WO2023119826A1 - 化成処理液及び対象金属材料を化成処理する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、耐食性が向上した皮膜を形成することのできる化成処理液を提供することを目的としている。 本発明は、水溶性チタン錯イオンと、水溶性バナジウム含有イオンと、フッ素イオンとを含む化成処理液に関しており、前記フッ素イオンの濃度が、1.2g/L以上である。
Description
本発明は、化成処理液及び対象金属材料を化成処理する方法、特にクロムを必要としない化成処理液及び対象金属材料を化成処理する方法に関する。
金属の耐食性を高めるために化成処理が行われている。この処理のために、従来からクロム及びコバルトを含む化成処理液が使用されているが、排水に含まれるクロムやコバルトはスラッジとなるため、産業廃棄物処理を行う必要があり、排水処理コストが非常に高くなる。また、クロメート処理液を使用すると、人体に有毒な6価クロムが溶出され得るため、環境汚染や人体への悪影響を避けるために、クロムフリーの化成処理液が求められている。
特許文献1~4には、チタン錯フッ化物イオンと5価のバナジウムを含むバナジウム化合物イオンとを含むクロムフリー化成処理液が記載されており、当該クロムフリー化成処理液はアルミニウム又はアルミニウム合金に用いられる旨が記載されている。しかしながら、特許文献1~4には、特定の濃度以上のフッ素イオンを含むクロムフリー化成処理液は記載されていない。
従来のクロムフリー化成処理液により形成された皮膜の耐食性は十分なものではなく、耐食性がさらに向上した皮膜を形成することのできるクロムフリー化成処理液が求められていた。そこで、本発明は、耐食性が向上した皮膜を形成することのできる化成処理液を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、水溶性チタン錯イオン及び水溶性バナジウム含有イオンを含む化成処理液に高濃度のフッ素イオンを配合することで、クロムを使用しなくても耐食性の良好な皮膜を形成できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下に示す化成処理液及び対象金属材料を化成処理する方法を提供するものである。
〔1〕水溶性チタン錯イオンと、水溶性バナジウム含有イオンと、フッ素イオンとを含む化成処理液であって、前記フッ素イオンの濃度が、1.2g/L以上である、化成処理液。
〔2〕前記水溶性チタン錯イオンが、チタン錯フッ化物イオンである、前記〔1〕に記載の化成処理液。
〔3〕前記水溶性チタン錯イオンのチタン換算濃度が、0.15~10g/Lである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の化成処理液。
〔4〕前記水溶性バナジウム含有イオンが、5価のバナジウムを含むバナジウム化合物イオンである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔5〕前記水溶性バナジウム含有イオンのバナジウム換算濃度が、0.4~15g/Lである、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔6〕Zn、Co、W、Zr、Mn、Mo、Ta、Ce、Sr、又はFeを含む少なくとも1種の追加の水溶性金属塩をさらに含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔7〕6価クロムイオン及び/又は3価クロムイオンを含まない、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔8〕アルミニウム含有金属材料に用いるための、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔9〕対象金属材料を化成処理する方法であって、
前記対象金属材料を、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の化成処理液に浸漬させる工程、又は、前記対象金属材料に、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の化成処理液を噴霧する工程を含む、方法。
〔10〕前記対象金属材料が、アルミニウム含有金属材料である、前記〔9〕に記載の方法。
〔1〕水溶性チタン錯イオンと、水溶性バナジウム含有イオンと、フッ素イオンとを含む化成処理液であって、前記フッ素イオンの濃度が、1.2g/L以上である、化成処理液。
〔2〕前記水溶性チタン錯イオンが、チタン錯フッ化物イオンである、前記〔1〕に記載の化成処理液。
〔3〕前記水溶性チタン錯イオンのチタン換算濃度が、0.15~10g/Lである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の化成処理液。
