JP2014101585A - クロムフリー化成処理液、化成処理方法及び化成処理物品 - Google Patents

クロムフリー化成処理液、化成処理方法及び化成処理物品 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料の表面に適用した際に、良好な耐食性と塗料密着性を付与することができるクロムフリー化成処理液を提供する。
【解決手段】Ti換算濃度が2〜400ppmのチタン錯フッ化物イオンと、V換算濃度が10〜1000ppmの5価バナジウム化合物イオンとを含有し、pHが2.4〜4.4の範囲内であるクロムフリー化成処理液により、上記課題を解決する。チタン錯フッ化物イオンのTi換算濃度Aと5価バナジウム化合物イオンのV換算濃度Bとが重量比(A/B)で0.1〜4.5の範囲内であることが好ましく、Zr換算濃度が1〜1000ppmのジルコニウム錯フッ化物イオンをさらに含有することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、クロムフリー化成処理液、化成処理方法及び化成処理物品に関する。より詳しくは、自動車部品や電気機器樹脂基材等の幅広い分野に用いられるアルミニウムダイキャスト材等に代表される金属材料に、クロムを使用することなく、良好な耐食性と塗料密着性を付与することができる化成処理液、その化成処理液を用いた化成処理方法、及びその処理方法で処理された化成処理物品に関する。
アルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料(以下、本願では単に「金属材料」ともいう。)の防錆処理方法としては、クロム酸、重クロム酸又はクロム酸塩を含む処理剤による処理(クロメート処理という。)が長年用いられてきた。このクロメート処理は、金属材料に対して防錆性の向上や上塗り塗料の密着性の向上を目的として行われている。特に化成処理型のクロメート処理は、被処理物の形状による制限を受けずに均一に処理できるという高い生産性を有し、形成されたクロメート皮膜も良好な耐食性を有するため広く行われてきた。
しかし、周知の通り環境汚染の問題によりその代替技術の開発が検討され、種々の提案がなされている。例えば、下記特許文献1には、水溶性ジルコニウム化合物及び/又は水溶性チタン化合物と有機ホスホン酸とから構成される下地化成処理剤が提案されている。また、下記特許文献2には、Ti、Zr、Hf及びSiからなる群から選ばれる少なくとも1種と、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸−ホルムアルデヒド縮合物、スチレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ビニルアミン、ポリビニルアミン、アリルアミン及びポリアリルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種とを特定量含有した化成処理剤、化成処理方法及び化成処理された金属材料が提案されている。また、下記特許文献3には、チタン又はジルコニウム化合物に対して、特定のフェノール樹脂を含有したアルミニウム含有金属材料用の表面処理組成物、及び表面処理方法が提案されている。
特開2003−313679号公報 特開2005−264230号公報 特開平9−31404号公報
「NIPPON STEEL MONTHLY」2005年6月号(新日本製鐵株式会社発行、9頁〜10頁)
上記特許文献1〜3の技術は、クロムを含まない特定組成の化成処理液及び化成処理方法を提案するものであり、適用した金属材料の耐食性や塗装密着性を良好なものとするとのことである。しかしながら、その耐食性や塗装密着性は必ずしも完全なものではなく、特にアルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料に適用した場合においては、塗装を行わない「裸仕様」で十分な耐食性を得にくいという難点がある。
本発明は、従来技術の有する前記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、金属材料の表面、特にアルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料の表面に適用した際に、クロム化合物を使用する反応型クロメート処理液にとって代わることができ、良好な耐食性と塗料密着性を付与することができるクロムフリー化成処理液を提供することにある。また、本発明の他の目的は、そうしたクロムフリー化成処理液を用いた化成処理方法、及びその化成処理方法で処理された化成処理物品を提供することにある。
