JPH09183606A - 多結晶半導体の製造方法および製造装置 - Google Patents

多結晶半導体の製造方法および製造装置

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JPH09183606A
JPH09183606A JP7344136A JP34413695A JPH09183606A JP H09183606 A JPH09183606 A JP H09183606A JP 7344136 A JP7344136 A JP 7344136A JP 34413695 A JP34413695 A JP 34413695A JP H09183606 A JPH09183606 A JP H09183606A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質、結晶学的に優れ、低いEPD値で特
徴づけられる割れにくい半導体多結晶インゴットを再現
よく、低コストで製造する。 【解決手段】 半導体に対して不活性な雰囲気下で、る
つぼ内に半導体材料を装入し、るつぼ内で半導体材料を
加熱手段によって加熱融解し、るつぼ底部から熱を奪い
ながら融解材料を凝固させ、続いてるつぼを冷却し、凝
固した半導体を冷却させる多結晶半導体の製造方法にお
いて、前記凝固工程で、半導体材料の熱放出量を周期的
に変化させながら、半導体結晶の成長と焼なましとを交
互に行わせることを特徴とする多結晶半導体の製造方法
およびそのために使用する製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶半導体の製
造方法および製造装置に関する。さらに詳しくは、応力
歪の小さい多結晶シリコン半導体の製造方法および製造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコンはIC(集積回路)等に用いる
半導体の材料として、または太陽電池の材料として工業
生産の面からも、資源の面からも優れた材料であり、こ
れらの用途に汎用されている。特に、太陽電池として、
実用化されているものはほとんどシリコンである。現
在、電力供給用太陽電池としては単結晶シリコンを用い
たものが主流であるが、低コストを実現するためには多
結晶シリコンを用いた太陽電池の開発が待たれている。
【0003】しかしながら、現状では多結晶シリコンの
変換効率が単結晶シリコンのそれと比べて低いため、太
陽電池に使用するには高品質の多結晶シリコンを得るこ
とが先決である。
【0004】多結晶シリコン半導体製造の一般的方法
は、シリカるつぼにて固体シリコンを加熱炉内で融解
し、黒鉛るつぼに鋳込む方法である。しかし、最近真空
中、あるいは不活性ガス中で融解して、酸素、窒素ガス
等のシリコンへの混入を防止し、品質向上とダスト防止
を行うことが知られている。
【0005】独国ワッカー社の半連続鋳造炉では、真空
中または不活性ガス中でシリカるつぼ内で融解したシリ
コンを、黒鉛等の鋳型内にるつぼを傾けて注入する方法
(特公昭57−21515)、米国クリスタルシステム
ズ社のHEM法(熱交換法)では、真空中でシリカるつ
ぼ内にシリコンを融解し、そのまま、その中で固める方
法(特公昭58−54115)、また前記ワッカー社法
の改良として、シリコン融解るつぼとして水冷をした鋼
板を用いる方法(特開昭62−260710)等が用い
られている。
【0006】前記いずれのシリコン製法においても、シ
リコン半導体の凝固工程での熱放出量は一定となるよう
に制御されている。その結果、得られる結晶の品質を評
価する指標の1つであるEPD(Etch Pit Density,エ
ッチピット密度)は、通常〜105/cm2であり、単結
晶の<102/cm2と比較して著しく高い値となってい
る。
【0007】従来技術においても、アニール(焼なま
し)処理を行って、EPDの改善を図る試みがなされて
いる。たとえば、特公昭58−54115は、凝固後
に、焼なましをするためにるつぼ温度を調節することを
開示している(同公報第2欄33行〜36行目を参
照)。しかしながら、通常、半導体インゴットは30〜
50cm角と大きいため、凝固後に焼なましをするとイ
ンゴット中央部と周辺部とで焼なまし中に温度差が発生
し、その結果、歪応力を開放する目的で行われる焼なま
し工程でかえって歪が発生する傾向があり、焼なましの
効果がほとんど期待できない。当然、高いEPDの多結
晶が得られる傾向にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来技
術では、焼なまし工程を半導体が凝固した後、実施して
いるため焼なましの効果が充分でなく、しかも経済性の
点から半導体インゴットは、近年、大型化の方向にあ
り、ますますこのような焼なましの効果が薄くなってき
