JP2003213458A - Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板 - Google Patents

Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板

Info

Publication number
JP2003213458A
JP2003213458A JP2002015661A JP2002015661A JP2003213458A JP 2003213458 A JP2003213458 A JP 2003213458A JP 2002015661 A JP2002015661 A JP 2002015661A JP 2002015661 A JP2002015661 A JP 2002015661A JP 2003213458 A JP2003213458 A JP 2003213458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical conversion
steel sheet
plated steel
aluminum
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002015661A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaya Yamamoto
雅也 山本
Mitsuo Asabuki
光夫 朝吹
Shinya Furukawa
伸也 古川
Hirobumi Taketsu
博文 武津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2002015661A priority Critical patent/JP2003213458A/ja
Publication of JP2003213458A publication Critical patent/JP2003213458A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D
    • C23C28/30Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer
    • C23C28/32Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer including at least one pure metallic layer
    • C23C28/321Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer including at least one pure metallic layer with at least one metal alloy layer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D
    • C23C28/30Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer
    • C23C28/34Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer including at least one inorganic non-metallic material layer, e.g. metal carbide, nitride, boride, silicide layer and their mixtures, enamels, phosphates and sulphates
    • C23C28/345Coatings combining at least one metallic layer and at least one inorganic non-metallic layer including at least one inorganic non-metallic material layer, e.g. metal carbide, nitride, boride, silicide layer and their mixtures, enamels, phosphates and sulphates with at least one oxide layer

