JP2003206165A - セメント混和材及びセメント組成物 - Google Patents

セメント混和材及びセメント組成物

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JP2003206165A JP2002004381A JP2002004381A JP2003206165A JP 2003206165 A JP2003206165 A JP 2003206165A JP 2002004381 A JP2002004381 A JP 2002004381A JP 2002004381 A JP2002004381 A JP 2002004381A JP 2003206165 A JP2003206165 A JP 2003206165A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中性化抑制効果があり、かつ水和発熱量が少
ないポルトランドセメント用混和材及びγ-2CaO・SiO2
を含有するスラグの有効活用方法を提供する。 【解決手段】 γ-2CaO・SiO2を含むスラグのうち1種
又は2種以上を含み、比表面積が3,000cm2/g以上である
スラグを含有することを特徴とするセメント混和材。本
セメント混和材は、従来の石灰石微粉末混和材と比べる
と、セメント硬化体の圧縮強度が同等であれば水和時の
発熱量が少なく、中性化抑制効果がある。また、ダステ
ィングを起こすために有効な活用方法がなく産業廃棄物
となっていた上記スラグ群の有効利用にも繋がること、
さらに、これらのスラグを活用することによりクリンカ
配合量を低減できるために、低環境負荷型のセメント組
成物となり得るという効果を奏する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、土木・建築
業界において使用されるセメント混和材及びセメント組
成物に関する。なお、本発明における部や%は特に規定
しない限り質量基準で示す。
【0002】
【従来の技術とその課題】鉄鋼産業の副産物である各種
のスラグの有効利用に関して大きな関心が寄せられてい
る。鉄鋼産業において、種々のプロセスや設備によっ
て、また、溶製する鋼種によって様々な組成や性状を有
するスラグを副生する。
【0003】例えば、銑鉄を調製するプロセスで用いる
高炉からは高炉スラグが、銑鉄から製鋼するプロセスで
用いる溶銑予備処理設備、転炉、及び電気炉からは、そ
れぞれ、溶銑予備処理スラグ、転炉スラグ、及び電気炉
スラグが副生する。
【0004】さらに、高炉スラグには水砕スラグ及び徐
冷スラグがあり、溶銑予備処理スラグには、脱珪スラ
グ、脱リンスラグ、脱硫スラグ、及び脱炭スラグがあ
り、電気炉スラグにも酸化期スラグと還元期スラグが存
在する。
【0005】また、鋼種の違いで言えば、普通炭素鋼、
極低炭素鋼、特殊合金鋼、及びステンレス鋼等がある。
【0006】上記スラグのうち、高炉より副生する高炉
水砕スラグはコンクリート混和材及び路盤材等として利
用されている。しかし高炉水砕スラグ以外には、前述し
たスラグと呼ばれるものには未だに有効な利用方法が見
出されていないものが多い。転炉スラグは脱鉄等の程度
の処理を施せば路盤材として利用できることも報告され
ている。
【0007】しかしながら、上記のスラグはメーカー及
びロットにより組成、物性が大きく異なるために再利用
の用途拡大が難しいこと、路盤材用途だけでは需要が少
ないことから、現状では充分に再利用されているとは言
えない状況にある。
【0008】また、製鋼スラグ及びステンレススラグは
有効利用法がなく、ほとんど産業廃棄物として処分され
ているのが現状である。
【0009】本発明でいう製鋼スラグとは、製鋼プロセ
スで生じるスラグの総称であり、具体的には電気炉還元
期スラグ、溶銑予備処理スラグ及び転炉スラグを指すも
のであり、高炉水砕スラグ及び高炉徐冷スラグは含まな
い。
【0010】これらのスラグにはβ−2CaO・SiO2相を含
むものとγ-2CaO・SiO2相を含むものがあり、β−2CaO
・SiO2相を含むものは水硬性を示すためにセメント混和
材用途等への利用が検討されているが、γ-2CaO・SiO2
相を含むものは有効な用途がなかった。
【0011】その原因として、ダスティング現象があ
る。製鋼スラグ及びステンレススラグはダイカルシウム
シリケート(2CaO・SiO2)を主要化合物としており、ス
ラグの冷却過程で、2CaO・SiO2が高温相のα相からβ相
へ転移し、さらに低温相のγ相へと転移する。2CaO・Si
O2がβ相から低温相のγ相へ転移する際に密度が変化し
て著しく膨張し、粉化する現象をダスティングと呼ぶ。
【0012】上記ダスティング現象のため、製鋼スラグ
及びステンレススラグは他のスラグと異なり、塊状や粒
状として得られないため、路盤材や骨材としての利用が
できない。