ている。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、凝固工程で半導体材料の熱放出量を周期
的に変化させながら、半導体結晶の成長と焼なましを交
互に行わせ、結晶学的に優れ、かつ応力歪の小さい多結
晶半導体を製造する方法ならびに製造装置を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本明細書中用いる「不活
性な雰囲気下」とは、真空中あるいは、その中で半導体
材料が加熱時に酸化されない不活性ガス等が存在する雰
囲気下を意味し、密閉容器内で実現される。また、本発
明書中用いる「るつぼの底部の下面温度」と「第2温度
検出手段によって検出される第2温度」とは、同一の温
度T2を指し、これらの表現は適宜、交換的に用いられ
る。 本発明は、半導体に対して不活性な雰囲気下で、るつぼ
内に半導体材料を装入し、るつぼ内で半導体材料を加熱
手段によって加熱融解し、るつぼ底部から熱を奪いなが
ら融解材料を凝固させ、続いてるつぼを冷却し、凝固し
た半導体を冷却させる多結晶半導体の製造方法におい
て、前記凝固工程で、半導体材料の熱放出量を周期的に
変化させながら、半導体結晶の成長と焼なましとを交互
に行わせることを特徴とする多結晶半導体の製造方法を
提供する。 好ましくは、前記凝固工程において融解材料の固液界面
付近の温度を半導体材料の融点を基準にして所定の範囲
内で周期的に上下させることにより、熱放出量を変化さ
せることを特徴とする。 さらに好ましくは、熱放出量が比較的大きい期間の合計
時間が、熱放出量の比較的小さい期間の合計時間の10
倍以下であることを特徴とする。 好ましくは、熱放出量を周期的に変化させるために、冷
媒を用いてるつぼ底部から熱を奪い、該冷媒を周期的に
切換えることを特徴とする。 また好ましくは、熱放出量を周期的に変化させるため
に、冷媒を用いてるつぼ底部から熱を奪い、該冷媒の流
量を調節することを特徴とする。 加えて好ましくは、熱放出量を周期的に変化させるため
に、るつぼ底部から熱を奪うのに、るつぼ底部に当接す
る中空構造を有するるつぼ支持台を提供し、そして該中
空構造に断熱体片を出し入れすることを特徴とする。 また本発明は、密閉容器と、密閉容器内に配置され、半
導体材料を装入するためのるつぼと、るつぼをその底部
よりも上方で加熱して半導体を融解する加熱手段と、る
つぼの底部の下面を支持してるつぼを乗載する支持台で
あって、該支持台は中空構造を有し、その中に断熱材を
出し入れできる支持台と、支持台を冷却する冷却手段
と、支持台を鉛直軸線まわりに回転駆動し、かつ昇降駆
動する駆動手段とを含むことを特徴とする多結晶半導体
の製造装置を提供する。 好ましくは、前記製造装置は、さらにるつぼの底部の下
面の第2温度T2を検出する第2温度検出手段と、加熱
手段によりるつぼが加熱される第1温度T1を検出する
第1温度検出手段と、第1温度検出手段および第2温度
検出手段の各出力に応答し、第1温度T1が半導体材料
の融解温度以上になるように加熱手段を制御し、第2温
度検出手段によって検出される第2温度T2の時間変化
率ΔTaが設定値以上になったとき、第1温度T1が下
降するように加熱手段を制御する制御手段とを含むこと
を特徴とする。 前記多結晶半導体の製造方法および製造装置に用いる半
導体材料としては、ポリシリコンが好ましく、その場
合、生成する多結晶半導体は多結晶シリコンである。
【0011】本発明に従えば、半導体に対して不活性な
雰囲気下で、るつぼ内に半導体材料を装入し、るつぼ内
で半導体材料を加熱手段によって加熱融解し、るつぼ底
部から熱を奪いながら融解材料を凝固させ、続いてるつ
ぼを冷却し、凝固した半導体を冷却させる多結晶半導体
の製造方法において、前記凝固工程で、半導体材料の熱
放出量を周期的に変化させながら、半導体結晶の成長と
焼なましを交互に行わせ、結晶学的に優れ、応力歪の小
さい多結晶半導体を得る。 るつぼの加熱は、従来どおりるつぼから離間して設けら
れる加熱手段によって行われ、るつぼ内の半導体材料に
るつぼ上部から輻射熱を与え材料を融解する。また、る
つぼの側壁部も加熱手段によって高温にされ、半導体材
料の融解に貢献する。なお、半導体材料の融解は、半導
体に対して不活性な雰囲気下で行われる。 半導体材料が融解するとき融解熱を吸収するので、前
記加熱手段によってるつぼの温度を一定に保ち続けるよ
うに制御手段によって加熱手段の電力を制御すると、る
つぼ内の材料が融解するにつれて失われる融解熱が減少
し、るつぼ、特にるつぼの底部の下面の温度が上昇す
る。したがって、このるつぼの底部の下面温度T2の変
化は、るつぼ内の半導体材料の融解状態を反映している
ことになり、該温度の時間変化率ΔTaを測定し、これ
が設定値以上になると直ちにるつぼの加熱手段による加
熱を停止する。 種結晶を半導体多結晶の成長に使用する場合、こうする
とるつぼの底面に敷かれた種結晶の融解が阻止されるの
