JP2003212760A - ゲル組成物、ゲルシート - Google Patents

ゲル組成物、ゲルシート

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JP2003212760A
JP2003212760A JP2002008750A JP2002008750A JP2003212760A JP 2003212760 A JP2003212760 A JP 2003212760A JP 2002008750 A JP2002008750 A JP 2002008750A JP 2002008750 A JP2002008750 A JP 2002008750A JP 2003212760 A JP2003212760 A JP 2003212760A
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gel composition
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Toshiyuki Kashiwai
利之 柏井
Ikuko Toki
育子 土岐
Takashi Sugiyama
崇 椙山
Yasushi Koike
泰志 小池
Masahiro Sato
政弘 佐藤
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水難溶性薬物を、容易に体表面等に適切量付
与できるため、該水難溶性薬物の体表面等における吸収
性が高く、体表面等への粘着性が確保され、体表面に損
傷等を与える事が無いため、使用感の良好なゲル組成
物、及び、該ゲル組成物を有し、体表面等における水難
溶性薬物の吸収性、使用感の良好なゲルシートの提供。 【解決手段】 ヒドロキシプロピルセルロースを2〜2
0質量%、ヒドロキシプロピルセルロースを溶解・膨潤
しない多価アルコールを3〜40質量%、ヒドロキシプ
ロピルセルロースを溶解・膨潤可能な多価アルコールを
40〜92質量%、水を3〜30質量%、及び、水難溶
性薬物を0.01〜30質量%含み、体表面に接触する
ことにより、少なくとも水難溶性薬物を含む液体が染み
出すことを特徴とするゲル組成物である。又、該ゲル組
成物を有することを特徴とするゲルシートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、体表面に接
触した際、水難溶性薬物の吸収性に優れるゲル組成物等
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、水難溶性薬物を人体に適用す
る場合、水難溶性薬物を溶解、或いは分散させたゲル基
剤を体表面に適用し、経皮吸収させる方法が用いられて
きた。しかしながら、従来、ゲル中の薬物は放出性が良
好ではなく、充分な経皮吸収性を得難いことが知られて
いる。従って、これを改善するために様々な検討がなさ
れている。
【0003】例えば、水を主成分とするゲルを用いた場
合には、水難溶性薬物がゲル組成物中で溶解せずに分散
している場合が多く、また染み出しが起こらず、人体へ
の吸収性に問題があることから、エタノールを必須とす
るアルコールを加えることによって吸収性を改善しよう
と試みた技術が提案されている(特開昭61−4021
4号公報)。しかしこのような方法では、エタノールが
揮発した際に吸収性の向上効果が失われるという問題が
あった。またエタノールによって体表面の損傷が生ずる
という問題もあった。また、水難溶性薬剤を製剤中で良
好に溶解させるため、親油性基剤を用いた製剤とする技
術も提案されている。この場合、特開平08−2084
59号公報に記載されているような、テープ基剤が多い
が、テープ基材は、堅くて粘着性が強過ぎるため、体表
面を損傷してしまうという問題があった。
【0004】このような問題を解決するため、例えば親
油性基剤で柔軟性を持ち、適度な粘着性を持つ基剤とし
て、特開昭63−222121号及び特開2001−2
45913号に記載の技術が提案されている。しかしな
がら、前者はポリマー(ヒドロキシプロピルセルロース)
量が多すぎ、ゲルが硬いため、良好な経皮吸収性、使用
実感が得られないという問題があった。後者は実質的に
非水的であり、良好な経皮吸収性、使用実感が得られな
いという問題があった。また、ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース(HPMC)と可塑剤を用いた熱成形可能
な徐放性マトリックスが特開昭61−165337に開
示されている。しかしながら、この技術においても、良
好な使用感が得られないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、水難溶性薬物を、容易に、
体表面等に適切量付与できるため、該水難溶性薬物の体
表面等における吸収性が高く、体表面等への粘着性が確
保され、体表面に損傷等を与える事が無いため、使用感
