JP2005162692A - ゲル組成物、及びそれを用いたゲルシート - Google Patents

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Abstract

【課題】 水難溶性薬物の染み出しを発生させるまでの時間を短縮することができ、又、該薬物の染み出し量を増大させることができるため、体表面等に対する水難溶性薬物の良好な吸収速度及び吸収量を発揮し、且つ、使用感、使用性の良好なゲル組成物等を提供することを目的とする。
【解決手段】 水難溶性薬物と、該水難溶性薬物を溶解可能な多価アルコールと、該多価アルコールに溶解及び膨潤の少なくともいずれかが可能なポリマーと、水と、電解質を含有することを特徴とするゲル組成物、及びそれを用いたゲルシートである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特に、体表面に接触した際、水難溶性薬物の吸収性に優れ、且つ、使用感、使用性の良好なゲル組成物及びそれを用いたゲルシートに関する。
従来より、水難溶性薬物を人体に適用する場合、水難溶性薬物を溶解、或いは分散させたゲル基剤を体表面に接触させて、経皮吸収させる方法が用いられてきた。しかしながら、この方法では、ゲル中での薬物の放出性が良好ではなく、充分な経皮吸収性を得難いという問題がある。この問題を改善するために様々な検討がなされている。例えば、ヒドロキシプロピルセルロースに該ヒドロキシプロピルセルロースを溶解・膨潤しない多価アルコール、該ヒドロキシプロピルセルロースを溶解・膨潤可能な多価アルコール、水、及び、水難溶性薬物を含み、体表面に接触することにより、少なくとも水難溶性薬物を含む液体が染み出すゲル組成物等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このようなゲル組成物等では、水難溶性薬物を体表面等に適切量付与することができるものの、ゲル中から水難溶性薬物が染み出すまでの時間が長く、また、含有するポリマーを溶解及び/又は膨潤しない多価アルコールの粘度が高い場合には、染み出し液体の粘度が高くなり、さっぱりとした使用感が得られないという問題があった。
特開2003−212760号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、水難溶性薬物の染み出しを発生させるまでの時間を短縮することができ、又、該薬物の染み出し量を増大させることができるため、体表面等に対する水難溶性薬物の良好な吸収速度及び吸収量を発揮し得、且つ、使用感、使用性の良好なゲル組成物等を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、水難溶性薬物と、該水難溶性薬物を溶解可能な多価アルコールと、該多価アルコールに溶解及び膨潤の少なくともいずれかが可能なポリマーと、水と、及び電解質を含有するゲル組成物が、体表面に接触させて使用した際、良好な吸収速度及び吸収量を発揮し、且つ、良好な使用感、使用性が確保される知見を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
<1> 水難溶性薬物と、該水難溶性薬物を溶解可能な多価アルコールと、該多価アルコールに溶解及び膨潤の少なくともいずれかが可能なポリマーと、水と、電解質を含有することを特徴とするゲル組成物である。
<2> ポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びこれらの架橋体から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載のゲル組成物である。
<3> 電解質のゲル組成物における含有量が0.1〜10質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載のゲル組成物である。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載のゲル組成物を有することを特徴とするゲルシートである。
<5> 支持体上にゲル組成物を有する前記<4>に記載のゲルシートである。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、水難溶性薬物の染み出しを発生させるまでの時間を短縮することができ、又、該薬物の染み出し量を増大させることができるため、体表面等に対する水難溶性薬物の良好な吸収速度及び吸収量を発揮し得、且つ、使用感、使用性の良好なゲル組成物等を提供することができる。
[ゲル組成物]
本発明のゲル組成物は、水難溶性薬物と、該水難溶性薬物を溶解可能な多価アルコールと、該多価アルコールに溶解及び膨潤の少なくともいずれかが可能なポリマーと、水と、電解質を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−水難溶性薬物−