【0013】従来より、2CaO・SiO2に起因するダスティ
ングを防止する方法として、ホウ素化合物などの結晶安
定化剤を添加してβ相として安定化させる方法等が提案
された(特開昭62-162657号公報)。しかしながら、ホウ
素化合物自体が高価なものであり、また、設備改善や工
程改善が必要となりコスト高であった。
【0014】一方、結晶安定化剤を添加せずに電気炉還
元期スラグを粉末化し、これにカルシウムアルミネート
12CaO・7Al2O3及びセッコウを配合した特殊セメント
(特公昭62-47827号公報)、カルシウムアルミネート12
CaO・7Al2O3及びCaF2の固溶体にセッコウを配合した特
殊セメント(特公昭62-50428号公報等)が知られてい
る。
【0015】これは、電気炉還元期スラグが水硬性を持
たないγ-2CaO・SiO2を主成分としながらも、水和活性
の高い12CaO・7Al2O3固溶体も多く含有することに着目
した発明であり、セッコウを添加することでエトリンガ
イトを生成させ、所要の強度を発現する硬化体を得よう
とするものであった。
【0016】しかしながら、上記の特殊セメントから得
られる硬化体は、空気中の炭酸ガスによる中性化に対す
る抵抗性が乏しく、ポルトランドセメントの硬化体ほど
の耐久性が期待できないものであった。また上記発明で
は、電気炉還元期スラグをポルトランドセメント及びそ
の主成分であるトライカルシウムシリケート3CaO・SiO 2
に混和することについて、また、それによって、機能性
を付与できることについては何ら言及していない。
【0017】本発明者らは上記のγ-2CaO・SiO2を主成
分とするスラグに着目し、セメント混和材としての用途
を検討した。ヨーロッパ規格(EN規格)を基本とした新
しい国際規格への対応、セメントの水和発熱抑制、及び
中性化防止という課題への適用を検討した。
【0018】現在、海外ではヨーロッパ規格(EN規格)
を基本的な思想とし、強度クラスに大別されたセメント
材料群を目的に応じて選択できる、新しい国際規格の検
討が進められている。
【0019】ヨーロッパ規格(EN規格)は32.5N/mm2
ラス、42.5N/mm2クラス、及び52.5N/mm2クラスに大別さ
れている(後藤孝治、羽原俊祐、セメント規格の国際化
−欧州規格の概要と方向性−、セメント・コンクリー
ト、No.631、pp1〜8、1999)。
【0020】一方、日本では、JIS規格に基づいてセ
メントの品質が設計されてきた。その結果、画一的な仕
様の下で強度発現性が良好なセメントが良いセメントと
して評価されてきた。
【0021】その結果、日本のセメントはEN規格で分
類すると、42.5N/mm2クラスあるいは52.5N/mm2クラスの
セメントに相当するものしか存在しない状態になってお
り、設計強度があまり高くないコンクリートを配合設計
しようとしても、多くの場合に過剰強度となる傾向にあ
るのが現状である。
【0022】過剰強度の防止は、それに伴う過剰な水和
発熱を防止する観点から、また、硬化前後の収縮率をで
きる限り小さくし、硬化後のヒビ割れを防止する観点か
ら重要である。
【0023】一方、強度発現性に優れるセメントを用い
て、単位重量あたりのセメント量を少なくすることによ
り、設計強度があまり高くないコンクリートを配合設計
することも考えられるが、この場合には、極度に単位セ
メント量が少なくなってしまい、材料分離しやすく、ブ
リーディング率の大きいコンクリート、いわゆる「シャ
ブコン」になるという課題を有していた。
【0024】そして、このようなコンクリートを用いて
コンクリート構造物を構築すると、巨視的な欠陥が発生
しやすく、耐久性のあるコンクリート構造物を構築する
ことが困難になるという課題を有していた。
【0025】このように、EN規格は、設計強度があま
り高くないコンクリートを配合設計しやすい32.5N/mm2
クラスのセメントが準備されているのが特徴である。
【0026】現在、このセメントの主流は石灰石混合セ
メントである。石灰石混合セメントは、ポルトランドセ
メントに多量の石灰石微粉末を混合したもので、過剰強
度の防止と材料分離抵抗性の向上の両立を実現できるセ
メントである。
【0027】石灰石微粉末は強度発現性の面からは不活
性な粉末とみなすことができ、材料分離抵抗性のみを与
えて余計な強度や水和熱を生じないという利点を有する
ものである。このような背景を受けて、日本でも石灰石
混合セメントの研究が盛んに行われるようになった。
【0028】しかしながら、石灰石は多くの産業におい
て重要な原料である。資源の少ない我が国にとって石灰
石は貴重な天然資源であり、単にコンクリートに混和す
るだけの利用は資源の枯渇につながることから、工業原
料としてもっと有効に利用することが切望されている。
さらに、石灰石混合セメントは中性化されやすいという
弱点を有するものである。
【0029】本発明者は、石灰石混合セメントが抱える
