JP2003224219A - 電子部品の製造装置及び電子部品の製造方法 - Google Patents

電子部品の製造装置及び電子部品の製造方法

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JP2003224219A
JP2003224219A JP2002021505A JP2002021505A JP2003224219A JP 2003224219 A JP2003224219 A JP 2003224219A JP 2002021505 A JP2002021505 A JP 2002021505A JP 2002021505 A JP2002021505 A JP 2002021505A JP 2003224219 A JP2003224219 A JP 2003224219A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック等の非磁性体で構成されるベース
の上縁に磁性体リングを必要とすることなしに、ベース
とキャップとを所定の位置関係を保ったまま、これらを
キャリア上の所定位置で位置決めすることを可能にする
電子部品の製造装置及び電子部品の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 キャリア3に載置されたセラミックベー
ス1上に磁性材料で成るキャップ2を搭載し、このキャ
ップ2をセラミックベース1上に一体的に接合するに際
し、セラミックベース1をエア吸引によりキャリア3上
面に吸着させる。一方、キャリア3内に永久磁石7を埋
め込み、その磁力によってキャップ2をセラミックベー
ス1上の所定位置で位置決めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面実装型水晶振
動子などに代表される電子部品を製造するための装置及
びその電子部品の製造方法に係る。特に、本発明は、電
子部品のケーシングを構成するベースとキャップとに対
して接合等の加工を行う際にこれらの位置決めを良好に
行うための対策に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、モバイルコンピュータ等の情報機
器や、携帯電話、自動車電話、ページングシステム等の
移動体通信機器にあっては、装置の小型化が急速に進ん
でいる。このため、これらに用いられる水晶振動子など
の電子部品にも更なる小型化が要求されている。
【0003】この種の水晶振動子の構成としては、例え
ば特開平6−90135号公報に開示されているよう
に、上部が開放された容器状のセラミックベースと、こ
のセラミックベース内に導電性接着剤等により保持され
た圧電素子(水晶振動片)と、この圧電素子を覆って振
動子内部空間を密閉するようにセラミックベース上縁部
に接合されたキャップとを備えている。
【0004】また、上記セラミックベースにキャップを
接合するための手法の一つとして、セラミックベース上
にキャップを搭載し、この両者をシーム溶接により一体
的に溶着することが行われている。つまり、製造装置の
キャリア上に載置されたセラミックベースにキャップを
搭載し、このキャップの全周囲に亘ってシーム溶接用電
極を順次接触させながら振動子内部空間を密閉するよう
にシーム溶接を行っていく。
【0005】また、このシーム溶接を行う際、セラミッ
クベースやキャップの位置ずれが生じないように、上記
キャリアに永久磁石を埋め込んでおくことも行われてい
る。例えば、実開平6−48983号公報には、キャリ
アに永久磁石を埋め込んでおくと共に、セラミックベー
スの上縁全周に亘ってコバールリング等の磁性体リング
を一体的に形成しておくことが開示されている。つま
り、このセラミックベースの上縁全周に、溶融すること
によってキャップに接合するろう材等で成るメッキ層
と、磁性体リングとを一体的に形成しておく構成であ
る。この構成によれば、上記永久磁石の吸引力によっ
て、磁性体リングがキャリア側に吸引され、その結果、
セラミックベースがキャリア上面に吸着される。また、
磁性体リングが磁化されることになるため、キャップは
セラミックベースの上縁に吸着される。これにより、キ
ャリア上面に、セラミックベース及びキャップが所定の
位置関係を保ったまま位置決めされ、上記シーム溶接が
良好に行われることになる。
【0006】また、上記キャリアに埋め込まれる永久磁
石としては、片面が二極以上の複数極永久磁石が採用さ
れるのが一般的である。これは、一極永久磁石を採用し
た場合にその磁力が大きすぎると、キャップがセラミッ
クベースの側面に回り込むような吸引力が作用してしま
い、セラミックベースに対するキャップの位置が安定し
て得られない可能性があるからである。つまり、この一
極永久磁石を採用した場合に、キャップの位置を安定し
て得るためには比較的磁力の低いものを採用することが
必要であるが、これではセラミックベースに対する吸引
力が不足してしまう可能性がある。この不具合を解消す
るために、上記永久磁石としては複数極永久磁石が採用
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した如
く水晶振動子の小型化が更に要求される場合、その高さ
寸法もできる限り小さくすることが好ましい。この要求
に応えるために上記磁性体リングを排除する構成を採用
することが掲げられる。つまり、セラミックベースの上
縁にろう材等で成るメッキ層のみを形成した構成とする
ことにより、従来のものに比べて磁性体リングの高さ寸
法分だけ水晶振動子全体の高さ寸法を小さくすることが
可能になる。
【0008】しかしながら、この磁性体リングを排除す
る構成を採用した場合、キャリアに埋め込まれている永
久磁石の吸引力はセラミックベースに作用しなくなり、
キャリア上におけるセラミックベースの載置位置を安定
して得ることができなくなってしまう。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、セラミック等の非磁