本発明者は、前記問題点を解決するため、金属材料の表面への上塗り塗装の有無に拘わらず、金属材料に良好な耐食性を付与する手段を検討した。クロメート処理皮膜の特徴は、例えば上記非特許文献1に記載のように、3価クロムと酸素とを主体とした網目構造のバリア効果と、そこに含まれる微量の6価クロムによる自己修復機能とにある。本発明者は、3価クロムの機能をチタン化合物に、6価クロムの機能をバナジウム化合物にそれぞれ求め、双方を含有するクロムフリー化成処理液の組成と処理方法について鋭意検討した。その結果、特定量のチタン錯フッ化物イオンと5価バナジウム化合物イオンとを含有させ、pHを2.4〜4.4の範囲内に調整した水性処理液を金属材料表面に接触させ、水洗後の表面にTiとVを特定量、及び特定比率で含有する化成処理皮膜を形成したとき、その化成処理皮膜が良好な耐食性と塗装密着性を示すことを見出した。さらに本発明者は、その化成処理液中に特定量のジルコニウム錯フッ化物イオンをさらに含有させることにより、耐食性がさらに向上する場合があることをも見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成した。
すなわち、上記課題を解決するための本発明に係るクロムフリー化成処理液は、Ti換算濃度が2〜400ppmのチタン錯フッ化物イオンと、V換算濃度が10〜1000ppmの5価バナジウム化合物イオンとを含有し、pHが2.4〜4.4の範囲内であることを特徴とする。
本発明に係るクロムフリー化成処理液の好ましい態様は、前記チタン錯フッ化物イオンのTi換算濃度Aと、前記5価バナジウム化合物イオンのV換算濃度Bとが、重量比(A/B)で0.1〜4.5の範囲内であるように構成する。
本発明に係るクロムフリー化成処理液の好ましい態様は、Zr換算濃度が1〜1000ppmのジルコニウム錯フッ化物イオンをさらに含有するよう構成する。
本発明に係るクロムフリー化成処理液の好ましい態様は、アルミニウム又はアルミニウム含有金属材料に用いるように構成する。
上記課題を解決するための本発明に係る化成処理方法は、Ti換算濃度が2〜400ppmのチタン錯フッ化物イオンと、V換算濃度が10〜1000ppmの5価バナジウム化合物イオンとを含有し、pHが2.4〜4.4の範囲内であり、液温が35〜75℃の範囲内であるクロムフリー化成処理液を、金属材料の表面に接触させた後に水洗し、前記金属材料の表面に、Ti量C及びバナジウム量Dが重量比(C/D)で0.2〜8.0の範囲内であり且つ重量合計(C+D)で20〜350mg/mの範囲内である化成処理皮膜を形成することを特徴とする。
本発明に係る化成処理方法の好ましい態様は、前記化成処理液が、Zr換算濃度が1〜1000ppmのジルコニウム錯フッ化物イオンをさらに含有し、前記化成処理皮膜が、Ti量C、V量D及びZr量Eが重量比{(C+E)/D}で0.2〜8.0の範囲内であり且つ重量合計(C+D+E)で20〜350mg/mの範囲内であるように構成する。
本発明に係る化成処理方法の好ましい態様は、前記金属材料がアルミニウム又はアルミニウム含有金属材料であるように構成する。
上記課題を解決するための本発明に係る化成処理物品は、上記本発明に係る化成処理方法で処理されたことを特徴とする。
本発明に係るクロムフリー化成処理液及び化成処理方法によれば、金属材料、特にアルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料に適用した場合において、有害なクロム化合物を使用することなく、良好な耐食性及び塗料密着性を付与する化成処理皮膜を金属材料表面に形成することができる。特に塗装を行わない「裸仕様」で十分な耐食性を得ることができる。また、反応型の化成処理液であるため、被処理物の形状による制限を受けず、均一な化成処理皮膜を形成できるので、高い生産性が確保できる。また、クロム化合物のみならず、河川や湖沼の富栄養化につながる燐酸も含まないので、産業上の利用価値は大きく、クロム化合物を使用する反応型クロメート処理液にとって代わることができる。
本発明に係る化成処理物品によれば、特にアルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料を被処理物品とした場合において、良好な耐食性及び塗料密着性を有し、特に塗装を行わない「裸仕様」で十分な耐食性を有する。
以下、本発明に係るクロムフリー化成処理液、化成処理方法及び化成処理物品について、実施の形態を挙げてさらに詳しく説明する。なお、「ppm」はmg/リットルであり、「換算濃度」とは原子量換算した場合の質量濃度(ppm)のことである。
[クロムフリー化成処理液]
本発明に係るクロムフリー化成処理液は、Ti換算濃度が2〜400ppmのチタン錯フッ化物イオンと、V換算濃度が10〜1000ppmの5価バナジウム化合物イオンとを含有し、pHが2.4〜4.4の範囲内となるように構成されている。