前記水難溶性薬物は、一般的に、水に対して溶解し難い薬物を意味する。該水難溶性薬物に該当するか否かは、例えば、薬物を粉末とした後、水、第1液、第2液等の溶媒中に入れ、20±5℃において5分間毎に強く30秒間振り混ぜて、30分以内に溶解する度合を測定した際、薬物1gを溶解するのに要する溶媒の量を目安として判断することができる。本発明において、使用する水難溶性薬物としては、前記溶媒の量で、100ml以上要するものが好ましく、1000ml以上要するものがより好ましく、10000ml以上要するのが更に好ましい。尚、前記「第1液」、「第2液」は、第13改正日本薬局方崩壊試験法に規定されているものである。例えば、第1液は、塩化ナトリウム2g及び塩酸7.0mlに水を添加して1000mlにしたpHが約1.2の水溶液であり、第2液は、0.2Mリン酸二水素カリウム水溶液250ml及び0.2N水酸化ナトリウム水溶液118mlに水を添加して1000mlとしたpHが約6.8の水溶液である。
前記水難溶性薬物としては、例えば、温感用有効成分、末梢循環促進作用剤、消炎鎮痛成分、血行促進剤、局所麻酔剤、発汗促進剤、水虫薬、抗菌・滅菌剤、美白成分、皮脂抑制剤、角質溶解剤、中枢神経系薬物、循環器系薬物、呼吸器系薬物、消化器系薬物、抗生物質、化学療法剤、代謝系薬物、ビタミン系薬物であって難溶性の薬物、等が挙げられる。
前記水難溶性薬物としては、具体的には、ピロクトンオラミン、エラグ酸、コレウスエキス、インドメタシン、ニトログリセロール、硝酸イソソルビット、エストラジオール、テストステロン、ニコチン、トルフェナム酸、メフェナム酸、フルフェナム酸、アスピリン、サザピリン、アルクロフェナク、ジクロフェナク、スプロフェン、ロキソプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェンブフェン、グリチルレチン酸、アセメタシン、メチアジン酸、プロチジン酸、スリンダク、プラノプロフェン、フェンチアザク、ジフルニサル、チアプロフェン酸、オキサプロジン、ピロキシカム、クロモグリク酸、フェルビナク、ブフェキサマク、サリチル酸、又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、ピロクトンオラミン、エラグ酸、コレウスエキス、インドメタシン、サリチル酸、又はこれらの誘導体等が好ましく、特に、ピロクトンオラミン、エラグ酸、及び、インドメタシン等が好ましい。これらの水難溶解性薬物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記水難溶性薬物の、本発明のゲル組成物における含有量としては、0.001〜30質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.01〜15質量%が更に好ましい。前記含有量が、0.001質量%未満であると、水難溶性薬物の有効性が発揮されない恐れがあり、一方、30質量%を超えると、配合量に見合う有効性が得られない恐れがあり、経済的に好ましくないことがある。
−多価アルコール−
前記水難溶性薬物を溶解可能な多価アルコールとしては、常温で液体であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで、「水難溶性薬物を溶解可能」とは、多価アルコール中に水難溶性薬物0.1質量%を均一な状態にできることを指す。
前記水難溶性薬物を溶解可能な多価アルコールとしては、具体的には、1、3−ブタンジオール、イソプレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン等の不揮発性の多価アルコール類が好ましく、特に、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、重量平均分子量(Mw)が300,400,600のポリエチレングリコール、グリセリンが最も好ましい。これらの多価アルコールは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールの、本発明のゲル組成物における含有量は、20〜97質量%が好ましく、40〜95質量%がより好ましく、50〜95質量%が更に好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、ポリマーが充分に溶解せず、良好なゲルが形成されないことがあり、97質量%を超えると、ポリマー量が少なくなり、良好なゲルが形成されなくなることがある。
−ポリマー−
前記多価アルコールに溶解及び/又は膨潤可能なポリマーとしては、特に制限されるものではないが、特に、多価アルコール類に溶解又は膨潤してゲル化するものが好ましい。ここで、「多価アルコールに溶解可能」とは、多価アルコール溶液中にポリマー1質量%を均一な状態にできることを指す。また、「多価アルコールに膨潤可能」とは、ポリマー1質量%に対して99質量%の多価アルコールを添加及び混合し、60℃で60分間加熱した場合に、ヒドロキシプロピルセルロースが多価アルコールを吸収することにより、混合前の質量の2倍以上になることを指す。
