JP5246702B2 - シリコン精製方法 - Google Patents
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A.金属シリコンを、真空下において溶解し、その含有するリンを気化脱リンした後、溶湯から不純物成分を除去するための一方向凝固を行い、鋳塊を得る(ステップS1bおよびステップS2b参照)。
B.上記鋳塊の不純物濃化部を切断、除去する。
C.切断除去後の残部を再溶解し、酸化性雰囲気下で溶湯からボロン及び炭素を酸化除去し、引き続きアルゴンガスあるいはアルゴンと水素の混合ガスを該溶湯に吹き込み、脱酸素する(ステップS3b参照)。
D.上記脱酸後の溶湯を、鋳型に鋳込み、一方向凝固を行い鋳塊を得る(ステップS4b参照)。
E.一方向凝固で得た鋳塊の不純物濃化部を切断、除去し、さらにはこれをスライスしてシリコン基板とする。
まず、ステップS1aにおいて、シリコンの機械加工を行なった際に発生するシリコン屑を回収する工程が行なわれる。
(1)水分
(2)シリコンが削られることにより生じるシリコン粉
(3)シリコンの機械加工に使用された固定砥粒または遊離砥粒から生じる砥粒
(4)切断刃またはワイヤー等から生じる金属成分
(5)潤滑油のオイル成分
また、シリコンの機械加工による廃液からのシリコン屑の回収は、たとえば、(i)廃液をフィルターまたは遠心分離機を用いて固体分を捕捉し乾燥させることによりシリコン屑を取得する方法、(ii)廃液を回収し加熱または蒸留することによりシリコン屑を取得する方法および(iii)廃液に対して凝集剤を用いてシリコン屑を取得する方法のうち少なくとも1つを含む方法により行なうことができる。
次に、ステップS2aにおいて、上記のシリコン屑を回収する工程において回収したシリコン屑を酸溶液(第2の酸溶液)、有機溶剤および水からなる群から選択された少なくとも1つを含む洗浄液で洗浄する工程が行なわれる。これにより、シリコン屑からボロン、リン、金属成分およびオイル成分からなる群から選択された少なくとも1種の不純物などを除去することができる。
次に、ステップS3aにおいて、溶融前洗浄工程において洗浄された原料シリコンを溶融させる工程が行なわれる。
次に、ステップS4aにおいて、上記の溶融工程後の溶融シリコンを凝固させてシリコン塊を形成する工程が行なわれる。
次に、ステップS5aにおいて、上記のシリコン塊の形成工程で得られたシリコン塊を第1の酸溶液で洗浄する工程が行なわれる。
次に、ステップS6aにおいて、上記の第1の酸溶液による洗浄工程後のシリコン塊を第1の塩基性溶液で洗浄する工程が行なわれる。
第1の塩基性溶液による洗浄工程(ステップS6a)の後には、ステップS7aに示すように、第1の塩基性溶液で洗浄されたシリコン塊を酸溶液(第3の酸溶液)で洗浄する工程を行なうことができる。
また、第1の塩基性溶液による洗浄工程(ステップS6a)または第3の酸溶液による洗浄工程(ステップS7a)の後には、ステップS8aに示すように、シリコン塊からリンを除去する工程(脱リン工程)を行なうこともできる。
また、第1の塩基性溶液による洗浄工程(ステップS6a)または脱リン工程(ステップS8a)の後には、ステップS9aに示すように、シリコン塊を粉砕した後に酸溶液(第4の酸溶液)および塩基性溶液(第2の塩基性溶液)の少なくとも一方で洗浄する工程(リーチング工程)を行なうこともできる。これにより、主に鉄などの金属成分の不純物などを除去することができる。
また、第1の塩基性溶液による洗浄工程(ステップS6a)、脱リン工程(ステップS7a)またはリーチング工程(ステップS9a)の後には、ステップS10aに示すように、偏析によって金属を除去する工程(偏析工程)が行なわれる。これにより、鉄などの金属成分を除去することができる。また、偏析工程においては、金属成分、砥粒および酸素からなる群から選択された少なくとも1種の不純物などを除去してもよい。
上記のシリコン精製方法によれば、たとえば、以下の(a)〜(e)に示す種類の不純物の含有量を低減した高純度の精製シリコンを得ることができる。
(a)ボロンの含有量(重量):0.3ppm以下
(b)リンの含有量(重量):0.3ppm以下
(c)鉄の含有量(重量):1ppm以下
(d)炭化ケイ素の含有量(重量):10ppm以下
(e)酸素の含有量(重量):10ppm以下
このように、本発明のシリコンの精製方法にアセトンなどの有機溶剤を用いて有機洗浄を行なう必要がないため、上記のような高純度の精製シリコンを低コストで得ることができる。
まず、マルチワイヤソーおよびスラリを用いてシリコンの切断加工を行ない、シリコンの切断加工の際に発生したスラリの廃液を回収した。ここで、スラリのクーラントとしては水溶性オイル(大智化学産業(株)製、ルナクーラント)が用いられ、スラリの遊離砥粒としてはシナノ製のシリコンカーバイドGC#1000(平均粒子径約11μm)が用いられた。
