JP2003212691A - シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶の製造装置 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶の製造装置

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JP2003212691A JP2002009105A JP2002009105A JP2003212691A JP 2003212691 A JP2003212691 A JP 2003212691A JP 2002009105 A JP2002009105 A JP 2002009105A JP 2002009105 A JP2002009105 A JP 2002009105A JP 2003212691 A JP2003212691 A JP 2003212691A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ルツボの下方に断熱板を備えた装置によりシ
リコン単結晶を製造するに際し、断熱板の保温効果をル
ツボ内の残融液の量に応じて調整でき、ひいては得られ
るシリコン単結晶の酸素濃度及び欠陥濃度及び分布を最
適化できるシリコン単結晶の製造方法を提供する。 【解決手段】 半導体単結晶の製造装置50は、育成炉
本体1内においてルツボ12の周囲に配置された加熱ヒ
ータ7により該ルツボ12内の原料融液4を加熱しつ
つ、該原料融液4からチョクラルスキー法により半導体
単結晶3を引上げ育成・製造するためのものである。そ
して、半導体単結晶3の引上げ時においてルツボ12が
ルツボ昇降機構40により上昇駆動され、育成炉本体1
内においてルツボ12の下方に、ルツボ12の上昇と反
対に下降駆動される断熱板20が配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(以下、CZ法と称する。)を用いてシリコン単結晶
を製造する方法と、その製造に用いられる製造装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】CZ法を用いた一般的なシリコン単結晶
の製造装置においては、炉本体の内部にシリコン融液を
収容するルツボを備え、該ルツボの周囲にヒータを配設
し、ルツボ内のシリコンを融解し、この融解したシリコ
ン融液の温度を一定に保ちながら、シリコン融液に種結
晶を浸漬してルツボと種結晶を回転させつつ、種結晶を
上方に引上げることによって、種結晶下方に単結晶を育
成する。
【0003】この一方で、マイクロコンピュータや大容
量DRAM、あるいはその他の集積回路用に、シリコン
デバイスの需要はますます増加する傾向にあり、価格低
減に対する要求も極めて激しくなっている。そして、こ
のようなシリコンデバイスを製造するための基板となる
シリコン単結晶ウエーハの材料として、CZ法で育成さ
れたシリコン単結晶が大量に用いられている。最近、C
Z法によるシリコン単結晶は、ウエーハをデバイス化す
る際の歩留まり向上及び価格低減のために、直径が20
0mm、さらには300mmを超える大型のものが主流
となりつつあり、結晶定径部もより長いものが求められ
ている。
【0004】このような大型のシリコン単結晶をCZ法
で製造する場合、大型のルツボに100kgを超えるシ
リコン多結晶原料を充填し溶融した後、1400℃以上
もの高温に炉内部の雰囲気を保って結晶育成を行なう必
要がある。また、大直径かつ結晶定径部の長い単結晶を
引上げるために、炉本体を大型化し、原料配置スペース
の拡張を図った単結晶製造装置を使用することも試みら
れている。いずれにしろ、ルツボ内に保持されるシリコ
ン融液の容積が大きくなるため、その温度を如何に効率
よく一定に保つかが、効率よく単結晶を引上げる上で重
要なポイントとなる。
【0005】具体的には、ヒータによるシリコン融液の
加熱を効率よく行ない、かつ金属製の炉本体の炉壁をヒ
ータの輻射熱から保護するため、炉本体の炉壁付近には
黒鉛材等を材料とした断熱材を配置することが有効であ
る。この断熱材によって炉壁を保護すると同時に炉本体
内部を保温し、余分なヒータの発熱を抑え無駄なくシリ
コン融液温度を一定に保持できるようになる。また、加
熱したシリコン融液の保温効果を高めるために、ルツボ
の下方にも断熱材を配置することが行われている。例え
ば、特開平5−43383号公報には、炉底の断熱材を
立設させて下方への放熱を防止する装置が記されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、シリコンウエー
ハの表層に形成される集積回路は、ますます大規模化、
高集積化のためパターンが微細化する傾向にある。その
ため、ウエーハ表層に集積回路を形成した際に、微小で
あっても集積回路の素子特性を損なうような結晶欠陥が
存在すると、集積回路としての機能を果たさなくなるた
め問題視されている。そのため、CZ法によるシリコン
単結晶の製造においては、結晶の内部に導入されるグロ
ーン−イン欠陥(grown-in defect)を適切に制御する
ことが求められている。具体的には、シリコン融液から
引上げた単結晶の冷却雰囲気を調整し、グローン−イン
欠陥の形成され難い温度条件に整えて単結晶育成を行な
うことが重要である。
【0007】この他にシリコンウエーハには、ウエーハ
表層に集積回路を形成する際に、重金属等の汚染物質が
前記集積回路の特性に悪影響をおよぼさないよう、該ウ
エーハ表層の汚染物質を内部に捕獲するためのゲッタリ
ングシンク(gettering sink)が形成される。この
時、ウエーハ内に存在する酸素がゲッタリングサイトと
して働くことから、CZ法を用いたシリコン単結晶の育
成では、単結晶育成時に結晶に取り込まれる不純物、即
ち、結晶中の酸素濃度をデバイス工程での熱処理条件等
にあわせて、所望の値に調整することも要求される。
【0008】CZ法を用いたシリコン単結晶の育成で
は、シリコン融液を保持する為のルツボとして石英製ル
ツボが使用されている。単結晶育成時に結晶内部に取り
込まれる酸素は、石英製ルツボが高温に加熱された際
に、ルツボから二酸化珪素(SiO)としてシリコン
融液中に溶出したものが熱対流により結晶育成界面付近
まで運ばれ、内部に取り込まれたものである。シリコン
単結晶に取り込まれる酸素の量を調整する手段として
は、ルツボ壁からシリコン融液内へ溶出する酸素量を増
減させる方法と、融液の対流を活用して結晶成長界面へ
運ばれる酸素の量を調整する方法とがある。このうち、
直接的にシリコン融液の温度を調整して石英製ルツボか
ら溶出する酸素を制御するのは難しいことから、通常
は、シリコン融液に生じる対流を制御することによっ
て、結晶に取り込まれる酸素のコントロールを行ってい
る。
【0009】ところで、最近は、結晶中の酸素濃度を低
く抑えた、低酸素濃度のシリコン単結晶が多く求められ
る傾向にある。これは、シリコンウエーハに形成される
集積回路の微細化、高密度化にともない、集積回路を作
る際の熱処理等で生じた酸素析出物が、集積回路の特性
に悪影響をおよぼすのを抑制するためであり、結晶中の
酸素濃度を低く保つことによって集積回路を作るウエー
ハの表層に析出物が形成されるのを抑えている。
【0010】また、大型のシリコン単結晶製造装置にお
いては、生産性の向上と単結晶の大直径化、大型化を目
指し、結晶を育成する際にルツボに収容する原料の大容
量化が進められている。しかし、一度に多くの原料をル
ツボに収容するにはルツボ自身も自ずと大きくなり、単
結晶育成時にシリコン融液に溶け出す酸素の量も増え、
大型のシリコン単結晶製造装置では、需要の拡大してい
る低酸素濃度の結晶を引上げ難いという問題があった。
また、ルツボを収容する育成炉本体も大きくなるので効
率よく保温することが難しく、ルツボに収容された融液
の温度を適切な温度に保持するために、ヒータの発熱量
を大きく保ちながら引上げを行なう必要があることか
ら、これも大型機での低酸素濃度の単結晶の引上げを困
難とする一因となっている。加えて、装置の大型化によ
りヒータの発熱量が増加し、原料融液から引上げた単結
晶の冷却雰囲気を所望の状態に安定的に保つことが難し
くなり、グローン−イン欠陥を高精度に制御して低欠陥
結晶を得る操業方法並びに装置の検討も必要とされてい
る。
【0011】本発明の課題は、原料融液から引上げられ
る単結晶の冷却雰囲気を、結晶の育成開始から終了まで
の間適切に保ち、結晶欠陥を高精度に制御したシリコン
