JP2003202509A - 磁性材料及び磁歪アクチュエータ並びに磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ - Google Patents

磁性材料及び磁歪アクチュエータ並びに磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ

Info

Publication number
JP2003202509A
JP2003202509A JP2002291948A JP2002291948A JP2003202509A JP 2003202509 A JP2003202509 A JP 2003202509A JP 2002291948 A JP2002291948 A JP 2002291948A JP 2002291948 A JP2002291948 A JP 2002291948A JP 2003202509 A JP2003202509 A JP 2003202509A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical switch
magnetostrictive
magnetic field
switch according
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002291948A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruaki Takeuchi
輝明 竹内
Toshishige Shibazaki
利成 柴崎
Norio Ota
憲雄 太田
Koichiro Wakabayashi
康一郎 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP2002291948A priority Critical patent/JP2003202509A/ja
Publication of JP2003202509A publication Critical patent/JP2003202509A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で簡易な構造の光スイッチに加え、磁歪
感度の高い磁歪材料、磁歪アクチュエータ及びその磁歪
アクチュエータを用いた光スイッチを提供する。 【解決手段】 光スイッチ100は素片10と磁界印加
部200を備える。素片10は、可撓性を有する基体1
上に磁歪薄膜3及び反射膜4を備え、素片10で入射部
31からの光を反射させる。磁歪薄膜3が磁化方向に伸
びたり縮んだりすることにより、素片10の撓み量が変
化する。磁界印加部200で素片10に異なる方向の磁
界を印加して素片10の撓み量を変化させる。これによ
り素片10で反射する光の方向が変化するため、光入射
部31からの光を、出射部32の光ファイバ14または
15に光路を切り替えることができる。また、サマリウ
ム−鉄等の非晶質合金にエルビウムまたはツリウムを添
加した磁歪薄膜を用いて、磁歪アクチュエータ及び光ス
イッチを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁歪感度の高い磁
歪材料を用いて作製した磁歪アクチュエータ及び磁歪ア
クチュエータを用いて光の伝送経路を切り替える光スイ
ッチに関し、特に、光の反射方向を変化させることによ
って光の伝送経路を切り替える光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムにおいては、光通信回線
を切り替えるために光スイッチが必要である。光スイッ
チの方式の一つとして、例えば、光路上に反射ミラーを
配置し、その角度を変化させることにより光の反射方向
を変える方式の光スイッチが知られている。かかる光ス
イッチにおいて、反射ミラーの角度を変化させる方法と
しては、例えば、静電方式、圧電方式、磁気力方式など
が知られており、磁気力方式を用いた光スイッチは、電
力を連続的に供給し続けなくても反射ミラーの角度を一
定に保持できるという点で優れている。
【0003】従来の磁気力方式の光スイッチとして、磁
石と電磁石との吸引力を利用した光スイッチが知られて
いる(例えば、特許文献1参照)。この光スイッチは、
磁性体が取り付けられているミラーが3次元的に運動可
能な支持体を介して基板に取り付けられるとともに、ミ
ラー近傍に電磁石を設けて構成されている。かかる光ス
イッチでは、電磁石を動作させて電磁石から磁界を発生
させ、ミラーに取り付けられている磁性体を磁気的な相
互作用により電磁石に引き付け、ミラーに入射したレー
ザを所定の方向にスイッチングさせている。
【0004】別の光スイッチとして、テルビウム−鉄
(TbFe)磁性薄膜及びサマリウム−鉄磁性薄膜を
片持ち梁タイプのアクチュエータに採用した例もある
(例えば、非特許文献1を参照。)。TbFe等の結
晶質の磁性材料では、結晶磁気異方性の影響により、所
定量の印加磁界が動作に必要となる。これに対し、(T
bDy)Feのように、結晶磁気異方性に関して互い
に打ち消す方向に働く元素を混入した磁性材料を用いて
結晶磁気異方性を低減させることにより、動作時に必要
な印加磁界を低減する磁歪材料について開示している文
献もある(例えば、非特許文献2を参照。)。
【0005】また、磁性材料の非晶質化及び高感度化を
促進する目的で、非晶質のテルビウム−鉄合金または非
晶質のサマリウム−鉄合金にホウ素を添加した磁歪膜、
また、その磁歪材料を磁性薄膜(磁歪膜)として形成し
た片持ち梁タイプのアクチュエータ及びその磁歪アクチ
ュエータを用いた光スイッチを開示した文献もある(例
えば、特許文献2、非特許文献3及び非特許文献4を参
照)。
【0006】
【特許文献1】特開2000−162520号公報(第
1−5頁)
【特許文献2】韓国特許第10−0284465号明細
書(第1−6頁)
【非特許文献1】Y.Hayashiらによる著,「ディペンデ
ンス・オブ・マグネトストリクション・オブ・スパッタ
ード・Tb-Fe ・フィルムズ・オン・プリペアレーション
・コンディションズ(Dependence of Magnetostriction
of Sputtered Tb-Fe Films on Preparation Condition
s)」IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, VOL.29, No.6
(1993年11月)
【非特許文献2】本間 基文,日口 明 編著.「磁性
材料読本」. 初版. 日本.株式会社工業調査会.
