JP2003208649A - 棒金払出し装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 棒金を確実に払出しすことができる棒金払出
し装置を提供する 【解決手段】 多数本の棒金を一端側に向かって転動さ
せることによりこれらの棒金を収納する少なくとも１つ
の収納棚と、この収納棚の一端側から棒金を１本ずつ払
出す棒金払出し手段と、この棒金払出し手段によって払
出しされた棒金を収容する棒金収容部材とを備えた棒金
払出し装置において、棒金払出し手段は、収納棚の一端
側で隣接する棒金の軸線と平行な軸線周りに回動自在に
支持され、棒金を１本ずつ収容しかつ払出し可能な開口
を有する略円筒状の払出し部材と、この払出し部材を回
動させる駆動手段と、払出し部材を回動させる速度を変
更可能に駆動手段を制御する制御手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動両替機、自動
支払機等において円柱状に包装された包装硬貨（以下、
棒金という）を払出す棒金払出し装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の棒金払出し装置としては、多数
本の棒金を傾けられた収納棚に収納し、重力によって収
納棚の一端側にある棒金を略円筒状の払出し部材を回動
させることにより１本ずつ棒金収容部材に繰り出すもの
がある。このような棒金払出し装置では、払出し部材を
一定速度で回動させて、収納棚にある棒金を棒金収容部
材に払出す構成になっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の棒金払
出し装置においては、棒金が重力の作用により払出し部
材と当接していることが前提となっている。したがっ
て、棒金の金種や収納本数が異なれば、払出し部材と棒
金との間に働く力も変わってくる。ところが、従来の棒
金払出装置は、払出す棒金の種類や収納棚に収納されて
いる棒金の数量に関係なく払出し部材を一定速度で回動
させているので、例えば、払出す棒金が軽い場合や収納
棚に収納されている棒金の数量が少ない場合には、払出
し部材に当接している棒金が意図しないトルク等を受け
て、揺動または宙に浮いてしまい、払出し部材が回動で
きないまたは棒金が払出し部材に収容されないという問
題が発生していた。

【０００４】本発明は、上述したような課題を解決する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
棒金を確実に払出すことができる棒金払出し装置を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明に係る棒金払出し装置は、多数本の棒金
を一端側に向かって転動させることによりこれらの棒金
を収納する少なくとも１つの収納棚と、この収納棚の一
端側から棒金を１本ずつ払出す棒金払出し手段と、この
棒金払出し手段によって払出しされた棒金を収容する棒
金収容部材とを備えた棒金払出し装置において、棒金払
出し手段は、収納棚の一端側で隣接する棒金の軸線と平
行な軸線周りに回動自在に支持され、棒金を１本ずつ収
容しかつ払出し可能な開口を有する略円筒状の払出し部
材と、この払出し部材を回動させる駆動手段と、払出し
部材を回動させる速度を変更可能に駆動手段を制御する
制御手段とを備えたことを特徴とする。この棒金払出し
装置によれば、払出し部材は、制御手段により回動する
速度が制御される。

【０００６】上記棒金払出し装置において、制御手段
は、各収納棚に収納されている棒金の本数に応じて払出
し部材を回動させる速度を制御するようにしてもよい。
これによって払出し部材と棒金との間に働く力に応じた
速度で、払出し部材が回動する。この場合、制御手段
は、例えば、収納棚に収納されている棒金の本数が所定
の本数より多い場合に払出し部材を回動させる速度を速
くし、収納棚に収納されている棒金の本数が所定の本数
より少ない場合に払出し部材を回動させる速度を遅くす
るようにしてもよい。具体的には、各収納棚に収納され
ている棒金の本数に対応した払出し部材を回動させる速
度が予め記録されたテーブルをさらに有し、制御手段
は、テーブル参照して払出し部材を回動させる速度を制
御するようにしてもよい。

