JP2004155221A - 自動車用ウェザーストリップ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、耐久性、緊密接触性及び窓ガラスの昇降操作時における軽快摺動性に優れ、成形性に優れ、目やにの発生が少なく、耐傷付き性、耐油性に優れ、かつ経済的に製造可能な自動車用ウェザーストリップを提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂からなる薄板状の芯材と、該芯材の表面に設けられた摺接部材とから構成される自動車用ウェザーストリップであって、該摺接部材の少なくとも窓ガラスと接触し得る部分が、スチレン系熱可塑性エラストマーからなる基体層と滑性樹脂からなる表面層との積層体から構成されている自動車用ウェザーストリップ。
【選択図】 なし
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂からなる薄板状の芯材と、該芯材の表面に設けられた摺接部材とから構成される自動車用ウェザーストリップであって、該摺接部材の少なくとも窓ガラスと接触し得る部分が、スチレン系熱可塑性エラストマーからなる基体層と滑性樹脂からなる表面層との積層体から構成されている自動車用ウェザーストリップ。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ウェザーストリップに関する。詳しくは本発明は、熱可塑性エラストマー製基体層と滑性樹脂製表面層とからなる積層体により構成される窓ガラス摺接部を備えた自動車用ウェザーストリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の窓ガラスにおいては、通風換気或いは外部との通話などのために、昇降による開閉操作が必要である。この場合の窓ガラスの昇降開閉操作を容易にしながら、しかも窓ガラスと窓枠との間の密閉性の保持を可能とするために、通常、窓ガラスと窓枠との間にウェザーストリップと呼ばれる案内部材が設けられている。
【0003】
従来、自動車用ウェザーストリップとしては、軟質塩化ビニル樹脂のような軟質合成樹脂や、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム等の加硫ゴムからなる薄板と、この薄板の表面に設けられた、窓ガラスが摺接するように湾曲されているポリアミド樹脂からなる摺接部材とから構成される自動車用ウェザーストリップが知られている。また、硬質塩化ビニル樹脂からなる薄板と、この薄板の表面に設けられた、窓ガラスが摺接するように湾曲されている軟質塩化ビニル樹脂からなる摺接部材とから構成され、この摺接部材の窓ガラスに接触し得る部分に接着剤を塗布して、ナイロン短繊維を静電植毛した自動車用ウェザーストリップも知られている。
【0004】
しかしながら、近年、上記のような自動車用ウェザーストリップよりもさらに、耐熱性、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、及び昇降操作時における窓ガラスとの間の軽快摺動性に優れた自動車用ウェザーストリップの出現が望まれていた。また、上記短繊維を備えた自動車用ウェザーストリップについては、静電植毛は工程数が多いため手間がかかり、しかも、コストが嵩むという欠点がある。また、接着剤を用いて静電植毛するので、耐久性にも問題があり、経時および屋外曝露等により摺接部材から短繊維が剥離しやすいという欠点もある。
【0005】
そこで、従来の自動車用ウェザーストリップの上記のような問題点を解決すべく、特許第2928412号明細書には、ウェザーストリップの少なくとも窓ガラス摺動部を構成する材料として変性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを選択し、その変性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層上に、特定の超高分子量ポリオレフィン組成物と、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、または熱可塑性ポリエステル樹脂などの滑性樹脂とからなる滑性樹脂層を熱融着させて積層させた自動車用ウェザーストリップが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーを基材とする自動車用ウェザーストリップは、成形時にダイス出口への付着物(目やに)が多く発生し、成形品表面を汚染し、これを除去するために押出機を停止して清掃するため生産性が低下する等の問題が指摘されており、また、耐傷付き性が悪く、耐油性が劣り、誤って油がかかると膨潤したり劣化したりして、自動車用ウェザーストリップとしての機能に不具合が発生する場合があった。
【0007】
【特許文献1】
特許第2928412号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、製造工程を簡略化することができ、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、及び開放時における窓ガラスとの軽快摺動性に優れ、さらに成形性に優れ、目やにの発生が少なく、耐傷付き性、耐油性に優れた自動車用ウェザーストリップを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、摺接部材にスチレン系熱可塑性エラストマー層を用いることにより、上記のような従来技術に伴う問題点が解決されることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は、ポリオレフィン系樹脂からなる薄板状の芯材と、該芯材の表面に設けられた摺接部材とから構成される自動車用ウェザーストリップであって、該摺接部材の少なくとも窓ガラスと接触し得る部分が、スチレン系熱可塑性エラストマーからなる基体層と滑性樹脂からなる表面層との積層体から構成されていることを特徴とする自動車用ウェザーストリップ、に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。
本発明の自動車用ウェザーストリップは、基本的にポリオレフィン系樹脂からなる薄板状の芯材と、該芯材の表面に設けられた摺接部材とから構成されている。
【0011】
図1は、自動車用ウェザーストリップの一例を示す模式的断面図である。図1において、自動車用ウェザーストリップ1は、薄板状の芯材2と、この芯材2の表面に設けられた、窓ガラスが摺接するように湾曲されている摺接部材3とから構成されている。摺接部材3の形態は、上記のような湾曲状の形態だけでなく、直線的な形態であってもよい。
【0012】
そして、本発明の自動車用ウェザーストリップにおいて、摺接部材3の少なくとも窓ガラスに接触し得る部分は、スチレン系熱可塑性エラストマーからなる基体層4と滑性樹脂からなる表面層5との積層体から構成されている。
本発明の自動車用ウェザーストリップは、例えば三層共押出成形法により、芯材2、スチレン系熱可塑性エラストマー製の基体層4及び滑性樹脂製の表面層5を一体成形して製造される。また、この一体成形後に、表面層5の表面に起毛加飾処理を施してもよい。起毛の加飾方法としては、例えば(a)エメリーペーパーによるバフ掛けをして表面層の表面を起毛加飾する方法、(b)針布ロール通しをして表面層の表面を起毛加飾する方法、(c)ベルトサンダーもしくはドラムサンダーなどによるサンディングをして表面層の表面を起毛加飾する方法、(d)特開昭62−275732号公報に記載されている熱微小体を衝突させて表面層の表面を起毛加飾する方法など、従来公知の起毛加飾方法が用いられる。
【0013】
図2は、ウェザーストリップの自動車ドアへの取付け個所を説明する概略図である。図2において、自動車ドア6には昇降動により開閉可能な窓ガラス7が設けられている。また窓ガラス7の収納部の上端部8には、図示はされていないが図1に示すようなウェザーストリップ(水切り、ベルトラインモール、アウターモール、インナーモールなどとも呼ばれる)が、ドア6の車内側及び車外側に固定されており、それらの隙間を窓ガラス7が昇降するように構成されている。
【0014】
本発明で基体層材料に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、任意の形状および寸法に熱成形することが可能であるとともに、自動車用ウェザーストリップの窓ガラス摺動部に要求される弾性、柔軟性、可圧縮性などの特性に優れており、しかも、耐久性、耐候性、耐水性、耐油性などの性質にも優れている。スチレン系熱可塑性エラストマーは、滑性樹脂からなる表面層5に対して強い接着性を示し、この表面層5との熱融着により、接着直後及び経時の層間接着強度、さらには、耐候試験後の層間接着強度に優れた積層構造を形成させることができる。
【0015】
本発明によれば、上述した構成により、滑性樹脂からなる表面層を設けることにより、窓ガラスとの摩擦係数を低減させることができ、また、窓ガラスの閉鎖時には窓ガラスとの緊密な接触が可能となるとともに、窓ガラスの昇降時にはその摺動抵抗を低減させて、円滑軽快な開閉操作が可能となる。
以下、本発明の自動車用ウェザーストリップを構成する各材料につきより詳細に説明する。
【0016】
(1)ポリオレフィン系樹脂
本発明の自動車用ウェザーストリップにおいて、芯材に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えばエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリ−1−ブテン樹脂等を挙げることができ、好ましくはプロピレン系樹脂が用いられる。また、特に限定されないが、JIS K 7203による曲げ弾性率が、通常、300MPa以上、好ましくは400〜7,000MPa、より好ましくは500〜5,000MPaのポリオレフィン系樹脂が好適である。