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Crフリー化成処理皮膜の耐食性が更に改善
され、自己修復作用のある化成処理皮膜が形成されたア
ルミニウム系めっき鋼板を提供する。 【構成】 このアルミニウム系めっき鋼板は、Al−S
i合金めっき層が形成されたアルミニウム系めっき鋼板
を基材とし、Ti及びVの複合化合物を含む化成処理皮
膜が基材表面に形成されている。Al−Si合金めっき
層のSi含有量は、好ましくはめっき層全体として5〜
13質量%の範囲にあり、めっき層の表層で7〜80質
量%に濃化されている。Ti及びVの複合化合物には、
酸化物,水酸化物,リン酸塩,フッ化物,有機酸等があ
る。化成処理皮膜は、更にMnの酸化物,水酸化物,リ
ン酸塩,フッ化物,炭酸塩,有機酸塩の1種又は2種以
上を含むことができ、必要に応じリン酸塩,複合リン酸
塩及び/又は潤滑剤を含ませても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Crフリー処理で耐食
性に優れた化成処理皮膜が形成されたアルミニウム系め
っき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】耐食性の良好な鋼材としてAlめっき層
やAl−Si合金めっき層等を形成したアルミニウム系
めっき鋼板が多用されているが、湿潤雰囲気,排ガス雰
囲気,海塩粒子飛散雰囲気等にアルミニウム系めっき鋼
板を長期間放置すると、めっき層表面に白錆が発生し外
観が劣化する。白錆の発生はアルミニウム系めっき鋼板
をクロメート処理することにより防止できるが、Crイ
オンを含む排液の処理に多大な負担がかかる。そこで、
チタン系,ジルコニウム系,モリブデン系,リン酸塩系
等の薬液を使用したCrフリーの化成処理方法が検討さ
れている。
【0003】たとえば、チタン系では、硫酸チタン水溶
液及びリン酸を含む処理液を各種めっき鋼板に塗布して
加熱乾燥することにより、耐食性に優れたチタン化合物
含有皮膜を形成している(特開平11−61431号公
報)。モリブデン系では、モリブデン酸のマグネシウム
又はカルシウム塩を含む水溶液に亜鉛めっき鋼材を浸漬
処理して防錆皮膜を形成する方法(特公昭51−241
9号公報),6価モリブデン酸化合物を部分還元し、6
価モリブデン/全モリブデンの比を0.2〜0.8に調整
した処理液を鋼材表面に塗布する方法(特開平6−14
6003号公報)等がある。マンガン系の化成処理皮膜
を形成することも検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】クロム系皮膜に代わる
ものとして提案されているチタン系,ジルコニウム系,
リン酸塩系等の皮膜では、クロム系皮膜にみられるよう
な優れた自己修復作用が得られていない。たとえば、チ
タン系皮膜は、クロム系皮膜と同様にバリア作用のある
酸化物や水酸化物からなる連続皮膜として形成される
が、クロム系皮膜と異なり難溶性であることから自己修
復作用を呈さない。そのため、化成処理時や成形加工等
の際に生じた皮膜欠陥部を起点とする腐食の抑制には有
効でない。他のCrフリー皮膜も、チタン系皮膜と同様
に自己修復作用が弱く、腐食抑制効果が不充分である。
【0005】この点、三価Cr及び六価Crが複合した
酸化物,水酸化物からなるクロム系皮膜の場合、難溶性
の3価Cr化合物Cr23等が環境遮断機能を呈して基
材の腐食を防止し、六価Cr化合物が自己修復作用を呈
する。自己修復作用は、六価Cr化合物がCr27 2-
の酸素酸アニオンとなって化成処理皮膜から溶出し、加
工等で生じた鋼板露出部と還元反応し難溶性の3価Cr
化合物として再析出することにより発現すると考えられ
ている。そこで、本発明者等は、クロメート皮膜にみら
れる自己修復作用をCrフリーの化成処理皮膜に付与す
るため、Ti,Zr,Hf,V,Nb,W,Ta,Mo
等のバルブメタルのフッ化物を共存させた化成処理皮膜
(特願2001−183044号)やMn,Tiの複合
化合物からなる化成処理皮膜(特願2000−3429
38号)を提案した。バルブメタルのフッ化物やMn,
Tiの複合化合物は、溶解能があり、鋼板露出部で難溶
性化合物として再析出する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、先願で提案し
たCrフリー化成処理皮膜の更なる特性改善を研究する
過程で見出された新規な知見をベースに完成されたもの
であり、Ti及びVの複合化合物を含む化成処理皮膜を
形成することにより、耐食性が一段と改善されたアルミ
ニウム系めっき鋼板を提供することを目的とする。
【0007】本発明のアルミニウム系めっき鋼板は、そ
の目的を達成するため、Al−Si合金めっき層が形成
されたアルミニウム系めっき鋼板を基材とし、Ti及び
Vの複合化合物を含む化成処理皮膜が基材表面に形成さ
