JP2003207015A - ボールねじ - Google Patents
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Abstract
和して短寿命化を回避する。ねじ溝開口縁のバリによる
転走路内への異物混入の防止、および作業者の取り扱い
時の安全を図る。 【解決手段】 ねじ軸2のねじ溝7の開口縁に、ねじ溝
内面7aから滑らかに続く凸曲面の曲面部分7bを形成
する。ナット3のねじ溝8についても、同様に曲面部分
を形成する。曲面部分7bは、ねじ軸2の外径面2aに
続くものとする。また、曲面部分7bは、ねじ溝7の開
口縁にチャンファーを設けた場合に、そのチャンファー
とねじ溝内面7aとの間に設けても良い。曲面部分7b
は、ねじ溝7と共に砥石で研削されたものであっても、
ねじ溝7の形成後にサンドペーパー等で角を削ることで
加工したものであっても良い。
Description
要とされる用途、例えば射出成形機や電動プレス等の産
業機械に用いることのできるボールねじに関する。
じは、ねじ溝とナットのねじ溝の間に形成される螺旋状
転走路に複数のボールを介在させ、上記ナットに、ボー
ルの循環を可能とするボール反転路を設けたものとされ
る。ボール反転路は、種々の形式のものがあるが、従
来、高負荷容量が必要とされるボールねじでは、リター
ンチューブを設けたものが使用されている。
は、図16に示されるように、ねじ軸ねじ溝57の開口
縁、つまりねじ溝内面57aとねじ軸外径面52aとの
繋ぎ部にチャンファー65を設けたり、図17に示すよ
うに、ねじ溝内面57aがそのままねじ軸外径面52a
に角張って繋がる形状が用いられている。図16や図1
7の形状は、リターンチューブ式だけでなく、エンドキ
ャップ式、ガイドプレート式にも用いられる。
用した場合、ボールねじ内部で、ねじ軸ねじ溝57に沿
ってボール54(図18)は弾性変形をしながら荷重を
受けることになる。この弾性変形により、ねじ溝内面5
7aにおけるボール54との接触面は、図18に示すよ
うな楕円形状の接触面、いわゆる接触楕円70を成し、
ボールねじが受ける負荷荷重が大きくなればなるほど、
同図に示される接触楕円70は大きくなる。なお、同図
に示す接触楕円70は、説明の都合上、方向を90°変
えて接触位置の近傍に図示したものである。冒頭に示す
高負荷容量が必要とされる用途においては、ねじ軸ねじ
溝57の内面57aとボール54間での接触面圧値は、
最大2500MPa程度となる。さらに、特開2001
−021018に示されるような間座付きボールねじに
おいては、一般のボールねじよりも、ボールねじ内部に
存在するボール個数が少なくなることから、必然的にボ
ール1個に掛かり得る荷重は大きくなり、しいては接触
面圧が2500MPaを超えることが発生する。
重が大きくなると、図18に示されるように、ボール4
とねじ軸ねじ溝57の内面57aとの接触位置は、ねじ
軸外径部方向にずれ、また、接触楕円70が大きくな
る。このことから、図16のねじ溝内面57aの縁部
(ねじ軸ねじ溝57の内面57aとチャンファー65と
の繋ぎ部P2)に接触楕円70がかかることになる。こ
の場合、ねじ溝内面57aとチャンファー65との繋ぎ
部P2に応力集中が発生し、繋ぎ部P2から損傷するこ
ととなる。この損傷は、一般的なボールねじの転がり疲
れによるフレーキング寿命よりも短い時間に発生する可
能性が高く、予測が困難である。また、図17に示され
るチャンファー無し形状の場合は、ねじ溝内面57aの
部分が深くなるため、図16のチャンファー付き形状の
場合よりも大きな荷重を受けることが可能となるが、あ
る一定値以上の荷重となった場合、チャンファー付き形
状(図16)の例と同様に、ねじ溝内面57aと軸外径
面52aとの繋ぎ部(軸肩部)P3において、応力集中
が発生し、繋ぎ部P3が損傷することとなる。
