JP2003221501A - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JP2003221501A JP2002210215A JP2002210215A JP2003221501A JP 2003221501 A JP2003221501 A JP 2003221501A JP 2002210215 A JP2002210215 A JP 2002210215A JP 2002210215 A JP2002210215 A JP 2002210215A JP 2003221501 A JP2003221501 A JP 2003221501A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレ
ン系重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル
系共重合体を含有する硬化性組成物において、良好な諸
特性(特に耐候性)を維持しつつ、引張特性を改善す
る。 【解決手段】 シロキサン結合を形成することによって
架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキ
レン系重合体(A)、並びに、シロキサン結合を形成す
ることによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分
子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又
はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる共
重合体(B)、を含有する硬化性組成物であって、共重
合体(B)の数平均分子量が10,000以上である硬
化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シロキサン結合を
形成することによって架橋しうるケイ素含有官能基(以
下、反応性ケイ素基ともいう)を有するポリオキシアル
キレン系重合体及び反応性ケイ素基を有する(メタ)ア
クリル酸エステル系共重合体を含有する硬化性組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】反応性ケイ素基を有するポリオキシアル
キレン系重合体及び反応性ケイ素基を有する(メタ)ア
クリル酸エステル系共重合体を含有する硬化性組成物
は、特開昭59−122541号公報、特開昭60−3
1556号公報、特開昭63−112642号公報、特
開平5−287261号公報、特開平6−172631
号公報、特開平7−90171号公報などで開示されて
いる。
【0003】上記硬化性組成物には、(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体の存在に起因して、得られる硬化
物の引張特性(モジュラスや破断時伸び)が低下すると
いう問題点がある。この引張特性を改善するために硬化
性組成物を構成する単量体の種類や組成比を調整する
と、これに相反して耐候性などの諸特性が低下してしま
う傾向があり、耐候性などの優れた諸特性を維持しつつ
引張特性を改善することは困難であった。特に高度の引
張特性が要求される建築用シーリング材、サイディング
ボード用シーリング材及びグレージング用シーリング材
の分野では、耐候性などを維持しながらも、引張特性を
向上させることが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系
重合体と反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル系共
重合体を含有する硬化性組成物において、良好な諸特性
(特に耐候性)を維持しつつ、引張特性を改善すること
を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、シロ
キサン結合を形成することによって架橋しうるケイ素含
有官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体
(A)、並びに、シロキサン結合を形成することによっ
て架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分子鎖がアクリ
ル酸アルキルエステル単量体単位及び/又はメタクリル
酸アルキルエステル単量体単位からなる共重合体
(B)、を含有する硬化性組成物であって、共重合体
(B)の数平均分子量が10000以上である硬化性組
成物である。
【0006】また本発明は、シロキサン結合を形成する
ことによって架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリ
オキシアルキレン系重合体(A)、並びに、シロキサン
結合を形成することによって架橋しうるケイ素含有官能
基を有し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体
単位及び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単
位からなる共重合体(B)、を含有する硬化性組成物で
あって、得られる硬化物のダンベル引張時の100%モ
ジュラスが0.4MPa以下、及び/又は、得られる硬
化物の破断時伸びが500%以上である硬化性組成物で
もある。
【0007】さらに、本発明は、得られる硬化物の加熱
圧縮復元率10%以下であり、または、サンシャイン促
進耐候性試験機による促進耐候性試験2000時間曝露
により、硬化物表面へのクラック発生が見られない硬化
性組成物である。
【0008】さらに本発明は、上記硬化性組成物からな
る建築用シーリング材、サイディングボード用シーリン
グ材、又は、グレージング用シーリング材でもある。
【0009】以下に本発明を詳述する。
【0010】本発明で用いられる、反応性ケイ素基を有
するポリオキシアルキレン系重合体(A)(以下、ポリ
オキシアルキレン系重合体(A)ともいう)は、特公昭
45−36319号、同46−12154号、同49−
32673号、特開昭50−156599号、同51−
73561号、同54−6096号、同55−8212
3号、同55−123620号、同55−125121
号、同55−131022号、同55−135135
号、同55−137129号の各公報などに記載されて
いる。
【0011】ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分
子鎖は、本質的に一般式(I) −R1−O− (I) (式中、R1は2価の有機基(好ましくは2価の炭化水
素基)であるが、その大部分が炭素数3又は4の炭化水
素基であるとき最も好ましい)で示される繰返し単位か
らなるものが好ましい。R1の具体例としては、−CH
(CH3)−CH2−、−CH(C25)−CH2−、−
C(CH32−CH2−、−CH2CH2CH 2CH2−な
どが挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体(A)
の分子鎖は1種だけの繰返し単位からなっていてもよい
し、2種以上の繰返し単位からなっていてもよいが、R
1としては特に−CH(CH3)−CH2−が好ましい。
【0012】ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、
直鎖状であっても分枝状であってもよく、あるいは、こ
れらの混合物であってもよい。また、他の単量体等が含
まれていてもよいが、−CH(CH3)−CH2−O−で
表される繰返し単位が重合体中に50重量%以上、好ま
しくは80重量%以上存在することが好ましい。
【0013】ポリオキシアルキレン系重合体(A)にお
けるシロキサン結合を形成することによって架橋しうる
ケイ素含有官能基(反応性ケイ素基)はよく知られた官
能基であり、室温においても架橋しうるものである。こ
の反応性ケイ素基の代表例は、一般式(II):
【0014】
【化1】
【0015】(式中、R2は、同一又は異なって、炭素
数1〜20の置換若しくは非置換の1価の有機基(好ま
しくは1価の炭化水素基)又はトリオルガノシロキシ基
を表す。Xは、同一又は異なって、水酸基又は異種若し
くは同種の加水分解性基を表す。aは0、1又は2の整
