JP2003212533A - 太陽電池用シリコンの精製方法 - Google Patents

太陽電池用シリコンの精製方法

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JP2003212533A
JP2003212533A JP2002015674A JP2002015674A JP2003212533A JP 2003212533 A JP2003212533 A JP 2003212533A JP 2002015674 A JP2002015674 A JP 2002015674A JP 2002015674 A JP2002015674 A JP 2002015674A JP 2003212533 A JP2003212533 A JP 2003212533A
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sludge
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Yoshihide Kato
嘉英 加藤
Kenkichi Yushimo
憲吉 湯下
Hiroyuki Uesugi
浩之 上杉
San Nakato
參 中戸
Kozo Yumitate
浩三 弓立
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JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽電池用シリコンの素材としてより高純度
のシリコンを精製し製造すること、およびp型、n型シ
リコンを分別精製するための方法を提案する。 【解決手段】 半導体製造時に発生する廃シリコンのス
ラッジから太陽電池用シリコン原料を精製するに当た
り、シリコン濃度90mass%以上(無水ベース)、含水率
90mass%以下の廃シリコンスラッジを原料とし、この原
料を、不純物成分濃度に応じ、不活性ガス雰囲気下もし
くは減圧・真空雰囲気下で溶解する処理、酸化処理、お
よび一方向凝固処理のいずれか一種以上の方法で処理し
不純物を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池用シリコ
ンの精製方法に関し、とくに半導体製造工程におけるシ
リコンウェハの研削・研磨時に発生する廃シリコンのス
ラッジを、太陽電池用シリコンの素材として再利用する
ための技術について提案する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー源多様化の要求から、
太陽光発電が脚光を浴びている。この太陽電池は、2種
類のセル、即ちシリコン半導体(p型、n型)を接合し
て構成したものであり、それ故に、シリコンは、太陽電
池用原料として重要である。
【0003】ところで太陽電池のセルとなりうるシリコ
ンは、純度 99.9999mass%以上で、比抵抗 0.5Ωcm以上
という高純度のものが求められており、従来は、半導体
産業で用いられる高純度シリコンまたはIC用の基板を
製造したときに発生する規格外品が利用されている。し
かし、半導体用高純度シリコンは高価であり、また規格
外品の発生量は少なく、限界がある。従って、太陽電池
用シリコン源の確保は重要な課題である。
【0004】このような背景の下、太陽電池用シリコン
を安価にしかも安定して供給できる方法が検討され、多
くの提案がなされている。例えば、市販のシリコン(純
度99.5mass%)から上記高純度シリコンを製造する方法
として、Al,Fe,Ti等の金属不純物元素については固液
分配係数の小さいことを利用した一方向凝固精製により
除去し、Cについては、SiCとなっている場合には凝固
の際に表面に析出させ、また溶解している場合にはCO
として除去し、一方、Pについては蒸気圧の高いことを
利用して減圧除去し、BについてはH2O,CO2 ある
いはO2を添加したArプラズマ溶解により除去する方法
が提案されている。しかし、この方法では、各不純物元
素の除去方法がそれぞれ異なり、工程が煩雑になるばか
りか、次工程に移行する際のロスによる歩留りの低下等
の問題があった。
【0005】また、特公平5−124809号公報には、電子
ビーム溶解を利用した一方向凝固精製により不純物を除