を防ぐ方法として、負荷荷重によって、ねじ溝57を深
く設定する方法があるが、ねじ溝57を深くする場合、
ねじ軸研削時の研削代が多くなり、研削時間がかかる。
また、研削代が大きいことから、大きな発熱を発し、し
いては、ねじ軸52に曲がりが発生する。この現象を回
避するためには、研削代を少なくし、長時間をかけて所
定の寸法値まで少しずつ研削する必要があり、ボールね
じを安価に製造することが困難となる。また、図17に
示されるようなチャンファーを設けない溝形状とした場
合、ねじ軸外径面52aを研削し、ねじ溝57を研削し
たときに、ねじ軸外径面52aとねじ溝内面57aの繋
ぎ部P3は、鋭利な刃物状となり、ボールねじ組立時
や、ボールねじを機械に取付ける場合に、作業者の安全
上の懸念も発生する。
開口縁の応力集中を緩和して短寿命化を回避すると共
に、ねじ溝開口縁のバリによる転走路内への異物混入の
防止、および作業者の取り扱い時の安全を図ることので
きるボールねじを提供することである。
は、ねじ軸の外径面と、このねじ軸の外周に遊嵌するナ
ットの内径面とに、それぞれ螺旋状のねじ溝が設けら
れ、上記ねじ溝とナットのねじ溝の間に形成される螺旋
状転走路に複数のボールを介在させ、上記ナットに、上
記螺旋状転走路に両端が連通してボールを循環可能とす
るボール反転路を設けたボールねじにおいて、上記ねじ
軸およびナットの少なくとも一方のねじ溝の開口縁に、
ねじ溝内面から滑らかに続く凸曲面の曲面部分を形成し
たことを特徴とする。上記曲面部分は、ねじ溝開口縁に
沿って設け、例えばねじ溝の全長にわたり設ける。この
構成のボールねじによると、負荷荷重を受けた場合、ボ
ール転走面となるねじ溝内面とボールの接触点は、負荷
荷重が大きくなるに従って、ねじ溝の開口方向に近づ
く。また負荷荷重を受けると、ボールに弾性変形が発生
し、この弾性変形によってねじ溝内面のボールとの接触
点に楕円状の接触面、つまり接触楕円が発生し、負荷荷
重が大きくなれば、この接触楕円の面積が大きくなって
行く。この接触楕円が角部に掛かると大きな応力が発生
するが、この発明は、ねじ溝内面から滑らかに続く曲面
部分を開口縁に形成したため、接触楕円がねじ溝内面の
縁を超えても、ねじ溝内面に滑らかに続く曲面部分に掛
かることになり、ねじ溝内面と上記曲面部分との繋ぎ部
で応力集中が生じることが緩和される。したがって、繋
ぎ部から発生するフレーキングを回避することが可能に
なり、高負荷荷重用途で使用される場合においても、こ
の繋ぎ部から発生する要因による軸受短寿命が回避され
る。また、上記曲面部分の形成のため、ボールねじ製造
時における不測のバリの欠けが防止でき、バリの欠けた
異物がボール転走面に混入して支障を来すことが避けら
れると共に、ボールねじの取り扱い時に作業者が角部で
怪我をする恐れがなく、安全性が向上する。
弧形状に限らず、横断面形状が任意の凸曲線となる形状
であっても良い。例えば、上記曲面部分は、互いに曲率
の異なる複数の円弧が繋がった横断面形状の複合円弧曲
面としても良い。また、上記曲面部分は、ねじ軸または
ナットのねじ溝を形成した周面、つまりねじ軸外径面ま
たはナット内径面に直接に続くものであっても、また、
この曲面部分と上記周面との間に別の面が介在するもの
であっても良い。
ンファ−を設け、上記曲面部分は上記ねじ溝内面および
上記チャンファーに滑らかに続くものとしても良い。単
にチャンファーを設けても、ねじ溝内面と平坦なチャン
ファーとの繋ぎ部に角が生じるため、高負荷荷重によっ
て上記接触楕円がねじ溝内面の縁を超えると応力集中が
発生する。しかし、上記のようにねじ溝内面とチャンフ
ァーの間に続く曲面部分を形成することで、接触楕円が
ボール転走面を超えたときの応力集中が緩和される。
において、上記ナットのねじ溝に嵌合して端面が上記ボ
ール反転路のボール拾い上げ部に位置するボール拾い上
げ面となるデフレクタを設けても良い。このようにねじ
