JP2004299640A - ウェザーストリップ及びその製造方法 - Google Patents

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Hiroyuki Yamasa
博之 山佐
Tadashi Sato
正 佐藤
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Abstract

【課題】塗装された車体パネルに対する摺動抵抗の増加を抑制する効果及びその効果の持続性が高められたウェザーストリップ(トリム材等)及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ルーフパネル3の開口部を開閉可能に設けられたサンルーフ材1の外周縁に沿って取り付けられるサンルーフモールディング4は、ルーフパネル3に圧接する圧接部26に粗面部251を有する。粗面部251は、(a).ポリオレフィン樹脂(ポリプロピレン等)の含有割合が50質量%以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマー;(b).平均粒子径が1〜100μmの範囲の固形粒子(球状シリコーン樹脂粒子等);及び(c).液状潤滑剤(シリコーンオイル等);を含む成形材料からなる。粗面部251は、表面が起伏した状態に形成され、その起伏面に固形粒子による多数の小凸部が形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の車体パネルに隣接する装着部に装着されるウェザーストリップ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に装着される長尺状部材の一つとして、車両の車体パネル(ルーフパネル等)に隣接する所定の装着部(フロントウィンドウガラス、サンルーフ窓板等の周縁)に装着されるウェザーストリップ(トリム材とも言われる。)等がある。例えば、フロントウィンドウガラスの外周縁に沿って取り付けられて車体パネルとガラスとの間を遮蔽するフロントウィンドウモールディング、車両のサンルーフ窓板の外周縁に沿って取り付けられてサンルーフ窓板と車体パネルとの間を遮蔽するサンルーフモールディング等が挙げられる。一般に、このようなトリム材は、上記所定の装着部に取り付けられる取付基部と、その取付基部から張り出して塗装された車体パネルに弾性的に圧接する圧接部を備える。その圧接部は、オレフィン系その他の熱可塑性エラストマー(TPE)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)を主体とする合成ゴム等の、いわゆるエラストマー材料を押出成形することによって製造されている。この種の技術に関する先行技術文献として下記特許文献1等がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−331839号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなトリム材を備えた車両が振動するとき、上記所定の装着部とその装着部に隣接する車体パネルとが完全に同期して振動することは少なく、通常は両者の相対位置が微視的に変動(位置ズレ)する。このような相対位置の変動に伴って、装着部に取り付けられたトリム材の圧接部と、その圧接部が圧接している車体パネルとが摺動する。このとき、圧接部と車体パネルとの摺動抵抗が高いと、その摺動に伴って擦れ音が生じることがある。また、圧接部が塗装された車体パネルの表面(例えば、アクリル・ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系、アルキド樹脂系等の塗料によって塗装された平滑な表面(塗装面))に過剰に密着して(貼りついて)、密着した圧接部が車体パネルの塗装面から離れる際等に異音が発生することがある。
また、このようなトリム材が取り付けられる装着部には、そのトリム材の圧接部を車体パネルに一時的(例えば上死点や下死点の死点近く)に圧接させつつ移動(摺動)可能に設けられたものがある。かかる装着部の例としては、開閉可能なタイプのサンルーフモールやスライド開閉式スライドドアのシール材等が挙げられる。そのような装着部に装着されるトリム材は、当該装着部の移動(サンルーフの開閉)を容易にするという観点から、車体パネルとの摺動抵抗は低く、また塗膜に傷をつけたりしないことが好ましい。
【0005】
ところで近年、車両の使用期間は長期化する傾向にあり、これに伴いトリム材その他の車両構成部品においても長期に亘ってその性能を維持することが望まれている。例えば、車体パネルに弾性的に圧接する圧接部を備えた上記トリム材では、長期間の使用により(即ち、振動及び/又は装着部の移動により圧接部と車体パネルとの摺動回数が多くなると)、車体パネルとの摺動抵抗が増加しやすい。このため、かかる摺動抵抗を低下させるとともに、その摺動抵抗の増加をより長期に亘って抑制したいとの要望がある。
【0006】
そこで本発明は、車体パネルに対する摺動抵抗の増加を抑制する効果及びその効果の持続性が高められたウェザーストリップ(典型的にはトリム材)を提供することを目的とする。また、本発明は、そのようなウェザーストリップの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明によって以下に列挙するウェザーストリップが提供される。
即ち、請求項1の発明は、車両の車体パネルに隣接する所定の装着部に取り付けられるウェザーストリップに関する。そのウェザーストリップは、該装着部に取り付けられる取付基部と、該取付基部から張り出して塗装された車体パネルに弾性的に圧接する圧接部とを備える。そして、前記圧接部のうち少なくとも前記車体パネルに圧接する部分は、(a).ハードセグメントとしてのポリオレフィン樹脂の含有割合が全体の50質量%以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマー;(b).平均粒子径が1〜100μmの範囲の固形粒子;及び(c).常温で液状の潤滑剤;を含む成形材料からなる粗面部を有する。その粗面部は、表面が起伏した状態に形成されているとともに、その起伏面に前記固形粒子による多数の小凸部が形成されている。
【0008】
請求項1のウェザーストリップによれば、圧接部のうち塗装された車体パネルに圧接する部分(振動及び/又は装着部の移動により車体パネルの塗装面と摺動する部分)に上記組成及び表面形状(多数の小凸部が形成された起伏面)を有する粗面部が設けられていることから、車体パネルとの摺動抵抗が低く、かつ、その摺動抵抗が増加することを防止する効果の持続性(耐久性)に優れるという効果が得られる。例えば、長期使用等により圧接部と車体パネルとの摺動回数(振動及び/又は装着部の移動による摺動回数)が多くなっても、その摺動抵抗を所定の目標値以下に維持することができる。また、圧接部が車体パネルに過剰に密着すること(貼りつくこと)を防止するとともに、そのような貼りつき防止効果を長期に亘って維持することができる。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1のウェザーストリップにおいて、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを構成するハードセグメントをポリプロピレン樹脂とし、ソフトセグメントをエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)としたものである。請求項2のウェザーストリップによると、請求項1のウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に上記表面形状を有する粗面部を形成しやすいという効果が得られる。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2のウェザーストリップにおいて、前記潤滑剤をシリコーンオイルとしたものである。請求項3のウェザーストリップによれば、請求項1又は2のウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に粗面部の押出成形時に上記表面形状を有する粗面部を形成しやすいという効果が得られる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかのウェザーストリップにおいて、前記固形粒子を、シリコーン樹脂粒子、ガラスビーズ、ガラスバルーン及びシリカ粒子からなる群から選択される一種又は二種以上の球状粒子としたものである。請求項4のウェザーストリップによれば、請求項1から3のいずれかのウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に上記表面形状を有する粗面部を形成しやすいという効果が得られる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかのウェザーストリップにおいて、前記粗面部が、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して前記固形粒子1〜20質量部及び前記潤滑剤1〜20質量部を含有するものである。請求項5のウェザーストリップによれば、請求項1から4のいずれかのウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に上記表面形状を有する粗面部を形成しやすいという効果が得られる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1から5のいずれかのウェザーストリップにおいて、前記(a)のオレフィン系熱可塑性エラストマーよりも低硬度のオレフィン系熱可塑性エラストマーを含む成形材料からなる長尺状の樹脂本体部を有し、該樹脂本体部の表面部分に前記粗面部が設けられているものである。なお、ここで「硬度」とは、典型的には、JIS K 7215によるデュロメータ硬度をいう。また、この「樹脂本体部」という用語における「樹脂」とは、オレフィン系その他の熱可塑性エラストマー(TPE)等の、いわゆるエラストマー材料を含む概念である。