〔4〕前記水溶性バナジウム含有イオンが、5価のバナジウムを含むバナジウム化合物イオンである、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔5〕前記水溶性バナジウム含有イオンのバナジウム換算濃度が、0.4~15g/Lである、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔6〕Zn、Co、W、Zr、Mn、Mo、Ta、Ce、Sr、又はFeを含む少なくとも1種の追加の水溶性金属塩をさらに含む、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔7〕6価クロムイオン及び/又は3価クロムイオンを含まない、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔8〕アルミニウム含有金属材料に用いるための、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の化成処理液。
〔9〕対象金属材料を化成処理する方法であって、
前記対象金属材料を、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の化成処理液に浸漬させる工程、又は、前記対象金属材料に、前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の化成処理液を噴霧する工程を含む、方法。
〔10〕前記対象金属材料が、アルミニウム含有金属材料である、前記〔9〕に記載の方法。
本発明に従えば、水溶性チタン錯イオン及び水溶性バナジウム含有イオンを含む化成処理液に高濃度のフッ素イオンを配合することにより、対象金属材料の表面に耐食性の良好な皮膜を形成することができる。この場合、化成処理液中にクロムを配合する必要がないため、環境にやさしい化成処理液を提供することが可能となる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、水溶性チタン錯イオンと、水溶性バナジウム含有イオンと、フッ素イオンとを含む化成処理液に関している。前記水溶性チタン錯イオンとしては、当技術分野で通常使用されているものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、前記水溶性チタン錯イオンは、チタン錯フッ化物イオンであってもよい。より具体的には、前記水溶性チタン錯イオンは、チタンフッ化水素酸、チタンフッ化ナトリウム、チタンフッ化カリウム、及びチタンフッ化アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1種のチタン化合物などに由来するものであってもよい。前記水溶性チタン錯イオンの濃度は、化成処理が可能である限り特に制限されないが、例えば、チタン換算濃度で約0.15~約10g/Lであってもよく、好ましくは約0.3~約2g/Lである。なお、前記チタン錯フッ化物イオンのようなフルオロ錯体からは、フッ素イオンは遊離されにくいため、本発明の化成処理液に必要な高濃度のフッ素イオンを達成するためには、後述するようなフッ素イオンを容易にもたらす化合物を化成処理液に別途混合する必要がある。
本発明は、水溶性チタン錯イオンと、水溶性バナジウム含有イオンと、フッ素イオンとを含む化成処理液に関している。前記水溶性チタン錯イオンとしては、当技術分野で通常使用されているものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、前記水溶性チタン錯イオンは、チタン錯フッ化物イオンであってもよい。より具体的には、前記水溶性チタン錯イオンは、チタンフッ化水素酸、チタンフッ化ナトリウム、チタンフッ化カリウム、及びチタンフッ化アンモニウムからなる群から選択される少なくとも1種のチタン化合物などに由来するものであってもよい。前記水溶性チタン錯イオンの濃度は、化成処理が可能である限り特に制限されないが、例えば、チタン換算濃度で約0.15~約10g/Lであってもよく、好ましくは約0.3~約2g/Lである。なお、前記チタン錯フッ化物イオンのようなフルオロ錯体からは、フッ素イオンは遊離されにくいため、本発明の化成処理液に必要な高濃度のフッ素イオンを達成するためには、後述するようなフッ素イオンを容易にもたらす化合物を化成処理液に別途混合する必要がある。