単結晶の育成を容易にすると同時に、育成時に原料融液
から単結晶に取り込まれる酸素量の調整範囲を広げ、高
酸素濃度の単結晶から低酸素濃度に渡る多品種の単結晶
を製造できるシリコン単結晶の製造方法とそれに用いる
製造装置とを提供するところにある。特に、本発明の製
造方法並びに装置は、直径200mm以上の、例えば直
径300mmや400mmあるいはそれ以上の低酸素濃
度のシリコン単結晶を育成するのが難しかった大型大直
径のシリコン単結晶を育成する大型機で有効に作用し、
結晶欠陥を高精度に制御すると同時に結晶の酸素濃度の
最適化を図り幅広い品質要求に対応したシリコン単結晶
の製造方法と製造装置とを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために本発明のシリコン単結晶の製造方法
は、ルツボ内のシリコン融液からチョクラルスキー法に
よりシリコン単結晶を引上げ育成・製造する方法であっ
て、ルツボの下方に断熱板を配置するとともに、シリコ
ン単結晶の引上長の増大に伴い断熱板とルツボとの間隔
が拡大するように、該シリコン単結晶の引上げに際して
ルツボを上昇駆動し、かつ断熱板を下降駆動することを
特徴とする。
【0013】また、本発明のシリコン単結晶の製造装置
は、炉本体内にてルツボ周囲に配置されたヒータにより
該ルツボ内のシリコン融液を加熱しつつ、該シリコン融
液からチョクラルスキー法によりシリコン単結晶を引上
げ育成・製造するための装置であって、シリコン単結晶
の引上げ時においてルツボがルツボ上昇機構により上昇
駆動され、炉本体内においてルツボの下方に、断熱板下
降機構によりルツボの上昇駆動に合わせて下降駆動が可
能とされた断熱板が配置されたことを特徴とする。
【0014】上記本発明においては、CZ法によりシリ
コン単結晶を引上げる際に、ルツボ内のシリコン融液面
の位置変動を抑制して得られるシリコン単結晶の径や品
質の安定化を図るため、シリコン単結晶の引上げ進行に
合わせてルツボを上昇させる。この場合、シリコン単結
晶の引上長の増大に伴いシリコン融液の液面位置が予め
定められた範囲内に位置保持されるように、具体的には
ほぼ一定となるように(例えば、種結晶を融液に着液さ
せた液面の絶対位置が、結晶育成中においてほぼ静止す
るように)、ルツボの上昇駆動を行なうことが望まし
い。このような手法は、CZ法によるシリコン単結晶製
造においては常套的なものであるが、本発明において
は、そのルツボの上昇に合わせて、該ルツボの下方に配
置された断熱板を下降させながらシリコン単結晶の引上
げを行なう点に特徴がある。
【0015】一般的に、断熱板がルツボ底部に近接して
いる場合は、その保温効果によりルツボからの酸素溶出
量が増え、結晶中の酸素濃度が下がり難くなる。低欠陥
結晶を育成するためには、ヒータの発熱量を抑える目的
でルツボ周囲の保温効果を高めることは有効であるが、
必要以上に保温効果が高まると結晶の酸素濃度も高酸素
化する傾向を示す。従って、結晶欠陥を制御しつつ低い
酸素濃度の結晶を得るには、目的とする酸素濃度や減っ
たルツボ内の残融液量に合わせてルツボ周囲の保温効果
を弱める必要がある。
【0016】特に、原料融液の量が多い結晶育成初期の
引上軸方向の酸素濃度を下げることは、低欠陥結晶の育
成条件を鑑みると難しいが、ルツボ内の残融液量がある
程度減少した以降で断熱板を徐々に下方へ移動させるこ
とによる低酸素化への影響は大きい。本発明では、断熱
板をルツボと反対方向に移動させながらシリコン単結晶
の引上げを行うようにしたから、引上げ末期に近づくほ
どルツボを保温する効果が軽減され、残融液への酸素溶
出量が減り、より低酸素濃度のシリコン単結晶の育成が
可能となる。
【0017】上記の説明からも明らかなように、断熱板
をルツボと反対方向に移動させることは、育成結晶の酸
素濃度の調整範囲を広げる、特に低酸素側の調整範囲を
広げる上で有効であるが、シリコン単結晶引上げを開始
する際の初期位置の調整により、得られるシリコン単結
晶の酸素濃度や欠陥形成密度を随意にコントロールする
ことも可能である。例えば、同一の製造装置により、酸
素濃度や欠陥形成密度の相違した種々の品種(グレー
ド)のシリコン単結晶を製造する場合、シリコン単結晶
の引上げを開始するに際し、断熱板の高さ方向の初期位
置を製造すべきシリコン単結晶の酸素濃度や欠陥形成密
度等の特性に応じて変更し、当該初期位置から断熱板を
下降駆動しつつシリコン単結晶の育成を行なうことが有
効である。特に、育成結晶の酸素濃度の最適化を図る上
で有効に作用する。
【0018】上記と同様の効果を得るために、例えば、
断熱板の厚みや断熱板の材質を変更することも可能であ
るが、複数の断熱板を準備したり、微妙な調整を行なう
ことが困難な問題もある。しかしながら断熱板初期位置
の変更であれば、断熱板の交換も不要であり、微調整等
にも容易に対応できる。
【0019】断熱板はルツボ周囲の保温効果を高めるた
め、ヒータからの輻射熱を抑え、低欠陥結晶を作り易く
する機能を有するとともに、その配置位置によって、結
晶に取り込まれる酸素の量を変えることができる。そこ
で、断熱板の高さ方向の初期位置を、製造するべきシリ
コン単結晶の酸素濃度に応じて変更することが有効とな
る。
【0020】具体的には、断熱板の高さ方向の初期位置
を、製造するべきシリコン単結晶の酸素濃度が低くなる
ほど、該断熱板表面からルツボの底面までの距離dが大
きくなるように調整することが有効である。断熱板はル
ツボ全体を保温する効果があるため、その保温効果の程
度によってルツボ内壁から溶出する酸素を増加させる作
用も生ずる。従って、ルツボに近い位置に断熱板を配置
すること、すなわち、断熱板とルツボとの距離dを近づ
けることにより、ルツボ全体が高温となってシリコン融
液への酸素供給量が増え、結果として、得られるシリコ
ン単結晶の酸素濃度は高濃度側にシフトさせることがで
きる。また、断熱板とルツボとの距離dを小さくする
と、ヒータからの輻射熱をブロックする効果が高まるの
で、発熱量を抑え、欠陥を抑制したシリコン単結晶を育
成するのに好適な温度雰囲気をより形成し易くなる。
【0021】他方、断熱板とルツボとの距離dが大きく
なると、必然的にルツボ周囲の保温効果が薄れるため、
ルツボから溶出する酸素の総量が減り、得られるシリコ
ン単結晶の酸素濃度は低酸素側にシフトする。この場
合、ルツボの保温効果が低くなるためヒータの発熱量は
増やす必要があり、また、保温効果が薄れることは、ヒ
ータによる局所過熱を助長することになるので、ルツボ
寿命が短くなる側面も有する。従って、該方法は、低酸
素のシリコン単結晶が要望された場合に選択的に実施す
ることが望ましいといえる。
【0022】そして、ルツボの保温効果を調整するため
の断熱板の下方移動は、常に一定の速度で行うことが必
ずしも有利であるとは限らない。例えば、常に一定の速
度で断熱板を降下させる場合、原料融液の残量や操業条
件によっては必要以上に酸素濃度が低下しすぎたり、あ
るいはルツボ周囲の保温降下が弱まり過ぎることでヒー
タの発熱量を過剰にし、低欠陥結晶の育成が難しい環境
を形成してしまう場合もある。このような場合は、断熱
板の下降速度を途中から遅くしたり、条件によっては断
熱板の下降移動を停止させる等、結晶品質に合わせた断
熱板の移動が必要となる。これによって引上軸方向の酸
素濃度を安定させたり、欠陥抑制をより有利に行うこと
ができるようになる。
【0023】同時に、酸素濃度や結晶欠陥を制御する上
では、断熱板の下降移動に加え、原料融液を加熱するヒ
ータもルツボ内の残融液の量によって下方へ移動すれ
ば、引上軸方向の酸素濃度や結晶欠陥を制御する上で幅
の広い制御を行うことも可能となる。特に、残融液の減
少にともないヒータを下方へ移動することは、育成炉本
体上方への輻射熱の軽減を図り低欠陥結晶を育成するに
は適している。但し、断熱板が固定されていると、ヒー
タを下方移動したことによるルツボ下方からの加熱が強
まるので、融液の対流が活発となり結晶は高酸素化の傾
向をたどる。従って、結晶中の酸素濃度を低く保ちなが
ら低欠陥結晶を育成する上では、ヒータと断熱板の双方
を一緒あるいは各々独立して下方移動させながら結晶育
成を行なうのが効果的であり、より幅広い品質のシリコ
ン単結晶の育成を容易に行なうことができるようにな
る。
【0024】なお、前記した特開平5−43383号公
報においては、シリコン単結晶引上げ時において断熱板
位置が固定であるがルツボは上昇駆動されるため、ルツ
ボと断熱板との距離dが、引上長の増大に合わせて広が
る点で、本発明と共通している。しかしながら、この構
