JP2003215875A - 半導電性ベルト及び画像形成装置 - Google Patents

半導電性ベルト及び画像形成装置

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JP2003215875A
JP2003215875A JP2002013977A JP2002013977A JP2003215875A JP 2003215875 A JP2003215875 A JP 2003215875A JP 2002013977 A JP2002013977 A JP 2002013977A JP 2002013977 A JP2002013977 A JP 2002013977A JP 2003215875 A JP2003215875 A JP 2003215875A
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Yukio Hara
幸雄 原
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気抵抗値の電界依存性が小さく、転写電圧
による中間転写体の抵抗低下を防止することにより、電
気抵抗値の均一性を改善するとともに、環境による電気
抵抗値の変化の少なく、外観に突起などのない半導電性
ベルトを提供すること、及び該半導電性ベルトを中間転
写体や用紙搬送ベルトとして用いることにより、画質欠
陥のない高品質の転写画像を安定して得ることができる
画像形成装置を提供することである。 【解決手段】 電子伝導性を付与する導電剤と、塩基性
基を有する化合物と、熱可塑性樹脂、及び/または、ゴ
ム材とからなることを特徴とする半導電性ベルトであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機やプリンタ
等の電子写真方式を用いた画像形成装置及びそれに用い
られる半導電性ベルトに関し、特に像担持体に形成した
トナー画像を一旦中間転写体に転写した後、これを用紙
等の記録媒体に転写して再生画像を得るようにした画像
形成装置等に用いられる中間転写体、用紙搬送ベルトに
関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いた画像形成装置にお
いては、無機または有機材料からなる光導電性感光体で
ある像担持体表面に一様な電荷を形成し、画像信号を変
調したレーザ光等で静電濳像を形成した後、帯電したト
ナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー画像と
する。
【0003】その後、白黒画像の場合は当該トナー画像
を直接記録媒体に静電的に転写するが、フルカラー画像
を形成する場合には、上記トナー画像を中間転写体等を
介し、その後当該トナー画像を記録媒体に静電的に転写
することにより所要の再生画像を得ることが多い。
【0004】特に、前記像担持体に形成したトナー画像
を中間転写体に一次転写し、さらに該中間転写体表面の
トナー画像を記録媒体に二次転写する方式(中間転写体
方式)を採用した画像形成装置としては、特開昭62−
206567号公報等に開示されたものが知られてい
る。
【0005】上記中間転写体方式を採用した画像形成装
置において、中間転写体に用いられる材料としては、ポ
リカーボネイト樹脂(特開平6−95521号公報)、
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(特開平5−200
904号公報、特開平6−228335号公報)、ポリ
アルキレンフタレート(特開平6−149081号公
報)、ポリカーボネイト(PC)/ポリアルキレンテレ
フタレート(PAT)のブレンド材料(特開平6−14
9083号公報)、エチレンテトラフロロエチレン共重
合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/P
ATのブレンド材料(特開平6−149079号公報)
などの熱可塑性樹脂に、カーボンブラックを添加した半
導電性の無端ベルトを用いる提案がなされている。
【0006】しかし、半導電性領域で樹脂材料の抵抗値
を制御することは非常に難しく、通常の樹脂材料に通常
の導電性カーボンブラックを添加して所望の抵抗値を安
定して得ることはほとんどできない。このため、製造し
た半導電性の無端ベルト全数の抵抗値を計測して、選別
する必要があるために、コスト高となっている。
【0007】上記のように、抵抗値の制御が難しい理由
は、高分子加工,43(4),1977等に記載される
ように、樹脂材料などの高分子中にカーボンブラックを
添加していくと、カーボンブラックの添加が少量である
うちは導電率が小さく、あるしきい値を超える添加量か
らカーボンブラックが高分子中に導体回路を形成し、導
電性が急激に向上することにより、中抵抗値を得ること
ができないためである。
【0008】また、前記カーボンブラックを分散したポ
リカーボネイト、カーボンブラックを分散したエチレン
−テトラフロロエチレン共重合体の場合には、例えば葉
書など、幅が中間転写体の幅より狭い記録媒体を、連続
して3000枚以上転写した後に、ハーフトーンの画像
(例えばマゼンタ色で画像濃度が30%)を転写する
と、記録媒体走行部が白抜けしてしまう場合がある。こ
の白抜けによる画質欠陥は、10℃、15%RHの低温
低湿環境下において特に顕著である。
【0009】上記記録媒体走行部が白抜けする原因は、
二次転写部での記録媒体剥離時に、中間転写体と記録媒
体との間で剥離放電が生じ、中間転写体の記録媒体走行
部の表面抵抗率が周辺部位より低下するため、その部分
の転写効率が周辺部位より低下することによるものであ
った。
【0010】そして、この表面抵抗率の低下は、前記カ
ーボンブラックを分散したポリカーボネイト、カーボン
ブラックを分散したエチレン−テトラフロロエチレン共
重合体の表面抵抗率の電界依存性は、0.8〜1.5桁
(logΩ/□)のレベルであることから、転写電圧に
よる電界集中が起き、これが導電性の大きい部位の周辺
の樹脂成分を劣化させたことによるものと考えられた。
【0011】また、このように前記材料において表面抵
抗率の電界依存性が大きいのは、中間転写体を構成する
樹脂成分中にカーボンブラックを均一に分散させること
が難しいため、カーボンブラックが不均一に樹脂中に分
散しており、前記材料中に局部的に導電性の大きい部位
があり、そこに電界が集中することが原因と考えられ
る。
【0012】中間転写体を構成する材料に導電性を付与
するには、組成材料中にカーボンブラックなどの電子伝
導性を付与する導電剤を用いる方法と、イオン伝導性を
付与する導電剤を用いる方法とがある。両者のうち、イ
オン伝導性を付与する導電剤を用いる方法は、中間転写
体の面内の電気抵抗値のばらつきが0.5桁以下と極め
て小さく、前記のように局部的に導電性の大きい部位が
あり、そこに電界が集中することで表面抵抗率が低下す
る問題が発生しにくいという点で望ましい。しかし、反
面、温度や湿度などの環境変化に対する電気抵抗値の変
動が大きく、例えば、30℃、85%RHの高温高湿環
境(H/H環境)と10℃、15%RHの低温低湿環境
(L/L環境)との表面抵抗率の差が、1.5〜4桁
(logΩ/□)となるという問題を有している。
【0013】さらに、一般に、イオン導電性を付与する
導電剤は、低温低湿環境での電気抵抗値が高くなりやす
く、所定の抵抗値を得るために、イオン導電性を付与す
る導電剤の量を多く添加する必要があるが、添加量を多
くすると、前記導電剤が中間転写体の表面から滲み出
て、像担持体の表面に移行(ブリードアウト)して、画
像劣化、汚染や感光体侵食などを起こしやすいという新
たな問題が生じることとなる。
【0014】以上のような問題への対策として、特開平
8−110711号公報において、イオン導電性を付与
する導電剤を分散してなる材料と、電子伝導性を付与す
