JP2003220640A - 長尺状樹脂成形部材 - Google Patents

長尺状樹脂成形部材

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JP2003220640A JP2002020038A JP2002020038A JP2003220640A JP 2003220640 A JP2003220640 A JP 2003220640A JP 2002020038 A JP2002020038 A JP 2002020038A JP 2002020038 A JP2002020038 A JP 2002020038A JP 2003220640 A JP2003220640 A JP 2003220640A
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誉久 鈴木
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正 佐藤
Hideto Hiyori
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被装着物の平滑面に弾性変形して圧接された
際に高い摩擦力が得られるような平滑性に優れる係止部
を備えた長尺状樹脂成形部材を提供すること。 【解決手段】 本発明によって提供される長尺状樹脂成
形部材(14)は、長尺状の本体部(20)と、被装着物(2)の
所定部位(6)に取り付けられた際に少なくとも一部が弾
性変形し得る形状で該本体部と一体に形成され、その変
形による弾発力によって該被装着物の所定部位に圧接さ
れる係止部(27,28)とを有しており、少なくともその係
止部は以下の(a)〜(e)の成分:(a)ポリオレフ
ィン樹脂;(b)エチレン−αオレフィン系共重合体ゴ
ム;(c)軟化剤;(d)プロピレン−αオレフィン共
重合体;及び(e)架橋剤;を配合して成るオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物から形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、自動車等の車両
や建築物に装着される長尺状の樹脂成形部材に関する。
【0002】
【従来の技術】 近年、環境問題の高まりやリサイクル
性の観点から、自動車等の車両や建築物に装着される長
尺状樹脂成形部材として、ポリ塩化ビニル樹脂等の塩素
含有樹脂に代わってオレフィン系熱可塑性エラストマー
が広く利用されるようになってきている。例えば、特開
2001−171439号公報には、オレフィン系熱可
塑性エラストマーから成る自動車内装表皮材が開示され
ている。特開2001−232723号公報には、オレ
フィン系熱可塑性エラストマーから成る自動車用ガラス
ランチャンネルが開示されている。
【0003】かかる長尺状樹脂成形部材の中には、当該
部材の一部分が弾性変形し得る形状に形成され、当該部
分(以下「係止部」という)が弾性変形して被装着物側
に圧接された状態で被装着物の所定部位に取付けられる
ものがある。この種の樹脂成形部材としては、種々の車
両装着用トリム材(ウェザーストリップを包含する)、
モールディング、建築用目地材等がある。
【0004】しかし、従来、かかる係止部をオレフィン
系熱可塑性エラストマーで構成した場合、次のような問
題があった。従来のオレフィン系熱可塑性エラストマー
構成部分の表面は平滑性に乏しく、微視的にみて粗化さ
れた状態である。すなわち、被装着物における微視的平
滑面(例えばアクリル樹脂系塗料等によって塗装された
表面)に対する当該構成部分の密着性が低かった。この
ため、摩擦力(静止摩擦)が充分ではなく、当該エラス
トマー構成部分(係止部)を弾性変形により被装着物の
平滑面に圧接(圧着)させるのみでは、長尺状樹脂成形
部材の安定した取付け状態を保つのが難しかった。従っ
て、車両等の被装着物に長尺状樹脂成形部材をしっかり
と固定して装着したい場合には、係止部を被装着物の所
定部位に圧接させることに加えて所定の装着部位から長
尺状樹脂成形部材が外れたり位置ずれしたりするのを防
止するため、何らかの追加的固定手段(例えば接着剤の
塗布や螺子その他のストッパー部材の取付け)を別途設
ける必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 そこで、かかるオレ
フィン系熱可塑性エラストマー構成部分を有する従来の
長尺状樹脂成形部材に関する上述の問題点を解決すべく
本発明は創出されたものである。本発明の目的とすると
ころは、被装着物の微視的平滑面(上記塗装面等)に対
して弾性変形して圧接された際に高い摩擦力が得られる
ような平滑性に優れる係止部を備えた長尺状樹脂成形部
材を提供することである。また、そのような長尺状樹脂
成形部材を車両(車体パネル等)や建築物(建築パネル
等)に取り付けて成る構造体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】 上記課
題を解決すべく提供される請求項1の発明は、長尺状の
本体部と、被装着物の所定部位に取り付けられた際に少
なくとも一部が弾性変形し得る形状で該本体部と一体に
形成され、その変形による弾発力によって該被装着物の
所定部位に圧接される係止部とを有する長尺状樹脂成形
部材である。そして、少なくともその係止部は以下の
(a)〜(e)の成分、即ち(a)ポリオレフィン樹
脂、(b)エチレン−αオレフィン系共重合体ゴム、
(c)軟化剤、(d)プロピレン−αオレフィン共重合
体、及び(e)架橋剤を配合して成るオレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物から形成されている。
【0007】この長尺状樹脂成形部材では、上記組成の
オレフィン系熱可塑性エラストマーによって係止部が構
成された結果、当該係止部表面の平滑性に優れる。この
ため、両者の間の実質的な接触面積の減少が小さくな
り、被装着物の平滑面(例えばアクリル樹脂系塗料等に
よって塗装された表面)に当該係止部が圧接された際、
当該被装着物の平滑面と係止部表面との間に高い摩擦力
(静止摩擦)を生じさせることができる。従って、請求
項1の長尺状樹脂成形部材によると、被装着物の平滑面
に対して上記係止部を適当な摩擦力が発生するように弾
性変形させた状態で圧接することによって、弾性変形に
基づく弾発力(元の形状に戻ろうとする弾性復元力)と
摩擦力(静止摩擦)とによる強固な密着状態を当該圧接
部分において形成することができる。このため、かかる
係止部の圧接によって所定の装着部位から外れたり長手
方向に位置ずれすることのない取付け状態を実現するこ
とができる。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1の長尺
状樹脂成形部材において、前記オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物は、以下の(a)と(b)と(c)の
成分の合計を100重量部として、(a)ポリオレフィ
ン樹脂15〜40重量部、(b)エチレン−αオレフィ
ン系共重合体ゴム30〜50重量部、及び(c)軟化剤
20〜55重量部を含み、さらに(d)プロピレン−α
オレフィン共重合体が0.1〜15重量部配合されたも
のである。かかる構成の請求項2の長尺状樹脂成形部材
によると、表面の平滑性に優れる係止部を提供すること
ができる。
【0009】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
の長尺状樹脂成形部材において、前記(a)ポリオレフ
ィン樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とす
る。かかる構成の請求項3の長尺状樹脂成形部材による
と、表面の平滑性に優れた係止部を提供することができ
る。
【0010】また、請求項4の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の長尺状樹脂成形部材において、前記係
止部の表面粗さ(Rmax)を8μm以下としたもので
ある。かかる構成の請求項4の長尺状樹脂成形部材によ
ると、表面の平滑性により優れる係止部を提供すること
ができる。
【0011】また、請求項5の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載の長尺状樹脂成形部材において、前記長
尺状本体部及び係止部が押出成形によって製造され、前
記係止部と本体部の略全体が前記オレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物から成る押出成形物であることを特
徴とする。かかる構成の請求項5の長尺状樹脂成形部材