成では、当然のことながら、前記距離dの拡大速度はル
ツボの上昇速度と一致した値以外、選択の余地がない。
一般に、断熱板による保温効果は、炉の大きさや炉内構
造物の配置等を考慮して、厚さや材質等も個別に調整さ
れる。従って、ルツボと断熱板との距離dの最適拡大速
度も、炉の仕様及び単結晶引上条件等により全てまちま
ちであり、これがシリコン単結晶の引上速度と一致して
いるべき理由は全く存在しない。
【0025】このように、特開平5−43383号公報
における装置構成では、ルツボと断熱板との距離dの拡
大速度が、シリコン融液の対流制御の観点において最適
化されることは、偶然の一致を除けばありえない。具体
的には、単結晶の引上長が増大してルツボ内の残融液が
減少した場合、残融液単位体積あたりに分配されるヒー
タからの入熱量の増大と、断熱板による保温効果増大と
の、2つの因子が重畳して作用するため、ルツボの上昇
のみを行なう特開平5−43383号公報の方式では、
距離dの拡大速度が不足しがちであり、断熱板の保温効
果に基づいて酸素濃度の制御を行なうことが本質的に困
難である。
【0026】これに対し、本発明においては、ルツボの
上昇速度に断熱板の降下速度が加算されるため、前記距
離dの拡大速度を、ルツボの保温効果を用いた酸素濃度
制御を行なう上で十分な程度に活用できる。さらに、ル
ツボの上昇速度が固定されていても断熱板の降下速度は
自由に設定できるため、前記距離dの拡大速度を常に最
適化できる利点がある。これにより、単結晶育成開始前
の断熱板の位置と、結晶育成中の断熱板の降下速度を適
切に保つことができ、より低い酸素濃度の結晶を引上げ
ることができる。
【0027】この場合、その最適化された距離dの拡大
速度は実験的に決定することが可能である。例えば、距
離dの拡大速度を、断熱板の下降速度の変更により種々
に設定して、得られるシリコン単結晶の引上軸方向の酸
素濃度分布あるいは結晶欠陥密度の測定を行ない、許容
範囲の酸素濃度分布あるいは結晶欠陥密度(さらには分
布)が得られる断熱板の下降速度の範囲を決定すること
が可能である。また、このような目的に特化された実験
を、生産ラインにおいてシリコン単結晶の製造操業の合
間に行なう余裕がない場合は、次のような方法も可能で
ある。すなわち、断熱板の下降速度と得られるシリコン
単結晶の酸素濃度分布及び/又は欠陥分布のとの関係
を、過去のシリコン単結晶の引上げ実績に基づいて求め
ておき、その結果に基づいて、以降に引上げるシリコン
単結晶の酸素濃度分布及び/又は欠陥分布が予め定めら
れた目標状態に近づくように、断熱板の下降速度を補正
する。この方法によれば、操業の継続に伴い、製造装置
や原料の状態などが変動した場合でも、実績補正により
常に最適条件を維持できる利点も生ずる。なお、断熱板
の下降速度の補正は、酸素濃度分布及び/又は欠陥分布
の補正が特に必要となるシリコン単結晶の引上げ区間に
限って部分的に行なうことも可能である。この場合、そ
れ以外の区間で断熱板の下降を行なうのであれば、該補
正区間において断熱板の下降を停止する、もしくは上昇
に転じさせることを妨げない。
【0028】なお、本発明においては、ルツボ内のシリ
コン融液を、該ルツボの周囲に配設されたヒータにより
加熱するとともに、ヒータも単結晶育成時に下降移動す
ることができる。前記した通り、シリコン単結晶の引上
条件によっては引上軸方向の結晶酸素濃度が過剰に低下
してしまう場合もある。特に、断熱板を下方移動するよ
うな操業条件を選択した場合、単結晶育成の後半では断
熱板とルツボの距離dが大きくなり、過剰に酸素濃度が
低下する傾向がある。そこで、残融液が少なくなるとと
もにヒータを下方移動させ、シリコン融液を下方から加
熱するようにすれば、融液の熱対流を積極的に利用して
酸素濃度が低下しないよう調整することが一層容易とな
る。そして、このようなヒータの下降移動は、シリコン
融液が少なくなった時に育成結晶上方への輻射熱を弱め
る働きも有するので、欠陥密度を高精度に制御したシリ
コン単結晶を育成する際に、効果的な操業条件を形成し
やすくなる。
【0029】なお、ヒータの下降移動は断熱板と同期し
て下降移動させるようにしてもいいし、ヒータと断熱板
それぞれに下降移動機構を設け、所望の酸素濃度が得ら
れるようにそれぞれを個別に下降移動させるようにして
もよい。すなわち、結晶の引上軸方向の酸素濃度分布を
見て、移動の有無、移動量等を適宜選択すればよい。
【0030】そして、本発明の方法は、20ppma
(ASTM(1979年):F−121規格での値)を
下回るような低酸素濃度の単結晶を引上げる場合に有効
である。例えば、単結晶育成初期において断熱板の初期
位置を調整することにより、単結晶の前半での酸素濃度
を決め、その状態で単結晶の成長とともに断熱板を降下
させれば、それ以降の結晶定径部をより低酸素濃度のシ
リコン単結晶あるいは単結晶部位を得ることができる。
これを、融液を加熱するヒータの下降移動等の他の操業
条件と組合わせることで、低酸素で引上軸方向に酸素濃
度の安定した結晶を得られるものである。なお、低酸素
のシリコン単結晶を育成する場合は、単結晶育成を開始
する際の断熱板とルツボとの距離dを広く設定すればよ
いし、ある程度高酸素濃度のシリコン単結晶を育成する
のであれば、距離dが小さくなるように断熱板初期位置
を調整して単結晶を育成すればよい。
【0031】また、ルツボの回転速度のみに頼った酸素
濃度の調整方法よりも、操業条件の選択の幅が広がると
ともに、ルツボから溶出する酸素を直接的に制御できる
ようになるため、より広い範囲で酸素濃度を制御するこ
とが可能となる。具体的には、ヒータが上方にある時に
は断熱板の効果によりルツボ周囲の保温効果が高めら
れ、輻射熱の影響が抑制される一方、残融液量が少なく
なった場合にはヒータを下方へ移動することで、炉上方
への輻射熱が軽減されるので、炉本体上部の雰囲気温度
を低下させることができる。その結果、結晶に導入され
るグローン−イン欠陥を、結晶全長にわたってより高精
度に制御することが可能となる。
【0032】なお、ヒータ(特に、ヒータの発熱中心)
とシリコン融液面との相対位置や、ヒータ発熱量の調整
のみに頼ってシリコン融液の熱対流を制御しようとする
と、ルツボに局所的な加熱による負荷が加わり耐久性が
損なわれやすい。また、ヒータからの輻射熱も増加し、
結晶の冷却を阻害することになるので引上速度が遅くな
り、結果として単結晶の生産性を落すことにもつなが
る。これに対し、本発明のように、ヒータを下方に移動
させることに加え、断熱板もこれに合わせて下降させる
ことにより、より好適な温度分布ひいては単結晶の製造
条件に適した温度雰囲気が得やすくなり、品質の安定し
た製品が製造できるようになる。例えば、断熱板の下降
を行なわなかった場合は、シリコン融液が少なくなって
もルツボ全体が高温にさらされることになるため、ルツ
ボの耐久性を弱めることにつながる。これは、例えばル
ツボに多結晶原料を再充填して、複数本のシリコン単結
晶を一つのルツボから引上げる多重引上法(Multiple
CZ method)を用いた製造や、製造時間の長い大直径
結晶の製造では不利に作用する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
添付図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るシ
リコン単結晶の製造装置の一実施形態を示す概略断面図
である。図1に示されるシリコン単結晶の製造装置50
は、シリコン融液4を収容する育成炉本体1と、育成炉
本体1に連接してシリコン融液4から引上げられたシリ
コン単結晶を保持し取り出すための上部育成炉2より構
成される。
【0034】育成炉本体1の内部中心付近には、シリコ
ン融液4を収容したルツボ12が配置され、ルツボ12
の周りに備えられたヒータ7を発熱させることで原料を
融解し、高温の融液として保持している。育成する単結
晶3がシリコン単結晶である場合は、原料融液(図1で
はシリコン融液4)を直接保持するルツボは石英製ルツ
ボ12aであり、この石英製ルツボ12aは高温で軟化
し、また脆く壊れやすいため石英製ルツボ12aの外側
は黒鉛製ルツボ12bで覆われている。そして、CZ法
による単結晶の育成では、該ルツボ12と単結晶3を回
転させながら結晶を成長させることから、この黒鉛製ル
ツボ12bの下部にはルツボ支持軸19が取り付けら
れ、育成炉本体1の外側下部に取り付けられたルツボ上
昇機構40によって、上下動かつ回転動自在とされてい