このように、相対的に硬質のエラストマーにより形成された粗面部を、相対的に軟質(低硬度)のエラストマーにより形成された樹脂本体部の表面の少なくとも一部分に設けた構成とすることにより、樹脂本体部のもつ弾力性によって粗面部を適度な弾力で車体パネルに圧接させることができる。従って、請求項6のウェザーストリップによれば、請求項1から5のいずれかのウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に摺動抵抗及び/又は車体パネルとの密着性と弾力とのバランスをとりつつそれらを両立させることが容易であるという効果が得られる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6のウェザーストリップにおいて、前記樹脂本体部と前記粗面部とが相溶性を有し、その境界で溶着しているものである。このように粗面部と樹脂本体部とが相溶性を有していると、これらを共押出成形時の溶着により良好に接合することができる。従って、請求項7のウェザーストリップによれば、請求項6のウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に粗面部の剥がれ等が生じず耐久性に優れるという効果が得られる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項6又は7のウェザーストリップにおいて、前記粗面部は層状に形成されており、その平均厚さは10〜100μmであるものである。典型的には、ほぼ均一な厚さの層状に形成される。請求項8のウェザーストリップによれば、請求項6又は7のウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に上記表面形状を有する粗面部を形成しやすいという効果が得られる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項6又は7のウェザーストリップにおいて、前記粗面部には長手方向に延びる筋状の隆起部が幅方向に間隔をあけて複数形成されており、かつ、その隆起部の表面は前記小凸部が形成された起伏面により構成されているものである。かかる構成によると、主として隆起部の先端(頂部)が車体パネルと接触するので、粗面部と車体パネルとの実質的な接触面積を減らすことができる。従って、請求項9のウェザーストリップによれば、請求項6又は7のウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に摺動抵抗を低下させるという効果が得られる。また、隆起部の間は粗面部が隆起部よりも薄肉となっていて樹脂本体部の変形に追従しやすいため、そのような粗面部が設けられた圧接部を容易にかつ適切に弾性変形させることができるという効果が得られる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項6又は7のウェザーストリップにおいて、前記粗面部は長手方向に延びる線状に形成されており、複数本の線状粗面部が幅方向に間隔をあけて配設されているものである。請求項10のウェザーストリップによれば、請求項9のウェザーストリップと同様に、粗面部と車体パネルとの実質的な接触面積を減らすことができる。このことによって、請求項6又は7のウェザーストリップの奏する効果に加えて、更に摺動抵抗を低下させるという効果が得られる。また、そのような粗面部が設けられていない部分、即ち粗面部よりも柔軟な樹脂本体部で変形を吸収するので、圧接部を容易にかつ適切に弾性変形させることができるという効果が得られる。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかのウェザーストリップにおいて、そのウェザーストリップが車両のフロントウインドウガラスの外周縁に沿って装着されるフロントウインドウモールディングとして形成されているものである。請求項11のウェザーストリップにおいては、請求項1から10のいずれかのウェザーストリップの奏する効果を特によく発揮させることができる。
【0019】
請求項12の発明は、請求項1から10のいずれかのウェザーストリップにおいて、そのウェザーストリップがサンルーフ窓板の外周縁に沿って装着されるサンルーフモールディングとして形成されているものである。請求項12のウェザーストリップにおいては、請求項1から10のいずれかのウェザーストリップの奏する効果を特によく発揮させることができる。
【0020】
また、本発明によって以下のウェザーストリップの製造方法が提供される。
即ち、請求項13の発明は、車両の車体パネルに隣接する所定の装着部に取り付けられる長尺状のウェザーストリップを製造する方法に関する。そのウェザーストリップは、装着部に取り付けられる取付基部と、該取付基部から張り出して塗装された車体パネルに弾性的に圧接する圧接部とを備える。その圧接部は、少なくとも前記車体パネルに圧接する部分に設けられた粗面部を有する。本発明の製造方法では、(a).ハードセグメントとしてのポリオレフィン樹脂の含有割合が全体の50質量%以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマー;(b).平均粒子径が1〜100μmの範囲の固形粒子;及び(c).常温で液状の潤滑剤;を含む粗面部形成用の成形材料を加熱溶融させて樹脂押出成形型から押し出すことにより、表面が起伏した状態に形成されているとともにその起伏面に前記固形粒子による多数の小凸部が形成された該粗面部を形成する。
【0021】
請求項13のウェザーストリップの製造方法によると、所定の組成を有する粗面部形成用の成形材料を加熱溶融させて押出成形するという簡単な方法により、所定の表面形状(多数の小凸部が形成されている起伏面)を有する粗面部を形成することができる。かかる方法により好ましく製造されるウェザーストリップの典型例は、上述したいずれかの請求項のウェザーストリップである。
【0022】
請求項14の発明は、請求項13の製造方法において、前記粗面部は長尺状の樹脂本体部の表面の少なくとも一部分に形成されており、前記粗面部形成用の成形材料及び樹脂本体部形成用の成形材料を加熱溶融させて、それら溶融した成形材料を前記樹脂押出成形型から同時に押し出すことにより前記樹脂本体部及び前記粗面部を成形するものである。
請求項14の製造方法によると、請求項13の製造方法の奏する効果に加えて、更に一つの押出成形型を用いて一度の押出工程により樹脂本体部の表面の少なくとも一部分に粗面部が形成されたウェザーストリップを容易に製造することができるという効果が得られる。このような製造方法は、粗面部形成用の成形材料と樹脂本体部形成用の成形材料との成形温度が同一又は近似しているときに好適に適用することができる。なお、粗面部形成用の成形材料及び樹脂本体部形成用の成形材料を溶融させて、それら溶融した成形材料を予め成形された長尺状本体部(例えば、上記とは異なる組成の成形材料からなる樹脂本体部、金属製の本体部等)と共に樹脂押出成形型から押し出してもよい。
【0023】
請求項15の発明は、請求項13の製造方法において、前記粗面部形成用の成形材料を加熱溶融させて、予め成形された長尺状本体部と共に前記樹脂押出成形型から押し出すことにより、該長尺状本体部の少なくとも一部分に前記粗面部を形成するものである。
請求項15の製造方法によると、請求項13の製造方法の奏する効果に加えて、更に任意の長尺状本体部の表面の少なくとも一部分に容易に粗面部を形成することができるという効果が得られる。このような製造方法は、長尺状の本体部(例えば上述したような樹脂本体部)を形成する材料と、粗面部形成用の成形材料の成形温度が大きく異なるときに好適に適用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えば本発明に係るウェザーストリップ(トリム材等)の構造上及び/又は組成上の特徴)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、いずれも従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書及び図面によって開示されている事項と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【0025】
本発明のウェザーストリップは、車両の車体パネル(典型的にはその塗装面)に隣接する所定の装着部(フロントウィンドウガラス、サンルーフ窓板等)に装着されるものであって、取付基部と圧接部とを備え、かつ、少なくとも圧接部のうち車体パネルに圧接する部分(振動及び/又は装着部の移動により車体パネルと摺動する)に所定の粗面部が設けられている限り、その他の構造や付加的エレメントの有無に限定されない。例えば、ウェザーストリップの外形や横断面形状は、用途や被装着物(装着部位)の形状によって決定され得る設計事項であり、特に制限はない。
【0026】
以下、本発明のウェザーストリップに備えられる粗面部につき説明する。この粗面部は、所定の(a)オレフィン系熱可塑性エラストマー、(b)固形粒子及び(c)潤滑剤を含む成形材料(粗面部形成用成形材料、以下「粗面部成形材料」ともいう。)からなる。
