JP2003213458A - Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板 - Google Patents
Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板Info
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Abstract
され、自己修復作用のある化成処理皮膜が形成されたア
ルミニウム系めっき鋼板を提供する。 【構成】 このアルミニウム系めっき鋼板は、Al−S
i合金めっき層が形成されたアルミニウム系めっき鋼板
を基材とし、Ti及びVの複合化合物を含む化成処理皮
膜が基材表面に形成されている。Al−Si合金めっき
層のSi含有量は、好ましくはめっき層全体として5〜
13質量%の範囲にあり、めっき層の表層で7〜80質
量%に濃化されている。Ti及びVの複合化合物には、
酸化物,水酸化物,リン酸塩,フッ化物,有機酸等があ
る。化成処理皮膜は、更にMnの酸化物,水酸化物,リ
ン酸塩,フッ化物,炭酸塩,有機酸塩の1種又は2種以
上を含むことができ、必要に応じリン酸塩,複合リン酸
塩及び/又は潤滑剤を含ませても良い。
Description
性に優れた化成処理皮膜が形成されたアルミニウム系め
っき鋼板に関する。
やAl−Si合金めっき層等を形成したアルミニウム系
めっき鋼板が多用されているが、湿潤雰囲気,排ガス雰
囲気,海塩粒子飛散雰囲気等にアルミニウム系めっき鋼
板を長期間放置すると、めっき層表面に白錆が発生し外
観が劣化する。白錆の発生はアルミニウム系めっき鋼板
をクロメート処理することにより防止できるが、Crイ
オンを含む排液の処理に多大な負担がかかる。そこで、
チタン系,ジルコニウム系,モリブデン系,リン酸塩系
等の薬液を使用したCrフリーの化成処理方法が検討さ
れている。
液及びリン酸を含む処理液を各種めっき鋼板に塗布して
加熱乾燥することにより、耐食性に優れたチタン化合物
含有皮膜を形成している(特開平11−61431号公
報)。モリブデン系では、モリブデン酸のマグネシウム
又はカルシウム塩を含む水溶液に亜鉛めっき鋼材を浸漬
処理して防錆皮膜を形成する方法(特公昭51−241
9号公報),6価モリブデン酸化合物を部分還元し、6
価モリブデン/全モリブデンの比を0.2〜0.8に調整
した処理液を鋼材表面に塗布する方法(特開平6−14
6003号公報)等がある。マンガン系の化成処理皮膜
を形成することも検討されている。
ものとして提案されているチタン系,ジルコニウム系,
リン酸塩系等の皮膜では、クロム系皮膜にみられるよう
な優れた自己修復作用が得られていない。たとえば、チ
タン系皮膜は、クロム系皮膜と同様にバリア作用のある
酸化物や水酸化物からなる連続皮膜として形成される
が、クロム系皮膜と異なり難溶性であることから自己修
復作用を呈さない。そのため、化成処理時や成形加工等
の際に生じた皮膜欠陥部を起点とする腐食の抑制には有
効でない。他のCrフリー皮膜も、チタン系皮膜と同様
に自己修復作用が弱く、腐食抑制効果が不充分である。
酸化物,水酸化物からなるクロム系皮膜の場合、難溶性
の3価Cr化合物Cr2O3等が環境遮断機能を呈して基
材の腐食を防止し、六価Cr化合物が自己修復作用を呈
する。自己修復作用は、六価Cr化合物がCr2O7 2-等
の酸素酸アニオンとなって化成処理皮膜から溶出し、加
工等で生じた鋼板露出部と還元反応し難溶性の3価Cr
化合物として再析出することにより発現すると考えられ
ている。そこで、本発明者等は、クロメート皮膜にみら
れる自己修復作用をCrフリーの化成処理皮膜に付与す
るため、Ti,Zr,Hf,V,Nb,W,Ta,Mo
等のバルブメタルのフッ化物を共存させた化成処理皮膜