る。また、単結晶育成時には、結晶品質を所望のものと
するため、シリコン融液4面を一定に保って操業を行っ
た方が好ましいものであることから、このルツボ上昇機
構40によってシリコン融液4面を所望の位置に保持で
きる機構とされている。該ルツボ上昇機構40は、ルツ
ボ支持軸19の昇降駆動用のサーボモータ40a(図4
〜図6)を有し、位置検出用のパルスジェネレータ(P
G)41が取り付けられている。
【0035】一方、ヒータ7と育成炉本体1の炉壁の間
には、ヒータ7による高温の輻射熱から炉壁を保護し、
育成炉本体1の内部を効率良く保温するために側部断熱
材8が設けられ、また育成炉本体1の底部にも、高温の
輻射熱からの炉壁保護と、育成炉本体1内部の保温さら
に、シリコン融液4がルツボ12から流出した際に、育
成炉本体1の外に流出しないようシリコン融液4を保持
することを目的として底部断熱材5が備えられている。
さらに、上記底部断熱材5とヒータ7のと間において、
ルツボ12の、ヒータ7から育成炉本体1下部に輻射さ
れる熱を遮蔽するための断熱板20を設けている。図1
に示すように、断熱板20は断熱板下降機構6により昇
降駆動され、単結晶3を引上げるに際しては、ルツボ1
2とは逆方向、つまり下降駆動することが可能とされて
いる。
【0036】断熱板20は、図2(a)に示すように、
断熱性の高い炭素繊維製の本体部20bを有するものと
して構成できる。なお、該本体部20bを構成する炭素
繊維製の断熱材としては、炭素繊維をフェルトやクロス
状に加工したもの、あるいは炭素繊維を成形して所望の
形状とした成形断熱材等が挙げられる。ここでは、該本
体部20bを貫通するボルト20tを絶縁体31にねじ
込むことで断熱板20の固定を図っている。また、図2
(b)〜(e)に示すように、断熱板20は、炭素繊維
からなる本体部20bと、その本体部20bの少なくと
もルツボ12(図1)の底面に面する表面を覆う該本体
部20bよりも高密度の黒鉛被覆層20cとを有するも
のとして構成できる。図1に示すように、断熱板20は
育成炉本体1の下部に配置されているため、例えばシリ
コン単結晶の引上げにおいては、ルツボ12内のシリコ
ン融液4から蒸発した酸化物が、上方から流れ下る不活
性ガスにより運ばれ付着しやすく、炭素繊維からなる本
体部20bが露出している場合は、この付着により劣化
を早めたり、断熱効果が損なわれたりする問題を生ずる
ことがある。そこで、図2に示すように、このような蒸
発物の付着が懸念される本体部20bの少なくともルツ
ボ底面に面する表面を黒鉛被覆層20cにて覆うことに
より、このような問題を効果的に解決することができ
る。該黒鉛被膜層20cを構成する材料としては、黒鉛
材、好ましくは等方性黒鉛材を用いるのが良いが、押出
し成形や型押し成形等を用いて製造された異方性黒鉛材
を用いても良い。ただし、該黒鉛被膜層20cは、シリ
コン融液から蒸発したシリコンや高速の不活性ガスによ
る侵食を受けるため、高強度でありシリコン等の侵食に
強い冷間静水圧成形により成形製造された等方性黒鉛を
用いるのが好適である。なお、炭素繊維からなる本体部
20bは機械的強度がそれほど高くなく変形にも弱いた
め、(d)や(e)に示すように、該本体部20bの上
下を黒鉛被覆層20cで挟んだ3層構造とすることがよ
り望ましい。また、製造装置50は、長時間の操業を終
えた後で、育成炉本体1や上部育成炉2の内部を解体
し、炉壁、各断熱材、ヒータやルツボ等に付着した酸化
物を除去する作業を行なう必要がある。上記のような3
層構造は、このようなメンテナンス作業を容易にする観
点においても有効である。また、図2(c)及び(e)
は、本体部20bの側面も黒鉛被覆層20cで覆った例
である。
【0037】また、上述したように、断熱板20は上方
から高速で下流する不活性ガスの通り道に配置されるた
め、蒸発物の付着が激しく浸食も速い。特に、断熱板の
上面は、直接、下流する不活性ガスに曝されるために、
下面に比べ劣化が速い、そこで、断熱板20の構造を図
2(d)や(e)の構造とし、同時に劣化の度合いに応
じて断熱板20の上下を反転して使用できるようにして
おけば、高価な部材である断熱板を長時間に渡って使用
できるようになり効率的である。なお、図1に示す製造
装置50では、図2(d)の構造の断熱板20を用いて
いる。
【0038】本発明のシリコン単結晶の製造装置50で
は、断熱板20とヒータ7には上下動する機構が備えら
れている。本実施形態では、断熱板20とヒータ7と
が、独立した下降機構6、106により別体に駆動され
る。断熱板20は、その下部に断熱板支持軸21が設け
られ、育成炉本体1の外部下方に配置された断熱板下降
機構6により、操業条件に応じて下方向への移動ができ
るものとされている。断熱板下降機構6は、具体的には
昇降ベース22を有し、これに螺合するねじ軸23を、
サーボモータ24(位置検出用のパルスジェネレータ
(PG)25が取り付けられている)により回転駆動す
ることにより下降可能とされている。また、ベース26
にはヒータ7のみが取り付けられ、断熱板下降機構6と
同様のサーボモータ29(30は位置検出用のPGであ
る)、ネジ軸28等からなるヒータ下降機構106によ
り下降駆動される。なお、育成炉のメンテナンス時等に
は、断熱板及びヒータを上昇動させることができる。こ
の場合、各下降機構6,106は、駆動部(本実施形態
では、ねじ軸とこれを回転させるサーボモータ)を逆転
作動させることにより、上昇機構として流用する。
【0039】ヒータ7は、電極軸27の下端に接続され
た電源部(不図示)から電源が供給されることにより発
熱する。なお、図8に示すシリコン単結晶の製造装置5
0では、図1のベース26にヒータ7と断熱板20とを
取り付けることにより共通ベース26とし、該共通ベー
ス26と断熱板20との間、及び電極軸27と昇降ベー
ス22との間には絶縁体31B及び31Aがそれぞれ配
置され、ヒータ7への供給電流が断熱板20あるいは昇
降ベース22側へ流れないようにしている。該絶縁体3
1B及び31Aを構成する材料としては、炉内の高温に
耐え得る一定の強度が必要とされることから、酸化アル
ミニウム(Al)や石英ガラス等の部材を用いる
のが良い。
【0040】また、上述のヒータ7と断熱板20の移動
は、手動操作により単結晶の成長に合わせ作業者が行っ
ても好ましいものであるが、長時間にわたる単結晶の育
成においては、作業負担の軽減や結晶品質の安定を図る
上では、自動で制御が行われるようにした方がより好ま
しい。例えば、ヒータ7と断熱板20の移動は、図4に
示すように、コンピュータ200により、記憶装置20
5に記憶された制御パターンデータベースを用いた制御
プログラムの実行により自動制御することが可能であ
る。さらには、単結晶3の育成時においては、結晶品質
を所望の値とするために、シリコン融液面を一定に保持
したり、育成炉本体部1内の圧力や不活性ガスの量を調
整したりすることができる。これら諸条件も勘案して、
ヒータ7及び断熱板20の位置を制御できるようにする
ことも可能である。例えば、炉内圧を検出する圧力セン
サや不活性ガス流量センサ、単結晶の引上長を計測する
位置センサ等をシリコン単結晶の製造装置50に設けて
おき、制御パターンデータベースが与えるこれらセンサ
の計測値をパラメータとした操業条件との比較により、
ルツボ12や単結晶3の回転速度、断熱板20、シリコ
ン融液4面、ヒータ7の各位置、炉内圧力、不活性ガス
量等の各値を調整することができる。
【0041】また、図3に示すように、ヒータ7は、ル
ツボ周囲に配置される円筒状の抵抗発熱エレメント7b
を含み、該抵抗発熱エレメント7bは、上端縁から高さ
方向中間位置まで下向きに伸びる第一スリット7cと、
同じく下端縁から高さ方向中間位置まで上向きに伸びる
第二スリット7dとを、前記周方向において所定の間隔
で交互に配置することによりつづら折れ形状の通電経路
が形成されたものを使用することができる。抵抗発熱エ
レメント7bへの通電は、上記通電経路の両端に設けら
れたヒータ電極134により行なうことができる。この
ようなヒータ7は、第一スリット7cと第二スリット7
dとの高さ方向における重なり区間7aの略中央位置
が、発熱量が最も高い発熱中心を形成し、該位置から高
さ方向に離れるに従って、徐々に発熱量が減少する発熱
分布を有する。このような特性のヒータを用いる場合、
必要以上にヒータの出力を上げると、発熱中心で局所的
にルツボが加熱されることになり、ルツボ劣化を早め、
結晶にスリップ転位が形成されやすくなるなどの不具合
につながる。特に、大直径長尺結晶の育成や結晶内のグ