この化成処理液の処理対象となる金属材料としては、アルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料を好ましく挙げることができ、良好な耐食性と塗装密着性を与えるが、他の金属材料に対しても適用可能である。そうした金属材料は特に限定されないが、一例としては、アルミニウム成分を含有する金属材料を挙げることができる。
チタン錯フッ化物イオンは、化成処理液中にTi換算濃度で2〜400ppm含まれる。この錯フッ化物イオンは、金属材料の表面に接触し、その表面に酸化チタン(TiO)を主体とすると考えられるバリア皮膜を形成することを目的として含まれている。チタン錯フッ化物イオンの含有量がTi換算濃度で2ppm未満になると、金属材料の表面に形成された化成処理皮膜の防錆効果が十分でない。また、その含有量がTi換算濃度で400ppmを超えても、それ以上の防錆効果向上は望めず、経済的に不利となる。より好ましい含有量の範囲はTi換算濃度で10〜200ppmである。
チタン錯フッ化物イオンを化成処理液に含有させるためにその化成処理液中に溶解する化合物は、特に限定するものではないが、例えばチタンフッ化水素酸、又はそのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が好適に用いられる。具体的には、HTiF、(NHTiF、KTiF、NaTiF等を挙げることができるが、それ以外であってもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
5価バナジウム化合物イオンは、化成処理液中にV換算濃度で10〜1000ppm含まれる。この化合物イオンは、化成処理液が金属材料の表面に接触して形成される酸化チタン(TiO)を主体とすると考えられるバリア皮膜中に取り込まれ、将来自己修復機能を発揮させることを目的として含まれている。5価バナジウム化合物イオンの含有量がV換算濃度で10ppm未満になると、金属材料の表面に形成された化成処理皮膜の防錆効果が十分でない。また、その含有量がV換算濃度で1000ppmを超えても、それ以上バリア皮膜中に取り込まれることがなく、無意味である。Vが担う自己修復機能の観点からはV量を相対的に多く含有させることが望ましく、より好ましい含有量の範囲はV換算濃度で45〜1000ppmである。
5価バナジウム化合物イオンを化成処理液に含有させるためにその化成処理液中に溶解する化合物は、水溶性でバナジウムのオキソ酸イオンを生じるものであれば特に限定するものではないが、例えばバナジン酸カリウム(KVO)、バナジン酸ナトリウム(NaVO)、バナジン酸アンモニウム((NHVO)、メタバナジン酸カリウム(KVO)、メタバナジン酸ナトリウム(NaVO)、メタバナジン酸アンモニウム(NHVO)等の5価バナジウム化合物を挙げることができるが、それ以外であってもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
化成処理液のpHは、2.4〜4.4の範囲内に調整される。この範囲内のpHとすることにより、耐食性が安定した化成処理皮膜を形成することができるとともに、安定性のよい化成処理液とすることができる。pHが2.4未満になると、化成処理液が金属材料の表面に接触した際に、その表面へのエッチング作用が強くなり、特にアルミダイキャスト中のSiのような偏析成分の周辺を選択的にエッチングする等の現象が起こり、化成処理皮膜が不均一なものとなって耐食性が劣る。また、pHが4.4を超えると、化成処理液の安定性が不十分となり、白濁や沈殿等が起こる等の実用上の不都合が生じる。より好ましいpHの範囲は2.6〜4.2であり、特に好ましいpHの範囲は3.1〜4.1である。
pH調整は、例えばフッ化水素酸、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸を添加したり、あるいはそれらを添加した後、あるいは添加せずに、アンモニア、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性物質を添加して行う。
本発明に係る化成処理液は、クロム化合物と燐酸を含まない。クロム化合物を含めないのは、環境問題に配慮したためであり、燐酸を含めないのは、無害化処理後の燐酸含有廃水が河川や湖沼に放流されると富栄養化を招くおそれがあるためであり、さらに、クロム化合物や燐酸を含む場合の廃水処理コストが嵩むためである。
こうして構成された本発明に係る二元系(TiとV)の化成処理液は、特にアルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料の表面に適用した際に、チタンとバナジウムを含む良好な耐食性と塗装密着性を持つ化成処理皮膜を形成できる。この化成処理液は、クロム化合物を使用する反応型クロメート処理液にとって代わることができる。