る導電剤を分散してなる材料とを積層して中間転写体用
のベルトとして用いる提案がなされている。しかし、両
者を用いた場合、より高抵抗の層がベルトの全体抵抗を
支配するため、2層以上の構成とした場合には、高抵抗
の層の特性が、全体の挙動として発現することになる。
例えば、電子伝導性を付与する導電剤を分散してなる材
料の層が、イオン伝電性を付与する導電剤を分散してな
る材料の層より高抵抗である場合には、全体として抵抗
のばらつきが大きく、電界依存性が大きいなどの問題を
生じてしまう場合がある。
【0015】一方、中間転写体の電気抵抗値は、高品質
の転写画質を得るために、所定の範囲内に制御され、か
つ、中間転写体の面内の抵抗ばらつき(抵抗値の最大値
と最小値の値との差)が少ないこと、かつ、使用環境条
件が変化しても電気抵抗値が、大きく変化せずに、安定
して高品質を得られることが求められる。
【0016】例えば、実用的には、中間転写体の電気抵
抗値の面内ばらつきは、1桁(logΩ/□)以内であ
ること、10℃、15%RHの低温低湿環境(L/L環
境)と30℃、85%RHの高温高湿環境(H/H環
境)での電気抵抗値との差が1.5桁以内であること、
などが要求されている。
【0017】上記要求に対し、本発明者らは、特開20
01−215808号公報において、二次転写部での記
録媒体剥離時の中間転写体と記録媒体との間での剥離放
電によって、中間転写体の記録媒体走行部の表面抵抗率
が周辺部位より低下して、転写効率が周辺部位より低下
するという前記問題の改善策として、酸化処理されたカ
ーボンブラックを含有する材料を用いた中間転写体を提
案した。
【0018】この提案によれば、カーボンブラック表面
に付着する酸素含有官能基の効果で、結着樹脂中へのカ
ーボンブラックの分散性が向上し、中間転写体の抵抗バ
ラツキを小さくすることができるとともに、電気抵抗値
の電界依存性が小さくなり、転写電圧による電界集中が
起こりにくくなる。その結果、中間転写体表面の部分的
抵抗低下を防止することで記録媒体走行部が白抜けする
などの画質欠陥の発生が防止でき、さらに環境による電
気抵抗値の変化の少ない、高画質画像を得るための中間
転写体を得ることができる。
【0019】しかしながら、上記中間転写体は、結着樹
脂として熱可塑性樹脂材料を用いた場合に、カーボンブ
ラック表面のカルボキシル基、水酸基、キノン基、ラク
トン基などの酸素含有官能が、水分を付着しやすい特性
があり、中間転写体としてベルト状とする180℃ か
ら400℃のベルト成形温度において、上記、カルボキ
シル基などに吸着された水分が蒸発ガス化して、ベルト
中に含まれた場合に、ベルト表面に小突起を発生させ、
中間転写ベルトとして用いる場合にベルト表面の小突起
によって、転写画質に白点抜けの欠陥を生じさせるとい
う問題を引き起こす場合があった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。すなわち、本発明の目的は、電気抵抗値の電界
依存性が小さく、転写電圧による中間転写体の抵抗低下
を防止することにより、電気抵抗値の均一性を改善する
とともに、環境による電気抵抗値の変化の少なく、外観
に突起などのない半導電性ベルトを提供すること、及び
該半導電性ベルトを中間転写体や用紙搬送ベルトとして
用いることにより、画質欠陥のない高品質の転写画像を
安定して得ることができる画像形成装置を提供すること
にある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下の本発
明により達成される。すなわち本発明は、 <1> 電子伝導性を付与する導電剤と、塩基性基を有
する化合物と、熱可塑性樹脂、及び/または、ゴム材と
からなることを特徴とする半導電性ベルトである。
【0022】<2> 前記電子伝導性を付与する導電剤
が、pH5.0以下の電子伝導性フィラーであることを
特徴とする<1>に記載の半導電性ベルトである。
【0023】<3> 前記塩基性基がアミノ基であるこ
とを特徴とする<1>または<2>のいずれかに記載の
半導電性ベルトである。
【0024】<4> 前記塩基性基を有する化合物が、
第三級アミノ基含有高分子化合物であることを特徴とす
る<1>〜<3>のいずれかに記載の半導電性ベルトで
ある。
【0025】<5> 前記電子伝導性を付与する導電剤
の添加量(A)と、前記塩基性基を有する化合物の添加
量(B)との質量比が、A/B=1/0.5〜1/5の
範囲であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか
に記載の半導電性ベルトである。
【0026】<6> pH5.0以下の電子伝導性フィ
ラーと、熱可塑性樹脂、及び/または、ゴム材とで構成
される組成物からなる半導電性ベルトであって、前記組
成物の吸水率が2%以下であることを特徴とする半導電
性ベルトである。
【0027】<7> 前記電子伝導性フィラーが、酸化
処理されたカーボンブラックであることを特徴とする<
2>〜<6>のいずれかに記載の半導電性ベルトであ
る。
【0028】<8> <1>〜<7>のいずれかに記載
の半導電性ベルトを、中間転写体として用いたことを特
徴とする画像形成装置である。
【0029】<9> <1>〜<7>のいずれかに記載
の半導電性ベルトを、用紙搬送ベルトとして用いたこと
を特徴とする画像形成装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 <半導電性ベルト>本発明の半導電性ベルトは、熱可塑
性樹脂、及び/または、ゴム材に、電子伝導性を付与す
る導電剤と、塩基性基を有する化合物とを添加してな
る。
【0031】前記電子伝導性を付与する導電剤として
は、電子伝導性フィラーを好適に挙げることができる。
上記電子伝導性フィラーとしては、カーボンブラック、
グラファイト、アルミニウム、ニッケル、銅合金等の金
属または合金、酸化錫、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、
酸化錫−酸化インジウムまたは酸化錫−酸化アンチモン
複合酸化物などの金属酸化物等を挙げることができる。
これらの中では、後述する酸化処理が容易であるという
観点からカーボンブラックが最も好ましいものである。
【0032】前記電子伝導性フィラーは、電子伝導によ
る導電性を発現させるために添加されるものであり、本
発明に用いられる電子伝導性フィラーはpHが5.0以
下であることが好ましく、pHが4.5以下であること
がより好ましく、pHが4.0以下であることがさらに
好ましい。
【0033】pHが5.0以下であると、表面に付着す
る酸素含有官能基の効果で、結着樹脂(熱可塑性樹脂)
中への電子伝導性フィラーの分散性が向上し、中間転写
体の抵抗ばらつきを小さくすることができるとともに、
電気抵抗値の電界依存性も小さくなり、転写電圧による
電界集中が起こりにくくなる。その結果、転写電圧によ
る抵抗変化が防止されることにより、電気抵抗の均一性
を改善され、さらに環境変化による抵抗値変化も少なく
なる。したがって、このような半導電性ベルトを中間転
写体等として用いた場合、記録媒体走行部が白く抜ける
などの画質欠陥の発生が抑制され、高画質な画像を得る
ことができる。
【0034】このように、電子伝導性フィラーはpHが
5.0以下であることが好ましいが、このpH5.0以
下の電子伝導性フィラーとしては、pH5.0以下のカ
ーボンブラック(以下、単に「酸性カーボンブラック」
という場合がある。)を挙げることができる。
【0035】この酸性カーボンブラックは、カーボンブ
ラックを酸化処理することで、表面にカルボキシル基、
キノン基、ラクトン基、水酸基等の官能基を付与して製
造することができる。この酸化処理は、高温雰囲気下で
空気と接触させ、反応させる空気酸化法、常温下で窒素
酸化物やオゾンと反応させる方法、及び高温雰囲気下で
の空気酸化後、低温雰囲気下でオゾン酸化する方法など
により行うことができる。