の良好なゲル組成物、及び該ゲル組成物を有し、体表面
等における水難溶性薬物の吸収性、使用感の良好なゲル
シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ある特定の組
成を有するゲル組成物が、体表面に接触させて使用した
際、適切量の水難溶性薬物を含む液体を染み出し、体表
面における水難溶性薬物の吸収性、使用感に優れ、更
に、ゲル組成物の経時的変化によっても体表面への粘着
性が確保される知見を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、前記課題を解決するための手段とし
ては、以下の通りである。 <1> ヒドロキシプロピルセルロースを2〜20質量
%、ヒドロキシプロピルセルロースを溶解・膨潤しない
多価アルコールを3〜40質量%、ヒドロキシプロピル
セルロースを溶解・膨潤可能な多価アルコールを40〜
92質量%、水を3〜30質量%、及び、水難溶性薬物
を0.01〜30質量%含み、体表面に接触することに
より、少なくとも水難溶性薬物を含む液体が染み出すこ
とを特徴とするゲル組成物である。 <2> 体温、汗、体液、湿気、及び、体表面に存在す
る塩の少なくともいずれかにより、水難溶性薬物を含む
液体が染み出す前記<1>に記載のゲル組成物である。 <3> 前記<1>又は<2>に記載のゲル組成物を有
することを特徴とするゲルシートである。 <4> 支持体上に、前記<1>又は<2>に記載のゲ
ル組成物を有する前記<3>に記載のゲルシートであ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 [ゲル組成物]本発明のゲル組成物は、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースを溶解
・膨潤しない多価アルコール、ヒドロキシプロピルセル
ロースを溶解・膨潤可能な多価アルコール、水、及び、
水難溶性薬物を含み、体表面に接触することにより、少
なくとも水難溶性薬物を含む液体が染み出す。
【0009】−水難溶性薬物− 前記水難溶性薬物としては、特に制限はなく、一般的に
水に対して溶解し難い薬物を指す。該水難溶性薬物に該
当するか否かは、例えば、薬物を粉末とした後、水、第
1液、第2液等の溶媒中に入れ、20±5℃において5
分間毎に強く30秒間振り混ぜて、30分以内に溶解す
る度合を測定した際、薬物1gを溶解するのに要する溶
媒の量を目安として判断することができる。本発明にお
いて、使用する水難溶性薬物としては、前記溶媒の量
で、100ml以上要するものが好ましく、1000m
l以上要するものがより好ましく、10000ml以上
要するのが更に好ましい。尚、前記「第1液」、「第2
液」は、第13改正日本薬局方崩壊試験法に規定されて
いるものである。例えば、第1液は、塩化ナトリウム2
g及び塩酸7.0mlに水を添加して1000mlにし
たpHが約1.2の水溶液であり、第2液は、0.2M
リン酸二水素カリウム水溶液250ml及び0.2N水
酸化ナトリウム水溶液118mlに水を添加して100
0mlとしたpHが約6.8の水溶液である。
【0010】前記水難溶性薬物としては、例えば、温感
用有効成分、末梢循環促進作用剤、消炎鎮痛成分、血行
促進剤、局所麻酔剤、発汗促進剤、水虫薬、抗菌・滅菌
剤、美白成分、皮脂抑制剤、角質溶解剤、中枢神経系薬
物、循環器系薬物、呼吸器系薬物、消化器系薬物、抗生
物質及び化学療法剤、代謝系薬物、及び、ビタミン系薬
物であって難溶性の薬物等が挙げられる。
【0011】前記水難溶性薬物としては、具体的には、
ピロクトンオラミン、エラグ酸、コレウスエキス、イン
ドメタシン、ニトログリセロール、硝酸イソソルビッ
ト、エストラジオール、テストステロン、ニコチン、ト
ルフェナム酸、メフェナム酸、フルフェナム酸、アスピ
リン、サザピリン、アルクロフェナク、ジクロフェナ
ク、スプロフェン、ロキソプロフェン、イブプロフェ
ン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェ
ン、フェンブフェン、グリチルレチン酸、アセメタシ
ン、メチアジン酸、プロチジン酸、スリンダク、プラノ
プロフェン、フェンチアザク、ジフルニサル、チアプロ
フェン酸、オキサプロジン、ピロキシカム、クロモグリ
ク酸、フェルビナク、ブフェキサマク、及び、サリチル
酸、並びにこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中
でも、ピロクトンオラミン、エラグ酸、コレウスエキ
ス、インドメタシン、サリチル酸やこれらの誘導体等が
好ましく、特に、ピロクトンオラミン、エラグ酸、及
び、インドメタシン等が好ましい。これらの水難溶解性
薬物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0012】前記水難溶性薬物の、本発明のゲル組成物
における含有量としては、0.01〜30質量%である
