を形成してい
るマイクロコンピュータのソフトウエアに基づいて行
う。まず、温度測定の開始時に、演算処理部8 の制御信
号に基づき切替部3 を切り替えて、基準抵抗値入力部2
を回路に接続する。そして、基準抵抗値入力部2 に一定
電流を供給して基準抵抗値を変換した電圧値を、ゼロ点
調整部5 でゼロ点調整し、スパン調整部5 でスパン調整
したのち、Ａ／Ｄ変換部7 でデジタルの電圧値に変換
し、そのデジタルの電圧値から基準電圧値（抵抗−電圧
変換部4 の変換誤差がないこの温度測定装置の使用初期
に、基準抵抗値入力部2 に一定電流を供給して基準抵抗
値をＡ／Ｄ変換部7 で変換した電圧値）を減算すること
により補正値を算出する。この補正値は、記憶部11に記
憶する。

【００１７】次に、実際の温度測定のときには、演算処
理部8 の制御信号に基づき切替部3を切り替えて、温度
センサ1 を回路に接続する。そして、温度センサ1 に一
定電流を供給してその温度センサ1 の抵抗値を変換した
電圧値を、ゼロ点調整部5 でゼロ点調整し、スパン調整
部5 でスパン調整したのち、Ａ／Ｄ変換部7 で補正前の
デジタルの電圧値に変換する。そして、その補正前のデ
ジタルの電圧値から前述した補正値を減算することによ
り、抵抗−電圧変換部4 の変換誤差を消去した真のデジ
タルの電圧値を算出する。さらに、この真のデジタルの
電圧値より温度データを算出し、出力部10でもって外部
に出力する。

【００１８】このようにすることにより、抵抗−電圧変
換部4 の劣化に伴うその変換誤差は、あらかじめ補正値
を算出しデジタルの電圧値を補正することで消去され、
正確な温度データを得ることができる。

【００１９】なお、補正値の算出は、温度測定の開始時
としたが、ある一定期間経過毎に実施する等、適宜行う
ものでよい。また、温度センサは白金測温抵抗体とした
が、このものに限定されるものではなく、要は、温度に
より抵抗が変化する温度センサであればよい。さらに、
ゼロ点調整部、スパン調整部、Ａ／Ｄ変換部は、特にな
くても本発明の目的は実現できる。また、演算処理部
は、マイクロコンピュータにて形成したが、特に限定さ
れるものではない。

【００２０】

【発明の効果】請求項１記載の温度測定装置は、演算処
理部の補正手段により、切替部を切替えて基準抵抗値入
力部に一定電流を供給して基準抵抗値を抵抗−電圧変換
部で変換した電圧値から補正値を算出し、その補正値で
温度センサの抵抗値より算出した抵抗−電圧変換部の出
力の電圧値を補正することで、抵抗−電圧変換部が劣化
して変換誤差が生じた場合でも、その変換誤差を消去す
ることができるので、抵抗−電圧変換部の劣化に影響を
受けることなく正確な温度データを得ることができる。

【００２１】また、請求項２記載の温度測定装置は、請
求項１の効果に加えて、演算処理部の補正手段の動作が
マイクロコンピュータ内のソフトウエアに従って行われ
るので、簡単な構成で目的が実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の温度測定装置のブロック図である。

【図２】その抵抗−電圧変換部の概略回路図である。

【図３】その演算処理部の補正に関するソフトウエアの
フローチャートである。

【図４】本発明の従来例を示す温度測定装置のブロック
図である。

【符号の説明】 1 温度センサ 2 基準抵抗値入力部 3 切替部 4 抵抗−電圧変換部 5 ゼロ点調整部 6 スパン調整部 7 Ａ／Ｄ変換部 8 演算処理部 9 補正手段 10 出力部 11 記憶部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 温度に応じて抵抗値の変化する温度セ
   ンサと、該温度センサに一定電流を供給して抵抗値を電
   圧値に変換する抵抗−電圧変換部と、電圧値を温度デー
   タに変換する演算処理部と、温度データを外部に出力す
   る出力部と、を有する温度測定装置において、 基準とする基準抵抗値を入力する基準抵抗値入力部と、
   該基準抵抗値入力部と温度センサを切替える切替部とを
   設けるとともに、前記演算処理部に、切替部を切替える
   ことにより温度センサの代わりに基準抵抗値入力部に一
   定電流を供給して基準抵抗値を変換した電圧値から補正
   値を算出するよう構成してなる補正手段を設けたことを
   特徴とする温度測定装置。
2. 【請求項２】 前記演算処理部を、マイクロコンピュ
   ータにて形成してなることを特徴とする請求項１記載の
   温度測定装置。