【0036】実際には、酸化カーボンブラックは、コン
タクト法と呼ばれる方法により製造することができる。
このコンタクト法としては、さらに、チャネル法、ガス
ブラック法等がある。また、酸性カーボンブラックは、
ガスまたはオイルを原料とするファーネスブラック法に
より製造することもできる。さらには、必要に応じて、
これらの処理を施した後、硝酸などで液相酸化処理を行
ってもよい。
【0037】酸性カーボンブラックは、前記コンタクト
法で製造することができるが、密閉式のファーネスブラ
ック法によって製造するのが通常である。ファーネスブ
ラック法では通常高pH・低揮発分のカーボンブラック
しか製造されないが、これに上述の液相酸処理を施して
pHを調整することができる。このためファーネスブラ
ック法により得られるカーボンブラックで、後工程処理
によりpHが5以下となるように調節されたカーボンブ
ラックも、本発明に好ましく用いられるものである。
【0038】前記酸化カーボンブラックのpHは、カー
ボンブラックの水性懸濁液を調整し、該水性懸濁液にガ
ラス電極を浸漬させてpHを測定することで求められ
る。また、酸化カーボンブラックのpHは、酸化処理工
程での処理温度、処理時間等の条件によって、調整する
ことができる。
【0039】酸性カーボンブラックは、その揮発分が1
〜25%であることが好ましく、2〜20%であること
がより好ましく、3.5〜15%であることがさらに好
ましい。上記揮発分が1%未満である場合には、表面に
付着する酸素含有官能基の効果がなくなり、結着樹脂へ
のカーボンブラックの分散性が低下することがある。一
方、揮発分が25%より高い場合には、結着樹脂に分散
させる際に、樹脂自体が分解される、あるいは、表面の
酸素含有官能基に吸着される水などが多くなる等によっ
て、得られる成形品の外観が悪くなるなどの問題が生じ
ることがある。従って、揮発分を上記範囲とすること
で、結着樹脂中への分散をより良好とすることができ
る。なお、この揮発分は、カーボンブラックを950℃
で7分間加熱したときに、出てくる有機揮発成分(カル
ボキシル基、、水酸基、キノン基、ラクトン基等)の量
を、元のカーボンブラック全体量に対する割合として求
めることができる。
【0040】酸性カーボンとして具体的には、キャボッ
ト社の「REGAL 400R」(pH4.0、揮発分
3.5%)、「MONARCH 1300」(pH2.
5、揮発分9.5%)、Degussa社の「Colo
r Black FW200」(pH2.5、揮発分20
%)、「SPECIAL BLACK 4」(pH3.
0、揮発分14%)、「PRINTEX150T」(p
H4.0、揮発分10%)、「PRINTEX140
T」(pH5.0、揮発分5%)、「PRINTEX
U」(pH5.0、揮発分5%)、等が挙げられる。な
お、上記酸性カーボンブラックは、主たる導電性を発現
させる電子伝導性フィラーとして用いておれば、単独で
用いても他のカーボンブラックと併用して用いてもよ
い。
【0041】前記電子伝導性を付与する導電剤の添加量
は、熱可塑性樹脂、及び/または、ゴム材100質量部
に対して2〜40質量部の範囲であることが好ましく、
10〜25質量部の範囲であることがより好ましく、1
5〜20質量部の範囲であることがさらに好ましい。添
加量が2質量部に満たないと、所定の電気抵抗を安定し
て得ることができない場合があり、添加量が40質量部
を超えると、ベルト外観が悪くなるなどの問題が発生す
る場合がある。
【0042】(塩基性基を有する化合物)例えば、塩基
性官能基をもつ高分子は、塩基性(エレクトロンドナー
性)の表面を有しており、選択的に酸性(エレクトロン
アクセプター性)の表面に吸着する。したがって、塩基
性官能基をもつ高分子は、カルボキシル基などの酸性官
能基を有するカーボンブラックの酸性表面には吸着され
やすい傾向がある。このことから、前記pH5.0以下
の電子伝導性フィラーを含む材料に、塩基性基を有する
化合物を併せて添加することによって、酸化処理カーボ
ンブラック等の良好な分散安定性が得られ、かつ、塩基
性基を有する化合物が、カルボキシル基などを有する酸
化処理カーボンブラック等の表面に吸着し、水分の吸着
を阻害することができる。
【0043】すなわち、上記組成とすることで、電子伝
導性フィラーは前記熱可塑性樹脂中に良好に分散され、
半導電性ベルトの抵抗ばらつきを小さくすることができ
るとともに、抵抗値の電界依存性も小さくなり、転写電
圧による電界集中が起こりにくくなる。また、塩基性基
を有する化合物が、電子伝導性フィラー表面のカルボキ
シル基などよる水分の吸着を阻害して、吸着された水の
ガス化によって発生する半導電性ベルト表面の小突起の
発生をなくすことができる。
【0044】前記塩基性基を有する化合物における塩基
性基としては、アミノ基、スルホン酸基、シアノ基、リ
ン酸基等を挙げることができるが、これらの中では、化
合物の製造容易性、安定性等の観点から、アミノ基が好
ましく用いられる。
【0045】本発明に用いられるアミノ基を有する化合
物は、カーボンブラック表面の官能基のうち、酸性を示
すカルボキシル基及びフェノール性水酸基に対して、酸
−塩基相互作用により選択的に吸着するアミノ基を有す
る化合物であれば、特に制限なく用いることができる。
【0046】上記アミノ基を有する化合物としては、例
えば、N,N−ジメチルアミノイソプロピルアミン、
N,N−ジメチルアミノエチルアミン、4,4′−ジア
ミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル、p−フェニレンジアミン等の第一級アミン;
ピペリジン、ピロリジン等の第二級アミン;N,N,
N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、
N,N,N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミ
ン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、トリメチルアミノエチルピペラジン、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジ
メチルアミノエチル)エーテル、N,N′,N″−トリ
ス(3−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−
トリアジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メ
チルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−トリオキ
シエチレン−N,N−ジメチルアミン、トリエチレンジ
アミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7、N,N,N−トリス(3−ジメチルアミノプ
ロピル)アミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、
N−メチル−N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピ
ル)アミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、N,N′−ジメチルピペラジン、ピリジン、ピ
コリン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジノール、トリエチルアミン等の第三級アミン;ジシ
アンジアミド等を挙げることができる。
【0047】これらのアミノ基を有する化合物は、すべ
て塩基性を示すが、アルキル基の数が多いほど塩基性が
強くなる傾向にある。したがって、第一級アミン、第二
級アミン、第三級アミン、の順で塩基性が強くなるの
で、より好ましくは、第三級アミンが用いられる。な
お、本発明において、アミノ基を有する化合物には前記
各種アミンが含まれるものである。