【0027】
上記(a)成分は、ポリオレフィン樹脂をハードセグメントとするオレフィン系熱可塑性エラストマーである。このポリオレフィン樹脂(オレフィン成分)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ペンテン等が挙げられる。これらのうちポリエチレン及びポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。また、このオレフィン系熱可塑性エラストマーを構成するソフトセグメント(エラストマー成分)としては、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等が挙げられる。これらのうちEPDMが特に好ましい。ハードセグメントとして二種以上の重合体を含有してもよく、ソフトセグメントについても同様であるが、ハードセグメントがポリプロピレンであり、ソフトセグメントがEPM又はEPDMであるオレフィン系熱可塑性エラストマーが特に好ましく用いられる。
【0028】
上記オレフィン系熱可塑性エラストマー((a)成分)に含まれるハードセグメント(オレフィン成分)の割合は、該エラストマー((a)成分)全体の50質量%以上(典型的には50〜90質量%)とすることが好ましく、より好ましくは60質量%以上(典型的には60〜85質量%)である。例えば、質量比で、60〜85部(更に好ましくは65〜80部)のポリプロピレンと、10〜30部(更に好ましくは15〜25部)のEPDMと、適当量(例えば5〜30部、好ましくは10〜20部)の軟化剤とを配合してなるオレフィン系熱可塑性エラストマーが上記(a)成分として好適である。軟化剤としては例えばプロセスオイル(典型的にはパラフィン系又はナフテン系)を用いることができる。必要に応じて適当な架橋剤(有機過酸化物等)を適量添加することができる。
【0029】
粗面部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー((a)成分)の硬度は、JIS K 7215によるデュロメータ硬度Dにおいて、40度(HDD40)以上であることが好ましく(典型的には40〜70度)、より好ましくは50度以上(典型的には50〜65度)、更に好ましくは55度以上(典型的には55〜60度)である。粗面部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーの硬度が低すぎると、摺動抵抗を低くする効果及び/又は低い摺動抵抗を維持する効果が少なくなることがある。また、粗面部の粘着性が増加して、塗装された車体パネルに対して過剰に密着しやすくなることがある。
【0030】
上記(b)成分としての固形粒子は、その成形材料(粗面部成形材料)の典型的な成形温度においても固体状態を維持する粒子である。平均粒子径が1〜100μmの範囲にある固形粒子が好ましく、より好ましい範囲は3〜20μmである。その粒子形状は概ね球状であることが好ましい。セラミックス材料(シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物;炭化珪素、炭化ホウ素等の炭化物;窒化珪素、窒化ホウ素等の窒化物等)、金属材料(モリブデン粒子等)、有機材料(ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等)のいずれかを主体とする固形粒子でもよく、これらの複合材料からなる固形粒子でもよい。その他、シリコーン、黒鉛、二硫化モリブデン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、ケイソウ土、雲母粉、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム等を主体とする固形粒子も使用可能である。これらのうち一種のみを用いてもよく、二種以上を併用してもよい。本発明における(b)成分としては、シリカ又はシリコーン樹脂を主体に構成された固形粒子を用いることが好ましい。いわゆる球状シリコーン樹脂粒子、同ガラスビーズ、同ガラスバルーン(中空ガラス粒子)、同シリカ粒子等を好ましく用いることができる。
【0031】
上記(c)成分としての潤滑剤は、常温で液状のものであって、例えばシリコーンオイル(ポリジメチルシリコーン等)等を用いることができる。このようなシリコーンオイル等の液状潤滑剤としては、分子量の異なるものを混合して用いるのが好ましい。これにより、分子量の小さい潤滑剤は分子量の大きいものに比べて粗面部表面に早期にしみ出し、分子量の大きい潤滑剤はその後にしみ出してくるので、このようなしみ出し時期の違いを利用して摺動抵抗の増加を長期に亘って防止することができる。
【0032】
本発明の好ましい態様では、粗面部に含まれる上記(a)〜(c)成分の割合が、質量比で、上記(a)成分100部に対して上記(b)成分1〜20部(好ましくは2〜10部)である。また、粗面部に含まれる上記(a)〜(c)成分の割合が、質量比で、上記(a)成分100部に対して上記(c)成分1〜20部(好ましくは2〜10部)である。上記(a)成分100部に対して上記(b)成分1〜20部(好ましくは2〜10部)及び上記(c)成分1〜20部(好ましくは2〜10部)を含有する組成の粗面部がより好ましい。このような組成によると、後述する表面状態(多数の小凸部が形成されている起伏面)を有する粗面部を容易に形成することができる。その結果、摺動抵抗の低さ及びその摺動抵抗の増加を防止する効果の持続性に優れたウェザーストリップを得ることができる。
【0033】
本発明のウェザーストリップを構成する粗面部は、上記(a)成分に含まれるハードセグメント以外の熱可塑性樹脂を含有することができる。かかる熱可塑性樹脂の好適例としては、超高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリブテン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、硬質又は軟質のポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ABS樹脂、ポリビニルアルコール、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。車体パネル摺動性、耐摩耗性、耐衝撃性の維持或いは向上の観点から、高分子量ポリエチレン又は高密度ポリエチレンを適当量(好ましくは、質量比で、上記(a)成分100部に対して20〜60部)添加するとよい。高分子量ポリエチレンの添加が特に好ましい。
【0034】
また、車体パネルとの摺動性の維持或いは向上の観点から粗面部に含有させ得る他の材料としては、アクリルシリコーン樹脂、脂肪酸化合物等が挙げられる。アクリルシリコーン樹脂を含有させる場合には、質量比で、上記(a)成分100部に対して10部以下(典型的には1〜10部)の割合で含有させることが好ましい。また、脂肪酸化合物としては、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の、常温では固体であり成形温度では液体となる脂肪酸アミド類が好ましく用いられる。このような脂肪酸化合物を含有させる場合には、質量比で、上記(a)成分100部に対して5部以下(典型的には0.5〜5部)の割合で含有させることが好ましい。本発明の粗面部は、その他の補助成分として、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、難燃剤等の一般的な添加剤の一種又は二種以上を含有することができる。
【0035】
次に、上記組成の成形材料からなる粗面部の詳細な表面形状につき説明する。本発明のウェザーストリップに備えられる粗面部は、その表面が起伏した状態に形成されている。粗面部表面の起伏状態は、その粗面部の長手方向に対してほぼ均一であることが好ましい。粗面部の長手方向及び幅方向(長手方向と直交する方向)のいずれに対してもほぼ均一であることがより好ましい。ここで、起伏状態がほぼ均一であるとは、例えば、起伏の平均高さ、起伏の密集度(稠密度)、起伏の形状等のうち一又は二以上の特性において、粗面部の一部と他部との間に顕著な差異が認められないことをいう。
【0036】
図7は、本発明の粗面部の表面状態を示す模式的断面図である。この図7には、圧接部を構成する樹脂本体部20の表面部分に粗面部40を設けた場合を示している。図示するように、この粗面部40の表面は、相対的に高い部分40Hと、相対的に低い部分40Lとが混在した起伏状態に形成されている。
そして、かかる起伏状態を構成する起伏面に多数の小凸部45が形成されている。これらの小凸部45は、粗面部40に含まれる固形粒子44の存在に起因して上記起伏面に形成された盛り上がりである。小凸部45の形成に寄与する固形粒子44の表面は、符号44aで示す固形粒子のように粗面部40を構成するマトリックス樹脂42(固形粒子44を分散させている連続相をいう。)から露出していてもよく、符号44bで示す固形粒子のようにマトリックス樹脂42で覆われていてもよい。図示するように、マトリックス樹脂42から露出している固形粒子44aと露出していない固形粒子44bとが混在していてもよい。これらの小凸部45は、粗面部40の長手方向にも幅方向(長手方向と直交する方向)にもほぼ均一に形成されていることがより好ましい。ここで、小凸部がほぼ均一に形成されているとは、例えば、小凸部の平均高さ、小凸部の密集度等のうち一又は二以上の特性において、粗面部(起伏面)の一部と他部との間に顕著な差異が認められないことをいう。
【0037】