溝に嵌合するデフレクタを設けた場合、ボール拾い上げ
面が精度良く形成でき、ボール拾い上げ部での引っ掛か
りが防止される。このためボール拾い上げ部の損傷が防
止でき、上記ねじ溝の開口縁の曲面部分による高負荷荷
重時の損傷防止効果と相まって、ボールねじの長寿命が
期待できる。
において、上記ボール循環経路における各ボールの間に
間座を設けても良い。間座を設ける場合は、上記のよう
にデフレクタを設けることが好ましい。このように間座
を設けた場合も、ねじ溝開口縁の曲面形状による応力集
中緩和等の上記各効果が得られる。ボール間に間座を設
けた場合、ボール同士が互いに逆回転方向に競り合うよ
うに接触することによる摩擦が軽減される利点がある
が、間座は球形ではないため、ボール拾い上げ部で引っ
掛かりが懸念される。しかし、上記デフレクタを設ける
と、間座の引っ掛かりも防止される。
ないし図3と共に説明する。このボールねじ1は、ねじ
軸2と、このねじ軸2の外周に遊嵌するナット3と、複
数のボール4とを具える。ねじ軸2の外径面2aと、ナ
ット3の内径面3aとに、それぞれ螺旋状のねじ溝7,
8が設けられ、ねじ溝7,8の間に形成される螺旋状転
走路9に、上記複数のボール4が介在させてある。ナッ
ト3には、螺旋状転走路9に両端が連通してボール4を
循環可能とするボール反転路6が設けられ、これら螺旋
状転走路9とボール反転路6とで、連続した循環路が形
成される。ボール反転路6は、ナット3に取付けられた
リターンチューブ14により構成される。
(B))、およびナット3のねじ溝8(図3)の内面8
aは、いずれもボール転走面となる面であり、それぞれ
同図に示すように、円弧状の断面形状を成している。こ
の円弧状の断面形状は、全体に連続した一つの円弧であ
っても良く、また溝底中心に対する両側の溝内面部分
が、互いに円弧中心の異なる円弧状であって、溝全体と
してゴシックアーチ形状となる形状であっても良い。
溝7の開口縁、つまりねじ溝7の内面7aとねじ軸2の
外径面2aとの繋ぎ部には、ねじ溝内面7aから滑らか
に続く曲面部分7bが形成してある。曲面部分7bのね
じ溝開口側の縁は、ねじ軸2の外径面2aに滑らかに続
いている。曲面部分7bの形状は、凸曲面であって、ね
じ溝内面7aに滑らかに続く曲面であれば良く、円弧形
状に限らず、横断面が任意の凸曲線となる形状で良い。
「滑らかに続く」とは、角を生じずに続くことであり、
理想的には、ねじ溝内面7aの横断面形状を成す曲線
と、曲面部分7bの横断面形状を成す曲線とが、互いの
連続点において、共通の接線を持つように続くことであ
る。曲面部分7bを円弧状とする場合に、その曲率半径
は、任意の長さで良い。この曲率半径は、例えばボール
径が19mm程度の場合に、曲率半径が1mm程度とされ
る。
すように、互いに曲率の異なる2つの円弧7ba,7b
bが繋がった横断面形状の複合円弧曲面としても良い。
これら2つの円弧7ba,7bbは、溝底側の円弧7b
aの曲率半径Raの方が、開口側の円弧7ba,7bb
の曲率半径Rbよりも小さいものとされている。すなわ
ち、Ra<Rbである。なお、Ra>Rbとしても良
い。
に同時に加工しても良く、また、ねじ溝7の研削後に、
サンドペーパー等を用いて角部を丸めることにより形成
しても良い。ただし、ねじ溝7の研削時に同時に加工す
る方が、工程が少なくて安価に製造できるため、ねじ溝
7の溝断面形状の部分と曲面部分7bの断面形状の部分
とが連続した一体の総形砥石を用いて加工することが好
ましい。このような総形砥石を用いる場合は、曲面部分
7bを円弧状の断面形状とする方が管理が容易である。
また、図2の例のような複合円弧曲面とする場合も、総
形砥石を用いることが好ましい。
すように、ねじ溝8の開口縁、つまりねじ溝8の内面8
aとナット3の内径面3aとの繋ぎ部には、ねじ溝内面
8aから滑らかに続く曲面部分8bが形成してある。曲