【0048】上記各種のアミノ基を有する化合物のう
ち、本発明に好適に用いられるものとしては、例えば、
味の素ファインテクノ(株)社製の第三級アミノ基含有
高分子分散剤「アジスパ−PB711」を挙げることが
できる。
【0049】前記アミノ基を有する化合物の添加量
(B)と、電子伝導性を付与する導電剤の添加量(A)
との質量比は、A/B=1/0.5〜1/5の範囲であ
ることが好ましく、1/0.8〜1/1.2の範囲であ
ることがより好ましい。
【0050】アミノ基を有する化合物の添加量が、A/
Bで1/0.5に満たないと、酸化処理カーボンブラッ
クの良好な分散安定性が得られない場合があり、また、
酸化処理カーボン表面のカルボキシル基などのよる水分
の吸着を阻害する効果が少なくなり、上記吸着水のガス
化によって、ベルト表面に小突起などの欠陥を発生させ
る問題が生じることがある。一方、アミノ基を有する化
合物の添加量が、A/Bで1/5を超えると、ベルト基
材としての機械強度が低下するなどの問題が生じること
がある。
【0051】<熱可塑性樹脂、ゴム材、組成物>本発明
の半導電性ベルトのマトリックスとしては、熱可塑性樹
脂、及び/または、ゴム材が用いられる。すなわち、熱
可塑性樹脂またはゴム材のみを用いてもよいし、両者を
混合して用いてもよい。本発明においては、製造容易
性、寸法安定性等の観点から、熱可塑性樹脂のみを用い
ることが好ましい。
【0052】上記熱可塑性樹脂としては、中間転写ベル
ト及び用紙搬送ベルトとして要求される機械強度などを
満足すれば、特に限定されるものではなく、例えば、ポ
リイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテル
ケトン、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポリエステ
ル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフロロエ
チレン−エチレン共重合体(ETFE)などの樹脂材
料、及びこれらを主原料としてなる樹脂材料を挙げるこ
とができる。
【0053】また、ゴム材としては、ポリウレタン、塩
素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EP
DM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコー
ンゴムなどを挙げることができる。
【0054】前記熱可塑性樹脂、ゴム材は単独で、また
は2種類以上を混合して用いることができる。また、熱
可塑性樹脂とゴム材を混合して用いることもできる。こ
の場合の熱可塑性樹脂の配合量(C)とゴム材の配合量
(D)との質量比C/Dは、5/95〜95/5の範囲
であることが好ましい。
【0055】前記電子伝導性を付与する導電剤及び塩基
性基を有する化合物を、前記熱可塑性樹脂、及び/また
は、ゴム材に分散させる方法としては、3本ロールミル
や2本ロールミルを用い、せん断応力と位置交換の繰り
返しによって、導電剤とアミノを有する化合物粉子を分
散させる方法、及びニーダー、バンバリーミキサー、エ
クストルーダーを用い、分散機壁面の衝突力やせん断力
によって分散させる方法等を挙げることができるが、こ
れらに限定されるものではない。また、前記において熱
可塑性樹脂等に導電剤を分散させる前に、導電剤を樹脂
等と混練し、前処理を行ってもよい。
【0056】上記のようにして得られた、本発明の中間
転写体及び用紙搬送ベルトに用いる塩基性基を有する化
合物を含む組成物の吸水率は、2%以下であることが好
ましく、1%以下であることがより好ましい。吸水率が
2%以下であれば、電子伝導性フィラー表面の吸着水分
量を低減でき、ベルト表面の小突起発生による、ベルト
外観の悪化を防ぐことができる。
【0057】また、本発明においては、導電剤としてp
H5.0以下の電子伝導性フィラーと熱可塑性樹脂、及
び/または、ゴム材とを用い、塩基性基を有する化合物
を用いないで組成物とする場合は、当該組成物の吸水率
は2%以下であることが必要であり、さらに1%以下で
あることが好ましい。このようにすることで、塩基性基
を有する化合物を用いない場合でも、同様に電子伝導性
フィラー表面の吸着水分量を低減でき、ベルト表面の小
突起発生による、ベルト外観の悪化を防ぐことができ
る。なお、上記吸水率の測定は、JISK0068の化
学製品の水分試験方法に準拠して、カールフィッシャー
法によって求めた。
【0058】<中間転写体、用紙搬送ベルト>前述のよ
うにして得られた導電性の組成物を、所望のシート形状
等に成形することにより半導電性ベルトとし、本発明の
画像形成装置に用いられる中間転写体や用紙搬送ベルト
を作製することができる。
【0059】本発明の半導電性ベルトの抵抗値は、既述
の導電剤の添加量、分散条件等により制御することがで
きるが、中間転写体として用いる場合の転写面の表面抵
抗率は、1×1010Ω/□〜1×1014Ω/□の範囲で
あることが好ましく、1×1011Ω/□〜1×1013Ω
/□の範囲であることがより好ましい。
【0060】中間転写体の表面抵抗率が1×1014Ω/
□より高すぎると、一次転写部の像担持体と中間転写体
が剥離するポストニップ部で剥離放電が発生してしま
い、放電した部分が白抜けする画質欠陥が生じる場合が
ある。また、中間転写体の表面抵抗率が1010Ω/□未
満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、
その部分でギャップ放電が発生しやすくなるために、画
質の粒状性が悪化する場合がある。すなわち、上記好ま
しい範囲とすることによって、表面抵抗率が高い場合に
発生する、放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に
発生する、画質の悪化という問題を回避することができ
る。なお、表面抵抗率は、以下に示す方法により、電圧
100Vを印加し、10秒後の電流値より求めた。
【0061】本発明の半導電性ベルトにおいて、表面抵
抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレス
ターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6991
に従って測定することができる。具体的には、例えば、
図5に示す円形電極を用いて測定することができる。図
5は、表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略
平面図(a)及び概略断面図(b)である。図5に示す
円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備
える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円
柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、かつ円柱
状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部
Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極
部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に半導
電性ベルトTを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円
柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)
を印加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式
(1)により、半導電性ベルトTの表面抵抗率ρs(Ω