【0017】
上記エチレン系樹脂としては、例えばポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を挙げることができる。
また、プロピレン系樹脂としては、例えばプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、又は、プロピレン・エチレンブロック共重合体等を挙げることができる。
【0018】
使用するポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよく、複数種のポリオレフィン系樹脂の混合物でもよい。また、ポリオレフィン系樹脂とエチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン・ブテン共重合体ゴム(EBM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム、ポリブタジエン等のエラストマー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ等のフィラー、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、潤滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等といった各種添加剤等とのコンパウンド物であってもよい。
【0019】
(2)スチレン系熱可塑性エラストマー
本発明の自動車用ウェザーストリップにおいて、基体層に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、特に限定されないが、好ましくは、下記の成分(イ)〜(ハ):
成分(イ) 重量平均分子量が8.0万〜100万であるブロック共重合体であって、下記一般式(I):
【0020】
【化2】
A(B−A)n 及び/又は (A−B)n ………(I)
(式中、Aはビニル芳香族炭化水素の重合体ブロック(以下「Aブロック」と略記する)、また、Bはエラストマー性重合体ブロック(以下「Bブロック」と略記する)であり、nは1〜5の整数である)、
で表されるブロック共重合体及び/又はこれを水素添加して得られる水添ブロック共重合体、
成分(ロ) 炭化水素系ゴム用軟化剤、
成分(ハ) オレフィン系樹脂、
を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー組成物が用いられる。
【0021】
上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物を構成する成分(イ)のビニル芳香族炭化水素−エラストマー性重合体ブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックとエラストマー性の重合体ブロックとからなり、そのビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックがハードセグメントを、エラストマー性の重合体ブロックがソフトセグメントをそれぞれ構成している。代表的には、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロック−エラストマー性重合体ブロック、又は、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロック−エラストマー性重合体ブロック−ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックで表される共重合構造を有し、エラストマー性重合体ブロックの二重結合が部分的に或いは完全に水素添加されていてもよいブロック共重合体であって、一般にスチレン系熱可塑性エラストマーとして知られているものである。
【0022】
上記ブロック共重合体におけるビニル芳香族炭化水素としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−、m−、及びp−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、中でも、スチレンが好ましく、また、エラストマー性重合体ブロックとしてはエラストマー性が発現されれば共役ジエンでも共役ジエン以外のものでもよいが、一般には共役ジエンが好ましい。この場合の共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、中でも、ブタジエン、イソプレン、又は、ブタジエン/イソプレンが重量比で2/8〜6/4の割合の両者の混合物が好ましい。
【0023】
上記ビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体としては、ビニル芳香族炭化水素の含有量が10〜50重量%であるものが好ましく、15〜45重量%であるものがより好ましく、20〜40重量%であるものがさらに好ましい。ビニル芳香族炭化水素の含有量が上記範囲未満では、機械的強度、耐熱性が劣る傾向となり、一方、上記範囲を超える場合には、柔軟性、ゴム弾性が劣ると共に、後述する成分(ロ)の炭化水素系ゴム用軟化剤のブリードが生じ易い傾向となる。
【0024】
また、共役ジエンとしてブタジエンのみが用いられている場合、ゴム弾性を保持する面から、共役ジエン重合体ブロックにおける共役ジエンの1,2−結合の割合が20〜50%、特に25〜45%であるものが好ましい。
また、共役ジエン重合体ブロックの二重結合の水素添加率は、30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは90%以上であるものが好ましい。水素添加率が上記範囲未満では、自動車用ウェザーストリップとして耐候性、耐熱性が劣る傾向となる。
【0025】
また、上記ブロック共重合体は、重量平均分子量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の分子量として、8.0万〜100万であるのが好ましく、10万〜80万であるのがより好ましく、15万〜50万であるのがさらに好ましい。重量平均分子量が上記範囲未満では、自動車用ウェザーストリップとしてゴム弾性、機械的強度が劣り、成形加工性も劣る傾向にある。一方、上記範囲を超える場合には、成形加工性が劣ることとなる。
【0026】
上記ブロック共重合体の製造方法としては、上記の構造及び物性が得られるものである限りどのような製造方法を用いてもよい。上記ブロック共重合体は、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でブロック重合を行うことによって得ることができる。また、これらのブロック共重合体の水素添加処理は、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、或いは特開昭59−133203号公報及び特開昭60−79005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下で行うことができる。このようなブロック共重合体の市販品としては、例えば「KRATON−G」(クレイトンポリマー社)、「セプトン」(株式会社クラレ)、「タフテック」(旭化成株式会社)等が挙げられる。また、先ず、スチレンまたはその誘導体を、次いでエラストマー性ブロックを重合し、これをカップリング剤によりカップリングして得ることもできる。また、ジリチウム化合物を開始剤としてエラストマー性ブロックを重合し、次いで、スチレンまたはその誘導体を逐次重合して得ることもできる。
【0027】
上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物を構成する成分(ロ)の炭化水素系ゴム用軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油系炭化水素、及び、ポリブテン系、ポリブタジエン系等の低分子量物等の合成樹脂系炭化水素等が挙げられるが、中でも、鉱物油系炭化水素が好ましく、また、重量平均分子量で300〜2,000、特に500〜1,500の分子量を有するものが好ましい。
【0028】
鉱物油系炭化水素からなるゴム用軟化剤は、一般に、芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素、及びパラフィン系炭化水素の混合物で、パラフィン系炭化水素の炭素数が全炭素数中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイル、ナフテン系炭化水素の炭素数が全炭素数中の30〜45%のものがナフテン系オイル、芳香族系炭化水素の炭素数が全炭素数中の30%以上のものが芳香族系オイルと、それぞれ呼ばれているが、本発明においては、パラフィン系オイルが特に好ましい。
【0029】
また、ゴム用軟化剤としての上記鉱物油系炭化水素は、40℃の動粘度が20〜800cSt、特に50〜600cStであるもの、流動点が−40〜0℃、特に−30〜0℃であるもの、引火点が200〜400℃、特に250〜350℃であるもの、がそれぞれ好ましい。