性体で構成されるベースの上縁に磁性体リングを必要と
することなしに、ベースとキャップとを所定の位置関係
を保ったまま、これらをキャリア上の所定位置で位置決
めすることを可能にする電子部品の製造装置及び電子部
品の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】−発明の概要− 上記の目的を達成するために、本発明は、ベースを位置
決めするための手段とキャップを位置決めするための手
段とを個別に設ける。また、ベースを位置決めするため
の手段としては、ベースの上縁に磁性体リングを必要と
することのないエア吸引によるものを採用している。
【0011】−解決手段− 具体的には、基板に載置されたベース上に磁性材料で成
るキャップを搭載した状態で所定の加工を行う装置を前
提とする。この装置に対し、ベースとキャップとを所定
の位置関係を保ったまま、これらを基板上の所定位置で
位置決めする位置決め手段を備えさせる。この位置決め
手段としては、ベースをエア吸引により基板に吸着させ
るベース位置決め手段と、キャップに磁力を作用させて
このキャップをベース上の所定位置で位置決めするキャ
ップ位置決め手段とを備えさせている。
【0012】この特定事項により、ベースはエア吸引に
より基板に吸着されて所定位置で位置決めされるため、
ベースの上縁に磁性体リングを必要とすることがない。
また、磁性材料で成るキャップは、キャップ位置決め手
段から作用する磁力によってベース上の所定位置で位置
決めされる。これにより、ベースとキャップとを所定の
位置関係を保ったまま、これらを基板上の所定位置で位
置決めすることが可能になる。
【0013】ベース位置決め手段及びキャップ位置決め
手段の具体構成としては以下のものが掲げられる。先
ず、ベース位置決め手段として、一端が基板の上面に開
放したエア吸引路と、このエア吸引路に負圧を作用させ
る負圧発生源とを備えさせる。一方、キャップ位置決め
手段として、基板に埋め込まれた永久磁石または電磁石
を備えさせる。
【0014】また、ベース位置決め手段として、一端が
基板の上面に開放したエア吸引路と、このエア吸引路に
負圧を作用させる負圧発生源とを備えさせる。一方、キ
ャップ位置決め手段として、エア吸引路内に収容された
永久磁石または電磁石を備えさせる。
【0015】更に、ベース位置決め手段として、一端が
基板の上面に開放したエア吸引路と、このエア吸引路に
負圧を作用させる負圧発生源とを備えさせる。一方、キ
ャップ位置決め手段として、エア吸引路内に収容される
と共にこのエア吸引路の負圧を基板の上面まで作用させ
るための貫通孔が形成された永久磁石を備えさせる。
【0016】これら特定事項により、ベース位置決め手
段及びキャップ位置決め手段を比較的コンパクトな構成
で基板に組み込むことが可能になる。特に、永久磁石を
エア吸引路内に収容する構成の場合には、永久磁石を収
容するための個別の空間を形成しておく必要がなく、基
板の作製が容易である。また、基板上面まで負圧を作用
させるための貫通孔を永久磁石に形成する構成の場合に
は、永久磁石の配設位置やエア吸引路の形状に制約を受
けることがなく、これらの設計が容易になる。
【0017】また、基板の上面の全体を平坦面で形成
し、この基板の上面にベース載置位置を設定している。
そして、このベース載置位置に載置されたベース及びこ
のベースに搭載されたキャップを位置決めするよう位置
決め手段を構成している。ベースを位置決めするための
従来構造として、基板の上面に凹部を形成し、この凹部
にベースを嵌め込むことが行われているが、この構成の
場合、基板の上面とワーク上面との間隔が小さいため、
例えばシーム溶接によってベース上にキャップを接合す
る際、シーム溶接機の電極の下端と基板の上面との間の
間隔寸法が小さくなってしまい、この両者が接触してし
まうおそれがある。これに対し、本解決手段の構成によ
れば基板の上面を平坦面としながらも、ベース及びキャ
ップの位置決めを良好に行うことができる。このため、
電極の下端と基板の上面との接触を回避して電極の破損
を防止しながらも、電極の接触面の広範囲を利用するこ
とが可能となり、電極の長寿命化を図ることができる。
また、基板の上面に載置されるベースの平面視形状も特
に制約されることはなく、同一の基板で複数種類のベー
スを載置することが可能である。
【0018】また、載置されるベースの平面視形状に略
合致した平面視形状のベース載置座を基板に突設してお
き、このベース載置座上にベースを載置する構成を採用
した場合には、例えばシーム溶接によってベース上にキ
ャップを接合する際、シーム溶接機の電極の下端と基板
の上面との間の間隔寸法を大きく確保することが可能と
なる。このため、電極の下端と基板の上面とを接触させ
ることなしに、傾斜面で成る電極の接触面の広い範囲を
シーム溶接のために使用することができて、電極の更な
る長寿命化を図ることができる。
【0019】キャップ位置決め手段の永久磁石の位置を
キャップに対して接離する方向に変更可能とする位置変
更手段を設けた場合には、磁石の位置変更に伴ってキャ
ップに作用する磁力を調整することができる。例えば、
キャップを位置決めするのに必要最小限の磁力のみをキ
ャップに作用させることが可能となる。特に、磁石とし
て一極永久磁石を採用した場合、磁力が高すぎる際には
キャップがベースの側面に回り込むような吸引力が作用
することになるが、位置変更手段によってキャップに作
用する磁力を必要最小限に抑えるようにすれば、上記回
り込み方向の大きな吸引力を発生させることなしに一極
永久磁石を採用することが可能となる。
【0020】また、キャップ位置決め手段に電磁石を備
えさせた場合において、印加電圧を変更することにより
キャップに作用する磁力を可変とする磁力変更手段を設
けた場合には、印加電圧を変更することによりキャップ
に作用する磁力を調整することができる。
【0021】また、基板上の複数箇所にベース載置位置
が設定されて、各ベース載置位置に載置されたベース上
にキャップが搭載されるようになっており、ベース位置