上記の乾燥後の二次固形分を硫酸濃度が1〜10質量%程度の硫酸(25℃)中に浸漬させて攪拌しながら1時間保持した。そして、二次固形分に付着した硫酸を水で洗い流した後に、硫酸による洗浄後の二次固形分をフッ化水素濃度が1〜10質量%程度のフッ酸中に浸漬させて攪拌しながら1時間保持した。そして、二次固形分に付着したフッ酸を水で洗い流した後に、上記と同様にして、二次固形分中のボロン、リン、鉄、炭化ケイ素、クーラントおよび酸素の含有量を測定した。その結果を表2に示す。
上記のようにフッ酸を水で洗い流した後に乾燥させた二次固形分をカーボン坩堝中に投入した後に誘導加熱装置によってカーボン坩堝を1800℃まで加熱することによって二次固形分を溶解して溶融シリコンを作製した。
上記のようにして形成されたシリコン塊をフッ化水素濃度が1質量%程度のフッ化水素水溶液(25℃)中に浸漬させて攪拌しながら1時間保持した。そして、シリコン塊に付着したフッ化水素水溶液を水で洗い流した。
次に、上記のように水酸化ナトリウム水溶液で洗浄されたシリコン塊をカーボン坩堝内に投入した後に誘導加熱装置によってカーボン坩堝を1600℃まで加熱してシリコン塊を溶解して溶融シリコンを作製した。
上記の脱リン工程後のシリコン塊を粒子径1mm以下のシリコン粉末が98%以上となる粒子径分布となるように粉砕した後に、フッ化水素濃度が5質量%のフッ化水素水溶液(25℃)中に浸漬させて攪拌しながら4時間保持した。そして、シリコン粉末に付着したフッ化水素水溶液を水で洗い流した。その後、上記と同様にして、シリコン粉末中のボロン、リン、鉄、炭化ケイ素、クーラントおよび酸素の含有量を測定した。その結果を表6に示す。
上記のリーチング工程後のシリコン粉末を溶融させて溶融シリコンとした後に一方向凝固を行なった。具体的には、250kgのシリコンを溶融し、一方向凝固により、680mm角×高さ235mmのシリコン塊を得、前記のシリコンの上部30mm、側面各10mm、下部10mmをバンドソーにて切断、除去し、内部の660mm角×195mm(200kg)を太陽電池用シリコン原料とした。
Claims (13)
- 原料シリコンから精製シリコンを得るシリコン精製方法であって、
前記原料シリコンを溶融させて得られた溶融シリコンを凝固させてシリコン塊を形成する工程と、
前記シリコン塊を第1の酸溶液で洗浄する工程と、
前記第1の酸溶液で洗浄されたシリコン塊を第1の塩基性溶液でさらに洗浄する工程と、を含むことを特徴とする、シリコン精製方法。 - 前記原料シリコンが、シリコンの機械加工を行なった際に発生するシリコン屑である、請求項1に記載のシリコン精製方法。
- シリコンの機械加工を行なった際に発生する廃棄物から前記シリコン屑を回収する回収工程をさらに含む、請求項2に記載のシリコン精製方法。
- 前記第1の酸溶液がフッ化水素水溶液またはフッ化水素水溶液と硝酸との混合溶液である、請求項1から3のいずれかに記載のシリコン精製方法。
- 前記フッ化水素水溶液のフッ化水素濃度が0.5質量%以上10質量%以下である、または前記混合溶液のフッ化水素濃度が0.5質量%以上10質量%以下であって硝酸濃度が0.1質量%以上1質量%以下である、請求項4に記載のシリコン精製方法。
- 前記第1の塩基性溶液が水酸化ナトリウム水溶液である、請求項1から5のいずれかに記載のシリコン精製方法。
- 前記水酸化ナトリウム水溶液の水酸化ナトリウム濃度が1質量%以上5質量%以下である、請求項6に記載のシリコン精製方法。
- 前記原料シリコンを溶融させる前に、前記原料シリコンを洗浄する溶融前洗浄工程をさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載のシリコン精製方法。
- 溶融前洗浄工程で使用する洗浄液は、第2の酸溶液、有機溶剤および水からなる群から選択された少なくとも1つを含む、請求項8に記載のシリコン精製方法。
- 前記第1の塩基性溶液で洗浄する工程の後に、前記シリコン塊を第3の酸溶液で洗浄する工程をさらに含む、請求項1から9のいずれかに記載のシリコン精製方法。
- 前記第1の塩基性溶液で洗浄する工程の後、または、第3の酸溶液で洗浄する工程の後に、偏析によって金属を除去する工程をさらに含む、請求項10に記載のシリコン精製方法。
- 前記第1の塩基性溶液で洗浄する工程の後、または、第3の酸溶液で洗浄する工程の後に、リンを除去する工程、ならびに前記シリコン塊を粉砕した後に第4の酸溶液および第2の塩基性溶液の少なくとも一方で洗浄する工程の少なくとも一方を含む、請求項10または11に記載のシリコン精製方法。
- 前記原料シリコンを溶融させて得られた溶融シリコンを出湯手段を用いて出湯させる工程と、
前記出湯させた溶融シリコンを凝固してシリコン塊を形成する工程とを含む、請求項1から12のいずれかに記載のシリコン精製方法。
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