で、このような加熱温度の制御は特に好ましい。 続いて、るつぼの徐冷を開始し、融解した半導体材料
を凝固させる。本発明の製造方法に従えば、るつぼ底部
から熱を奪いながら凝固させるので、るつぼ底面から上
部に向けて方向性を持つ多結晶半導体の結晶が成長す
る。 本発明の製造方法の特徴は、凝固工程で、冷却による半
導体材料の凝固(すなわち、結晶の成長)と焼なましを
同時に行うことである。これは、半導体材料の熱放出量
を周期的に変化させることで達成できる。すなわち、熱
放出量が比較的大きい期間に結晶の成長が起こり、続い
て、熱放出量が比較的小さく抑えられた期間に焼なまし
が起こる。凝固工程中、これらの段階を経時的に繰返
し、熱放出量を周期的に変化させる。本発明の製造方法
を実施するにあたっては、融解半導体材料の固液界面付
近の温度(以下、「固液温度」と称する)を、るつぼの
底部の下面温度T2として較正し、固液温度が半導体の
融点(たとえば、ポリシリコンならば約1420℃)を
基準にして、所定の範囲内で上下するようにT2を調節
することにより、熱放出量大の状態、および熱放出量小
の状態を作り出す。このようにして本発明によれば、凝
固時に結晶の歪応力が開放され、歪応力の少ない高品
質、かつ結晶学的に優れた半導体多結晶を再現性よく成
長させることができる。 また、前記凝固工程で、熱放出量が比較的大きい期間の
合計時間を熱放出量の比較的小さい期間の合計時間の1
0倍以下に設定すると、得られる多結晶半導体の品質が
さらによくなる。 前記多結晶半導体の製造方法において、種結晶を用いて
結晶の成長を図る場合、るつぼの底部の下面温度T2の
時間変化率ΔTaの設定値を、約0.2℃/分〜約0.
5℃/分の範囲の値に設定すると種結晶の融解が抑えら
れ、得られる多結晶半導体の品質がよくなる。ΔTaが
0.2℃/分未満であると種結晶のみならず半導体材料
も未融解で残り、均質な半導体多結晶が得られない。ま
た、ΔTaが0.5℃/分を超えると種結晶も融解する
場合があり、良好な多結晶の結晶成長が期待できない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の多結晶半導体の
製造方法および製造装置を図1〜図8を参照して、好適
な実施の形態を用いて詳細に説明する。本発明に使用で
きる半導体材料としては、シリコンのみについて例示す
るが、その他の材料たとえばゲルマニウム(Ge)等の
材料も同様に本発明の製造方法において使用することが
できる。
【0013】図1は、本発明の実施の第1形態に基づく
多結晶半導体の製造装置の概略構成を示す縦断面図であ
る。この装置には、密閉容器1が大気から遮断されて設
けられている。密閉容器1は、真空遮断用扉(図示せ
ず)を介して、外部の真空ポンプに連結され、容器内部
が真空に保たれる構成でもよい。あるいは、不活性ガス
(たとえばアルゴン)が容器内を常圧(やや正圧)で循
環する構成でもよく、容器内雰囲気が非酸化的環境に保
たれ、半導体が容器内で加熱溶解されても酸化による悪
影響を受けない。
【0014】密閉容器内1には、図示するように熱絶縁
体2および、加熱体3から成る円筒状の加熱炉4が容器
側壁から離れて設けられている。熱絶縁体2および加熱
体3はいずれも、たとえば、カーボンファイバおよびグ
ラファイト製である。加熱体3は、金属等の導電体で構
成されていてもよい。加熱炉4の周囲、特に加熱体3が
位置する部分に対応する外周辺に誘導加熱コイル5(周
波数10kHz)が巻付けられている。誘導加熱コイル
5は、通電されると加熱体3を熱する。加熱体3の側壁
部には、加熱体3の温度T1(第1温度)を測定するた
めの第1の熱電対6が、導入管を通して埋設されてい
る。
【0015】第1の熱電対6および誘導加熱コイル5
は、それぞれリード線8によって密閉容器1の外部に設
けられた制御部7に接続される。制御部7は、第1の熱
電対6からの出力に応答して、誘導加熱コイル5に与え
る電力を制御し、加熱炉4の昇温、降温を自由に実施す
る構成となっている。
【0016】密閉容器1の内部には、半導体材料および
必要ならば種結晶が装入されるるつぼ9が配置される。
るつぼ9は、図1に示すように、加熱炉4が形成する内
部空間に加熱炉4の側壁および上部から離間して適合さ
れるように配置される。るつぼ9は、たとえばシリカ
材、グラファイト材、その他の材料としてタンタル、モ
リブデン、タングステン、窒化ケイ素、窒化ホウ素から
成っていてもよい。るつぼ9の形状は、加熱炉4の内部
の形状に適合すればよく、円筒状あるいは四角柱状いず
れでもよい。
【0017】るつぼ9は、密閉容器1中、その底部が支
持台10によって支持されている。支持台10は、たと
えば表層10a、底層10cがグラファイトから成り、
中間層10bがカーボンファイバから成る積層構造であ
ることが好ましい。支持台10は、さらに台座11上に
載置され、台座11は下方に連結する筒体12によって
中央の長軸のまわりに回転できる。筒体12の回転は、