小凸部45の高さ(図7中に記号h1で示すように、周囲の起伏面からの盛り上りの高さをいう。)は、その平均値として、通常は粗面部40に含まれる固形粒子44の平均粒子径の10〜300%に相当する高さとすることができ、25〜200%(より好ましくは50〜150%)に相当する高さであることが好ましい。また、起伏面を構成する起伏の高さ(図7中に記号h2で示すように、相対的に高い部分10Hと低い部分10Lとの差をいう。)は、その平均値として、通常は小凸部45の平均高さの2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。
粗面部のこのような表面形状は、典型的には、上述した特定の組成の成形材料(粗面部成形材料)を例えば常法により押出成形することによって実現することができる。即ち、粗面部成形材料を押出成形する際に、その押出成形に伴って、表面に起伏形状を付与するための後処理を要することなく、上述の表面形状(小凸部が形成された起伏面)を有する粗面部を形成することができる。
【0038】
このような粗面部は、圧接部のうち車体パネル(塗装面)に圧接する部分のほぼ全範囲を含む部分に設けられていてもよく、その一部範囲を含む部分に設けられていてもよい。通常は、車体パネルに圧接する部分のほぼ全範囲を含む部分に設けられていることが好ましい。また、かかる範囲に粗面部が長手方向に沿って連続的に設けられていてもよく、複数の粗面部が互いに間隔をあけて不連続的に設けられていてもよい。圧接部の表面の所定部分に粗面部が設けられていてもよく、粗面部が圧接部の表面から裏面に回りこむ構成であってもよい。或いは、圧接部自体(圧接部の全体)が粗面部成形材料により構成されていてもよく、更にこのウェザーストリップの略全体が粗面部成形材料により構成されていてもよい。粗面部を設ける位置、粗面部の形状及び大きさは、ウェザーストリップの長手方向の前後で一定であってもよく、場所によって異なっていてもよい。
【0039】
本発明の好ましい態様に係るウェザーストリップでは、圧接部が長尺状の樹脂本体部を有し、その樹脂本体部の表面の少なくとも車体パネルに圧接する部分に粗面部が設けられている。この長尺状の樹脂本体部は、エラストマーを主体に構成されていることが特に好ましい。樹脂本体部を構成するエラストマー(室温付近でゴム弾性を示す高分子化合物)としては、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、EPM、EPDM、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムが挙げられる。なかでも、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(SBC)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPAE)等の熱可塑性エラストマーが好適である。特に、コスト、入手容易性、押出成形性の点からオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
【0040】
樹脂本体部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、粗面部を構成する上記(a)成分たるオレフィン系熱可塑性エラストマーと同様のもの等を使用可能である。ここで、上記(a)成分としてのオレフィン系熱可塑性エラストマーと、樹脂本体部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーとは、ハードセグメント及びソフトセグメントの少なくとも一方(好ましくは両方)の種類が共通することが好ましい。このことによって、樹脂本体部と粗面部とを良好に接合(典型的には熱溶着)させることができる。例えば、これらのオレフィン系熱可塑性エラストマーのハードセグメントがいずれもポリプロピレンであり、ソフトセグメントがいずれもEPDMであることが好ましい。
【0041】
上記(a)のオレフィン系熱可塑性エラストマーと樹脂本体部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーとの間で、各エラストマー全体に占めるハードセグメント(オレフィン成分)の含有割合は同程度でもよく異なってもよい。通常は、粗面部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー(上記(a)成分)全体に占めるハードセグメントの含有割合に比べて、樹脂本体部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー全体に占めるハードセグメントの含有割合をより低くすることが好ましい。また、粗面部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー(上記(a)成分)全体に占める軟化剤の含有割合に比べて、樹脂本体部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー全体に占める軟化剤(典型的にはプロセスオイル)の含有割合をより高くすることが好ましい。例えば、樹脂本体部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーの好適例として、質量比で、5〜45部(より好ましくは10〜35部、更に好ましくは20〜30部)のポリプロピレンと、20〜60部(より好ましくは30〜50部)のEPDMと、適当量(例えば20〜50部、好ましくは30〜40部)の軟化剤とを配合してなるものが挙げられる。必要に応じて適当な架橋剤(有機過酸化物等)を適量添加することができる。
【0042】
この樹脂本体部を構成するエラストマー(好ましくはオレフィン系熱可塑性エラストマー)の硬度は、JIS K 7215によるデュロメータ硬度Aにおいて、90度(HDA90)以下であることが好ましく(典型的には50〜90度)、より好ましくは80度以下(典型的には60〜80度)である。かかる範囲の硬度を有するエラストマーにより構成された樹脂本体部によれば、その弾力性によって粗面部を適度な弾力(例えばシール性を保持し得るとともに車体パネルとの摺動抵抗及び/又は密着性を過剰に増大させない程度の弾力)で車体パネルの塗装面に圧接することができる。摺動抵抗と弾力とのバランスをとりやすいことから、樹脂本体部を構成するエラストマーとしては、上述した粗面部を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー((a)成分)よりもデュロメータ硬度の低いものが好ましい。
【0043】
本発明のウェザーストリップにおいては、上述のように圧接部の樹脂本体部を構成する樹脂成形材料(以下、本体部成形材料ともいう。)と同様の樹脂成形材料によって取付基部を構成することができる。また、この取付基部は、圧接部を構成する上記樹脂本体部とは異なる組成の樹脂成形材料を用いてなる成形部分であってもよい。組成の異なる複数の樹脂成形材料を用いて取付基部を構成することができる。また、必要に応じて金属製等の芯材や鋼板等の異形断面材等の異種材料を用いる(例えば、長手方向に沿って埋設する)ことができる。通常は、取付基部の主要部が、本体部成形材料よりも硬質の(例えば、デュロメータ硬度の高い)樹脂成形材料によって形成されていることが好ましい。このことによって、機械的強度、装着部への取付性、形状維持性等の一種又は二種以上の特性に優れた取付基部を容易に実現することができる。
【0044】
上記粗面部は、その表面が多数の小凸部が形成された起伏面により形成されている一方、粗面部全体の形状(外形)としては層状(例えば、ほぼ均一な厚さの層状)とすることができる。かかる層状粗面部は、大まかにみて滑らかな表面を提供するように成形されている。そのような層状粗面部の平均厚さは、10〜100μmの範囲にあることが好ましく、25〜75μmの範囲にあることがより好ましい。例えば、圧接部を構成する樹脂本体部のうち車体パネル側の表面のほぼ全域に亘って、その樹脂本体部の表面形状にならって平均厚さが10〜100μmの範囲の層状粗面部を設けることができる。図7に模式的に示す粗面部40は、そのような層状粗面部の一例である。
【0045】
また、上記粗面部は、全体として、長手方向に延びる筋状の隆起部が幅方向に間隔をあけて複数形成された形状(外形)とすることができる。その隆起部の表面は小凸部が散在した起伏面により構成されている。即ち、この筋状の隆起部は、上述の小凸部及びその小凸部を包含する起伏よりも更に高次の構造である。隆起部の数、形成密度、断面形状等は、ウェザーストリップとしての機能を顕著に妨げることがない限り特に限定されない。通常は、隆起部に隣接する部分(或いは隆起部の裾部分)から隆起部の頂部までの高さを100〜2000μmの範囲とすることが好ましく、より好ましい範囲は500〜1500μmである。隆起部の形成密度は、粗面部の幅方向に対して5〜20本/cmとすることができ、7〜15本/cmとすることが好ましい。各隆起部の断面形状(長手方向に直交する断面形状)は、三角形状、四角形状等の多角形状とすることができる。また、周方向の一部が切り欠かれた円形状、楕円形状等であってもよい。隆起部の頂部が非平面状(凸面状)に形成されていると、車体パネルとの接触面積が少なくなり好ましい。
【0046】