【０００７】また、本発明に係る棒金払出し装置におい
て、制御手段は、各棒金の重さに応じて払出し部材を回
動させる速度を制御するようにしてもよい。この場合、
制御手段は、例えば、収納棚に収納されている棒金の重
さが所定の重さより重い場合に払出し手段を回動させる
速度を速くし、収納棚に収納されている棒金の重さが所
定の重さより軽い場合に払出し手段を回動させる速度を
遅くするようにしてもよい。具体的には、各収納棚に収
納されている棒金の重さに対応した払出し部材を回動さ
せる速度が予め記録されたテーブルをさらに有し、制御
手段は、テーブル参照して払出し部材を回動させる速度
を制御するようにしてもよい。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る一実施の形態
の棒金払出し装置について図面を参照して説明する。図
１は、本発明に係る棒金払出し装置の全体を示す側面
図、図２（ａ）は、本発明に係る棒金払出し装置におけ
る払出し部材の斜視図、図２（ｂ）、（ｃ）は、本発明
に係る棒金払出し装置において、払出しの動作を説明す
るために要部を拡大して示す図、図３は、本発明に係る
棒金払出し装置における制御装置の構成を示すブロック
図、図４（ａ）は、本発明に係る棒金払出し装置におい
て、払出し部材を回転させる速度を示すテーブル、図４
（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）は、払出し部材を回転させる由
来となるモータに送信するパルスの一例である。

【０００９】図１において、全体を符号１で示す棒金払
出し装置は、前側が開口した箱状の筺体１１が備えられ
ており、この筺体１１の前側には開口を開閉する扉１２
が設けられ、この扉１２に近接するように筺体１１の前
方には、ガイド棒１３，１３が上下方向に延在するよう
に立設されている。このガイド棒１３，１３の上方の筺
体１１の上面には、棒金を取り出すための開口である棒
金取り出し口（図示せず）が設けられ、この棒金取り出
し口は、その開口を開閉する扉２３が設けられている。
筺体１１の底面にはブラケット（図示せず）を介してモ
ータ１４が固定されており、モータ軸１５と駆動プーリ
１６との間には伝達ベルト１７が張架されている。駆動
プーリ１６と３個の従動プーリ１８との間には、搬送ベ
ルト１９が筺体１１内の上下方向に延在するように張架
されている。したがって、モータ１４が正、逆方向に駆
動することにより、搬送ベルト１９が上下方向に走行
し、この搬送ベルト１９の一部に固定された棒金収容部
材３が一体的に昇降する。

【００１０】筺体１１内部には、扉２３を開閉する公知
の開閉装置（図示しない）、棒金払出し装置１の動作に
電気的に関係する構成要素および棒金払出し装置１の上
位機と電気的に接続された制御装置２０が備えられてい
る。

【００１１】図１において、筺体１１内には前後方向
（矢印Ａ−Ｂ方向）に延在する複数段の収納部２が設け
られており、これらの収納部２は扉１２側（矢印Ａ）方
向に向かって下方に傾斜し互いに平行になるように筺体
１１の両側部内面に固定されている。収納部２は、筺体
１１の両側内面に前傾状態で固定された断面コ字状のベ
ース部材（図示せず）と、このベース部材上に後述する
着脱自在に装填される断面コ字状の収納棚２１とによっ
て構成されている。この収容棚２１内には自重によって
矢印Ａ方向に向かって転動が可能な状態で多数本の棒金
１０が収納されており、先頭の棒金１０が後述する棒金
の払出し部材５に係止されている。なお、自重によって
矢印Ａ方向に転動が可能であるが、これに限定するもの
ではなく、例えば水平な収納部として棒金への付勢手段
を設けてもよい。