/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)
中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示す。D(m
m)はリング状電極部Dの内径を示す。 式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
【0062】また、半導電性ベルトを用紙搬送ベルトと
して用いる場合の表面抵抗率は、1×108〜1×10
14Ω/□の範囲であることが好ましい。表面抵抗率が1
×108Ω/□未満の場合には、画質の粒状性が悪化す
ることがあり、表面抵抗率が1×1014Ω/□を超える
場合には、白抜けが発生することがある。
【0063】また、中間転写体の体積抵抗率は、1×1
8Ωcm〜1×1014Ωcmの範囲であることが好ま
しく、1×1010Ωcm〜1×1012Ωcmの範囲であ
ることがより好ましい。
【0064】中間転写体の体積抵抗率が、1×108Ω
cmより低いと、像担持体から中間転写体に転写された
未定着トナー画像の電荷を保持する静電的な力が働かな
くなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付
近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが
飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成
される場合がある。また、中間転写体の体積抵抗率が1
×1014Ωcmより高すぎると、電荷の保持力が大きい
ために、1次転写での転写電界で中間体表面が帯電する
ために除電機構が必要となる問題が発生する場合があ
る。
【0065】したがって、体積抵抗率を1×108Ωc
m〜1×1014Ωcmの範囲に設定することにより、前記
のようなトナーが飛散したり、除電機構を必要とする問
題を回避することができる。なお、体積抵抗率は、以下
に示す方法により、電圧100Vを印加し、30秒後の
電流値より求めた。
【0066】本発明の半導電性ベルトにおいて、体積抵
抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレス
ターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6991
に従って測定することができる。具体的には、例えば、
図6に示す円形電極を用いて測定することができる。図
6は、体積抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略
平面図(a)及び概略断面図(b)である。図6に示す
円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極
B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極
部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径
を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒
状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極
A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’
と第二電圧印加電極B’との間に半導電性ベルトT’を
挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部
C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印
加したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式
(2)により、半導電性ベルトT’の体積抵抗率ρv
(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式
(2)中、tは半導電性ベルトT’の厚さを示す。 式(2) ρv=19.6×(V/I)×t
【0067】また、半導電性ベルトを用紙搬送ベルトと
して用いる場合には、体積抵抗率は1×106〜1×1
12Ωcmの範囲であることが好ましい。体積抵抗率が
1×106Ωcm未満の場合には、画像の周囲にトナー
が飛散してしまうことがあり、体積抵抗率が1×1012
Ωcmを超える場合には、転写のために必要な電界が大
きくなり、ベルトに電圧を印加する電源の負担が大きく
なることがある。
【0068】本発明に用いられる中間転写体の転写面の
表面抵抗率の電界依存性は、0.6桁(logΩ/□)
以下であることが好ましく、0.5桁(logΩ/□)
であることが好適である。表面抵抗率の電界依存性が、
0.6桁(logΩ/□)以下であると、前記のような
転写電圧による電界集中がより起きづらくなるので、用
紙走行部の表面抵抗率が低下して、ハーフトーンの画像
において、用紙走行部が白く抜けるなど画質欠陥の発生
を防止することができる。なお、上記表面抵抗率の電界
依存性は、半導電性ベルトに対し、電圧100V及び電
圧1000Vを印加して求めた表面抵抗率の常用対数の
差を示すものである。
【0069】さらに、本発明の半導電性ベルトを中間転
写体として用いる場合は、30℃、85%RHにおける
表面抵抗率と10℃、15%RHにおける表面抵抗率と
の常用対数値の差が、1.0桁(logΩ/□)以下で
あることが好ましく、0.6桁(logΩ/□)以下で
あることがより好ましい。本発明においては、前記電子
伝導性の導電剤を用いることで、30℃、85%RHと
10℃、15%RHとの環境による表面抵抗率の常用対
数値の差が、1.0桁以下に抑えることができる。
【0070】なお、本発明の半導電性ベルトを用紙搬送
ベルトとして用いる場合にも、上記中間転写体に用いる
場合と同程度の表面抵抗率の電界依存性、環境依存性が
要求される。
【0071】<画像形成装置>本発明の画像形成装置
は、中間転写体方式の画像形成装置及び用紙搬送ベルト
方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものでは
ない。例えば、現像器内に単色のトナーのみを収容する
通常のモノカラー画像形成装置や、感光体ドラム等の像
担持体表面に担持されたトナー画像を、中間転写体に順
次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現
像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配
置したタンデム型カラー画像形成装置等を挙げることが
できる。
【0072】以下に、本発明の画像形成装置の一例とし
て、一次転写を繰り返すカラー画像形成装置について述
べる。図1は本発明の画像形成装置の一例を示す概略構
成図である。図1の画像形成装置は、像担持体としての
感光体ドラム1、中間転写体としての転写ベルト2、転
写電極であるバイアスロール3、記録媒体である記録紙
を供給するトレー4、Bk(ブラック)トナーによる現
像器5、Y(イエロー)トナーによる現像器6、M(マ
ゼンタ)トナーによる現像器7、C(シアン)トナーに
よる現像器8、ベルトクリーナー9、剥離爪13、ベル
トロール21、23及び24、バックアップロール2
2、導電性ロール25、電極ロール26、クリーニング
ブレード31、ピックアップロール42、フィードロー
ル43を有してなる。転写ベルト2としては、前記本発
明の半導電性ベルトを備える。
【0073】図1において、感光体ドラム1は矢印A方
向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯
電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書き込
み装置などの画像書き込み手段により、第一色(例え