前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、これまでに
セメント混和材として利用価値が見いだされずにいたγ
-2CaO・SiO2が、強度発現性や材料分離抵抗性に対しては
石灰石微粉末と同等であり、しかも中性化抑制機能を有
することを知見して、先に特願2001-250000号を出願し
た。
【0030】このγ-2CaO・SiO2を成分とするセメント
混和材は、ポルトランドセメントの中性化を抑制するば
かりでなく、水和発熱をも低減する効果も得られること
を知見した。すなわち、ポルトランドセメントの水和時
の発熱を抑制することにより、硬化後の熱収縮を抑制
し、硬化体のヒビ割れ発生を抑制することができる。
【0031】そこで本発明者は、産業副産物であってγ
-2CaO・SiO2を含有するスラグに着目し、混和材として
の用途を検討した。
【0032】本混和材と石灰微粉末混和材をそれぞれ使
用した硬化物を比較すると、混和材量が同じであれば圧
縮強度は石灰微粉末混和品とほぼ同等で、かつ水和時の
発熱量が少なく、石灰微粉末混和材を使用した硬化物よ
りも中性化抑制効果が良好であることを知見した。
【0033】また、これまで有効な活用方法が見出され
ていない電気炉還元期スラグ、ステンレススラグ、溶銑
予備処理スラグ及び転炉スラグの有効利用にも繋がる。
さらに、これらのスラグを活用することによりクリンカ
配合量を低減できるために、低環境負荷型のセメント組
成物となり得ることを知見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0034】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、γ-2Ca
O・SiO2を含み、かつブレーン比表面積が3,000cm2/g以
上であるスラグを含有することを特徴とするセメント混
和材であり、非水硬性物質の含有が60%以上であること
を特徴とする該混和材であり、スラグが製鋼スラグ及び
/又はステンレススラグであることを特徴とする該セメ
ント混和材であり、該セメント混和材及びセメントを含
有することを特徴とするセメント組成物であります。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0036】本発明で使用するスラグはいずれもγ-2Ca
O・SiO2を含有しているもので、比表面積が3,000cm2/g
以上であればよく、特に限定されるものではない。これ
らのスラグは単独でも使用できるが、2種以上併用する
ことも可能である。
【0037】本発明者らは、γ-2CaO・SiO2を含有する
スラグ、たとえば製鋼スラグ及びステンレススラグであ
り、比表面積が3,000cm2/g以上の微粉であれば本発明の
効果があることを見出した。一方、上記スラグの1つで
あっても、β-2CaO・SiO2を含有してγ-2CaO・SiO2を含
有しないものについては本発明の対象とはならず、γ-2
CaO・SiO2を含有することが必要である。
【0038】スラグ中のγ-2CaO・SiO2の含有量は、35%
以上が好ましく、45%以上がより好ましい。また、γ-2C
aO・SiO2の含有量の上限値は特に限定されない。スラグ
の中では、γ-2CaO・SiO2含有量が多い電気炉還元期ス
ラグ又はステンレススラグが好ましい。
【0039】スラグの各々の成分は、γ-2CaO・SiO2
含有すること以外に特に限定されるものではないが、具
体的には、CaO、SiO2、Al2O3、MnO2、Cr2O3、F及びMgO
等を主要な化学成分とし、その他、TiO2、Na2O、S、P2O
5、及びFe2O3等が挙げられる。また、化合物としては、
ダイカルシウムシリケート2CaO・SiO2、トライカルシウ
ムシリケート3CaO・SiO2、ランキナイト3CaO・2SiO2、ワ
ラストナイトCaO・SiO2等のカルシウムシリケート、12Ca
O・7Al2O3固溶体、12CaO・7Al2O3とCaF2の固溶体、及び
3CaO・Al2O3などのカルシウムアルミネート、メルヴィ
ナイト3CaO・MgO・2SiO2、アケルマナイト2CaO・MgO・2Si
O2、モンチセライトCaO・MgO・SiO2などのカルシウムマグ
ネシウムシリケート、ゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2
アノーサイトCaO・Al2O3・2SiO2などのカルシウムアルミ
ノシリケート、並びに、アケルマナイト2CaO・MgO・2SiO2
とゲーレナイト2CaO・Al2O3・SiO2の混晶であるメリライ
ト、遊離石灰、遊離マグネシア、カルシウムフェライト
2CaO・Fe2O3、カルシウムアルミノフェライト4CaO・Al2
O3・Fe2O3、、リューサイト(K2O、Na2O)・Al2O3・Si