【００１２】収納棚２１のそれぞれには、棒金収容部材
３と対面する側の端部にフォトセンサ等の公知の位置セ
ンサ（図示しない）が設けられている。この位置センサ
は、棒金収容部材３の位置を検出し、検出した棒金収容
部材３の位置に関する情報を制御装置２０へ送出する。
収納棚２１とそこに収納する棒金の種類との関係が既知
ならば、棒金収容部材３の位置から、棒金の種類を得る
ことができる。また、収納棚２１のそれぞれには、収納
している棒金の本数を検出するフォトセンサ等の公知の
数量センサ（図示しない）も設けられている。この数量
センサは、それぞれの収容棚２１に収容されている棒金
の本数を検出し、検出した棒金の本数に関する情報を制
御装置２０へ送出する。

【００１３】次に、図２を参照して、払出し部材５につ
いて説明する。払出し部材５は、開口が設けられ略円筒
状に形成された棒金受け入れ部５３と、この棒金受け入
れ部５３の両端を覆う両側部５１，５１と、これらの両
側部５１，５１に突設された回動軸５４，５５と、一方
の回動軸５４に軸着された駆動ギア５６と、棒金受け入
れ部５３の外周部に櫛歯状に突設された複数の係止部５
７とによって形成されている。

【００１４】棒金受け入れ部５３の内径は棒金１０の外
形よりもわずかに大きく形成されており、図１に示すよ
うに、この払出し部材５は、収納棚２１の矢印Ａ方向の
端部に位置付けられるようにして、回動軸５４，５５が
ベース部材の両側部に支承されることにより、軸線周り
に回動自在に支持されている。したがって、図２（ｂ）
に示すように、払出し部材５が回動して開口５２が矢印
Ｂ方向を指向することにより、収納棚２１に収納された
多数本の棒金１０の先頭の棒金１０Ａが払出し部材５の
開口５２から棒金受け入れ部５３内に受け入れられた状
態となっている。

【００１５】図２（ｂ）、（ｃ）に示すように、棒金受
け入れ部５３内に受け入れられた状態における棒金１０
Ａの軸心１０１は、払出し部材５の回動中心５０１に対
して、払出し部材５の開口５２側にずらした位置に位置
付けられている。また、係止部５７の外周端は、払出し
部材５の回動中心５０１を中心とした半径Ｒの円弧の軌
跡と略一致するように形成されている。複数段の収納棚
２１のそれぞれには、金種の異なる棒金が種類ごとに多
数本収納されている。したがって、複数段の収納棚２１
のそれぞれに装填される払出し部材５の棒金受け入れ部
５３の内径も、金種に対応して形成されている。

【００１６】払出し部材５は、例えば駆動ギア５６に他
のギア等を噛合させ、図示しない駆動モータを由来とす
る回転力を加えることにより回転させることができる。
なお、払出し部材５を回転させる方法は、これに限定さ
れず、回転させる速度を可変にすることができるなら、
適宜自由に設定することができる。払出し部材５により
収納棚２１から払出しされた棒金は、棒金収容部材３に
収容される。この棒金収容部材３には重量センサ等のセ
ンサが設けられており、このセンサは、払出し部材５に
より棒金が払出しされたことや棒金取り出し口からユー
ザが棒金を取り出したことを検出すると、そのことに関
する情報を制御装置２０へ送出する。

【００１７】次に、図３を用いて、制御装置２０の構成
について説明する。制御装置２０は、棒金払出し装置１
の動作に関する制御についての演算処理を行うＣＰＵ２
０ａ、棒金払出し装置１の動作に関するプログラムや払
出し部材５を回転させる速度が記録されたテーブル等が
予め格納されているＲＯＭ２０ｂ、上位機が要求する棒
金の金種および本数に関する情報、収納棚２１および棒
金収容部材３に収容されている棒金の金種および本数等
の棒金払出し装置１の動作に必要な動作を記録し、かつ
ＲＯＭ２０ｂに格納されているプログラムを展開するＲ
ＡＭ２０ｃ、棒金払出し装置１の動作に関係する部材お
よび棒金払出し装置１の上位機と棒金払出し装置１の動
作に関する情報を入出力するＩ／Ｆ２０ｄとを備え、制
御装置２０の各構成要素はバス２０ｅで接続されてい
る。