決め手段が、各ベース載置位置毎に個別にエアの吸引及
び非吸引を切り換え可能な構成としている。これによれ
ば、一部のベース載置位置にベースが載置されない場合
には、このベース載置位置にエア吸引が行われないよう
にし、これによって他のベース載置位置に十分なエア吸
引力が得られるようにすることができる。また、基板上
からベース(所定の加工が行われたもの)を取り出す際
に、その取り出し対象であるベース載置位置へのエア吸
引を解除することでベースの取り出しを容易に行うこと
も可能になる。
【0022】尚、上記各手段によって実行される電子部
品の製造方法も本発明の技術的思想の範疇である。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本形態では、電子部品として水晶
振動子を採用し、その製造に本発明を適用した場合につ
いて説明する。つまり、水晶振動片を収容していると共
に上部が開放された容器形状のセラミックベース(例え
ばアルミナ製)に対して、その振動子内部空間を密閉す
るように磁性材料のキャップ(例えば金属のプレス加工
により形成)を接合するための装置及び方法について説
明する。
【0024】(第1実施形態)図1は、本実施形態に係
る製造装置の概略構成を示す平面図である。この図に示
すように、製造装置は、複数のワーク(セラミックベー
ス1やキャップ2)を載置した状態で所定のワーク送り
方向(図1の右方向)に移動していく基板としてのキャ
リア3を備えている。このキャリア3は、金属製であっ
て上面全体が平坦面となっている。そして、このキャリ
ア3は、ワーク送り方向に移動する際には、各ワーク
1,2が後述する各ステーションS1〜S7に順に送り
込まれて所定の処理動作が行われるように間欠的に移動
する。これら各ステーションS1〜S7については後述
する。また、このキャリア3は、最下流位置まで移動し
た後に、最上流位置まで戻されるよう直線往復移動する
ようになっている。
【0025】図2(a)は、キャリア3が移動方向の最
上流位置(図中、最も左側まで移動した位置)にある状
態の側面図である。この状態で、キャリア3の長手方向
に一定間隔を存して位置する複数のワーク載置位置のう
ち最先端(図2(a)の右端)の載置位置に1個のセラ
ミックベース1が載置される。この状態からキャリア3
が間欠的に移動していき各ステーションS1〜S7にお
いて所定の処理動作が行われる。図2(b)は、図2
(a)の状態からキャリア3が間欠移動されて、キャリ
ア3上の複数のワーク載置位置のうち最先端から2番目
の載置位置にもセラミックベース1が載置された状態を
示している。この状態では最先端の載置位置にあるセラ
ミックベース1に対しては別の処理動作(後述する不良
品取り出し動作)が行われる。図2(c)は、キャリア
3が更に複数回間欠移動がされると共にその間欠移動の
度に各ステーションS1〜S7における処理が行われ
て、キャリア3上の全てのワーク載置位置にワーク(セ
ラミックベース1やキャップ2)が載置された状態を示
している。
【0026】そして、セラミックベース1に対してキャ
ップ2が接合された後に各ワークはキャリア3上から取
り出されていく。図2(d)は、キャリア3上の最先端
の載置位置にあるワークが取り出された状態を示してい
る。図2(e)は、キャリア3が複数回間欠移動される
と共にその間欠移動の度に処理済みのワークが取り出さ
れて、最後端の載置位置にあるワーク以外の全てのワー
クが取り出された状態を示している。この状態から最後
端の載置位置にあるワークが取り出されてキャリア3上
の全てのワークが取り出された後、キャリア3は、図2
(a)に示す最上流位置まで戻り、上記と同様の動作を
繰り返すようになっている。
【0027】次に、各ステーションS1〜S7について
説明する。図1に示すように、本製造装置には、キャリ
ア3の移動方向に沿って、ベース供給ステーションS
1、不良品取り出しステーションS2、第1位置決めス
テーションS3、キャップ供給ステーションS4、第2
位置決めステーションS5、画像検査ステーションS
6、溶接ステーションS7が順に配置されている。これ
ら各ステーションS1〜S7はキャリア3の移動方向で
略等間隔に配置されている。つまり、キャリア3がこれ
ら各ステーションS1〜S7の間隔寸法をもって間欠的
に移動しながら各ステーションS1〜S7において所定
の処理動作(各処理動作については後述する)が同時に
行われるようになっている。図3は、各ステーションS
1〜S7においてキャリア3上に載置されている各ワー
ク1,2の状態を示している(各ステーションS1〜S
7における処理ユニットについては省略している)。
【0028】ベース供給ステーションS1は、予め作製
された複数のセラミックベース1を収容している図示し
ないベース収容トレイから、エア吸引等の手段によって
1個のセラミックベース1を取り出し、このセラミック
ベース1をキャリア3の幅方向(図1における上下方
向)の略中央位置に載置するものである。このベース収
容トレイからのセラミックベース1の取り出し動作及び
載置動作がキャリア3の間欠移動の度に行われる。
【0029】不良品取り出しステーションS2は、キャ
リア3に対するセラミックベース1の載置位置が所定位
置にない場合やセラミックベース1の載置姿勢が所定の
姿勢にない場合に、載置不良として、そのセラミックベ
ース1をキャリア3上から排除する領域である。例えば
図示しない撮像素子によってセラミックベース1の載置
位置や載置姿勢を画像認識し、これらが所定の状態でな
い場合には、図示しない除去用ハンド等によって、その
セラミックベース1をキャリア3上から排除するように
なっている。
【0030】第1位置決めステーションS3は、キャリ
ア3上でのセラミックベース1の載置位置を正確な位置
に位置決めするための領域である。つまり、図4に模式
的に示すように、セラミックベース1の各側面に向かっ
て前進する4本の爪41,41,…を備えており、これ
ら各爪41,41,…によってセラミックベース1の各