前記水溶性バナジウム含有イオンとしては、当技術分野で通常使用されているものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、前記水溶性バナジウム含有イオンは、5価のバナジウムを含むバナジウム化合物イオンであってもよい。より具体的には、前記水溶性バナジウム含有イオンは、バナジン酸ナトリウム、バナジン酸カリウム、バナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸アンモニウム、及びオキシ三塩化バナジウムからなる群から選択される少なくとも1種のバナジウム化合物などに由来するものであってもよい。前記水溶性バナジウム含有イオンの濃度は、化成処理が可能である限り特に制限されないが、例えば、バナジウム換算濃度で約0.4~約15g/Lであってもよく、好ましくは約0.5~約1.2g/Lである。
本発明の化成処理液は、前記フッ素イオンを高濃度で含んでおり、具体的には約1.2g/L以上、好ましくは約1.4g/L以上の濃度で含んでいる。前記フッ素イオンの濃度の上限値は、特に制限されないが、例えば、約2g/L以下であってもよい。前記フッ素イオンは、遊離のフッ素イオンであり、金属との錯イオンを形成しているフッ素原子とは明確に区別され得る。前記フッ素イオンをもたらす化合物としては、当技術分野で通常使用されているものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、前記フッ素イオンは、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化水素カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化水素アンモニウム、及びフッ化水素酸からなる群から選択される少なくとも1種の化合物などに由来するものであってもよい。
本発明の化成処理液は、高濃度のフッ素イオンの存在により耐食性が向上した皮膜を形成できるため、クロムを必要としない。すなわち、ある態様では、前記化成処理液は、6価クロムイオン及び/又は3価クロムイオンを含まない。
本発明の化成処理液は、種々の対象金属材料の化成処理を行うために使用することができる。前記対象金属材料は、特に制限されないが、例えば、前記対象金属材料は、アルミニウム、亜鉛、鉄、ニッケル、銅、又はそれらの合金から形成された材料又はそれらの金属でめっきされた材料であってもよく、好ましくは、アルミニウム含有金属材料(アルミニウムめっき物及びアルミニウム合金めっき物を含む)である。
ある態様では、本発明の化成処理液は、Zn、Co、W、Zr、Mn、Mo、Ta、Ce、Sr、又はFeを含む少なくとも1種の追加の水溶性金属塩(例えば、硝酸塩、塩化物塩、又は硫酸塩など)をさらに含む。好ましくは、前記水溶性金属塩は、Znを含むものであり、前記化成処理液に亜鉛イオンがもたらされる。このような水溶性金属塩が含まれていると、形成される皮膜の耐食性がさらに向上し得る。前記水溶性金属塩の濃度は、化成処理が可能である限り特に制限されないが、例えば、約0.4~約30.0g/Lであってもよく、好ましくは約0.8~約3.0g/Lである。
ある態様では、本発明の化成処理液は、酸化剤をさらに含んでもよい。前記酸化剤としては、当技術分野で通常使用されているものを特に制限されることなく採用することができるが、例えば、前記酸化剤は、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸、臭素酸、塩素酸、次亜塩素酸、過酸化水素、過マンガン酸、メタバナジン酸、タングステン酸、モリブデン酸、及びそれらの塩などからなる群から選択される少なくとも1種を含んでもよく、好ましくは、硝酸及び/又は硝酸イオンを遊離する硝酸塩を含む。前記硝酸塩は、特に限定されないが、水溶性であることが好ましく、具体的には、硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、硝酸クロム、硝酸アルミニウム、硝酸ジルコニル、又は硝酸コバルトなどを含んでもよい。前記酸化剤の濃度は、化成処理が可能である限り特に制限されないが、例えば、合計で約0.5~約30g/Lであってもよく、好ましくは約1.0~約10g/Lである。また、前記酸化剤が前記硝酸及び/又は前記硝酸塩を含む場合、前記硝酸及び前記硝酸塩の合計の濃度は、例えば、硝酸イオンとして約1.5~約18g/Lであってもよく、好ましくは約2.5~約8.0g/Lである。前記酸化剤を化成処理液に含ませることで、特定の金属材料において化成皮膜の形成を促進することができ、より優れた外観と耐食性を達成することができる。例えば、本発明の化成処理液に前記硝酸及び/又は前記硝酸イオンを遊離する硝酸塩が含まれていると、アルミニウム含有金属材料及び亜鉛含有金属材料の両方に適した化成処理液となり得る。
本発明の化成処理液のpHは、特に制限されないが、例えば、約3.2~約5.3であってもよく、好ましくは約3.4~約4.7である。また、本発明の化成処理液は、本発明の目的を損なわない限り、当技術分野で通常使用される任意の添加剤をさらに含んでもよい。