ローン−イン欠陥を極力抑制した高品質結晶の生産で
は、結晶引上速度を小さく設定せざるを得ないので長時
間に及ぶ製造となり、ルツボの局所加熱による影響を受
けやすい問題がある。そこで、本発明のように、断熱板
をルツボの下方に設け、適切に位置を変化させることで
ヒータ出力を抑制できるようにすれば、上記のような不
具合を生じにくくすることができる。
【0042】図1に戻り、育成炉本体1の底部には、単
結晶育成時に炉内をアルゴン(Ar)等の不活性ガスで
満たして操業を行なう必要があることから、育成炉本体
に流通する不活性ガスを炉外へと排出するための排ガス
管9が接続されており、さらにこの排ガス管9には育成
炉本体1内部の圧力を所望の値に保って単結晶育成を行
なうことができるよう、炉内圧制御装置9aが取り付け
られている。操業時は、この炉内圧制御装置9aによっ
て、単結晶育成に適した圧力に炉内を調整している。
【0043】一方、育成炉本体1の天井部付近には、ヒ
ータ7等からの輻射熱を遮り、シリコン融液4より引上
げられた単結晶3を効率よく冷却するための結晶冷却筒
13が備えられ、その先端にはシリコン融液4からの輻
射熱を遮蔽し、蒸発物を適切に炉外へと排出する等のた
めに、断熱リング14が取り付けられている場合もあ
る。この断熱リング14や結晶冷却筒13は、育成する
単結晶の冷却速度、即ち結晶引上軸方向の温度勾配を調
整するために取り付けられているものであり、育成する
単結晶の品質や操業条件に合わせて、他の構造を有する
ものを配置しても良いし、特に設置しない構成としても
よい。
【0044】また、上部育成炉2の天井部には、単結晶
3を引上げるためのワイヤ18を巻き出し巻き取る非図
示のワイヤ巻き取り機構があり、ワイヤ巻き取り機構か
ら巻き出されたワイヤ18の先端には、種結晶17を保
持するための種ホルダー18aが係止されている。単結
晶3を育成する際には、ワイヤ巻き取り機構からワイヤ
18を巻き出し、種結晶17の先端部をシリコン融液4
面に着液して静かに巻き上げることにより、種結晶17
の下方に単結晶3を育成するものである。さらに、上部
育成炉2には、炉内に不活性ガスを導入するためのガス
供給管10があり、ガス供給管10に取り付けられてい
るガス流量制御装置60によって、炉内に導入する不活
性ガス量を調整できる機構とされている。
【0045】図4は、製造装置50の電気的な構成の一
例を示すブロック図である。駆動制御部200は出入力
インターフェース201、制御の主体となるCPU20
2、制御プログラムを格納したROM204及び制御プ
ログラム実行のワークエリアとなるRAM203を有し
たコンピュータ(以下、制御コンピュータ200ともい
う)にて構成されている。出入力インターフェース20
1には、シリコン単結晶製造の制御パターンデータベー
スを記憶したハードディスクドライブ等の記憶装置20
5と、制御情報の入出力等を行なうためのモニタ206
及びマウスやキーボード等の入力部207が設けられて
いる。制御パターンデータベースは、例えばシリコン単
結晶の製造種別特定データ、例えば製造品番と制御パタ
ーンデータ(動作スケジュールパターン)とが互いに対
応付けた形で記憶されており、入力部207により製造
種別特定データを入力(ないし、モニタ206に表示さ
れた品番リストからのマウスクリック等による選択)に
より、対応するものが読み出されて使用される。
【0046】他方、制御コンピュータ200には、ルツ
ボ上昇機構40及び断熱板下降機構6の駆動用のサーボ
モータ40a及び24が、それぞれサーボコントローラ
214及び210を介して接続されている。また、ルツ
ボ12及び断熱板20の現在位置を検出する位置検出セ
ンサとしてのパルスジェネレータ(PG)41及び25
がそれぞれパルスカウンタ212,208を介して接続
されている。これらPG41,25は、本実施例ではい
ずれもサーボモータ40a,24の回転軸の回転を検出
する回転センサとしてのロータリーエンコーダが用いら
れているが、これに限られるものではなく、例えばルツ
ボ12及び断熱板20の位置を直接検出するリニアエン
コーダ等で構成してもよい。
【0047】本実施例では、PG41,25は、サーボ
モータ40a及び24の回転速度検出部の役割を兼ねて
おり、それらのパルス出力に基づいてモータ回転速度を
演算する速度演算部213,209に入力されている。
そして、各サーボコントローラ214,210は、制御
コンピュータ200からD/A変換器215,211を
介して入力される各モータの速度指示値を受け、速度演
算部213,209からのモータの現在速度値を参照し
て、サーボモータ40a,24を指示値通りの回転速度
となるようにフィードバック制御する役割を果たす。
【0048】以下、制御プログラム(図4)による製造
装置50の動作について説明する。まず、断熱板20と
ルツボ12とを原料仕込み位置に位置させた状態として
おく。この状態でルツボ12内に原料を仕込み、育成炉
本体1のチャンバーを閉塞する。次いで、制御パターン
選択のため、製造品番を入力する。そして、その入力さ
れた製造品番に対応する制御パターンデータがデータベ
ースから読み出されて、RAM203(図4)にロード
される。制御パターンデータは、初期ルツボ位置YC0、
初期断熱板位置YM0、ルツボ上昇速度VC、断熱板下降
速度VM、ヒータ下降速度VH、ルツボ停止位置YCt、断
熱板停止位置YMt、ヒータ停止位置YHt等を含む。ルツ
ボ移動速度VC、断熱板移動速度VM及びヒータ下降速度
VHは一定値をセットしてもよいし、時間的に変化させ
る必要があるときは、各時刻の速度値データとして与え
ることができる。なお、時刻計測は、例えば図示しない
クロック回路からのクロックパルスを直接受けてカウン
トアップするクロックタイマーカウンタ199により計
測できる。
【0049】次いで、ルツボ12、断熱板20及びヒー
タ7を、それぞれ対応する下降機構の動作により、初期
位置YC0、YM0及びYH0へ移動・位置決めする。ルツボ
12の初期位置YC0は、単結晶育成開始時の融液量(以
下、初期融液量という)とルツボ寸法とから見積もられ
る、初期融液深さから予測される初期液面位置が、予め
定められた保持液面位置LAと一致するように定められ
る。
【0050】また、断熱板20の初期位置YM0は、「課
題を解決するための手段及び作用・効果」の欄でも詳し
く説明した通り、得るべきシリコン単結晶のグレード
(品種)、具体的には酸素濃度及び欠陥形成密度の水準
に応じて、個別に定められた値に設定される。特に、低
酸素濃度のシリコン単結晶が求められる場合にはルツボ
12と断熱板20との距離dが大きくなるようにYMOが
設定される。逆に高酸素濃度あるいは低欠陥密度の単結
晶を効率よく生産する場合には、該距離dが小さくなる
ようにYMOが設定される。前記距離dは、YC0−YM0に
対応するものであるが、例えばYC0が一定に設定される
場合は、dが増大するほど、つまり、求められる酸素濃
度が小さくなるほど、YMOは小さく設定される(すなわ
ち、断熱板初期位置が低く設定される)。
【0051】また、初期融液量は、例えば空のルツボに
多結晶シリコン原料を所定量投入して溶融させた場合に
は、投入した多結晶シリコン原料の量に略等しくなる。
初期融液量を確保するために必要な量の多結晶シリコン
原料を一括溶融することが困難な場合は、投入原料を複
数のバッチに分割し、先のバッチの溶融が完了したら次
のバッチを投入する形で、逐次的に溶融を行なうことも
できる。他方、1つのルツボから複数本の単結晶を引上
げる多重引上法等、単結晶引上げ完了後に、残融液に多
結晶シリコン原料を追加投入して、全体として初期融液
量が確保されるようにしてもよい。
【0052】そして、育成炉1内を不活性ガスで満たし
た後に真空減圧し、この状態でヒータ7によりルツボ1
2内の原料の加熱を開始する。原料が溶解して融液温度
が目標値に達したら、シリコン単結晶の引上工程に移
る。シリコン単結晶3の育成は、以下のようにして実施
される。まず、図1に示すように、ワイヤ18(前述の
通り、上部育成炉2の上方に位置するワイヤ巻上げ機構
から巻き出されたものである)の先端の種ホルダ18a
に種結晶17を取り付けておく。そして、原料の溶融が
完了したら、ワイヤ18を静かに巻き出して種結晶17
の先端をシリコン融液4に着液させ、回転させながら静
かにワイヤ18を巻き取ることによって、種結晶17の
先端に単結晶3を育成させていく。このとき、ルツボ1
2は育成している結晶と反対方向に回転させているが、
シリコン単結晶中に導入される酸素量を所望の値とする