側面を押圧しながらキャリア3上でのセラミックベース
1の載置位置を正確な位置に位置決めするようになって
いる。
【0031】キャップ供給ステーションS4は、予め作
製された複数のキャップ2を収容しているキャップ収容
トレイから、エア吸引等の手段によって1個のキャップ
2を取り出し、このキャップ2をセラミックベース1の
上部に搭載するものである。このキャップ2の取り出し
動作及び搭載動作もキャリア3の間欠移動の度に行われ
る。
【0032】第2位置決めステーションS5は、キャリ
ア3上でのセラミックベース1の載置位置及びこのセラ
ミックベース1上でのキャップ2の搭載位置を正確な位
置に位置決めするための領域である。つまり、図5
(a)(b)に模式的に示すように(図5(b)は図5
(a)のB−B線に沿った断面図)、セラミックベース
1及びキャップ2の各側面に向かって前進する4本の爪
42,42,…を備えており、これら各爪42,42,
…によってセラミックベース1及びキャップ2の各側面
を押圧しながらキャリア3上でのセラミックベース1の
載置位置及びこのセラミックベース1上でのキャップ2
の搭載位置を正確な位置に位置決めするようになってい
る。
【0033】画像検査ステーションS6は、キャリア3
上でのセラミックベース1の載置位置及びこのセラミッ
クベース1上でのキャップ2の搭載位置が所定の位置に
あるか否かを判定する領域である。例えば図示しない撮
像素子によってセラミックベース1の載置位置やセラミ
ックベース1上でのキャップ2の搭載位置を画像認識
し、これらが所定の状態でない場合には、図示しない除
去用ハンド等によって、そのセラミックベース1及びキ
ャップ2をキャリア3上から排除するようになってい
る。
【0034】溶接ステーションS7は、セラミックベー
ス1上にキャップ2を仮付けするためのスポット溶接機
及びセラミックベース1の上縁とキャップ2の外縁とを
溶接するためのシーム溶接機を備えている。具体的に
は、先ず、上記スポット溶接機によってキャップ2の長
辺側の略中央位置の2点をセラミックベース1の上縁に
スポット溶接する。図6はそのスポット位置S,Sを示
すワークの平面図である。
【0035】その後、図7に示すように、このキャップ
2の長辺側にシーム溶接機の電極5,5を当接させ、こ
の電極5,5をこの長辺に沿って移動(転動)させなが
らシーム溶接を行う。これら電極5,5はキャリア3の
上面に対して略45°の傾斜角度を有する接触面51,
51を備えており、この接触面51がキャップ2のエッ
ジ部分に当接された状態でこの電極5,5が移動(図7
において紙面に直交する方向に移動)されることにより
シーム溶接が行われる。
【0036】更にその後、キャップ2の短辺側に対して
上記と同様にシーム溶接機の電極を当接させ、この電極
をこの短辺に沿って移動させながらシーム溶接を行う。
このようにして、セラミックベース1の上縁の全周囲に
亘って形成されていたメッキ層(ニッケルや銀ろう材等
が積層されて成っている)が溶融し、セラミックベース
1上にキャップ2が溶接されて振動子内部空間が密閉さ
れる。このようにして作製された水晶振動子は、キャリ
ア3から順に取り出されていく。
【0037】例えば、図3に示す如くキャリア3上に7
個のワーク1,2が載置可能である場合には、各ワーク
1,2に対して上記の工程が、キャリア3が間欠移動し
ながら順に行われていく。そして、キャリア3上の全て
(7個)のワークに対して各工程が行われてキャリア3
から取り出された後は、キャリア3は、元の位置(搬送
ラインの最上流側であって図2(a)の位置)まで戻っ
て上記の動作を繰り返す。
【0038】本形態の特徴は、上記セラミックベース1
及びキャップ2を所定の位置関係を保ったまま、これら
をキャリア3上の所定位置で位置決めするための構成に
ある。以下、この構成について説明する。
【0039】図8は、キャリア3の一部分(ワークが載
置されている部分)を示す断面図である。この図に示す
ように、キャリア3には上面から下面に亘って貫通する
エア吸引路6が形成されている。このエア吸引路6は、
図3にも示すようにキャリア3上におけるセラミックベ
ース1の載置位置に対応して、キャリア3の長手方向に
一定間隔を存した例えば7箇所に形成されている。
【0040】このエア吸引路6の各開口61,62のう
ちキャリア3の下面側の開口62にはそれぞれエアチュ
ーブ63,63,…が接続されている。図3に示すよう
に、これらエアチューブ63,63,…は負圧発生源と
しての真空ポンプ64にそれぞれ独立して接続されてお
り、この真空ポンプ64の駆動に伴って発生した負圧が
エアチューブ63を介してキャリア3の上面側の開口6
1に作用するようになっている。これにより、これら開
口61,61,…に対応して載置されたセラミックベー
ス1が上記負圧によってキャリア3の上面に吸着される
ようになっている。
【0041】また、各エアチューブ63,63,…には
それぞれ独立して開閉動作が可能な開閉弁65,65,
…が設けられている。この開閉弁65は、キャリア3の
上面側の開口61の形成位置にセラミックベース1が載
置される際に、その開口61に負圧を作用させるように
開放される。つまり、キャリア3の上面側の開口61の
全てに対応してセラミックベース1が載置された場合に
は全ての開閉弁65,65,…が開放される。これに対
し、キャリア3の上面側の開口61のうち一部の開口6
1にセラミックベース1が載置されない状況の場合に
は、その開口61に繋がっているエアチューブ63の開
閉弁65のみが閉鎖される。例えば、不良品取り出しス
テーションS2においてセラミックベース1が排除され
た場合、この排除によって開放される開口61に繋がっ
ているエアチューブ63の開閉弁65は閉鎖される。こ
れにより、セラミックベース1が載置されている開口6
1にのみ所定の負圧が作用されるようになっている。こ
のような構成により本発明でいうベース位置決め手段が
構成されている。
【0042】また、キャリア3に形成されているエア吸
引路6は、部分的に内部径が大きく形成された偏平円柱