必要があり、0.01〜20質量%が好ましく、0.0
1〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.0
1質量%未満であると、水難溶性薬物の有効性が発揮さ
れず、一方、30質量%を超えると、配合量に見合う有
効性が得られず、経済的に好ましくない。
【0013】−ヒドロキシプロピルセルロース− 前記ヒドロキシプロピルセルロースとしては、特に制限
はないが、置換基であるヒドロキシプロポキシル基の置
換度が20〜90%であるものが好ましい。具体的に
は、商品名 日曹HPC(日本曹達社製)、商品名 KL
UCEL・(HERCULES社製)等が挙げられる。
ここで置換度とは、ヒドロキシプロピルセルロース質量
に対する、エーテル化したヒドロキシプロポキシル基含
有量の割合(%;質量%)を指す。置換度が高ければ、
多価アルコールとの相溶性が充分に得られるため好まし
い。該置換度としては、前述の通り20〜90%が好ま
しく、50〜80%がより好ましい。
【0014】前記ヒドロキシプロピルセルロースの、本
発明のゲル組成物における含有量としては、2〜20質
量%である必要があり、2〜18質量%が好ましく、3
〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、2質量%
未満であると、良好なゲルが形成されなくなり、一方2
0質量%を超えると、ゲルが硬くなり、水難溶性薬物を
含む液体が良好に染み出さず好ましくない。
【0015】−多価アルコール− 前記ヒドロキシプロピルセルロースを溶解・膨潤可能な
多価アルコールとしては、常温で液体であれば特に制限
はない。ここで、「ヒドロキシプロピルセルロースを溶
解可能」とは、ヒドロキシプロピルセルロースの1質量
%多価アルコール溶液を均一な状態にできることを指
す。また、「ヒドロキシプロピルセルロースを膨潤可
能」とは、ヒドロキシプロピルセルロース1質量%に対
して99質量%の多価アルコールを添加・混合し、60
℃で60分間加熱した場合に、ヒドロキシプロピルセル
ロースが多価アルコールを吸収することにより、混合前
の質量の2倍以上になることを指す。
【0016】前記ヒドロキシプロピルセルロースを溶解
・膨潤可能な多価アルコールとしては、具体的には、
1、3−ブタンジオール、イソプレングリコール、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコ
ールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、
硬化ヒマシ油(30E.O.)、及び、ソルビトール等
が挙げられる。これらの中でも、1、3−ブタンジオー
ル、イソプレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、及び、ポリエチレングリコール
等の不揮発性の多価アルコール類が好ましく、特に、重
量平均分子量が1000以下のポリエチレングリコール
が最も好ましい。これらの多価アルコールは、1種単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記ヒ
ドロキシプロピルセルロースを溶解・膨潤可能な多価ア
ルコールの、本発明のゲル組成物における含有量として
は、40〜92質量%である必要があり、45〜92質
量%が好ましく、50〜92質量%がより好ましい。前
記含有量が、40質量%未満であると、ヒドロキシプロ
ピルセルロースが充分に溶解せず、良好なゲルが形成さ
れず、一方94質量%を超えると、ポリマー量が少なく
なり、良好なゲルが形成されなくなる。
【0017】前記ヒドロキシプロピルセルロースを溶解
・膨潤しない多価アルコールとしては、常温で液体であ
れば特に制限はなく、具体的には、グリセリン、ジグリ
セリン、トリグリセリン、及び、ポリグリセリン等が挙
げられる。これらを配合することにより、水難溶性薬物
を含む液体の染み出しが促進され、特に体表面の保湿効
果が向上する。
【0018】前記ヒドロキシプロピルセルロースを溶解
・膨潤しない多価アルコールの、本発明のゲル組成物に
おける含有量としては、3〜40質量%である必要があ
り、5〜35質量%が好ましく、10〜30質量%がよ
り好ましい。前記含有量が、3質量%未満であると、水
難溶性薬物を含む液体の染み出し量が充分でなく、体表
面における水難溶性薬物の吸収性が悪くなる一方、40
質量%を超えると、ヒドロキシプロピルセルロースが充
分に溶解せず、良好なゲルが形成されない。
【0019】−水− 前記水としては、特に制限はなく、精製水、イオン交換
水、蒸留水等が挙げられる。水を配合することにより、
水難溶性薬物を含む液体の染み出しが促進され、特に、
体表面の保湿効果が促進される。また染み出し液の粘度
を低下させる効果もある。
【0020】前記水の、本発明のゲル組成物における含
有量としては、3〜30質量%である必要があり、4〜