数を示し、bは0、1、2又は3の整数を示すが、a=
2でかつb=3にはならない。mは0〜18の整数を示
す)で表される。経済性などの点から好ましい反応性ケ
イ素基は、一般式(III):
【0016】
【化2】
【0017】(式中、R2は上記と同じ。nは0、1又
は2の整数を示す)で表される。
【0018】一般式(II)及び(III)におけるX
を表す加水分解性基の具体例としては、例えば、ハロゲ
ン原子、水素原子、アルコキシル基、アシルオキシ基、
ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ
基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられ
る。これらのうちでも加水分解性のマイルドさの点か
ら、メトキシ基、エトキシ基などのアルコキシル基が好
ましい。
【0019】一般式(II)及び(III)におけるR
2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基など
の炭素数1〜20のアルキル基、シクロヘキシル基など
の炭素数3〜20などのシクロアルキル基、フェニル基
などの炭素数6〜20のアリール基、ベンジル基などの
炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げられる。さら
にR2は、一般式:(R23SiO−(R2は上記に同
じ)で示されるトリオルガノシロキシ基であってもよ
い。一般式(II)及び(III)におけるR2として
はメチル基が特に好ましい。
【0020】反応性ケイ素基はポリオキシアルキレン系
重合体(A)1分子あたり平均して少なくとも1個存在
するのが好ましく、より好ましくは1.1〜5個存在す
る。ポリオキシアルキレン系重合体(A)1分子中に含
まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性
が不十分になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくな
る。反応性ケイ素基はポリオキシアルキレン系重合体
(A)分子鎖の末端に存在してもよく、内部に存在して
もよい。反応性ケイ素基が分子鎖の末端に存在すると、
最終的に形成される硬化物に含まれるポリオキシアルキ
レン系重合体(A)成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が
得られやすくなる。
【0021】ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数
平均分子量(Mn)としては特に限定されず、一般的に
は、500〜100,000の範囲であればよいが、
2,000〜60,000の範囲が好ましく、5,00
0〜30,000の範囲がより好ましい。引張特性が優
れた硬化物が得られるという観点から、ポリオキシアル
キレン系重合体(A)の数平均分子量は、10,000
以上が好ましく、15,000以上がより好ましく、1
7,000以上がさらに好ましく、さらには、18,0
00以上、特には19,000以上が好ましい。分子量
の上限は25,000、さらには23,000、特には
22,000が組成物の粘度の点から好ましい。
【0022】硬化物の破断伸びを改善するため、ポリオ
キシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量を16,
000以上にする場合、十分な破断伸びを得るためにポ
リオキシアルキレン系重合体は実質的に分岐を有しない
直鎖状の重合体であることが好ましい。
【0023】反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキ
レン系重合体(A)の数平均分子量とは次の通りであ
る。
【0024】JISK1557の水酸基価の測定方法
と、JISK0070のよう素価の測定方法の原理に基
づいた滴定分析により、直接的に末端基濃度を測定し、
ポリエーテルオリゴマーの構造を考慮して求めた数平均
分子量(末端基分子量)と定義している。また、数平均
分子量の相対測定法として一般的なGPC測定により求
めたポリスチレン換算分子量(GPC分子量)と上記末
端基分子量の検量線を作成し、GPC分子量を末端基分
子量に換算して求めることも可能である。不飽和基含有
ポリオキシアルキレンなど反応性ケイ素基導入前の重合
体分子量と反応性ケイ素基が導入された重合体の分子量
を比較すると、通常反応性ケイ素基が導入された重合体
の分子量が少し大きくなる傾向にあるが、大きい差はな
い。
【0025】ポリオキシアルキレン系重合体(A)にお
いては、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/
Mn)が1.6以下と、極めて分子量分布が狭い(Mw
/Mn比が小さい)ものが好ましい。この場合、組成物
の粘度が低くなり、作業性が向上しうる。Mw/Mnの
値はより好ましくは1.5以下であり、さらに好ましく
は1.4以下である。分子量分布は各種の方法で測定可
能であるが、通常、ゲル浸透クロマトグラフィー(GP
C)法での測定が一般的である。
【0026】反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキ
レン系重合体(A)は、官能基を有するポリオキシアル
キレン系重合体に反応性ケイ素基を導入することによっ
て得るのが好ましい。官能基を有するポリオキシアルキ
レン系重合体は、ポリオキシアルキレン系重合体を製造
するための通常の重合法(苛性アルカリを用いるアニオ
ン重合法)や、この重合体を原料とした鎖延長反応方法
のほか、特開昭61−197631号公報、特開昭61
−215622号公報、特開昭61−215623号公
報、特開昭61−218632号公報、特公昭46−2
7250号公報及び特公昭59−15336号公報など
に記載された方法により得ることができる。
【0027】反応性ケイ素基の導入は公知の方法で行え
ばよい。すなわち、例えば、以下の方法が挙げられる。 (1)末端に水酸基等の官能基を有するポリオキシアル
キレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す活
性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させ、次い
で、得られた反応生成物に、反応性ケイ素基を有するヒ
ドロシランを反応させて、重合体末端に反応性ケイ素基
を導入する。 (2)末端に水酸基、エポキシ基やイソシアネート基等
の官能基(以下、Y官能基という)を有するポリオキシ
アルキレン系重合体に、このY官能基に対して反応性を
示す官能基(以下、Y′官能基という)及び反応性ケイ
素基を有する化合物を反応させ、重合体末端に反応性ケ
イ素基を導入する。
【0028】Y′官能基及び反応性ケイ素基を有するケ
イ素化合物としては特に限定されず、例えば、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランな
どのアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメ
トキシシランなどのメルカプト基含有シラン類;γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
などのエポキシシラン類;ビニルトリエトキシシラン、
γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシ
シランなどのビニル型不飽和基含有シラン基;γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシランなどの塩素原子含有シラ
ン類;γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどのイソシアネート含有シラン類;メチルジメトキ
シシラン、トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラ
ンなどのハイドロシラン類などが挙げられる。
【0029】これらの製造方法として、特開平3−47
825号公報、特開平3−157424号公報、特開平
11−100427号公報、特開2000−14375
7号公報、特開2000−169544号公報、特開2