面部分8bのねじ溝開口側の縁は、ナット3の内径面3
aに滑らかに続いている。曲面部分8bの形状や加工方
法は、ねじ軸ねじ溝7aの曲面部分7bについて前述し
た各形状および加工方法が採用できる。なお、同じボー
ルねじ1において、ねじ軸2の曲面部分7bと、ナット
3の曲面部分8bとは、必ずしも互いに同じ形状や加工
方法を採用しなくても良く、互いに異なる形状とした
り、また異なる加工方法を採用しても良い。
じ1が負荷荷重を受けた場合、図4に示すように、ねじ
軸ねじ溝7の内面7aとボールの接触点は、負荷荷重が
大きくなるに従って、ねじ溝7の開口方向に近づく。ま
た負荷荷重を受けると、ボール4に弾性変形が発生し、
この弾性変形によってねじ溝内面7aにおけるボール4
の接触点Qに、楕円状の接触面である接触楕円20が発
生する。負荷荷重が大きくなれば、この接触楕円20の
面積が大きくなって行く。この接触楕円20が角部に掛
かると大きな応力が発生するが、この実施形態は、ねじ
溝内面7aから滑らかに続く曲面部分7bを開口縁に形
成したため、接触楕円20がボール転走面となるねじ溝
内面7aを超えても、このねじ溝内面7aに滑らかに続
く曲面部分7bに掛かることになり、ねじ溝内面7aと
曲面部分7bとの繋ぎ部Pで応力集中が生じることが緩
和される。このため、繋ぎ部Pから発生するフレーキン
グを回避することが可能になって、この繋ぎ部Pから発
生する要因によるボールねじ1の短寿命が回避される。
したがって、高負荷荷重用途で使用される場合において
も、ボールねじ1の寿命は、転がり疲れによるフレーキ
ングの発生による寿命となり、寿命計算を行うことによ
って容易にボールねじの寿命を予測することが可能とな
る。
ールねじ1の製造過程でバリが発生してそのバリの欠け
た異物がボール転走面となるねじ溝内面7aに混入する
ことが防止され、異物混入による支障を来すことが避け
られる。さらに、曲面部分7bがあるため、ボールねじ
1の取り扱い時に作業者が角部で怪我をする恐れがな
く、安全性が向上する。上記の各作用説明は、ねじ軸2
側のねじ溝7について説明したが、ナット3側のねじ溝
8の曲面部分8aの形成によっても、ねじ軸2側の曲面
部分7aと同様な作用,効果が得られる。
の開口縁に設けた曲面部分7bがねじ軸外径面2aに続
くものとしたが、図5,図6に示すように、ねじ軸ねじ
溝7における曲面部分7bよりも開口側にチャンファー
7cを設けても良い。すなわち、ねじ溝7の開口縁にチ
ャンファー7cを設け、このチャンファー7cとねじ溝
内面7aとに滑らかに続く曲面部分7bを設けても良
い。チャンファー7cは断面が直線となる傾斜面であ
る。曲面部分7bは半径Rの円弧としてある。この場合
も、曲面部分7bの形状は、凸曲面であって、ねじ溝内
面7aに滑らかに続く曲面であれば良く、円弧形状に限
らず、横断面が任意の凸曲線となる形状で良い。また、
曲面部分7bを円弧状とする場合に、その曲率半径は、
任意の長さで良く、例えばボール径が19mm程度の場合
に、曲率半径が1mm程度とされる。曲面部分7bの加工
方法についても、ねじ溝7の研削時に同時に加工しても
良く、また、ねじ溝7の研削後に、サンドペーパー等を
用いて角部を丸めることにより形成しても良い。ねじ溝
7の研削時に同時に加工する場合、例えば、図7に示す
総形砥石21が用いられる。この総形砥石21は、ねじ
溝7の溝断面形状に対応する断面形状の砥石面21a
と、曲面部分7bの断面形状に対応する砥石面21bと
が連続した一体の砥石である。
いて示したが、図1のナット3側のねじ溝8において
も、図5,図6の例の同様に、ねじ溝の開口縁にチャン
ファーを設け、そのチャンファーとねじ溝内面とに滑ら
かに続く曲面部分を設けても良い。
生防止や取り扱い時の作業者の傷つき防止は行えるが、
チャンファー7cをねじ溝内面7aに直接に続けて設け
たのでは、従来例で説明したように、高負荷荷重の作用