前記多価アルコールに溶解及び/又は膨潤可能なポリマーとしては、具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸(エステル)/(メタ)アクリル酸エステルコポリマー、ポリ酢酸ビニル及びその共重合体、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルアルコール、ポリメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸両性化物、アクリル酸−2−エチルヘキシル/ビニルピロリドン共重合体、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、N−ビニルアセトアミド又はこれらの混合物が挙げられる。また、これらのポリマーは、その一部が架橋した架橋体であってもよい。これらの中でも、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ酢酸ビニル、又はその共重合体、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物が挙げられ、その一部が架橋されているものでも良い。さらに好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、又はこれらの混合物が挙げられ、その一部が架橋されているものでも良い。
前記ヒドロキシプロピルセルロースとしては、特に制限はないが、置換基であるヒドロキシプロポキシル基の置換度が20〜90質量%であるものが好ましい。具体的には、商品名日曹HPC(日本曹達社製)、商品名KLUCEL(HERCULES社製)等が挙げられる。ここで置換度とは、ヒドロキシプロピルセルロース質量に対する、エーテル化したヒドロキシプロポキシル基含有量の割合を指す。置換度が高ければ、多価アルコールとの相溶性が充分に得られるため好ましい。該置換度としては、前述の通り20〜90質量%が好ましく、50〜80質量%がより好ましい。
前記ポリビニルピロリドンとしては、ビニルピロリドンモノマーを主成分とするコポリマーであってもよく、例えば、アクリル酸−2−エチルヘキシル/ビニルピロリドンコポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクトン/ビニルイミダゾールコポリマー、等が挙げられる。
前記ポリ(メタ)アクリル酸としては、未中和であっても、部分的に中和されていてもよい。中和率が20モル%未満の部分中和ポリ(メタ)アクリル酸であれば、多価アルコールに溶解し易いため、好適である。より好ましくは、未中和のポリ(メタ)アクリル酸である。
前記(メタ)アクリル酸(エステル)/(メタ)アクリル酸エステルコポリマーとしては、例えば、メタクリル酸/アクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸/アクリル酸オクチルコポリマー、メタアクリル酸/アクリル酸n−ブチルコポリマー等が挙げられる。
前記ポリ酢酸ビニルとしては、酢酸ビニルモノマーを主成分とするコポリマーであってもよい。例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、酢酸ビニル/イタコン酸コポリマー等が挙げられる。
前記アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーとしては、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びその加水分解物若しくはハーフエステルであってもよい。例えば、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー等が挙げられる。
前記ポリビニルアルコールとしては、例えば、ポリ酢酸ビニルの完全/部分ケン化物等が挙げられる。
前記ポリメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はポリフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートにおいて、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、又はフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートに含まれるポリエチレングリコール側鎖のエチレングリコール付加モル数(n)は、n=2〜50が好ましく、2〜23がより好ましい。また、このポリメトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート又はポリフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等とのコポリマーであってもよい。