形状の磁石収容空間66を備えている。そして、この磁
石収容空間66には、この空間66の形状に略一致した
永久磁石7が収容されている。
【0043】このようにキャリア3内に永久磁石7を収
容したことにより、永久磁石7の吸引力によって、セラ
ミックベース1上のキャップ2がキャリア3側に吸引さ
れ、その結果、キャップ2がセラミックベース1に対し
て所定の位置関係を保った状態で保持されることにな
る。
【0044】また、この永久磁石7は、図9に示すよう
に、中央部に、エア吸引路6と略同径の貫通孔71が形
成されている。つまり、この貫通孔71がエア吸引路6
の一部として機能するよう構成されている。更に、この
永久磁石7は、片面が二極以上の複数極永久磁石であ
る。この複数極永久磁石を採用することにより、キャッ
プ2がセラミックベース1の側面に回り込むような吸引
力が作用することはなく、セラミックベース1に対する
キャップ2の位置を安定して得ることができるようにな
っている。このような構成により本発明でいうキャップ
位置決め手段が構成されている。
【0045】このように、本形態では、エア吸引路6か
ら作用する負圧によってセラミックベース1がキャリア
3の上面に吸着され、且つキャリア3内に収容した永久
磁石7によってセラミックベース1に対するキャップ2
の位置が安定して得られるようにしている。
【0046】つまり、上記ベース供給ステーションS1
において、キャリア3の幅方向の略中央位置であって且
つ上記開口61に対応してセラミックベース1を載置す
る。これと同時に、この開口61に繋がっているエアチ
ューブ63の開閉弁65のみが開放され、開口61に負
圧が作用し、セラミックベース1がキャリア3の上面に
吸着される。
【0047】また、キャップ供給ステーションS4にお
いて、キャップ2をセラミックベース1の上部に搭載し
た際には、この載置と同時に永久磁石7の吸引力によっ
て、キャップ2がキャリア3側に吸引され、その結果、
キャップ2がセラミックベース1に対して所定の位置関
係を保った状態で保持される。
【0048】以上の如く、本形態では、エア吸引路6か
ら作用する負圧によってセラミックベース1をキャリア
3の上面に吸着し、且つキャリア3内に収容した永久磁
石7によってセラミックベース1に対するキャップ2の
位置を安定して得ている。このため、セラミックベース
1の上縁にコバールリング等の磁性体リングを必要とす
ることなしに、セラミックベース1とキャップ2とを所
定の位置関係を保ったまま、これらをキャリア3上の所
定位置で位置決めすることが可能になる。その結果、磁
性体リングを排除した分の高さ寸法だけ水晶振動子全体
の高さ寸法を小さくすることを可能としながら、溶接ス
テーションS7におけるセラミックベース1とキャップ
2との溶接動作において、これらに位置ずれが生じるこ
となく、安定した溶接作業を行うことができる。
【0049】また、セラミックベース1の位置決めのた
めの従来構造として、図16に示すように、キャリア3
の上面に、セラミックベース1の平面視形状に略合致し
た凹部3Aを形成しておくことが行われていた。ところ
が、この構成の場合、キャリア3の上面とワーク上面と
の間隔が小さいため、シーム溶接機の電極5,5の下端
とキャリア3の上面との間の間隔寸法が小さくなってし
まい、この両者の接触を回避するような溶接動作を行う
必要があった。例えば、電極5,5の接触面51,51
を仮想線で示すように変化させた場合には両者が接触し
てしまう。このため、電極5,5の接触面51,51の
一部分のみしか利用することができず、電極5,5の長
寿命化を図ることができなかった。
【0050】これに対し、本形態の構成によればキャリ
ア3の上面を平坦面としながらも、セラミックベース1
及びキャップ2の位置決めを良好に行うことができる。
このため、電極5,5の下端とキャリア3の上面との接
触を回避しながらも、電極5,5の接触面51,51の
広範囲を利用することが可能となり、電極5,5の長寿
命化を図ることができる。
【0051】また、本形態にあっては、上記永久磁石7
は、その磁力によってセラミックベース1を吸引する必
要はないので、磁力によってセラミックベース1及びキ
ャップ2の両方を位置決めする従来のものに比較して低
い磁力のものでよい。そのため、安価な永久磁石7の採
用が可能となる。
【0052】(第2実施形態)次に、第2実施形態につ
いて説明する。本形態は、エア吸引路6に形成されてい
る磁石収容空間66及びこの磁石収容空間66に収容さ
れている永久磁石7の構成の変形例である。その他の構
成は上述した第1実施形態のものと同様であるので、こ
こでは磁石収容空間66及び永久磁石7についてのみ説
明する。
【0053】図10は本形態における永久磁石7を示す
斜視図である。この図10に示すように、本形態で採用
する永久磁石7は平面視が矩形状に形成されたものであ
る。このため、エア吸引路6に形成されている磁石収容
空間66も、この永久磁石7の形状に略合致した平面視
矩形状に形成されている(図示省略)。
【0054】尚、本形態の永久磁石7は、貫通孔71が
2箇所に形成されている。これにより、エア吸引路6を
経てキャリア3上面の開口61に作用する負圧に損失が
生じないようになっている。
【0055】また、永久磁石7の形状や、この永久磁石
7に形成される貫通孔71の個数や形状は、上記第1,
第2実施形態のものには限らない。
【0056】(第3実施形態)次に、第3実施形態につ
いて説明する。本形態は永久磁石7の配設構造の変形例
である。その他の構成は上述した第1実施形態のものと
同様であるので、ここでは永久磁石7の配設構造につい
てのみ説明する。
【0057】図11は本形態におけるキャリア3の一部
分を示す断面図である。この図に示すように、本形態で
は、キャリア3の内部に永久磁石7が埋め込まれてい
る。そしてエア吸引路6は、この永久磁石7の埋め込み
位置を回避するような形状に形成されている。これによ
れば、永久磁石7に貫通孔71を形成することなしに、
キャリア3の上面から下面に亘るエア吸引路6を形成す