では、長尺状本体部の略全体に亘って平滑性に優れる表
面が形成され得る。平滑性に優れる結果、本体部の光沢
が向上する。従って、請求項5の長尺状樹脂成形部材に
よると、請求項1〜4のいずれか一の長尺状樹脂成形部
材の奏する効果に加えて、当該部材を装着した部分(特
に外部に露出して目視される本体部の一部)の装飾性及
び美観を向上させることができる。
【0012】また、本構成の長尺状樹脂成形部材は、押
出成形によって製造されるところ、上記構成のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物を押出成形用樹脂材料
とする結果、いわゆる目ヤニ(即ち押出ダイの押出口縁
に蓄積付着する樹脂等の残りかす)の発生量を低減する
ことができる。このため、押出成形されている本体部の
表面に不定期的に目ヤニが付着するのを低減することが
できる。従って、請求項5の長尺状樹脂成形部材による
と、付着した目ヤニを除去するときに生じる本体部表面
の外観悪化を未然に防止することができる。また、押出
成形時に目ヤニによる不具合(特に押出ダイの下流に位
置するサイジングでの詰まり)を防げる。
【0013】また、本発明によると、上述した請求項1
〜5のいずれか一の長尺状樹脂成形部材であって、以下
に列挙するような形態・用途の長尺状樹脂成形部材を提
供することができる。請求項6の発明は、車体の窓枠に
装着されるガラスラン材として形成された請求項1〜5
のいずれか一の長尺状樹脂成形部材である。そのガラス
ラン材の長尺状本体部は、窓ガラスの縁部を挟み込むた
めのチャンネル(溝)が長手方向に形成された形状であ
る。また、前記係止部は、窓枠内に前記本体部が嵌め込
まれた際に弾性変形した状態で該窓枠の内壁面に圧接さ
れて窓枠から抜け止めされる形状の抜止め片として該本
体部に一体に形成されている。
【0014】本構成の長尺状樹脂成形部材(ガラスラン
材)によると、請求項1〜5のいずれか一の長尺状樹脂
成形部材の奏する効果に加えて、ガラスラン材としての
特有の効果、すなわち上記抜け止め形状の係止部を弾性
変形した状態で窓枠の内壁面に圧接することによって、
当該ガラスラン材が窓枠から外れたり長手方向に位置ず
れしたりするのを防止する、という効果を得ることがで
きる。
【0015】また、本発明によって、上記ガラスラン材
を構成要素とする組立体が提供される。すなわち、請求
項7の発明は、車体の窓枠に装着され、窓ガラスの縁部
を挟み込むチャンネルを形成する長尺状本体部を有する
少なくとも二つのガラスラン材と、該ガラスラン材の端
末同士を長手方向に連結するジョイント材であって該窓
枠のコーナー部分に取付けられる少なくとも一つのジョ
イント材とを備えるガラスラン組立体である。そして、
前記ガラスラン材の少なくとも一つが上述した請求項6
の長尺状樹脂成形部材(ガラスラン材)によって構成さ
れている。
【0016】本構成のガラスラン組立体によると、当該
組立体の主要部たるガラスラン材として上述の本発明に
係るガラスラン材が用いられている結果、上記抜け止め
形状の係止部を弾性変形した状態で窓枠の内壁面に圧接
することによって、当該ガラスラン材が窓枠から外れた
り位置ずれしたりするのを防止することができる。な
お、上述した何れかの請求項の長尺状樹脂成形部材が奏
する効果は当然に当該請求項の長尺状樹脂成形部材をガ
ラスラン材として含む組立体においても得られ得る。
【0017】請求項8の発明は、車体の開口部の周縁に
装着されるトリム材として形成された請求項1〜5のい
ずれか一の長尺状樹脂成形部材である。そのトリム材の
長尺状本体部は、該車体の開口部周縁に設けられた突縁
部を挟み込むための溝が長手方向に形成された形状であ
る。また、前記係止部は、前記溝に前記突縁部が挟み込
まれた際に弾性変形した状態で該突縁部の表面を圧接し
て挟持する形状で該本体部に一体に形成されている。
【0018】本構成の長尺状樹脂成形部材(トリム材)
によると、請求項1〜5のいずれか一の長尺状樹脂成形
部材の奏する効果に加えて車体装着用トリム材としての
特有の効果、すなわち上記突縁部を挟持し得る形状の係
止部を弾性変形した状態で当該突縁部に圧接することに
よって、当該トリム材が開口部周縁の所定の装着位置か
ら外れたり位置ずれしたりするのを防止する、という効
果を得ることができる。
【0019】請求項9の発明は、車体に形成された溝に
装着されるモール材として形成された請求項1〜5のい
ずれか一の長尺状樹脂成形部材である。そのモール材の
長尺状本体部の少なくとも一部は長手方向に亘って該溝
に嵌め込まれる形状である。また、前記係止部は、前記
溝に前記本体部の少なくとも一部が嵌め込まれた際に弾
性変形した状態で該溝の内壁面に圧接され得る形状で該
本体部に一体に形成されている。
【0020】本構成の長尺状樹脂成形部材(モール材)
によると、請求項1〜5のいずれか一の長尺状樹脂成形
部材の奏する効果に加えて車体装着用モール材としての
特有の効果、すなわち上記溝内で弾性変形し得る形状の
係止部を弾性変形した状態で上記溝の内壁面に圧接する
ことによって、当該モール材が当該溝から外れたり位置
ずれしたりするのを防止する、という効果を得ることが
できる。
【0021】請求項10の発明は、建築用パネルの端面
間の目地に装着される目地材として形成された請求項1
〜5のいずれか一の長尺状樹脂成形部材である。その目
地材の長尺状本体部の少なくとも一部は、長手方向に亘
って該目地に嵌め込まれる形状である。また、前記係止
部は、前記目地に前記本体部の少なくとも一部が嵌め込
まれた際に弾性変形した状態で前記パネルの壁面(即ち
目地内における内壁面)に圧接され得る形状で該本体部
に一体に形成されている。
【0022】本構成の長尺状樹脂成形部材(目地材)に
よると、請求項1〜5のいずれか一の長尺状樹脂成形部
材の奏する効果に加えて建築用目地材としての特有の効
果、すなわち上記目地を埋めるようにして上記係止部を
弾性変形した状態で上記目地の溝の内壁面に圧接するこ
とによって、当該目地材が建築用パネルの端面間の目地
から外れたり位置ずれしたりするのを防止する、という
効果を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好適な実施形態
を説明する。なお、本明細書において特に言及している
事項(例えば本発明に係る長尺状樹脂成形部材の構造上
及び/又は組成上の特徴)以外の事柄であって本発明の
実施に必要な事柄(例えば長尺状樹脂成形部材の押出成
形方法)は、いずれも従来技術に基づく当業者の設計事
項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面に
よって開示されている事項と当該分野における技術常識
とに基づいて実施することができる。
【0024】本発明の長尺状樹脂成形部材は、係止部が
上記(a)〜(e)成分を含む組成のオレフィン系熱可
塑性エラストマーから構成されておればよく、その他の
部分の構造や付加的エレメントの有無に関して特に制限
はない。例えば、長尺状樹脂成形部材の外形や横断面形
状は、用途や被装着物(装着部位)の形状によって決定
され得る設計事項であり、特に制限はない。
【0025】係止部を除く本体部は、種々の樹脂成形材
料から形成することができる。かかる樹脂成形材料の好
適例としては、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラス
トマー、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)等の合成
ゴムが挙げられる。なかでも、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマ
ー(SBC)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TP
U)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)
等の熱可塑性エラストマーが好適であり、特に弾性、コ
スト、入手容易性、押出成形性の点からオレフィン系熱
可塑性エラストマーが特に好ましい。また、本体部材料
は後述する係止部を構成する樹脂成形材料と高い相溶性
を有する樹脂成形材料、又は同一樹脂材料の使用が好ま
しい。例えば係止部を構成する樹脂成形材料に含まれる
ポリオレフィン樹脂(例えばポリプロピレン樹脂)と同
一又は性状が近似するポリオレフィン樹脂を主成分とす
るオレフィン系熱可塑性エラストマーが好適である。
【0026】係止部を構成するためのオレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物の好適な具体例を以下に説明す
る。高度に平滑な表面を有する係止部を形成するための
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、下記成分