000−169545号公報、米国特許US61979
12号公報、国際公開WO200037533号公報、
国際公開WO9955755号公報、国際公開WO20
0112693号公報、ドイツ特許DE1992330
0号公報、カナダ特許CA2303698号公報、米国
特許US6121354号公報、ドイツ特許DE198
49817号公報、米国特許US6001946号公報
等に示された製造方法を使用することが可能である。
【0030】以上の方法の中で、(1)の方法、又は、
(2)の方法のうち末端に水酸基を有するポリオキシア
ルキレン系重合体とイソシアネート基及び反応性ケイ素
基を有する化合物を反応させる方法、が好ましい。
【0031】本発明で用いられる、反応性ケイ素基を有
し、分子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及
び/又はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位から
なる共重合体(B)(以下、共重合体(B)ともいう)
は、アクリル酸アルキルエステル単量体及びメタクリル
酸アルキルエステル単量体のなかから選択された2種以
上を共重合してなる分子鎖を有し、かつ、反応性ケイ素
基を有するものであれば、特に限定されない。
【0032】共重合体(B)におけるアクリル酸アルキ
ルエステル単量体及びメタクリル酸アルキルエステル単
量体としては、一般式(IV)
【0033】
【化3】
【0034】(式中、R3はアルキル基を表す。R4は水
素原子又はメチル基を表す。なお、R 4が水素原子の場
合、一般式(IV)はアクリル酸アルキルエステル単量
体に相当し、R4がメチル基の場合、一般式(IV)は
メタクリル酸アルキルエステル単量体に相当する)で表
される化合物が挙げられる。
【0035】アクリル酸アルキルエステル単量体及びメ
タクリル酸アルキルエステル単量体におけるアルキル基
としては特に限定されず、直鎖状又は分枝状のものであ
ってもよく、一般に炭素数1〜30のものを用いること
ができる。
【0036】ポリオキシアルキレン系重合体(A)と共
重合体(B)との相溶性を向上させ、組成物の透明性や
保存安定性を改良するためには、炭素数が8以上のアル
キル基を持つアクリル酸アルキルエステル単量体及び/
又はメタクリル酸アルキルエステル単量体を使用するこ
とが好ましい。この場合、ポリオキシアルキレン系重合
体(A)と共重合体(B)が、両者を混合した場合に実
質的に均一状態となることができる。ここで「実質的に
均一状態となる」とは、ポリオキシアルキレン系重合体
(A)と共重合体(B)との混合物を100℃2時間混
合した後、23℃下で24時間静置した場合に、2相に
分離することなく、混合物の外観が透明性を維持した状
態にあるものをいう。
【0037】より好ましい共重合体(B)は、炭素数1
〜7(さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜
2)のアルキル基を有する単量体と、炭素数8〜30
(さらに好ましくは8〜20、特に好ましくは10〜2
0)のアルキル基を有する単量体を、併用してなるもの
である。この場合、炭素数が小さいほうの単量体と、炭
素数が大きいほうの単量体は、重量比で、95:5〜4
0:60となるのが好ましく、90:10〜60:40
となるのがより好ましい。
【0038】ポリオキシアルキレン系重合体(A)と共
重合体(B)が、両者を混合しただけでは均一状態とな
らない場合、相溶性を向上させる成分を、ポリオキシア
ルキレン系重合体(A)と共重合体(B)の混合物に添
加することにより、当該混合物を実質的に均一状態とす
ることができる。これにより、ポリオキシアルキレン系
重合体(A)と共重合体(B)が相溶する場合と同様、
組成物の透明性や保存安定性が向上するとともに、良好
な諸特性を維持しつつ、引張物性を改善することができ
る。
【0039】相溶性を向上させる成分としては、ジイソ
デシルフタレート、ジイソウンデシルフタレート、ジオ
クチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジ
ルフタレートなどのフタル酸エステル類;アジピン酸ジ
オクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブチルな
どの脂肪族二塩基酸エステル類;ジエチレングリコール
ジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどの
グリコールエステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリ
シノール酸メチルなどの脂肪族エステル類;リン酸トリ
クレジル、リン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェ
ニルなどのリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポ
キシ化アマニ油、エポキシステアリン酸ベンジルなどの
エポキシ可塑剤類;2塩基酸と2価アルコールとのポリ
エステル類などのポリエステル系可塑剤;ポリプロピレ
ングリコールやその誘導体などのポリエーテル類;ポリ
−α−メチルスチレン、ポリスチレンなどのポリスチレ
ン類;ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリル
共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブ
テン、塩素化パラフィン類などが単独又は2種類以上の
混合物の形で任意に使用できるが、相溶化能力と安定
性、環境性への影響の面から、炭素数10個以上の炭化
水素基を有するフタル酸エステル類が好ましく、なかで
も入手性の面からジイソデシルフタレート(DID
P)、ジイソウンデシルフタレート(DIUP)が特に
好ましい。相溶化成分の量は、ポリオキシアルキレン系
重合体(A)と共重合体(B)との合計100重量部に
対し、5〜100重量部の範囲で使用すると好ましい結
果が得られる。
【0040】共重合体(B)の分子鎖は、実質的に、ア
クリル酸アルキルエステル単量体単位及びメタクリル酸
アルキルエステル単量体単位からなるが、ここでいう
「実質的に」とは、共重合体(B)中に存在するアクリ
ル酸アルキルエステル単量体単位及びメタクリル酸アル
キルエステル単量体単位の合計量が単量体単位総量のう
ち50重量%を超えることを意味する。好ましくは70
重量%以上である。
【0041】共重合体(B)は、アクリル酸アルキルエ
ステル単量体単位及びメタクリル酸アルキルエステル単
量体単位以外の単量体単位を含んでもよい。具体的に
は、アクリル酸、メタクリル酸などのアクリル酸;アク
リルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリ
ルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアミ
ド基、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ートなどのエポキシ基、ジエチルアミノエチルアクリレ
ート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、アミノエ
チルビニルエーテルなどのアミノ基を含む単量体;その
他アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、
アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、エチレンなどから誘導される単量体
単位が挙げられる。
【0042】共重合体(B)における反応性ケイ素基は
ポリオキシアルキレン系重合体(A)における反応性ケ
イ素基と同様の官能基である。
【0043】反応性ケイ素基は共重合体(B)1分子あ
たり平均して少なくとも1個存在するのが好ましく、よ
り好ましくは1.1〜5個、さらに好ましくは、1.1
〜3個存在する。共重合体(B)1分子中に含まれる反
応性ケイ素基の数が1個未満になると、硬化性が不十分
になり、良好なゴム弾性挙動を発現しにくくなる。反応
性ケイ素基は共重合体(B)分子鎖の末端に存在しても
よく、内部に存在してもよい。反応性ケイ素基が分子鎖