上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物を構成する成分(ハ)のオレフィン系樹脂としては、例えばプロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、結晶性ポリ−1−ブテン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系樹脂を挙げることができる。これらのオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が特に好適に用いられ、その具体例としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂等が挙げられる。重合様式は、樹脂状物が得られる限りどのような重合様式を採用してもよい。
【0030】
上記オレフィン系樹脂のメルトフローレート(JIS K 7210、230℃、21.2N荷重)は通常0.05〜200g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分である。メルトフローレートが上記範囲未満のものを用いた場合は、シートの成形性が悪化して外観に不良が生じやすく、また、上記範囲を超えるものを用いた場合は、得られる自動車用ウェザーストリップの機械的特性、特に引張破壊強度が低下する傾向となる。
【0031】
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、本発明の目的を損わない範囲内において、必要に応じて、各種樹脂やゴム、及び、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、タルク、マイカ、シリカ、チタニア、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の充填剤、並びに、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、分散剤、難燃剤、導電性付与剤、着色剤等を含有していてもよい。これらは、前記成分(イ)又は前記成分(ロ)又は前記成分(ハ)のいずれかに予め含有させておくか、又は、各成分の均一混合時、溶融混練時或いは動的熱処理時に配合される。
【0032】
上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、前記成分(イ)のビニル芳香族炭化水素−エラストマー性重合体ブロック共重合体、前記成分(ロ)の炭化水素系ゴム用軟化剤、及び前記成分(ハ)のオレフィン系樹脂を含有してなるが、これら各成分の組成割合は、成分(イ)と成分(ロ)との合計量に対して、成分(イ)が20〜80重量%、成分(ロ)が80〜20重量%であり、また、成分(イ)と成分(ロ)との合計量100重量部に対して成分(ハ)が1〜300重量部であるのが好ましい。成分(イ)が25〜70重量%、成分(ロ)が75〜30重量%であって、成分(ハ)が5〜200重量部であるのがより好ましく、成分(イ)が30〜60重量%、成分(ロ)が70〜40重量%であって、成分(ハ)が10〜100重量部であるのがさらに好ましい。
【0033】
ここで、成分(イ)が上記範囲未満で成分(ロ)が上記範囲を超える場合には、軟化剤の耐ブリード性が低下することとなり、一方、成分(イ)が上記範囲を超える場合で成分(ロ)が上記範囲未満では、押出成形加工性が劣ることとなる。また、成分(ハ)が上記範囲未満では、自動車用ウェザーストリップとして押出成形加工性が劣ることとなり、一方、上記範囲を超える場合には、柔軟性及びゴム弾性が劣ることとなる。
【0034】
本発明で用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも部分的に架橋されたものであるのが好ましい。架橋処理は、スチレン系熱可塑性エラストマーを架橋剤の存在下に動的に熱処理することによって行うことができる。架橋処理により、自動車用ウェザーストリップの耐熱性及び耐油性を向上させることが可能となる。
【0035】
架橋剤は、分子間架橋を生起させる化合物であり、例えば有機過酸化物、マレイミド系架橋剤、硫黄、フェノール系架橋剤、オキシム類、ポリアミン等が用いられるが、有機過酸化物、マレイミド系架橋剤、フェノール系架橋剤が好ましく、特に有機過酸化物が好ましい。
ここで、動的に熱処理するとは、動的状態で熱処理すること、より具体的には溶融状態又は半溶融状態等の流動状態で混練処理することをいう。この場合には、スチレン系熱可塑性エラストマー、例えば前記(イ)、(ロ)、及び(ハ)の各成分、及び有機過酸化物等の架橋剤又は必要に応じ更に架橋助剤を、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等の混合装置により均一に混合した後、ミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸押出機等の混練装置を用いて溶融混練する。
【0036】
上記動的熱処理は、有機過酸化物等の架橋剤を、(イ)〜(ハ)の各成分の合計量100重量部に対して通常、0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部、架橋助剤を通常、5重量部以下、好ましくは0.1〜3重量部用いて、通常、100〜300℃、好ましくは110〜280℃の温度で、通常、10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分間の時間行う。動的熱処理時の材料の流動状態は使用する材料の種類や動的熱処理の温度によって異なり、通常は半溶融状態または溶融状態であるが、特に制限されない。混練に際しては、各成分を一括して混練しても、また任意の成分を混練した後、他の残りの成分を添加して混練する多段分割混練法を用いてもよい。
【0037】
上記動的熱処理時に用いられる架橋剤の有機過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルペルオキシド類、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)−3−ヘキシン等のペルオキシエステル類、アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等が挙げられる。これらのうち、1分間の半減期温度が140℃以上のものが好ましく、例えば、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン又は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、又は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン等が好ましい。
【0038】
また、動的熱処理時に有機過酸化物等の架橋剤と共に必要に応じて用いられる架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p−ジニトロソベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン、m−フェニレンビスマレイミド等の過酸化物架橋用助剤、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。中では、ジビニルベンゼン、及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0039】
(3)滑性樹脂
本発明の自動車用ウェザーストリップにおいて、表面層に用いられる滑性樹脂としては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物、又は、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂及び熱可塑性ポリエステル樹脂等が挙げられる。滑性樹脂としてポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂及び熱可塑性ポリエステル樹脂を用いる場合には、基体層との熱融着性を改善するために、前記基体層に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーを変性する必要がある。滑性樹脂としてスチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物を用いる場合は、容易に基体層に熱融着するので、変性する必要がなく経済的である。
【0040】
上記ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(低圧法ポリエチレン)、低密度ポリエチレン(高圧法ポリエチレン)、線状低密度ポリエチレン(エチレンと少量の、好ましくは1〜10モル%の1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィンとのコポリマー)などのポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エステルコポリマーなどの中から選ばれた1種又は2種以上が好ましく用いられる。中でも好ましいのは低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンである。
【0041】
また、上記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、前記基体層に用いられるものと同じスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を用いることができる。
滑性樹脂として用いるスチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物の組成は、スチレン系熱可塑性エラストマーが50〜90重量%、ポリエチレン系樹脂が50〜10重量%(総重量を100重量%とする)であるのが好ましく、より好ましくはスチレン系熱可塑性エラストマーが55〜88重量%、ポリエチレン系樹脂が45〜12重量%である。スチレン系熱可塑性エラストマーが50重量%未満では基体層のスチレン系熱可塑性エラストマーとの融着が不十分になる傾向になり、一方、スチレン系熱可塑性エラストマーを90重量%を越えて配合すると、摺動性が不足する傾向になる。