O2、スピネルMgO・Al2O3、マグネタイトFe3O4を含む場合
がある。
【0040】本発明のスラグは、非水硬性化合物の含有
量が60%以上であることが好ましく、70%以上であるこ
とがより好ましい。
【0041】本発明で言う非水硬性化合物とは、γ-2Ca
O・SiO2の他に、上述した化合物のうち、ランキナイ
ト、ワラストナイト、メルヴィナイト、アケルマナイ
ト、モンチセライト、ゲーレナイト、アノーサイト、並
びにメリライトを挙げることができる。
【0042】スラグのブレーン比表面積は特に限定され
るものではないが、3,000cm2/g以上が好ましく、4,000c
m2/g以上8,000cm2/g以下がより好ましく、6,000cm2/g以
上8,000cm2/g以下が最も好ましい。ブレーン比表面積が
3,000cm2/g未満では、材料分離抵抗性が得られなかった
り、中性化の抑制効果が充分でない場合がある。また、
8,000cm2/gを超えるように粉砕するには、粉砕動力が大
きくなり不経済であり、また、これらのスラグが風化し
やすくなり、品質の経時的な劣化が大きくなる傾向があ
る。
【0043】本発明のセメント混和材(以下、本混和材
という)の使用量は特に限定されるものではないが、通
常、セメントと本混和材の合計100部に対して5部以上40
部以下が好ましく、10部以上40部以下がより好ましい。
5部未満では水和熱を低くするという本発明の効果が十
分に得られない場合があり、40部を越えると強度発現性
が悪くなる場合がある。
【0044】本発明において水の使用量は特に限定され
るものではなく、通常の使用範囲が使用される。具体的
には、水硬性物質及び本混和材の合計100部に対して水
の量は25部以上60部以下が好ましい。25部未満では充分
な作業性が得られない場合があり、60部を超えると強度
発現性が充分でないばかりか、中性化抑制効果が顕著に
認められない場合がある。
【0045】本発明の混和材を用いて32.5N/mm2規格に
対応するにはセメント100部に対して本混和材を30部な
いし40部程度混和すればよく、また42.5N/mm2規格品ク
ラスに対応するにはセメント100部に対して10部程度を
混合すればよい。
【0046】本発明で使用するセメントとしては、普
通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトラ
ンドセメント、これらポルトランドセメントに、高炉ス
ラグ、フライアッシュ、又はシリカを混合した各種混合
セメント、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰などを原料
として製造された廃棄物利用セメント、いわゆるエコセ
メント(R)、及び石灰石粉末等を混合したフィラーセ
メント等が挙げられ、これらのうちの一種又は二種以上
が使用可能である。
【0047】本発明のセメント組成物の粒度は、使用す
る目的・用途に依存するため特に限定されるものではな
いが、通常、ブレーン比表面積値で3,000cm2/g以上8,00
0cm2/g以下が好ましく、4,000cm2/g以上6,000cm2/g以下
がより好ましい。3,000cm2/g未満では強度発現性が十分
に得られない場合があり、8,000cm2/gを超えると作業性
が悪くなる場合がある。
【0048】本発明では、セメント、本混和材、砂や砂
利などの骨材の他に、高炉水砕スラグ微粉末、石灰石微
粉末、フライアッシュ、及びシリカフューム等の混和材
料、膨張材、急硬材、減水剤、AE減水剤、高性能減水
剤、高性能AE減水剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍
剤、収縮低減剤、高分子エマルジョン、凝結調整剤、ベ
ントナイト等の粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイト
等のアニオン交換体等の添加剤等、通常のセメント材料
に用いられる公知公用の添加剤、混和材、及び骨材を1
種類又は2種類以上、本発明の目的を実質的に阻害しな
い範囲で使用することが可能である。
【0049】本発明のセメント組成物はそれぞれの材料
を施工時に混合してもよいし、あらかじめ一部あるいは
全部を混合しておいても差し支えない。
【0050】また、本発明において、各材料及び水の混
合方法も特に限定されるものではなく、それぞれの材料
を施工時に混合しても良いし、あらかじめ一部を、ある
いは全部を混合しておいても差し支えない。また、材料
の一部を水と混合した後に残りの材料を混合しても良
い。
【0051】混合装置としては、既存のいかなる装置も
使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、
ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウタミキサ等の