1998年3月1日. 第335頁
【非特許文献3】S.Moon, S.H.Limらによる著,「オプ
ティカル・スイッチ・ドリブン・バイ・ジャイアント・
マグネトストリクティブ・シン・フィルムズ(Optical S
witch Driven by Giant Magnetostrictive Thin Film
s)」 Part of the Symposium on Design, Test, and Mi
crofabrication of MEMS and MOEMS(パリ,フランス)
(1999年3−4月)(第854−862頁)
【非特許文献4】S.H.Limらによる著,「マグネトスト
リクション・オブ・Sm-Fe・アンド・Sm-Fe-B・シン・フ
ィルムズ・ファブリケイティッド・バイ・RF・マグネト
ロン・スパッタリング (Magnetostriction of Sm-Fe an
d Sm-Fe-B thin filmsfabricated by RF magnetron spu
ttering)」Journal of Magnetism andMagnetic Materia
ls 189(1998年)(第1−7頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の磁気力方式の光
スイッチにおいては、ミラーに磁性体を取り付けるとと
もに、変形可能な支持体を介してミラーを基板に取り付
ける必要があるために、部品点数が多くなるとともに構
造が複雑になり、製造工程もまた複雑化するという問題
があった。
【0008】また、磁歪を利用した片持ち梁タイプのア
クチュエータを駆動させる場合、所定の撓み量を得るた
めには、ある程度大きな磁界を印加する必要がある。こ
のため、磁歪アクチュエータの消費電力は増加する。ま
た、大きな印加磁界を発生させるために磁界印加手段が
大きくなり、それに伴い磁歪アクチュエータ自体も大型
化する必要があった。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題を解決する
ためになされたものであり、第1の目的は、磁歪材料を
用いることにより、小型で簡易な構造を有し、容易に製
造できる新規な光スイッチを提供することにある。ま
た、第2の目的は、磁歪感度の高い磁歪材料及びその磁
歪材料を用いて作製した磁歪アクチュエータ、並びに、
その磁歪アクチュエータを利用した光スイッチを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様に従
えば、光の伝送経路を切り替えるための光スイッチにお
いて、光入射部と;光出射部と;基体、並びに基体上に
形成された磁歪薄膜及び反射膜を含む素片と;上記素片
に磁界を印加するための磁界印加手段と;を備え、上記
磁界印加手段の磁界印加による上記素片の撓みの違いを
利用して光入射部からの光を光出射部に切り替えること
を特徴とする光スイッチが提供される。
【0011】本発明の第1の態様の光スイッチは、基体
上に磁歪材料からなる磁歪薄膜が形成された素片を備え
ており、かかる素片は、光路を切り替えるための素子と
して機能する。素片は、例えば、薄い平板状の基体上に
磁歪薄膜と反射膜とが形成されて構成されており、素片
の一端は支持部によって支持され、他方の端部が所定の
角度で撓んでいる。光スイッチの光入射部から入射した
光は、素片の反射膜により反射して、反射光は光出射部
に導かれる。ここで、素片を構成する磁歪材料は、所定
の方向に磁化したときに、その方向に伸びるかあるいは
縮む性質を有している。磁化した方向に伸びるか縮むか
は磁歪材料の種類により異なる。磁化した方向に伸びる
性質を有する磁歪材料を用いて素片を構成した場合、素
片に対して磁界印加手段により、例えば、素片長手方向
(素片の縦方向とする)に磁界を印加すると、磁歪薄膜
は素片縦方向に伸びるため、基体と磁歪薄膜との間にず
れ応力が発生し、素片は、磁歪薄膜の形成されている側
が外側になるように反り返る。すなわち、素片が撓む。
一方、素片に対して、素片長手方向に垂直な方向、例え
ば、素片の面内において長手方向に垂直な方向(素片の
横方向とする)に磁界を印加すると、磁歪薄膜は、素片
縦方向への伸びが無くなって元の状態に戻る。このよう
に素片の撓みが、素片に印加される磁界の方向に応じて
発生するため、光入射部から素片表面に入射した光は、
それぞれ違う角度で反射される。したがって、素片の撓
みの有無に応じてそれぞれ違う角度で反射した反射光が
受光されるように、二つの光出射部を光スイッチ内で位
置付けることにより、光の伝達経路を切り替える光スイ
ッチングが可能となる。
【0012】磁性材料の磁歪定数(元の長さに対する伸
びまたは縮みの変化量)は10−5〜10−3程度で極
めて微小であるが、基体と磁歪薄膜の厚みや材料を適当
に調整することにより、素片の撓み量を大きくして、撓
みがある場合の反射光の光路を撓みがない場合の反射光
の光路と明確に区別することができる。
【0013】本発明において、素片を構成する基体は、
可撓性を有するとともに所定の曲げ弾性を有する材料か
ら形成し得る。基体を形成する材料としては、例えば、
シリコン、酸化シリコン、ガラス、銅ニッケル合金など
を用いることができる。
【0014】本発明において、磁歪材料は、希土類元素
と鉄族元素の合金から構成することが好ましい。かかる
磁歪材料は大きな磁歪を有するため最適である。希土類
元素としては、テルビウム(Tb)、サマリウム(S
m)、ジスプロシウム(Dy)からなる群から選ばれた
少なくとも1種を用いることができ、鉄族元素として
は、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれた少
なくとも1種を用いることができる。
【0015】素片を構成する反射膜は、基体の少なくと
も一方の表面に形成され得、磁歪薄膜上に形成されてい
ても、基体に対して磁歪薄膜が形成されている側とは反
対側に形成されても良い。反射膜は、基体の表面の全面
に形成されていても、光が入出射する領域にのみ部分的
に形成されていても良い。
【0016】本発明において、素片を構成する基体の両
側に第1磁歪薄膜と第2磁歪薄膜を有することも可能で
ある。第1磁歪薄膜及び第2磁歪薄膜は、互いに磁歪定