前記多価アルコールに溶解及び/又は膨潤可能なポリマーの重量平均分子量としては、特に制限はないが、良好なゲル形成性が得られる程度に高い方が好ましく、具体的には、1万〜1000万が好ましく、10万〜500万がより好ましい。
−水−
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製水、イオン交換水、蒸留水等が挙げられる。水を配合することにより、水難溶性薬物を含む液体の染み出しが促進され、特に、体表面の保湿効果が促進される。また染み出し液の粘度を低下させる効果もある。
前記水の、本発明のゲル組成物における含有量としては、0.5〜30質量%が好ましく、1〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%が更に好ましい。
前記含有量が、0.5質量%未満であると、水難溶性薬物を含む液体が良好に染み出さず、水難溶性薬物の体表面における吸収性が悪くなることがあり、30質量%を超えると、良好なゲルが形成されない畏れがある。
−電解質−
前記電解質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、炭酸アンモニウム、炭酸アルミニウム、酢酸アンモニウム、酢酸アルミニウム、リン酸塩、クエン酸塩、等が挙げられる。これらの中では、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、クエン酸塩が好ましく、特に好ましくは塩化ナトリウムと塩化マグネシウムである。
前記電解質の、本発明のゲル組成物における含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、0.1〜8質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が更に好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、水難溶性薬物を含む液体の良好な染み出し促進効果が発揮されず、水難溶性薬物の吸収性が悪くなることがあり、一方、10質量%を超えると、良好なゲルが形成されない畏れがある。
前記電解質が含有することにより、貼付後、染み出しを発生させるまでの時間の短縮させる効果、染み出し量を増大させる効果があり、従って、該水難溶性薬物の人体への吸収速度、吸収量の増大の効果を発揮する。
以上説明した必須の成分以外にも、ゲル物性を変化させない範囲内で、活性剤、溶剤、色素、及び、香料等を適宜配合することができる。
<本発明のゲル組成物の製造方法等>
本発明のゲル組成物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニーダーなどを用いて練合するのが好ましい。本発明において、高分子を多価アルコール類に溶解させる際に、その溶解を促進するために所定温度で加熱処理を行ってもよい。加熱は、高分子と多価アルコール混合時に実施してもよく、また、高分子と多価アルコールからなるスラリーを不織布等の支持体に塗布した後にオーブン等で熱処理してもよい。前記所定の加熱温度としては、例えば、室温〜150℃程度が好ましく、40℃〜120℃がより好ましく、50℃〜100℃程度が更に好ましい。
[ゲルシート]
本発明のゲルシートは、前記本発明のゲル組成物を有し、必要に応じてその他の部材等を有する。本発明のゲルシートの態様としては、特に制限はないが、例えば、前記本発明のゲル組成物をシート状に展延した態様、支持体上に前記本発明のゲル組成物を塗布等した態様、などが挙げられる。
前者の場合、シートの厚みとしては、0.01mm〜10mmが好ましく、0.1mm〜5mmがより好ましい。
後者の場合には、取り扱い性が良好であるため好ましい。前記支持体としては、例えば、不織布、織布、編布、紙、及び、フィルム等が挙げられる。該支持体の素材としては、特に制限はなく、天然繊維、合成繊維等、何れも使用可能である。天然繊維としては、例えば、木綿、麻、パルプ、羊毛、及び、絹等が一般的に挙げられる。合成繊維としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリウレタン繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン溶剤紡糸されたレーヨン等、及び、これらの混合物等が挙げられる。また、不織布、織布、及び、編布等においては、開口部を大きくすることにより、支持体の存在感を少なくしてもよい。前記フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、及び、軟質ポリオレフィン等が挙げられる。また、これらにシリコンコートやテフロン(R)コート等を施してもよい。