別の態様では、本発明は、対象金属材料を化成処理する方法にも関しており、前記対象金属材料を、本発明の化成処理液に浸漬させる工程、又は、前記対象金属材料に、本発明の化成処理液を噴霧する工程を含んでいる。本発明の方法が適用される対象金属材料の種類は特に制限されず、例えば、前記対象金属材料は、アルミニウム、亜鉛、鉄、ニッケル、銅又はそれらの合金から形成された材料又はそれらの金属でめっきされた材料であってもよく、好ましくは、アルミニウム含有金属材料(アルミニウムめっき物及びアルミニウム合金めっき物を含む)である。
本発明の方法において、前記対象金属を前記化成処理液に接触させるときの処理温度及び処理時間は、特に制限されないが、例えば、前記処理温度は、約15~約55℃、好ましくは約25~約45℃であってもよく、前記処理時間は、約20~約400秒、好ましくは約30~約200秒であってもよい。また、本発明の方法は、本発明の目的を損なわない限り、当技術分野で通常使用される任意の工程をさらに含んでもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〕
チタンフッ化アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、フッ化カリウム、及び硫酸亜鉛を混合し、苛性ソーダ又は硫酸でpHを4.00に調整して、後述の表1に記載の組成(F-、TiF6 2-、VO3 -、及びZn2+の濃度は、それぞれフッ化カリウム、チタンフッ化アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、及び硫酸亜鉛の配合量に基づくものであり、これらの化合物はすべて電離するがTiF6 2-からF-は生じないものとみなした。)の化成処理液1~6を常法により調製した。各化成処理液を用いて、鋳物材のAl-Si-Cu合金であるADC12(日本テストパネル株式会社製)に対して化成処理を施した。具体的には、ADC12を脱脂洗浄し、水道水の流水で十分に濯いで表面を清浄化した後、40℃、60秒の条件で化成処理を施した。化成処理を施したADC12は、水道水とイオン交換水で十分に洗浄した後、60℃に保った電気乾燥炉にて10分間静置して乾燥させた。そして、塩水噴霧試験方法(JIS Z 2371)の中性塩水噴霧試験(NSS)を行い、形成された皮膜の耐食性(白色生成物が付着している面積の対象金属材料の表面積に対する割合)を、塩水噴霧試験機に投入してから特定の時間経過後に以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
(皮膜の耐食性)
○:白色生成物なし
△:白色生成物5%未満
×:白色生成物5%以上
チタンフッ化アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、フッ化カリウム、及び硫酸亜鉛を混合し、苛性ソーダ又は硫酸でpHを4.00に調整して、後述の表1に記載の組成(F-、TiF6 2-、VO3 -、及びZn2+の濃度は、それぞれフッ化カリウム、チタンフッ化アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、及び硫酸亜鉛の配合量に基づくものであり、これらの化合物はすべて電離するがTiF6 2-からF-は生じないものとみなした。)の化成処理液1~6を常法により調製した。各化成処理液を用いて、鋳物材のAl-Si-Cu合金であるADC12(日本テストパネル株式会社製)に対して化成処理を施した。具体的には、ADC12を脱脂洗浄し、水道水の流水で十分に濯いで表面を清浄化した後、40℃、60秒の条件で化成処理を施した。化成処理を施したADC12は、水道水とイオン交換水で十分に洗浄した後、60℃に保った電気乾燥炉にて10分間静置して乾燥させた。そして、塩水噴霧試験方法(JIS Z 2371)の中性塩水噴霧試験(NSS)を行い、形成された皮膜の耐食性(白色生成物が付着している面積の対象金属材料の表面積に対する割合)を、塩水噴霧試験機に投入してから特定の時間経過後に以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
(皮膜の耐食性)
○:白色生成物なし
△:白色生成物5%未満
×:白色生成物5%以上
水溶性チタン錯イオン(TiF6
2-)及び水溶性バナジウム含有イオン(VO3
-)を含む化成処理液において、フッ素イオン(F-)の濃度を従来よりも高くすると、前記合金の表面に耐食性の高い皮膜を形成することができた(特に化成処理液3~6参照)。なお、本試験においては、フッ素イオンが化成処理液中に高濃度で含まれていても、エッチング作用によって対象金属材料の外観が損なわれることはなかった。
〔試験例2〕
鋳物材のADC12に代えて展伸材のAl-Cu合金であるA2017(日本テストパネル株式会社製)を採用した以外は試験例1と同様にして化成処理を行い、形成された皮膜の耐食性を評価した。結果を表2に示す。