れていることを特徴とする。Al−Si合金めっき層の
Si含有量は、好ましくはめっき層全体として5〜13
質量%の範囲にあり、めっき層の表層で7〜80質量%
に濃化されている。Ti及びVの複合化合物には、酸化
物,水酸化物,リン酸塩,フッ化物,有機酸等がある。
化成処理皮膜は、更にMnの酸化物,水酸化物,リン酸
塩,フッ化物,炭酸塩,有機酸塩の1種又は2種以上を
含むことができ、必要に応じリン酸塩,複合リン酸塩及
び/又は潤滑剤を含ませても良い。
【0008】
【作用】TiO2を主成分とする化成処理皮膜は、Ti
−O骨格で皮膜成分が相互に結合された皮膜として基材
表面に形成される。化成処理皮膜のTi−O骨格は比較
的短く、アルミニウム系めっき鋼板の成形加工時に破断
しやすい。Ti−O骨格の破断は皮膜欠陥として現れ、
欠陥部を起点とする腐食の原因になる。この化成処理皮
膜にV化合物を添加するとTi−O骨格が強化され、下
地のアルミニウム系めっき鋼板を環境から遮断する化成
処理皮膜のバリア機能が向上することを見出した。V化
合物としては、VF4,VCl4,NH4VO3,NaVO
3,Ca227,V25等がある。化成処理皮膜に添加
したV化合物は、Tiと複合化合物を形成し、酸化物,
水酸化物,リン酸塩,フッ化物,有機酸塩等として化成
処理皮膜中に存在する。Ti−O骨格の強化は、V化合
物の共存によってTi化合物が酸化物や水酸化物に変化
しやすくなり、酸素を介したTi原子相互の結合が促進
されることに依るものと推察される。
【0009】化成処理皮膜に含まれるV化合物は、Ti
2に比較すると溶解度が高い。そのため、環境中に溶
出し、鋼板表面や雰囲気との反応によって難溶性の化合
物として再析出し、鋼板表面の露出部を自己修復する作
用も呈すると考えられる。実際、後述の実施例でも説明
しているように、V化合物の添加によって、皮膜疵付き
部や切断端面における腐食発生が大幅に減少する。化成
処理皮膜の自己修復作用は、Mnの酸化物,水酸化物,
リン酸塩,フッ化物,炭酸塩,有機酸塩の1種又は2種
以上を添加すると更に向上する。また、リン酸塩や複合
リン酸塩を添加すると、化成処理皮膜から溶出した燐酸
イオンと下地Al−Si合金めっき層のAl等との反応
生成物である不溶性リン酸塩の析出によって皮膜欠陥が
解消され、有機,無機の潤滑剤を添加すると化成処理皮
膜の加工性が向上する。
【0010】
【実施の形態】下地鋼としては、低炭素鋼,中炭素鋼,
高炭素鋼,合金鋼等が使用される。なかでも、良好なプ
レス成形性が要求される用途では、低炭素Ti添加鋼,
低炭素Nb添加鋼等の深絞り用鋼板が好ましい。下地鋼
は、常法に従って溶融アルミニウムめっきされるが、A
l−Si合金めっき層のSi含有量を5〜13質量%の
範囲に調整することが好ましい。Si含有量を5質量%
以上とすることにより、めっき層表層にSiが濃化しや
すくなると共に、下地鋼とめっき層との界面に生じ加工
性に有害な合金層の成長が抑制される。しかし、13質
量%を超える過剰量のSiが含まれると、溶融めっき後
の冷却過程で初晶Siがめっき層に晶出し、加工性が著
しく劣化する。
【0011】Si含有量を5〜13質量%に調整したA
l−Si合金めっき鋼板を溶融めっき浴から引き上げ、
冷却速度等を調整することによって予めめっき層の表層
にSiを濃化させた後、酸洗,アルカリ洗浄等を施すこ
とにより金属Si主体の凸部及びAlリッチの凹部がめ
っき層の表層に形成される。酸洗,アルカリ洗浄等で金
属Si主体の凸部及びAlリッチの凹部を形成する場
合、水洗,乾燥工程を必要とする。他方、Alに対して
エッチング作用のある化成処理液を使用する場合、化成
処理液をめっき層に塗布して乾燥させる化成処理皮膜の
生成過程で表層のAlが選択的にエッチング除去され、
Alリッチの凹部が形成される。
【0012】金属Si主体の凸部及びAlリッチの凹部
がめっき層の表層に分散している状況は、AES分析法
を用いて1000μm四方のエリアを走査・分析し、同
様にArスパッタで表層から100nmの深さまで繰返
し分析することにより確認できる。本発明者等による実
験結果からすると、めっき層の表層から100nmまで
の深さにおけるSi濃度を7質量%以上にするとき、目
標とする平坦部耐食性及び加工部耐食性が得られること
が判った。しかし、表層のSi濃度が80質量%を超え
るまでAlがエッチング除去されると、めっき層の表層
が脆くなり、プレス加工時等の際に鋼板が変形すると化
成処理皮膜が脱落しやすくなる。
【0013】化成処理皮膜は、Ti化合物,V化合物を
含む水溶液を基材表面に塗布し、水洗を経ずに乾燥する
ことによって形成され、酸化物,水酸化物,リン酸塩,
フッ化物,有機酸塩から選ばれた1種又は2種以上のT
i−V複合化合物を含んでいる。Ti化合物にはK2
iF6,TiOSO4,(NH4)2TiF6,K2[TiO(C
OO)2],TiCl4,Ti(SO4)2,Ti(OH)4等が
あり、V化合物にはVF4,VCl4,NH4VO3,Na