ために、ルツボ12の回転を適宜調整して、ルツボ12
の内側にある石英ルツボからの酸素の溶出速度を制御し
ている。また、育成中の結晶直径を一定に保つために融
液面を常に一定位置に保持する必要があるので、結晶が
引上げられたことにより融液面が下がった分だけルツボ
12をルツボ上昇機構40により押し上げ、融液面を常
に一定に保つようにする。
【0053】そして、シリコン単結晶3の引上げが進行
するに伴い、ルツボ12内の融液量すなわち融液深さH
Lは減少する。ここで、ルツボ12の位置を固定したま
までは液面が次第に低下するから、これを相殺するため
に、見込まれる液面低下速度と同じ速度VCにてルツボ
12をルツボ上昇機構40により上昇させている。他
方、断熱板20及びヒータ7は、下降機構6及び106
により、ルツボ12の上昇に合わせて独立に下降駆動さ
れる。
【0054】図4のブロック図の構成では、駆動制御部
たる制御コンピュータ200は、ルツボ12と断熱板2
0とを上昇・下降させる際に、個別に定められた動作ス
ケジュールパターンに基づいてルツボ上昇機構40と断
熱板及びヒータの下降機構6、106を昇降駆動制御す
るようにしている。つまり、速度指示値として、ルツボ
駆動用のサーボモータ40aに対しては、そのサーボコ
ントローラ214に対し、ルツボ上昇速度VCを指令
し、断熱板駆動用のサーボモータ24に対しては、その
サーボコントローラ210に対し断熱板下降速度VM
を、さらにヒータ駆動用のサーボモータ29に対しては
ヒータ下降速度VH指令するようにしている。なお、図
4、図5及び図6では、サーボモータ24及び29の制
御系(図4ではパルスカウンタ208、速度演算部20
9、サーボコントローラ210及びD/A変換器21
1;図5では、速度演算部209、サーボコントローラ
210、速度指示値変換部220;図6では、速度演算
部209及び213、サーボコントローラ210)は、
サーボモータ24及び29を独立駆動するために個別に
設けられるものであるが、図では簡略化のため共通に描
いている。
【0055】ルツボ12と断熱板20との上昇・下降駆
動制御は、単結晶の引上げが終了し、ルツボ12、断熱
板20及びヒータ7が停止位置YCt、YMt及びYHtに到
達するまで継続される。停止位置YCt、YMt及びYHtに
到達すれば、上昇・下降機構40,6,106によるル
ツボ12の上昇駆動あるいは断熱板20及びヒータ7の
下降動作を停止する。停止位置に到達したか否かは、図
4の各パルスカウンタから出力されているPG41,2
5,30のパルスカウント値が、停止位置YCt、YMt及
びYHtに対応する値に到達したか否かにより知ることが
できる。そして、単結晶の切り離しを行ない、ヒータに
よる加熱を停止して炉内を冷却し、その冷却を完了すれ
ば断熱板20を待避位置へ移動させる。そして、ルツボ
12を解体位置へ移動させ、チャンバーを開放してメン
テナンス作業に入る。
【0056】なお、断熱板20(あるいはヒータ7;こ
こでは断熱板20にて代表させる)の下降は、図7
(a)に示すように、時間とともに連続的に位置変化さ
せる形で行なうことができる。このようにすれば、刻々
変化する目標位置を断熱板20が精密に追跡しつつ移動
する形になるので、断熱板20を最適位置に保持する効
果が一層高められる形となる。他方、図7(b)に示す
ように、断熱板20を時間とともに段階的に位置変化さ
せる形で行なうこともできる。例えば、融液中の最適位
置が実質的には一定の幅を持って存在しており、断熱板
20が最適位置から多少ずれても、温度分布制御効果に
は大きな変動を生じないと考えられる。そこで、その最
適位置の幅に対応した移動幅により、断熱板20の位置
を段階的に変更する方式を採用することが可能である。
【0057】以下、上記単結晶製造装置50の制御形態
の、種々の変形例について説明する。まず、図4のブロ
ック図による構成では、ルツボ12、断熱板20及びヒ
ータ7の移動速度(すなわち、サーボモータ40a,2
4,29の回転速度)を制御パラメータとする形で、制
御パターンデータを与えていたが、ルツボ12、断熱板
20及びヒータ7の刻々変化する目標位置そのものを制
御パラメータとする形で、制御パターンデータを与えて
もよい。この場合、現在の断熱板20及びヒータ7の位
置が目標位置よりも高ければ断熱板20及びヒータ7の
移動速度を増加させる制御を行ない、目標位置よりも低
ければ移動速度を逆に減少させる制御を行なうことがで
きる。この場合、現在の断熱板20及びヒータ7の位置
の目標位置からの隔たりに応じて、断熱板20及びヒー
タ7の移動速度の増加分ないし減少分を調整すること、
具体的には目標位置からの隔たりが大きくなるほど、移
動速度の増加分ないし減少分を大きくする制御を行なう
ことができる。
【0058】また、刻々変化する目標位置は、時刻毎に
固定的に定めてもよいが、前述のように、最適位置に幅
が存在することを考慮して、一定の幅を持たせて設定す
ることも可能である。この場合、断熱板20及びヒータ
7の移動方向において、上限位置と下限位置とを有した
目標位置区間を時刻毎に設定し、例えば断熱板位置が上
限位置よりも上側に外れていれば断熱板の移動を加速
し、逆に下限位置よりも下側に外れていれば断熱板の移
動を減速する制御を行なうことができる。また、目標位
置区間内に断熱板位置が存在する場合は、移動速度を一
定に保持するように制御を行なうことができる。このよ
うにすると、目標位置区間が制御上一種の不感帯の役割
を果たし、制御の安定化を図ることができる。
【0059】なお、制御パターンデータを、移動速度を
制御パラメータとする形で用意しておき、これを制御用
コンピュータ200にて、時刻毎の位置情報に変換して
出力するようにしてもよい。
【0060】また、図4のブロック図の構成では、ルツ
ボ12、断熱板20及びヒータ7を、個別に定められた
動作スケジュールパターンに基づいて上昇あるいは下降
駆動制御していたが、ルツボ上昇速度VCと断熱板下降
速度VM及びヒータ下降速度VHとの間に一定の関係が成
り立っている場合には、共通に定められた動作スケジュ
ールパターンに基づいてルツボ上昇機構40と断熱板下
降機構6とを上昇あるいは下降駆動制御するようにして
もよい。例えば速度を制御パラメータとして使用する場
合は、図5に示すように、共通速度指示パラメータVG
を、速度指示値変換部(演算増幅器等により簡単に構成
できる)220,221にて、断熱板下降機構6側とル
ツボ上昇機構40側とにてそれぞれ必要とされる速度指
示値VM,VC,VHに変換して、各サーボコントローラ
に与えるようにする。この場合、制御コンピュータ20
0では、停止制御等のために、断熱板20、ヒータ7及
びルツボ12のいずれかの位置だけをモニタするように
構成することができる。なお、位置を制御パラメータと
して用いる場合は、速度指示値変換部220,221を
位置指示値変換部に変更すればよい。
【0061】さらに、図6に示すように、ルツボ12内
の液面位置を検出してこれが一定となるように、ルツボ
上昇機構40、断熱板下降機構6及びヒータ下降機構1
06の作動をフィードバック制御することもできる。す
なわち、液面センサ45(これは、例えば育成炉本体1
に設けられた観察窓から液面を撮影するカメラ等により
構成できるが、周知技術であるので図示及び詳細な説明
は省略する)からの出力を解析回路230にて解析する
ことにより液面位置出力を生成し、これを制御コンピュ
ータ200からの液面指示値(一定値とされる)と比較
部231(差動増幅器にて構成できる)に入力する。比
較部231は、液面位置のずれ量に応じて速度指示値信
号を生成し、ルツボ上昇機構40のサーボコントローラ
214にこれを出力する。サーボモータ40aの回転速
度を検出するPG41のパルス出力は、速度演算部21
3において現在速度値に変換され、サーボコントローラ
214に入力される。サーボコントローラ214は、比
較部231から指示された速度指示値に現在速度値が近
づくように、サーボモータ40aの回転速度を調整す
る。これによりルツボ12の上昇速度は、液面位置が一
定となるように調整される。
【0062】次に、ルツボ12の現在上昇速度を示す速
度演算部213の出力は、断熱板20及びヒータ7をこ
れに従って移動させるために、断熱板下降機構6(及び
ヒータ下降機構106)側のサーボコントローラ210
にも速度指示値として分配される。サーボコントローラ
210は、PG25(30)からの出力から速度演算部
209が演算した、断熱板下降機構6(及びヒータ下降
機構106)側のサーボモータ24(29)の現在回転