次に、化成処理液に含まれる組成について説明する。チタン錯フッ化物イオンのTi換算濃度をAとし、5価バナジウム化合物イオンのV換算濃度をBとしたとき、化成処理液に含まれるチタン錯フッ化物イオンと5価バナジウム化合物イオンは、Ti換算濃度AとV換算濃度Bの重量比(A/B)で0.1〜4.5の範囲内であることが好ましい。その重量比(A/B)が0.1未満になると、生成する化成処理皮膜中のチタン(Ti)が占める比率が不十分となってバリア効果が低下し、期待される防錆効果が得られない場合がある。一方、その重量比(A/B)が4.5を超えると、生成する化成処理皮膜中のバナジウム(V)が占める比率が不十分となって自己修復機能が低下し、やはり期待される防錆効果が得られない場合がある。Vが担う自己修復機能の観点からはV量を相対的に多く含有させることが望ましく、重量比(A/B)のより好ましい範囲は0.1〜3.0であり、さらに好ましい範囲は0.1〜0.45である。
化成処理液は、ジルコニウム錯フッ化物イオンをさらに含有することが好ましい。ジルコニウム錯フッ化物イオンは、化成処理液中にZr換算濃度が1〜1000ppm含まれていることが好ましい。こうした化成処理液を用いて生成した化成処理皮膜は、より良好な耐食性を示す。その理由は、酸化チタン(TiO)を主体とすると考えられるバリア皮膜中にジルコニウム(Zr)が酸化物及び/又は水酸化物等の形で混在し、化成処理皮膜の網目構造をより緻密なものとしてバリア効果をより高めるものと考えられる。ジルコニウム錯フッ化物イオンの含有量がZr換算濃度で1ppm以上とすれば、より好ましい防食皮膜を得ることができる。ただし、その含有量がZr換算濃度で1000ppmを超えると、それ以上の防錆効果は望めない。なお、含有量の上限はZr換算濃度で500ppmであることが好ましい。多くの場合、含有量がZr換算濃度で500ppmを超えても、それ以上の防錆効果は望めず無駄であるためである。
ジルコニウム錯フッ化物イオンを化成処理液に含有させるためにその化成処理液中に溶解する化合物は、化成処理液の安定性を損なわず、得られた化成処理皮膜の網目構造をより緻密なものとしてバリア効果をより高める化合物であれば特に限定するものではないが、例えばジルコニウムフッ化水素酸、又はそのアルカリ金属塩やアンモニウム塩等が好適に用いられる。具体的には、HZrF、(NHZrF、KZrF、NaZrF等を挙げることができるが、それ以外であってもよい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
こうして構成された本発明に係る三元系(TiとVとZr)の化成処理液は、特にアルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料の表面に適用した際に、チタンとバナジウムとジルコニウムを含む良好な耐食性と塗装密着性を持つ化成処理皮膜を形成できる。特にジルコニウムが化成処理皮膜をより緻密にして耐食性を高めている。
[化成処理方法]
本発明に係る化成処理方法は、上記した本発明に係るクロムフリー化成処理液を、金属材料の表面に接触させた後に水洗し、その金属材料の表面に、特定組成の化成処理皮膜を形成する方法である。用いる化成処理液は、上記した本発明に係る化成処理液であり、チタンとバナジウムを含む化成処理皮膜を生成するための二元系の化成処理液であってもよいし、チタンとバナジウムとジルコニウムを含む化成処理皮膜を生成するための三元系の化成処理液であってもよい。チタン錯フッ化物イオン、5価バナジウム化合物イオン、ジルコニウム錯フッ化物イオンの種類と濃度、及びpH等は、上述したとおりである。
化成処理液の液温は、35〜75℃の範囲内であることが必要である。液温が35℃未満では、化成処理液が金属材料の表面に接触した際の表面へのエッチング作用が弱く、表面にバリア皮膜を形成する作用が十分でない。一方、液温が75℃を超えても、それ以上の皮膜形成効果が得られないばかりか、加熱に必要な熱コストがかかったり、水の蒸発が著しくなり、白濁や沈殿等が起こる等の問題が生じることがある。より好ましくは45〜70℃の範囲内であり、さらに好ましくは50〜65℃の範囲内である。
金属材料の表面への化成処理液の接触時間は、1〜600秒の間で行なわれるべきである。接触時間が1秒未満では、表面へのバリア皮膜の形成が十分でない。一方、接触時間が600秒を超えても、それ以上の皮膜形成は行なわれず、生産性の観点で無駄であるばかりか、処理液の白濁や沈殿等が起こることがある。より安定した耐食性を得る観点からは、より好ましくは5〜280秒の間であり、さらに好ましくは15〜180秒の間である。接触手段については特に制限はなく、スプレー法、浸漬法等が好適に用いられる。
なお、化成処理液に接触させてその表面に化成処理皮膜を形成した金属材料は、洗浄工程に入って洗浄される。洗浄液としては、通常、水が用いられるが、水溶性溶剤や界面活性剤水溶液等であってもよい。また、洗浄手段についても特に制限はなく、スプレー法、浸漬法等が好適に用いられる。こうした洗浄により、表面に付着した未反応処理液成分を除去する。
[化成処理物品]