台座11、支持台10を介してるつぼ9に伝わり、るつ
ぼ9も筒体12の回転に従って回転する。るつぼ9に半
導体が装入され、加熱炉4内でるつぼ9が加熱されると
き、この回転によってるつぼ9内の半導体材料の温度分
布は均一となる。
【0018】また、台座11は中空二重構造になってお
り、冷却部11a(図2)を備え、筒体12も同様に二
重管状である。冷媒(たとえば冷却水)が両者内を強制
循環され、台座11が支持する支持台10を冷却する。
冷媒は、冷媒槽15から連続的に筒体12に供給され
る。この冷却機構は、結果的には支持台10が当接する
るつぼの底部の下面と熱交換し、底部を冷却する役割を
果す。台座11および筒体12は、密閉容器1の外部に
設けられた駆動手段16によって上下方向に駆動され、
るつぼ9もそれらの上下動に伴って昇降する。こうし
て、加熱炉4とるつぼ9の距離も近接あるいは離間と調
節できる。さらに、駆動手段16は、前述のように筒体
12を軸線まわりに回転駆動もする。
【0019】加熱炉4の頭頂部、すなわちるつぼ9の真
上の加熱体3中に、パイロメータ14が取付けられてい
る。このパイロメータは、るつぼ9内の半導体材料から
の熱放射を検知し、材料の表面温度を測定できる。した
がって、装入された半導体材料の加熱融解時には材料の
融解状態を、あるいは材料の冷却凝固時には材料の凝固
状態を判別するのに、パイロメータ14は有用である。
【0020】本発明の製造装置の1つの構成上の特徴
は、るつぼ9の底部中央付近に底部の下面と当接して、
支持台10の表層10a中に第2の熱電対13が埋設さ
れていることである。図2は、るつぼ9の底部中央部付
近の図1を拡大した要部拡大図である。この熱電対13
は、るつぼの底部下面の温度T2(第2温度)を測定す
るために用いられ、そして第1の熱電対6と同様に、制
御部7にリード線8を介して電気的に接続されている。
したがって、制御部7は第2の熱電対13からの温度T
2の出力に応答して、誘導加熱コイル5に供給する電力
を制御し、加熱炉4の昇温、降温を行うこともできる。
【0021】図3は、第1の熱電対6および第2の熱電
対13の検出温度(出力温度)T1,T2の経時変化を
表すグラフである。図中、L1はT1のカーブを、L2
はT2のカーブを示す。また、図4は、図1に示される
制御部7の動作を説明するためのフローチャートであ
る。第1の熱電対6の検出温度T1、第2の熱電対13
の検出温度T2の出力に応答して、制御部7は図4のス
テップを実施する。本発明において、図4のようなフロ
ーチャートに従わず、T1およびT2の経時変化を、た
とえば図3上で追跡し、制御部7を手動によって制御
し、加熱炉4の昇温、降温ならびにその他の工程、たと
えば筒体12の昇降等を実施することも可能である。
【0022】本発明の実施の第1形態によれば、熱放出
量を周期的に変化させるのに、前記製造装置の台座11
を循環する冷媒の流量を調節することによって行う。こ
の場合、熱放出量は、冷媒が水の場合には、次式によっ
て表される。
【0023】
【数1】
【0024】このようにして、求める熱放出量を周期的
に変化させるには、図5に示すように半導体材料の凝固
工程で、所定の冷却パターンを設定し、熱放出量が大き
い設定値(Q1)、続いて小さい設定値(Q2)間を交
互するように冷媒の流量を調節する。図5中、ta1,
ta2,…は熱放出量がQ1である時間(期間)、tb
1,tb2,…は熱放出量がQ2である時間(期間)を
表す。ta1,ta2,…は同一でもよく、異なってい
てもよい。tb1,tb2,…も同様である。Q1およ
びQ2値は、るつぼのサイズ、台座の構造等に依存し得
るので、半導体製造のバッチ毎に求める必要がある。
【0025】本発明によれば、熱放出量を周期的に変化
させるための最も簡便な方法は、半導体の融解材料の固
液温度を、半導体材料の融点を基準にして所定の範囲内
で周期的に上下させることである。融解材料の固液温度
を半導体の製造中、実測しながら凝固工程を遂行するこ
とは困難である。そこで、意図する半導体製造条件と実
質的に同一の条件下でるつぼ9内で半導体を加熱融解
し、凝固し始めた融解半導体材料に熱電対を挿入し、固
液界面に触れたときの熱電対の温度を「固液温度」とし
て記録する。さらに、このときの第2の熱電対13の温
度(T2)を測定し記録する。これを複数回繰返し、固
液温度と熱電対13の温度T2の較正直線を作成する。
このようにして、固液温度は、半導体製造中、常時、読
出しのできる第2の熱電対13の温度、すなわちるつぼ
底部下面の温度T2に近似される。本発明においては、
このようにして半導体の固液温度を、半導体材料融点を
基準にして所定の範囲内で周期的に上下に設定すること
ができる。半導体が多結晶シリコンの場合、「所定の範
囲」とはシリコンの融点1420℃±3℃であることが
好ましい。他の半導体について、「所定の範囲」とはそ
の半導体の融点からのずれで、凝固したときに結晶欠陥