速度が、速度演算部213からの速度指示値に近づくよ
うに、サーボモータ24(29)の回転速度を調整す
る。これにより断熱板20(ヒータ7)の下降速度は、
ルツボ12の前述の目標位置に追従するように調整され
る。なお、ルツボ12や断熱板20(ヒータ7)の停止
を指令するために、ルツボ12及び断熱板20(ヒータ
7)の少なくともいずれか、ここではルツボ12の現在
位置が、ルツボ上昇機構40側のPG41からのパルス
をパルスカウンタ212によりカウントすることでモニ
タされ、そのカウンタ出力を参照して制御コンピュータ
200は停止指示信号を出力する。この信号は、現在位
置を示すカウンタ212の出力とともに制御信号発生部
233に入力される。両信号が一致すれば、制御信号発
生部233が各サーボコントローラ214,210に停
止信号を出力し、各サーボコントローラ214,210
はこれを受けて各サーボモータ40a及び24(29)
の動作を停止させる。
【0063】なお、断熱板20を下降駆動させる方法と
しては、図8に示すように、ヒータ7と断熱板20とを
一体化し、共通の下降機構により下降させるようにして
もよい。図8においては、電極軸27の上端に設けられ
た共通ベース26にヒータ7と断熱板20とが一体的に
取り付けられ、他方電極軸27の下端には昇降ベース2
2が取り付けられている。そして、断熱板下降機構6
(図1に示すものと同様に構成できる)は、その昇降ベ
ース22を下降駆動するものとされている。さらに、断
熱板20の下降により、シリコン単結晶3の引上げ後半
におけるシリコン融液4の対流促進効果が十分に見込ま
れる場合は、ヒータ7を位置固定とし、断熱板20のみ
を下降させる構成としてもよい。
【0064】
【実施例】以下に、本発明の効果を確認するために行な
った実験結果について説明する。 (実験1)図1に示すシリコン単結晶の製造装置に口径
が600mmの石英製ルツボを入れ、このルツボに多結
晶原料を150kg仕込んだ後に加熱溶融して融液とし
た。そして、種結晶とルツボを回転させつつ融液表面に
静かに種結晶を接融させ、融液温度が安定したところで
種結晶を融液上方に引上げることによって、引上軸方向
の方位が<100>で結晶定径部の直径が200mmの
シリコン単結晶を育成した。なお、製造装置のヒータに
は、無駄な局所加熱による輻射熱の増加を避け、石英製
ルツボの側壁が均一に加熱されること及び結晶欠陥を抑
制した結晶を引上げやすくするために、ヒータとしては
比較的スリット長7aの長い240mmの黒鉛製ヒータ
を用いている。また、結晶の引上げを開始する時点での
ルツボ底面と断熱板上面との距離dは、低欠陥結晶を得
易くするため、約20cm離した位置を初期値とし、そ
の後、融液面を結晶引上げ開始時点の種結晶着液位置に
一定に保つためしだいにルツボを上昇させながら単結晶
育成を行なった。
【0065】また、結晶を育成するにあたっては、ヒー
タと断熱板の移動は行なわず、結晶の引上げ開始から終
了まで同じ位置に固定して製造を行った。この時、結晶
の引上速度は、グローンーイン欠陥を抑制した低欠陥結
晶とするために、先端から100mmの間を除いた単結
晶定径部の引上速度が、0.49〜0.47mm/mi
nの範囲に入るように調整した。
【0066】次に、引上げられたシリコン単結晶を円筒
研削し、品質測定用のサンプルウエーハを切り出してウ
エーハ中心部の酸素濃度を測定した。測定結果は、図9
(実験1)に示す通りであり、結晶引上軸中心の酸素濃
度は、成長が進むのに従って19ppma近くまでしだ
いに低下する傾向を示し、引上軸方向にそって安定した
酸素濃度の単結晶は得られなかった。なお、図9に示し
た酸素濃度の値は、結晶定径部の種側先端100mmを
除いた以降から、引上軸方向に沿って略一定間隔で測定
サンプルを切り出し、尾部付近までの結晶中心の酸素濃
度をASTM(1979年):F−121規格で測定し
た値である。
【0067】また、結晶品質についても、同様に種側先
端100mmを除いた以降の定径部から、一定間隔で評
価サンプルを切り出し、FPD(Flow Pattern Defec
t)、OSF(Oxidation-induced Stacking Fault)、
L/D(Large Dislocation)の欠陥の有無を観察する
ことによって結晶品質の評価を行った。サンプルの処理
及び評価方法は、次の通りとした。 FPD及びCOPの評価: ウエーハ状の評価サンプ
ルを弗酸と硝酸の混合液でエッチングし表面の加工歪み
を取り除き、続いてKCrと弗酸と水の混合液
で更にセコ−エッチング(Secco etching)を施し、評
価サンプル表面のピットとさざ波模様を観察した。 OSFの評価: 同様にウエーハ状の評価サンプルを
作製し、1100℃の(HO+O)雰囲気中で10
0分間の熱処理を加え、ウエーハ表層に見えるOSFを
観察した。 L/Dの評価: Cu(銅)デポジション法により、
評価ウエーハに25nm厚の酸化膜を施し電化強度6M
V/cmの電圧を5分間印加して、ウエーハ表面に析出
した析出物を観察した。
【0068】上述の評価方法により、サンプル表面に存
在する結晶欠陥を確認したところ、いずれの部位から切
り出したサンプルにも欠陥は確認できず、結晶全体にわ
たって欠陥が抑制された高品質結晶が得られたことがわ
かった。しかし、引上軸方向の酸素濃度は比較的高い酸
素濃度分布を示しており、結晶先端部付近では22pp
maと高めの酸素濃度を示す結果となった。加えて、引
上軸方向の酸素濃度は、軸方向に最適化するような操業
条件の調整は行わなかったために、結晶定径部の種結晶
側から尾部側にかけてしだい酸素濃度が低下する分布を
示した。そして、一番酸素濃度が低いと思われる尾部付
近でも、酸素濃度は20ppma程度までしか低下して
いなかった。
【0069】(実験2)次に、実験1と同じ装置を用
い、今度は引上げ開始時の断熱板とルツボの距離dを実
験1よりも大きくし、それ以外の育成結晶や原料仕込み
量等の他の条件は実験1と同じくしてシリコン単結晶の
育成を行った。この時、結晶引上げ開始時点の断熱板と
ルツボの距離はd=30cmに設定し、操業中は断熱板
を初期位置に保ってルツボを上昇させつつシリコン単結
晶を育成した。
【0070】引上げ終了後は、引上げた単結晶から品質
評価のためのサンプルを作成し、結晶内部の欠陥分布と
酸素濃度を測定した。その結果、断熱板をルツボから遠
ざけたことにより、図9(実験2)に示す通り結晶定径
部の略全体にわたって、酸素濃度を20ppma以下に
低下させることができた。しかし、断熱板を固定して操
業を行っているため、引上軸方向の酸素濃度は実験1と
同じように定径部後半になる程低下する傾向を示した。
また、結晶中のグローン−イン欠陥の評価では、種結晶
側10cmを除いて定径部前半から中ほどにかけては欠
陥を殆んど検出することはできなかったが、尾部付近で
わずかにOSFの発生が見られた。この理由としては、
断熱板とルツボの距離が大きくなり過ぎたことにより、
結晶育成の後半で保温効果が弱まりヒータの発熱量が増
えたためと考えられる。この一方で、断熱板を下方へ移
動させることにより、引上軸方向の酸素濃度の低酸素化
を図ることが可能であることも確認できた。
【0071】(実施例1)実験1〜2の結果を考慮に入
れ、低酸素の状態を保ちながら低欠陥密度のシリコン単
結晶を育成するため、単結晶育成開始時の断熱板初期位
置を実験2と同等のd=30cmとなる位置に配置し、
結晶育成中は断熱板を等速で下降させながら定径部形成
終了時点で初期位置よりも10cm低くなるように移動
を行った。また、定径部後半での結晶欠陥の発生を抑え
るため、定径部中程からヒータも下方移動させた。ヒー
タの移動距離は、単結晶定径部終了時点で、初期位置か
ら10cm低い位置になるよう移動した。それ以外の原
料の仕込み量や、引上げ結晶直径及び結晶引上長等は、
実験1〜2と程同じとした。
【0072】上記条件で製造した単結晶の引上軸方向の
酸素濃度を測定した結果を、図9(実施例1)に示す。
断熱板の初期位置をルツボ底部から遠ざけて結晶育成を
開始したことにより、全体の酸素濃度の低下が図られ
た。更に、断熱板をルツボの上昇に合わせ下降させなが
ら単結晶育成を行なったことで、より結晶前半の酸素濃
度が低下し、結晶全体に酸素濃度が安定する方向に変化
した。一方、定径部後半では、ヒータを下方へ移動する
と、ルツボ内の融液の対流が活発になり定径部後半で酸
素が高くなる傾向を示すものであるが、断熱板の下降に
よる保温効果の減少と相殺され酸素濃度が安定した。育
成結晶のグローン−イン欠陥についての評価でも、種結