図8には、圧接部を構成する樹脂本体部20の表面の所定部分に、上述のような筋状の隆起部を有する粗面部40を設けた状態を模式的に示している。図8の左右方向が圧接部の幅方向に相当し、紙面と直交する方向が圧接部の長手方向に相当する。なお、前述した図7と同様の機能を果たす部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図示するように、この粗面部40には、長手方向に延びる筋状隆起部41が、幅方向に間隔をあけて複数本(図8にはそれらのうちの一本のみを示している)設けられている。この筋状隆起部41の断面形状は三角形状である。そして、筋状隆起部41の表面は、相対的に高い部分40Hと、相対的に低い部分40Lとが混在した起伏状態に形成されている。その起伏面には、固形粒子44により形成された小凸部45が散在している。
なお、図8には樹脂本体部20の表面部分に粗面部40を設けた例を示しているが、このように粗面部40に筋状隆起部41が形成された構成は、圧接部全体が粗面部40によって構成されている場合にも適用し得る。
【0047】
上記粗面部は、粗面部が全体として(即ち、その粗面部自体が)長手方向に延びる線状の形状(外形)を呈するように形成することができる。例えば、そのような線状粗面部の複数本が本体部の表面の少なくとも一部分に、幅方向に間隔をあけて配設された構成とすることができる。例えば、圧接部を構成する樹脂本体部のうち車体パネル側の表面に、幅方向に間隔をあけて複数本の線状粗面部を設けることができる。線状粗面部を設ける数、その配置密度、断面形状等は、ウェザーストリップとしての機能を顕著に妨げることがない限り特に限定されない。通常は、樹脂本体部の表面(線状粗面部に隣接する表面)から線状粗面部の頂部までの高さを100〜2000μmの範囲とすることが好ましく、より好ましい範囲は500〜1500μmである。線状粗面部の配置密度は、本体部の幅方向に対して5〜20本/cmとすることができ、7〜13本/cmとすることが好ましい。各線状粗面部の断面形状(長手方向に直交する断面形状)は、三角形状、四角形状等の多角形状とすることができ、円形状、楕円形状等であってもよい。線状粗面部の頂部が非平面状(凸面状)に形成されていることが好ましい。
【0048】
樹脂本体部の表面の少なくとも一部分に上記線状粗面部が設けられた構成では、その線状粗面部の裾部(樹脂本体部側の端部)と樹脂本体部とが接合していることが好ましい。例えば、溶着(典型的には熱溶着)、接着等の化学的接合がなされていることが好ましい。また、線状粗面部の裾部が樹脂本体部に埋設されていてもよい。この埋設された部分の幅は、樹脂本体部から露出して(突出して)いる部分の幅よりも広いことが好ましい。このような態様によると、樹脂本体部に埋設された部分が発揮するアンカー効果によって、樹脂本体部と線状粗面部との結合力を更に高めることができる。これにより粗面部の耐久性が向上し、ひいてはウェザーストリップの耐久性を向上させることができる。
【0049】
本発明のウェザーストリップは、従来から自動車用のウェザーストリップ(例えば各種モールディング等)を製造する場合に用いられている方法と同様の成形方法を採用することによって容易に製造することができる。典型的には、上記粗面部を形成するための樹脂成形材料(粗面部成形材料)と、必要に応じて他の成形材料及び/又は予め成形された成形体等を用いて一般的な押出成形を行うことにより、所望する形状(断面形状)のウェザーストリップを製造することができる。
【0050】
【実施例】以下に説明する実施例によって、本発明を更に詳細に説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<第一実施例>
第一実施例として、自動車のサンルーフ材の外周縁に沿って取り付けられるサンルーフモールディングにつき、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、自動車のルーフパネル3の開口部に取り付けられて、例えばルーフパネル3にほぼ平行な方向にスライドして前記開口部を閉塞・開放するサンルーフ材1は、サンルーフガラス1aとそれを保持するサンルーフフレーム1bとを備える。そのサンルーフ材1の外周縁の全周に沿ってサンルーフモールディング4が装着されている。サンルーフモールディング4は、サンルーフガラス1a及びサンルーフフレーム1bに嵌合する取付基部22aと、サンルーフガラス1aの外周縁の表側を覆う意匠部22bと、取付基部22aの外周からサンルーフ材1の外方(ルーフパネル3側)に張り出してサンルーフガラス1aとルーフパネル3との間をシールするシール部22cとを有する。シール部22cは、その外方にあるルーフパネル3に圧接する圧接部26を構成している。また、シール部22cの内部には中空空間23が設けられている。サンルーフモールディング4を装着したサンルーフ材1をルーフパネル3に組み付けて前記開口部を閉じる位置に配置すると、圧接部26がルーフパネル3に弾性的に圧接する。サンルーフ材1をルーフパネル3と平行な方向に移動させてルーフパネル3の開口部を開閉する際には、そのサンルーフ材に装着されたサンルーフモールディング4の該サンルーフ材1の移動方向と平行方向に配置された部分では圧接部26がルーフパネル3に圧接しつつ移動し、サンルーフ材1の移動方向とは異なる方向に配置された部分では圧接部26が移動の開始時又は終了時に車両の内外方向へ若干移動した後、ルーフパネル3に圧接する。なお、図1は、サンルーフモールディング4がサンルーフ材1の移動方向と平行方向に配置された部分の横断面であり、サンルーフ材1がルーフパネル3に組み付けられる前のサンルーフモールディング4の状態(圧接部26が外力により変形していない状態)を示している。
【0051】
このサンルーフモールディング4は、その構成材料の面からみた場合、樹脂本体部20を主構成要素とする。その樹脂本体部20は、質量比で、ポリプロピレン樹脂25部と、EPDM40部と、プロセスオイル(パラフィン系又はナフテン系)30部とを配合してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、「TPO(1)」と表記することもある。)を含み、この他に補助成分5部を含む成形材料(本体部成形材料)を用いて成形された部分(長尺状本体部)である。樹脂本体部20を構成する上記TPO(1)の硬度は、JIS K 7215によるデュロメータ硬度Aにおいて凡そ75度である。
【0052】
そして、圧接部26の少なくとも表面(ルーフパネル3と摺接する箇所)に粗面部251が設けられている。その粗面部251は、シール部22cを構成する樹脂本体部20の表面部分に沿って長手方向に一体に形成されている。樹脂本体部20と粗面部251とはその境界で熱溶着している。粗面部251の全体形状は層状(薄膜状)であり、その平均厚さは凡そ50μmである。その粗面部251の表面は、微視的にみると、図7に模式的に示す粗面部40と同様に、相対的に高い部分と、相対的に低い部分とが混在した起伏状態となっている。かかる起伏状態にある起伏面に、固形粒子による多数の小凸部が形成されている。
【0053】
かかる粗面部251は、ポリプロピレン樹脂70部と、EPDM15部と、プロセスオイル(パラフィン系又はナフテン系)15部とを配合してなるオレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、「TPO(2)」と表記することもある。)を含む粗面部成形材料を用いて形成された部分である。即ち、このTPO(2)は、ハードセグメントとしてのポリプロピレンを全体の50質量%以上(70質量%)の割合で含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーである。このTPO(2)の硬度は樹脂本体部20の硬度よりも高く、JIS K 7215によるデュロメータ硬度Dにおいて凡そ58度である。そして、上記粗面部成形材料は、質量比で、TPO(2)100部と、固形粒子としての球状のシリコーン樹脂粒子(GE東芝シリコーン株式会社製の球状シリコーン樹脂粒子、商品名「トスパール(商標)」、平均粒子径約12μm)5部と、液状潤滑剤としてのシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のジメチルシリコーンオイル、商品名「SH200」)8部と、アクリルシリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製のシリコーンアクリル共重合体樹脂パウダー、商品名「X−22−8171」)5部と、エルカ酸アミド(日本油脂株式会社製)2部とを含有する。
【0054】
以上で説明したサンルーフモールディング4は、例えば図10に示すように、樹脂本体部を成形する材料用の第一供給口81a及び粗面部を成形する材料用の第二供給口を81bを有する押出ダイ82に第一押出機80及び第二押出機83が連結された装置を用いて、共押出成形により容易に製造することができる。即ち、第一供給口81a及び第二供給口81bから上記本体部成形材料及び上記粗面部成形材料をそれぞれ加熱溶融状態で供給して押出ダイ82内で合流させ、それらを所定の断面形状の押出口から押出成形する。これにより、予め成形された樹脂本体部と粗面部とが一体化してなる押出成形体84を押し出すことができる。この押出成形体84を冷却した後に適宜切断して、所望する長さのサンルーフモールディング4を得ることができる。この製造方法は、本体部成形材料及び粗面部成形材料の成形温度が同一又は近似しており、かつ両材料が互いに相溶性を有しているときに好適に適用することができる。
【0055】