(特願2001−183044号)やMn,Tiの複合
化合物からなる化成処理皮膜(特願2000−3429
38号)を提案した。バルブメタルのフッ化物やMn,
Tiの複合化合物は、溶解能があり、鋼板露出部で難溶
性化合物として再析出する。
たCrフリー化成処理皮膜の更なる特性改善を研究する
過程で見出された新規な知見をベースに完成されたもの
であり、Ti及びVの複合化合物を含む化成処理皮膜を
形成することにより、耐食性が一段と改善されたアルミ
ニウム系めっき鋼板を提供することを目的とする。
の目的を達成するため、Al−Si合金めっき層が形成
されたアルミニウム系めっき鋼板を基材とし、Ti及び
Vの複合化合物を含む化成処理皮膜が基材表面に形成さ
れていることを特徴とする。Al−Si合金めっき層の
Si含有量は、好ましくはめっき層全体として5〜13
質量%の範囲にあり、めっき層の表層で7〜80質量%
に濃化されている。Ti及びVの複合化合物には、酸化
物,水酸化物,リン酸塩,フッ化物,有機酸等がある。
化成処理皮膜は、更にMnの酸化物,水酸化物,リン酸
塩,フッ化物,炭酸塩,有機酸塩の1種又は2種以上を
含むことができ、必要に応じリン酸塩,複合リン酸塩及
び/又は潤滑剤を含ませても良い。
−O骨格で皮膜成分が相互に結合された皮膜として基材
表面に形成される。化成処理皮膜のTi−O骨格は比較
的短く、アルミニウム系めっき鋼板の成形加工時に破断
しやすい。Ti−O骨格の破断は皮膜欠陥として現れ、
欠陥部を起点とする腐食の原因になる。この化成処理皮
膜にV化合物を添加するとTi−O骨格が強化され、下
地のアルミニウム系めっき鋼板を環境から遮断する化成
処理皮膜のバリア機能が向上することを見出した。V化
合物としては、VF4,VCl4,NH4VO3,NaVO
3,Ca2V2O7,V2O5等がある。化成処理皮膜に添加
したV化合物は、Tiと複合化合物を形成し、酸化物,
水酸化物,リン酸塩,フッ化物,有機酸塩等として化成
処理皮膜中に存在する。Ti−O骨格の強化は、V化合
物の共存によってTi化合物が酸化物や水酸化物に変化
しやすくなり、酸素を介したTi原子相互の結合が促進
されることに依るものと推察される。
O2に比較すると溶解度が高い。そのため、環境中に溶
出し、鋼板表面や雰囲気との反応によって難溶性の化合
物として再析出し、鋼板表面の露出部を自己修復する作
用も呈すると考えられる。実際、後述の実施例でも説明
しているように、V化合物の添加によって、皮膜疵付き
部や切断端面における腐食発生が大幅に減少する。化成
処理皮膜の自己修復作用は、Mnの酸化物,水酸化物,
リン酸塩,フッ化物,炭酸塩,有機酸塩の1種又は2種
以上を添加すると更に向上する。また、リン酸塩や複合
リン酸塩を添加すると、化成処理皮膜から溶出した燐酸
イオンと下地Al−Si合金めっき層のAl等との反応
生成物である不溶性リン酸塩の析出によって皮膜欠陥が
解消され、有機,無機の潤滑剤を添加すると化成処理皮
膜の加工性が向上する。
高炭素鋼,合金鋼等が使用される。なかでも、良好なプ
レス成形性が要求される用途では、低炭素Ti添加鋼,
低炭素Nb添加鋼等の深絞り用鋼板が好ましい。下地鋼
は、常法に従って溶融アルミニウムめっきされるが、A
l−Si合金めっき層のSi含有量を5〜13質量%の
範囲に調整することが好ましい。Si含有量を5質量%
以上とすることにより、めっき層表層にSiが濃化しや
すくなると共に、下地鋼とめっき層との界面に生じ加工
性に有害な合金層の成長が抑制される。しかし、13質
量%を超える過剰量のSiが含まれると、溶融めっき後
の冷却過程で初晶Siがめっき層に晶出し、加工性が著
しく劣化する。
l−Si合金めっき鋼板を溶融めっき浴から引き上げ、
冷却速度等を調整することによって予めめっき層の表層
にSiを濃化させた後、酸洗,アルカリ洗浄等を施すこ