【0042】
また、滑性樹脂にその100重量部当たり、0.05〜5.0重量部の脂肪酸アミドを添加することが摺動性を良くするために効果的である。
上記滑性樹脂には、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0043】
上記のスチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物からなる滑性樹脂は、上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物、ポリエチレン系樹脂及び必要に応じて用いられる上記の他の成分を動的に熱処理することにより得ることができる。そのための混練装置としては、前記スチレン系熱可塑性エラストマーの架橋処理の場合と同様の混練装置を用いることが出来る。また、成形前にドライブレンドして用いることも可能である。
【0044】
上記のスチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物からなる滑性樹脂は、基体層のためのスチレン系熱可塑性エラストマーとの共押出積層加工が行なえるため、本発明の自動車用ウェザーストリップの製造に際し、フィルム(シート)成形工程を経ることなく、直接、スチレン系熱可塑性エラストマー層と滑性樹脂層とを積層することができ、経済的である。
【0045】
一方、ポリエチレン系樹脂単独で上記スチレン系熱可塑性エラストマーとの共押出積層加工を行なうと、融着強度が不足する傾向となる。従って、上記のスチレン系熱可塑性エラストマー層との積層に際しては、少なくとも一方を予めフィルム(シート)にして接着剤を用いる必要があり、経済性に劣ることになる。
また、滑性樹脂からなる表面層の厚さは、通常10〜200μmとなるように積層する。また、必要に応じて、表面層の厚さをさらに厚くすることもできるし、また薄くすることもできる。
【0046】
なお、摺接部材が窓ガラスと接触する部位は、窓ガラスの上昇時と下降時とでは一般に異なるから、滑性樹脂による被覆および必要に応じて施される起毛の形成は、摺接部材の比較的広い範囲に施しておくことが好ましい。
【0047】
【実施例】
次に本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例で用いた各成分につき以下に説明する。
[原材料]
<成分(イ)>
(イ−1)スチレンブロック−ブタジエンブロック−スチレンブロックのブロック共重合構造からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量33重量%、水素添加率98%以上、重量平均分子量245,000)。
【0048】
(イ−2)スチレンブロック−ブタジエン/イソプレンブロック−スチレンブロックのブロック共重合構造からなるスチレン−ブタジエン/イソプレンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量30重量%、水素添加率98%以上、重量平均分子量243,000)。
(イ−3(比較例用))スチレンブロック−ブタジエンブロック−スチレンブロックのブロック共重合構造からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量29重量%、水素添加率98%以上、重量平均分子量75,000)。
【0049】
<成分(ロ)>
(ロ−1)パラフィン系オイル(重量平均分子量746、40℃の動粘度382cSt、流動点−15℃、引火点300℃、出光興産社製「PW380」)。
<成分(ハ)>
(ハ−1)プロピレン系重合体(メルトフローレート0.9g/10分)
<ポリエチレン系樹脂>
エチレン系樹脂(直鎖状低密度ポリエチレン、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.930g/cm3)。
<架橋剤>
(POX)1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン
<架橋助剤>
(DVB)ジビニルベンゼン
【0050】
[成形方法]
芯材材料としてのフィラー入りポリプロピレン(MFR:3.2g/10分、密度:1.14g/cm3、タルク30重量%含有)、基体層材料としてのスチレン系熱可塑性エラストマー、及び、表面層材料としての上記スチレン系熱可塑性エラストマー80重量%とポリエチレン系樹脂20重量%との合計量100重量部に不飽和脂肪酸アミド(日本化成(株)社製「ダイヤミッドO200」)0.3重量部を混合した滑性樹脂、を230℃の温度で三層共押出成形して、フィラー入りポリプロピレン芯材、スチレン系熱可塑性エラストマー基体層及び滑性樹脂表面層を形成させ、図1に示すような自動車用ウェザーストリップを得た。
得られた自動車用ウェザーストリップは、厚み2mm、幅25mm、長さ750mmの芯材と、厚み2.5mm、幅20mm、長さ750mmの基体層と、厚み50μm、幅20mm、長さ750mmの表面層とからなっていた。
【0051】
[評価方法]
上記のように成形して得られた自動車用ウェザーストリップを下記方法での評価に供した。
(a)押出成形加工性
押出成形上に問題がなく、さらに得られた自動車用ウェザーストリップに著しい外観不良がない場合、成形加工性を良好とした。
(b)目やに
押出成形時のダイス出口を観察し、目視にて下表の5段階で表示した。
【0052】
【表1】
5…非常に少ない
4…少ない
3…普通
2…多い
1…非常に多い
【0053】
(c)耐久試験
得られた自動車用ウェザーストリップを試験窓枠に装着し、厚さ3mmの窓ガラスを嵌装して窓ガラスの上下繰返し試験を行ない、破壊を生じるまでの繰り返し回数を測定した。
(d)耐傷付き性
東洋精機社製のテーバースクラッチテスタを用いて、自動車用ウェザーストリップのスチレン系熱可塑性エラストマー基体層の表面をタングステンカーバイド製のカッターで、加重300gにて引っ掻き、目視にて表面を観察し下表の3段階で評価した。
【0054】
【表2】
○…傷付かない
△…殆ど傷付かない
×…傷が付く
【0055】
(e)耐油性
自動車用ウェザーストリップを軽質流動パラフィンに浸し、80℃で24時間放置した。浸漬後、サンプルを取り出し、表面に付着したオイルをふき取り、重量を測定した。そして下記式にて重量変化率を求めた。
【0056】
【数1】
ΔW=(W2−W1)*100/W1
ΔW:重量変化率(%)
W1:浸漬前の空気中の重量
W2:浸漬後の空気中の重量
【0057】
[実施例1〜4及び比較例1〜2]
表−1に示す配合量(重量部)にて配合したエラストマー組成物の(イ)〜(ハ)成分の合計量100重量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1010」)0.1重量部を添加し、更に表−1に示す量のPOX及びDVBを添加し、圧縮比L/Dが41、シリンダー径44mmの二軸押出機を用いて110〜200℃の温度に設定して溶融混練し、これをダイよりストランド状に押し出し、カッティングして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。これを用いて自動車用ウェザーストリップを成形し、上記の評価を実施した。評価結果を表−1に示す。
【0058】
[比較例3]
ポリプロピレンとエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムのブレンド物の動的架橋処理品であるオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学社製「サーモラン3602N」)を用いて、自動車用ウェザーストリップを成形し、上記の評価を実施した。評価結果を表−1に示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、及び窓ガラスの昇降操作時における軽快摺動性に優れ、さらに成形性に優れ、目やにの発生が少なく、耐傷付き性、耐油性に優れた自動車用ウェザーストリップが提供される。本発明の自動車用ウェザーストリップは、接着剤の塗布工程および接着剤の硬化ないし焼付工程を全て省略することができ、工程数が少なくて済み、作業時間を短縮することができるため、経済的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用ウェザーストリップの一例を示す模式的断面図である。
【図2】ウェザーストリップの自動車ドアへの取付け個所を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 自動車用ウェザーストリップ
2 芯材
3 摺接部材
4 基体層
5 表面層
7 窓ガラス
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ウェザーストリップに関する。詳しくは本発明は、熱可塑性エラストマー製基体層と滑性樹脂製表面層とからなる積層体により構成される窓ガラス摺接部を備えた自動車用ウェザーストリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の窓ガラスにおいては、通風換気或いは外部との通話などのために、昇降による開閉操作が必要である。この場合の窓ガラスの昇降開閉操作を容易にしながら、しかも窓ガラスと窓枠との間の密閉性の保持を可能とするために、通常、窓ガラスと窓枠との間にウェザーストリップと呼ばれる案内部材が設けられている。