(a)(b)(c)及び(d)を主体とし、適当量の
(e)架橋剤を配合することによって得られる組成物で
ある。
【0027】(a)ポリオレフィン樹脂(典型的には結
晶性ポリオレフィン樹脂)の好適例としては、炭素数2
〜20(好ましくは2〜10)のαオレフィン、例えば
エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−
1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンの単独重合体
または共重合体が挙げられる。このうち、ポリエチレン
樹脂若しくはポリプロピレン樹脂が好ましく、ポリプロ
ピレン樹脂が特に好ましい。かかるポリプロピレン樹脂
としては、プロピレンの単独重合体が好適である。ある
いは、プロピレン含有量が80mol%以上(好ましくは
90mol%以上)であるプロピレンとエチレンとの共重
合体も好適である。
【0028】(b)エチレン−αオレフィン系共重合体
ゴムの好適例としては、エチレン−αオレフィン共重合
体ゴム及びエチレン−αオレフィン−非共役ジエン共重
合体ゴムが挙げられる。αオレフィンとしてはプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等が挙げ
られる。αオレフィンがプロピレンであるEPM(エチ
レン−プロピレン共重合体)やEPDM(エチレン−プ
ロピレン−ジエン共重合体)が特に好適である。本発明
の実施にあたっては、(a)ポリオレフィン樹脂がポリ
プロピレン樹脂であり、(b)エチレン−αオレフィン
系共重合体ゴムがEPDMであり、両者(a)、(b)
を混合して作られるオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物が特に好ましい。
【0029】(c)軟化剤の好適例としては、(i)パラ
フィン系及びナフテン系の鉱物油、(ii)ヒマシ油、アマ
ニ油等の植物油、(iii)ロウ類、ならびに、(iv)ステア
リン酸、オレイン酸等の脂肪酸及びその金属塩が挙げら
れる。一般にプロセスオイルとして市販されている種々
の鉱物油系軟化剤が特に好ましい。
【0030】(d)プロピレン−αオレフィン共重合体
は、上記(a)、(b)及び(c)成分と配合すること
により、オレフィン系熱可塑性エラストマー製樹脂成形
体の平滑性を向上させ得る成分である。かかるプロピレ
ン−αオレフィン共重合体としてはαオレフィンの炭素
数が4以上であるものが好ましく、そのようなαオレフ
ィン成分として1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンまたは3
−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。特に、αオレ
フィンが1−ブテンであるもの(プロピレン−1−ブテ
ン共重合体)が好ましい。本発明の実施に好ましいプロ
ピレン−αオレフィン共重合体の市販品としては、三井
化学株式会社の「タフマーXR(登録商標)」及び「タ
フマーS(登録商標)」、ならびに、宇部興産株式会社
の「ウベタック(登録商標)」が挙げられる。
【0031】(e)架橋剤としては、オレフィン系熱可
塑性エラストマーの製造分野において従来使用されてい
たものを特に制限なく使用することができる。かかる架
橋剤として、種々の有機過酸化物、硫黄、フェノール樹
脂、アミノ樹脂、キノン類及びその誘導体、アミン化合
物、アゾ化合物、エポキシ化合物、イソシアネート系化
合物等が挙げられる。特にジクミルペルオキシド、ジ-t
ert-ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−
ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼン、ベンゾイルペルオキシド、tert−
ブチルペルオキシベンゾエート、ジアセチルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド等の有機過酸化物が好まし
い。
【0032】上述した各成分を配合して所望するオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物が得られるが、好ま
しくは、(a)と(b)と(c)の合計を100重量部
として、(a)ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン
樹脂:15〜40重量部(さらに好ましくは20〜40
重量部)、(b)EPM、EPDM等のエチレン−αオ
レフィン系共重合体ゴム:30〜50重量部、及び
(c)プロセスオイル等の軟化剤:20〜55重量部と
なるようにこれらを配合する。かかる配合比の(a)〜
(c)が(e)架橋剤の添加によって架橋されて成るオ
レフィン系熱可塑性エラストマーから成る本体部の樹脂
成形部分は、適当な硬度(典型的にはJIS K 72
15に準拠するデュロメーター硬度でHDA60度〜H
DA100度(又はHDDで約50度)、好ましくはH
DA75度±5度)を有し、昇降する窓ガラスと接触し
得る部位(上記シールリップ等)に適当な弾力性(例え
ばシール性を保持し得る圧力で窓ガラスに密接し得る弾
力性)を付与することができる。
【0033】一方、係止部を形成するための樹脂材料と
しては、(a)と(b)と(c)の合計100重量部に
対してさらに(d)プロピレン−αオレフィン共重合体
を0.1〜15重量部(さらに好ましくは0.1〜10
重量部)配合する。そして、(e)上記有機過酸化物等
の架橋剤を少量(典型的には(a)と(b)と(c)の
合計100重量部に対して0.05〜0.5重量部)加
えて架橋を行うことによって、所望する組成のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
かかる組成物から成る成形部は、HDA60〜85度で
適度な弾発力と摩擦力を有する。なお、オレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物の調製に際して、上記(a)
〜(e)に該当する物質としてはそれぞれ単独の化合物
を用いてもよいし、二種類以上の化合物を併用してもよ
い。
【0034】上記(a)〜(e)成分を含むオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物から成る樹脂成形材料を
調製する方法としては、特に制限はない。この種の樹脂
成形材料を調製するのに従来から汎用されている方法を
そのまま適用することができる。典型的には、所定の組
成比となるように(a)ポリオレフィン樹脂と(b)エ
チレン−αオレフィン系共重合体ゴムと(c)軟化剤と
(d)プロピレン−αオレフィン共重合体と(e)架橋
剤と(f)必要に応じて種々の補助成分とを混合し、適
当なミキサーで撹拌混合した後に2軸押出機に投入し、
混練しながら熱処理する。このとき各成分間で動的架橋
反応が起こり、目的のオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー材料が生成される。これら成分の混練物(即ち押出成
形等に用いられる前の樹脂成形材料)は、好ましくはペ
レット形状等に成形して貯蔵しておくことができる。係
止部、本体部及びその他の付加的成形部分を問わず、使
用する樹脂成形材料には、(f)補助成分として、例え
ば酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑
剤、着色剤、難燃剤等の一般的な添加剤の一種または二
種以上を含有させることができる。また、炭素繊維その
他の繊維材料やタルク等の充填材を適宜含ませることが
できる。
【0035】而して、長尺状樹脂成形部材を製造・成形
する際、かかる混練物(ペレット)を所定の加熱容器内
(例えば押出成形機における加熱シリンダー内)で加熱
して溶融状態として押出成形する。あるいは、上記
(a)(b)(c)及び(e)が配合して成る市販のオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物材料(典型的に
はペレット形状)を予め購入しておき、長尺状樹脂成形
部材を成形する際に、当該材料に(d)プロピレン−α
オレフィン共重合体を適量添加して押出成形機のホッパ
ーに投入し、加熱されたシリンダー内で溶融、混合させ
てもよい。かかる(a)(b)(c)及び(e)が配合
して成る市販のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物材料(ペレット)の好適例として、三井化学株式会社
の「ミラストマー(登録商標)」、エー・イー・エス・
ジャパン株式会社の「サントプレーン(登録商標)」、
東洋紡績株式会社の「サーリンク(登録商標)」及び住