使用が可能である。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実験例に基づいてさらに説明
する。
【0053】実験例1普通ポルトランドセメントと本混
和材からなるセメント組成物100部中、表1に示す量の
本混和材を使用して、水/セメント組成物比(W/C比)が5
0%、セメント組成物と砂の比率が1/3のモルタルを調製
し、圧縮強度と促進中性化試験を行った。比較のため
に、本混和材の代わりに石灰石微粉末を使用し、同一混
和材量にて比較試験を行った。結果を表1に併記する。
【0054】<使用材料> セメント :普通ポルトランドセメント、電気化学工業
社製、比重3.15 混和材A:電気炉還元期スラグ、酸化物換算Ca(CaOとし
て計算)含有量52%、酸化物換算Si(SiO2として計算)含
有量27%、Al2O3含有量11%、MnO2含有量5%、MgO含有
量0.5%、S含有量0.5%。主な化合物相はγ-2CaO・SiO2
含有量約45%、ワラストナイトCaO・SiO2約25%、及び12C
aO・7Al2O3固溶体約25%。ブレーン比表面積4,000cm2/
g。非水硬性物質含有量はγ-2CaO・SiO2含有量及びワラ
ストナイトの含有量の和で約68%。 混和材B:ステンレススラグ、CaO含有量52%、SiO2
有量28%、MgO含有量10%、Al2O3含有量7%、Cr2O3含有
量1%、Na2O含有量0.5%。主な化合物相はγ-2CaO・SiO
2含有量約35%、メルヴィナイト3CaO・MgO・2SiO2約44%、
固溶体12CaO・7Al2O 3約14%、及び遊離マグネシア約4%。
ブレーン比表面積4,000cm2/g。非水硬性物質含有量はγ
-2CaO・SiO2含有量及びメルヴィナイトの含有量の和で
約79%。 混和材C:石灰石微粉末、ブレーン比表面積4,000cm2/
g。 水 :水道水 砂 :JIS標準砂
【0055】<測定方法> 圧縮強度:JIS R 5201に準じて測定した。 断熱温度上昇量:空気循環式の断熱温度上昇試験装置
(東京理工社製)を用いて測定した。 中性化深さ:材齢28日まで20℃水中養生を施した後、30
℃・相対湿度60%・炭酸ガス濃度5%の環境で4週間静
置して促進中性化を行った。促進中性化後、モルタル断
面にフェノールフタレイン1%アルコール溶液を塗布し
て中性化深さを確認した。
【0056】
【表1】 注:圧縮強度は28日強度
【0057】実験例2 実験例1で用いた混和材A(電気炉還元期スラグ)及び
混和材B(ステンレススラグ)を表2に示すように内割
でそれぞれ20%配合したセメント組成物を用い、各スラ
グのブレーン比表面積を表2に示すように変化したこと
以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に併記す
る。
【0058】
【表2】 注:圧縮強度は28日強度
【0059】
【発明の効果】本発明のセメント混和材は、産業副産物
であってγ-2CaO・SiO2を含有するスラグ、特に製鋼ス
ラグ及びステンレススラグを再利用するものであり、従
来の石灰石微粉末混和材と比較すると、混和材量が同じ
であれば硬化体の圧縮強度が同等で、水和時の発熱量が
少なく、中性化抑制効果が石灰微粉末混和品より大きい
硬化体が得られる。
【0060】また、γ-2CaO・SiO2を含有し、これまで
有効な活用方法が見出されずに産業廃棄物となっていた
スラグの有効利用にも繋がること、さらには、上記スラ
グを活用することによりクリンカ配合量を低減できるた
めに、低環境負荷型のセメント組成物となり得るという
効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ-2CaO・SiO2を含み、かつブレーン比
    表面積が3,000cm2/g以上であるスラグを含有することを
    特徴とするセメント混和材。
  2. 【請求項2】 非水硬性物質の含有量が60%以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のセメント混和材。
  3. 【請求項3】 スラグが製鋼スラグ及び/又はステンレ
    ススラグであることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のセメント混和材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちの1項記
    載のセメント混和材及びセメントを含有することを特徴
    とするセメント組成物。
JP2002004381A 2002-01-11 2002-01-11 セメント混和材及びセメント組成物 Expired - Lifetime JP3725077B2 (ja)

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