の末端に存在すると、最終的に形成される硬化物に含ま
れる共重合体(B)成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度、高伸びで、低弾性率を示すゴム状硬化物が
得られやすくなる。また、見掛け上反応性ケイ素基1個
当りの数平均分子量が300〜30,000になるよう
に存在することが好ましく、3,000〜20,000
になることがさらに好ましい。
【0044】本発明において、共重合体(B)の数平均
分子量(Mn)は10,000以上である。好ましくは
12,000以上であり、より好ましくは14,000
以上、さらに好ましくは、15,000以上である。こ
の範囲では、反応性ケイ素基を有するポリオキシアルキ
レン系重合体及び反応性ケイ素基を有する(メタ)アク
リル酸エステル系共重合体を含む組成物の良好な耐候性
などを維持しつつ、引張特性を改善することが可能にな
る。数平均分子量の上限は粘度や製造の容易さの面から
一般に100,000であり、好ましくは60,000
である。本発明において、共重合体(B)の数平均分子
量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により
ポリスチレン換算で求めた値である。
【0045】共重合体(B)は、ビニル重合、例えば、
ラジカル反応によるビニル重合を利用して製造すること
ができ、単量体混合物を通常の溶液重合法や塊重合法な
どにより重合させることにより得られる。具体的には、
単量体混合物及び必要によりラジカル開始剤などを、必
要に応じてn−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタンなどの連鎖移動剤とともに、50〜150℃
で反応させればよい。溶剤は使用してもよく、使用しな
くてもよいが、使用する場合はエーテル類、炭化水素
類、酢酸エステル類などの非反応性の溶剤が好ましい。
【0046】共重合体(B)に反応性ケイ素基を導入す
る方法としては種々のものがあるが、例えば、(イ)重
合性不飽和結合と反応性ケイ素基を有する化合物(例え
ばCH2=CHSi(OCH33)を、単量体混合物に
添加して共重合する方法、(ロ)重合性不飽和結合及び
反応性官能基(以下、Y基という)を有する化合物(例
えばアクリル酸)を単量体混合物に添加して共重合さ
せ、生成した共重合体を、反応性ケイ素基及びY基と反
応しうる官能基(以下、Y′基という)を有する化合物
(例えばイソシアネート基と−Si(OCH33基を有
する化合物)と反応させる方法などが挙げられる。
【0047】方法(イ)における重合性不飽和結合と反
応性ケイ素基を有する化合物としては、一般式(V)
【0048】
【化4】
【0049】(式中、R5は重合性不飽和結合を含む有
機基を表す。R2、X、a、b及びmは上記に同じ。)
で表される化合物が挙げられる。一般式(V)で表され
る化合物のうちで好ましいものは、一般式(VI)
【0050】
【化5】
【0051】(式中、R4、X及びnは上記に同じ。Q
は、−COOR6−(R6は、−CH2−、−CH2CH2
−などの炭素数1〜6の2価のアルキレン基)、−CH
264CH2CH2−、−CH2OCOC64COO(C
23−などの2価の有機基又は直接結合を表す。)で
表される化合物である。一般式(V)又は一般式(V
I)で示される化合物の具体例としては、例えば次に示
す化合物が挙げられる。
【0052】
【化6】
【0053】
【化7】
【0054】これら重合性不飽和結合と反応性ケイ素基
を有する化合物は種々の方法により合成されるが、例え
ば、アセチレン、アリルアクリレート、アリルメタクリ
レート、ジアリルフタレートなどと、メチルジメトキシ
シラン、メチルジクロルシランなどを、VIII族遷移
金属錯体触媒下で反応させることにより製造することが
できる。このような遷移金属錯体触媒としては、白金、
ロジウム、コバルト、パラジウム及びニッケルから選ば
れたVIII族遷移金属錯体化合物が有効に使用され
る。
【0055】方法(ロ)において、Y基及びY′基の組
合せの例としては種々の組合せがあるが、一例として、
Y基としてビニル基、Y′としてヒドロケイ素基(Si
−H基)の組合せが挙げられる。この場合、Y基とY′
基とはヒドロシリル化反応をおこし結合しうる。
【0056】重合性不飽和結合及びY基としてビニル基
を有する化合物としては、例えば、アクリル酸アリル、
メタクリル酸アリル、ジアリルフタレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリ
レート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ジビニル
ベンゼン、ブタジエンなどが挙げられる。
【0057】反応性ケイ素基及びY′基としてヒドロケ
イ素基を有する化合物の代表例としては、一般式(VI
I)
【0058】
【化8】
【0059】(式中、R2、X、a、b及びmは上記に
同じ。)で表されるヒドロシラン化合物が挙げられる。
一般式(VII)で示される化合物としては、例えば、
トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルク
ロロシラン、トリメチルシロキシジクロロシランなどの
ハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキ
シシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキ
シシラン、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチル
−1,1−ジメトキシテトラシロキサンなどのアルコキ
シシラン類;メチルジアセトキシシラン、トリメチルシ
ロキシメチルアセトキシシランなどのアシロキシシラン
類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビ
ス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラン、ビ
ス(ジエチルケトキシメート)トリメチルシロキシシラ
ンなどのケトキシメートシラン類;ジメチルシラン、ト
リメチルシロキシメチルシラン、1,1−ジメチル−
2,2−ジメチルジシロキサンなどのハイドロシラン
類;メチルトリ(イソプロペニルオキシ)シランなどの
アルケニルオキシシラン類などが挙げられる。
【0060】反応性ケイ素基及びY′基としてヒドロケ
イ素基を有する化合物として、安価な基礎原料から得ら
れる高反応性のハロゲン化シラン類が容易に使用でき
る。ハロゲン化シラン類を用いた場合、得られる共重合
体(B)は、空気中に暴露すると塩化水素を発生しなが
ら常温で速やかに硬化するが、塩化水素による刺激臭や
腐食に問題があり、限定された用途にしか実用上使用で
きない。従って、ハロゲン原子を他の加水分解性基や水
酸基に変換したものを共重合体(B)として用いること
が好ましい。加水分解性基としては、アルコキシル基、
アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアル
コキシ基、アミノ基などが挙げられる。
【0061】ハロゲン原子をアルコキシル基に変換する
方法としては、メタノール、エタノール、2−メトキシ
エタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル又はフェノールなどのアルコール類又はフェノール
類;アルコール類又はフェノール類のアルカリ金属塩;
オルトギ酸メチル、オルトギ酸エチルなどのオルトギ酸
アルキル類;などを反応させてハロゲン原子を置換する
方法などが挙げられる。
【0062】アシロキシ基に変換する方法としては、酢
酸、プロピオン酸、安息香酸などのカルボン酸類;カル
ボン酸類のアルカリ金属塩;などを反応させてハロゲン
原子を置換する方法などが挙げられる。
【0063】アミノキシ基に変換する方法としては、
N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチ
ルヒドロキシルアミン、N,N−メチルフェニルヒドロ
キシルアミン又はN−ヒドロキシピロリジンなどのヒド
ロキシルアミン類;ヒドロキシルアミン類のアルカリ金
属塩;などを反応させてハロゲン原子を置換する方法な
どが挙げられる。
【0064】チオアルコキシ基に変換する方法として