ば、Bk)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現
像器5によって現像されて可視化されたトナー画像Tが
形成される。トナー画像Tは、感光体ドラム1の回転で
導電性ロール25が配置された一次転写部に到り、導電
性ロール25からトナー画像Tに逆極性の電界を作用さ
せることにより、上記トナー画像Tを静電的に転写ベル
ト2に吸着されつつ転写ベルト2の矢印B方向の回転で
一次転写される。以下、同様にして第2色のトナー画
像、第3色のトナー画像、第4色のトナー画像が順次形
成され、転写ベルト2の表面において重ね合わされ、多
重トナー画像が形成される。
【0074】転写ベルト2に転写された多重トナー画像
は、転写ベルト2の回転でバイアスロール3が設置され
た二次転写部に到る。二次転写部は、転写ベルト2のト
ナー画像が担持された表面側に設置されたバイアスロー
ル3と、当該転写ベルト2の裏側からバイアスロール3
に対向して配置されたバックアップロール22、及びこ
のバックアップロール22に圧接して回転する電極ロー
ル26から構成される。
【0075】記録紙41(記録媒体)は、記録紙トレー
4に収容された記録紙束からピックアップロール42で
一枚ずつ取り出され、フィードロール43で二次転写部
の転写ベルト2とバイアスロール3との間に所定のタイ
ミングで給送される。給送された記録紙41は、バイア
スロール3とバックアップロール22とによる圧接搬送
と、転写ベルト2の回転とで、当該転写ベルト2表面に
担持されたトナー画像が転写される。
【0076】トナー画像が転写された記録紙41は、最
終トナー画像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪
13を作動せることにより、転写ベルト2から剥離さ
れ、図示しない定着装置に搬送され、加圧・加熱処理で
トナー画像を記録紙41に固定して永久画像とされる。
なお、多重トナー画像の記録紙41への転写の終了した
転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けたベルトクリ
ーナ9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備え
る。また、バイアスロール3には、ポリウレタン等から
なるクリーニングブレード31が常時当接してとりつけ
られており、転写時に付着したトナー粒子や紙紛等の異
物が除去される。
【0077】単色画像の転写の場合は、一次転写された
トナー画像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送する
が、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合
は、各色のトナー画像が一次転写部で正確に一致するよ
うに、転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期さ
せて各色のトナー画像がずれないようにされる。上記二
次転写部では、バイアスロール3と転写ベルト2とを介
して、対向配置したバックアップロール22に圧接した
電極ロール26に、トナー画像の極性と同極性の出圧
(転写電圧)を印加することで、当該トナー画像を記録
紙41に静電反発で転写する。以上のようにして、画像
を形成することができる。
【0078】図4は、上記画像形成装置の二次転写部の
拡大図である。図4に示すように、二次転写部直後にお
いては、ベルト表面はプラス側に帯電し、記録紙のベル
ト側はマイナス側に帯電しているため、ベルト表面に局
部的に抵抗が低い部分があると、ベルトと記録紙との間
で剥離放電が発生し、この放電がベルト表面を劣化さ
せ、表面抵抗が低下することとなる。
【0079】次に、本発明の画像形成装置の他の一例と
して、タンデム方式のカラー画像形成装置について述べ
る。図2は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概
略構成図である。図2に示す画像形成装置は、画像形成
ユニット100Y、100M、100C、100Bk
と、用紙搬送ベルト106と、転写ロール107Y、1
07M、107C、107Bkと、用紙搬送ロール10
8と、定着器109とを有している。用紙搬送ベルト1
06としては、前記本発明の半導電性ベルトを備える。
【0080】画像形成ユニット100Y、100M、1
00C、100Bkは、矢印の時計方向に所定の周速度
(プロセススピード)をもって回転する感光体ドラム1
01Y、101M、101C、101Bkがそれぞれ備
えられる。感光体ドラム101Y、101M、101
C、101Bkの周囲には、スコロトロン帯電器102
Y、102M、102C、102Bkと、露光器103
Y、103M、103C、103Bkと、各色現像器
(イエロー現像器104Y、マゼンタ現像器104M、
シアン現像器104C、ブラック現像器104Bk)
と、感光体クリーナー105Y、105M、105C、
105Bkとがそれぞれ配置されている。
【0081】画像形成ユニット100Y、100M、1
00C、100Bkは、用紙搬送ベルト106に対して
4つ並列に、画像形成ユニット100Y、100M、1
00C、100Bkの順に配置されているが、画像形成
ユニット100Bk、100Y、100C、100Mの
順等、画像形成方法に合わせて適当な順序を設定するこ
とができる。
【0082】用紙搬送ベルト106は、支持ロール11
0、111、112、113によって、矢印の反時計方
向に感光体ドラム101Y、101M、101C、10
1Bkと同じ周速度をもって回転可能になっており、支
持ロール112、113の中間に位置する感光体ドラム
101Y、101M、101C、101Bkと、その一
部がそれぞれ接するように配置されている。用紙搬送ベ
ルト106は、ベルト用クリーニング装置114が備え
られている。支持ロール111はテンションロールの役
割を担い、用紙搬送ベルト106面方向に移動可能に配
置され、用紙搬送ベルト106のテンションを調節する
ことができる。
【0083】転写ロール107Y、107M、107
C、107Bkは、用紙搬送ベルト106の内側にあっ
て、用紙搬送ベルト106と感光体ドラム101Y、1
01M、101C、101Bkとが接している部分に対
向する位置にそれぞれ配置され、感光体ドラム101
Y、101M、101C、101Bkと、用紙搬送ベル
ト106とを介して、トナー画像を記録紙(記録媒体)
Pに転写する転写領域(ニップ部)を形成している。
【0084】用紙搬送ロール108により、記録紙Pは
用紙搬送ベルト106に搬送される。定着器109は、
用紙搬送ベルト106と感光体ドラム101Y、101
M、101C、101Bkとのそれぞれの転写領域(ニ
ップ部)を記録紙Pが通過した後に、該記録紙Pを搬送
できるように配置されている。
【0085】図2に示す画像形成装置の、例えば画像形
成ユニット100Bkにおいては、感光体ドラム101
Bkを回転駆動させると、所定の電圧は印加されたスコ
ロトロン帯電器102Bkにより、感光体ドラム101
Bkの表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。表
面が一様に帯電された感光体ドラム101Bkは、次
に、露光器103Bkによって露光され、その表面に静
電潜像が形成される。続いて該静電潜像は、ブラック現
像器104Bkによって現像され、感光体ドラム101
Bkの表面にトナー画像が形成される。
【0086】このトナー画像は、静電的に用紙搬送ベル
ト106に吸着して、感光体ドラム101Bkと用紙搬
送ベルト106との転写領域(ニップ部)まで搬送され
た記録紙Pの表面に、当該転写領域を通過すると同時
に、転写ロール107Bkから印加される転写バイアス
により形成される電界により転写される。この後、感光
体ドラム101Bk表面に残存するトナーは、感光体ク