【0003】
従来、自動車用ウェザーストリップとしては、軟質塩化ビニル樹脂のような軟質合成樹脂や、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム等の加硫ゴムからなる薄板と、この薄板の表面に設けられた、窓ガラスが摺接するように湾曲されているポリアミド樹脂からなる摺接部材とから構成される自動車用ウェザーストリップが知られている。また、硬質塩化ビニル樹脂からなる薄板と、この薄板の表面に設けられた、窓ガラスが摺接するように湾曲されている軟質塩化ビニル樹脂からなる摺接部材とから構成され、この摺接部材の窓ガラスに接触し得る部分に接着剤を塗布して、ナイロン短繊維を静電植毛した自動車用ウェザーストリップも知られている。
【0004】
しかしながら、近年、上記のような自動車用ウェザーストリップよりもさらに、耐熱性、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、及び昇降操作時における窓ガラスとの間の軽快摺動性に優れた自動車用ウェザーストリップの出現が望まれていた。また、上記短繊維を備えた自動車用ウェザーストリップについては、静電植毛は工程数が多いため手間がかかり、しかも、コストが嵩むという欠点がある。また、接着剤を用いて静電植毛するので、耐久性にも問題があり、経時および屋外曝露等により摺接部材から短繊維が剥離しやすいという欠点もある。
【0005】
そこで、従来の自動車用ウェザーストリップの上記のような問題点を解決すべく、特許第2928412号明細書には、ウェザーストリップの少なくとも窓ガラス摺動部を構成する材料として変性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーを選択し、その変性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー層上に、特定の超高分子量ポリオレフィン組成物と、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、または熱可塑性ポリエステル樹脂などの滑性樹脂とからなる滑性樹脂層を熱融着させて積層させた自動車用ウェザーストリップが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーを基材とする自動車用ウェザーストリップは、成形時にダイス出口への付着物(目やに)が多く発生し、成形品表面を汚染し、これを除去するために押出機を停止して清掃するため生産性が低下する等の問題が指摘されており、また、耐傷付き性が悪く、耐油性が劣り、誤って油がかかると膨潤したり劣化したりして、自動車用ウェザーストリップとしての機能に不具合が発生する場合があった。
【0007】
【特許文献1】
特許第2928412号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、製造工程を簡略化することができ、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、及び開放時における窓ガラスとの軽快摺動性に優れ、さらに成形性に優れ、目やにの発生が少なく、耐傷付き性、耐油性に優れた自動車用ウェザーストリップを提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、摺接部材にスチレン系熱可塑性エラストマー層を用いることにより、上記のような従来技術に伴う問題点が解決されることを見出して、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の要旨は、ポリオレフィン系樹脂からなる薄板状の芯材と、該芯材の表面に設けられた摺接部材とから構成される自動車用ウェザーストリップであって、該摺接部材の少なくとも窓ガラスと接触し得る部分が、スチレン系熱可塑性エラストマーからなる基体層と滑性樹脂からなる表面層との積層体から構成されていることを特徴とする自動車用ウェザーストリップ、に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、詳細に説明する。
本発明の自動車用ウェザーストリップは、基本的にポリオレフィン系樹脂からなる薄板状の芯材と、該芯材の表面に設けられた摺接部材とから構成されている。
【0011】
図1は、自動車用ウェザーストリップの一例を示す模式的断面図である。図1において、自動車用ウェザーストリップ1は、薄板状の芯材2と、この芯材2の表面に設けられた、窓ガラスが摺接するように湾曲されている摺接部材3とから構成されている。摺接部材3の形態は、上記のような湾曲状の形態だけでなく、直線的な形態であってもよい。
【0012】
そして、本発明の自動車用ウェザーストリップにおいて、摺接部材3の少なくとも窓ガラスに接触し得る部分は、スチレン系熱可塑性エラストマーからなる基体層4と滑性樹脂からなる表面層5との積層体から構成されている。
本発明の自動車用ウェザーストリップは、例えば三層共押出成形法により、芯材2、スチレン系熱可塑性エラストマー製の基体層4及び滑性樹脂製の表面層5を一体成形して製造される。また、この一体成形後に、表面層5の表面に起毛加飾処理を施してもよい。起毛の加飾方法としては、例えば(a)エメリーペーパーによるバフ掛けをして表面層の表面を起毛加飾する方法、(b)針布ロール通しをして表面層の表面を起毛加飾する方法、(c)ベルトサンダーもしくはドラムサンダーなどによるサンディングをして表面層の表面を起毛加飾する方法、(d)特開昭62−275732号公報に記載されている熱微小体を衝突させて表面層の表面を起毛加飾する方法など、従来公知の起毛加飾方法が用いられる。
【0013】
図2は、ウェザーストリップの自動車ドアへの取付け個所を説明する概略図である。図2において、自動車ドア6には昇降動により開閉可能な窓ガラス7が設けられている。また窓ガラス7の収納部の上端部8には、図示はされていないが図1に示すようなウェザーストリップ(水切り、ベルトラインモール、アウターモール、インナーモールなどとも呼ばれる)が、ドア6の車内側及び車外側に固定されており、それらの隙間を窓ガラス7が昇降するように構成されている。
【0014】
本発明で基体層材料に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、任意の形状および寸法に熱成形することが可能であるとともに、自動車用ウェザーストリップの窓ガラス摺動部に要求される弾性、柔軟性、可圧縮性などの特性に優れており、しかも、耐久性、耐候性、耐水性、耐油性などの性質にも優れている。スチレン系熱可塑性エラストマーは、滑性樹脂からなる表面層5に対して強い接着性を示し、この表面層5との熱融着により、接着直後及び経時の層間接着強度、さらには、耐候試験後の層間接着強度に優れた積層構造を形成させることができる。
【0015】
本発明によれば、上述した構成により、滑性樹脂からなる表面層を設けることにより、窓ガラスとの摩擦係数を低減させることができ、また、窓ガラスの閉鎖時には窓ガラスとの緊密な接触が可能となるとともに、窓ガラスの昇降時にはその摺動抵抗を低減させて、円滑軽快な開閉操作が可能となる。
以下、本発明の自動車用ウェザーストリップを構成する各材料につきより詳細に説明する。
【0016】
(1)ポリオレフィン系樹脂
本発明の自動車用ウェザーストリップにおいて、芯材に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えばエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリ−1−ブテン樹脂等を挙げることができ、好ましくはプロピレン系樹脂が用いられる。また、特に限定されないが、JIS K 7203による曲げ弾性率が、通常、300MPa以上、好ましくは400〜7,000MPa、より好ましくは500〜5,000MPaのポリオレフィン系樹脂が好適である。
【0017】
上記エチレン系樹脂としては、例えばポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等を挙げることができる。
また、プロピレン系樹脂としては、例えばプロピレン単独重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、又は、プロピレン・エチレンブロック共重合体等を挙げることができる。
【0018】
使用するポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよく、複数種のポリオレフィン系樹脂の混合物でもよい。また、ポリオレフィン系樹脂とエチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン・ブテン共重合体ゴム(EBM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム、ポリブタジエン等のエラストマー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ等のフィラー、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、潤滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等といった各種添加剤等とのコンパウンド物であってもよい。
【0019】
(2)スチレン系熱可塑性エラストマー
本発明の自動車用ウェザーストリップにおいて、基体層に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、特に限定されないが、好ましくは、下記の成分(イ)〜(ハ):