また、前記製造方法に代わる製造方法について説明すると、まず上記本体部成形材料を用いて樹脂本体部を押出成形する。そして、例えば図9に示すように、第一押出ダイ71から押し出した樹脂本体部70を第二押出ダイ72に連続供給するとともに、上記粗面部成形材料を押出機73から加熱溶融状態で第二押出ダイ72に供給し、それらを所定の断面形状の押出口から押し出す。これにより、予め成形された樹脂本体部70を構成する成形材料(本体部成形材料)と、加熱溶融状態で供給された粗面部成形材料とが両材料の相溶性により長手方向に溶着・接合し、樹脂本体部と粗面部とが一体化してなる押出成形体74を押し出すことができる。その後、上記押出口から押し出された押出成形体74を冷却装置75により冷却した後、引取装置76を介して引き取り、切断装置77で切断することにより、所望する長さのサンルーフモールディング4が得られる。この後者の方法は、本体部成形材料と粗面部成形材料とが相溶性を有しているが、それぞれの材料の成形温度が大きく異なる場合に好ましく採用される。
なお、この後者の製造方法は、本体部成形材料と粗面部成形材料とが相溶性に乏しい場合にも好ましく適用することができる。かかる場合には、押出ダイに供給される樹脂本体部の粗面部と固着する表面に予め接着剤を塗布しておくことができる。これにより、樹脂本体部と粗面部との接着性を向上させ得る。また、上記いずれの方法においても、樹脂本体部を押し出す際に、線状あるいは略コ字状(略U字状)の芯材(典型的には金属製の芯金)を樹脂本体部の内部に埋設することができる。これにより、所望の引張強度、耐熱収縮性、取付強度等を有する製品を製造することができる。
【0056】
上記構成のサンルーフモールディング4によると、圧接部26のルーフパネル圧接面に所定の組成及び表面形状を有する粗面部251が設けられているので、圧接部26とルーフパネル3との摺動抵抗を低下させ、かつその低い摺動抵抗を長期に亘って(多数回の摺動に対しても)維持することができる。また、このように摺動抵抗が低く維持されるので、車体の振動等によって圧接部26とルーフパネル3とが摺動することに起因する擦れ音の発生を抑制することができる。さらに、そのような粗面部251が設けられていることにより、サンルーフモールディング4(圧接部26)がルーフパネル3に過度に付着する(貼りつく)ことが抑制される。このことによって、サンルーフ材を開閉して付着した圧接部26がルーフパネル3から離れる際等に異音が発生するという事象を回避することができる。上記組成を有する粗面部成形材料を使用することによって、かかる表面形状を有する粗面部251を容易に(押出成形と同時に)実現することができる。この粗面部251は、柔軟性に優れた成形材料からなる樹脂本体部20の表面の所定部分に形成されている。従って、ルーフパネル3に圧接部26を適度な弾力で圧接させることができる。粗面部251を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO(1))と樹脂本体部20を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO(2))とは、ハードセグメントの種類(ポリプロピレン)及びソフトセグメントの種類(EPDM)が共通しており、両材料の相溶性により溶着性が良好である。従って、押出成形時の熱等を利用して、樹脂本体部20と粗面部251とを適切に溶着させることができる。このように両者がその境界で溶着していることから、上記実施例に係るサンルーフモールディング4は、粗面部251の耐久性が良好である。例えば、樹脂本体部20から粗面部251が剥離することが効果的に防止されている。
【0057】
上記粗面部を設けることにより得られる効果を確認するため、圧接部26を構成する樹脂本体部20と同じ組成の本体部成形材料からなる樹脂本体部の表面に、以下に示す成形材料(1)〜(7)を用いて表面層(上記粗面部に該当する場合を含む)を形成して対応する成形体1〜7を作製した。それらの成形体と、車体パネルの塗装面と同一のアクリルウレタン樹脂塗膜を形成した鉄板との振動及び摺動抵抗値を評価した。
【0058】
[成形材料(1)] 上記サンルーフモールディング4に備えられる粗面部251の形成に用いた粗面部形成材料と同じ組成の成形材料を使用した。即ち、質量比で、上記TPO(2)100部と、固形粒子としての上記球状シリコーン樹脂粒子(GE東芝シリコーン株式会社製の商品名「トスパール(商標)」、平均粒子径約12μm)5部と、液状潤滑剤としての上記シリコーンオイル8部と、上記アクリルシリコーン樹脂5部と、エルカ酸アミド2部とを含有する成形材料を用いた。
[成形材料(2)] 上記球状シリコーン樹脂粒子に代えて、平均粒子径の異なる球状シリコーン樹脂粒子(GE東芝シリコーン株式会社製の商品名「トスパール(商標)」、平均粒子径約6μm)5部を用いた。その他の組成は成形材料(1)と同様である。
[成形材料(3)] 上記球状シリコーン樹脂粒子に代えて、平均粒子径の異なる球状シリコーン樹脂粒子(GE東芝シリコーン株式会社製の商品名「トスパール(商標)」、平均粒子径約3μm)5部を用いた。その他の組成は成形材料(1)と同様である。
【0059】
[成形材料(4)] 質量比で、上記TPO(2)100部と、固形粒子としての球状シリカ粒子(電気化学工業株式会社製の商品名「デンカ溶融シリカ FB−35」、平均粒子径約11μm)5部と、上記シリコーンオイル2.5部と、エルカ酸アミド2部と、高分子量ポリエチレン40部と、高分子量ポリエチレンパウダー10部とを含有する成形材料を用いた。
[成形材料(5)] 上記球状シリカ粒子に代えて、平均粒子径の異なる球状シリカ粒子(電気化学工業株式会社製の商品名「デンカ溶融シリカ FB−35」、平均粒子径約8μm)5部を用いた。その他の組成は成形材料(4)と同様である。
【0060】
[成形材料(6)] 質量比で、上記TPO(2)100部と、固形粒子としての上記球状シリコーン樹脂粒子(GE東芝シリコーン株式会社製の商品名「トスパール(商標)」、平均粒子径約12μm)5部と、上記アクリルシリコーン樹脂5部と、エルカ酸アミド2部とを含有する成形材料を用いた。なお、この成形材料(6)は、上記液状潤滑剤に相当する成分(例えばシリコーンオイル)を実質的に含有しない。
[成形材料(7)] 質量比で、上記TPO(2)100部と、上記シリコーンオイル2.5部と、エルカ酸アミド2部と、高分子量ポリエチレン40部と、高分子量ポリエチレンパウダー10部とを含有する成形材料を用いた。なお、この成形材料(7)は、上記固形粒子に相当する成分(球状シリコーン樹脂粒子、球状シリカ粒子等)を実質的に含有しない。
【0061】
成形体1〜7は以下のようにして作製した。即ち、まず上述の本体部成形材料(質量比で、上記TPO(1)100質量部及び補助成分5部を含有する成形材料)及び上記成形材料(1)〜(7)を加熱溶融状態で共押出用押出ダイに供給し、それらを共に押出口から押し出した。これにより、厚さ約1.5mmの樹脂成形体の一方の表面に上記成形材料(1)〜(7)からなる表面層が厚さ約50μmの層状に形成された成形体1〜7を得た。これらの成形体に備えられた表面層の外観を目視により観察したところ、成形体6の表面層は平均粗度が10μmを超えず比較的光沢を有しており、表面粗度の低い状態に形成されていた。これに対して、成形体1〜5の表面層は艶消し状態となっており、より詳細に観察したところ、図7に模式的に示すように、多数の小凸部45を有するユズ肌(オレンジピール)状に形成された平均粗度が15μm程度の起伏面40H,40L,40H,40L・・・が形成され、表面粗度が大きい状態に形成されていた。成形体1〜5においてユズ肌状の起伏面が形成されるのは、押出成形中のダイの中で圧縮状態で流動する粗面部形成用の溶融材料(成形材料)の流動速度が部分的に変動することに因ると推定される。即ち、ダイの流路面に接する部分にシリコーンオイル層が存在しないときはミクロ的に一部の材料がダイの流路面と直接接して相対的に遅く流れ、シリコーンオイル層が存在するときは液状潤滑材としてのシリコーンオイルが滑り層として働き相対的に速く流れる現象が生じていると考えられる。更に、成形材料(1)〜(5)が固形粒子を含有することとの相互作用によって、成形体1〜5では、図7に示すような多数の小凸部を有する起伏面が良好に形成されたものと推察される。
【0062】
これらの成形体1〜7とガラスとの摺動抵抗を測定した。即ち、図2に示すように、幅100mm、高さ50mm、厚さ1.5mmの前記塗装鉄板92を用意した。なお、幅方向の両端はシャープエッジができないよう折り返して丸みを作った。一方、上記成形体1〜7を300mmの長さにカットして試験片94を作製した。図2に示すように、レール96に沿って往復移動可能に構成された摺動抵抗測定機98に塗装鉄板92を保持させ、その塗装鉄板92の表面のうち下端から20mmの範囲を試験片94の表面(表面層が形成された側)に9.8Nの荷重で押し付けた状態で、試験片94の長手方向に距離50mmの範囲で繰り返して往復移動させた。試験片94に対する塗装鉄板92の摺動速度は200mm/sとした。各成形体1〜7につき、塗装鉄板92の往復移動回数が2000回に達したときの摺動抵抗(初期摺動抵抗)及び20000回に達したときの摺動抵抗(後期摺動抵抗)を測定した。その結果を表1に示す。表1中の摺動抵抗の欄において、「◎」は摺動抵抗値が小さい(8N/100mm未満である)ことを、「○」は摺動抵抗値が中程度(8N/100mm以上10N/100mm未満)であることを、「×」は摺動抵抗値が大きい(10N/100mm以上である)ことを表している。この表1には、各成形体に備えられた表面層の大まかな組成及び表面状態を併せて示している。
【0063】
【表1】
Figure 2004299640
【0064】
表1から判るように、表面層として本発明の組成及び表面形状を有する粗面部が形成されている成形体1〜5では、初期の摺動抵抗の値を小〜中程度に(例えば10N/100mm以下、好ましくは10N/100mm未満に)することができるとともに、その低い摺動抵抗値(例えば10N/100mm以下、好ましくは10N/100mm未満)を後期に至るまで維持することができた。具体的には、成形体1〜5では、いずれも初期(摺動回数:2000回)の摺動抵抗値が「○」又は「◎」のレベルであり、後期(摺動回数:20000回)に至っても摺動抵抗値が「○」のレベルを超えて増加することはなかった。