時に繋ぎ部の応力集中の問題が生じる。しかし、このよ
うに曲面部分7cを設けることで、第1の実施形態と同
様に、接触楕円20(図4)がねじ溝内面7aを超えて
曲面部分7cに達しても、応力集中の影響が緩和され、
短寿命が回避される。
の実施形態を示す。この実施形態は、図1〜図4に示す
第1の実施形態において、ナット3にデフレクタ11を
設けたものである。図8は、リターンチューブ14の軸
方向に沿ってボールねじ1を断面した図である。デフレ
クタ11は、ナット3のねじ溝8に嵌合して端面がボー
ル反転路6のボール拾い上げ部6aに位置するボール拾
い上げ面11aとなる部材である。
の両端は、ナット3の外周からナット3のねじ溝8まで
貫通させたチューブ挿通用竪穴10に挿入されている。
リターンチューブ14で構成されるボール反転路6の両
端のボール拾い上げ部6aには、ナット3のねじ溝8に
嵌合したデフレクタ11の端面が配置されている。デフ
レクタ11の端面は、転走路9からボール反転路6にボ
ール4を拾い上げるガイド面となるボール拾い上げ面1
1aを構成する。デフレクタ11は、ナット3のねじ溝
8に沿って延びる螺旋形状の部材であり、ナット3にボ
ルト等の締結具(図示せず)により、または接着剤等に
より固定される。デフレクタ11は、図9(A)のよう
にナットねじ溝8の1周に満たないものであっても、図
9(B)に示すように1周以上の長さのものであっても
良い。デフレクタ11は、ナット3のねじ溝8には密に
嵌合するが、ねじ軸2のねじ溝7に対しては、隙間をも
って遊嵌する形状とされる。
設けない場合に比べて、例えばリターンチューブ14の
端部に舌片を設けてボール4を拾い上げるようにした場
合に比べて、ボール拾い上げ面11aが精度良く形成で
きる。すなわち、デフレクタ11はナット3のねじ溝8
に嵌合しており、ナットねじ溝8の位相に合う。ねじ軸
2のねじ溝7とナット3のねじ溝8の位相は、両ねじ溝
7,8間に間に収容されたボール4によって合わされ
る。ナット3のねじ溝位相とデフレクタ11の位相が合
っていることから、ボール4を介して、ねじ軸2のねじ
溝7とデフレクタ11の位相が合うことになる。このよ
うに、ボール拾い上げ面11aを、ナットねじ溝8に嵌
合するデフレクタ11で形成したため、ナット3のねじ
溝位相と加工誤差によってずれを生じやすい従来のリタ
ーンチューブ舌片よりも位相管理が容易となり、またね
じ軸2のねじ溝7とデフレクタ11との隙間Δβ(図1
0)の管理も容易となる。このように、ボール拾い上げ
面11aが精度良く形成できるため、ボール拾い上げ部
6aでの引っ掛かりが防止される。このためボール拾い
上げ部6aの損傷が防止でき、上記ねじ溝7,8の開口
縁の曲面部分7b,8bによる高負荷荷重時の損傷防止
効果と相まって、ボールねじ1の長寿命が期待できる。
このデフレクタ11を設ける構成は、図5に示したよう
なチャンファー7cを有するボールねじにおいても適用
することができる。
をリターンチューブ14で形成する形式のボールねじ1
に適用した場合につき説明したが、この発明は、例えば
次ぎに2つの例を示すように、各種のボール反転路形式
のボールねじ1に適用することができる。
をガイドプレート形式とした実施形態の側面図および横
断面図を示す。この実施形態において、特に説明する事
項の他は、第1の実施形態と同じである。この実施形態
では、ナット3の本体外周の一部に形成された平坦面3
bにガイドプレート15が取付けられている。ガイドプ
レート15は、裏面にボール通過溝12を形成した部材
であり、ボール通過溝12によりボール反転路6が形成
される。ボール通過溝12は、その両端が、ナット3の
本体に形成されたボール拾い上げ部6aとなる穴13に
よってナット3のねじ溝8に連通している。このボール
拾い上げ部6aに、ナット3のねじ溝8に沿って嵌合し
たデフレクタ11の端面からなるボール拾い上げ面11