VO3,Ca227,V25等がある。Ti化合物は、
好ましくはTi濃度が0.1〜100g/lとなるよう
に化成処理液に添加される。0.1g/lに満たないT
i濃度では十分な耐食性を呈するTi付着量が得られが
たく、100g/lを超えるTi濃度では化成処理液の
安定性が低下しやすい。V化合物は、化成処理皮膜のV
/Tiのモル比が0.01〜2.0となるように化成処理
液に添加される。V/Tiのモル比が0.01以上にな
るとV化合物の添加効果が顕著になるが、V/Tiのモ
ル比が2.0を超える過剰量のV化合物を添加しても添
加量に見合う耐食性改善効果が得られず、却って化成処
理液のコストが高くなる。
【0014】化成処理液には、Mn化合物,リン酸塩又
は複合リン酸塩,潤滑剤,有機酸,フッ化物等が必要に
応じて添加される。Mn化合物は、化成処理皮膜に取り
込まれ、化成処理皮膜の自己修復作用を向上させる。M
n化合物は、好ましくはMn濃度が0.1〜100g/
lとなる割合で化成処理液に添加される。0.1g/l
未満のMn濃度では自己修復作用の向上に有効な量のM
n付着量が得られがたく、逆に100g/lを超えるM
n濃度では化成処理液の安定性が損なわれる。また、化
成処理皮膜のMn/Tiのモル比が0.01〜5.0の範
囲に維持されるようにMn化合物の添加量を設定するこ
とが好ましい。Mn/Tiのモル比が0.01以上にな
るとMn化合物添加による自己修復作用向上効果が顕著
になるが、5.0を超えるMn/Tiのモル比では化成
処理液が不安定になりやすい。Mn化合物としては、M
n(H2PO4),MnCO3,Mn(NO3)2,Mn(O
H)2,MnCl2,Mn(C232)2等が使用される。
【0015】Ti−V複合化合物を含む化成処理皮膜に
リン酸塩及び/又は複合リン酸塩を共存させると、化成
処理皮膜の耐食性が一層向上する。リン酸塩,複合リン
酸塩は、アルカリ金属,アルカリ土類金属,Mn,A
l,Ti,Zr,Hf,Zn等の各種金属リン酸塩等と
して添加される。各種金属リン酸塩に複合して燐酸,ポ
リリン酸や他のリン酸塩を添加しても良い。リン酸塩,
複合リン酸塩の添加量は、化成処理皮膜のP/Tiモル
比が0.1〜4.0の範囲に維持されるように選定され
る。0.1以上のP/Tiモル比でリン酸塩,複合リン
酸塩による化成処理皮膜の耐食性改善効果が顕著になる
が、4.0を超えるP/Tiモル比では化成処理液の安
定性が低下する。
【0016】化成処理液には、潤滑性の向上に有効なワ
ックスを化成処理皮膜に含ませるため、フッ素系,ポリ
エチレン系,スチレン系等の有機ワックスやシリカ,二
硫化モリブデン,タルク等の無機質潤滑剤等を添加する
こともできる。低融点の有機ワックスは、皮膜乾燥時に
表面にブリードし、潤滑性を発現すると考えられる。高
融点有機ワックスや無機系潤滑剤は、皮膜中に分散状態
で存在するが,処理皮膜の最表層では島状分布で皮膜表
面に露出することによって潤滑性が発現するものと考え
られる。キレート作用のある有機酸を化成処理液に添加
すると、Ti化合物,V化合物が化成処理液中でイオン
として安定的に維持される。有機酸を添加する場合、金
属イオンをキレート化して化成処理液を安定させるた
め、有機酸/Tiのモル比が0.02以上となるように
有機酸の添加量を設定することが好ましい。有機酸とし
ては、酒石酸,タンニン酸,クエン酸,蓚酸,マロン
酸,乳酸,酢酸等が使用される。
【0017】更に、Alに対してエッチング作用を呈す
るフッ化物を化成処理液に添加すると、Alめっき層の
表面が活性化され、化成処理皮膜の生成が促進される。
フッ化物としては、フッ素イオンを解離しやすいKF,
NaF,NH4F等が好ましい。フッ化物は単独で、或
いは珪フッ化物等の解離係数の小さなフッ化物と併用し
て化成処理液に添加でき、TiやVのフッ化物も使用可
能である。フッ化物は、好ましくは化成処理皮膜のF/
Tiモル比が10以下となる添加量で化成処理液に添加
される。以上の各成分は、化成処理液のpH値が1〜6
の範囲に収まるように配合される。pH<1ではAlが
過剰に溶出して連続処理性が低下し、逆に6を超えるp
H値では化成処理液を不安定にするTi化合物が析出し
やすくなる。
【0018】所定組成に調製された化成処理液をロール
コート法,スピンコート法,スプレー法等でアルミニウ
ム系めっき鋼板に塗布した後、水洗することなく乾燥す
ることにより耐食性に優れた化成処理皮膜がめっき層表
面に形成される。十分な耐食性を確保するためにTi換
算付着量が1mg/m2以上となるように化成処理液の
塗布量を調節することが好ましい。耐食性に及ぼす塗布
量の影響はTi換算付着量1000mg/m2で飽和
し、それ以上の付着量で化成処理皮膜を形成しても厚膜
化に見合った耐食性の向上がみられない。化成処理皮膜
は常温乾燥も可能であるが、連続操業を考慮すると50
℃以上に保持して乾燥時間を短縮することが好ましい。