数の符号が異なる磁性材料で形成されているのが好まし
い。磁歪定数が正の材料として、テルビウム−鉄合金
(TbFe(非晶質のものを含む),TbFe)、
ホロミウム−鉄合金(HoFe,HoFe)、テル
ビウム−ニッケル合金、テルビウム−コバルト合金、テ
ルビウム−鉄系合金(例えば、TbCo0.4Fe
1.6,TbNi0.4Fe1.6,Tb(CoFe)
,Tb(NiFe) )、ジスプロシウム−鉄合金
(DyFe(非晶質のものを含む),DyFe )、
ガドリニウム−鉄合金、テルビウム−ジスプロシウム−
鉄合金を挙げることができる。一方、磁歪定数が負の材
料として、サマリウム−鉄合金(SmFe ,SmFe
)、エルビウム−鉄合金(ErFe)、ツリウム−
鉄合金(TmFe)、サマリウム−鉄−コバルト合
金、サマリウム−エルビウム−鉄合金を挙げることがで
きる。第1磁歪薄膜にサマリウムと鉄、コバルト、ニッ
ケルの内の少なくとも1種類の元素との合金を用い、第
2磁歪薄膜にテルビウムと鉄、コバルト、ニッケルの内
の少なくとも1種類の元素との合金を用いることが好ま
しい。
【0017】本発明の光スイッチにおいて、磁界印加手
段は、素片に対して、2方向に磁界を印加できるように
構成し得、例えば素片の長手方向(縦方向)と長手方向
に垂直な方向(横方向)、或いは、素片の長手方向と素
片の厚み方向に磁界を印加できるように構成し得る。磁
界印加手段は、例えば、永久磁石やコイルを用いて構成
することができる。磁界印加手段としてコイルを用いる
場合は、発生させる磁界強度を大きくする目的で、鉄や
パーマロイなどの軟磁性体などから形成される磁心を備
えることが好ましい。
【0018】本発明の光スイッチは、支持部によって一
端が支持された素片の他端を支持するストッパを備え得
る。かかるストッパは、磁界印加手段の印加により生じ
る素片の撓み或いは反りを制限することができる。
【0019】本発明の光スイッチにおいて、光入射部及
び光出射部は、例えば、光ファイバを用いて形成するこ
とができ、光ファイバの光出射側または光出射側にはレ
ンズなどの光学素子を備えることができる。
【0020】本発明の第2の態様に従えば、光の伝送経
路を切り替えるための光スイッチにおいて、光入射部及
び光出射部と;基体及び基体上に形成された磁歪薄膜を
有する素片と;上記素片に設けられ、磁歪材料の撓みに
拘わらず平坦な面を有する反射部材と;上記磁歪材料に
磁界を印加する磁界印加手段と;を備えることを特徴と
する光スイッチが提供される。
【0021】本発明の第2の態様の光スイッチは、磁歪
素片上における光の入出射する領域の表面が平坦に保た
れた反射面を有することを特徴とする。磁歪薄膜が形成
されている光反射部では、図12に示すように、磁界が
印加されることにより素片が撓み、それに伴って反射面
も撓む。反射面が撓むことで反射面自体が凸面鏡として
機能し、例えば、入射光が光束の小さい平行光であって
も反射光の光束は拡がり、その断面形状が楕円となる。
このような反射光に対して光出射部における十分な集光
を行うためには、光出射部に併設されている集光レンズ
を大きく且つ特殊な形状のものとする必要性が生ずる。
これに対し、磁歪薄膜が除去された光反射部において
は、磁界印加時における磁歪薄膜の撓みの影響を受け
ず、常にその領域における反射面は平坦に保たれること
となる。したがって図13に示すように、平坦な反射面
で反射された光は、光束が拡がることなく光出射部に導
かれ、反射光の断面形状も保たれる。したがって反射光
の集光レンズの大きさを小さくすることができ、且つ特
殊な形状の集光レンズは必要としない。これにより光の
スイッチングに必要な撓み変位を十分得ることができ、
隣り合うレンズとの間での光の分離が十分確保され、光
伝送される信号のクロストークの問題も生じない。
【0022】上記のような反射面を設けるためには、例
えば、磁歪素片上の光反射部においては基体上に磁歪薄
膜を設けないようにし、当該光反射部における基体上に
直接反射面を形成し得る。あるいは、磁歪素片上の光反
射部に平面鏡を直接あるいは支持体を介して設けても良
い。平面鏡を磁歪薄膜上に直接設置する場合には、磁歪
薄膜の伸縮及び素片全体の撓みにより鏡面が歪まない硬
質の材料から形成された平面鏡を用いるのが望ましい。
【0023】本発明の第3の態様に従えば、光の伝送経
路を切り替えるための光スイッチにおいて、光入射部及
び光出射部と;反射性を有する基体及び基体上に形成さ
れた磁歪薄膜を含む素片と;上記磁歪薄膜に磁界を印加
する磁界印加手段と;を備えることを特徴とする光スイ
ッチが提供される。
【0024】本発明の第3の態様の光スイッチは、光入
射部からの光を該基体表面にて反射し、光出射部に導く
ことができる。反射性を有する基体は、光の反射手段と
して機能するとともに磁歪薄膜の支持体として機能する
ために、光スイッチを構成する部品点数を減らし、簡単
な構造をもたらす。反射面を有する基体材料として、例
えばアルミニウムのような金属材料を用いることができ
る。
【0025】本発明の第4の態様に従えば、光の伝送経
路を切り替えるための光スイッチにおいて、反射面を有
する磁歪材料と;光入射部及び光出射部と;上記磁歪材
料に磁界を印加する磁界印加手段と;を備えることを特
徴とする光スイッチが提供される。
【0026】本発明の第4の態様の光スイッチは、光入
射部からの光を磁歪材料の反射面で反射させて光出射部
に導くことができる。磁歪材料として、例えば棒状の磁
歪材料を用い、棒状磁歪材料に磁界印加手段により磁界
を印加すると棒状磁歪材料は長さ方向に伸縮する。棒状
磁歪材料の先端部に、例えば、反射面を形成すれば、磁
界印加による棒状磁歪材料の伸縮に応じて反射面が変位
するので、反射面で反射した光の方向を切り替えること
ができる。したがって光スイッチングを実現することが
できる。反射面を有する磁歪材料としては、反射面をそ
の一部に有するものであれば、平板状、柱状など任意の
形状及び寸法の磁歪材料を用いることができる。
【0027】本発明の第5の態様に従えば、基体と、基
体上に形成された磁歪膜とを含み、該磁歪膜が、サマリ
ウムと;エルビウム及びツリウムのうち少なくとも1種
の元素と;鉄,コバルト及びニッケルのうち少なくとも
1種の元素と;を含む磁歪材料が提供される。本発明に
おいては、上記サマリウムをSmで表わし、上記エルビ