去する方法が提案されているが、一方向凝固精製は蒸発
による精製とは精製の機構が異なり、固液分配係数が1
に近い不純物であるB等の効率的除去を行うのは困難で
あった。
【0006】これに対し、出願人は、先に、主としてシ
リコンスラッジを素材として、この素材から固形分を分
離したのち、その固形分から物理的手段により不純物を
除去する物理的分離工程と、ついで酸溶液に浸漬し不純
物を除去する酸浸漬工程と、さらに洗浄および乾燥工程
を経ることを特徴とする太陽電池用シリコン原料粉の製
造方法を提案した(特開平9-165212号公報)。しかしな
がら、この方法では、十分な不純物の除去と、p型、n
型に適用するシリコンを自由に作り分けることはできな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術が抱えている上述した課題を有利に解決し、太陽電
池用シリコンの素材として、より高純度のシリコンを精
製し製造するための方法を提案することにある。本発明
はまた、n型太陽電池用シリコン、p型太陽電池用シリ
コンを、シリコンスラッジの不純物成分、その濃度に応
じて、簡単に作り分ける技術を提案することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的の実現に向けた
研究の中で、発明者らは、より高純度化されたシリコン
半導体を得るためには、廃シリコンのスラッジ(シリコ
ンスラッジ)を単に溶解して不純物を一方向凝固除去す
るだけでは不十分であり、とくに易蒸発性成分や易酸化
性成分をその濃度に応じて、またp型、n型シリコンに
するために最も有効な方法を適用して除去することが有
効であることの知見を伴って、本発明を開発するに至っ
た。とくに本発明は、p型太陽電池用シリコン(B>
P)、n型太陽電池用シリコン(B<P)を作り分けると
きに、Pの蒸発除去の処理とBの酸化除去の処理とを区
別して行うと有効であり、より高純度化するには、さら
に、一方向凝固処理を併用すると有効であるとの知見を
得て完成した技術である。
【0009】すなわち、本発明は、半導体製造時に発生
する廃シリコンのスラッジから太陽電池用シリコンを精
製するに当たり、シリコン濃度90mass%以上(無水ベー
ス)、含水率90mass%以下のシリコンスラッジを原料と
し、このスラッジ原料を、不純物成分およびその濃度に
応じ、不活性ガス雰囲気下もしくは減圧・真空雰囲気下
で溶解する処理、酸化処理、および一方向凝固処理のい
ずれか一種以上の方法で処理し、不純物を除去すること
を特徴とする太陽電池用シリコンの精製方法を提案す
る。
【0010】なお、本発明の上記精製方法においては、
不活性ガス雰囲気下もしくは減圧・真空雰囲気下での処
理によって、酸素、りん、ひ素、カルシウムの如き易蒸
発性成分を除去し、酸化処理によってほう素や炭素の如
き易酸化性成分を除去し、一方向凝固処理によって、鉄
やアルミニウム、チタン、タングステン、クロム、ガリ
ウムの如き金属成分を除去するようにすることが好まし
い。
【0011】また、本発明の上記精製方法においては、
不活性ガス雰囲気下もしくは減圧・真空雰囲気下の処理
でリンを蒸発除去し、酸化処理によってほう素を酸化除
去することにより、p型シリコン、n型シリコンのイン
ゴットを作り分けることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、太陽電池用シリコン
精製用のための素材として、廃シリコンのスラッジ(シ
リコンスラッジ)を用いる。このシリコンスラッジとい
うのは、シリコンインゴットをスライスして研削、研磨
し、シリコンウェハに加工する際に発生するスラッジで
ある。
【0013】一般に、半導体製造工程におけるウェハ成
形工程では、単結晶のシリコンインゴットから5〜8イン
チ径のシリコンウェハ(シリコン基板)が切り出され、
その上に、不純物注入、薄膜形成、フォトエッチングを
繰り返すことによりトランジスタや配線等が形成され
る。このような製造工程の中で、単結晶のシリコンイン
ゴットからシリコン基板を切り出す工程では、多量のシ
リコン切削屑が発生する。その点、切り出されたシリコ
ン基板は、当初、数百ミクロンの厚みを有するが、その
後、組み立て工程で使用される実用範囲(約半分)の厚
みにまでさらに研磨される。また、ICチツプ単位に切
断、分離する際にもシリコン研削屑、研磨屑が発生す