25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好まし
い。前記含有量が、3質量%未満であると、水難溶性薬
物を含む液体が良好に染み出さず、水難溶性薬物の体表
面における吸収性が悪くなり、一方、30質量%を超え
ると、良好なゲルが形成されない。
【0021】−その他の成分− 前記その他の成分としては、粘着力やゲル強度を向上さ
せることを目的として添加可能な、ポリビニルピロリド
ン、カルボキシビニルポリマー、(メタ)アクリル酸/
(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、ポリアクリル
酸、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマ
ー、及び、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これ
らは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用して
もよい。これらの、ゲル組成物における配合量として
は、特に制限はないが、水難溶性薬物を含む液体の染み
出し特性、ゲル物性等を損なわない程度が好ましい。
【0022】前記(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリ
ル酸エステルコポリマーとしては、例えば、メタクリル
酸/アクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸/アク
リル酸エチルコポリマー、アクリル酸/アクリル酸オク
チルコポリマー、及び、メタアクリル酸/アクリル酸n
−ブチルコポリマー等が挙げられる。具体的には、N−
メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム
−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸オ
クタデシルコポリマーや、N−メタクリロイルエチル−
N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボ
キシベタイン/メタクリル酸2−エチルヘキシルコポリ
マー等の、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチ
ルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタインモ
ノマーを主成分とするコポリマーである、N−メタクリ
ロイルエチル−N、N−ジメチルアンモニウム−α−N
−メチルカルボキシベタイン重合体等が挙げられる。
【0023】前記ポリアクリル酸は、未中和であって
も、部分的に中和されていてもよいが、多価アルコール
に溶解し易いため、中和率が20モル%未満の部分中和
ポリアクリル酸が好ましく、未中和のポリアクリル酸が
より好ましい。
【0024】前記アルキルビニルエーテル/無水マレイ
ン酸コポリマーは、アルキルビニルエーテル/無水マレ
イン酸コポリマー及びその加水分解物若しくはハーフエ
ステルであってもよい。例えば、メチルビニルエーテル
/無水マレイン酸コポリマーが挙げられる。
【0025】以上、説明したその他の成分のほか、ゲル
物性に影響を与えない範囲内で、活性剤、溶剤、色素、
及び、香料等を適宜配合することができる。
【0026】本発明のゲル組成物に配合する各種ポリマ
ーの重量平均分子量としては、特に制限はないが、良好
なゲル形成性が得られる程度に高い方が好ましく、具体
的には、1万〜1000万が好ましく、10万〜500
万がより好ましい。
【0027】−水難溶性薬物を含む液体の染み出し− 本発明のゲル組成物は、以上の組成を有するため、体表
面に接触することにより、水難溶性薬物を含む液体が適
度に染み出し、体表面等に水難溶性薬物を適切量付与し
得る。従って、体表面等における水難溶性薬物の吸収性
に優れる。尚、本発明において、「水難溶性薬物を含む
液体の染み出し」に該当するか否かは、ゲル組成物を、
所定環境(25℃、湿度60%条件)で30分間体表面
に接触させた後、染み出し液が残った場合に、前記「水
難溶性薬物を含む液体の染み出し」に該当するとして判
断した。また本発明において、「体表面」とは、皮膚を
始め、広く、歯、粘膜、毛髪、爪、眼球、腹腔内等の体
の内外の各部位における表面を指し、人体のみならず、
他の動物等における体表面をも含む意味である。
【0028】本発明のゲル組成物としては、特に、体
温、汗、体液、湿気、及び、体表面に存在する塩の少な
くともいずれかにより、水難溶性薬物を含む液体を染み
出すのが好ましい。
【0029】<本発明のゲル組成物の製造方法等>本発
明のゲル組成物の製造方法としては、特に制限はない
が、例えば、所定温度に加熱した混合機内に、所定量の
水難溶性薬物を配合した、ヒドロキシプロピルセルロー
スを溶解・膨潤可能な多価アルコールを添加し、更に、