【００１８】ＲＯＭ２０ｂには、図４（ａ）に示すよう
な払出し部材５を回転させる速度に関するテーブルが格
納されている。テーブルは、収納棚２１に収納されてい
る棒金の本数および金種に対応して払出し部材５を回転
させる速度が三段階に変化するように設定されている。
また、それぞれの収納棚２１に収納されている棒金の金
種に関する情報も記録されている。

【００１９】１円硬貨の棒金は、非常に軽いため、払出
し部材を速く回転させてしまうと棒金が揺動してしま
う。このため、収納棚２１に収納されている棒金の本数
が少ないときには、払出し部材５を回転させる速度を一
番遅くし、収納棚２１に収納されている棒金の本数が多
い場合には、棒金の本数が少ない場合よりも速い速度で
払出し部材５を回転させる。

【００２０】一方、５００円硬貨は、非常に重いため、
収納棚２１に収納されている棒金の本数が少ない場合に
払出し部材を速く回転させても、棒金は揺動しない。し
たがって、５００円硬貨の棒金は、収納棚２１に収納さ
れている棒金の本数に関わらず払出し部材を一番速く回
転させる。

【００２１】１０〜１００円硬貨の場合は、収納棚２１
に収納されている棒金の本数が多い場合には一番速く払
出し部材５を回転させ、収納棚２１に収納されている棒
金の本数が少ない場合には多い場合よりも遅い速度で払
出し部材５を回転させる。

【００２２】払出し部材５を回転させる速度は、例えば
図４（ｂ）〜（ｄ）で示すように、払出し部材５を回転
させる駆動モータへのパルス幅を変化させることにより
制御する。図４（ｂ）に示すように、連続的にパルスを
出力すると、駆動モータの回転速度が速くなり、結果と
して払出し部材５が回転する速度も速くする。図４
（ｃ）、（ｄ）に示すように、パルス幅を変えることに
より駆動モータの回転速度を変化させ、払出し部材５が
回転する速度を変える。これにより、払出し部材５が回
転する速度の調整が可能となり、上記テーブルにしたが
って棒金を確実に払出すことができる速度で、払出し部
材５を回転させることができる。

【００２３】なお、図４（ｂ）〜（ｃ）で示したパルス
の間隔は、これに限定されず、必要に応じて適宜自由に
変更することができる。また、一定時間内に出力するパ
ルス数を変化させてもよい。

【００２４】また、払出し部材５を回転させる速度は、
収納棚２１に収納されている棒金の本数のみならず、収
納棚２１に収納されている棒金の重さよって変化させる
ようにすることも可能である。これは、収納棚２１に棒
金の重さを検出する重量センサを設けることにより実現
することができる。この場合、ＲＯＭ２０ｂに記録され
ているテーブルは、図４（ａ）で示したテーブルにおい
て、棒金の本数を、収納棚２１に収納されている棒金の
重さに変更し、この棒金の重さに所定のしきい値を設
け、このしきい値を基準として棒金の重さが重いときに
は速く、逆に棒金の重さが軽いときには遅く払出し部材
５を回転させるように変更および設定をする。このよう
にすることによっても、払出し部材５は、棒金を確実に
払出すことが可能となる。

【００２５】なお、払出し部材５を回転させる速度は、
図４（ａ）で示したような３段階に限定されず必要に応
じて自由に変更することができる。また、払出し部材５
を回転させる速度と棒金の金種および本数との対応関係
は、図４（ａ）で示したような対応関係に限定されず、
適宜自由に設定することができる。払出し部材５を回転
させる速度と棒金の金種および重量、または払出し部材
５を回転させる速度と棒金の金種、本数および重量との
対応関係についても同様に、図４（ａ）で示したような
対応関係に限定されず、自由に設定することができる。