ウム及びツリウムの少なくとも1種をAで表わし、上記
鉄,コバルト及びニッケルの少なくとも1種をBとした
場合、上記磁歪材料が、ASm(100−X
―Y)で示される化合物であり、式中Xが0〜20であ
り、Yが55〜85であることを満たすことが望まし
い。
【0028】本発明の磁歪材料では、磁歪材料として一
般に知られているサマリウム−鉄等の合金に、希土類元
素であるエルビウムまたはツリウムを添加した。鉄、コ
バルト、ニッケルのうち少なくとも1種類の元素とサマ
リウムとを含有した磁歪膜では、膜全体として見た場合
には磁化容易軸は膜面内のいずれかの方向に存在し、垂
直磁気異方性を殆ど有していないが、応力等の影響によ
り局所的に垂直磁気異方性を有する領域が存在する場合
もある。このような場合、磁壁が垂直磁気異方性を有す
る領域でピン止めされたように、磁壁の移動が妨げられ
る。これにより、磁歪膜の保磁力をさらに低下させるこ
とが困難となる。この結果、磁歪による伸縮を生じさせ
るために必要な印加磁界の更なる低減が困難となる。一
方、エルビウムまたはツリウムを添加することにより、
磁歪膜に強い面内磁気異方性が生じる。特に、サマリウ
ム−鉄等の非晶質合金にこれらの希土類元素を添加した
磁性材料を用いて磁歪膜を形成した場合、磁歪膜の面内
磁気異方性がさらに強化され、局所的な垂直磁気異方性
を有する領域が消失すると考えられている。このため、
磁歪膜の保磁力が低下し、磁歪変位に必要な磁界を低減
することが可能となる。なお、磁歪膜に用いる磁歪材料
を非晶質化することにより、磁歪材料における結晶磁気
異方性が消失するため、動作磁界を低く抑えることがで
きる。特に、テルビウム−鉄の非晶質合金に比べて、サ
マリウム−鉄の非晶質合金は垂直磁気異方性成分を殆ど
有していないので、この場合、磁歪膜としてサマリウム
−鉄非晶質合金を用いるのが望ましい。
【0029】本発明の第6の態様に従えば、ギャップを
有するコア及び該コアに周回して設けられたコイルとを
有する磁界印加装置と;基体及び該基体上に、サマリウ
ムと、エルビウム及びツリウムのうち少なくとも1種の
元素と、鉄、コバルト及びニッケルのうち少なくとも1
種の元素とを含む磁歪膜を有する素片であって、上記ギ
ャップに配置された素片と;を備え、上記素片に上記ギ
ャップを通る磁界を印加して上記素片の撓み量を変化さ
せることを特徴とする磁歪アクチュエータが提供され
る。本発明の磁歪アクチュエータでは、上記サマリウム
をSmで表わし、上記エルビウム及びツリウムの少なく
とも1種をAで表わし、上記鉄,コバルト及びニッケル
の少なくとも1種をBとした場合、上記磁歪膜を形成す
る磁歪材料が、ASm(100−X―Y)で示さ
れる化合物であり、式中Xが0〜20であり、Yが55
〜85であることを満たすことが望ましい。
【0030】本発明の磁歪アクチュエータでは、ギャッ
プを有するコア及びそのコアに周回して設けられたコイ
ルとを有する磁界印加装置のギャップ部分に磁歪素片を
配置する。磁歪素片は、基体上に、サマリウムと、鉄、
コバルト及びニッケルのうち少なくとも1種の元素と、
エルビウム及びツリウムのうち少なくとも1種の元素と
を含む磁性材料からなる磁歪膜を形成した素片である。
上記磁界印加装置を用いて、上記ギャップ部分に配置し
た磁歪素片に対し磁界を印加することにより、上記磁歪
素片上の磁歪膜が縮み基体との間にずれ応力が生じる。
これにより、磁歪素片は撓む。本発明の磁歪アクチュエ
ータは、この撓みの変位量をアクチュエータの動作源と
して用いる。
【0031】本発明の第7の態様に従えば、光伝送経路
を切り替えるための光スイッチにおいて、光入射部と;
複数の光出射部と;ギャップを有するコア及び該コアに
周回して設けられたコイルとを有する磁界印加装置と;
基体及び該基体上に、サマリウムと、エルビウム及びツ
リウムのうち少なくとも1種の元素と、鉄、コバルト及
びニッケルのうち少なくとも1種の元素とを含む磁歪膜
を有する素片であって、上記ギャップに配置された素片
と;を備え、上記基体又は磁歪膜上に設けられ、光入射
部からの光をいずれかの光出射部に向けて反射させるミ
ラーと;を備え、上記素片に上記ギャップを通る磁界を
印加して上記素片の撓み量を変化させることによって、
上記ミラーを変位させて光入射部からの光をいずれかの
光出射部に切り替えることを特徴とする光スイッチが提
供される。本発明の光スイッチでは、上記サマリウムを
Smで表わし、上記エルビウム及びツリウムの少なくと
も1種をAで表わし、上記鉄,コバルト及びニッケルの
少なくとも1種をBとした場合、上記磁歪膜を形成する
磁歪材料が、ASm(100−X―Y)で示され
る化合物であり、式中Xが0〜20であり、Yが55〜
85であることを満たすことが望ましい。
【0032】本発明の光スイッチは、磁歪素片上に設け
られたミラーを用いて、光入射部から照射された光の経
路を変更することにより、光のスイッチングを行う。磁
歪素片に磁界を印加しないときには磁歪素片は撓まな
い。一方、磁界印加装置によって磁歪素片に磁界を印加
したときに磁歪素片は撓む。特に、磁歪素片を構成して
いる磁歪膜として、サマリウムと、鉄、コバルト及びニ
ッケルのうち少なくとも1種の元素と、エルビウム及び
ツリウムのうち少なくとも1種の元素とを含む磁性材料
を用いているので、所定の撓み変位量を低印加磁界で効
果的に得ることができる。これにより、磁歪素片上に設
けられたミラーは、磁界印加の有無によりその位置が変
化する。このミラーの位置変化に応じたミラーからの反
射光路またはミラーの有無による光路の変化を利用し
て、光入射部から入射した光の光路を特定の光出射部か
ら別の光出射部に切り替えることができる。例えば、磁
界を印加せずに磁歪素片を撓ませない状態では、光入射
部から照射された光はその光路をミラーにより遮られる
ことなく、所定の光出射部に導かれる。一方、磁界を印
加し磁歪素片を撓ませた状態では、光入射部から照射さ
れた光はその光路をミラーで遮られ、ミラー表面で反射
した光が上記の所定の光出射部とは異なる光出射部に導
かれる。このように光の経路を切り替えることにより、
光のスイッチングを行うことができる。あるいは、ミラ
ーの位置変化により反射光の向き(反射角)を変更して
光出射部を切り替えてもよい。