本発明に係る化成処理物品は、上記本発明に係る化成処理方法で処理されたものであり、その表面には特定組成の化成処理皮膜を有している。特にアルミニウムダイキャスト材等に代表されるアルミニウム及びアルミニウム合金材料等の金属材料を被処理物品とした場合において、本発明に係る化成処理物品は、良好な耐食性及び塗料密着性を有している。特に塗装を行わない裸仕様であっても十分な耐食性を有している。なお、塗装仕様であってもよいことは言うまでもない。
化成処理液がTiとVの二元系である場合、生成した化成処理皮膜は、通常、重量換算で1〜200mg/mのTi及び1〜200mg/mのVを含有し、且つ、Ti量をC、V量をDとすると、重量比C/Dが0.2〜8.0の範囲内であり、重量合計C+Dが20〜350mg/mの範囲内である。
重量比C/Dは、自己修復機能を担うVに対するバリア効果を担うTiの割合を示すものである。その値が0.2未満になると、生成した化成処理皮膜中のチタン(Ti)が占める比率が不十分となって網目構造が疎になり、バリア性が不十分で耐食性が劣る或いは化成処理皮膜が脆弱なものとなり、塗料密着性が劣る等の不具合が生じる。一方、その値が8.0を超えると、生成した化成処理皮膜中のバナジウム(V)が占める比率が不十分となって自己修復機能が不十分になり、耐食性が劣る。より好ましくは0.3〜5.0の範囲内であり、さらに好ましくは0.4〜3.0の範囲内である。
重量合計C+Dの値が20mg/m未満になると、バリア性、自己修復機能ともに不十分で耐食性が劣るものとなる。一方、その値が350mg/mを超えると、化成処理後の金属材料の表面が着色して外観上好ましくなく、また、塗装を行う場合は密着性の低下を招くことがある。より好ましくは25〜250mg/mの範囲内である。
化成処理液がTiとVとZrの三元系である場合も上記二元系の場合と同様、生成した化成処理皮膜は、通常、重量換算で1〜200mg/mのTi、1〜200mg/mのV及び1〜200mg/mのZrを含有し、且つ、Ti量をC、V量をD、Zr量をEとすると、重量比(C+E)/Dが0.2〜8.0の範囲内であり、重量合計C+D+Eが20〜350mg/mの範囲内である。Zrは、上記したように、酸化チタン(TiO)を主体とすると考えられるバリア皮膜中に酸化物及び/又は水酸化物等の形で混在するが、化成処理皮膜にZrを含有させることにより、皮膜の網目構造をより緻密なものとすることができ、Zrを含まない化成処理皮膜よりもバリア効果を高めることができるという作用がある。
重量比(C+E)/Dは、自己修復機能を担うVに対するバリア効果を担うTiとZrの合計割合を示すものである。その値が0.2未満になると、生成した化成処理皮膜中のチタン(Ti)が占める比率が不十分となって化成処理皮膜の網目構造が疎になり、バリア性が不十分で耐食性が劣る、あるいは化成処理皮膜が脆弱なものとなり、塗料密着性が劣る等の不具合が生じる。一方、その値が8.0を超えると、生成した化成処理皮膜中のバナジウム(V)が占める比率が不十分となって自己修復機能が不十分になり、耐食性が劣る。より好ましくは0.3〜5.0の範囲内であり、さらに好ましくは0.4〜3.0の範囲内である。
重量合計C+D+Eの値が20mg/m未満になると、バリア性、自己修復機能ともに不十分で耐食性が劣るものとなる。一方、その値が350mg/mを超えると、化成処理後の金属材料の表面が着色して外観上好ましくなく、また、塗装を行う場合は密着性の低下を招くことがある。より好ましくは25〜250mg/mの範囲内である。
以下、本発明に係る化成処理液及び化成処理方法に関して実施例及び比較例を示すが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
[評価方法]
70mm×150mmのアルミニウムダイキャストパネル(JIS−ADC12、パルテック株式会社製)をアルカリ脱脂剤(商品名:ファインクリーナー315、日本パーカライジング株式会社製)2%水溶液中に60℃×2分間浸漬し、次いで、水道水の流水(常温、30秒間浸漬)にて表面を濯ぎ清浄化したものに、後述する各条件の下、化成処理を施した。化成処理した後、再度水道水の流水で洗浄し、さらに脱イオン水で洗浄(常温、30秒)したものを電気オーブンにて乾燥(100℃×3分)して、下記の実施例1〜9及び比較例1〜6の試験片を得た。得られた試験片について、以下の測定と評価を行った。
(金属量の測定)
化成処理皮膜の金属量は、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製、ZSX PrimusII)を用いて定量した。
(耐食性評価)
試験片について塩水噴霧試験(JIS−Z2371)を実施し、120時間後の白錆発生面積を目視評価した。白錆発生面積比は、10%以下が良好、5%以下が極めて良好なレベルである。
(塗料密着性評価)