成分(イ) 重量平均分子量が8.0万〜100万であるブロック共重合体であって、下記一般式(I):
【0020】
【化2】
A(B−A)n 及び/又は (A−B)n ………(I)
(式中、Aはビニル芳香族炭化水素の重合体ブロック(以下「Aブロック」と略記する)、また、Bはエラストマー性重合体ブロック(以下「Bブロック」と略記する)であり、nは1〜5の整数である)、
で表されるブロック共重合体及び/又はこれを水素添加して得られる水添ブロック共重合体、
成分(ロ) 炭化水素系ゴム用軟化剤、
成分(ハ) オレフィン系樹脂、
を含有するスチレン系熱可塑性エラストマー組成物が用いられる。
【0021】
上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物を構成する成分(イ)のビニル芳香族炭化水素−エラストマー性重合体ブロック共重合体は、ビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックとエラストマー性の重合体ブロックとからなり、そのビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックがハードセグメントを、エラストマー性の重合体ブロックがソフトセグメントをそれぞれ構成している。代表的には、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロック−エラストマー性重合体ブロック、又は、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロック−エラストマー性重合体ブロック−ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックで表される共重合構造を有し、エラストマー性重合体ブロックの二重結合が部分的に或いは完全に水素添加されていてもよいブロック共重合体であって、一般にスチレン系熱可塑性エラストマーとして知られているものである。
【0022】
上記ブロック共重合体におけるビニル芳香族炭化水素としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−、m−、及びp−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、中でも、スチレンが好ましく、また、エラストマー性重合体ブロックとしてはエラストマー性が発現されれば共役ジエンでも共役ジエン以外のものでもよいが、一般には共役ジエンが好ましい。この場合の共役ジエンとしては、例えばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、中でも、ブタジエン、イソプレン、又は、ブタジエン/イソプレンが重量比で2/8〜6/4の割合の両者の混合物が好ましい。
【0023】
上記ビニル芳香族炭化水素−共役ジエンブロック共重合体としては、ビニル芳香族炭化水素の含有量が10〜50重量%であるものが好ましく、15〜45重量%であるものがより好ましく、20〜40重量%であるものがさらに好ましい。ビニル芳香族炭化水素の含有量が上記範囲未満では、機械的強度、耐熱性が劣る傾向となり、一方、上記範囲を超える場合には、柔軟性、ゴム弾性が劣ると共に、後述する成分(ロ)の炭化水素系ゴム用軟化剤のブリードが生じ易い傾向となる。
【0024】
また、共役ジエンとしてブタジエンのみが用いられている場合、ゴム弾性を保持する面から、共役ジエン重合体ブロックにおける共役ジエンの1,2−結合の割合が20〜50%、特に25〜45%であるものが好ましい。
また、共役ジエン重合体ブロックの二重結合の水素添加率は、30%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは90%以上であるものが好ましい。水素添加率が上記範囲未満では、自動車用ウェザーストリップとして耐候性、耐熱性が劣る傾向となる。
【0025】
また、上記ブロック共重合体は、重量平均分子量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算の分子量として、8.0万〜100万であるのが好ましく、10万〜80万であるのがより好ましく、15万〜50万であるのがさらに好ましい。重量平均分子量が上記範囲未満では、自動車用ウェザーストリップとしてゴム弾性、機械的強度が劣り、成形加工性も劣る傾向にある。一方、上記範囲を超える場合には、成形加工性が劣ることとなる。
【0026】
上記ブロック共重合体の製造方法としては、上記の構造及び物性が得られるものである限りどのような製造方法を用いてもよい。上記ブロック共重合体は、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でブロック重合を行うことによって得ることができる。また、これらのブロック共重合体の水素添加処理は、例えば特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、或いは特開昭59−133203号公報及び特開昭60−79005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下で行うことができる。このようなブロック共重合体の市販品としては、例えば「KRATON−G」(クレイトンポリマー社)、「セプトン」(株式会社クラレ)、「タフテック」(旭化成株式会社)等が挙げられる。また、先ず、スチレンまたはその誘導体を、次いでエラストマー性ブロックを重合し、これをカップリング剤によりカップリングして得ることもできる。また、ジリチウム化合物を開始剤としてエラストマー性ブロックを重合し、次いで、スチレンまたはその誘導体を逐次重合して得ることもできる。
【0027】
上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物を構成する成分(ロ)の炭化水素系ゴム用軟化剤としては、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油系炭化水素、及び、ポリブテン系、ポリブタジエン系等の低分子量物等の合成樹脂系炭化水素等が挙げられるが、中でも、鉱物油系炭化水素が好ましく、また、重量平均分子量で300〜2,000、特に500〜1,500の分子量を有するものが好ましい。
【0028】
鉱物油系炭化水素からなるゴム用軟化剤は、一般に、芳香族系炭化水素、ナフテン系炭化水素、及びパラフィン系炭化水素の混合物で、パラフィン系炭化水素の炭素数が全炭素数中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイル、ナフテン系炭化水素の炭素数が全炭素数中の30〜45%のものがナフテン系オイル、芳香族系炭化水素の炭素数が全炭素数中の30%以上のものが芳香族系オイルと、それぞれ呼ばれているが、本発明においては、パラフィン系オイルが特に好ましい。
【0029】
また、ゴム用軟化剤としての上記鉱物油系炭化水素は、40℃の動粘度が20〜800cSt、特に50〜600cStであるもの、流動点が−40〜0℃、特に−30〜0℃であるもの、引火点が200〜400℃、特に250〜350℃であるもの、がそれぞれ好ましい。
上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物を構成する成分(ハ)のオレフィン系樹脂としては、例えばプロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、結晶性ポリ−1−ブテン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系樹脂を挙げることができる。これらのオレフィン系樹脂の中でも、プロピレン系樹脂が特に好適に用いられ、その具体例としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とするプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂、プロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂等が挙げられる。重合様式は、樹脂状物が得られる限りどのような重合様式を採用してもよい。
【0030】
上記オレフィン系樹脂のメルトフローレート(JIS K 7210、230℃、21.2N荷重)は通常0.05〜200g/10分、好ましくは0.1〜100g/10分である。メルトフローレートが上記範囲未満のものを用いた場合は、シートの成形性が悪化して外観に不良が生じやすく、また、上記範囲を超えるものを用いた場合は、得られる自動車用ウェザーストリップの機械的特性、特に引張破壊強度が低下する傾向となる。
【0031】
上記スチレン系熱可塑性エラストマーは、本発明の目的を損わない範囲内において、必要に応じて、各種樹脂やゴム、及び、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、タルク、マイカ、シリカ、チタニア、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の充填剤、並びに、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、分散剤、難燃剤、導電性付与剤、着色剤等を含有していてもよい。これらは、前記成分(イ)又は前記成分(ロ)又は前記成分(ハ)のいずれかに予め含有させておくか、又は、各成分の均一混合時、溶融混練時或いは動的熱処理時に配合される。
【0032】