が発生するか否かを判定して、当業者が容易に決定する
ことができる。この所定の範囲が大きくなりすぎると、
急冷状態となり、結晶内に欠陥を発生する。シリコンの
場合、特に±2℃程度が好ましい。
【0026】たとえば、多結晶シリコン半導体を例に取
って固液温度を制御する様式を模式的に示したのが、図
6である。固液温度が1420℃+2℃(1422℃)
になるようにるつぼ底部下面の温度T2を調節し、その
温度でしばらく(ta1時間)維持する。続いて、固液
温度が1420℃−2℃(1418℃)となるようにT
2を調節し、その温度で一定時間(tb1時間)維持す
る。さらに、このサイクルを繰返す。シリコン融点より
+2℃に固液界面温度が設定された状態が、前記の熱放
出量大(Q1)状態に対応し、シリコン融点より2℃下
(−2℃)に固液温度が設定された状態が、前記の熱放
出量小(Q2)状態に対応する。その他、一旦シリコン
融点より+2℃上に設定し、次いで1℃下(−1℃)と
設定するように、融点からの上下のずれを異なって決め
てもよい。
【0027】るつぼ底部下面の温度T2の調節は、台座
11を循環する冷媒の流量を変えることによって行うの
が適当であるが、代替的に冷媒そのものを代えることに
よっても実施することができる。このため、冷却機構を
2系統(あるいはそれ以上)方式とし、それぞれの系統
間を電磁バルブで開閉して冷媒を切換えるような構成と
してもよい。このような構成に用いられる冷媒として
は、水、ヘリウムガス、炭酸ガス等から成る適当な組合
せを選び、それらを交互に使用することによって冷媒効
果を制御することができる。
【0028】前記いずれの方法でも、taの合計時間
(すなわちta1+ta2+…)と、tb(tb1+t
b2+…)の合計時間との関係において、前者が後者の
10倍以下とすることが本発明では特に好ましい。な
お、ta期間は半導体の凝固段階であり、tb期間は半
導体のなまし段階である。
【0029】本発明の実施の第2形態に基づく多結晶半
導体の製造装置は、前記の実施の第1形態の製造装置と
支持台10以外の構成要素については、実質的に同一で
ある。この実施の形態の製造装置が第1形態の製造装置
と異なる点は、後者の支持台10が中空構造になってお
り、この中に断熱材片が出し入れできることである。こ
の構成は、図7に示すように、表層10a、底層10c
および側壁部をグラファイトで形成し、中空部20を残
す。
【0030】本発明では、るつぼ9の底部から熱が奪わ
れながら冷却(凝固)が進行するが、支持台10を中空
構造にすると、中空部20については熱の伝達は輻射に
よって起こる。そこで、中空部20に輻射を遮る断熱体
片21を挿入すると、るつぼ底面下部からの冷却を制御
できる。この目的で使用できる断熱材片としては、金、
白金、銀、タングステン、カーボンファイバそしてタン
タルから成る群より選ばれる1種または2種以上の材料
から形成されることが好ましい。しかしながら、輻射率
が低く、しかも高融点材料ならば、必ずしも前記の材料
に限定されない。この断熱体片21の形状は、単に板金
状でもよいが、図7、図8に示すようにスライド伸縮自
在な積層構造体としてもよい。このような断熱体片21
を中空部20に挿入し、さらに伸長させると、図7に示
すように断熱体片21が支持台10の表層10aおよび
底層10c間の熱輻射を遮ることになる。こうして、熱
放出量大の状態が達成され、逆に断熱体片21を取除く
か、または縮退すると(図7に図示)熱放出量小の状態
が達成される。
【0031】以下、本発明の多結晶半導体の製造方法
を、各工程毎にさらに詳しく説明する。先ず、半導体材
料ポリシリコンのるつぼ9への充填作業は、図1の密封
容器1外部で行うことが好ましい。
【0032】次に、ポリシリコンを含むるつぼ9を、台
座11の上に載置された支持台10の上面に乗せ、るつ
ぼ9の中心が台座11、支持台10の中央を通る軸に一
致するように合わせる。駆動手段16を用いて、筒体1
2、台座11を上昇させ、るつぼ9が加熱炉4内部の所
定の位置に配置されるように、るつぼ9のセッテイング
を行う。加熱炉4を作動させる前に、台座11および筒
体12に冷媒を循環させ、るつぼ9の底部、特に、底部
の下面が冷却機構によって冷却されていることを確かめ
る。
【0033】さらに、加熱炉4の加熱を始める前に、筒
体12を駆動手段16で鉛直軸線まわりに回転し、るつ
ぼ9内のポリシリコンへの加熱が均一に行われるように
する。続いて、誘導加熱コイル5に電圧を印加し、加熱
体3を加熱してこの輻射熱を利用し、るつぼ9内のポリ
シリコンを加熱する。
【0034】本発明の製造方法に含まれる加熱、冷却、
凝固工程は、温度制御の関係上、図4のフローチャート
および図3の温度制御特性図を用いて解説すると理解し
やすい。図4中、ステップa1で誘導加熱コイル5に約
7kHzの周波数の交流を印加し、温度T3(たとえ
ば、常温)から加熱を開始する。加熱昇温は、第1の熱