【0033】本発明では、上記光入射部及び上記光出射
部が磁界印加装置上に設けられていることが好ましい。
また、上記光入射部と上記いずれかの上記光出射部との
間にレンズを有していることが好ましい。レンズを用い
ることにより、光入射部から出射された光の光路を変更
することができ、光入射部及び光出射部の配置の自由度
が上がる。
【0034】本発明においては、上記光入射部が、第1
光入射部及び第2光入射部で構成され、上記光出射部
が、第1出射部及び第2光出射部で構成されており、上
記ミラーが変位することによって、第1光入射部から照
射した光が第1光出射部から第2光出射部に切り替えら
れるとともに、第2光入射部から照射した光が第2光出
射部から第1光出射部に切り替えられることが好まし
い。これにより、複数の光入出力を伴う光の切り替えを
同時に行うことができる。また、第1光入射部と第2光
入射部、及び、第1出射部と第2光出射部が、それぞれ
上記ギャップを挟んで互いに対向するように配置されて
いることが好ましい。
【0035】本発明では、上記ミラーが平板状に形成さ
れていることが好ましい。また、上記ミラーの両側表面
が鏡面であることが好ましい。これにより、複数の光入
射部の設置を容易にする。さらに、上記ミラーが、上記
素片の撓みにより変位する側の端部近傍に設けられてい
ることが好ましい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う光スイッチに
ついて具体的に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0037】
【第1実施例】図1に本発明に従う光スイッチの概略平
面図を示す。また、図2に、図1に示した光スイッチの
A−A方向の断面図を示す。図1及び2に示すように、
光スイッチ100は、素片10と、該素片10の一端を
支持する支持部19と、素片10の他端を支持して動作
を制限するストッパ11及び12と、素片10に磁界を
印加するための磁界印加部200と、外部からの光信号
が入力される光入射部31と、外部に光信号を出力する
光出射部32とを容器中に支持されて備える。光入射部
31は、光ファイバ13と、光ファイバ13の光出射側
に設けられたレンズ18から構成される。光出射部32
は、光ファイバ14とその光入射側に設けられたレンズ
17、及び、光ファイバ15とその光入射側に設けられ
たレンズ16から構成される。
【0038】図3に素片10の概略断面図を示した。図
3に示すように、素片10は、基板1上に、下地膜2、
磁歪薄膜3及び反射膜4を備えた構造を有する。基板1
は、磁歪薄膜3の磁化方向による撓みを大きくする必要
性があることから、十分に薄いことが望まれる。このた
め、シリコン基板の表面を熱酸化して所望の厚さの酸化
層を形成し、裏面から水酸化カリウム溶液でエッチング
して薄い基板を形成した。こうして縦1.0cm、横
0.5cm、厚さ2μmの平板状のSiO基板を作製
した。ここでは基板1としてSiOを用いたが、弾性
を有する金属箔を用いることもできる。
【0039】つぎに、かかる基板1上に、スパッタ法を
用いて、下地膜2、磁歪薄膜3、反射膜4を順に形成し
た。まず、基板1上に、下地膜2としてチタンを膜厚1
0nmにて成膜した。次いで、下地膜2上に、磁歪薄膜
3としてテルビウム−鉄非晶質合金を膜厚2μmにて成
膜した。ここでは、磁歪材料としてテルビウム−鉄非晶
質合金を用いたが、結晶質のテルビウム−鉄合金、テル
ビウム−ジスプロシウム−鉄合金、非晶質のテルビウム
−鉄−コバルト合金、サマリウム−鉄合金などを用いる
こともできる。つぎに、磁歪薄膜3上に反射膜4として
アルミニウムを膜厚50nmにて成膜した。ここでは、
反射膜4を形成する材料としてアルミニウムを用いた
が、金、白金などの金属材料を用いることができ、反射
膜4として誘電体多層膜を用いることもできる。
【0040】図2に示すように、磁界印加部200は、
Xコイル22及び23、Yコイル24及び25、並びに
磁心21から構成される。磁心21は、素片10の四辺
を取り囲むような四角形(額縁状)の金属製の枠であ
り、Mn−Znフェライトで形成されている。ここで
は、磁心21を形成する材料として酸化物材料を用いた
が、鉄やパーマロイ、鉄コバルト合金などの軟磁性材料
を用いることができる。磁心21の横片21c及び21
dは、それぞれ、Xコイル22及び23の磁心として機
能し、磁心21の縦片21a及び21bが、それぞれ、
Yコイル24及び25の磁心として機能する。磁心21
の横片21c及び21dの対向する部分、例えば横片2
1cのX方向端部と横片21dのX方向端部が、同じ極
性になるように、Xコイル22及び23にそれぞれ電流
が供給される。これにより、Xコイル22及び23によ
って挟まれた素片10には、図2中、X方向の磁界Hx
が印加される。また、磁心21の縦片21a及び21b
の対向する部分、例えば縦片21aのY方向端部と縦片
21bのY方向端部が、同じ極性になるように、Yコイ
ル24及び25にそれぞれ電流を流すことにより、Yコ
イル24及び25によって挟まれた素片10に、図2
中、Y方向の磁界Hyを印加することができる。
【0041】つぎに、光スイッチ100の動作について
説明する。まず、磁界印加部200のXコイル22及び
23に電流を流して素片10に長手方向の磁界Hxを印
加する。磁界Hxの磁界強度は、例えば、100〔O
e〕〜500〔Oe〕程度にすることができる。これに
より、素片10の磁歪薄膜3は長手方向(X方向)に伸
張するため、素片10は図1の波線で示した位置から実
線で示した位置に、即ち、下方に撓む。このとき、素片
10の他端はストッパ12と接触して支持され、素片1
0の撓みが制限される。このとき、光入射部31の光フ
ァイバ13から出射された光はレンズ18を通って素片
10に入射し、素片10の反射膜4で所定の角度で反射
された後、光出射部32のレンズ16を通って光ファイ
バ15に入射される。ここで、Xコイル22及び23へ
の電流の供給を停止して磁界印加部200から発生させ
る磁界Hxを零にしても、素片10の磁歪薄膜3の保磁
力により磁歪薄膜3は磁化したままであるため、素片1
0はそのまま撓み続ける。それゆえ、光ファイバ13か
ら出射した光は、後述する磁界Hyを印加して光スイッ