とにより金属Si主体の凸部及びAlリッチの凹部がめ
っき層の表層に形成される。酸洗,アルカリ洗浄等で金
属Si主体の凸部及びAlリッチの凹部を形成する場
合、水洗,乾燥工程を必要とする。他方、Alに対して
エッチング作用のある化成処理液を使用する場合、化成
処理液をめっき層に塗布して乾燥させる化成処理皮膜の
生成過程で表層のAlが選択的にエッチング除去され、
Alリッチの凹部が形成される。
がめっき層の表層に分散している状況は、AES分析法
を用いて1000μm四方のエリアを走査・分析し、同
様にArスパッタで表層から100nmの深さまで繰返
し分析することにより確認できる。本発明者等による実
験結果からすると、めっき層の表層から100nmまで
の深さにおけるSi濃度を7質量%以上にするとき、目
標とする平坦部耐食性及び加工部耐食性が得られること
が判った。しかし、表層のSi濃度が80質量%を超え
るまでAlがエッチング除去されると、めっき層の表層
が脆くなり、プレス加工時等の際に鋼板が変形すると化
成処理皮膜が脱落しやすくなる。
含む水溶液を基材表面に塗布し、水洗を経ずに乾燥する
ことによって形成され、酸化物,水酸化物,リン酸塩,
フッ化物,有機酸塩から選ばれた1種又は2種以上のT
i−V複合化合物を含んでいる。Ti化合物にはK2T
iF6,TiOSO4,(NH4)2TiF6,K2[TiO(C
OO)2],TiCl4,Ti(SO4)2,Ti(OH)4等が
あり、V化合物にはVF4,VCl4,NH4VO3,Na
VO3,Ca2V2O7,V2O5等がある。Ti化合物は、
好ましくはTi濃度が0.1〜100g/lとなるよう
に化成処理液に添加される。0.1g/lに満たないT
i濃度では十分な耐食性を呈するTi付着量が得られが
たく、100g/lを超えるTi濃度では化成処理液の
安定性が低下しやすい。V化合物は、化成処理皮膜のV
/Tiのモル比が0.01〜2.0となるように化成処理
液に添加される。V/Tiのモル比が0.01以上にな
るとV化合物の添加効果が顕著になるが、V/Tiのモ
ル比が2.0を超える過剰量のV化合物を添加しても添
加量に見合う耐食性改善効果が得られず、却って化成処
理液のコストが高くなる。
は複合リン酸塩,潤滑剤,有機酸,フッ化物等が必要に
応じて添加される。Mn化合物は、化成処理皮膜に取り
込まれ、化成処理皮膜の自己修復作用を向上させる。M
n化合物は、好ましくはMn濃度が0.1〜100g/
lとなる割合で化成処理液に添加される。0.1g/l
未満のMn濃度では自己修復作用の向上に有効な量のM
n付着量が得られがたく、逆に100g/lを超えるM
n濃度では化成処理液の安定性が損なわれる。また、化
成処理皮膜のMn/Tiのモル比が0.01〜5.0の範
囲に維持されるようにMn化合物の添加量を設定するこ
とが好ましい。Mn/Tiのモル比が0.01以上にな
るとMn化合物添加による自己修復作用向上効果が顕著
になるが、5.0を超えるMn/Tiのモル比では化成
処理液が不安定になりやすい。Mn化合物としては、M
n(H2PO4),MnCO3,Mn(NO3)2,Mn(O
H)2,MnCl2,Mn(C2H3O2)2等が使用される。
リン酸塩及び/又は複合リン酸塩を共存させると、化成
処理皮膜の耐食性が一層向上する。リン酸塩,複合リン
酸塩は、アルカリ金属,アルカリ土類金属,Mn,A
l,Ti,Zr,Hf,Zn等の各種金属リン酸塩等と
して添加される。各種金属リン酸塩に複合して燐酸,ポ
リリン酸や他のリン酸塩を添加しても良い。リン酸塩,
複合リン酸塩の添加量は、化成処理皮膜のP/Tiモル
比が0.1〜4.0の範囲に維持されるように選定され
る。0.1以上のP/Tiモル比でリン酸塩,複合リン
酸塩による化成処理皮膜の耐食性改善効果が顕著になる
が、4.0を超えるP/Tiモル比では化成処理液の安