る。これらのシリコン切削屑、研磨屑は、粒度が10μm
〜30μm程度と非常に細かいことや、研削、研磨には通
常、湿式法が用いられ、排水中のシリコン研削屑、研磨
屑の濃度が50〜300ng/lと非常に小さいこともあって再
利用が進んでいなかった。しかも、このシリコンスラッ
ジには、シリコン以外にも不純物として酸素、りん、ひ
素、カルシウム、ほう素、炭素、ガリウム、鉄、アルミ
ニウム等が含まれているために、再利用を阻む原因とな
っていた。このような理由から、半導体の製造時のシリ
コンウェハを研削・研磨工程において発生する、シリコ
ン研削屑・研磨屑を含む排水は、従来、再利用されるこ
となく、そのほとんどが廃棄されていたのである。
【0014】本発明は、かかるシリコンスラッジを太陽
電池用シリコンの素材として用いようとするものである
が、本発明において利用可能なシリコンスラッジは、発
明者らの研究によれば、シリコン濃度が90mass%以上で
含水率が90mass%以下のものを用いる必要があり、少な
くとも下記の各成分を含むものが用いられる。 易蒸発性成分として、酸素、りん、ひ素、カルシウ
ムなど 易酸化性成分として、ほう素、炭素など 金属成分として、鉄、アルミニウム、チタン、タン
グステン、クロム、ガリウムなど
【0015】上記シリコンスラッジについて、シリコン
濃度が90mass%以上(無水ベース)で含水率が90mass%
以下のものに限定した理由は、シリコン濃度が無水ベー
スで90mass%未満だとそれ以外の主な成分である酸素を
除去するのが困難となるからで、含水率が90mass%を超
えると事前処理にて水分を除去するのに多大な労力を要
するからである。シリコンスラッジの濃度調整は、濾
過、遠心分離、乾燥などで行うことができる。
【0016】かかるシリコンスラッジから、太陽電池用
シリコンを精製するために、本発明では、不純物成分の
種類、濃度に応じ、それぞれの成分を除去するのに最も
有効な方法を組合せて、高純度の太陽電池用p型または
n型シリコンを容易にかつ安価に得ることを目標とし
た。
【0017】その方法として、本発明では、酸素やリ
ン、ひ素、カルシウムなどの易蒸発性成分については、
前記シリコンスラッジを乾燥したのちアルゴン等の不活
性ガス雰囲気、10〜0.01Pa程度の減圧雰囲気あるいは真
空雰囲気中に保持して、これらの不純物成分を蒸発除去
する方法を採用する。このような方法の採用によって、
該スラッジ中の酸素(O)は3.5mass%程度のものが、10m
ass ppm程度以下になり、りん(P)は0.1mass ppm程度以
下、ひ素(As)は0.1mass ppm程度以下、そしてカルシウ
ム(Ca)は0.1mass ppm程度以下にまで低下させることが
できる。
【0018】また、本発明では、ほう素(B)および炭素
(C)などの易酸化性成分については、前記シリコンス
ラッジを乾燥したのち、酸化処理、たとえば溶融シリコ
ンの浴表面に水蒸気等を吹きつけて、酸化ボロンの形
で、あるいは空気を吹きつけて二酸化炭素の形で除去す
る方法を採用する。この処理によって、該スラッジ中の
ボロンは0.1mass ppm程度以下、炭素は10mass ppm程度
以下にまで低下させることができる。
【0019】そして、本発明では、鉄(Fe)やアルミニウ
ム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)、クロム(C
r)、ガリウム(Ga)等の金属成分については、前記シリ
コンスラッジを乾燥したのち、これをプラズマ溶解炉や
電子ビーム溶解炉にて溶解し、その溶湯を一方向凝固さ
せて、最終凝固位置にこれらの成分を濃化させて除去す
る方法を採用する。
【0020】本発明において、上述した蒸発除去処理、
酸化除去処理および一方向凝固処理は、p型、n型シリ
コンの作り分けのために個別に処理する場合の他、より
高純度のものを得るために、これらの処理総てを連続し
て行う方法であってもよい。この場合、これらの処理の
順序は、特に限定がある訳ではないが、望ましくは不活
性ガス雰囲気下(もしくは減圧、真空雰囲気下)での溶
解後、酸化処理を経て一方向凝固処理を行うという順序
のとき、最もよい効果が得られる。
【0021】シリコンスラッジを上述したような精製を
行うことによって、得られるシリコンインゴットの純度