友化学工業株式会社の「住友TPE(商標)」が挙げら
れる。
【0036】本発明の長尺状樹脂成形部材は、従来から
車両用長尺状樹脂成形部材(例えばガラスラン材)を製
造する場合と同様の成形方法を採用することによって容
易に製造することができる。典型的には、長尺状本体部
及び係止部をそれぞれ形成するための樹脂成形材料を用
いて一般的な押出成形を行うことにより所望する形状
(横断面形状)の長尺状樹脂成形部材を製造することが
できる。
【0037】例えば、係止部を形成するための樹脂成形
材料と長尺状本体部を形成するための樹脂成形材料との
成形温度が略同一で且つ相溶性を有する場合、いわゆる
二色押出成形(共押出成形)を実施することによって、
本体部と係止部とが長手方向に一体化して成る長尺状樹
脂成形部材を製造することができる。その一例を図1に
示す。押出ダイ102は、係止部を形成するための上記
(a)〜(e)成分を含む樹脂成形材料が第一ホッパー
100に投入され、押出成形機の加熱シリンダー104
内で加熱され溶融状態で供給される第一供給口101a
と、第二ホッパー103から供給された長尺状本体部を
形成するための樹脂成形材料(例えばポリプロピレンそ
の他のポリオレフィン樹脂とEPDM等の共重合体ゴム
成分とを主体とするオレフィン系熱可塑性エラストマー
成形材料)が同様に加熱され溶融状態で供給される第二
供給口101bとを備える。これらの供給口101a,
101bから各材料をそれぞれ供給し、図示しない所定
形状の押出口からこれらの材料を押出す。これにより、
係止部と本体部とが一つの押出ダイ102の内部で熱溶
着して一体化されたガラスラン材その他の長尺状樹脂成
形部材105が押出成形される。かかる押出成形によっ
て、表面粗さ(最大高さ:Rmax)が8μm以下、好
ましくは5μm以下となるような微視的に平滑な表面を
有する係止部を得ることができる。
【0038】また、上記(a)〜(e)成分を配合して
成る本発明に係るオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物を樹脂成形材料として用いると目ヤニの発生が顕著
に抑えられる。このため、係止部のみならず長尺状本体
部を当該オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物から
形成することによって、目ヤニが付着せず且つ表面平滑
性に優れた長尺状樹脂成形部材を製造することができ
る。この場合は、係止部と本体部とを区別することなく
上記(a)〜(e)成分を配合した一種類の樹脂成形材
料を用いて従来の押出成形方法をそのまま適用すること
ができる。なお、かかる押出成形方法自体は特に本発明
を特徴付けるものではないため、詳細な説明は省略す
る。
【0039】次に、本発明の長尺状樹脂成形部材として
好適な形態のいくつかを図面を参照しつつ説明する。第
一の実施形態として、自動車のフロントドアパネル1の
窓枠2に装着されるガラスラン組立体10及びその組立
体に備えられたガラスラン材12,14,16を図2及
び図3を参照しつつ説明する。図2に示すように、ガラ
スラン組立体10は、3つの長尺状樹脂成形部材たるガ
ラスラン材12,14,16と2つのコーナージョイン
ト材13,15とから構成されている。すなわち、窓枠
2の前方垂直部分2aに配置されるガラスラン材12
と、傾斜部分2b及び略水平に延びる部分(天井部分)
2cに配置されるガラスラン材14と、後方垂直部分2
dに配置されるガラスラン材16とを有する。各ガラス
ラン材12,14,16の端末は、窓枠2のコーナー部
分3,4に装着されるコーナージョイント材13,15
によって連結され、窓ガラス8の縁部を挟み込むチャン
ネル(溝)を形成する。かかるガラスラン組立体10
は、従来の組立体と同様、押出成形したガラスラン材1
2,14(14,16)の端部に所定のコーナージョイ
ント材13(15)を射出成形(インサート成形)する
と同時に両ガラスラン材12,14(14,16)を連
結することによって製造することができる。
【0040】次に、ガラスラン材12,14,16の構
造について詳細に説明する。図3は図2におけるIII−I
II線に沿う断面図であり、傾斜部分2b及び天井部分2
cに配置されるガラスラン材14の横断面図である。な
お、他の部分2a,2dに配置されるガラスラン材1
2,16も同様の構造を有しており、重複した記載は省
略する。図3に示すように、本実施形態に係るガラスラ
ン材14は、窓枠2(2c)に取付けられた際に昇降窓
ガラス8の縁部が嵌まり得る開口を長手方向に沿って有
する溝24を形成する本体部20を主要構成要素とす
る。この本体部20は溝24の底部に相当する基底部2
1と、その基底部21の幅方向の両端から立ち上がって
溝24の側壁となる一対の側壁部22,23(即ち車内
寄り側壁部22及び車外寄り側壁部23)とから構成さ
れている。側壁部22,23の自由末端部分には、窓ガ
ラス8の縁部が溝24に嵌った際に当該窓ガラス8に弾
接して窓ガラス8を所定位置に支持し、車内への水の浸
入を防止するためのシールリップ26a,26b、なら
びに、窓枠2の端縁を覆い隠す遮蔽リップ25a,25
bが長手方向に連続して形成されている。なお、シール
リップ26a,26b及び基底部21で、窓ガラス8と
接触する部分には、窓ガラス8との摩擦が少ない低摩擦
層をそれぞれ一体的に形成するのが好ましい。低摩擦層
の材質としては超高分子量ポリエチレン等が用いられ
る。
【0041】側壁部22,23の外面(本実施形態では
基底部21に近接する部分)には、窓枠2側に設けられ
ている取付け溝6に本ガラスラン材14が嵌め込まれた
際(即ち、嵌め込み前のフリー状態では両側壁部22,
23は略八字状に開いた形状をなしており、これを前記
八字状の開きを狭める方向に弾性変形させて嵌め込むこ
とで図示されている状態になる。)、当該ガラスラン材
14を所定の位置に保持するための抜止め片27,28
が長手方向に連続して形成されている。かかる抜止め片
27,28は、本発明に係る上記係止部に相当するもの
であり、破線で示す取付前の形状27a,28aから窓
枠2(取付け溝6)の内壁面にそれぞれ弾性変形した状
態で元の形状に戻ろうとする弾性復元力により圧接され
窓枠2から抜止めされる形状に形成される。なお、抜止
め片27,28が圧接される窓枠2(取付け溝6)の内
壁面は、一般に、アクリル樹脂系塗料等で塗装されてお
り、高度な平滑性を有する。
【0042】かかる抜止め片27,28は、例えば、上
述した好適な配合比の(a)〜(e)成分を含むオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物から成る樹脂成形材
料によって形成され、表面粗さ(Rmax)が8μm以
下(典型的には3〜8μm)となるような平滑表面を有
する。好ましくは、抜止め片27,28は、窓枠2(取
付け溝6)の平滑な内壁面(塗装面)に弾性変形して圧
接された際、その内壁面に対して摩擦係数(静摩擦係数
μ:算出方法は後述する実施例の欄参照)が概ね0.8
以上(典型的には0.8〜1.0)で密着し得る形状に
形成される。かかる摩擦係数の弾性変形を伴う微視的平
滑面相互の密着(圧接)によって、必ずしも他の煩雑な
固定手段を講じることなくガラスラン材14を窓枠2の
所定の装着位置に保持する(即ち抜け止め作用と長手方
向への位置ずれを防止する。)ことができる。従って、
本発明によると、抜止め片が上記数値範囲の摩擦係数を
有し、且つ、当該圧接に関与する上記組成のオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物から成る係止部(抜止め
片)の表面粗さ(Rmax)が上記数値範囲にあること
で特徴付けられるガラスラン材又はガラスラン組立体と
車体パネルとから成るガラスラン取付け構造体が提供さ
れる。
【0043】特に限定するものではないが、本体部20
は、好ましくは、抜止め片27,28の形成に用いる上
記樹脂成形材料と相溶性を有する樹脂成形材料から形成
される。そのような材料を用いることにより、二色押出
成形(共押出成形)によって、本体部20と抜止め片2
7,28とが長手方向に強固に密着及び一体化して成る
ガラスラン材14を製造することができる。例えば、係
止部形成用として(a)ポリプロピレン樹脂、(b)E
PDM、(c)パラフィン系プロセスオイル及び(d)
プロピレン−1-ブテン共重合体を含むオレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物を主体とする樹脂成形材料を使
用し、本体部形成用として(a)ポリプロピレン樹脂、
(b)EPDM及び(c)パラフィン系プロセスオイル
を含むが上記(d)成分は含まないオレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物を主体とする樹脂成形材料を使用