しかし、200℃を超える乾燥温度では、有機物を含む
化成処理皮膜の場合に有機物を熱分解しやすくなるの
で、有機物で付与した特性が損なわれることがある。
【0019】形成された化成処理皮膜は、Tiの多重酸
素酸塩皮膜にV化合物が分散した皮膜構造をもってい
る。化成処理液塗布後の乾燥過程でめっき層のAlが一
部露出した皮膜欠陥部では、V化合物,Mn化合物,燐
酸イオン等の可溶性成分が溶出して難溶性の酸化物,水
酸化物,燐酸アルミニウム等として再析出する。再析出
した難溶性化合物でめっき層の露出部が覆われるので、
皮膜欠陥部が修復され、優れた耐食性が発現・持続され
る。
【0020】
【実施例】板厚0.8mmの極低炭素Ti添加冷延鋼板
を連続溶融めっきラインに通板し,Si:9質量%を含
むAl−Si合金めっき層をめっき付着量35g/m2
(平均層厚13μm)で形成させた。Ti化合物,V化
合物,Mn化合物,リン酸塩又は複合リン酸塩及び有機
酸を種々の比率で配合し、表1に示した組成の化成処理
液を調製した。
【0021】
【0022】各化成処理液をAl−Si合金めっき鋼板
に塗布した後、水洗することなくオーブンに装入し、到
達板温100℃で乾燥することにより化成処理皮膜を形
成した。形成された化成処理皮膜を波長分散型蛍光X
線,AES及びESCAで分析し、Al−Si合金めっ
き層の表面から100nmまでの深さにおけるSi濃
度,化成処理皮膜のTi濃度を測定し、V/Ti,Mn
/Ti,P/Ti,有機酸/Tiの各モル比を算出し
た。
【0023】また、化成処理された各Al−Si合金め
っき鋼板から試験片を切り出し、平坦部腐食試験,加工
部腐食試験,抵抗溶接性試験に供した。平坦部腐食試験
では、試験片の端面をシールし、JIS Z2371に
準拠して35℃の5%NaCl水溶液を噴霧した。塩水
噴霧を24,72,120時間継続した後、試験片表面
に発生した白錆を観察した。試験片表面に占める白錆の
面積率が5%以下を◎,5〜10%を○,10〜30%
を△,30〜50%を▲,50%以上を×として平坦部
の耐食性を評価した。
【0024】加工部腐食試験では、35mm×200m
mの試験片をビード高さ:4mm,ビード先端R:4m
m,加圧力:4.9kNの条件でドロービード試験し、
同様な塩水噴霧試験を所定時間継続した後、試験片加工
部の表面を観察し白錆の面積率を測定した。そして、平
坦部耐食性と同じ基準で白錆面積率から加工部耐食性を
評価した。抵抗溶接性試験では、Cr−Cu合金電極を
用い、重ね合わせた2枚の試験片をスポット溶接した。
溶接条件は、各試験片ごとに適正電流及び適正荷重を予
め求めておき、一定打点ごとに一定比率で溶接電流を増
加させる方法を採用した。そして、溶接打点数が500
〜1000打点を○,500打点以下を×として抵抗溶
接性を評価した。
【0025】表2の調査結果にみられるように、本発明
に従った化成処理皮膜が形成された試験番号1〜6は、
何れも平坦部耐食性,加工部耐食性,抵抗溶接性に優れ
ていた。他方、V化合物を含まない化成処理皮膜を形成
した試験番号7は、自己修復作用が不十分なため加工部
耐食性に劣っていた。Ti化合物を含まない試験番号8
では、バリア効果に乏しく平坦部耐食性,加工部耐食性
共に劣っていた。同じ化成処理液を使用した場合でも、
Siを含まないアルミニウムめっき鋼板を化成処理した
試験番号9では、Alリッチ部位が一部露出してしま
い、目標とする品質性能が得られなかった。
【0026】
【0027】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のアルミ
ニウム系めっき鋼板は、Ti及びVの複合化合物を含む
化成処理皮膜が表面に形成されているため耐食性に優
れ、成形加工等で皮膜欠陥が発生した場合にあっても自
己修復作用によって化成処理液の欠陥が自己修復され
る。そのため、本来耐食性に優れているアルミニウム系
めっき鋼板の長所が更に強調され、過酷な腐食雰囲気に
曝される建築用資材,外装材,機械構造部品,排気系構
造部材等として広範な用途に適したアルミニウム系めっ
き鋼板が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古川 伸也 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 武津 博文 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA13 AA22 BA03 BA08 BA12 BB01 BB08 CA13 CA23 CA28 CA30 CA36 CA38 DA02 DA11 DA16 EA06 4K027 AA05 AA22 AB05 AB28 AB48 AC32 AD01 AE03 AE25 AE27 4K044 AA02 AB02 BA02 BA04 BA12 BA17 BA21 BB03 BC02 BC09 CA04 CA11 CA16 CA53