電対6の検出温度T1が設定温度T20、たとえば約1
540℃に到達するまで(t1時、典型的には加熱を開
始してから約4.5時間後)、約400℃/時間の温度
勾配で昇温を行う。ステップa1内での判定が否定なら
ばステップa1を継続し、肯定になればステップa2に
移り、第1の熱電対6の検出温度T1を設定温度T20
に保持するための電力を誘導加熱コイル5に、制御部7
で制御しながら供給し続ける。
【0035】ステップa2で、るつぼ9内のポリシリコ
ンは融解温度(約1420℃)に達し、るつぼ上部から
下部に向かって融解が進行する。この融解の状態は、パ
イロメータ14を使用してモニタできる。台座11中、
図2に示すように、冷媒が巡回し、支持台10さらにる
つぼ底部の下面を冷却するので、るつぼ底部、および下
部はるつぼ上部に比較して低温度に保たれる。これは、
図4中、L1およびL2の立上り勾配からも明らかであ
る。熱電対6の検出温度T1が前記のように一定値T2
0に保たれ、るつぼ上部あるいは側壁部からの加熱が継
続するので、第2の熱電対13の検出温度T2も、やは
り第1の熱電対6の検出温度T1と同様に、より緩やか
にではあるが上昇する。図4に示すように、シリコンの
融解温度近傍になると、L2の勾配は平坦になる(t2
時、t1〜t2 約2.5時間)。前述のように、この
領域においては、ポリシリコンが融解するに際して融解
熱を奪うため、第2の熱電対13の検出温度T2の上昇
が抑制されている。そこで、第2の熱電対13の検出温
度T2の時間変化率(単位時間ΔWあたり)ΔTa(℃
/分)を第2の熱電対13からの出力でモニタし、ΔT
aが設定値(たとえば、0.2℃/分あたり)以上にな
ると(t3時、t2〜t3 約4時間)次のステップa
3に移り、制御部7を用いて第1の熱電対6の検出温度
T1を温度勾配を300℃/時間あたりで降温する。そ
れと同時に、台座11を駆動手段16で下降(下降速度
約7mm/時間)する。前記のステップa3において、
台座は融解するポリシリコンの温度制御がより正確に行
われるように、1rpm以下のスピードで回転される。
以降のステップでもるつぼの回転は持続される。ステッ
プa2の判定が否定であるならば、第1の熱電対6の検
出温度T1を初期の設定値T20に設定したまま、ステ
ップa2を継続する。
【0036】ステップa3で第1の熱電対6の検出温度
T1を下げ続け、所定温度T21(たとえば、約144
0℃)に到達する(t4時、t3〜t4 約0.3時
間)と、ステップa4に移る。
【0037】ステップa4で、第1の熱電対6の検出温
度T1を、設定温度T21に保持するための電力を誘導
加熱コイル5に制御部7で制御しながら供給し続ける。
このステップa4で、台座11を循環する冷媒の流量を
調節し、第2の熱電対13の検出温度T2を、前記の固
液温度較正線から固液温度が、たとえば1422℃とな
るようにT30に設定する。そのままで、冷媒の流量を
保持し、ta1時間(たとえば、2時間)継続させる。
続いて、冷媒の流量を増加し、第2の熱電対13の検出
温度T2を、固液温度が1418℃となるようにT31
に設定する。そのままで冷媒の流量を保持し、tb1時
間(たとえば、0.5時間)継続させる。その後冷媒の
流量を減少し、第2の熱電対13の検出温度T2をT3
0に戻すよう流量を徴調整する。そして、流量をそのま
ま、ta2時間維持する。さらに、これらの工程を必要
な回数繰返す。凝固が完了したかどうかは、パイロメー
タのシグナルから検知をする。典型的には、ta1+t
a2+…の総和(taの合計時間)と、tb1+tb2
+…の総和(tbの合計時間)とを加えると、約14〜
17時間である。
【0038】前記、第2の熱電対13の検出温度T2の
制御について、冷媒の流量を調節する方法についてのみ
述べたが、すでに明らかにしたように、冷媒そのものを
交換し、あるいは支持台10の中空部20に断熱材片2
1を出し入れするなどして、T2温度を制御するさまざ
まな方法が有効に利用することができる。
【0039】ステップa4が終了すると(t5時)ステ
ップa5に移り、このステップでは第1の熱電対6の検
出温度T1をT21から温度勾配100℃/時間で常温
付近まで下げる。
【0040】ステップa5において、シリコンの冷却が
終了したことを確認した後(約15時間後)、るつぼ9
を密封容器1から取出す。さらに、生成した多結晶シリ
コンインゴットをるつぼから取除くと、るつぼ底面から
上面方向へ一方向性で凝固した多結晶シリコンが得られ
る。典型的には、ステップa1〜a5を完了するのに要
する時間は、約40時間程度である。
【0041】ステップa1,a2,a3,a4で、設定
温度T20,T21,T30,T31あるいは第2の熱
電対13の検出温度の時間変化率ΔTa等を予め適当な
値に設定しておき、それらをコンピュータに入力し、こ
れらの設定値に到達したか否かで各ステップの判定を行