ることができ、永久磁石7に特別な加工が必要なくな
る。
【0058】(第4実施形態)次に、第4実施形態につ
いて説明する。本形態はキャリア3の上面形状の変形例
である。その他の構成は上述した第1実施形態のものと
同様であるので、ここではキャリア3の上面形状につい
てのみ説明する。
【0059】図12(a)は、本形態に係るキャリア3
の一部分であって、溶接ステーションS7での溶接動作
を示す図である。この図に示すように、本形態に係るキ
ャリア3は、ワークの載置位置のみが上方へ突出したベ
ース載置座としてのワーク載置座31が一体的に形成さ
れている。このワーク載置座31の平面視形状はセラミ
ックベース1の平面視形状に略一致している。
【0060】この構成によれば、シーム溶接機の電極
5,5の下端とキャリア3の上面との間の間隔寸法を大
きく確保することが可能となる(図中の寸法T参照)。
このため、図12(b)に示すように、電極5,5の接
触面51,51のワークに対する接触面を変化させたと
しても電極5,5の下端とキャリア3の上面とが接触す
ることが回避でき、接触面51,51の広い範囲をシー
ム溶接のために使用することができて、電極5,5の長
寿命化を図ることができる。
【0061】また、図12(c)に示すように、セラミ
ックベース1やキャップ2の薄型化を図った場合、電極
5,5の下端がキャリア3の上面に近づくことになる
が、ワーク載置座31を形成したことで、この電極5,
5の下端とキャリア3の上面との間の間隔寸法は予め大
きく確保されているので、電極5,5の下端がキャリア
3に接触することはない。このため、安定した溶接動作
を行うことができると共に、製造装置の構成によってワ
ークの薄型化が制約されてしまうといったことがなくな
る。
【0062】また、本形態の構成によれば、電極5,5
の接触面51,51の傾斜角度の設計自由度を拡大でき
る。例えば、12(a)に仮想線で示すように傾斜角度
の大きな接触面51,51に設計した場合、キャリア3
の上面が平坦であれば電極5,5の下端がキャリア3に
接触することになるが、本形態の如くワーク載置座31
を形成した場合にはこの接触は回避される。
【0063】(第5実施形態)次に、第5実施形態につ
いて説明する。本形態はキャリア3内における永久磁石
7の配設構造の変形例である。その他の構成は上述した
第3実施形態のものと同様であるので、ここでは永久磁
石7の配設構造についてのみ説明する。
【0064】図13は、本形態に係るキャリア3の一部
分を示す断面図である。この図に示すように、本形態で
は、キャリア3の内部に、永久磁石7の高さ寸法よりも
大きな高さ寸法を有する磁石収容空間66が形成されて
いる。
【0065】そして、この磁石収容空間66の底部とキ
ャリア3の下面との間にはネジ孔32が貫通して形成さ
れている。このネジ孔32の内面には雌ネジが形成され
ている。
【0066】このネジ孔32には位置変更手段としての
調整ネジ72が装着されている。この調整ネジ72は、
上記ネジ孔32に挿入された雄ネジ部73と、この雄ネ
ジ部73の下端に設けられ且つキャリア3の外側(下
側)に位置する操作部74とを備えている。そして、上
記雄ネジ部73の上端が永久磁石7の下面に当接してい
る。
【0067】この構成により、操作部74を操作して調
整ネジ72を回転させると、この調整ネジ72がネジ孔
32に沿って昇降し、それに伴って、磁石収容空間66
内での永久磁石7の位置が上下方向で調整できるように
なっている。この永久磁石7の位置を調整することによ
り、キャップ2と永久磁石7との間の距離が変化し、キ
ャップ2に作用する磁力(キャリア3方向への吸着力)
が調整可能となっている。このため、キャップ2を位置
決めするのに必要最小限の磁力のみをキャップ2に作用
させることが可能となる。特に、永久磁石7として一極
永久磁石を採用した場合、磁力が高すぎる際にはキャッ
プ2がセラミックベース1の側面に回り込むような吸引
力が作用することになるが、永久磁石7の位置調整によ
ってキャップ2に作用する磁力を必要最小限に抑えるよ
うにすれば、上記回り込み方向の大きな吸引力を発生さ
せることなしに一極永久磁石を採用することが可能とな
る。
【0068】尚、本形態のように永久磁石7の位置調整
を行う構成は、第1実施形態に対しても適用可能であ
る。
【0069】(第6実施形態)次に、第6実施形態につ
いて説明する。本形態はキャップ2に対する吸引力を発
生させる手段として永久磁石に代えて電磁石を採用した
ものである。図14は、本形態に係るキャリア3の一部
分を示す断面図である。この図に示すように、本形態で
は、キャリア3の内部に、電磁石75が収容されてい
る。この電磁石75での通電状態を切り換えることによ
ってキャップ2に対する吸引力を変化させることが可能
である。
【0070】この電磁石75への通電切り換え動作の一
例としては、セラミックベース1にキャップ2を載置し
た時点で電磁石75への通電を開始し、溶接ステーショ
ンS7での溶接動作の終了後、ワークをキャリア3から
取り出す際に電磁石75への通電を停止する。これによ
り、キャップ2の位置決めが必要な期間だけキャップ2
に対する吸引力を発生させることができる。
【0071】また、図示しないコントローラに収容され
た磁力変更手段によって、電磁石75へ通電を行う際の
電圧を可変とした場合には、上述した第5実施形態のよ
うな機構を必要とすることなしにキャップ2に作用する
磁力(キャリア方向への吸着力)を調整することが可能
となる。
【0072】また、本実施形態のように、キャップ2に
対する吸引力を発生させる手段として永久磁石に代えて
電磁石を採用する場合、上述した第1実施形態における
図8で示すものにおいて、磁石収容空間66の内部に電
磁石を収容する構成を採用してもよい。
【0073】−その他の実施形態−尚、上記各実施形態
では永久磁石7として複数極永久磁石を採用したが、上
述した如く永久磁石7に必要とされる磁力は低いもので
よいため、比較的磁力の低い一極永久磁石を採用するこ
とも可能である。つまり、キャップ2がセラミックベー