【0065】
図11は、成形体1、成形体6及び成形体7につき、上記摺動試験の結果をグラフに表したものである。グラフの横軸は摺動回数(往復移動の回数)を、縦軸は摺動抵抗値を示している。このグラフからも判るように、本発明の粗面部を有する成形体1では初期から後期に至るまで摺動抵抗の値が低く(10N/100mm以下に)維持されている。一方、液状潤滑剤を含有せず本発明の粗面部が形成されていない成形体6では、初期から後期に至るまで、成形体1に比べて明らかに摺動抵抗の高い状態が続いている。また、固形粒子を含有せず本発明の粗面部が形成されていない成形体7では、初期の摺動抵抗値は成形体1と同程度であるものの、摺動回数が多くなると、成形体1に比べて摺動抵抗が顕著に増加している。例えば、摺動回数が約10000回以上になると摺動抵抗が10N/100mmを超える値となっている。
【0066】
<第二実施例>
この第二実施例は、圧接部に設けられた粗面部の全体形状(外形形状)が第一実施例とは異なる一つの例である。以下、第一実施例の構成と相違する点を中心に説明する。
図3は、本実施例に係るサンルーフモールディング4の圧接部26の一部を拡大して示すもので、その長手方向に直交する断面を示す模式的断面図である。圧接部26は、ルーフパネル3の表面(塗装面)に圧接する部分に、第一実施例と同様の粗面部成形材料により形成された粗面部257を有する。この粗面部257は、圧接部26を構成する樹脂成形体20の表面の所定部分に設けられている。粗面部257には、長手方向に延びる筋状の隆起部257aが、幅方向に間隔をあけて複数形成されている。各隆起部257aの横断面形状は略三角形状である。相互に隣接する隆起部257aは、ベース部257bにより連結されている。各ベース部257bの幅は、例えば約0.5〜5mmとすることができる。また、ベース部257bの厚さは、例えば約5〜50μmとすることができる。ベース部257bの表面から隆起部257の頂部257cまでの平均高さは、例えば約100〜2000μmとすることができる。隆起部257aの形成密集度は、粗面部257の幅方向に対して、例えば約5〜20本/cmとすることができる。そして、図8に示す模式図のように、各隆起部257aの表面は、多数の相対的に高い部分40Hと、多数の相対的に低い部分40Lとが混在した起伏面(40H,40L,40H,40L・・・)となっており、そのような起伏面の上に更に多数の小凸部45が形成されている。なお、粗面部257と樹脂本体部20とはその境界で熱溶着している。
【0067】
このような全体形状の粗面部257を有する圧接部26がルーフパネル3に圧接するとき、図示するように粗面部257は断面三角形状の筋状隆起部257aを有することから、ルーフパネル3と粗面部257(圧接部26)とは、主としてその隆起部257aの頂部257cにおいて、典型的には線状に接触(線接触)する。従って、この粗面部が層状の全体形状を有する場合に比べて、本実施例の形態によると、粗面部257とルーフパネル3との接触面積が少なくなる。これにより、サンルーフモールディング4を移動(図3の紙面と垂直方向への移動)させる際の、圧接部26とルーフパネル3との摺動抵抗を更に低下させることができる。また、この粗面部257には、長手方向に延びる隆起部257a(厚肉部分)とベース部257b(薄肉部分)とが、その幅方向に対して交互に設けられている。かかる構成を有する粗面部257は、主としてベース部257bの薄肉部分の変形により、幅方向に容易に弾性変形させることができる。即ち、圧接部26がルーフパネル3に圧接して弾性変形するとき、薄肉なベース部257bが実質的な変形を受け持つことになる。従って、樹脂本体部20を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーよりも硬度の高いオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いて形成された粗面部257を備える圧接部26においても、その粗面部257を樹脂本体部20とともに適切に弾性変形(主として幅方向への変形)させて、圧接部26の機能を十分に発揮させることができる。
【0068】
<第三実施例>
この第三実施例は、圧接部に設けられた粗面部の全体形状(外形形状)が第一実施例及び第二実施例とは異なる一つの例である。以下、第一実施例及び第二実施例の構成と相違する点を中心に説明する。
図4は、本実施例に係るサンルーフモールディング4の圧接部26の一部を拡大して示すもので、その横断面を示す模式的横断面図である。圧接部26は、ルーフパネル3の表面(塗装面)に圧接する部分に、第一実施例と同様の粗面部成形材料により形成された複数の粗面部258を有する。これらの粗面部258は、全体として線状の外形形状に形成されており、圧接部26を構成する樹脂本体部20の表面の所定部分に幅方向に間隔をあけて複数本設けられている。樹脂本体部20と粗面部258とはその境界で熱溶着している。各粗面部258の長手方向に直交する断面形状は略三角形状であり、裾部(根元部分)258aは樹脂本体部20に埋設されてアンカー作用も働くようにしてある。隣接する粗面部258の間隔は、それらの粗面部258の底面において、例えば約0.5〜5mmとすることができる。また、樹脂本体部20の表面から粗面部258の頂部258bまでの平均高さは、例えば約100〜2000μmとすることができる。粗面部258の形成密度は、樹脂本体部20の幅方向に対して、例えば約5〜20本/cmとすることができる。なお、各粗面部258の表面は多数の小凸部が形成された起伏面により構成されている。
【0069】
図5は、このような全体形状の粗面部258を有する圧接部26を備えたサンルーフモールディング4がルーフパネル3に組み付けられてルーフパネル3の開口部を閉じたときに、ルーフパネル3に圧接して圧接部26が幅方向に変形した様子を示している。図示するように、圧接部26には断面三角形状の線状粗面部258が長手方向に設けられていることから、ルーフパネル3と圧接部26とは、主としてその粗面部258の頂部258bにおいて、典型的には線状に接触(線接触)する。従って、この粗面部が層状の全体形状を有する場合に比べて、本実施例の形態によると、粗面部258とルーフパネル3との接触面積が少なくなる。これにより、サンルーフモールディング4を移動(図5の紙面と垂直方向への移動)させる際の、圧接部26とルーフパネル3との摺動抵抗を更に低下させることができる。また、樹脂本体部20には、長手方向に延びる粗面部258が設けられた部分と、かかる粗面部258が設けられていない部分とが、その幅方向に対して交互に設けられている。かかる構成を有する圧接部26は、主として粗面部258が設けられていない部分の樹脂本体部20の変形により、幅方向に容易に弾性変形させることができる。従って、樹脂本体部20を構成するオレフィン系熱可塑性エラストマーよりも硬度の高いオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いて形成された粗面部257を備える圧接部26においても、その圧接部26を適切に弾性変形させて十分に機能を発揮させることができる。
【0070】
<第四実施例>
第四実施例として、自動車のフロントウィンドウの外周縁に沿って取り付けられるフロントウィンドウモールディングにつき、図面を参照しつつ説明する。
図6に示すように、フロントウィンドウガラス2の外周縁に沿って装着されるフロントウィンドウモールディング5は、フロントウィンドウガラス2の外縁に嵌合する取付基部22aと、その取付基部22aの内方に張り出した意匠部22b及び外方に張り出したシール部22cとを備える。シール部22cの先端付近は、車体パネルに弾性的に圧接する圧接部26となっている。フロントウィンドウモールディング5を装着したフロントウィンドウガラス2を車体に組み付けると、図示するように、シール部22cがルーフパネル3等の車体パネルに弾性的に圧接する。なお、図5中には、フロントウィンドウガラス2が車体に組み付けられる前のフロントウィンドウモールディング5の状態(圧接部26が外力により変形していない状態)を二点鎖線で示している。
【0071】
取付基部22aは比較的硬質の樹脂成形材料を用いて形成されており、その内部には金属製の芯材24が長手方向に沿って埋設されている。一方、圧接部26は、長手方向に延びる長尺状の樹脂本体部20を備え、その内部には中空空間23が設けられている。樹脂本体部20は、第一実施例のサンルーフモールディング4を構成する樹脂本体部20と同様の成形材料(本体部成形材料)からなり、その根元部分(内周端)が取付基部22aと熱溶着していることにより取付基部22aと一体化している。シール部22cの表面のルーフパネル3等の車体パネルに圧接する部分には粗面部252が設けられている。その粗面部252は、シール部22cを構成する樹脂本体部20の表面の所定部分に長手方向に一体に形成されている。樹脂本体部20と粗面部252とはその境界で熱溶着している。粗面部252は、第一実施例のサンルーフモールディング4に設けられた粗面部251と同様の成形材料(粗面部成形材料)を用いて形成された部分である。粗面部252の全体形状及び表面形状は粗面部251と同様である。
【0072】