aが配置されている。デフレクタ11は、リターンチュ
ーブ形式のボールねじ1におけるものと同じであり、図
9(A),(B)に示したものが使用できる。
ート形式とした実施形態を示す。この実施形態におい
て、特に説明する事項の他は、第1の実施形態と同じで
ある。この実施形態では、ナット3の本体の両端面にエ
ンドプレート17を取付け、ナット本体に軸方向に設け
た貫通孔18と両側のエンドプレート17に設けたボー
ル拾い上げ溝19とでボール反転路6を構成したもので
ある。
実施形態を示す。この実施形態は、図8〜図10のデフ
レクタ11を設けた実施形態において、隣合う各ボール
4の間に間座5を設けたものである。間座5は、両面が
ボール4の入る凹み形状となった円形の部材であり、例
えば図15のようにリング状とされる。このように間座
5を設けた場合も、ねじ溝開口縁の曲面部分による応力
集中緩和等の上記各効果が得られる。ボール4間に間座
5を設けた場合、ボール4同士が互いに逆回転方向に競
り合うように接触することによる摩擦が軽減される利点
があるが、間座5は球形ではないため、ボール拾い上げ
部6aで引っ掛かりが懸念される。しかし、上記デフレ
クタ11を設けると、間座5の引っ掛かりも防止され
る。なお、間座5を設けたボールねじ1とする場合に、
必ずしもデフレクタ11を設けた形式としなくても良
い。
面と、このねじ軸の外周に遊嵌するナットの内径面と
に、それぞれ螺旋状のねじ溝が設けられ、上記ねじ溝と
ナットのねじ溝の間に形成される螺旋状転走路に複数の
ボールを介在させ、上記ナットに、上記螺旋状転走路に
両端が連通してボールを循環可能とするボール反転路を
設けたボールねじにおいて、上記ねじ軸およびナットの
少なくとも一方のねじ溝の開口縁に、ねじ溝内面のボー
ル転走面となる曲面から滑らかに続く曲面部分を形成し
たものであるため、高負荷荷重時のねじ溝開口縁の応力
集中を緩和して短寿命化を回避すると共に、ねじ溝開口
縁のバリによる転走路内への異物混入の防止、および作
業者の取り扱い時の安全を図ることができる。
ねじの斜視図、(B)はそのねじ軸ねじ溝の拡大断面図
である。
る。
図である。
の開口縁付近の拡大断面図である。
る。
断面図である。
ねじの断面図である。
るデフレクタの各例を示す斜視図である。
大断面図である。
ルねじの側面図である。
ルねじの縦断面図である。
ルねじの断面図である。
大断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 ねじ軸の外径面と、このねじ軸の外周に
遊嵌するナットの内径面とに、それぞれ螺旋状のねじ溝
が設けられ、上記ねじ溝とナットのねじ溝の間に形成さ
れる螺旋状転走路に複数のボールを介在させ、上記ナッ
トに、上記螺旋状転走路に両端が連通してボールを循環
可能とするボール反転路を設けたボールねじにおいて、
上記ねじ軸およびナットの少なくとも一方のねじ溝の開
口縁に、ねじ溝内面から滑らかに続く凸曲面の曲面部分
を形成したことを特徴とするボールねじ。 - 【請求項2】 上記曲面部分を、互いに曲率の異なる複
数の円弧が繋がった横断面形状の複合円弧曲面とした請
求項1に記載のボールねじ。 - 【請求項3】 上記曲面部分よりも開口側にチャンファ
ーを設け、上記曲面部分は上記ねじ溝内面および上記チ
ャンファーに滑らかに続くものとした請求項1または請
求項2に記載のボールねじ。 - 【請求項4】 上記ナットのねじ溝に嵌合して端面が上
記ボール反転路のボール拾い上げ部に位置するボール拾
い上げ面となるデフレクタを設けた請求項1ないし請求
項3のいずれかに記載のボールねじ。 - 【請求項5】 上記ボール循環経路における各ボールの
間に間座を設けた請求項1ないし請求項4のいずれかに
記載のボールねじ。
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