晶側10cmを除いた結晶全体において観察されず、高
品質結晶が得られていることを確認した。特に、断熱板
を下降移動させたことによる保温効果の低下でヒータか
らの輻射熱が増加し、定径部後半でOSF等の欠陥が発
生するのではないかと思われたが、ヒータを下方へ移動
したことで育成炉本体上方への輻射熱が抑えられ、高品
質結晶を育成するのに適切な雰囲気状態に保たれたため
と考えられる。なお、図10には、実験1〜2並びに実
施例1それぞれにおけるヒータの移動と断熱板の移動を
わかりやすくするため、それぞれの位置関係を模式的に
示した。
【0073】以上により、単結晶育成時に強制的に断熱
板を下方移動させることで、単結晶の低酸素化を図るこ
とが可能であることを確認できた。そして、断熱板とル
ツボ低部からの距離dを変えることで、結晶中の酸素濃
度を適宜制御することができる。これは、断熱板を配置
することによりヒータの発熱を抑えながら、より低酸素
濃度の単結晶を育成する場合に有効に作用する。また、
断熱板とルツボの距離が拡大し、断熱板の保温効果が弱
まる状態では、ヒータを下方移動させることにより育成
炉本体上方へ輻射熱を減らすことができ、低欠陥結晶を
育成するための結晶冷却雰囲気を形成する上では有効な
操業方法である。
【0074】そして、上述のように断熱板の配置位置や
下降駆動を他の操業条件、例えば、ヒータの下降移動等
と組合わせて操業を行うことによって、単結晶を育成す
る場合の酸素濃度の調整幅を広げたり、結晶育成時に生
じる結晶欠陥を制御するための育成炉本体上方の雰囲気
温度も適切に保つことが達成できる。
【0075】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されるものではない。上述の実施の形態は単なる例示で
あり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想
と実質的に同一な構成を有し、同様の効果を奏するもの
はいかなるものであっても、本発明の技術的範囲に包含
されることは無論である。例えば、本明細書において
は、磁場印加のない通常CZ法によるシリコン単結晶の
製造を例に挙げて説明したが、育成炉本体外側に磁石を
配置して、シリコン融液に磁場を印加しながらシリコン
単結晶を育成するMCZ法を用いたシリコン単結晶の製
造にも当然利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリコン単結晶の製造装置の要部
を示す模式図。
【図2】本発明の断熱板の断面構造をいくつか例示して
示す図。
【図3】ヒータの構造の詳細を示す説明図。
【図4】図1の装置の電気的構成の一例を示すブロック
図。
【図5】図1の装置の電気的構成の、第一変形例を示す
ブロック図。
【図6】同じく第二変形例を示すブロック図。
【図7】断熱板を移動させる際に、その位置変更を連続
的に行なう場合と段階的に行なう場合とをそれぞれ例示
して示す概念図。
【図8】図1の製造装置において、断熱板とヒータとを
一体に昇降駆動可能とした変形例を示す図。
【図9】実験1、実験2及び実施例1における軸方向酸
素濃度を表したグラフ。
【図10】実験1、実験2及び実施例1における断熱板
及びヒータの移動を模式的に示す概念図。
【符号の説明】
1 育成炉本体 3 単結晶(シリコン単結晶) 4 シリコン融液 6 断熱板下降機構(ヒータ下降機構) 7 ヒータ 12 ルツボ 20 断熱板 20b 本体部 20c 黒鉛被覆層 26 ベース(共通ベース) 40 ルツボ上昇機構 106 ヒータ下降機構 200 制御コンピュータ(ルツボ上昇制御部、断熱板
下降制御部) 205 記憶装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻田 昌弘 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150 信越半導体株式会社半導体白河研究 所内 (72)発明者 布施川 泉 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150 信越半導体株式会社半導体白河研究 所内 (72)発明者 太田 友彦 福島県西白河郡西郷村大字小田倉字大平 150 信越半導体株式会社半導体白河研究 所内 Fターム(参考) 4G077 AA02 BA04 CF10 EB01 EG18 EG19 EG25 EH07 PA06 PE16 PF55

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルツボ内のシリコン融液からチョクラル
    スキー法によりシリコン単結晶を引上げ育成・製造する
    方法であって、 前記ルツボの下方に断熱板を配置するとともに、前記シ
    リコン単結晶の引上長の増大に伴い前記断熱板と前記ル
    ツボとの間隔が拡大するように、該シリコン単結晶の引
    上げに際して前記ルツボを上昇駆動し、かつ前記断熱板
    を下降駆動することを特徴とするシリコン単結晶の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコン単結晶の引上げを開始する
    に際し、前記断熱板の高さ方向の初期位置を製造すべき
    シリコン単結晶の品種に応じて変更し、当該初期位置か
    ら前記断熱板を下降駆動しつつ前記シリコン単結晶の育
    成を行なうことを特徴とする請求項1記載のシリコン単
    結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記断熱板の高さ方向の初期位置を、製
    造するべきシリコン単結晶の酸素濃度に応じて変更する
    ことを特徴とする請求項2記載のシリコン単結晶の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記断熱板の高さ方向の初期位置を、製
    造するべきシリコン単結晶の酸素濃度が低くなるほど、
    該断熱板表面から前記ルツボの底面までの距離dが大き
    くなるように調整することを特徴とする請求項3記載の
    シリコン単結晶の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリコン単結晶の引上長の増大に伴
    い、前記シリコン融液の液面位置が予め定められた範囲
    内に位置保持されるように、前記ルツボの上昇駆動を行
    なうことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項
    に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ルツボ内のシリコン融液を、該ルツ
    ボの周囲に配設されたヒータにより加熱するとともに、
    該ヒータを下降駆動することを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記断熱板の下降速度と得られるシリコ
    ン単結晶の酸素濃度分布及び/又は欠陥分布のとの関係
    を、過去のシリコン単結晶の引上げ実績に基づいて求め
    ておき、その結果に基づいて、以降に引上げるシリコン
    単結晶の酸素濃度分布及び/又は欠陥分布が予め定めら
    れた目標状態に近づくように、前記断熱板の下降速度を
    補正することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか
    1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記ヒータの下降速度を、前記断熱板の
    下降速度と同様に補正することを特徴とする請求項7記
    載のシリコン単結晶の製造方法。
  9. 【請求項9】 炉本体内にてルツボ周囲に配置されたヒ
    ータにより該ルツボ内のシリコン融液を加熱しつつ、該
    シリコン融液からチョクラルスキー法によりシリコン単
    結晶を引上げ育成・製造するための装置であって、 前記シリコン単結晶の引上げ時において前記ルツボがル
    ツボ上昇機構により上昇駆動され、 前記炉本体内において前記ルツボの下方に、断熱板下降
    機構により前記ルツボの上昇駆動に合わせて下降駆動が
    可能とされた断熱板が配置されたことを特徴とするシリ
    コン単結晶の製造装置。
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