上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物は、前記成分(イ)のビニル芳香族炭化水素−エラストマー性重合体ブロック共重合体、前記成分(ロ)の炭化水素系ゴム用軟化剤、及び前記成分(ハ)のオレフィン系樹脂を含有してなるが、これら各成分の組成割合は、成分(イ)と成分(ロ)との合計量に対して、成分(イ)が20〜80重量%、成分(ロ)が80〜20重量%であり、また、成分(イ)と成分(ロ)との合計量100重量部に対して成分(ハ)が1〜300重量部であるのが好ましい。成分(イ)が25〜70重量%、成分(ロ)が75〜30重量%であって、成分(ハ)が5〜200重量部であるのがより好ましく、成分(イ)が30〜60重量%、成分(ロ)が70〜40重量%であって、成分(ハ)が10〜100重量部であるのがさらに好ましい。
【0033】
ここで、成分(イ)が上記範囲未満で成分(ロ)が上記範囲を超える場合には、軟化剤の耐ブリード性が低下することとなり、一方、成分(イ)が上記範囲を超える場合で成分(ロ)が上記範囲未満では、押出成形加工性が劣ることとなる。また、成分(ハ)が上記範囲未満では、自動車用ウェザーストリップとして押出成形加工性が劣ることとなり、一方、上記範囲を超える場合には、柔軟性及びゴム弾性が劣ることとなる。
【0034】
本発明で用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも部分的に架橋されたものであるのが好ましい。架橋処理は、スチレン系熱可塑性エラストマーを架橋剤の存在下に動的に熱処理することによって行うことができる。架橋処理により、自動車用ウェザーストリップの耐熱性及び耐油性を向上させることが可能となる。
【0035】
架橋剤は、分子間架橋を生起させる化合物であり、例えば有機過酸化物、マレイミド系架橋剤、硫黄、フェノール系架橋剤、オキシム類、ポリアミン等が用いられるが、有機過酸化物、マレイミド系架橋剤、フェノール系架橋剤が好ましく、特に有機過酸化物が好ましい。
ここで、動的に熱処理するとは、動的状態で熱処理すること、より具体的には溶融状態又は半溶融状態等の流動状態で混練処理することをいう。この場合には、スチレン系熱可塑性エラストマー、例えば前記(イ)、(ロ)、及び(ハ)の各成分、及び有機過酸化物等の架橋剤又は必要に応じ更に架橋助剤を、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等の混合装置により均一に混合した後、ミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸押出機等の混練装置を用いて溶融混練する。
【0036】
上記動的熱処理は、有機過酸化物等の架橋剤を、(イ)〜(ハ)の各成分の合計量100重量部に対して通常、0.1〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部、架橋助剤を通常、5重量部以下、好ましくは0.1〜3重量部用いて、通常、100〜300℃、好ましくは110〜280℃の温度で、通常、10秒〜30分、好ましくは20秒〜20分間の時間行う。動的熱処理時の材料の流動状態は使用する材料の種類や動的熱処理の温度によって異なり、通常は半溶融状態または溶融状態であるが、特に制限されない。混練に際しては、各成分を一括して混練しても、また任意の成分を混練した後、他の残りの成分を添加して混練する多段分割混練法を用いてもよい。
【0037】
上記動的熱処理時に用いられる架橋剤の有機過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルペルオキシド類、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)−3−ヘキシン等のペルオキシエステル類、アセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド等のジアシルペルオキシド類、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等が挙げられる。これらのうち、1分間の半減期温度が140℃以上のものが好ましく、例えば、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン又は2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、又は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン等が好ましい。
【0038】
また、動的熱処理時に有機過酸化物等の架橋剤と共に必要に応じて用いられる架橋助剤としては、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p−ジニトロソベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン、m−フェニレンビスマレイミド等の過酸化物架橋用助剤、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。中では、ジビニルベンゼン、及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0039】
(3)滑性樹脂
本発明の自動車用ウェザーストリップにおいて、表面層に用いられる滑性樹脂としては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物、又は、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂及び熱可塑性ポリエステル樹脂等が挙げられる。滑性樹脂としてポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂及び熱可塑性ポリエステル樹脂を用いる場合には、基体層との熱融着性を改善するために、前記基体層に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマーを変性する必要がある。滑性樹脂としてスチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物を用いる場合は、容易に基体層に熱融着するので、変性する必要がなく経済的である。
【0040】
上記ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン(低圧法ポリエチレン)、低密度ポリエチレン(高圧法ポリエチレン)、線状低密度ポリエチレン(エチレンと少量の、好ましくは1〜10モル%の1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのα−オレフィンとのコポリマー)などのポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸エステルコポリマーなどの中から選ばれた1種又は2種以上が好ましく用いられる。中でも好ましいのは低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンである。
【0041】
また、上記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、前記基体層に用いられるものと同じスチレン系熱可塑性エラストマー組成物を用いることができる。
滑性樹脂として用いるスチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物の組成は、スチレン系熱可塑性エラストマーが50〜90重量%、ポリエチレン系樹脂が50〜10重量%(総重量を100重量%とする)であるのが好ましく、より好ましくはスチレン系熱可塑性エラストマーが55〜88重量%、ポリエチレン系樹脂が45〜12重量%である。スチレン系熱可塑性エラストマーが50重量%未満では基体層のスチレン系熱可塑性エラストマーとの融着が不十分になる傾向になり、一方、スチレン系熱可塑性エラストマーを90重量%を越えて配合すると、摺動性が不足する傾向になる。
【0042】
また、滑性樹脂にその100重量部当たり、0.05〜5.0重量部の脂肪酸アミドを添加することが摺動性を良くするために効果的である。
上記滑性樹脂には、必要に応じて、鉱物油系軟化剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐候安定剤、老化防止剤、充填剤、着色剤、滑剤などの添加物を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
【0043】
上記のスチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物からなる滑性樹脂は、上記スチレン系熱可塑性エラストマー組成物、ポリエチレン系樹脂及び必要に応じて用いられる上記の他の成分を動的に熱処理することにより得ることができる。そのための混練装置としては、前記スチレン系熱可塑性エラストマーの架橋処理の場合と同様の混練装置を用いることが出来る。また、成形前にドライブレンドして用いることも可能である。
【0044】
上記のスチレン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン系樹脂との混合物からなる滑性樹脂は、基体層のためのスチレン系熱可塑性エラストマーとの共押出積層加工が行なえるため、本発明の自動車用ウェザーストリップの製造に際し、フィルム(シート)成形工程を経ることなく、直接、スチレン系熱可塑性エラストマー層と滑性樹脂層とを積層することができ、経済的である。
【0045】