い、制御部7を制御し、加熱炉4内の温度制御および冷
却、凝固工程を実施することは、本発明にとって非常に
有利である。
【0042】実施例1a−1c るつぼ(一辺55cm、高さ40cmの四角柱状)の底
面中央部に、シリコン種結晶(CZ(100)、直径5
インチ、厚み10mm)を置いた。このシリコン種結晶
は、好ましくは、化学エッチング(30μ)により前処
理した結晶を使用した。このエッチングは、結晶表面を
結晶成長に適するように円滑にするためである。このる
つぼに、融解されるべきポリシリコン約140kgを充
填した。
【0043】前記のように、a1〜a5のステップを実
行し、多結晶シリコンインゴットを製造した。本実施例
では、ステップa4で固液温度を1421℃、1419
℃の間(すなわち、ΔTb±1℃)で、周期的に変化さ
せた。ステップa4の凝固、なまし工程でのta/tb
時間比は、約5であった。凝固工程(ステップa4)の
所要時間は、約16〜17時間であった(実施例1a:
16.5時間、実施例1b:17.2時間、実施例1
c:17.5時間)。それぞれの製造試験で得られた多
結晶シリコンインゴットについてEPDを測定し、品質
を評価した。EPDの測定は、JIS H0609に従
って行った。EPDの測定結果および主な製造試験条件
を、表1に表す。
【0044】実施例2a−2c 実施例1a−1cと同様に多結晶シリコンインゴットを
製造したが、固液温度を1422℃、1418℃の間
(すなわち、ΔTb±2℃)で、周期的に変化させた。
その他の製造試験条件および得られた多結晶シリコンイ
ンゴットのEPDを、表1に示す。
【0045】実施例3a−3c 実施例1a−1cと同様に、多結晶シリコンインゴット
を製造したが、固液温度を1423℃、1417℃の間
(すなわち、ΔTb±3℃)で、周期的に変化させた。
その他の試験条件および得られた多結晶シリコンインゴ
ットのEPDを、表1に示す。
【0046】比較例 実施例と同様にして、多結晶シリコンインゴットを製造
したが、ステップa4で固液温度を1418℃に設定し
たまま維持し、その温度で凝固工程を行った。得られた
多結晶シリコンインゴットのEPDを測定し、表1に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】これらの製造試験例から明らかなように、
本実施例の多結晶シリコンインゴットは比較例のそれと
比べて、低いEPDで特徴づけられ、特に凝固なまし工
程でのta/tb時間比は、10以下であるとEPDが
より改善され、良好な多結晶インゴットが得られたこと
が判る。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、多結晶半
導体の製造方法において、るつぼ内に装填した半導体材
料を融解させ、るつぼ底部から冷却、半導体材料を凝固
結晶化するので、底面からるつぼ上部にかけて一方向に
結晶が成長した結晶学的に優れた多結晶半導体を得るこ
とができる。
【0050】また本発明によれば、るつぼの底部下面に
熱電対を設け、半導体材料の加熱融解時のるつぼの底部
の下面の温度T2の時間変化率ΔTaを検出することに
よって、加熱、凝固、冷却工程を制御するので、本発明
の多結晶半導体製造方法は再現性が極めて優れ、しかも
温度制御は、単一の熱電対をるつぼの底部の下面に接す
る支持台の上部に埋設するだけで済み、安価に実施でき
る。さらに、前述のような温度制御、冷却、加熱、凝固
あるいはるつぼの位置決定を1つの制御手段によって実
行できるので、結晶成長過程における全ての工程の自動
化が可能である。
【0051】さらに、種結晶を使用して多結晶半導体を
成長させる場合、種結晶の融解を信頼性高く、抑制する
ことができるので、高品質の多結晶半導体を得ることが
できる。
【0052】本発明によれば、半導体の材料の熱放出量
を周期的に変化させながら、結晶の成長と焼なましを交
互に行わせるので、EPDが低く改善された、応力歪の
少ない、したがって割れにくい多結晶半導体が得られ
る。
【0053】加えて、熱放出量が比較的大きい期間の合
計時間が、熱放出量の比較的小さい期間の合計時間の1
0倍以下であるように設定すると、得られる多結晶半導
体のEPDがさらに改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多結晶半導体の製造装置の概略構成を
示す縦断面図である。
【図2】本発明の多結晶半導体の製造装置の要部縦断面
拡大図である。
【図3】第1の熱電対6および第2の熱電対13での検
出温度T1,T2の経時変化を示す温度制御特性図であ
る。
【図4】図1中に示される制御部の動作を示すフローチ
ャートである。
【図5】本発明に従う凝固、なまし工程における熱放出
量と時間との関係を示す模式図である。
【図6】本発明に従う凝固、なまし工程における固液温
度と時間との関係を示す模式図である。
【図7】本発明に用いられる中空構造を有するるつぼの