定性が低下する。
ックスを化成処理皮膜に含ませるため、フッ素系,ポリ
エチレン系,スチレン系等の有機ワックスやシリカ,二
硫化モリブデン,タルク等の無機質潤滑剤等を添加する
こともできる。低融点の有機ワックスは、皮膜乾燥時に
表面にブリードし、潤滑性を発現すると考えられる。高
融点有機ワックスや無機系潤滑剤は、皮膜中に分散状態
で存在するが,処理皮膜の最表層では島状分布で皮膜表
面に露出することによって潤滑性が発現するものと考え
られる。キレート作用のある有機酸を化成処理液に添加
すると、Ti化合物,V化合物が化成処理液中でイオン
として安定的に維持される。有機酸を添加する場合、金
属イオンをキレート化して化成処理液を安定させるた
め、有機酸/Tiのモル比が0.02以上となるように
有機酸の添加量を設定することが好ましい。有機酸とし
ては、酒石酸,タンニン酸,クエン酸,蓚酸,マロン
酸,乳酸,酢酸等が使用される。
るフッ化物を化成処理液に添加すると、Alめっき層の
表面が活性化され、化成処理皮膜の生成が促進される。
フッ化物としては、フッ素イオンを解離しやすいKF,
NaF,NH4F等が好ましい。フッ化物は単独で、或
いは珪フッ化物等の解離係数の小さなフッ化物と併用し
て化成処理液に添加でき、TiやVのフッ化物も使用可
能である。フッ化物は、好ましくは化成処理皮膜のF/
Tiモル比が10以下となる添加量で化成処理液に添加
される。以上の各成分は、化成処理液のpH値が1〜6
の範囲に収まるように配合される。pH<1ではAlが
過剰に溶出して連続処理性が低下し、逆に6を超えるp
H値では化成処理液を不安定にするTi化合物が析出し
やすくなる。
コート法,スピンコート法,スプレー法等でアルミニウ
ム系めっき鋼板に塗布した後、水洗することなく乾燥す
ることにより耐食性に優れた化成処理皮膜がめっき層表
面に形成される。十分な耐食性を確保するためにTi換
算付着量が1mg/m2以上となるように化成処理液の
塗布量を調節することが好ましい。耐食性に及ぼす塗布
量の影響はTi換算付着量1000mg/m2で飽和
し、それ以上の付着量で化成処理皮膜を形成しても厚膜
化に見合った耐食性の向上がみられない。化成処理皮膜
は常温乾燥も可能であるが、連続操業を考慮すると50
℃以上に保持して乾燥時間を短縮することが好ましい。
しかし、200℃を超える乾燥温度では、有機物を含む
化成処理皮膜の場合に有機物を熱分解しやすくなるの
で、有機物で付与した特性が損なわれることがある。
素酸塩皮膜にV化合物が分散した皮膜構造をもってい
る。化成処理液塗布後の乾燥過程でめっき層のAlが一
部露出した皮膜欠陥部では、V化合物,Mn化合物,燐
酸イオン等の可溶性成分が溶出して難溶性の酸化物,水
酸化物,燐酸アルミニウム等として再析出する。再析出
した難溶性化合物でめっき層の露出部が覆われるので、
皮膜欠陥部が修復され、優れた耐食性が発現・持続され
る。
を連続溶融めっきラインに通板し,Si:9質量%を含
むAl−Si合金めっき層をめっき付着量35g/m2
(平均層厚13μm)で形成させた。Ti化合物,V化
合物,Mn化合物,リン酸塩又は複合リン酸塩及び有機
酸を種々の比率で配合し、表1に示した組成の化成処理
液を調製した。
に塗布した後、水洗することなくオーブンに装入し、到
達板温100℃で乾燥することにより化成処理皮膜を形
成した。形成された化成処理皮膜を波長分散型蛍光X
線,AES及びESCAで分析し、Al−Si合金めっ
き層の表面から100nmまでの深さにおけるSi濃
度,化成処理皮膜のTi濃度を測定し、V/Ti,Mn
/Ti,P/Ti,有機酸/Tiの各モル比を算出し
た。
っき鋼板から試験片を切り出し、平坦部腐食試験,加工
部腐食試験,抵抗溶接性試験に供した。平坦部腐食試験
では、試験片の端面をシールし、JIS Z2371に