は、エチルメルカプタン、チオフェノールなどのチオア
ルコール又はチオフェノール類;チオアルコール又はチ
オフェノール類のアルカリ金属塩;などを反応させてハ
ロゲン原子を置換する方法などが挙げられる。
【0065】アミノ基に変換する方法としては、N,N
−ジメチルアミン、N,N−メチルフェニルアミン及び
ピロリジンなどの1級又は2級アミン類;1級又は2級
アミン類のアルカリ金属塩;などを反応させてハロゲン
原子を置換する方法などが挙げられる。
【0066】また、ハロゲン原子のみ他の加水分解性基
に変換するのではなく、他のアルコキシル基、アシロキ
シ基などの基も、必要に応じてアミノ基、アミノキシ基
などの加水分解性基や水酸基に変換することができる。
シリル基上の加水分解性基を他の加水分解性基に変換す
る温度は50〜150℃が適当である。また、これらの
交換反応は溶剤を使用しても、使用しなくても達成しう
るが、使用する場合は、エーテル類、炭化水素類、酢酸
エステル類などの不活性な溶剤が適当である。
【0067】本発明の硬化性組成物におけるポリオキシ
アルキレン系重合体(A)と共重合体(B)との比率は
特に限定されず、目的とする用途や性能に応じて適宜選
択されるが、一般的には、ポリオキシアルキレン系重合
体(A)100重量部に対して共重合体(B)が1〜1
00,000重量部である。好ましくは10〜1,00
0重量部であり、より好ましくは、10〜400重量部
である。
【0068】本発明の硬化性組成物には硬化促進剤を配
合してもよい。硬化促進剤としては特に限定されない
が、例えば、テトラブチルチタネート、テトラプロピル
チタネートなどのチタン酸エステル類;ジブチルスズジ
ラウレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジ
アセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズなどのス
ズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸
エステルとの反応物、ジブチルスズアセチルアセトナー
ト;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミ
ニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキ
シアルミニウムエチルアセトアセテートなどの有機アル
ミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセト
ナート、チタンテトラアセチルアセトナートなどのキレ
ート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチル
アミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミ
ン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミ
ン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグ
アニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザ
ビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)など
のアミン系化合物、又は、これらのアミン系化合物のカ
ルボン酸などとの塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とか
ら得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミン
とエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノ
プロピルメチルジメトキシシランなどのアミノ基を有す
るシランカップリング剤;などのシラノール縮合触媒、
さらには他の酸性触媒、塩基性触媒などの公知のシラノ
ール縮合触媒などが例示される。これらの触媒は単独で
使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0069】ポリオキシアルキレン系重合体(A)と共
重合体(B)との合計100重量部に対する硬化促進剤
の量は、0.1〜20重量部程度が好ましく、1〜10
重量部程度がさらに好ましい。硬化促進剤の使用量が少
なすぎると、硬化速度が遅くなることがあり、また硬化
反応が充分に進行しにくくなる場合がある。一方、硬化
促進剤の使用量が多すぎると、硬化時に局所的な発熱や
発泡が生じ、良好な硬化物が得られにくくなるので、好
ましくない。
【0070】本発明の硬化性組成物を使用するに際して
は、さらに必要に応じて、フュームシリカ、沈降性シリ
カ、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラックなど
の補強性充填剤;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタ
ン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸
化亜鉛、活性亜鉛華、水添ヒマシ油及びシラスバルーン
などの充填剤;石綿、ガラス繊維及びフィラメントなど
の繊維状充填剤;などの充填剤を適宜使用できる。特に
強度の高い硬化組成物を得たい場合には、主にフューム
シリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カー
ボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレ
ー、クレー、及び活性亜鉛華などから選ばれる充填剤を
ポリオキシアルキレン系重合体(A)と共重合体(B)
との合計100重量部に対し、1〜100重量部の範囲
で使用すれば好ましい結果が得られる。また、低強度で
伸びが大である硬化組成物を得たい場合には、主に酸化
チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、
酸化第二鉄、酸化亜鉛、及びシラスバルーンなどから選
ばれる充填剤をポリオキシアルキレン系重合体(A)と
共重合体(B)との合計100重量部に対し5〜200
重量部の範囲で使用すれば好ましい結果が得られる。も
ちろんこれら充填剤は1種類のみで使用してもよいし、
2種類以上混合使用してもよい。
【0071】本発明の硬化性組成物においては、可塑性
を充填剤と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくで
きたり、多量の充填剤を混入できたりするのでより有効
である。この可塑剤としては、ジオクチルフタレート、
ジイソデシルフタレート、ジイソウンデシルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートな
どのフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハ
ク酸イソデシル、セバシン酸ジブチルなどの脂肪族二塩
基酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエー
ト、ペンタエリスリトールエステルなどのグリコールエ
ステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メ
チルなどの脂肪族エステル類;リン酸トリクレジル、リ
ン酸トリオクチル、リン酸オクチルジフェニルなどのリ
ン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ
油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑
剤類;2塩基酸と2価アルコールとのポリエステル類な
どのポリエステル系可塑剤;ポリプロピレングリコール
やその誘導体などのポリエーテル類;ポリ−α−メチル
スチレン、ポリスチレンなどのポリスチレン類;ポリブ
タジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポ
リクロロプレン、ポリイソプレン、ポリブテン、塩素化
パラフィン類、アクリル系重合体などの可塑剤が単独又
は2種類以上の混合物の形で任意に使用できる。