試験片の表面にメラミンアルキッド系塗料(商品名:ラクミン260、株式会社佑光社製)をスプレー塗布し、130℃で30分間乾燥して、厚さ25μmの塗装を施した。その後、表面に2mm角の碁盤目カットを10×10で100マス入れ、沸騰水中に1時間浸漬し、乾燥した後、テープ剥離を行った。剥離した後の碁盤目の状態を観察し、100マス中、テープ剥離した後に残存した個数により、100を最高、0を最低として評価した。
[実施例1]
下記化成処理液1を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法1にて化成処理を施した。
(化成処理液1)
チタンフッ化水素酸(Tiとして):5mg/リットル
メタバナジン酸ナトリウム(Vとして):45mg/リットル
A/B=0.11(Aはチタンフッ化水素酸の濃度であり、Bはメタバナジン酸ナトリウムの濃度である。)
pH=3.9(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法1)
処理温度:65℃
処理時間:240秒
接触方法:浸漬
[実施例2]
下記化成処理液2を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法2にて化成処理を施した。
(化成処理液2)
チタンフッ化カリウム(Tiとして):30mg/リットル
バナジン酸ナトリウム(Vとして):150mg/リットル
A/B=0.20(Aはチタンフッ化カリウムの濃度であり、Bはバナジン酸ナトリウムの濃度である。)
pH=3.8(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法2)
処理温度:55℃
処理時間:60秒
接触方法:浸漬
[実施例3]
下記化成処理液3を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法3にて化成処理を施した。
(化成処理液3)
チタンフッ化アンモニウム(Tiとして):50mg/リットル
メタバナジン酸アンモニウム(Vとして):200mg/リットル
A/B=0.25(Aはチタンフッ化アンモニウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸アンモニウムの濃度である。)
pH=3.5(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法3)
処理温度:60℃
処理時間:60秒
接触方法:浸漬
[実施例4]
下記化成処理液4を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法4にて化成処理を施した。
(化成処理液4)
チタンフッ化ナトリウム(Tiとして):350mg/リットル
メタバナジン酸カリウム(Vとして):900mg/リットル
A/B=0.39(Aはチタンフッ化ナトリウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸カリウムの濃度である。)
pH=2.5(硝酸1g/リットルを添加した後、5%水酸化カリウム水溶液を用いてpH調整した。)
(化成処理方法4)
処理温度:75℃
処理時間:2秒
接触方法:スプレー
[実施例5]
下記化成処理液5を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法5にて化成処理を施した。
(化成処理液5)
チタンフッ化水素酸(Tiとして):300mg/リットル
メタバナジン酸アンモニウム(Vとして):100mg/リットル
A/B=3.00(Aはチタンフッ化水素酸の濃度であり、Bはメタバナジン酸アンモニウムの濃度である。)
pH=2.6(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法5)
処理温度:40℃
処理時間:120秒
接触方法:浸漬
[実施例6]
下記化成処理液6を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法6にて化成処理を施した。
(化成処理液6)
チタンフッ化カリウム(Tiとして):65mg/リットル
メタバナジン酸ナトリウム(Vとして):15mg/リットル
A/B=4.33(Aはチタンフッ化カリウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸ナトリウムの濃度である。)
pH:3.5(硫酸1g/リットルを添加した後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH調整した。)
(化成処理方法6)
処理温度:60℃
処理時間:280秒
接触方法:浸漬
[実施例7]
下記化成処理液7を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法7にて化成処理を施した。