鋳物材のADC12に代えて展伸材のAl-Cu合金であるA2017(日本テストパネル株式会社製)を採用した以外は試験例1と同様にして化成処理を行い、形成された皮膜の耐食性を評価した。結果を表2に示す。
合金材の種類を変えても、フッ素イオン(F-)の濃度を従来よりも高くすることで、前記合金の表面に耐食性の高い皮膜を形成することができた(特に化成処理液3~6参照)。
〔試験例3〕
表3又は表4に記載の化成処理液を使用した以外は試験例1又は試験例2と同様にして化成処理を行い、ADC12又はA2017の表面上に形成された皮膜の耐食性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
表3又は表4に記載の化成処理液を使用した以外は試験例1又は試験例2と同様にして化成処理を行い、ADC12又はA2017の表面上に形成された皮膜の耐食性を評価した。結果を表3及び表4に示す。
表3及び表4に記載のいずれの条件でも、耐食性の良好な皮膜が形成された。フッ素イオンを十分に含んでいる限り、化成処理液中の水溶性チタン錯イオン(TiF6
2-)、水溶性バナジウム含有イオン(VO3
-)、及び亜鉛イオンの濃度を表3及び表4の範囲で変化させても、耐食性の良好な皮膜が形成されることが分かった。
〔試験例4〕
化成処理液4のpHを表5に記載のように変更した以外は試験例1又は試験例2と同様にして化成処理を行い、ADC12又はA2017の表面上に形成された皮膜の耐食性を評価した。結果を表5に示す。
化成処理液4のpHを表5に記載のように変更した以外は試験例1又は試験例2と同様にして化成処理を行い、ADC12又はA2017の表面上に形成された皮膜の耐食性を評価した。結果を表5に示す。
表5に記載のいずれの条件でも、耐食性の良好な皮膜が形成された。フッ素イオンを十分に含んでいる限り、化成処理液のpHを表5の範囲で変化させても、耐食性の良好な皮膜が形成されることが分かった。
〔試験例5〕
化成処理液4を用い、表6に記載の温度及び時間で化成処理を行った以外は試験例1又は試験例2と同様にして化成処理を行い、ADC12又はA2017の表面上に形成された皮膜の耐食性を評価した。結果を表6に示す。
化成処理液4を用い、表6に記載の温度及び時間で化成処理を行った以外は試験例1又は試験例2と同様にして化成処理を行い、ADC12又はA2017の表面上に形成された皮膜の耐食性を評価した。結果を表6に示す。
表6に記載のいずれの条件でも、耐食性の良好な皮膜が形成された。フッ素イオンを十分に含んでいる限り、化成処理の温度及び時間を表6の範囲で変化させても、耐食性の良好な皮膜が形成されることが分かった。
以上より、水溶性チタン錯イオン及び水溶性バナジウム含有イオンを含む化成処理液に高濃度のフッ素イオンを配合することで、対象金属の表面に耐食性の良好な皮膜を形成できることが分かった。この場合、化成処理液中にクロムを配合する必要がないため、環境にやさしい化成処理液を提供することが可能となる。
Claims (10)
- 水溶性チタン錯イオンと、水溶性バナジウム含有イオンと、フッ素イオンとを含む化成処理液であって、前記フッ素イオンの濃度が、1.2g/L以上である、化成処理液。
- 前記水溶性チタン錯イオンが、チタン錯フッ化物イオンである、請求項1に記載の化成処理液。
- 前記水溶性チタン錯イオンのチタン換算濃度が、0.15~10g/Lである、請求項1又は2に記載の化成処理液。
- 前記水溶性バナジウム含有イオンが、5価のバナジウムを含むバナジウム化合物イオンである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化成処理液。
- 前記水溶性バナジウム含有イオンのバナジウム換算濃度が、0.4~15g/Lである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化成処理液。
- Zn、Co、W、Zr、Mn、Mo、Ta、Ce、Sr、又はFeを含む少なくとも1種の追加の水溶性金属塩をさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の化成処理液。
- 6価クロムイオン及び/又は3価クロムイオンを含まない、請求項1~6のいずれか1項に記載の化成処理液。
- アルミニウム含有金属材料に用いるための、請求項1~7のいずれか1項に記載の化成処理液。
- 対象金属材料を化成処理する方法であって、
前記対象金属材料を、請求項1~8のいずれか1項に記載の化成処理液に浸漬させる工程、又は、前記対象金属材料に、請求項1~8のいずれか1項に記載の化成処理液を噴霧する工程を含む、方法。 - 前記対象金属材料が、アルミニウム含有金属材料である、請求項9に記載の方法。
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2022
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