【0072】本発明において、可塑剤の選定は価格、入
手性、作業性その他実用特性により決定される。価格、
入手性と薄層部の白化現象等耐候性を重視する場合は、
ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイ
ソウンデシルフタレートなどのフタル酸エステル類が好
ましい。硬化性組成物硬化後の表面へのホコリ付着や表
面に塗布された塗料の軟化等を改善するためには、ポリ
プロピレングリコール等高分子量可塑剤、特に、効果の
面から分子量2000以上のポリオキシプロピレン系重
合体、場合によっては、末端をアリル基等で封鎖された
ものが好ましい。長期耐候性を得るためには、アクリル
系重合体、特に、入手性の面から、東亞合成(株)製U
P−1000、1010、1020等は好ましい。
【0073】可塑剤量は、ポリオキシアルキレン系重合
体(A)と共重合体(B)との合計100重量部に対
し、0〜100重量部の範囲で使用すると好ましい結果
が得られる。
【0074】更に、必要に応じて、接着性改良剤、物性
調整剤、保存安定性改良剤、老化防止剤、紫外線吸収
剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、ア
ミン系ラジカル連鎖禁止剤、リン系過酸化物分解剤、滑
剤、顔料、発泡剤などの各種添加剤を適宜添加すること
が可能である。
【0075】本発明の硬化性組成物の調製法には特に限
定はなく、例えば上記した成分を配合し、ミキサーやロ
ールやニーダーなどを用いて常温又は加熱下で混練した
り、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合し
たりするなどの通常の方法が採用されうる。また、これ
ら成分を適当に組合わせることにより、1液型や2液型
の配合物を作り使用することもできる。
【0076】本発明の硬化性組成物は、大気中に暴露す
ると水分の作用により、三次元的に網状組織を形成し、
ゴム状弾性を有する固体へと硬化する。本発明の硬化性
組成物は、弾性シーリング剤、特に建築用シーリング
材、サイディングボード用シーリング材、又は、グレー
ジング用シーリング材として特に有用であり、建造物、
船舶、自動車、道路などの密封剤として使用し得る。更
に、単独又はプライマーの助けをかりて、ガラス、磁
器、木材、金属、樹脂成形物などの広範囲の基質に密着
し得るので、種々のタイプの密封組成物及び接着組成物
としても使用可能である。接着剤としては、1液接着
剤、2液接着剤、オープンタイム後に接着するコンタク
ト接着剤、粘着剤などに使用でき、更に、塗料、塗膜防
水剤、食品包装材料、注型ゴム材料、型取り用材料、発
泡材料としても有用である。
【0077】本発明の硬化性組成物は、建築用シーリン
グ材、サイディングボード用シーリング材として使用す
る場合、得られる硬化物のダンベル引張時の100%モ
ジュラスが0.4MPa以下であるか、得られる硬化物
の破断時伸びが500%以上であることが好ましい。2
つの条件を同時に満たすものがより好ましい。ここでい
う硬化物のダンベル引張時の100%モジュラス、破断
時伸びとは、JISK6251記載に準拠し、2〜4m
mの硬化物シートをダンベル状3号形に打ちぬいたもの
を200mm/minのクロスヘッド速度で引張試験を
実施した際の標線間100%時の応力、および、試験片
破断時の伸びにより示される。
【0078】当該硬化性組成物の100%モジュラスが
0.4MPaより高いか、破断時伸びは500%より少
ない場合、特にサイディングボード用シーリング材とし
て用いた場合、基材部分の伸縮により接着面が剥がれた
り、シール部分は破断する可能性が高くなる。100%
モジュラスの下限は、実用上の問題から0.05MP
a、破断時伸びの上限は(A)成分および(B)成分の
分子設計の見地から、2000%である。
【0079】当該硬化性組成物の100%モジュラス、
破断時伸びは、本発明記載の(A)成分および(B)成
分の分子設計に加え、他の配合成分、特に、充填材、可
塑材等との組み合わせにより、他の実用特性とのバラン
スを取りながら設定することが可能である。
【0080】本発明の硬化性組成物を建築用シーリング
材、サイディングボード用シーリング材として使用する
場合、得られる硬化物のサンシャイン促進耐候性試験機
による促進耐候性試験2000時間曝露により、硬化物
表面へのクラック発生が見られないことが好ましい。さ
らに、得られる硬化物のサンシャイン促進耐候性試験機
による促進耐候性試験2000時間曝露により、硬化物
表面へのクラック発生が見られず、かつ、得られる硬化
物のダンベル引張時の100%モジュラスが0.4MP
a以下であるか、得られる硬化物の破断時伸びが500
%以上であることが好ましい。ここでいうクラック発生
とは、無荷重無変形状態でシートを曝露した後、表面状
態を肉眼で確認し、明確なクラックが存在している場合
を示す。
【0081】サンシャイン促進耐候性試験機による促進
耐候性試験2000時間曝露により硬化物表面へのクラ
ックが発生する場合は、高耐候性サイディングボードの
シール部としての美観を損ねる可能性が高くなる。
【0082】当該硬化性組成物の耐候性は、(A)成分
および(B)成分の分子設計に加え、他の配合成分、特
に老化防止材、紫外線吸収剤等との組み合わせにより、
他の実用特性とのバランスを取りながら設定することが
可能である。
【0083】本発明の硬化性組成物を、特に、建築用シ
ーリング材、サイディングボード用シーリング材として
使用する場合、得られる硬化物の加熱圧縮復元率10%
以下であることが好ましい。さらに、加熱圧縮復元率1
0%以下であり、かつ、得られる硬化物のダンベル引張
時の100%モジュラスが0.4MPa以下であるか、
得られる硬化物の破断時伸びが500%以上であること
が好ましい。ここでいう加熱圧縮復元率とは、JIS
A 5758、および、1439の耐久性評価項に準拠
して、90℃にて1サイクル実施後、常温で1日放置後
に測定した数字を用いて、下記(1)式にて算出され
る。 加熱圧縮復元率=(L2−L1/L0−L1)×100 (1) ここで、 L0:加熱圧縮前のシーリング材の圧縮方向の厚み L1:加熱圧縮時のシーリング材の圧縮方向の厚み L2:JISA5758耐久性9030試験を1サイク
ル実施後、常温で1日間放置後のシーリング材の圧縮方
向の厚み 加熱圧縮復元率は%で表わされる。
【0084】加熱圧縮復元率が10%より高い場合、サ
イディングボード目地の特異な動き、すなわち、サイデ
ィングボードの乾燥に伴う収縮による一定方向への動き
等により剥離トラブルが発生する可能性が高くなる。
【0085】当該硬化性組成物の加熱圧縮復元率は、
(A)成分および(B)成分の分子設計に加え、他の配
合成分、特に硬化触媒等との組み合わせにより、他の実
用特性とのバランスを取りながら設定することが可能で
ある。
【0086】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0087】(合成例1)主鎖骨格が複合金属シアン化
物錯体触媒を用いて得られた、アリルエーテル基を分子
末端に導入した数平均分子量約19,000のポリオキ
シプロピレン800gを攪拌機付耐圧反応容器に入れ、
メチルジメトキシシランと塩化白金酸触媒(塩化白金酸
六水和物)1×10-4[eq/ビニル基]を加え、90
℃で2時間反応させた。末端官能化率は約77%であっ
た(ポリマーA)。
【0088】(合成例2)アリルエーテル基を分子末端
に導入した数平均分子量約10,000のポリオキシプ
ロピレン800gを攪拌機付耐圧反応容器に入れメチル
ジメトキシシランと塩化白金酸触媒(塩化白金酸六水和
物)1×10-4[eq/ビニル基]を加え、90℃で2
時間反応させた。末端官能化率は約60%であった(ポ
リマーB)。
【0089】(合成例3)110℃に加熱したトルエン
50g中に、アクリル酸ブチル68g、メタクリル酸メ
チル10g、メタクリル酸ステアリル20g、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン2g、和光
純薬製V−59 0.5g、トルエン20gを溶かした
溶液を4時間かけて滴下することにより、数平均分子量
が約18,000の共重合体(ポリマーC)のトルエン
溶液を得た。
【0090】(合成例4)110℃に加熱したトルエン