(化成処理液7)
チタンフッ化アンモニウム(Tiとして):55mg/リットル
メタバナジン酸アンモニウム(Vとして):12mg/リットル
A/B=4.58(Aはチタンフッ化アンモニウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸アンモニウムの濃度である。)
pH=4.0(硝酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法7)
処理温度:35℃
処理時間:300秒
接触方法:浸漬
[実施例8]
下記化成処理液8を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法8にて化成処理を施した。
(化成処理液8)
チタンフッ化ナトリウム(Tiとして):50mg/リットル
メタバナジン酸アンモニウム(Vとして):200mg/リットル
ジルコニウムフッ化水素酸(Zrとして):50mg/リットル
A/B=0.25(Aはチタンフッ化ナトリウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸アンモニウムの濃度である。)
pH=4.2(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法8)
処理温度:60℃
処理時間:600秒
接触方法:浸漬
[実施例9]
下記化成処理液9を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法9にて化成処理を施した。
(化成処理液9)
チタンフッ化水素酸(Tiとして):20mg/リットル
バナジン酸カリウム(Vとして):100mg/リットル
ジルコニウムフッ化水素酸(Zrとして):500mg/リットル
A/B=0.20(Aはチタンフッ化水素酸の濃度であり、Bはバナジン酸カリウムの濃度である。)
pH=2.7(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法9)
処理温度:70℃
処理時間:6秒
接触方法:スプレー
[比較例1]
下記化成処理液10を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法10にて化成処理を施した。
(化成処理液10)
チタンフッ化カリウム(Tiとして):1mg/リットル
メタバナジン酸ナトリウム(Vとして):50mg/リットル
A/B=0.02(Aはチタンフッ化カリウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸ナトリウムの濃度である。)
pH=3.5(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法10)
処理温度:60℃
処理時間:60秒
接触方法:浸漬
[比較例2]
下記化成処理液11を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法11にて化成処理を施した。
(化成処理液11)
チタンフッ化アンモニウム(Tiとして):50mg/リットル
メタバナジン酸アンモニウム(Vとして):7mg/リットル
A/B=7.14(Aはチタンフッ化アンモニウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸アンモニウムの濃度である。)
pH=4.0(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法11)
処理温度:60℃
処理時間:60秒
接触方法:浸漬
[比較例3]
下記化成処理液12を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法12にて化成処理を施した。
(化成処理液12)
チタンフッ化ナトリウム(Tiとして):50mg/リットル
メタバナジン酸ナトリウム(Vとして):200mg/リットル
A/B=0.25(Aはチタンフッ化ナトリウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸ナトリウムの濃度である。)
pH=2.3(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法12)
処理温度:60℃
処理時間:20秒
接触方法:浸漬
[比較例4]
下記化成処理液13を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法13にて化成処理を施した。
(化成処理液13)
チタンフッ化水素酸(Tiとして):50mg/リットル
バナジン酸ナトリウム(Vとして):200mg/リットル
A/B=0.25(Aはチタンフッ化水素酸の濃度であり、Bはバナジン酸ナトリウムの濃度である。)