ス1の側面に回り込むような大きな吸引力を作用させな
い比較的磁力の小さな一極永久磁石を採用することが可
能である。
【0074】また、上記各実施形態では、キャリア3に
セラミックベース1が搭載されてから取り出されるまで
の間の全期間に亘ってエア吸引路6に負圧を作用させて
セラミックベース1上にキャリア3を吸着させていた。
本発明はこれに限るものではない。例えば、溶接ステー
ションS7での溶接動作の終了後、ワークをキャリア3
から取り出す際にエア吸引路6の負圧を解除して、この
取り出し動作が容易に行えるようにしてもよい。また、
永久磁石7の磁力が比較的大きい場合には、この磁力に
よってキャップ2に作用する吸引力が、セラミックベー
ス1をキャリア3に吸引するのに十分に得ることも可能
である。この場合には、セラミックベース1にキャップ
2を載置した時点でエア吸引路6の負圧を解除してもよ
い。
【0075】更に、上述した各実施形態では、上縁にコ
バールリング等の磁性体リングを備えていないセラミッ
クベース1に対してキャップ2を接合する場合について
説明した。本発明はこれに限らず、上縁にコバールリン
グ等の磁性体リングを備えたセラミックベース1に対し
てキャップ2を接合する場合に適用することも可能であ
る。
【0076】加えて、上述した各実施形態では、溶接ス
テーションS7においてセラミックベース1上にキャッ
プ2を溶接する手法としてはシーム溶接を採用したが、
レーザ溶接等を採用することも可能である。
【0077】また、各実施形態では、キャリア3上への
セラミックベース1の載置からセラミックベース1に対
するキャップ2の溶接までの工程を連続して行う場合に
ついて説明した。本発明はこれに限らず、キャリア3上
へのセラミックベース1の載置からセラミックベース1
に対するキャップ2の仮付けまでの工程を連続して行
い、この仮付けしたセラミックベース1とキャップ2と
を個別の溶接機で溶接するようにしてもよい。この場
合、前者の工程(キャリア3上へのセラミックベース1
の載置からセラミックベース1に対するキャップ2の仮
付けまでの工程)において、エア吸引によるセラミック
ベース1のキャリア3上面への吸着と、永久磁石7によ
ってキャップ2の位置決めとを行うことになる。また、
この仮付け工程とシーム溶接工程とを同一のシーム溶接
用電極を用いて連続して行うようにしてもよい。つま
り、シーム溶接用の電極5,5を、先ず、キャップ2の
長辺側の略中央位置に接触させてこの部分のみを溶接
(仮付け)した後、この電極5,5をキャップ2の長辺
に沿って往復移動させることで、この長辺の全体をシー
ム溶接するものである。
【0078】更に、各実施形態では、容器形状のセラミ
ックベース1に対して平板状のキャップ2を接合する場
合について説明したが、図15に示すように、平板状の
セラミックベース1に対して容器形状(逆凹形状)の金
属製キャップ2を接合する場合にも適用可能である。こ
の図15では、セラミックベース1及びキャップ2を位
置決めする構成として上記第1実施形態のものを適用し
た場合を示している。これに限らず、その他の実施形態
に係る位置決め構成を適用することも可能である。
【0079】更に、各実施形態では、直線往復移動する
キャリア3上にセラミックベース1及びキャップ2を載
置して接合するようにしていたが、回転するターンテー
ブル上の周方向に上記各ステーションを配置して成る所
謂インデックスタイプの製造装置として構成してもよ
い。
【0080】また、本発明は、水晶振動子に限らず、ニ
オブ酸リチウムやタンタル酸リチウムなどを使用した圧
電振動子や、その他種々の電子部品の製造に適用可能で
ある。
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明では、ベースを位
置決めするための手段とキャップを位置決めするための
手段とを個別に設け、キャップを磁力によって位置決め
すると共に、ベースを位置決めするための手段として
は、ベースの上縁に磁性体リングを必要とすることのな
いエア吸引によるものを採用している。このため、磁性
体リングを排除した分の高さ寸法だけ電子部品全体の高
さ寸法を小さくすることを可能としながら、ベースとキ
ャップとの接合動作において、これらに位置ずれが生じ
ることなく、安定した加工作業を行うことができる。ま
た、キャップ位置決め手段に必要とされる磁力は、ベー
スを吸引する必要はないので、比較的低い磁力でよく、
装置の実用性の向上を図ることができる。
【0082】また、ベース載置座を基板に突設し、この
ベース載置座上にベースを載置する構成とした場合に
は、例えばシーム溶接によってベース上にキャップを接
合する際、シーム溶接機の電極の下端と基板の上面との
間の間隔寸法を大きく確保することが可能となる。この
ため、電極の下端と基板の上面とを接触させることなし
に、傾斜面で成る電極の接触面の広い範囲をシーム溶接
のために使用することができて、電極の長寿命化を図る
ことができる。
【0083】更に、キャップ位置決め手段として永久磁
石を採用した場合に、その永久磁石の位置を変更してキ
ャップに作用する磁力を調整したり、キャップ位置決め
手段として電磁石を採用した場合に、印加電圧を変更し
てキャップに作用する磁力を調整した場合には、キャッ
プを位置決めするのに必要最小限の磁力のみをキャップ
に作用させることが可能となり、適切な吸引力でキャッ
プを位置決めすることができ、装置の信頼性の向上を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る製造装置の概略構成を示す
平面図である。
【図2】キャリアの移動動作を説明するための図であ
る。
【図3】キャリア上での各ワークの載置状態を示す図で
ある。
【図4】第1位置決めステーションでの位置決め動作を
説明するための図である。
【図5】第2位置決めステーションでの位置決め動作を
説明するための図である。
【図6】溶接ステーションでの仮付け時のスポット溶接
位置を示す図である。
【図7】溶接ステーションでのシーム溶接動作を説明す