50g中に、アクリル酸ブチル68g、メタクリル酸メ
チル10g、メタクリル酸ステアリル20g、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン2g、和光純薬
製V−59 0.5g、トルエン20gを溶かした溶液
を4時間かけて滴下することにより、数平均分子量が約
18,000の共重合体(ポリマーD)のトルエン溶液
を得た。
【0091】(合成例5)110℃に加熱したトルエン
50g中に、アクリル酸ブチル68g、メタクリル酸メ
チル10g、メタクリル酸ステアリル20g、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン2g、和光
純薬製V−59 1.0g、トルエン20gを溶かした
溶液を4時間かけて滴下することにより、数平均分子量
が約13,000の共重合体(ポリマーE)のトルエン
溶液を得た。
【0092】(合成例6)110℃に加熱したトルエン
50g中に、アクリル酸ブチル62g、メタクリル酸メ
チル10g、メタクリル酸ステアリル20g、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン8g、和光
純薬製V−59 2.2g、トルエン20gを溶かした
溶液を4時間かけて滴下することにより、数平均分子量
が約8,000の共重合体(ポリマーF)のトルエン溶
液を得た。
【0093】(合成例7)110℃に加熱したトルエン
50g中に、アクリル酸ブチル58g、メタクリル酸メ
チル10g、メタクリル酸ステアリル20g、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン12g、和
光純薬製V−59 5g、トルエン20gを溶かした溶
液を4時間かけて滴下することにより、数平均分子量が
約5,000の共重合体(ポリマーG)のトルエン溶液
を得た。
【0094】(合成例8)110℃に加熱したトルエン
50g中に、アクリル酸ブチル88g、メタクリル酸メ
チル10g、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン2g、和光純薬製V−59 0.5g、トル
エン20gを溶かした溶液を4時間かけて滴下すること
により、数平均分子量が約18,000の共重合体(ポ
リマーH)のトルエン溶液を得た。
【0095】(合成例9)110℃に加熱したトルエン
50g中に、アクリル酸ブチル98g、γ−メタクリロ
キシプロピルメチルジメトキシシラン2g、和光純薬製
V−59 0.3g、トルエン20gを溶かした溶液を
4時間かけて滴下することにより、数平均分子量が約1
4,000の共重合体(ポリマーI)のトルエン溶液を
得た。
【0096】(合成例10)110℃に加熱したトルエ
ン50g中に、アクリル酸ブチル90g、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン10g、和光純
薬製V−59 5g、トルエン20gを溶かした溶液を
4時間かけて滴下することにより、数平均分子量が約
5,000の共重合体(ポリマーJ)のトルエン溶液を
得た。
【0097】(実施例1)(A)成分である合成例1で
得られたポリマーAと(B)成分である合成例3で得ら
れたポリマーCのトルエン溶液を固形分比(重量比)5
0/50でブレンドし、加熱減圧下でトルエンを除去す
ることにより、透明な粘稠な液体を得た。
【0098】この混合物100gに対し、DIDP(ジ
イソデシルフタレート) 55g、コロイド炭酸カルシ
ウム120g、重質炭酸カルシウム20g、酸化チタン
20g、アマイドワックス2g、カーボンブラック0.
5g、チバガイギー製チヌビン327 1g、三共製サ
ノールLS770 1g、日本ユニカー製A−1712
g、日本ユニカー製A−1120 3g、日東化成ネオ
スタンU−2202gを混合して、その配合物から厚さ
3mmのシートを作成し、23℃で3日放置した後、5
0℃で4日間加熱し、ゴム状シートを得た。ゴム状シー
トから、JIS3号ダンベルを打ち抜き、引張物性を測
定し、100%モジュラスと破断時伸びを測定した結果
を表1に示した。
【0099】(実施例2)(A)成分である合成例1で
得られたポリマーAと(B)成分である合成例3で得ら
れたポリマーCのトルエン溶液を固形分比(重量比)7
0/30でブレンドし、加熱減圧下でトルエンを除去す
ることにより、透明な粘稠な液体を得た。実施例1と同
様の方法で評価した結果を表1に示した。
【0100】(実施例3〜8)、(比較例1〜3) 表1記載の(A)成分、(B)成分を用いて、実施例1
と同様の方法で評価した結果を表1に示した。
【0101】
【表1】
【0102】(参考例1)(A)成分である合成例1で
得られたポリマーAと(B)成分である合成例8で得ら
れたポリマーHのトルエン溶液を固形分比(重量比)7
0/30でブレンドし、加熱減圧下でトルエンを除去し
た結果、白濁した。
【0103】(実施例9)(A)成分である合成例1で
得られたポリマーAと(B)成分である合成例8で得ら
れたポリマーHのトルエン溶液とDIDPを固形分比
(重量比)70/30/55でブレンドし、加熱減圧下
でトルエンを除去した結果、透明な粘稠な液体を得た。
【0104】この混合物155gに対し、コロイド炭酸
カルシウム120g、重質炭酸カルシウム20g、酸化
チタン20g、アマイドワックス2g、カーボンブラッ
ク0.5g、チバガイギー製チヌビン327 1g、三
共製サノールLS770 1g、日本ユニカー製A−1
71 2g、日本ユニカー製A−1120 3g、日東
化成ネオスタンU−220 2gを混合して、その配合
物から厚さ3mmのシートを作成し、23℃で3日放置
した後、50℃で4日間加熱し、ゴム状シートを得た。
ゴム状シートから、JIS3号ダンベルを打ち抜き、引
張物性を測定し、100%モジュラスと破断時伸びを測
定した結果を表2に示した。
【0105】(参考例2)(A)成分である合成例1で
得られたポリマーAと(B)成分である合成例9で得ら
れたポリマーIのトルエン溶液を固形分比(重量比)7
0/30でブレンドし、加熱減圧下でトルエンを除去し
た結果、白濁した。
【0106】(実施例10)(B)成分である合成例9
で得られたポリマーIのトルエン溶液とDIDPを固形
分比(重量比)30/55でブレンドし、加熱減圧下で
トルエンを除去した混合物85重量部を、さらに(A)
成分である合成例1で得られたポリマーA70重量部と
混合することにより透明な粘稠な液体を得た。
【0107】この混合物155gに対し、実施例9と同
様の配合で測定した結果を表2に示した。
【0108】(実施例11)(A)成分である合成例1
で得られたポリマーAと(B)成分である合成例9で得
られたポリマーIのトルエン溶液とを固形分比(重量
比)85/15でブレンドし、加熱減圧下でトルエンを
除去し、ついで、DIUP(ジイソウンデシルフタレー
ト)をポリマーAとポリマーIとの混合物100重量部
に対し55重量部添加し、加熱混合することにより透明
な粘稠な液体を得た。
【0109】この混合物155gに対し、実施例9と同
様の配合で測定した結果を表2に示した。
【0110】(比較例4)(A)成分である合成例1で
得られたポリマーAと(B)成分である合成例10で得
られたポリマーJのトルエン溶液とDIDPを固形分比
(重量比)85/15/55でブレンドし、加熱減圧下
でトルエンを除去した結果、透明な粘稠な液体を得た。
【0111】この混合物155gに対し、実施例9と同
様の配合で測定した結果を表2に示した。
【0112】
【表2】
【0113】(実施例12)実施例1で得た厚さ3mm
のゴム状シートを、スガ試験機製サンシャイン促進耐候
性試験機を用いて、促進耐候性試験2000時間曝露し
た後、肉眼で劣化状況を確認したが、クラックの発生は
見られなかった。
【0114】(実施例13)実施例2で得た厚さ3mm
のゴム状シートを、実施例12と同様の方法で、促進耐
候性試験2000時間曝露した後、肉眼で劣化状況を確
認したが、クラックの発生は見られなかった。
【0115】(実施例14)実施例4で得た厚さ3mm
のゴム状シートを、実施例12と同様の方法で、促進耐
候性試験2000時間曝露した後、肉眼で劣化状況を確
認したが、クラックの発生は見られなかった。
【0116】(比較例5)(B)成分を用いず、(A)