することにより、共押出成形によって本体部20と抜止
め片27,28とが長手方向に強固に一体化したガラス
ラン材14を製造することができる。なお、本体部20
は上記抜止め片27,28と同じ樹脂成形材料で形成す
るのも好ましく、その場合には抜止め片27,28の前
述の効果に加えて、側壁部22,23の各外側面も窓枠
2の溝6の内面に圧接するので前述の保持性がより向上
する。更に、ガラスラン材14の表面全体に亘って目ヤ
ニの付着を抑止し、表面平滑で光沢の良いガラスラン材
が製造される(後述する各実施例参照)。また、この場
合には、本体部20と抜止め片27,28を形成するの
に(2台の押出成形機を必要とせず)1台の押出成形機
ですみ、製造工程及び管理が簡略化される。
【0044】次に、第二の実施形態として、自動車等の
車体の開口部周縁に装着されるトリム材(ウェザースト
リップと呼称される部材を包含する。)の一種であるド
アオープニングトリム40をその横断面図である図4を
参照しつつ説明する。図4に、装着された状態を示すよ
うに、本実施形態に係るドアオープニングトリム40
は、車体パネル30のドア開口縁に沿って設けられた突
縁部(フランジ部)31に取付けられる長尺状本体部4
3と当該本体部43と一体に形成されたシール部44と
を有する。
【0045】本体部43は横断面が略U字状となるよう
に一対の側壁部43a,43bを有し、それらの間には
突縁部31を挟み込むための溝42が長手方向に形成さ
れる。また本体部43の内部には断面U字状の金属芯材
41が長手方向に亘って埋設される。他方、スポンジゴ
ム(発泡ゴム)から成るシール部44は、ドアパネル3
3が閉じて押し当てられた際に弾性変形してその弾発力
で当該ドアパネル33と圧接して密着し得る構造となる
ように中空部44aを有する形状に成形される。
【0046】而して、側壁部43a,43bにおける内
壁面(即ち溝42の内側)には、ドアオープニングトリ
ム40が突縁部31に装着された際(即ち図示されてい
る状態)、当該ドアオープニングトリム40を所定の位
置に保持するための係止片45,46が長手方向に形成
される。かかる係止片45,46は、本発明に係る上記
係止部に相当するものであり、溝42に挟み込まれた突
縁部31の両側面にそれぞれ弾性変形した状態で圧接さ
れ元の形状に戻ろうとする弾性復元力により当該突縁部
31を挟持する形状に形成される。なお、突縁部31の
表面は、一般に、アクリル樹脂系塗料等で塗装されてお
り、高度な平滑性を有する。なお、破線で示す45a,
46aは、前述の第一の実施形態と同様にドアオープニ
ングトリム40が突縁部31に取付けられる前の係止片
45,46を示している。
【0047】かかる係止片45,46は、例えば、上述
した好適な配合比の(a)〜(e)成分を含むオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物から成る樹脂成形材料
によって形成され、表面粗さ(Rmax)が8μm以下
(典型的には3〜8μm)となるような平滑表面を有す
る。好ましくは、係止片45,46は、突縁部31の平
滑表面(塗装面)に弾性変形して圧接された際、その表
面に対して摩擦係数(静摩擦係数μ:以下同じ)が概ね
0.8以上(典型的には0.8〜1.0)で密着し得る
形状に形成される。かかる摩擦係数の弾性変形を伴う微
視的平滑面相互の密着(圧接)によって、他の煩雑な固
定手段を必ずしも講じることなくドアオープニングトリ
ム40を所定の装着位置に保持することができる。従っ
て、本発明によると、係止片が上記数値範囲の摩擦係数
を有し、且つ、当該圧接に関与する上記組成のオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物から成る係止部(係止
片)の表面粗さが上記数値範囲にあることで特徴付けら
れるトリム材(本実施形態ではドアオープニングトリ
ム)と車体パネルとから成るトリム取付け構造体が提供
される。
【0048】特に限定するものではないが、本体部43
は、好ましくは、第一の実施形態(ガラスラン材)と同
様、係止片45,46の形成に用いる上記樹脂成形材料
と相溶性を有する樹脂成形材料から形成される。例え
ば、係止部形成用として(a)ポリプロピレン樹脂、
(b)EPDM、(c)パラフィン系プロセスオイル及
び(d)プロピレン−1-ブテン共重合体を含むオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物を主体とする樹脂成形
材料を使用し、本体部形成用として(a)ポリプロピレ
ン樹脂、(b)EPDM及び(c)パラフィン系プロセ
スオイルを含むが上記(d)成分は含まないオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物を主体とする樹脂成形材
料を使用し、シール部形成用として発泡EPDM成形材
料を使用することにより、押出成形によって本体部43
とシール部44と係止片45,46とが長手方向に強固
に一体化したドアオープニングトリム40を製造するこ
とができる。なお、本体部43は上記係止片45,46
と同じ樹脂成形材料で形成してもよく、その場合にはド
アオープニングトリム40の表面全体に亘って目ヤニの
付着を抑止し、光沢の良いトリム材が製造される。
【0049】なお、係止片45,46が上記組成から成
るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物から構成さ
れるものである限り、他の付加的構造物をトリム材に形
成してもよい。例えば、装飾等を目的として、種々の合
成樹脂材料或いはトリコット等の繊維材から構成される
表皮部材47a(図4参照)を、熱融着或いは接着材を
用いて本体部43の表面に設けてもよい。また、この第
二の実施形態においても本体部43及び係止片45,4
6を、係止片を形成する材料と同一の材料で形成するの
も好ましい形態である。この場合には、前述の実施形態
で説明したように、製造工程及び管理が簡略化される。
【0050】次に、第三の実施形態として、自動車等の
車体の開口部周縁に装着されるトリム材の他の一種であ
る自動車のトランク開口部周縁に装着されるトランクシ
ールトリム50をその横断面図である図5を参照しつつ
説明する。図5に、装着された状態を示すように、本実
施形態に係るトランクシールトリム50は、車体パネル
35のリア開口縁(即ちトランク周壁)に設けられた突
縁部(フランジ部)36に取付けられる長尺状本体部5
3と当該本体部53と一体的に形成されたスポンジゴム
製シール部54とを有する。
【0051】本体部53は横断面が略U字状となるよう
に一対の側壁部53a,53bを有し、それらの間には
突縁部36を挟み込むための溝52が長手方向に形成さ
れる。また本体部53の内部には断面U字状の金属芯材
51が長手方向に亘って埋設される。他方、シール部5
4は、図示しないトランクリッドパネルが閉じて押し当
てられた際に弾性変形してその弾発力(元の形状に戻ろ
うとする弾性復元力)で当該パネルと圧接して密着し得
る構造となるように中空部54aを有する形状に成形さ
れる。
【0052】側壁部53a,53bにおける内壁面(即
ち溝52の内側)には、トランクシールトリム50が突
縁部36に装着された際(即ち図示されている状態)、
当該トランクシールトリム50を所定の位置に保持する
ための複数の係止片55a,55b,56a,56bが
長手方向に形成される。かかる係止片55a,55b,
56a,56bは、本発明に係る上記係止部に相当する
ものであり、溝52に挟み込まれた突縁部36の両側面
にそれぞれ弾性変形した状態で圧接され当該突縁部36
を挟持する形状に形成される。なお、突縁部36の表面
は、一般に、アクリル樹脂系塗料等で塗装されており、
高度な平滑性を有する。図5において破線55c,56
cはトランクシール50が装着される前の係止片の形状
を示している。
【0053】かかる係止片55a,55b,56a,5
6bは、例えば、上述した好適な配合比の(a)〜
(e)成分を含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物から成る樹脂成形材料によって形成され、表面粗さ
(Rmax)が8μm以下(典型的には3〜8μm)と
なるような平滑表面を有する。好ましくは、係止片55
a,55b,56a,56bは、突縁部36の平滑表面
(塗装面)に弾性変形して圧接された際、その表面に対
して摩擦係数が概ね0.8以上(典型的には0.8〜
1.0)で密着し得る形状に形成される。かかる摩擦係
数の弾性変形を伴う微視的平滑面相互の密着(圧接)に
よって、他の煩雑な固定手段を講じることなくトランク
シールトリム50を所定の装着位置に保持することがで
きる。従って、本発明によると、係止片が上記数値範囲
の摩擦係数を有し、且つ、当該圧接に関与する上記組成
のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物から成る係
止部(係止片)の表面粗さが上記数値範囲にあることで
特徴付けられるトリム材(本実施形態はトランクシール
トリム)と車体パネルとから成るトリム取付け構造体が
提供される。
【0054】特に限定するものではないが、本体部53
及びシール部54は、好ましくは、第一および第二の実
施形態と同様、係止片55a,55b,56a,56b
の形成に用いる上記樹脂成形材料と相溶性を有する樹脂
成形材料から形成される。例えば、第二実施形態と同
様、係止部形成用として(a)ポリプロピレン樹脂、
(b)EPDM、(c)パラフィン系プロセスオイル及
び(d)プロピレン−1-ブテン共重合体を含むオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物を主体とする樹脂成形
材料を使用し、本体部形成用として(a)ポリプロピレ
ン樹脂、(b)EPDM及び(c)パラフィン系プロセ
スオイルを含むが上記(d)成分は含まないオレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物を主体とする樹脂成形材
料を使用し、シール部形成用として発泡EPDM成形材
料を使用することにより、押出成形によって本体部53
とシール部54と係止片55a,55b,56a,56
bとが長手方向に強固に一体化したトランクシールトリ
ム50を製造することができる。本体部53を上記係止
片55a,55b,56a,56bと同じ樹脂成形材料
で形成するのも好ましいことは第二実施形態と同じであ
る。
【0055】なお、係止片55a,55b,56a,5
6bが上記(a)〜(e)成分を含む組成から成るオレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物から構成されるも
のである限り、他の付加的構造物をトリム材に形成して
もよい。例えば、緩衝、シール性、継ぎ目(隙間)隠し
等を目的として、発泡ゴム(発泡EPDM等)、本体部
53よりも軟質で柔軟性に富むその他の合成樹脂材料か
ら構成される遮蔽リップ部57a,57b,57c(図
5参照)を、共押出成形、熱融着或いは接着材を用いて
トランクシールトリム50の一部に設けてもよい。
【0056】次に、第四の実施形態として、車体に形成
された所定の取付け溝に装着されるモール材の一種であ
るルーフモール60をその横断面図である図6を参照し
つつ説明する。なお、図6は、図3〜5と異なり、ルー
フモール60が装着される前の形状を示している。図6
に示すように、本実施形態に係るルーフモール60は、
長尺状の本体部61を中心に構成される。その本体部6
1は、2点鎖線で示すルーフパネル38の上面の前後方
向に延びる溝39に嵌め込まれる脚部62と、当該脚部
62が溝39に嵌め込まれた際に当該溝39の開口部を
塞ぐようにして横方向に張り出した頭部63とを有す
る。
【0057】本体部61(脚部62)の両側壁には、ル
ーフモール60が溝39に装着された際、当該ルーフモ
ール60を所定の位置に保持するための係止片64,6
5が長手方向に形成される。かかる係止片64,65
は、本発明に係る上記係止部に相当するものであり、装
着されたとき、破線64a,65aで示すように溝39
の内壁面にそれぞれ弾性変形した状態で圧接され、溝3
9から抜止めされる形状に形成される。なお、係止片6
4,65が圧接される溝39の内壁面は、一般に、アク
リル樹脂系塗料等で塗装されており、高度な平滑性を有
する。
【0058】かかる係止片64,65は、例えば、上述
した好適な配合比の(a)〜(e)成分を含むオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物から成る樹脂成形材料
によって形成され、表面粗さ(Rmax)が8μm以下
(典型的には3〜8μm)となるような平滑表面を有す
る。好ましくは、係止片64,65は、溝39の平滑な
内壁面(塗装面)に弾性変形して元の形状に戻ろうとす
る弾性復元力により圧接された際、その内壁面に対して
摩擦係数が概ね0.8以上(典型的には0.8〜1.
0)で密着し得る形状に形成される。弾性変形を伴う微
視的平滑面相互の密着(圧接)とかかる摩擦係数によっ
て、他の煩雑な固定手段を必ずしも講じることなくルー
フモール60を溝39の所定の装着位置に保持すること
ができる。従って、本発明によると、係止片が上記数値
範囲の摩擦係数を有し、且つ、当該圧接に関与する上記
組成のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物から成
る係止部(係止片)の表面粗さが上記数値範囲にあるこ
とで特徴付けられるモール材(ルーフモール等)と車体
パネルとから成るモール取付け構造体が提供される。
【0059】特に限定するものではないが、本体部61
は、好ましくは、第一〜第三の実施形態と同様、係止片
64,65の形成に用いる上記樹脂成形材料と相溶性を
有する樹脂成形材料から形成される。例えば、第一の実
施形態と同様、係止部形成用として(a)ポリプロピレ
ン樹脂、(b)EPDM、(c)パラフィン系プロセス
オイル及び(d)プロピレン−1-ブテン共重合体を含む
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を主体とする
樹脂成形材料を使用し、本体部形成用として(a)ポリ
プロピレン樹脂、(b)EPDM及び(c)パラフィン
系プロセスオイルを含むが上記(d)成分は含まないオ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を主体とする樹
脂成形材料を使用することにより、押出成形によって本
体部61と係止片64,65とが長手方向に強固に一体
化したルーフモール60を製造することができる。本体
部61を係止片64,65と同じ樹脂成形材料で形成す
るのも好ましいことは上述の各実施形態と同じであり、
その場合には製造工程における効果と、ルーフモールの
表面全体に亘って目ヤニの付着を抑止し、光沢の良いモ
ール材が製造される。
【0060】なお、係止片64,65が上記(a)〜
(e)成分を含む組成から成るオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物から構成されるものである限り、他の
付加的構造物をモール材に形成してもよい。例えば、装
飾性向上や耐摩耗性向上、耐候性向上等を目的として、
種々の合成樹脂材料(例えば比較的硬質のポリプロピレ
ン樹脂材料)から構成される表皮部材68(図6参照)
を、共押出成形、熱融着或いは接着材を用いてルーフモ
ール60の表面に設けてもよい。あるいは、形状安定
化、取扱いの容易さ等を目的として、従来のモール材と
同様の金属製の長尺状芯材を本体部(典型的には脚部)
の長手方向に埋設してもよい。
【0061】次に、第五の実施形態として、建築用パネ
ル端面間に形成された目地に装着される目地材80をそ
の横断面図である図7を参照しつつ説明する。図7も図
6と同様に装着前の状態の断面図である。図7に示すよ
うに、本実施形態に係る目地材80は、長尺状の本体部
81を中心に構成される。その本体部81は、隣接する
二つの建築用パネル70,71の端面70a,71a間
に形成される目地(隙間)73に嵌め込まれる脚部82
と、当該脚部82が目地73に嵌め込まれた際に外部か
ら視認される意匠面を形成する横方向に張り出した頭部
83とを有する。
【0062】本体部81(脚部82)の両側面からは、
目地材80が目地73に装着された際、当該目地材80
を所定の位置に保持するための係止片84a,84b,
85a,85bが長手方向に連続して突出形成される。
かかる係止片84a,84b,85a,85bは、本発
明に係る上記係止部に相当するものであり、目地73の
内壁面(即ち建築用パネルの端面70a,71a)にそ
れぞれ破線84c,85cで示す形状に弾性変形した状
態で装着され、元の状態に戻ろうとする弾性復元力によ
り圧接される形状に形成される。なお、係止片84a,
84b,85a,85bが圧接される建築用パネルの端
面70a,71aは一般に塗装されており、高度な平滑
性を有する。
【0063】かかる係止片84a,84b,85a,8
5bは、例えば、上述した好適な配合比の(a)〜
(e)成分を含むオレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物から成る樹脂成形材料によって形成され、表面粗さ
(Rmax)が8μm以下(典型的には3〜8μm)と
なるような平滑表面を有する。好ましくは、係止片84
a,84b,85a,85bは、建築用パネル端面70
a,71aに弾性変形して圧接された際、その面に対し
て摩擦係数が概ね0.8以上(典型的には0.8〜1.