るための図である。
【図8】キャリアの一部分を示す断面図である。
【図9】キャリア内部に収容されている永久磁石の斜視
図である。
【図10】第2実施形態における永久磁石の斜視図であ
る。
【図11】第3実施形態におけるキャリアの一部分を示
す断面図である。
【図12】第4実施形態におけるシーム溶接動作を示す
断面図である。
【図13】第5実施形態におけるキャリアの一部分を示
す断面図である。
【図14】第6実施形態におけるキャリアの一部分を示
す断面図である。
【図15】平板状のセラミックベースに対して容器形状
のキャップを接合する場合の図8相当図である。
【図16】従来例におけるシーム溶接動作を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 セラミックベース 2 キャップ 3 キャリア(基板) 31 ワーク載置座(ベース載置座) 6 エア吸引路 64 真空ポンプ(負圧発生源) 7 永久磁石 71 貫通孔 72 調整ネジ(位置変更手段) 75 電磁石

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に載置されたベース上に磁性材料で
    成るキャップを搭載した状態で所定の加工を行う装置で
    あって、 上記ベースとキャップとを所定の位置関係を保ったま
    ま、これらを基板上の所定位置で位置決めする位置決め
    手段を備えており、 上記位置決め手段は、ベースをエア吸引により基板に吸
    着させるベース位置決め手段と、キャップに磁力を作用
    させてこのキャップをベース上の所定位置で位置決めす
    るキャップ位置決め手段とを備えていることを特徴とす
    る電子部品の製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子部品の製造装置にお
    いて、 ベース位置決め手段は、一端が基板の上面に開放したエ
    ア吸引路と、このエア吸引路に負圧を作用させる負圧発
    生源とを備えている一方、 キャップ位置決め手段は、基板に埋め込まれた永久磁石
    または電磁石を備えていることを特徴とする電子部品の
    製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電子部品の製造装置にお
    いて、 ベース位置決め手段は、一端が基板の上面に開放したエ
    ア吸引路と、このエア吸引路に負圧を作用させる負圧発
    生源とを備えている一方、 キャップ位置決め手段は、上記エア吸引路内に収容され
    た永久磁石または電磁石を備えていることを特徴とする
    電子部品の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電子部品の製造装置にお
    いて、 ベース位置決め手段は、一端が基板の上面に開放したエ
    ア吸引路と、このエア吸引路に負圧を作用させる負圧発
    生源とを備えている一方、 キャップ位置決め手段は、上記エア吸引路内に収容され
    ると共にこのエア吸引路の負圧を基板の上面まで作用さ
    せるための貫通孔が形成された永久磁石を備えているこ
    とを特徴とする電子部品の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の
    電子部品の製造装置において、 基板の上面は全体が平坦面で形成されていると共に、こ
    の基板の上面にベース載置位置が設定されており、 位置決め手段は、このベース載置位置に載置されたベー
    ス及びこのベースに搭載されたキャップを位置決めする
    よう構成されていることを特徴とする電子部品の製造装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のうち何れか一つに記載の
    電子部品の製造装置において、 基板には、載置されるベースの平面視形状に略合致した
    平面視形状のベース載置座が突設されており、このベー
    ス載置座上にベースが載置されることを特徴とする電子
    部品の製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のうち何れか一つに記載の
    電子部品の製造装置において、 キャップ位置決め手段の永久磁石の位置をキャップに対
    して接離する方向に変更可能とする位置変更手段が設け
    られていることを特徴とする電子部品の製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項2、3、5または6に記載の電子
    部品の製造装置において、 キャップ位置決め手段の電磁石に対する印加電圧を変更
    することによりキャップに作用する磁力を可変とする磁
    力変更手段が設けられていることを特徴とする電子部品
    の製造装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のうち何れか一つに記載の
    電子部品の製造装置において、 基板上の複数箇所にベース載置位置が設定されていて、
    各ベース載置位置に載置されたベース上にキャップが搭
    載されるようになっており、 ベース位置決め手段は、各ベース載置位置毎に個別にエ
    アの吸引及び非吸引を切り換え可能となっていることを
    特徴とする電子部品の製造装置。
  10. 【請求項10】 基板に載置されたベース上に磁性材料
    で成るキャップを搭載した状態で所定の加工を行うため
    の方法であって、 ベースをエア吸引により基板に吸着させると共に、キャ
    ップに磁力を作用させてこのキャップをベース上の所定
    位置で保持することにより、ベースとキャップとを所定
    の位置関係を保ったまま、これらを所定位置で位置決め
    することを特徴とする電子部品の製造方法。
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