成分としてポリマーBのみ用いて、実施例1と同様の方
法で得た厚さ3mmのゴム状シートを、実施例12と同
様の方法で、促進耐候性試験2000時間曝露した後、
肉眼で劣化状況を確認した結果、シート表面に細かいク
ラックの発生が見られた。
【0117】(実施例15)実施例1の組成物のJIS
A5758の9030に基づく加熱圧縮復元率を測定
した結果、−1%であった。
【0118】(実施例16)実施例4の組成物のJIS
A5758の9030に基づく加熱圧縮復元率を測定
した結果、−2%であった。
【0119】(実施例17)(A)成分である合成例1
で得られたポリマーAと(B)成分である合成例3で得
られたポリマーCのトルエン溶液を固形分比(重量比)
70/30でブレンドし、加熱減圧下でトルエンを除去
することにより得られた透明な粘稠な液体100gに対
し、数平均分子量3,000のポリプロピレングリコー
ル(武田薬品(株)製アクトコールP−23) 55
g、コロイド炭酸カルシウム120g、重質炭酸カルシ
ウム20g、酸化チタン20g、アマイドワックス2
g、カーボンブラック0.5g、チバガイギー製チヌビ
ン327 1g、三共製サノールLS770 1g、日
本ユニカー製A−171 2g、日本ユニカー製A−1
120 3g、日東化成ネオスタンU−220 2gを
混合して、その配合物から厚さ3mmのシートを作成
し、23℃で3日放置した後、50℃で4日間加熱し、
ゴム状シートを得た。ゴム状シートから、JIS3号ダ
ンベルを打ち抜き、引張物性を測定し、100%モジュ
ラスと破断時伸びを測定した結果を表3に示した。同様
にして作製した配合物シートを23℃で3日放置した
後、シート上に水性塗料(日本ペイント(株)製水性ト
ップ)を塗布し、23℃でさらに放置し、塗料表面の状
態を、指触によるタックにより評価した結果を表3に示
した。また、この組成物を250μmのシート状として
硬化サンプルを作製して、サンシャインウェザオメータ
ーによる促進耐候性を行ない、表面が白化するまでの時
間を目視により調べ、表3に示した。 (実施例18)実施例17のうち、ポリプロピレングリ
コールのかわりに、DIDPを用いた以外は、実施例1
7と同様配合で測定した結果を表3に示した。
【0120】以上の結果から、実施例1〜8の組成物
は、比較例1〜3の組成物と比較して、透明性は同程度
を達成しているにも関わらず、モジュラスと破断時伸び
という引張特性が大きく向上していることが分かる。ま
た、実施例12〜14は、比較例5の組成物と比較し
て、高い耐候性を示していることが分かる。さらに、実
施例15、16の結果、加熱圧縮復元率は10%以下で
あることが分かる。
【0121】また、参考例1〜2および実施例9〜11
の結果から、成分(A)と成分(B)だけでは相溶せ
ず、さらに相溶化成分を添加することにより透明性を確
保した場合においても、比較例4の組成物に比較して、
モジュラスと破断時伸びが向上することが分かる。
【0122】
【表3】
【0123】
【発明の効果】本発明は、上述の構成よりなるので、反
応性ケイ素基を有するポリオキシアルキレン系重合体と
反応性ケイ素基を有する(メタ)アクリル系共重合体を
含有する硬化性組成物において、良好な諸特性(特に耐
候性)を維持しつつ、引張特性を改善することができ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H017 AA04 AA24 AA25 AA29 AA31 AB01 AB17 AC01 AC04 AD05 AE03 4J002 BG07X CH05W FD010 FD020 FD150 GJ02 4J031 AA20 AA53 AB01 AC13 AD01 AE11 AE15 AF13

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シロキサン結合を形成することによって
    架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキ
    レン系重合体(A)、並びに、シロキサン結合を形成す
    ることによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分
    子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又
    はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる共
    重合体(B)、を含有する硬化性組成物であって、共重
    合体(B)の数平均分子量が10,000以上であるこ
    とを特徴とする硬化性組成物。
  2. 【請求項2】 共重合体(B)が、シロキサン結合を形
    成することによって架橋しうるケイ素含有官能基を一分
    子中に平均1個以上有するものである請求項1記載の硬
    化性組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオキシアルキレン系重合体(A)
    が、シロキサン結合を形成することによって架橋しうる
    ケイ素含有官能基を一分子中に平均1個以上有するもの
    である請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】 ポリオキシアルキレン系重合体(A)と
    共重合体(B)が、両者を混合した場合に実質的に均一
    状態となるものである請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】 ポリオキシアルキレン系重合体(A)
    が、数平均分子量が15,000以上のものである請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 共重合体(B)のアクリル酸アルキルエ
    ステル単量体単位及びメタクリル酸アルキルエステル単
    量体単位のうち、少なくとも1種が、炭素数8以上のア
    ルキル基を有する単量体単位である請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】 得られる硬化物のダンベル引張時の10
    0%モジュラスが0.4MPa以下、及び/又は、得ら
    れる硬化物の破断時伸びが500%以上である請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】 シロキサン結合を形成することによって
    架橋しうるケイ素含有官能基を有するポリオキシアルキ
    レン系重合体(A)、並びに、シロキサン結合を形成す
    ることによって架橋しうるケイ素含有官能基を有し、分
    子鎖がアクリル酸アルキルエステル単量体単位及び/又
    はメタクリル酸アルキルエステル単量体単位からなる共
    重合体(B)、を含有する硬化性組成物であって、得ら
    れる硬化物のダンベル引張時の100%モジュラスが
    0.4MPa以下、及び/又は、得られる硬化物の破断
    時伸びが500%以上であることを特徴とする硬化性組
    成物。
  9. 【請求項9】 得られる硬化物の加熱圧縮復元率10%
    以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の硬化性組成物。
  10. 【請求項10】 得られる硬化物のサンシャイン促進耐
    候性試験機による促進耐候性試験2000時間曝露によ
    り、硬化物表面へのクラック発生が見られないことを特
    徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組
    成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の硬化性組成物からなる建築用シーリング材。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の硬化性組成物からなるサイディングボード用シーリン
    グ材。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の硬化性組成物からなるグレージング用シーリング材。
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