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al−Si合金めっき層が形成されたア
    ルミニウム系めっき鋼板を基材とし、Ti及びVの複合
    化合物を含む化成処理皮膜が基材表面に形成されている
    ことを特徴とするCrフリー化成処理されたアルミニウ
    ム系めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 Al−Si合金めっき層のSi含有量が
    めっき層全体として5〜13質量%であり、めっき層の
    表層で7〜80質量%にSiが濃化されている請求項1
    記載のアルミニウム系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 Ti及びVの複合化合物が酸化物,水酸
    化物,リン酸塩,フッ化物,有機酸塩の1種又は2種以
    上からなる請求項1記載のアルミニウム系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 化成処理皮膜が更にMnの酸化物,水酸
    化物,リン酸塩,フッ化物,炭酸塩,有機酸塩の1種又
    は2種以上を含む請求項1記載のアルミニウム系めっき
    鋼板。
  5. 【請求項5】 化成処理皮膜が更にリン酸塩,複合リン
    酸塩及び/又は潤滑剤を含む請求項1又は4記載のアル
    ミニウム系めっき鋼板。
JP2002015661A 2002-01-24 2002-01-24 Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板 Pending JP2003213458A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002015661A JP2003213458A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002015661A JP2003213458A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003213458A true JP2003213458A (ja) 2003-07-30