一方、ポリエチレン系樹脂単独で上記スチレン系熱可塑性エラストマーとの共押出積層加工を行なうと、融着強度が不足する傾向となる。従って、上記のスチレン系熱可塑性エラストマー層との積層に際しては、少なくとも一方を予めフィルム(シート)にして接着剤を用いる必要があり、経済性に劣ることになる。
また、滑性樹脂からなる表面層の厚さは、通常10〜200μmとなるように積層する。また、必要に応じて、表面層の厚さをさらに厚くすることもできるし、また薄くすることもできる。
【0046】
なお、摺接部材が窓ガラスと接触する部位は、窓ガラスの上昇時と下降時とでは一般に異なるから、滑性樹脂による被覆および必要に応じて施される起毛の形成は、摺接部材の比較的広い範囲に施しておくことが好ましい。
【0047】
【実施例】
次に本発明の具体的態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例で用いた各成分につき以下に説明する。
[原材料]
<成分(イ)>
(イ−1)スチレンブロック−ブタジエンブロック−スチレンブロックのブロック共重合構造からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量33重量%、水素添加率98%以上、重量平均分子量245,000)。
【0048】
(イ−2)スチレンブロック−ブタジエン/イソプレンブロック−スチレンブロックのブロック共重合構造からなるスチレン−ブタジエン/イソプレンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量30重量%、水素添加率98%以上、重量平均分子量243,000)。
(イ−3(比較例用))スチレンブロック−ブタジエンブロック−スチレンブロックのブロック共重合構造からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量29重量%、水素添加率98%以上、重量平均分子量75,000)。
【0049】
<成分(ロ)>
(ロ−1)パラフィン系オイル(重量平均分子量746、40℃の動粘度382cSt、流動点−15℃、引火点300℃、出光興産社製「PW380」)。
<成分(ハ)>
(ハ−1)プロピレン系重合体(メルトフローレート0.9g/10分)
<ポリエチレン系樹脂>
エチレン系樹脂(直鎖状低密度ポリエチレン、メルトフローレート1.5g/10分、密度0.930g/cm3)。
<架橋剤>
(POX)1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン
<架橋助剤>
(DVB)ジビニルベンゼン
【0050】
[成形方法]
芯材材料としてのフィラー入りポリプロピレン(MFR:3.2g/10分、密度:1.14g/cm3、タルク30重量%含有)、基体層材料としてのスチレン系熱可塑性エラストマー、及び、表面層材料としての上記スチレン系熱可塑性エラストマー80重量%とポリエチレン系樹脂20重量%との合計量100重量部に不飽和脂肪酸アミド(日本化成(株)社製「ダイヤミッドO200」)0.3重量部を混合した滑性樹脂、を230℃の温度で三層共押出成形して、フィラー入りポリプロピレン芯材、スチレン系熱可塑性エラストマー基体層及び滑性樹脂表面層を形成させ、図1に示すような自動車用ウェザーストリップを得た。
得られた自動車用ウェザーストリップは、厚み2mm、幅25mm、長さ750mmの芯材と、厚み2.5mm、幅20mm、長さ750mmの基体層と、厚み50μm、幅20mm、長さ750mmの表面層とからなっていた。
【0051】
[評価方法]
上記のように成形して得られた自動車用ウェザーストリップを下記方法での評価に供した。
(a)押出成形加工性
押出成形上に問題がなく、さらに得られた自動車用ウェザーストリップに著しい外観不良がない場合、成形加工性を良好とした。
(b)目やに
押出成形時のダイス出口を観察し、目視にて下表の5段階で表示した。
【0052】
【表1】
5…非常に少ない
4…少ない
3…普通
2…多い
1…非常に多い
【0053】
(c)耐久試験
得られた自動車用ウェザーストリップを試験窓枠に装着し、厚さ3mmの窓ガラスを嵌装して窓ガラスの上下繰返し試験を行ない、破壊を生じるまでの繰り返し回数を測定した。
(d)耐傷付き性
東洋精機社製のテーバースクラッチテスタを用いて、自動車用ウェザーストリップのスチレン系熱可塑性エラストマー基体層の表面をタングステンカーバイド製のカッターで、加重300gにて引っ掻き、目視にて表面を観察し下表の3段階で評価した。
【0054】
【表2】
○…傷付かない
△…殆ど傷付かない
×…傷が付く
【0055】
(e)耐油性
自動車用ウェザーストリップを軽質流動パラフィンに浸し、80℃で24時間放置した。浸漬後、サンプルを取り出し、表面に付着したオイルをふき取り、重量を測定した。そして下記式にて重量変化率を求めた。
【0056】
【数1】
ΔW=(W2−W1)*100/W1
ΔW:重量変化率(%)
W1:浸漬前の空気中の重量
W2:浸漬後の空気中の重量
【0057】
[実施例1〜4及び比較例1〜2]
表−1に示す配合量(重量部)にて配合したエラストマー組成物の(イ)〜(ハ)成分の合計量100重量部に対して、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名「イルガノックス1010」)0.1重量部を添加し、更に表−1に示す量のPOX及びDVBを添加し、圧縮比L/Dが41、シリンダー径44mmの二軸押出機を用いて110〜200℃の温度に設定して溶融混練し、これをダイよりストランド状に押し出し、カッティングして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。これを用いて自動車用ウェザーストリップを成形し、上記の評価を実施した。評価結果を表−1に示す。
【0058】
[比較例3]
ポリプロピレンとエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴムのブレンド物の動的架橋処理品であるオレフィン系熱可塑性エラストマー(三菱化学社製「サーモラン3602N」)を用いて、自動車用ウェザーストリップを成形し、上記の評価を実施した。評価結果を表−1に示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、耐久性、閉鎖時における窓ガラスとの緊密接触性、及び窓ガラスの昇降操作時における軽快摺動性に優れ、さらに成形性に優れ、目やにの発生が少なく、耐傷付き性、耐油性に優れた自動車用ウェザーストリップが提供される。本発明の自動車用ウェザーストリップは、接着剤の塗布工程および接着剤の硬化ないし焼付工程を全て省略することができ、工程数が少なくて済み、作業時間を短縮することができるため、経済的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用ウェザーストリップの一例を示す模式的断面図である。
【図2】ウェザーストリップの自動車ドアへの取付け個所を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 自動車用ウェザーストリップ
2 芯材
3 摺接部材
4 基体層
5 表面層
7 窓ガラス
Claims (8)
- ポリオレフィン系樹脂からなる薄板状の芯材と、該芯材の表面に設けられた摺接部材とから構成される自動車用ウェザーストリップであって、該摺接部材の少なくとも窓ガラスと接触し得る部分が、スチレン系熱可塑性エラストマーからなる基体層と滑性樹脂からなる表面層との積層体から構成されていることを特徴とする自動車用ウェザーストリップ。
- 上記スチレン系熱可塑性エラストマーが、下記の成分(イ)〜(ハ):
成分(イ) 重量平均分子量が8.0万〜100万であるブロック共重合体であって、下記一般式(I):
で表されるブロック共重合体及び/又はこれを水素添加して得られる水添ブロック共重合体、
成分(ロ) 炭化水素系ゴム用軟化剤、
成分(ハ) オレフィン系樹脂、
を含有し、成分(イ)と成分(ロ)との配合比(重量)が(イ)/(ロ)=20/80〜80/20の範囲であり、かつ、成分(イ)及び成分(ロ)の合計量100重量部に対する成分(ハ)の割合が1〜300重量部であるスチレン系熱可塑性エラストマー組成物である、請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップ。 - Bブロックが共役ジエンのエラストマー性重合体ブロックである、請求項2に記載の自動車用ウェザーストリップ。
- Aブロックがスチレン重合体ブロックであり、Bブロックがブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック又はブタジエン・イソプレン重合体ブロックであり、かつ成分(イ)中のAブロックの割合が10〜50重量%である、請求項2又は3に記載の自動車用ウェザーストリップ。
- 成分(ハ)が、プロピレン系樹脂である、請求項2〜4の何れかに記載の自動車用ウェザーストリップ。
- スチレン系熱可塑性エラストマーが、少なくとも部分的に架橋されたものである、請求項1〜5の何れかに記載の自動車用ウェザーストリップ。
- 上記滑性樹脂が、上記スチレン系熱可塑性エラストマー50〜90重量%及びポリエチレン系樹脂50〜10重量%(ただし、両者の合計を100重量%とする)を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の自動車用ウェザーストリップ。
- 上記滑性樹脂が、上記スチレン系熱可塑性エラストマーと上記ポリエチレン系樹脂との合計100重量部に対して脂肪酸アミド0.05〜5.0重量部を含有する、請求項7に記載の自動車用ウェザーストリップ。
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