後者の場合において、ポリマーを多価アルコール類に更に好適に溶解させるために、加熱処理を行う場合、該加熱処理は、ポリマー及び多価アルコールの混合時に行ってもよく、ポリマー及び多価アルコールを含むスラリーを、不織布等の支持体に塗布した後にオーブン等によって行ってもよい。該加熱処理の加熱温度としては、室温〜150℃程度が好ましく、40℃〜120℃がより好ましく、50℃〜100℃程度が更に好ましい。
後者の場合において、ゲルシート全体の、単位面積当たりのゲル組成物の質量としては、ゲル組成物の種類等にもよるが、例えば、0.01〜10g/cm2が好ましく、0.05〜5g/cm2がより好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜12)
<<ゲル組成物の調整>>
所定量の各水難溶性薬物(表1、2中の(A)成分)を各ゲル組成物における多価アルコール(表1、2中の(B)成分)の配合量中の70質量%の該多価アルコールに溶解させて、85℃に加熱した撹拌機内に投入した。次いで、所定量のポリマー(表1、2中の(C)成分)を前記多価アルコールの配合量中の20質量%の該多価アルコールに分散させて、前記攪拌機内に添加した。次いで、電解質(表1、2中の(E)成分)、及び水(表1、2中の(D)成分)を前記多価アルコールの配合量中の10質量%の該多価アルコールに分散させて、前記攪拌機内に添加した。そして、60分間練合することにより、実施例1〜12のゲル組成物を得た。
<評価>
得られた各ゲル組成物について、下記のようにして、染み出し量の測定及び評価、並びに経皮吸収量の測定及び評価を行った。
<<水難溶性薬物を含む液体の染み出し量の測定及び評価>>
5人のパネラーに対して、得られた各ゲル組成物を、所定条件(25℃、湿度60%)で30分間、上腕部に適用し、該ゲル組成物を除去後、その前腕部の外観を下記の基準で測定及び評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
◎:染み出し液が充分残る
○:染み出し液が残る
△:染み出し液がやや残る
×:染み出し液が残らない
なお、比較として電解質を含まないこと以外は、実施例1〜12のゲル組成物と全く同一の組成のゲル組成物における染み出し量の評価を行った。その結果、当該いずれのゲル組成物においても評価結果は○であった。
<<経皮吸収量の測定方法>>
ヘアレスマウス(Hos:hr−1、雌)の背部体表面を切り取り、これを、垂直型拡散セルのドナー及びリザーバーの間に、表皮側が上になるように挟み、固定した。次に、リザーバー側をリンゲル液で満たした後、撹拌しながら37℃に保温し、続いてドナー側の体表面上に、各ゲル組成物を200mg貼付又は塗布した。その後、経時的にリンゲル液の一部をサンプリングし、リンゲル液中の水難溶性薬物を、高速液体クロマトグラフィーにより測定し、水難溶性薬物の経皮吸収性を評価した。24時間後の測定結果を表1及び表2に示す。
尚、実施例1〜12のいずれにおいても結果は、電解質を含まない以外は全く同一の組成を有するゲル組成物における経皮吸収量を総て1.0と評価した場合の相対値で示した。
Figure 2005162692
Figure 2005162692
表1及び2の結果から、いずれの実施例においても電解質を加えることにより、しみ出し量が良好となり、吸収速度が速いことが分かり、又、吸収量も増大していることが分かる。またいずれの実施例においても、使用時、使用後のいずれにおいてもさっぱりとした使用感であるとのパネラーの感想が得られた。
本発明のゲル組成物は、温感用剤、末梢循環促進作用剤、消炎鎮痛剤、血行促進剤、局所麻酔剤、発汗促進剤、抗菌・減菌剤、美白剤、皮脂抑制剤、角質溶解剤、化学療法剤、ビタミン系薬物等を溶解、或いは分散させた外用製剤に利用可能である。また、本発明のゲル組成物を用いたゲルシートは、美白シート、殺菌シート、消炎鎮痛シート、禁煙補助シート、角質軟化シート等に利用可能である。

Claims (5)

  1. 水難溶性薬物と、該水難溶性薬物を溶解可能な多価アルコールと、該多価アルコールに溶解及び膨潤の少なくともいずれかが可能なポリマーと、水と、電解質を含有することを特徴とするゲル組成物。
  2. ポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー及びこれらの架橋体から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のゲル組成物。
  3. 電解質のゲル組成物における含有量が0.1〜10質量%である請求項1から2のいずれかに記載のゲル組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のゲル組成物を有することを特徴とするゲルシート。
  5. 支持体上にゲル組成物を有する請求項4に記載のゲルシート。
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