リーナ105Bkによって清掃・除去される。そして、
感光体ドラム101Bkは、次の帯電・現像・転写サイ
クルに供される。上記のサイクルは、画像形成ユニット
100C、100M、100Yでも同様に行われる。一
方、記録紙Pは、次の画像形成ユニットでの転写位置に
搬送される。
【0087】以上のようにして、転写ロール107B
k、107C、107M、107Yによって順次トナー
画像を転写された記録紙Pは、さらに定着器109に搬
送され、定着が行われる。以上により、記録紙Pの表面
に所望の画像が形成される。
【0088】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 (実施例1)熱可塑性樹脂として、日本ジーイープラス
チックス(株)社製のポリエ−テルイミド樹脂ウルテム
1100を用い、上記樹脂100質量部に対し、酸性カ
ーボンブラックとして、独Degussa社製のPri
ntex150T(pH4.0、揮発分10%)18質
量部と、味の素ファインテクノ(株)社製の第三級アミ
ノ基含有高分子分散剤アジスパ−PB711:18質量
部とを加え、2軸押出機を用いて混練することにより、
前記酸性カーボンブラックを分散してなるペレット状の
樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の吸水率は、0.2
%であった。さらに、この樹脂ペレットを1軸押出機を
用いて、280℃の加熱温度にて、チューブ形状に押出
成形して、厚み0.13mm、幅350mm、外径16
8mmの無端ベルトを得た。この樹脂ベルトの表面抵抗
率は1011.8Ω/□、体積抵抗率は1010.2Ωcmであ
った。
【0089】(実施例2)熱可塑性樹脂として、イース
トマンケミカル(株)社製のポリエステル樹脂PCTG
5445を用い、上記樹脂100質量部に対し、酸性カ
ーボンブラックとして、独Degussa社製のPri
ntex140T(pH4.5)16質量部と、味の素
ファインテクノ(株)社製の第三級アミノ基含有高分子
分散剤アジスパ−PB711:18質量部とを加え、2
軸押出機を用いて混練することにより、前記酸性カーボ
ンブラックを分散してなるペレット状の樹脂組成物を得
た。この樹脂組成物の吸水率は、0.4%であった。さ
らに、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、260
℃の加熱温度にて、チューブ形状に押出成形して、厚み
0.13mm、幅350mm、外径168mmの無端ベ
ルトを得た。この樹脂ベルトの表面抵抗率は1011.9Ω
/□、体積抵抗率1010.6Ωcmであった。
【0090】(実施例3)熱可塑性樹脂として、イース
トマンケミカル(株)社製のポリエステル樹脂PCTG
5445を用い、上記樹脂100質量部に対し、酸性カ
ーボンブラックとして、独Degussa社製のPri
ntex150T(pH4.0)18質量部と、味の素
ファインテクノ(株)社製の第三級アミノ基含有高分子
分散剤アジスパ−PB711:15質量部を加え、2軸
押出機を用いて混練することにより、前記酸性カーボン
ブラックを分散してなるペレット状の樹脂組成物を得
た。この樹脂組成物の吸水率は、0.6%であった。さ
らに、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、260
℃の加熱温度にて、チューブ形状に押出成形して、厚み
0.13mm、幅350mm、外径168mmの無端ベ
ルトを得た。この樹脂ベルトの表面抵抗率は1011.6Ω
/□、体積抵抗率は109.6Ωcmであった。
【0091】(実施例4)酸性カーボンブラックとし
て、独Degussa社製のPrintex140T
(pH4.5)を用い、窒素雰囲気中、80℃で60分
間加熱した後、当該カーボンブラック100質量に対
し、旭化成工業(株)社製ポリスチレン樹脂475Dを
100質量部加え、ニーダーを用いて溶融した前記樹脂
と20分間混練・分散することにより、前記カーボンブ
ラックの表面がポリスチレン樹脂で被覆された塊を得
た。さらに、該塊を2本ロールを用いてシート状に成形
した後、裁断して、樹脂で被覆された酸性カーボンブラ
ックを作製した。次に、熱可塑性樹脂として、イースト
マンケミカル(株)社製のポリエステル樹脂PCTG5
445を用い、上記樹脂100質量部に対し、前記ポリ
スチレン樹脂で被覆された酸性カーボンブラック40質
量部(カーボンブラックとして17質量部相当)を加
え、2軸押出機を用いて混練することにより、前記酸性
カーボンブラックを分散してなるペレット状の樹脂組成
物を得た。この樹脂組成物の吸水率は、0.5%であっ
た。さらに、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、
255℃の加熱温度にて、チューブ形状に押出成形し
て、厚み0.13mm、幅350mm、外径168mm
の無端ベルトを得た。この樹脂ベルトの表面抵抗率は1
11.8Ω/□、体積抵抗率は1010.4Ωcmであった。
【0092】(比較例1)熱可塑性樹脂として、イース
トマンケミカル(株)社製のポリエステル樹脂PETG
6773を用い、上記樹脂100質量部に対し、酸性カ
ーボンブラックとして、独Degussa社製のPri
ntex150T(pH4.0)15質量部を加え、2
軸押出機を用いて混練することにより、前記カーボンブ
ラックを分散してなるペレット状の樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物の吸水率は、2.1%であった。さら
に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、260℃
の加熱温度にて、チューブ形状に押出成形して、厚み
0.13mm、幅350mm、外径168mmの無端ベ
ルトを得た。この樹脂ベルトの表面抵抗率は1011.8Ω
/□、体積抵抗率は1010.6Ωcmであった。
【0093】(比較例2)熱可塑性樹脂として、イース
トマンケミカル(株)社製のポリエステル樹脂PETG
5445を用い、上記樹脂100質量部に対し、カーボ
ンブラックとして、米Cabot社製のVolcanX
C72X(pH8.5、揮発分1.5%)14質量部を
加え、2軸押出機を用いて混練することにより、前記カ
ーボンブラックを分散してなるペレット状の樹脂組成物
を得た。この樹脂組成物の吸水率は、1.2%であっ
た。さらに、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、
220℃の加熱温度にて、チューブ形状に押出成形し
て、厚み0.13mm、幅350mm、外径168mm
の無端ベルトを得た。この樹脂ベルトの表面抵抗率は1
11.9Ω/□、体積抵抗率は109.2Ωcmであった。
【0094】(比較例3)熱可塑性樹脂として、イース
トマンケミカル(株)社製のポリエステル樹脂PETG
5445を用い、上記樹脂100質量部に、カーボンブ
ラックとして、電気化学工業(株)社製の粒状アセチレ
ンブラック(pH5.7、揮発分0.9%)15質量部
を加え、2軸押出機を用いて混練することにより、前記
カーボンブラックを分散してなるペレット状の樹脂組成
物を得た。この樹脂組成物の吸水率は、1.1%であっ
た。さらに、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、
220℃の加熱温度にて、チューブ形状に押出成形し
て、厚み0.13mm、幅350mm、外径168mm
の無端ベルトを得た。この樹脂ベルトの表面抵抗率は1
11.4Ω/□、体積抵抗率109.8Ωcmであった。
【0095】(比較例4)熱可塑性樹脂として、日本ジ
ーイープラスチックス(株)社製のポリエ−テルイミド
樹脂ウルテム1100を用い、上記樹脂100質量部に
対し、カーボンブラックとして、電気化学工業(株)社
製の粒状アセチレンブラック(pH5.7、揮発分0.