【００２６】上述したのと同様に、払出し部材５を回転
させる速度は、収納棚２１に収納されている棒金の本数
および重さによって変化させるようにすることも可能で
ある。この場合にも、収納棚２１に棒金の重さを検出す
る重量センサを設け、この重量センサにより検出される
収納棚２１に収納されている棒金の重さとＲＡＭ２０ｃ
に記録されている収納棚２１に収納されている棒金の本
数のそれぞれにしきい値を設ける。これらのしきい値に
基準とし、収納棚２１に収納されている棒金が重くかつ
本数が多い場合には速く、収納棚２１に収納されている
棒金の重さが軽くかつ本数が多い場合には遅く払出し部
材５が回転するよう図４（ａ）で示したテーブルを変更
および設定をする。このようにすることによっても、払
出し部材５は、確実に棒金を払出すことができる。ま
た、棒金の重さと本数という２つの基準により払出し部
材５を回転させる速度を変更することができるので、よ
り詳細に払出し部材５の回転速度を設定することが可能
となり、結果として払出し部材５は、一層確実に棒金を
払出すことができる。

【００２７】次に、図５を参照して、本実施の形態にお
ける棒金払出し装置１の動作について説明する。図５
は、棒金払出し装置１の動作を示すフローチャートであ
る。制御装置２０は、上位機から出金要求に関する信号
を受信すると（ステップＳ５０１：ＹＥＳ）、上位機が
要求する棒金の金種および本数に関する情報を続けて受
信する（ステップＳ５０２）。この上位機が要求する棒
金の金種および本数に関する情報は、ＲＡＭ２０ｃに記
録される。

【００２８】上位機が要求する棒金の金種および本数に
関する情報を受信すると、制御装置２０は、モータ１４
を起動させ、棒金収容部材３を筺体１１底部（ホームポ
ジション）から上昇させる（ステップＳ５０３）。上位
機が要求する棒金の金種が収納されている収納棚２１に
設けられた位置センサは、棒金収容部材３が移動してき
たことを検知し、ＯＮ信号を制御装置２０に出力する
（ステップＳ５０４：ＹＥＳ）。制御装置２０は、位置
センサから受信した情報に基づいてモータ１４を停止さ
せ、棒金収容部材３を上位機が要求する金種の棒金が収
容されている収納棚２１の位置に固定する（ステップＳ
５０５）。

【００２９】制御装置２０は、上位機が要求する金種の
棒金が収納されている収納棚２１に現在収納されている
棒金の本数をＲＡＭ２０ｃから確認し、ＲＯＭ２０ｂに
格納されているテーブルとを参照して、金種およびこの
確認した本数とから、払出し部材５を回転させる速度に
関する情報を取得する（ステップＳ５０６）。この情報
に基づいて制御装置２０は、駆動モータにパルスを送信
して、払出し部材５を回転させ、上位機が要求する棒金
を棒金収容部材３に１本払出す（ステップＳ５０７）。

【００３０】制御装置２０は、上位機が要求する金種の
棒金が棒金収容部材３に１本払出しされたことを確認す
ると（ステップＳ５０８：ＹＥＳ）、駆動モータへパル
スを送信するのを止め、払出し部材５の回転を停止させ
る（ステップＳ５０９）。払出し部材５により収納棚２
１に収納された棒金が棒金収容部材３に払出しされたこ
とは、棒金収容部材３もしくは収納棚２１にセンサ等を
設けることにより確認することができる。

【００３１】制御装置２０は、ＲＡＭ２０ｃに記録され
ている上位機が要求する棒金の金種および本数に関する
情報を参照し、現在棒金収容部材３に払出しされた棒金
の他にさらに払出すべき棒金があるか否かを確認する
（ステップＳ５１０）。さらに払出すべき棒金がある場
合は（ステップＳ５１０：ＹＥＳ）、制御装置２０は、
その棒金が直前に棒金収容部材３に収容された棒金と同
じ金種か否かを確認し（ステップＳ５１９）、同じ金種
の場合は（ステップＳ５１９：ＹＥＳ）、ステップＳ５
０６へ戻り、違う金種の場合には（ステップＳ５１９：
ＮＯ）、ステップＳ５０３へ戻る。