ヒドロキシプロピルセルロースを溶解・膨潤しない多価
アルコール中に、ヒドロキシプロピルセルロースを分散
させた分散液を添加し、最後に、その他の成分を分散・
溶解させた水を添加し、所定時間練合する方法等が挙げ
られる。前記混合機を加熱する際の所定温度としては、
特に制限はないが、室温から160℃程度が好ましく、
40〜140℃程度がより好ましく、50〜120℃程
度が更に好ましい。また前記ヒドロキシプロピルセルロ
ースやその他の成分等をゲル中に溶解させる際には、溶
解促進のために加熱処理等を適宜行ってもよい。
【0030】<本発明のゲル組成物の使用態様等>以上
説明したように、本発明のゲル組成物は、水難溶性薬物
を、容易に、体表面等に適切量付与できるため、該水難
溶性薬物の体表面等における吸収性が高く、体表面等へ
の粘着性が確保され、体表面に損傷等を与える事が無い
ため、使用感が良好である。従って、体表面等に接触さ
せる各種の態様(例えば、ゲル組成物自体を塗布する態
様、下記に示すゲルシートとして貼付する態様等)とし
て好適に用いることができる。
【0031】[ゲルシート]本発明のゲルシートは、前
記本発明のゲル組成物を有し、必要に応じてその他の部
材等を有する。本発明のゲルシートの態様としては、特
に制限はないが、例えば、前記本発明のゲル組成物をシ
ート状に展延した態様、支持体上に前記本発明のゲル組
成物を塗布等した態様、などが挙げられる。
【0032】前者の場合、シートの厚みとしては、0.
01mm〜20mmが好ましく、0.1mm〜10mm
がより好ましい。
【0033】後者の場合には、取り扱い性が良好である
ため好ましい。前記支持体としては、例えば、不織布、
織布、編布、紙、及び、フィルム等が挙げられる。該支
持体の素材としては、特に制限はなく、天然繊維、合成
繊維等、何れも使用可能である。天然繊維としては、例
えば、木綿、麻、パルプ、羊毛、及び、絹等が一般的に
挙げられる。合成繊維としては、例えば、ポリエチレン
やポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチ
レンテレフタラート等のポリエステル系繊維、ポリアク
リロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポ
リウレタン繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレ
ーヨン溶剤紡糸されたレーヨン等、及び、これらの混合
物等が挙げられる。また、不織布、織布、及び、編布等
においては、開口部を大きくすることにより、支持体の
存在感を少なくしてもよい。前記フィルムとしては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラ
ート、及び、軟質ポリオレフィン等が挙げられる。ま
た、これらにシリコンコートやテフロン(R)コート等
を施してもよい。
【0034】後者の場合において、ヒドロキシプロピル
セルロースを多価アルコール類に更に好適に溶解させる
ために、加熱処理を行う場合、該加熱処理は、ヒドロキ
シプロピルセルロース及び多価アルコールの混合時に行
ってもよく、ヒドロキシプロピルセルロース及び多価ア
ルコールを含むスラリーを、不織布等の支持体に塗布し
た後にオーブン等によって行ってもよい。該加熱処理の
加熱温度としては、室温〜160℃程度が好ましく、4
0℃〜140℃がより好ましく、50℃〜120℃程度
が更に好ましい。
【0035】後者の場合において、支持体の単位面積当
たりに塗布するゲル組成物の量(g)としては、ゲル組
成物の種類等にもよるが、0.01〜10g/cm2
好ましく、0.05〜5g/cm2がより好ましい。
又、後者の場合において、ゲルシート全体の、単位面積
当たりの質量としては、0.03〜20g/cm2が好
ましく、0.05〜10g/cm2がより好ましい。
【0036】
【実施例】以下、本発明を、実施例・比較例を用いて更
に詳細に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限
定されるものではない。
【0037】(実施例1〜30、比較例1〜11)90
℃に加熱した混合機内に、各水難溶性薬物(表中の
(D)成分)を配合した多価アルコール(表中の(B)
成分)を入れた後、多価アルコール(表中の(E)成
分)にヒドロキシプロピルセルロース(表中の(A)成
分)を分散させ、混合機内に投入し、表中のその他の成
分等を精製水に分散・溶解させて添加し、60分間練合
することにより、表中に記載の組成(質量%)で各ゲル
組成物を得た。
【0038】得られた各ゲル組成物を用い、公知の方法
により、実施例1〜6においては、美白シート、実施例
7〜12においては、殺菌シート、実施例13〜18に
おいては、消炎鎮痛シート、実施例19〜24において
は、禁煙補助シート、実施例25〜30においては、角
質軟化シートを作製した。
【0039】<評価>得られたゲルシートについて、下