0)で密着し得る形状に形成される。かかる摩擦係数の
弾性変形を伴う微視的平滑面相互の密着(圧接)によっ
て、他の煩雑な固定手段を講じることなく目地材80を
目地73内における所定の装着位置に保持することがで
きる。従って、本発明によると、係止片が上記数値範囲
の摩擦係数を有し、且つ、当該圧接に関与する上記組成
のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物から成る係
止部(係止片)の表面粗さが上記数値範囲にあることで
特徴付けられる目地材と建材とから成る目地材取付け構
造体(目地詰め構造体)が提供される。
【0064】特に限定するものではないが、本体部81
は、好ましくは、第一〜第四の実施形態と同様、係止片
84a,84b,85a,85bの形成に用いる上記樹
脂成形材料と相溶性を有する樹脂成形材料から形成され
る。例えば、第一の実施形態と同様、係止部形成用とし
て(a)ポリプロピレン樹脂、(b)EPDM、(c)
パラフィン系プロセスオイル及び(d)プロピレン−1-
ブテン共重合体を含むオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物を主体とする樹脂成形材料を使用し、本体部形
成用として(a)ポリプロピレン樹脂、(b)EPDM
及び(c)パラフィン系プロセスオイルを含むが上記
(d)成分は含まないオレフィン系熱可塑性エラストマ
ー組成物を主体とする樹脂成形材料を使用することによ
り、押出成形によって本体部81と係止片84a,84
b,85a,85bとが長手方向に強固に一体化した目
地材80を製造することができる。なお、本体部81を
係止片84a,84b,85a,85bと同じ樹脂成形
材料で形成することも好ましいことは上述の各実施形態
と同じであり、その場合には製造工程上の利点と目地材
の表面全体に亘って目ヤニの付着を抑止し、光沢の良い
目地材が製造される。
【0065】
【実施例】 以下に説明する実施例によって、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すも
のに限定することを意図したものではない。
【0066】<実施例1>第一の実施形態として示した
図3に示す横断面形状の長尺状ガラスラン材の全体(本
体部及び係止部)が上記(a)〜(e)成分を含む一種
類(単一)のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物
から構成されるように、以下のとおり押出成形した。す
なわち、(a)ポリプロピレン樹脂:25重量部、
(b)EPDM:40重量部、(c)パラフィン系プロ
セスオイル:35重量部、(d)プロピレン−αオレフ
ィン共重合体(三井化学(株)製品「タフマーXR(登
録商標)110T」)0.3重量部、及び(e)架橋剤
(有機過酸化物):微量(0.2重量部程度)をミキサ
ーで撹拌混合した後に2軸混練押出機に投入し、溶融状
態において動的に熱処理した後、ストランドに押出した
後にペレットとした。このペレットを単軸押出成形機
((株)池貝製品:FS65(商品名)、スクリュー
径:65mm、スクリューL/D:25)のホッパーに
供給し、加熱シリンダー(185℃)内にて溶融・混練
し、図3に示すガラスラン材14の断面形状に対応する
開口形状の押出ダイから約2.5m/分の押出速度で押
出し、図3に示す断面形状のガラスラン材を製造した。
【0067】<実施例2〜6>(d)プロピレン−αオ
レフィン共重合体(三井化学(株)製品「タフマーXR
(登録商標)/XR110T」)の添加量を異ならせる
他は、実施例1と同様の材料の配合及び製造プロセスに
よって、図3に示す断面形状のガラスラン材を製造し
た。すなわち、以下の表1に示すように、実施例2、
3、4、5及び6は、それぞれ、上記(d)成分の添加
量を0.6、1、3、5及び10重量部とした。
【0068】<比較例1〜2>比較例1として、上記
(d)成分を添加しない他は実施例1と同様の材料の配
合及び製造プロセスによって、図3に示す断面形状のガ
ラスラン材を製造した。また、比較例2として、上記
(d)成分に代えてエチレン−αオレフィン共重合体
(三井化学(株)製品「タフマーP(登録商標)/P−
0480」)1重量部を添加した他は実施例1と同様の
材料の配合及び製造プロセスによって、図3に示す断面
形状のガラスラン材を製造した。
【0069】
【表1】
【0070】<試験1:目ヤニ付着量>各実施例及び比
較例のガラスラン材を上記の押出速度で約30分間押出
成形を行った後、押出ダイの押出口縁に蓄積した目ヤニ
及び成形したガラスラン材に付着した目ヤニをピンセッ
トで剥ぎ取って電子天秤で重量を測定した。測定結果を
表1の該当欄に示す。
【0071】表1に示すように、各比較例と比較して各
実施例に係るガラスラン材を押出成形する際の目ヤニ発
生量は顕著に少なかった。この結果から明らかなよう
に、上記プロピレン−αオレフィン共重合体を添加した
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を樹脂成形材
料として用いると、目ヤニの発生量延いては樹脂成形部
材の表面に付着する目ヤニ量を抑制して樹脂成形部材の
品質(美観)を良好に保つことができる。特にプロピレ
ン−αオレフィン共重合体を5重量部以上添加すること
によって、目ヤニ量を顕著に減少させることができるこ
とが確かめられた。
【0072】<試験2:表面粗さ及び平滑性>各実施例
及び比較例のガラスラン材の表面粗さ(最大高さ:Rm
ax)を測定した。すなわち、製造したガラスラン材の
抜止め片(図3中の符号27で示す部分)を測定試料と
して切り出し、表面粗さ測定機((株)東京精密製品
「サーフコム(登録商標)300B」)の台座に固定し
た。測定針(形式010 2501)を測定試料に接触
させ、駆動速度(測定針のスピード)0.3mm/秒に
て試料の断面曲線を測定した(測定距離:10mm)。
得られた断面曲線データ(10mm)のうち、両端1m
mをカットした8mm間の最高高さ(Rmax:μm)
を求めた。測定結果を表1の該当欄に示す。なお、Rm
ax値が8μmを越えたものは平滑性が充分でないとし
て表中×で示す。一方、Rmax値が8μm以下のもの
は微視的平滑性が良好として表中○で示す。
【0073】表1に示すように、各比較例と比べて各実
施例に係るガラスラン材の平滑性は良好であり、Rma
xはいずれも8μm以下であった。特にプロピレン−α
オレフィン共重合体を1重量部以上添加することによっ
て、Rmaxを5μm以下にすることができた。この結
果から明らかなように、上記プロピレン−αオレフィン
共重合体を添加したオレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物を樹脂成形材料として用いると、微視的に平滑な
表面を有する長尺状樹脂成形部材を得ることができる。
【0074】<試験3:摩擦係数>各実施例及び比較例
1のガラスラン材の摩擦係数を測定した。すなわち、製
造したガラスラン材の車外側側壁(図3中の符号23で
示す部分)から幅:6mm、長さ:50mm、厚み:
2.5mmの試験片を作製した(2本で1セット、実施
例又は比較例毎に計3セット(n=3))。次いで、以
下の試験を行った。
【0075】1セット(2本)の試験片をアクリル樹脂
板(60×60×1mm)の片面に50mmの間隔をと
って両面テープにて平行に貼り付けた。次いで、このア
クリル樹脂板をアクリル樹脂系塗料で塗装して表面が平
滑となっている鉄板(以下「塗装板」という。)の当該
塗装面上に上記2本の試験片が下になる向きに配置し
た。これにより、当該2本の試験片はアクリル樹脂板の
自重によって塗装板に圧接される。このとき、2本の試
験片を含むアクリル樹脂板の全重量が700gとなるよ
うに不足重量分の重りをアクリル樹脂板上に載置した。
次いで、アクリル樹脂板の一端にワイヤーを取付け、卓
上型オートグラフを用いて当該ワイヤーを介して引張り
速度:100±5mm/分でアクリル樹脂板を横方向
(貼り付けられた試験片の幅方向)に引っ張った。この
試験において静摩擦係数μを式:μ=F/Wから求め
た。式中のWは重り+アクリル樹脂板+試験片の全体重
量(N)であり、Fはアクリル樹脂板が塗装板上で動き
出す(即ちスライドする)瞬間の最大荷重(N)であ
る。結果を表1の該当欄に示す。
【0076】表1に示すように、比較例1と比べて各実
施例に係るガラスラン材の摩擦係数は高く、いずれも
0.8以上であった。特にプロピレン−αオレフィン共
重合体を5重量部以上添加したもの(実施例5及び6)
では0.9以上の摩擦係数が得られた。本試験結果及び
上述の表面粗さ(Rmax)から明らかなように、上記
プロピレン−αオレフィン共重合体を添加したオレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物を樹脂成形材料として
用いると、高い摩擦力を実現し得る平滑表面を有する係
止部を備えた長尺状樹脂成形部材を得ることができる。
【0077】<試験4:保持力>実際の窓枠と同様の材
質、形状及び表面をクロムメッキ処理した取付け溝(図
3の符号6参照)を形成するサッシュ治具に、各実施例
及び比較例1のガラスラン材を実際の窓枠に装着する場
合と同様の態様(図3参照)で装着し、その保持力(即
ち抜止め片27,28の圧接による保持力)を測定し
た。すなわち、図3に示すのと同様の態様で、上記サッ
シュ治具の取付け溝に長さ:50mmのガラスラン材を
装着した。次いで、長さ方向の両端付近において一対の
シールリップ26a,26b(図3参照)各々の根元付
近にワイヤーを取付け(即ちワイヤー取付け位置は計4
箇所)、オートグラフを用いて当該ワイヤーを介してガ
ラスラン材を垂直方向(図3における下方向)に引張り
速度:200mm/分で引っ張った。そして、ガラスラ