準拠して35℃の5%NaCl水溶液を噴霧した。塩水
噴霧を24,72,120時間継続した後、試験片表面
に発生した白錆を観察した。試験片表面に占める白錆の
面積率が5%以下を◎,5〜10%を○,10〜30%
を△,30〜50%を▲,50%以上を×として平坦部
の耐食性を評価した。
mの試験片をビード高さ:4mm,ビード先端R:4m
m,加圧力:4.9kNの条件でドロービード試験し、
同様な塩水噴霧試験を所定時間継続した後、試験片加工
部の表面を観察し白錆の面積率を測定した。そして、平
坦部耐食性と同じ基準で白錆面積率から加工部耐食性を
評価した。抵抗溶接性試験では、Cr−Cu合金電極を
用い、重ね合わせた2枚の試験片をスポット溶接した。
溶接条件は、各試験片ごとに適正電流及び適正荷重を予
め求めておき、一定打点ごとに一定比率で溶接電流を増
加させる方法を採用した。そして、溶接打点数が500
〜1000打点を○,500打点以下を×として抵抗溶
接性を評価した。
に従った化成処理皮膜が形成された試験番号1〜6は、
何れも平坦部耐食性,加工部耐食性,抵抗溶接性に優れ
ていた。他方、V化合物を含まない化成処理皮膜を形成
した試験番号7は、自己修復作用が不十分なため加工部
耐食性に劣っていた。Ti化合物を含まない試験番号8
では、バリア効果に乏しく平坦部耐食性,加工部耐食性
共に劣っていた。同じ化成処理液を使用した場合でも、
Siを含まないアルミニウムめっき鋼板を化成処理した
試験番号9では、Alリッチ部位が一部露出してしま
い、目標とする品質性能が得られなかった。
ニウム系めっき鋼板は、Ti及びVの複合化合物を含む
化成処理皮膜が表面に形成されているため耐食性に優
れ、成形加工等で皮膜欠陥が発生した場合にあっても自
己修復作用によって化成処理液の欠陥が自己修復され
る。そのため、本来耐食性に優れているアルミニウム系
めっき鋼板の長所が更に強調され、過酷な腐食雰囲気に
曝される建築用資材,外装材,機械構造部品,排気系構
造部材等として広範な用途に適したアルミニウム系めっ
き鋼板が提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】 Al−Si合金めっき層が形成されたア
ルミニウム系めっき鋼板を基材とし、Ti及びVの複合
化合物を含む化成処理皮膜が基材表面に形成されている
ことを特徴とするCrフリー化成処理されたアルミニウ
ム系めっき鋼板。 - 【請求項2】 Al−Si合金めっき層のSi含有量が
めっき層全体として5〜13質量%であり、めっき層の
表層で7〜80質量%にSiが濃化されている請求項1
記載のアルミニウム系めっき鋼板。 - 【請求項3】 Ti及びVの複合化合物が酸化物,水酸
化物,リン酸塩,フッ化物,有機酸塩の1種又は2種以
上からなる請求項1記載のアルミニウム系めっき鋼板。 - 【請求項4】 化成処理皮膜が更にMnの酸化物,水酸
化物,リン酸塩,フッ化物,炭酸塩,有機酸塩の1種又
は2種以上を含む請求項1記載のアルミニウム系めっき
鋼板。 - 【請求項5】 化成処理皮膜が更にリン酸塩,複合リン
酸塩及び/又は潤滑剤を含む請求項1又は4記載のアル
ミニウム系めっき鋼板。
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JP2002015661A JP2003213458A (ja) | 2002-01-24 | 2002-01-24 | Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板 |
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---|---|
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