9%)16質量部加えて、2軸押出機を用いて混練する
ことにより、前記カーボンブラックを分散してなるペレ
ット状の樹脂組成物を得た。この樹脂組成物の吸水率
は、0.7%であった。さらに、この樹脂ペレットを1
軸押出機を用いて、280℃の加熱温度にて、チューブ
形状に押出成形して、厚み0.13mm、幅350m
m、外径168mmの無端ベルトを得た。この樹脂ベル
トの表面抵抗率は1011.9Ω/□、体積抵抗率は10
10.8Ωcmであった。
【0096】(比較例5)熱可塑性樹脂として、日本ジ
ーイープラスチックス(株)社製のポリカーボネイト樹
脂レキサン131を用い、上記樹脂100質量部に対
し、イオン導電剤として、三洋化成工業(株)社製のポ
リエーテルを主セグメントとするブロック型ポリマー、
ペレスタット6321:25質量部を加え、2軸押出機
を用いて混練することにより、ペレット状の樹脂組成物
得た。この樹脂組成物の吸水率は、1.3%であった。
次に、このペレットを1軸押出機用いて、250℃の加
熱温度にて、チューブ形状に押出成型して、厚み0.1
5mm、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを
得た。この樹脂ベルトの表面抵抗率は1012.3Ω/□、
体積抵抗率は1012.5Ωcmであった。
【0097】(評価試験)前記実施例1〜4及び比較例
1〜5において作製した樹脂ベルトについて、以下の評
価を行った。 −表面抵抗率の面内ばらつき− 表面抵抗率の面内ばらつき(ΔR)は、作製した外径1
68mm、幅350mmの半導電性ベルトを長さ方向
(周方向)に8分割、幅方向に3分割し、ベルト面内2
4点について表面抵抗率を計測し、表面抵抗率の常用対
数値をとり、その最大値と最小値との差として算出し
た。
【0098】−表面抵抗率の環境変動幅− 本実施例における表面抵抗率の環境変動幅は、30℃、
85%RHにおける表面抵抗率ρs3(Ω/□)の常用
対数値と、10℃、15%RHにおける表面抵抗率ρs
4(Ω/□)の常用対数値との差|logρs3−log
ρs4|として算出した。
【0099】−表面抵抗率の電界依存性− 本実施例における表面抵抗率の電界依存性は、印加電圧
100Vにおける表面抵抗率ρs1(Ω/□)の常用対
数値と、印加電圧1000Vにおける表面抵抗率ρs2
(Ω/□)の常用対数値との差|logρs1−log
ρs2|として算出した。
【0100】−表面抵抗率の低下量− 各樹脂ベルトを中間転写体として図1に示す画像形成装
置に装着し、葉書を3000枚連続通紙後の表面抵抗率
の低下量を、通紙前(初期)における表面抵抗率の常用
対数値と、葉書を3000枚連続通紙した後における葉
書走行部の表面抵抗率の常用対数値と、の差として算出
した。
【0101】−画像の白抜け発生状況− 上記の葉書を3000枚連続通紙した後に、A4サイズ
の用紙(記録紙)を用いてマゼンタ30%のハーフトー
ン画像を出力し、白抜け発生状況を目視にて判定した。
評価基準としては、画質上問題にならないレベルを○と
し、画質上問題のあるレベルを×とした。
【0102】−ベルト外観− 図3は、無端ベルト外面を三次元粗さ計にて観察し、図
1の画像形成装置を用いてハーフトーン画像を出力した
場合の、中間転写体のベルト表面の突起の高さ及び幅と
転写画質との関係を示したものある。図3からわかるよ
うに、ベルト表面の突起の高さが20μmを超えると転
写画質に白点抜けとしての画質欠陥が発生した。この結
果から、高さが20μm以上の突起の数により以下の基
準で評価した。 ○:画質上問題がないレベル △:10〜20μmの突起はあるが、画質上問題がない
レベル ×:20μm以上の突起が多数あり、画質上問題がある
レベル 前記各樹脂ベルトの配合及び上記評価結果をまとめて表
1に示す。
【0103】
【表1】
【0104】本発明の実施例の結果に対して、比較例1
では、吸水量が2.1%と多いためにベルト成形時にカ
ーボンブラック表面に吸着した水分によって、ベルト表
面に小突起が発生する問題が発生した。また、比較例2
〜4では、電子伝導性の中性カーボンブラックを用いて
おり、該カーボンブラックの樹脂中での分散が悪いた
め、表面抵抗率のベルト面内のばらつき(ΔR)が大き
く、加えて電界依存性が大きいため、葉書を3000枚
連続通紙後、用紙走行部の表面抵抗率の低下量が大き
く、ハーフトーン画像を出力した時の白抜けが発生して
しまった。さらに、比較例5のイオン導電性ポリマーを
分散させた樹脂ベルトでは、表面抵抗率のベルト面内の
ばらつき(ΔR)は小さく、用紙走行部の表面抵抗率が
低下する問題はないが、高温高湿(H/H)環境及び低
温低湿(L/L)環境での表面抵抗率の変動が1.8桁
となってしまった。
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、電気抵抗の均一性が良
好で、該電気抵抗の電界依存性や環境による電気抵抗の
変化が少なく、ベルト外観に突起などがない半導電性ベ
ルトを提供することができ、また、このような半導電性
ベルトを中間転写体や用紙搬送ベルトとして用いること
により、転写電圧によるベルト抵抗低下や画質欠陥を生
じることのない、高品質の画像を安定して得られる画像
形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成
図である。
【図2】 本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略
構成図である。
【図3】 ベルト表面の突起の形状(高さ・幅)と画
質欠陥との関係を示す図である。
【図4】 本発明の画像形成装置の2次転写部を示す拡
大図である。
【図5】 表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す
概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図6】 体積抵抗率を測定する円形電極の一例を示
す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体) 2 中間転写ベルト(中間転写体) 3 バイアスロール 4 用紙トレー 5 ブラック現像器 6 イエロー現像器 7 マゼンタ現像器 8 シアン現像器 9 中間転写体クリーニング装置 13 剥離爪 21 ベルトロール 22 バックアップロール 23 ベルトロール 24 ベルトロール 25 導電性ロール 26 電極ロール 31 クリーニングブレード 41 記録紙 42 ピックアップロール 43 フィードロール 100Y、100M、100C、100Bk 画像形成
ユニット 101Y、101M、101C、101Bk 感光体ド
ラム 102Y、102M、102C、102Bk スコロト
ロン帯電器 103Y、103M、103C、103Bk 露光器 104Y イエロー現像器 104M マゼンタ現像器 104C シアン現像器 104Bk ブラック現像器 105Y、105M、105C、105Bk 感光体ク
リーニング装置 106 用紙搬送ベルト 107Y、107M、107C、107Bk 転写ロー
ル 108 用紙搬送ロール 109 定着器 110、111、112、113 支持ロール 114 ベルト用クリーニング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H071 BA42 DA09 DA21 2H200 FA18 GA12 JB07 JB10 JB45 JB46 JC04 JC15 JC16 MA03 MA04 MA12 MA14 MA17 MA20 MB02 3F049 BA13 LA02 LA07 LB03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子伝導性を付与する導電剤と、塩基性
    基を有する化合物と、熱可塑性樹脂、及び/または、ゴ
    ム材とからなることを特徴とする半導電性ベルト。
  2. 【請求項2】 前記電子伝導性を付与する導電剤が、p
    H5.0以下の電子伝導性フィラーであることを特徴と
    する請求項1に記載の半導電性ベルト。
  3. 【請求項3】 前記塩基性基がアミノ基であることを特
    徴とする請求項1または2のいずれかに記載の半導電性
    ベルト。
  4. 【請求項4】 前記塩基性基を有する化合物が、第三級
    アミノ基含有高分子化合物であることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の半導電性ベルト。
  5. 【請求項5】 前記電子伝導性を付与する導電剤の添加
    量(A)と、前記塩基性基を有する化合物の添加量
    (B)との質量比が、A/B=1/0.5〜1/5の範
    囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の半導電性ベルト。
  6. 【請求項6】 pH5.0以下の電子伝導性フィラー
    と、熱可塑性樹脂、及び/または、ゴム材とで構成され
    る組成物からなる半導電性ベルトであって、前記組成物
    の吸水率が2%以下であることを特徴とする半導電性ベ
    ルト。
  7. 【請求項7】 前記電子伝導性フィラーが、酸化処理さ
    れたカーボンブラックであることを特徴とする請求項2
    〜6のいずれかに記載の半導電性ベルト。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の半導電
    性ベルトを、中間転写体として用いたことを特徴とする
    画像形成装置。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の半導電
    性ベルトを、用紙搬送ベルトとして用いたことを特徴と
    する画像形成装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007323039A (ja) * 2005-09-16 2007-12-13 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成方法および画像形成装置
DE102016107871B4 (de) * 2015-04-30 2021-04-29 Canon Kabushiki Kaisha Elektrisch-leitfähiges Element und elektrophotographischer Apparat

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