は、Si:99.999mass%以上となり、不純物については、
O≦10mass ppm、P≦0.1mass ppm、As≦0.1mass ppm、
Ca≦0.1mass ppm、B≦0.1mass ppm、C≦10mass ppm、
Fe≦0.1mass ppm、Al≦0.1mass ppm、Ti≦0.1mass pp
m、W≦0.1mass ppm、Cr≦0.1mass ppm、Ga≦0.1mass p
pmに低下させることができる。
【0022】なお、本発明の実施に当たっては、上述し
た精製処理の事前処理として、酸処理や物理的手段を併
用してもよい。というのは、一般に、このシリコンスラ
ッジには、インゴットを切断する時に発生するシリコン
粉とともに、切削時に切断機の刃等の摩耗により発生す
るアルミナ、コランダム、鉄酸化物、鉄水酸化物、シリ
カ、酸化バリウム、酸化マグネシウム、Cu,C等の不純
物が物理的に混入しているし、切削油も含まれている。
そこで、まずシリコン粉等の固形分を分離し、つぎに、
その固形分から不純物を分離する。この分離方法の1つ
として、酸浸漬処理を行う。この処理は酸溶液を用い、
酸溶液中に固形分を投入し不純物を除去する。この酸溶
液による処理により金属不純物のうち、とくにCu,Feを
除去するのに有効である。ここで用いられる酸は、塩酸
水溶液あるいは塩酸と硝酸の混合水溶液が好適である。
とくに、水溶液の濃度は5〜20vol%塩酸水溶液、5〜20v
ol%塩酸+1〜10vol%硝酸混合水溶液が好ましい。
【0023】また、物理的手段としては、特に限定しな
いが、粒子分級、浮選、磁気分離が好適である。これら
は、単独または組合せて行う。もちろん、物理的手段と
酸浸漬を組合せてもよい。
【0024】
【実施例】(実施例1)半導体の製造において、シリコン
ウェハを研削・研磨した際に排出されたシリコン研削・
研磨屑を含む排水を濾過により、シリコンスラッジと水
とに分離した。排水中のシリコン研削・研磨屑の濃度
は、150ng/lで、レーザー法による粒度測定では、0.03
〜30μmの範囲に分布しており、平均粒子径は1.4μmで
あった。前記濾過して得られたシリコンスラッジの含水
率は80mass%であった。このシリコンスラッジを窒素中
で90℃で24時間乾燥し、水分を除去した。これを分析し
た結果、Si=96.3mass%、B=0.1mass ppm、P<0.02m
ass ppm、Ti=0.05mass ppm、Fe=0.05mass ppm、Al<
0.01mass ppm、As<0.01mass ppm、Ca<0.01mass ppm、
C<10mass ppm、O=3.5mass%であった。
【0025】なお、太陽電池用シリコン(p型)の目標
不純物濃度は、B=0.1mass ppm、P,Ti,Fe,As,C
a,Alは、それぞれ0.1mass ppm未満、C<10mass ppm、
O<10mass ppmである。従って、上記分析結果から不純
物精製は、酸素以外に不要であったので、上記シリコン
スラッジを外熱式の溶解炉でアルゴン雰囲気下で溶解
し、しかる後、一方向凝固処理を行った。
【0026】このような精製によって得られたシリコン
インゴット中の不純物の濃度は、B=0.1mass ppm、P
<0.02mass ppm、Ti<0.01mass ppm、Fe<0.05mass pp
m、Al<0.01mass ppm、As<0.01mass ppm、Ca<0.01mas
s ppm、C<10mass ppm、O<10mass ppm、となった。
【0027】上記のシリコンインゴットをスライスして
多結晶シリコン基板とし、太陽電池セルを作製したとこ
ろ、太陽光から電気エネルギーへの変換効率は14〜15.3
%となり、通常の市販品とほぼ同レベルとなった。
【0028】(実施例2)半導体の製造において、シリコ
ンウェハを研削・研磨した際に排出されたシリコン研削
・研磨屑を含む排水を濾過し、シリコンスラッジと水と
に分離した。排水中のシリコン研削・研磨屑の濃度は、
200ng/lで、レーザー法による粒度測定の結果、0.05〜
10μmの範囲に分布しており、平均粒子径は2.3μmであ
った。前記濾過により得られたシリコンスラッジの含有
率は75mass%であった。このシリコンスラッジを窒素中
で90℃で24時間乾燥し、水分を除去した。これを分析し