【００３２】上位機が要求する棒金が全て棒金収容部材
３に収容された場合には（ステップＳ５１０：ＹＥ
Ｓ）、制御装置２０は、モータ１４を起動させ、棒金収
容部材３を棒金の取り出し口に移動させる（ステップＳ
５１１）。棒金取り出し口に設けられた位置センサは、
棒金収容部材３が移動してきたことを確認すると、その
ことに関する情報を制御装置２０に送出する（ステップ
Ｓ５１２：ＹＥＳ）。制御装置２０は、位置センサから
受信した情報に基づいてモータ１４を停止させ、棒金収
容部材３を棒金取り出し口の位置に固定する（ステップ
Ｓ５１３）。

【００３３】棒金収容部材３が棒金取り出し口に固定さ
れると、制御装置２０は、棒金取り出し口に設けられて
いる扉２３を開くよう開閉装置に信号を送出し、この信
号に基づいて開閉装置は扉２３を開く（ステップＳ５１
４）。棒金取り出し口に設けられているセンサは、棒金
取り出し口からユーザが棒金を全て取り出したことを検
出すると（ステップＳ５１５：ＹＥＳ）、制御装置２０
へ信号を送出する。この信号に基づいて制御装置２０
は、棒金取り出し口の扉２３を閉めるよう開閉装置へ信
号を送出し、この信号を受信した開閉装置は扉２３を閉
める（ステップＳ５１６）。

【００３４】次いで、制御装置２０は、上位機に対し上
位機が要求する棒金をユーザに払出したことを通知し
（ステップＳ５１７）、ＲＡＭ２０ｃに記録された上位
機が要求する棒金の金種および本数に関する情報を消去
し、かつ数量センサから受信した情報に基づいてＲＡＭ
２０ｃに記録されている収納棚２１それぞれに収納され
ている棒金の本数に関する情報を更新する。最後に、制
御装置２０は、モータ１４を起動させ、棒金収容部材３
をホームポジションに戻す。

【００３５】なお、本実施の形態において、払出し部材
５は、払出し部材５を回転させる由来となるモータのパ
ルスを変化させることにより回転する速度が変化させて
いるが、払出し部材５を回転させる速度を変化させる方
法はこれに限定されず、例えば払出し部材５を回転させ
る駆動モータと駆動ギア５６との間に他のギアを噛合さ
せ、これらのギア比を変えることにより払出し部材５を
回転させる速度を変えるなど、必要に応じて設計変更す
ることは自由である。

【００３６】また、本実施の形態において、それぞれの
収納棚２１に収納されている棒金の本数は、ＲＡＭ２０
ｃに記録されているが、上位機に記録するようにしても
よい。また、本実施の形態において、それぞれの収納棚
２１に収納されている棒金の本数は数量センサにより検
出されるが、棒金の本数を検出する方法はこれに限定さ
れず、例えば収納棚２１に棒金を補充する際に棒金の本
数に関する情報をリセットし、収納棚から棒金を払出す
たびにカウンタやＲＡＭ２０ｃに記録されている本数を
減算するようにしてもよく、必要に応じて自由に変更す
ることができる。