支持台10の一例を示す縦断面図である。
【図8】図7の支持台の中空部において断熱材片が伸長
された状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 密閉容器 2 熱絶縁体 3 加熱体 4 加熱炉 5 誘導加熱コイル 6 第1の熱電対 7 制御部 8 リード線 9 るつぼ 10 支持台 11 台座 12 筒体 13 第2の熱電対 14 パイロメータ 15 冷媒槽 16 駆動手段 20 中空部 21 断熱体片

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体に対して不活性な雰囲気下で、る
    つぼ内に半導体材料を装入し、るつぼ内で半導体材料を
    加熱手段によって加熱融解し、るつぼ底部から熱を奪い
    ながら融解材料を凝固させ、続いてるつぼを冷却し、凝
    固した半導体を冷却させる多結晶半導体の製造方法にお
    いて、前記凝固工程で、半導体材料の熱放出量を周期的
    に変化させながら、半導体結晶の成長と焼なましとを交
    互に行わせることを特徴とする多結晶半導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記熱放出量が比較的大きい期間の合計
    時間が、前記熱放出量の比較的小さい期間の合計時間の
    10倍以下である請求項1記載の多結晶半導体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記熱放出量を周期的に変化させるため
    に、融解材料の固液界面付近の温度を半導体材料の融点
    を基準にして所定の範囲内で周期的に上下させる請求項
    1記載の多結晶半導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱放出量を周期的に変化させるため
    に、冷媒を用いてるつぼ底部から熱を奪い、該冷媒を周
    期的に切換える請求項1〜3のいずれかに記載の多結晶
    半導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱放出量を周期的に変化させるため
    に、冷媒を用いてるつぼ底部から熱を奪い、該冷媒の流
    量を調節する請求項1〜3のいずれかに記載の多結晶半
    導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱放出量を周期的に変化させるため
    に、るつぼ底部から熱を奪うのに、るつぼ底部に当接す
    る中空構造を有するるつぼ支持台を提供し、そして該中
    空構造に断熱体片を出し入れする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の多結晶半導体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記半導体材料をるつぼに装入する前
    に、るつぼの底面に半導体の種結晶を配置し、凝固工程
    において該種結晶から多結晶を成長させる請求項1記載
    の多結晶半導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記半導体材料がポリシリコンであり、
    多結晶半導体が多結晶シリコンである請求項1〜7のい
    ずれかに記載の多結晶半導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 密閉容器と、 密閉容器内に配置され、半導体材料を装入するためのる
    つぼと、 るつぼをその底部よりも上方で加熱して半導体を融解す
    る加熱手段と、 るつぼの底部の下面を支持してるつぼを乗載する支持台
    であって、該支持台は中空構造を有し、その中に断熱材
    を出し入れできる支持台と、 支持台を冷却する冷却手段と、 支持台を鉛直軸線まわりに回転駆動し、かつ昇降駆動す
    る駆動手段とを含むことを特徴とする多結晶半導体の製
    造装置。
  10. 【請求項10】 さらに加熱手段によりるつぼが加熱さ
    れる第1温度T1を検出する第1温度検出手段と、るつ
    ぼの底部の下面の第2温度T2を検出する第2温度検出
    手段と、 第1温度検出手段および第2温度検出手段の各出力に応
    答し、第1温度T1が半導体材料の融解温度以上になる
    ように加熱手段を制御し、第2温度検出手段によって検
    出される第2温度T2の時間変化率ΔTaが設定値以上
    になったとき、第1温度T1が下降するように加熱手段
    を制御する制御手段とを含むことを特徴とする請求項9
    記載の多結晶半導体の製造装置。
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