チを切り替えない限り、光ファイバ15に入射される。
【0042】次いで、磁界印加部200のXコイル22
及び23への電流の供給を停止した状態で、Yコイル2
4及び25にそれぞれ電流を流して、素片10に磁界H
yを印加する。かかる磁界Hyの印加により、素片10
の磁歪薄膜3においては長手方向(Hxの方向)の伸張
が無くなるため、図1において、素片10の撓み量は減
少し、素片10は図1の破線で示した位置に戻る。この
とき素片10の他端がストッパ11と接触して支持され
る。この状態で、光入射部31の光ファイバ13から出
射された光はレンズ18を通って素片10に入射し、素
片10の反射膜4で所定の角度で反射された後、破線で
示した光路を経て光出射部32のレンズ17を通って光
ファイバ14に入射される。ここで、Yコイル24及び
25に供給する電流を停止して磁界印加部200から発
生させる磁界Hyを零としても、素片10の磁歪薄膜3
の保磁力により磁歪薄膜3は磁化したままであるので素
片10の撓み量は一定に保持される(この場合、撓みは
殆どない)。このため、光入射部31の光ファイバ13
から出射した光は、素片10により光出射部32の光フ
ァイバ14の方に反射される。
【0043】このように、光スイッチ100は、磁界印
加部200のXコイル22及び23とYコイル24及び
25に供給する電流を切り替えることにより、素片10
の撓み量を変化させて、光入射部31の光ファイバ13
からの光を、光出射部32の光ファイバ14または光フ
ァイバ15の存在する方向に反射させることが可能であ
るため、光伝送経路のスイッチングが実現できる。ま
た、光スイッチ100のXコイル22、23及びYコイ
ル24、25に流す電流は、素片10の状態を切り替え
るとき、すなわち光伝送経路を切り替えるときのみでよ
く、素片10の状態を保持するためにXコイル22、2
3またはYコイル24、25に電流を流し続ける必要は
ない。
【0044】
【第2実施例】本発明の第2実施例として、上記磁歪素
片10に代えて、図4に示した断面構造を有する磁歪素
片を用いた。素片40には、基板44の両側に下地膜4
3、45が形成され、その外側に第1磁歪薄膜42及び
第2磁歪薄膜46がそれぞれ形成されている。第2磁歪
薄膜46の上面、即ち光の入出射側には反射膜47が、
第1磁歪薄膜42上には保護膜41がそれぞれ形成され
ている。基板44には2μm厚のSiOを、下地膜4
3及び45には各々10nm厚のチタンを用いた。第1
磁歪薄膜42には負の磁歪定数を有する材料として、厚
さ1μmのサマリウム−鉄非晶質合金を使用した。第2
磁歪薄膜46には正の磁歪定数である材料として、厚さ
1μmのテルビウム−鉄非晶質合金を使用した。保護膜
41及び反射膜47として本実施例では各々50nm厚
のアルミニウムを用いた。保護膜としては他の金属、シ
リコン、SiN等の化合物を、反射膜としては金、白金
等の金属、及び誘電体多層膜を用いることができる。
【0045】素片40においては、図5に示すように素
片40の長手方向の磁界に対して、負の磁歪定数を持つ
第1磁歪薄膜42は収縮し、正の磁歪定数を持つ第2磁
歪薄膜46は磁界印加方向に伸張する性質を持ってい
る。それゆえ、X方向に磁界を印加することにより、図
6に示すように素片40は下方に大きく撓むことにな
る。この2種類の磁歪薄膜の伸縮によって本実施例にお
ける素片40は、第1実施例における単独の磁歪薄膜を
有する素片10に比較してより大きい応力を得、素片の
撓み量を増大させることができる。この結果、光のスイ
ッチングに必要な撓み変位を十分確保することが可能と
なる。このことは、第1実施例に比較して、一定の撓み
量を得るために必要な磁界を低減することができること
を意味する。
【0046】
【第3実施例】実施例3−1 本発明の光スイッチの別の実施例を、図7〜9を用いて
説明する。第1実施例における素片10の代わりに、図
9に示した素片50を用いた以外は、第1実施例と同様
にして光スイッチ500を構成した。図9に示すよう
に、素片50は第1実施例における素片10同様、基板
51上に下地膜52、磁歪薄膜53及び反射膜54を備
えた構造を有する。但し、素片50の自由端近傍に位置
する光反射部501には磁歪薄膜53が形成されておら
ず、反射膜54が下地膜52に直接形成されている。光
スイッチ500は、図7に示すように、光入射部31の
光ファイバ13からレンズ18を介して入射した光が、
素片50上の光反射部501にて反射され、磁界印加の
有無による素片50の撓みの変化を用いて、光出射部3
2における光ファイバ14もしくは15に光を出射する
ことにより、光のスイッチングを行っている。ここで、
素片50の光反射部501には磁歪薄膜53が形成され
ていないので、磁界印加時でも光反射部501は撓むこ
となく平坦性を維持している。それゆえ、反射光の光束
は拡がること無く、その断面形状も入射と同じ形状を維
持している。図9に示した構造を有する素片50は、例
えば、以下のようなプロセスで形成することができる。
基板51上にドライプロセスなどで下地膜52を形成し
た後、フォトリソグラフィーにより光反射部501にの
みフォトレジストのマスクパターンを形成する。つぎに
磁歪薄膜53としてのテルビウム−鉄をドライプロセス
で形成する。この状態で、エッチング液でフォトレジス
トとその上の磁歪薄膜53を同時に除去する。最後に、
アルミニウム反射膜54をドライプロセスで形成するこ
とができる。ドライプロセスとして、スパッタリング、
蒸着法などを用い得る。この実施例では、基体51(S
iO)、下地膜52(チタン)、磁歪薄膜53(テル
ビウム−鉄)及び反射膜54(アルミニウム)の各層の
厚みを、それぞれ2μm、10nm、2μm及び50μ
mとした。
【0047】実施例3−2 実施例3−1の別の実施例について、図10を用いて説
明する。本実施例は、上記実施例3−1における素片5
0の代わりに図10に示した素片構造を用いた。図10
に示すように、素片55は上記実施例3−1における素
片50とは異なり、基体の下面上に、下地膜58、磁歪
薄膜57及び反射膜56をそれぞれ備えた構造を有す
る。光反射部501に磁歪薄膜57が形成されていない
ことは、上記実施例3−1と同様である。上記実施例3
−1では磁歪薄膜53の磁歪材料として正の磁歪定数を