た結果、Si=97.1mass%、B=10mass ppm、P<0.02ma
ss ppm、Ti=0.5mass ppm、Fe=0.5mass ppm、Al=0.1m
ass ppm、As<0.01mass ppm、Ca<0.01mass ppm、C<1
0mass ppm、O=2.7mass%であった。
【0029】一方、太陽電池用シリコンn型の目標不純
物濃度はB=0.01mass ppm、P=0.1mass ppm、Ti,F
e,Ca,Asはそれぞれ0.1mass ppm未満、C<10mass pp
m、O<10mass ppmである。従って、上記分析結果か
ら、Bおよび金属成分について、目標値以下まで減少さ
せる必要があった。そこで、上記シリコンスラッジをプ
ラズマ溶解炉中で溶解し、しかる後、そのシリコン浴表
面に水蒸気を吹きつけることでボロンを酸化ボロンの形
で酸化除去した。所定のボロン濃度が得られたことを確
認後、るつぼ底部からるつぼ内溶融シリコンを一方向凝
固させ、最終凝固位置に金属不純物を濃化させた。この
ような処理によって、最終凝固位置以外のシリコンイン
ゴット中の不純物はB=0.01mass ppm、P=0.1mass pp
m、Ti<0.01mass ppm、Fe<0.05mass ppm、Al<0.01mas
s ppm、As<0.01mass ppm、Ca<0.01mass ppm、C<10m
ass ppm、O<10mass ppmとなった。こうして得られた
インゴット(n型半導体)をスライスして多結晶シリコ
ン基板とし、太陽電池セルを作製したところ、太陽光か
ら電気エネルギーへの変換効率は14〜15.5%となり、通
常の市販品とほぼ同レベルとなった。
【0030】(実施例3)半導体の製造において、シリ
コンウェハを研削・研磨した際に排出されたシリコン研
削・研磨屑を含む排水を濾過し、シリコンスラッジと水
とに分離した。排水中のシリコン研削・研磨屑の濃度
は、100ng/lで、レーザー法による粒度測定の結果、0.
01〜20μmの範囲に分布しており、平均粒子径は0.9μm
であった。前記濾過により得られたシリコンスラッジの
含水率は84mass%であった。このシリコンスラッジを窒
素中で90℃で24時間乾燥し、水分を除去した。これを分
析した結果、Si=95.7mass%、B=0.1mass ppm、P=2
5mass ppm、Ti=0.2mass ppm、Fe=0.4mass ppm、Al=
0.2mass ppm、As=0.1mass ppm、Ca=0.7massppm、C<
10mass ppm、O=4.0mass%であった。
【0031】一方、太陽電池用シリコン(p型)の目標不
純物濃度はB=0.1mass ppm、P,Ti,Fe,As,Ca,Al
はそれぞれ0.1mass ppm未満、C<10mass ppm、O<10m
ass ppmである。従って、上記分析結果から、Pおよび
金属成分を目標値以下まで減少させる必要があった。そ
こで、上記シリコンスラッジを、電子ビーム溶解炉中で
溶解し、Pを真空除去した。所定のリン濃度が得られた
ことを確認後、るつぼ底部からシリコンを一方向凝固さ
せ、最終凝固位置にFe,Al,Ti等の金属不純物を濃化さ
せて除去した。
【0032】こうして得られた最終凝固位置以外のシリ
コンインゴット中の不純物は、B=0.1mass ppm、P=
0.09mass ppm、Ti=0.01mass ppm、Fe=0.05mass ppm、
Al=0.01mass ppm、As=0.01mass ppm、Ca=0.01mass p
pm、C<10mass ppm、O<10mass ppmとなった。
【0033】このシリコンインゴットは、半導体がn型
であったが、スライスして多結晶シリコン基板とし、太
陽電池セルを作製したところ、太陽光から電気エネルギ
ーへの変換効率は14〜15.7%となり、通常の市販品とほ
ぼ同レベルとなった。
【0034】(比較例)半導体の製造において、シリコン
ウェハを研削・研磨した際に排出されたシリコン研削・
研磨屑を含む排水を濾過し、シリコンスラッジと水とに
分離した。排水中のシリコン研削・研磨屑の濃度は、20
0ng/lで、レーザー法による粒度測定の結果、0.04〜30
μmの範囲で分布し、平均粒子径は1.3μmであった。前
記濾過により得られたシリコンスラッジの含水率は84ma