【００３７】

【発明の効果】以上説明したことからも明らかなように
本発明によれば、棒金払出し装置において、棒金が収納
されている収納棚から棒金を払出す払出し部材を回転さ
せる速度を制御することにより、棒金が払出し部材に収
容され、棒金を確実に払出すことができる。また、本発
明によれば、収納棚に収納されている棒金の本数または
重さに応じて払出し部材を回転する速度を制御し、本数
が多いまたは棒金の重量が重い場合には速く、本数が少
ないまたは棒金の重量が軽い場合には遅く払出し部材を
回転させることにより、より確実に棒金を払出し部材に
収容され、棒金を払出すことができる。さらに、本発明
によれば、棒金の種類と、収納棚に収納された棒金の本
数または重さと、払出し部材を回転させる速度とを対応
させたテーブルを設け、このテーブルに基づいて払出し
部材を回転させる速度を変化させることにより、払出し
部材を回転させる速度を詳細に設定することができ、よ
り確実に棒金を払出すことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る棒金払出し装置の全体を示す側
面図である。

【図２】 （ａ）本発明に係る棒金払出し装置における
払出し部材の斜視図、（ｂ）、（ｃ）本発明に係る棒金
払出し装置において、払出しの動作を説明するために要
部を拡大して示す図である。

【図３】 本発明に係る棒金払出し装置における制御装
置の構成を示すブロック図である。

【図４】 （ａ）本発明に係る棒金払出し装置におい
て、払出し部材を回転させる速度を示すテーブル、
（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）払出し部材を回転させる由来と
なるモータに送信するパルスの一例である。

【図５】 本発明に係る棒金払出し装置の動作を示すフ
ローチャートである。

【符号の説明】

１…棒金払出し装置、２…収納部、３…棒金収容部材、
５…払出し部材、１０，１０Ａ，１０Ｂ…棒金、１２，
２３…扉、１３…ガイド棒、１４…モータ、１５…モー
タ軸、１６…駆動プーリ、１７…伝達ベルト、１８…従
動プーリ、１９…搬送ベルト、２０…制御装置、２０ａ
…ＣＰＵ、２０ｂ…ＲＯＭ、２０ｃ…ＲＡＭ、２０ｄ…
Ｉ／Ｆ、２０ｅ…バス、２１…収納棚、５１…両側部、
５２…開口、５３…棒金受け入れ部、５４，５５…回動
軸、５６…駆動ギア、５７…係止部、１０１…軸心、５
０１…回動中心。

フロントページの続き (72)発明者 小林 健志 東京都目黒区下目黒二丁目１番７号 テレ コムクリエイトシステム株式会社内 Ｆターム(参考） 3E001 AA01 BA01 BA10 CA06 DA13 DA14 EA06 EA09 EC20 FA34

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数本の棒金を一端側に向かって転動さ
   せることによりこれらの棒金を収納する少なくとも１つ
   の収納棚と、 この収納棚の一端側から棒金を１本ずつ払出す棒金払出
   し手段と、 この棒金払出し手段によって払出しされた棒金を収容す
   る棒金収容部材と を備えた棒金払出し装置において、 前記棒金払出し手段は、前記収納棚の一端側で隣接する
   棒金の軸線と平行な軸線周りに回動自在に支持され、棒
   金を１本ずつ収容しかつ払出し可能な開口を有する略円
   筒状の払出し部材と、 この払出し部材を回動させる駆動手段と、 前記払出し部材を回動させる速度を変更可能に前記駆動
   手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする棒
   金払出し装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の棒金払出し装置におい
   て、 前記制御手段は、各収納棚に収納されている棒金の本数
   に応じて前記払出し部材を回動させる速度を変更するこ
   とを特徴とする棒金払出し装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の棒金払出し装置におい
   て、 前記制御手段は、各棒金の重さに応じて前記払出し部材
   を回動させる速度を変更することを特徴とする棒金払出
   し装置。
4. 【請求項４】 請求項１記載の棒金払出し装置におい
   て、 各収納棚に収納されている棒金の本数または重さに対応
   した前記払出し部材を回動させる速度が予め記録された
   テーブルをさらに有し、 前記制御手段は、前記テーブル参照して前記払出し部材
   を回動させる速度を制御することを特徴とする棒金払出
   し装置。