上記構成のフロントウィンドウモールディング5によると、圧接部26のルーフパネル圧接面に所定の組成及び表面形状を有する粗面部252が設けられているので、圧接部26とルーフパネル3等の車体パネルとの摺動抵抗を低下させ、かつその低い摺動抵抗を長期に亘って(多数回の摺動に対しても)維持することができる。また、そのような粗面部251が設けられていることにより、フロントウィントウモールディング5(圧接部26)がルーフパネル3等の車体パネルに過度に付着する(貼りつく)ことが防止される。このことによって、車体の振動等によって圧接部と車体パネルとが摺動することに起因する擦れ音や、車外と車内の気圧差に起因するシール部の異音の発生を長期に亘って抑制することができる。また、付着した圧接部26が車体パネルから離れる際等に異音が発生するという現象を回避することができる。
【0073】
以上、いくつかの実施例を挙げて本発明のウェザーストリップを説明したが、本発明はこれら実施例に示した形状・用途に限定されない。例えば、車両の平滑面(窓ガラス、車体パネル等)に弾性的に圧接される圧接部(リップ等)を備えた他の車両構成部品にも適用することができる。そのような車両構成部品(典型的には長尺状樹脂成形部材)としては、いわゆるウェザーストリップ類、例えば、車両の窓枠に沿って取り付けられて窓ガラスの移動を案内する溝を形成するガラスランチャンネル、移動可能なガラスに接してガラス出入口の縁に取り付けられるインナー(車内側)ベルトモールディング、アウター(車外側)ベルトモールディング等のベルトモールディング類等が例示される。
【0074】
即ち、本明細書により開示される技術には以下のものが含まれる。
(1)車両の所定の装着部に取り付けられるウェザーストリップであって、
該装着部に隣接する車両構成部分に弾性的に圧接される圧接部を備え、
少なくとも前記圧接部のうち前記車両構成部分と直接接触し得る箇所に、以下の(a)〜(c)の成分:
(a).ハードセグメントとしてのポリオレフィン樹脂の含有割合が全体の50質量%以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマー;
(b).平均粒子径が1〜100μmの範囲の固形粒子;及び
(c).常温で液状の潤滑剤;
を含む成形材料からなる粗面部を有し、
その粗面部は、表面が起伏した状態に形成されているとともに、その起伏面に前記固形粒子による多数の小凸部が形成されている長尺状樹脂成形部材。
(2)前記圧接部は窓ガラスに圧接することを特徴とする、前記(1)に記載の長尺状樹脂成形部材。
(3)前記(2)に記載の長尺状樹脂成形部材において、前記圧接部は移動する前記窓ガラスに圧接する長尺状樹脂成形部材。
(4)前記圧接部は車体パネルに圧接することを特徴とする、前記(1)に記載の長尺樹脂成形部材。
(5)前記(4)に記載の長尺状樹脂成形部材において、前記圧接部を前記車体パネルに圧接しつつ移動可能な装着部に取り付けられている長尺状樹脂成形部材。
【0075】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独で或いは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施例に係るサンルーフモールディングを示す断面図である。
【図2】摺動抵抗の測定方法を模式的に示す説明図である。
【図3】第二実施例に係るサンルーフモールディングの要部を示す断面図である。
【図4】第三実施例に係るサンルーフモールディングの要部を示す断面図である。
【図5】第三実施例に係るサンルーフモールディングの要部を示す断面図である。
【図6】第四実施例に係るフロントウィンドウモールディングを示す断面図である。
【図7】粗面部の表面形状を示す模式的断面図である。
【図8】粗面部の表面形状を示す模式的断面図である。
【図9】本発明のウェザーストリップの一製造例を模式的に示す説明図である。
【図10】本発明のウェザーストリップの一製造例を模式的に示す説明図である。
【図11】摺動抵抗の測定結果を示す特性図である。
【符号の説明】
1:サンルーフ材(装着部)
2:フロントウィンドウガラス(装着部)
3:ルーフパネル(車体パネル)
4:サンルーフモールディング(ウェザーストリップ)
5:フロントウィンドウモールディング(ウェザーストリップ)
20:樹脂本体部
22a:取付基部
251,252,257,258:粗面部
257a:隆起部
257b:ベース部
257c:頂部
258a:裾部
258b:頂部
26:圧接部
40:粗面部
41:隆起部
44:固形粒子
45:小凸部

Claims (15)

  1. 車両の車体パネルに隣接する所定の装着部に取り付けられる長尺状のウェザーストリップであって、
    該装着部に取り付けられる取付基部と、該取付基部から張り出して塗装された車体パネルに弾性的に圧接する圧接部とを備え、
    前記圧接部のうち少なくとも前記車体パネルに圧接する部分は、以下の(a)〜(c)の成分:
    (a).ハードセグメントとしてのポリオレフィン樹脂の含有割合が全体の50質量%以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマー;
    (b).平均粒子径が1〜100μmの範囲の固形粒子;及び
    (c).常温で液状の潤滑剤;
    を含む成形材料からなる粗面部を有し、
    その粗面部は、表面が起伏した状態に形成されているとともに、その起伏面に前記固形粒子による多数の小凸部が形成されているウェザーストリップ。
  2. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマーを構成するハードセグメントはポリプロピレン樹脂であり、ソフトセグメントはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体である、請求項1に記載のウェザーストリップ。
  3. 前記潤滑剤はシリコーンオイルである、請求項1又は2に記載のウェザーストリップ。
  4. 前記固形粒子は、シリコーン樹脂粒子、ガラスビーズ、ガラスバルーン及びシリカ粒子からなる群から選択される一種又は二種以上の球状粒子である、請求項1から3のいずれか一項に記載のウェザーストリップ。
  5. 前記粗面部は、前記オレフィン系熱可塑性エラストマー100質量部に対して前記固形粒子1〜20質量部及び前記潤滑剤1〜20質量部を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のウェザーストリップ。
  6. 前記(a)のオレフィン系熱可塑性エラストマーよりも低硬度のオレフィン系熱可塑性エラストマーを含む成形材料からなる長尺状の樹脂本体部を有し、該樹脂本体部の表面部分に前記粗面部が設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載のウェザーストリップ。
  7. 前記樹脂本体部と前記粗面部とはその境界で溶着している、請求項6に記載のウェザーストリップ。
  8. 前記粗面部は層状に形成されており、その平均厚さは10〜100μmである、請求項6又は7に記載のウェザーストリップ。
  9. 前記粗面部には長手方向に延びる筋状の隆起部が幅方向に間隔をあけて複数形成されており、かつ、その隆起部の表面は前記小凸部が形成された起伏面により構成されている、請求項6又は7に記載のウェザーストリップ。
  10. 前記粗面部は長手方向に延びる線状に形成されており、複数本の線状粗面部が幅方向に間隔をあけて配設されている、請求項6又は7に記載のウェザーストリップ。
  11. 車両のフロントウインドウガラスの外周縁に沿って装着されるフロントウインドウモールディングとして形成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のウェザーストリップ。
  12. 車両のサンルーフ窓板の外周縁に沿って装着されるサンルーフモールディングとして形成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のウェザーストリップ。
  13. 車両の車体パネルに隣接する所定の装着部に取り付けられる長尺状のウェザーストリップを製造する方法であって、
    前記ウェザーストリップは、該装着部に取り付けられる取付基部と、該取付基部から張り出して塗装された車体パネルに弾性的に圧接する圧接部とを備え、前記圧接部は少なくとも前記車体パネルに圧接する部分に設けられた粗面部を有し、
    以下の(a)〜(c)の成分:
    (a).ハードセグメントとしてのポリオレフィン樹脂の含有割合が全体の50質量%以上であるオレフィン系熱可塑性エラストマー;
    (b).平均粒子径が1〜100μmの範囲の固形粒子;及び
    (c).常温で液状の潤滑剤;
    を含む粗面部成形用の成形材料を加熱溶融させて樹脂押出成形型から押し出すことにより、表面が起伏した状態に形成されているとともにその起伏面に前記固形粒子による多数の小凸部が形成されている該粗面部を成形することを特徴とする、ウェザーストリップの製造方法。
  14. 前記粗面部は長尺状の樹脂本体部の表面の少なくとも一部分に形成されており、前記粗面部形成用の成形材料及び樹脂本体部形成用の成形材料を加熱溶融させて、それら溶融した成形材料を前記樹脂押出成形型から同時に押し出すことにより前記樹脂本体部及び前記粗面部を成形する、請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記粗面部形成用の成形材料を加熱溶融させて、予め成形された長尺状本体部と共に前記樹脂押出成形型から押し出すことにより、該長尺状本体部の表面の少なくとも一部分に前記粗面部を形成する、請求項13に記載の製造方法。
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