記のようにして、染み出しの評価及び経皮吸収量の測定
・評価を行った。結果を表2〜表8に示す。
【0040】<<水難溶性薬物を含む液体の染み出し量
の測定・評価>>5人のパネラーに対して、得られた各
ゲルシートを、所定条件(25℃、湿度60%)で30
分間体表面に塗布し、表1に記載の評価基準に従って染
み出し量の測定・評価を行った。
【0041】
【表1】
【0042】<<経皮吸収量の測定方法>>ヘアレスマ
ウス(Hos:hr−1、雌)の背部体表面を切り取
り、これを、垂直型拡散セルのドナー及びリザーバーの
間に、表皮側が上になるように挟み、固定した。次に、
リザーバー側をリンゲル液で満たした後、撹拌しながら
37℃に保温し、続いてドナー側の体表面上に、各ゲル
組成物を200mg貼付又は塗布した。その後、経時的
にリンゲル液の一部をサンプリングし、リンゲル液中の
水難溶性薬物を、高速液体クロマトグラフィーにより測
定し、水難溶性薬物の経皮吸収性を測定・評価した。2
4時間後の測定結果を示す。尚、結果は、比較例7〜1
1における結果と比較(同種の水難溶性薬物を用いてい
る比較例の結果との比較)することにより相対的に評価
し、比較例7〜11における体表面吸収量を総て1.0
と評価した場合の相対値で示した。
【0043】(比較例12:水系ゲル組成物)精製水6
9質量%に、ポリカチオン性高分子又はその塩であるカ
チオン化デンプン5.0質量%を溶解し、これにポリア
ニオン性高分子又はその塩であるポリアクリル酸ナトリ
ウム8.0質量%と、酸化チタン0.5質量%をグリセ
リン12.0質量%に分散したものを徐々に加え、室温
で5分間撹拌した。これに、ポリビニルアルコールを2
質量%、ヒドロキシエチルセルロースを3質量%加え、
10分間室温で撹拌し、水系ゲル組成物を得た。得られ
たゲル組成物について、実施例1〜30及び実施例1〜
11と同様にして評価した。結果を表8に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】比較例1〜11では、各成分の配合量が適
切ではないため、ゲルが形成されなかったり、染み出し
が不充分である等、好ましくない結果となった。また比
較例12では、エラグ酸の経皮吸収が検知されなかっ
た。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、水難溶性薬物を、容易
に、体表面等に適切量付与できるため、該水難溶性薬物
の体表面等における吸収性が高く、体表面等への粘着性
が確保され、体表面に損傷等を与える事が無いため、使
用感の良好なゲル組成物、及び該ゲル組成物を有し、体
表面等における水難溶性薬物の吸収性、使用感の良好な
ゲルシートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/38 A61K 47/38 (72)発明者 椙山 崇 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 小池 泰志 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 佐藤 政弘 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA09 AA74 BB31 CC01 CC04 CC31 DD38 DD59 EE06 EE15 EE23 EE32A EE48 FF34 FF56 4C083 AB051 AB242 AC111 AC122 AC472 AC842 AC852 AD042 AD072 AD092 AD112 AD132 AD281 AD282 AD532 BB60 CC02 DD12 DD41 EE13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシプロピルセルロースを2〜2
    0質量%、ヒドロキシプロピルセルロースを溶解・膨潤
    しない多価アルコールを3〜40質量%、ヒドロキシプ
    ロピルセルロースを溶解・膨潤可能な多価アルコールを
    40〜92質量%、水を3〜30質量%、及び、水難溶
    性薬物を0.01〜30質量%含み、体表面に接触する
    ことにより、少なくとも水難溶性薬物を含む液体が染み
    出すことを特徴とするゲル組成物。
  2. 【請求項2】 体温、汗、体液、湿気、及び、体表面に
    存在する塩の少なくともいずれかにより、水難溶性薬物
    を含む液体が染み出す請求項1に記載のゲル組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のゲル組成物を有
    することを特徴とするゲルシート。
  4. 【請求項4】 支持体上に、請求項1又は2に記載のゲ
    ル組成物を有する請求項3に記載のゲルシート。
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