pH=3.5(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法13)
処理温度:30℃
処理時間:6秒
接触方法:浸漬
[比較例5]
下記化成処理液14を調製し、清浄化されたアルミダイキャストに対し、下記化成処理方法14にて化成処理を施した。
(化成処理液14)
チタンフッ化カリウム(Tiとして):500mg/リットル
メタバナジン酸カリウム(Vとして):1050mg/リットル
A/B=0.48(Aはチタンフッ化カリウムの濃度であり、Bはメタバナジン酸カリウムの濃度である。)
pH=3.0(硫酸1g/リットルを添加した後、25%アンモニア水を用いてpH調整した。)
(化成処理方法14)
処理温度:80℃
処理時間:240秒
接触方法:浸漬
[比較例6]
クロメート化成処理剤(商標:アルクロム713建浴剤)の5%水溶液(但し、6価クロムを含有)を用い、清浄化されたアルミダイキャストに対し、40℃で20秒間浸漬処理をした。次いで、上記化成処理方法1と同様に、水洗、脱イオン水洗、乾燥した。
[評価結果]
表1は、実施例1〜9及び比較例1〜6で用いた化成処理液と化成処理条件であり、表2は、実施例1〜9及び比較例1〜6で得られた化成処理物品の評価結果である。
Figure 2014101585
Figure 2014101585
表2に示すように、実施例1〜9は本発明に係る化成処理液及び本発明に係る化成処理方法を適用したものであり、塩水噴霧試験後の白錆発生面積は10%以下の良好な性能を示していた。また、塗料密着性についても、碁盤目試験の結果は全て100であり、良好であることが確認された。なお、これらの化成処理液は、表2に示すように、クロムを一切含有するものではない。
これに対して、比較例1は、化成処理液中のチタン錯フッ化物イオンの含有量が不足しているため、得られた化成処理皮膜は、Ti量とV量の重量合計(C+D)が3.8mg/mと著しく少なくなっており、耐食性、密着性共に不十分な結果となった。また、比較例2は、化成処理液中のバナジウム化合物イオン含有量が不足しているため、得られた化成処理皮膜は、Ti量とV量の重量比(C/D)が8.5と大きくなって自己修復機能を担うVが相対的に不足し、且つTi量とV量の重量合計(C+D)が19mg/mと少なくなっており、耐食性が不十分な結果となった。また、比較例3は、化成処理液のpHが低すぎるために試験片に対するエッチング作用が強くなり、不均一な化成処理皮膜の形成が起こっていると考えられ、また、Ti量とV量の重量比(C/D)も37.4と著しく大きくなって自己修復機能を担うVが相対的に不足して、耐食性に劣る結果となった。また、比較例4は、化成処理液の温度が低すぎたために、化成処理皮膜の形成反応が不十分となり、その結果、Ti量とV量の重量合計(C+D)が1.7mg/mと少なくなって耐食性、密着性共に不十分な結果となった。また、比較例5は、化成処理液中のチタン錯フッ化物イオンと、バナジウム化合物イオンとの配合量が多すぎたために、Ti量とV量の重量合計(C+D)が535mg/mと多くなって化成処理皮膜が脆弱となり、塗装密着性で劣る結果となった。また、比較例6は、クロメート化成処理皮膜であり、本発明の目的性能を示すものであるが、本発明は、このクロメート化成処理皮膜と遜色ない性質を有していた。

Claims (6)

  1. Ti換算濃度が2〜400ppmのチタン錯フッ化物イオンと、V換算濃度が10〜1000ppmの5価バナジウム化合物イオンとを含有し、pHが2.4〜4.4の範囲内であり、
    前記チタン錯フッ化物イオンのTi換算濃度Aと、前記5価バナジウム化合物イオンのV換算濃度Bとが、重量比(A/B)で0.1〜4.5の範囲内であることを特徴とするクロムフリー化成処理液。
  2. Zr換算濃度が1〜1000ppmのジルコニウム錯フッ化物イオンをさらに含有する、請求項に記載のクロムフリー化成処理液。
  3. アルミニウム又はアルミニウム含有金属材料に用いる、請求項1又は2に記載のクロムフリー化成処理液。
  4. Ti換算濃度が2〜400ppmのチタン錯フッ化物イオンと、V換算濃度が10〜1000ppmの5価バナジウム化合物イオンとを含有し、pHが2.4〜4.4の範囲内であり、液温が35〜75℃の範囲内であるクロムフリー化成処理液を、金属材料の表面に接触させた後に水洗し、
    前記金属材料の表面に、Ti量C及びV量Dが重量比(C/D)で0.2〜8.0の範囲内であり且つC+D=20〜350mg/mの範囲内である化成処理皮膜を形成することを特徴とする化成処理方法。
  5. 前記金属材料がアルミニウム又はアルミニウム含有金属材料である、請求項に記載の化成処理方法。
  6. 請求項4又は5に記載の化成処理方法で処理されたことを特徴とする化成処理物品。
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