ン材がサッシュ治具の取付け溝から外れるときの最大荷
重(N)を測定した。なお、試料は各実施例及び比較例
1のいずれも計2本(n=2)とした。測定結果を表1
の該当欄に示す。
【0078】表1に示すように、比較例1と比べて各実
施例に係るガラスラン材の保持力は高く、いずれも50
N/100mm以上であった。特にプロピレン−αオレ
フィン共重合体を3重量部以上添加したもの(実施例
4、5及び6)では60N/100mm以上であった。
本試験結果ならびに上述の表面粗さ(Rmax)及び摩
擦係数の結果から明らかなように、上記プロピレン−α
オレフィン共重合体を添加したオレフィン系熱可塑性エ
ラストマー組成物を樹脂成形材料として用いると、平滑
な塗装面に対して高い摩擦力で保持力に優れる係止部を
有する長尺状樹脂成形部材を得ることができる。
【0079】以上、本発明の具体例を詳細に説明した
が、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定する
ものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上
に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれ
る。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、
単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性
を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせ
に限定されるものではない。また、本明細書または図面
に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであ
り、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的
有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の長尺状樹脂成形部材の一製造例を模
式的に示す説明図である。
【図2】 一実施形態に係る本発明のガラスラン組立体
が取付けられた状態の自動車フロントドアパネルの一部
破断側面図である。
【図3】 図2におけるIII−III線断面図であって、一
実施形態に係る本発明のガラスラン材の構造を示す横断
面図である。
【図4】 一実施形態に係る本発明のトリム材の構造を
示す横断面図である。
【図5】 一実施形態に係る本発明のトリム材の構造を
示す横断面図である。
【図6】 一実施形態に係る本発明のモール材の構造を
示す横断面図である。
【図7】 一実施形態に係る本発明の目地材の構造を示
す横断面図である。
【符号の説明】
10 ガラスラン組立体 12,14,16 ガラスラン材 20 本体部 27,28 抜止め片(係止部) 40 ドアオープニングトリム 43 本体部 45,46 係止片 50 トランクシールトリム 53 本体部 55a,55b,56a,56b 係止片 60 ルーフモール 61 本体部 64,65 係止片 80 目地材 81 本体部 84a,84b,85a,85b 係止片
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/10 B29K 21:00 E04B 1/684 23:00 // B29K 21:00 105:16 23:00 105:24 105:16 B29L 31:10 105:24 31:30 B29L 31:10 B60J 1/16 A 31:30 E04B 1/68 E (72)発明者 日和 秀人 愛知県大府市長根町四丁目1番地 東海興 業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DA01 FA51 GA72 HF02 LA09 MA02 MA04 3D023 AA01 AB01 AC08 AD03 3D201 AA01 AA13 AA35 CA02 CA31 DA06 DA08 DA09 DA23 DA31 EA01 FA04 4F207 AA03 AA09 AA11 AA45 AB03 AB07 AD03 AG20 AG28 AH23 AH47 KA01 KA17 KA20 KB18 KF02 KK07 KL58 KL63 KL74 KW26 4J002 AE053 BB03W BB05X BB12W BB143 BB15X BB17W CC034 CC154 CC164 CC184 DA047 EE057 EF056 EG016 EK017 EK037 EK047 EK057 EL027 EN007 EQ017 ER007 FD023 FD026 FD144 FD147

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺状に成形された樹脂成形部材であっ
    て、 長尺状の本体部と、 被装着物の所定部位に取り付けられた際に少なくとも一
    部が弾性変形し得る形状で該本体部と一体に形成され、
    その変形による弾発力によって該被装着物の所定部位に
    圧接される係止部とを有しており、少なくともその係止
    部は以下の(a)〜(e)の成分: (a)ポリオレフィン樹脂; (b)エチレン−αオレフィン系共重合体ゴム; (c)軟化剤; (d)プロピレン−αオレフィン共重合体;及び (e)架橋剤; を配合して成るオレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物から形成されている、長尺状樹脂成形部材。
  2. 【請求項2】 前記オレフィン系熱可塑性エラストマー
    組成物は、以下の(a)と(b)と(c)の成分の合計
    を100重量部として、 (a)ポリオレフィン樹脂15〜40重量部、 (b)エチレン−αオレフィン系共重合体ゴム30〜5
    0重量部、及び (c)軟化剤20〜55重量部を含み、 さらに(d)プロピレン−αオレフィン共重合体が0.
    1〜15重量部配合される、請求項1に記載の長尺状樹
    脂成形部材。
  3. 【請求項3】 前記(a)ポリオレフィン樹脂が、ポリ
    プロピレン樹脂である、請求項1又は2に記載の長尺状
    樹脂成形部材。
  4. 【請求項4】 前記係止部の表面粗さ(Rmax)が8
    μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の長尺
    状樹脂成形部材。
  5. 【請求項5】 前記長尺状本体部及び係止部は押出成形
    によって製造され、 前記係止部と本体部の略全体が前記オレフィン系熱可塑
    性エラストマー組成物から成る押出成形物である、請求
    項1〜4のいずれかに記載の長尺状樹脂成形部材。
  6. 【請求項6】 車体の窓枠に装着されるガラスラン材と
    して形成され、 そのガラスラン材の長尺状本体部は、窓ガラスの縁部を
    挟み込むためのチャンネルが長手方向に形成された形状
    であり、 前記係止部は、窓枠内に前記本体部が嵌め込まれた際に
    弾性変形した状態で該窓枠の内壁面に圧接されて窓枠か
    ら抜け止めされる形状で該本体部に一体に形成されてい
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の長尺状樹脂成形部
    材。
  7. 【請求項7】 車体の窓枠に装着され、窓ガラスの縁部
    を挟み込むチャンネルを形成する長尺状本体部を有する
    少なくとも二つのガラスラン材と、 該ガラスラン材の端末同士を長手方向に連結するジョイ
    ント材であって該窓枠のコーナー部分に取付けられる少
    なくとも一つのジョイント材とを備えるガラスラン組立
    体であって、 前記ガラスラン材の少なくとも一つが請求項6に記載の
    長尺状樹脂成形部材によって構成されている、ガラスラ
    ン組立体。
  8. 【請求項8】 車体の開口部の周縁に装着されるトリム
    材として形成され、 そのトリム材の長尺状本体部は、該車体の開口部周縁に
    設けられた突縁部を挟み込むための溝が長手方向に形成
    された形状であり、 前記係止部は、前記溝に前記突縁部が挟み込まれた際に
    弾性変形した状態で該突縁部の表面を圧接して挟持する
    形状で該本体部に一体に形成されている、請求項1〜5
    のいずれかに記載の長尺状樹脂成形部材。
  9. 【請求項9】 車体に形成された溝に装着されるモール
    材として形成され、 そのモール材の長尺状本体部の少なくとも一部は、長手
    方向に亘って該溝に嵌め込まれる形状であり、 前記係止部は、前記溝に前記本体部の少なくとも一部が
    嵌め込まれた際に弾性変形した状態で該溝の内壁面に圧
    接され得る形状で該本体部に一体に形成されている、請
    求項1〜5のいずれかに記載の長尺状樹脂成形部材。
  10. 【請求項10】 建築用パネル端面間の目地に装着され
    る目地材として形成され、 その目地材の長尺状本体部の少なくとも一部は、長手方
    向に亘って該目地に嵌め込まれる形状であり、 前記係止部は、前記目地に前記本体部の少なくとも一部
    が嵌め込まれた際に弾性変形した状態で前記パネルの壁
    面に圧接され得る形状で該本体部に一体に形成されてい
    る、請求項1〜5のいずれかに記載の長尺状樹脂成形部
    材。
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KR100368867B1 (ko) 가교된 고무와 열가소성 탄성체의 접착 복합체의 제조방법

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