Family

ID=27651986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002015661A Pending JP2003213458A (ja) 2002-01-24 2002-01-24 Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003213458A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7147934B2 (en) * 2000-11-07 2006-12-12 Nisshin Steel Co., Ltd. Chemically processed steel sheet excellent in corrosion resistance
JP2007016252A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱プレコート鋼板
JP2007518881A (ja) * 2004-01-21 2007-07-12 フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 高温で使用するためのアルミニウム含有合金のための保護層並びにかゝる保護層を製造するための方法
JP2007270258A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Nippon Steel Corp 塗装後の密着性と耐食性に優れたアルミ系熱間プレス鋼材
JP2010261058A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Nippon Parkerizing Co Ltd クロムフリー化成処理液、化成処理方法及び化成処理物品
JP2014101585A (ja) * 2014-03-10 2014-06-05 Nippon Parkerizing Co Ltd クロムフリー化成処理液、化成処理方法及び化成処理物品
JP6432717B1 (ja) * 2018-05-17 2018-12-05 新日鐵住金株式会社 Al系めっき鋼板及びその製造方法
WO2023119826A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 ディップソール株式会社 化成処理液及び対象金属材料を化成処理する方法
WO2023119827A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 ディップソール株式会社 化成処理液及び対象金属材料を化成処理する方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7147934B2 (en) * 2000-11-07 2006-12-12 Nisshin Steel Co., Ltd. Chemically processed steel sheet excellent in corrosion resistance
JP2007518881A (ja) * 2004-01-21 2007-07-12 フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 高温で使用するためのアルミニウム含有合金のための保護層並びにかゝる保護層を製造するための方法
JP2007016252A (ja) * 2005-07-05 2007-01-25 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱プレコート鋼板
JP2007270258A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Nippon Steel Corp 塗装後の密着性と耐食性に優れたアルミ系熱間プレス鋼材
JP4700543B2 (ja) * 2006-03-31 2011-06-15 新日本製鐵株式会社 塗装後の密着性と耐食性に優れたアルミ系熱間プレス鋼材
JP2010261058A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Nippon Parkerizing Co Ltd クロムフリー化成処理液、化成処理方法及び化成処理物品
JP2014101585A (ja) * 2014-03-10 2014-06-05 Nippon Parkerizing Co Ltd クロムフリー化成処理液、化成処理方法及び化成処理物品
JP6432717B1 (ja) * 2018-05-17 2018-12-05 新日鐵住金株式会社 Al系めっき鋼板及びその製造方法
WO2019220592A1 (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 日本製鉄株式会社 Al系めっき鋼板及びその製造方法
WO2023119826A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 ディップソール株式会社 化成処理液及び対象金属材料を化成処理する方法
WO2023119827A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 ディップソール株式会社 化成処理液及び対象金属材料を化成処理する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4105765B2 (ja) 耐食性表面処理金属材料およびそのための表面処理剤
JP4373778B2 (ja) 金属の表面処理用処理液及び表面処理方法
JP5462467B2 (ja) 金属材料用化成処理液および処理方法
WO2004055237A1 (ja) 金属の表面処理用処理液及び表面処理方法
MXPA04008513A (es) Liquido de tratamiento para tratamiento de superficie de metal a base de aluminio o magnesio y metodo de tratamiento de superficie.
JP5215043B2 (ja) 金属の表面処理用処理液及び表面処理方法
CA2600996C (en) Surface treated metal material
JP2009068115A (ja) 表面処理鋼板の製造方法、表面処理鋼板、および表面処理鋼板に有機樹脂を被覆してなる樹脂被覆表面処理鋼板
JP4579714B2 (ja) 成形加工後の皮膜密着性に優れた化成処理鋼板
JP4615807B2 (ja) 表面処理鋼板の製造方法、表面処理鋼板、および樹脂被覆表面処理鋼板
WO2001081653A1 (fr) Plaque d'acier traitee en surface et procede de production associe
JP2003213458A (ja) Crフリー化成処理されたアルミニウム系めっき鋼板
JP3302684B2 (ja) 耐食性に優れた化成処理鋼板
JP2002194559A (ja) 耐食性に優れた化成処理鋼板
JP2002030459A (ja) 耐食性に優れた亜鉛系めっき鋼板,化成処理液及び化成処理方法
JP3302676B2 (ja) 耐食性に優れた化成処理鋼板
JP3305702B2 (ja) 燃料タンク用アルミニウム系めっき鋼板
JP2007023309A (ja) 耐食性に優れた溶融亜鉛合金めっき鋼板
JP3219453B2 (ja) 耐黒変性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法
JP2002105658A (ja) 耐黒変性,加工後耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板,化成処理液及び化成処理方法
JP4795647B2 (ja) 耐食性,塗装性,接着性に優れた亜鉛系めっき鋼板
JP4283698B2 (ja) 端面耐食性に優れるプレコート鋼板およびその製造方法
JP3261378B1 (ja) 燃料タンク用アルミニウム系めっき鋼板
JP2003293168A (ja) 耐食性に優れた塗装Al−Si合金めっき鋼板
JP3302679B2 (ja) 耐食性に優れた鉄鋼構造物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040506

A977 Report on retrieval

Effective date: 20050617

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050628

A521 Written amendment

Effective date: 20050812

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Effective date: 20070116

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02