ss%であった。このシリコンスラッジを窒素中で90℃で
24時間乾燥し、水分を除去した。これを分析した結果、
Si=96.7mass%、B<0.01mass ppm、P=20mass ppm、
Ti=0.1mass ppm、Fe=0.3mass ppm、Al=0.2mass pp
m、As=0.1mass ppm、Ca=0.5mass ppm、C<10mass pp
m、O=3.0mass%であった。
【0035】一方、太陽電池用シリコン(n型)の目標不
純物濃度はP=0.1mass ppm、B=0.01mass ppm、Ti,F
e,Ca,As,Alはそれぞれ0.1mass ppm未満、C<10mass
ppm、O<10 mass ppmである。そこで上記シリコンス
ラッジを外熱式の溶解炉でアルゴン雰囲気下で溶解し、
その後冷却してインゴットとした。このシリコンインゴ
ットの不純物濃度は、B=0.01mass ppm、P=19mass p
pm、Ti=0.07mass ppm、Fe=0.24mass ppm、Al=0.18ma
ss ppm、As=0.1mass ppm、Ca=0.03mass ppm、C=10m
ass ppm、O=10mass ppmとなった。
【0036】このインゴットは、半導体特性がn型であ
ったので、スライスして多結晶シリコン基板とし、太陽
電池セルを作製したところ、太陽光から電気エネルギー
ヘの変換効率は8〜10%となり、太陽電池としては不適
であった。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
廃シリコンのスラッジから高純度の太陽電池用シリコン
を、簡易にかつ安価に製造することができる。また、本
発明によればn型、p型シリコンを、原料スラッジの不
純物成分の種類、その濃度に応じて適宜に分別精製する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上杉 浩之 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 日 比谷国際ビル 川崎製鉄株式会社本社内 (72)発明者 中戸 參 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川鉄テ クノリサーチ株式会社内 (72)発明者 弓立 浩三 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川鉄テ クノリサーチ株式会社内 Fターム(参考) 4G072 AA01 GG01 GG03 HH01 MM08 MM38 RR03 RR12 UU01 UU02 4K001 AA23 BA14 EA01 EA02 EA03 EA05 5F051 AA03 CB30 GA04 GA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体製造時に発生する廃シリコンのス
    ラッジから太陽電池用シリコンを精製するに当たり、シ
    リコン濃度90mass%以上(無水ベース)、含水率90mass
    %以下のシリコンスラッジを原料とし、このスラッジ原
    料を、不純物成分およびその濃度に応じ、不活性ガス雰
    囲気下もしくは減圧・真空雰囲気下で溶解する処理、酸
    化処理および一方向凝固処理のいずれか一種以上の方法
    で処理し、不純物を除去することを特徴とする太陽電池
    用シリコンの精製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、不活性
    ガス雰囲気もしくは減圧・真空雰囲気下での処理によっ
    て、易蒸発性成分を除去し、酸化処理によって、易酸化
    性成分を除去し、そして一方向凝固処理によって、金属
    成分を除去することを特徴とする太陽電池用シリコンの
    精製方法。
  3. 【請求項3】 不活性ガス雰囲気下もしくは減圧・真空
    雰囲気下の処理でリンを蒸発除去し、酸化処理によって
    ほう素を酸化除去することにより、p型シリコン、n型
    シリコンのインゴットを作り分けることを特徴とする請
    求項1または2に記載の太陽電池用シリコンの精製方
    法。
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