有するテルビウム−鉄磁歪材料を用いたが、本素片55
では磁歪薄膜57に、負の磁歪定数を有するサマリウム
−鉄磁歪材料を用いた。これにより、磁界印加時におい
て磁歪薄膜57は磁界印加方向とは逆向きに収縮し、基
体59との間にずれ応力が発生することにより、磁歪薄
膜57を有する側に撓む。結果として、実施例3−1と
同様に下方への撓み変位が得られることとなる。尚、本
実施例においては、図10に示すとおり、反射膜56を
磁歪薄膜57側に有していることにより、図7中の光ス
イッチ500における光の入出射部31及び32、光フ
ァイバ13〜15、及びレンズ16〜18は磁歪素片5
5が撓む方向に設置されることとなる。これに対し、反
射膜56を磁歪薄膜57と反対側に形成することによっ
て、上記光入出射部31,32、光ファイバ13〜1
5、及びレンズ16〜18の磁歪素片55に対する基本
的な位置関係を変更することなく、光スイッチの動作が
可能となる。
【0048】実施例3−3 実施例3−1のさらなる別の実施例について、図11を
用いて説明する。本実施例も、第1実施例における素片
50の代わりに図11に示した素片60を用いた以外
は、第1実施例と同様にして光スイッチを構成した。素
片60には、基板64の両側に下地膜63、65が形成
され、その外側にサマリウム−鉄から形成された第1磁
歪薄膜62及びテルビウム−鉄から形成された第2磁歪
薄膜66がそれぞれ形成されている。第2磁歪薄膜66
の上面、即ち光の入出射側には反射膜67が、第1磁歪
薄膜62上には保護膜61がそれぞれ形成されている。
素片上の光反射部501とそれに対向する部分501’
には磁歪薄膜62及び66は形成されていない。第2実
施例と同様に、素片60においては、第1磁歪薄膜62
は磁界印加方向に収縮し、第2磁歪薄膜66は磁界印加
方向に伸張する性質を持っている。それゆえ、素片の長
手方向に磁界を印加することにより、この上記2種類の
磁歪薄膜の伸縮によって本実施例における素片60は、
実施例3−1又は3−2における単独の磁歪薄膜を有す
る素片50に比較してより大きい応力を得、素片自体の
撓み量も増大する。この結果、光のスイッチングに必要
な撓み変位を十分確保することが可能となる。又、反射
面が平坦に保たれていることで、反射光の光束の拡がり
も無く、光の断面形状も保たれている。
【0049】
【第4実施例】本発明の光スイッチの別の具体例を、図
14を用いて説明する。図14に示すように、素片70
はその自由端近傍における磁歪薄膜73の上部に光反射
部として機能する平面鏡75を備える。平面鏡75は、
支持体74で支持されている。磁歪素片本体部分は磁界
印加時において撓みの影響を受けるが、平面鏡75は支
持体74により一点で支持されていることにより、上記
本体部の撓みによって変形することはなく、撓みの影響
は全く受けない。したがって、平面鏡表面は常に平坦性
が保たれ、平面鏡75に入射された光は光束が拡がるこ
ともなく、かつ光の断面形状も保たれた状態で反射され
ることとなる。これにより、光のスイッチングに必要な
撓み変位を十分得ることができ、隣り合うレンズとの間
での光の分離が十分確保され、光伝送される信号のクロ
ストークの問題も生じない。
【0050】
【第5実施例】本発明の光スイッチの別の具体例を、図
15〜18を用いて説明する。この光スイッチ800で
は、磁歪素片における基体81自体が反射性を有する材
料(例えば、アルミニウム)からできている。図17に
示した磁歪素片80は、反射性を有する基体81上に第
1実施例同様に下地膜82及び磁歪薄膜83が形成され
ている。このような素片は、第3実施例と同様な方法に
て光反射部801をフォトリソグラフィープロセスで形
成することができる。光反射部801は基体81の平坦
な反射面が露出している。これにより、実施例3−1〜
3−3と同様に、基体81上の光反射部801は磁界印
加時における磁歪材料素片の撓みの影響を受けず、該反
射面に入射された光は光束が拡がることもなく、かつ光
の断面形状も保たれた状態で反射されることとなる。し
たがって光のスイッチングに必要な撓み変位を十分得る
ことができ、隣り合うレンズとの間での光の分離が十分
確保され、光伝送される信号のクロストークの問題も生
じない。さらに、反射膜を別途設ける必要性が無いた
め、上記の各実施例に比較して磁歪素片製造工程におけ
る反射膜形成工程が削減される。
【0051】
【第6実施例】本発明のさらなる別の実施例を図18を
用いて説明する。図18に示した光スイッチ900は、
上面に反射膜99を有する円柱状の磁歪材料93と、そ
の周囲に巻設されたコイル97と、光入射部91と、光
出射部92とを備える。光スイッチ900のコイル97
に電流を流すことにより、円柱状の磁歪材料93に長さ
方向の磁界が印加され、円柱状の磁歪材料93は破線で
示したように長さ方向に伸びる。これより、光入射部9
1からの光は円柱状磁歪材料93の上面の反射膜99で
反射して光ファイバ95に入射する。円柱状磁歪材料9
3を消磁することにより円柱状磁歪材料93の磁化が無
くなり、円柱状磁歪材料93は実線で示した位置に縮
む。このとき、光入射部91からの光は、円柱状磁歪材
料93の上面の反射膜99で反射して光出射部92の光
ファイバ96に入射する。このように、図18に示す光
スイッチ900もまた、図1に示した光スイッチと同様
に、光入射部91からの光を光出射部92の光ファイバ
95と光ファイバ96にそれぞれ切り替えることがで
き、光伝達経路のスイッチングが可能である。ここでは
磁歪材料として円柱状の磁歪材料を用いたが、角柱状の
磁歪材料を用いることもできる。
【0052】以上、本発明の光スイッチについて実施の
形態により具体的に説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、種々の変形及び改良を含み得る。例
えば、上記第1実施例では、図2示すように、素片10
に対する印加磁界の方向をX方向とY方向に切り替える
ことによって素片の撓み量を制御したが、例えば、X方
向と素片10の厚み方向(紙面に対して垂直な方向)に
印加磁界の方向を切り替えて素片の状態を制御すること
もできる。素片の厚み方向に磁界を印加するには、例え
ば、図1において、素片の10の上下に電磁コイルや永
久磁石を配置させればよい。或いは、磁心としての金属
製の枠を、該枠を含む平面と素片表面とが互いに垂直に
なるように配置してもよい。
【0053】また、磁界印加部200は、素片10に対
してX方向の磁界Hxを発生させるために、Xコイル2
2とXコイル23の2つのコイルを用いたが、Xコイル
22と23のどちらか一方のコイルを用いて素片10に
X方向の磁界を印加することもできる。この場合は、磁
心21の縦片21a及び21bのそれぞれの中間部分に
ギャップを形成すればよい。これにより、磁心21の縦
片21aのギャップ部分から縦片21bのギャップ部分
に向かって磁界が発生するため、縦片21aのギャップ
部分と縦片21bのギャップ部分との間に位置する素片
10にX方向の磁界を印加することができる。また、素
片10に対してY方向の磁界Hyを発生させる場合も同
様に、Yコイル24とXコイル25の2つのコイルを用
いずにどちらか一方のコイルを用いて素片10にY方向
の磁界を印加することもできる。この場合は、磁心21
の横片21c及び21dのそれぞれの中間部分にギャッ
プを形成すればよい。これにより、磁心21の横片21
cのギャップ部分から横片21dのギャップ部分に向か
って磁界が発生するため、それらの間に位置する素片1
0にY方向の磁界を印加できる。
【0054】また、図1に示した光スイッチでは、素片
10を、基板1に対して、光入出射する側に磁歪薄膜3
を形成して構成したが、光入出射する側とは反対の側に
磁歪薄膜3を形成して素片10を構成することもでき
る。また、図1に示した光スイッチ100では、光入射
部31と光出射部32を上部に位置付けて構成したが、
下部に位置付けることもできる。この場合は、素片10
の反射膜4を基板1の裏面に形成して素片10の裏面で
光を反射させるようにすればよい。さらに、前述の実施
例において設けた下地層、ストッパは適宜省略すること
も可能である。
【0055】
【第7実施例】[磁歪素片の作製方法]まず、本発明の
磁歪アクチュエータに用いる磁歪素片の作製方法を、図
19を用いて説明する。図19に示すように、磁歪素片
300は、基板131、下地層133、磁歪材料層13
5及び保護層137で構成されている。基板131は、
長さ10mm、幅0.8mm、厚み20μmの平板状の
石英ガラス基板である。次に、基板131の一方の表面
上に、下地層133、磁性材料層135及び保護層13
7を、順次、スパッタリングを用いて形成した。このと
き、下地層133としてSiOを厚さ20nmで、磁
性材料層135としてサマリウム(Sm)−エルビウム
(Er)−鉄(Fe)の非晶質合金を厚さ4μmで、保
護層137としてSiOを厚さ20nmで、それぞ
れ、形成した。また、磁歪材料層133のサマリウム
(Sm)−エルビウム(Er)−鉄(Fe)の非晶質合
金の組成比は、Sm:Er:Fe=12:8:80とし
た。組成比の選択基準については後述する。なお、磁性
材料層135を形成するときのスパッタリングは、50
0[Oe]の直流磁界中にて行った。直流磁界は基板の
長手方向に印加した。また、上記と異なる方法として、
直径3インチの石英ガラス基板を用い、上記の各層が形
成された基板を、ダイシング装置を用いて、長さ10m
m×幅0.8mmで切り出してもよい。このとき、磁性
材料層135の磁化容易軸が長手方向に向くように切り
出した。これにより、磁歪素片300を得た。なお、本
実施例では、基板131として石英ガラス基板を用いた
が、弾性を有する金属箔片、例えばリン青銅等の箔片を
用いてもよい。また、本実施例では、磁性材料層135
をサマリウム−エルビウム−鉄の非晶質合金を用いて形
成したが、サマリウム−ツリウム(Tm)−鉄の非晶質
合金を用いて形成してもよい。その場合の組成比は、S
m:Tm:Fe=12:8:80とするのがよい。
【0056】[磁歪膜の組成比の決定]ここで、磁歪材
料層3における、サマリウム(Sm)−エルビウム(E
r)−鉄(Fe)の非晶質合金に関する組成比の決定方
法について、図20を用いて説明する。まず、磁歪材料
としてエルビウムを混入していないサマリウム(Sm)
及び鉄(Fe)から成る非晶質合金について、組成を変
化させて特性を調べた。その結果、組成比がSm20
80原子%となる場合に、磁歪材料の変位量が維持さ
れた状態で、保磁力の低下が大きかった。そこで、鉄の
組成比を80%に固定し、残りの20%についてサマリ
ウムとエルビウムの組成比を変化させて、その磁歪材料
の特性を調べた。
【0057】図20(a)は、Erの組成比と磁歪定数
との関係を示したグラフである。Erの組成比は、磁歪
材料全体を100%としたときに、0〜20%の範囲で
変化させた。鉄の組成比は80%で固定であるので、こ
のとき、Smの組成比は20〜0%の範囲で変化する。
Erの組成比が0%、即ち、Sm20Fe80原子%の
ときの磁歪定数は450ppmであり、Erの組成比が
20%、即ち、Er Fe80原子%のときの磁歪定
数は80ppmであった。そして、Erの組成比が増加
するのに比例して、磁歪定数が小さくなることが分かっ
た。
【0058】図20(b)は、Erの組成比と保磁力と
の関係を示したグラフである。Erの組成比が0%、即
ち、Sm20Fe80原子%のときの保磁力は280
[Oe]であった。一方、Erの組成比が4%、即ち、
Sm16ErFe80原子%のときの保磁力は92
[Oe]であった。Erの添加によるEr組成比の増加
に伴い磁歪材料の保磁力は急速に低下し、Erの組成比
が所定の割合に達した後は、低下の度合が鈍化する。さ
らに、Erの組成比が20%、即ち、Er20Fe 80
原子%のときの保磁力は、約10[Oe]であった。
【0059】低磁界で効率良く磁歪による変化を得るた
めには、磁歪定数が高く且つ保磁力の小さい磁歪材料を
用いることが要求される。しかしながら、FeとSmの
みからなる磁歪材料を用いた場合には、磁歪定数は高い
が保磁力が大きくなってしまい、磁歪変形に必要な印加
磁界を大きくする必要がある。これに対し、FeとEr
のみからなる磁歪材料を用いた場合には、保磁力は低下
するが、磁歪定数が小さく磁歪による変形が起こりにく
い。したがって、高い磁歪定数と低い保磁力とを同時に
有するようにするには、磁歪材料の最適な組成比を、S
(12〜16 Er(4〜8)Fe80原子%にすれ
ばよい。これにより、低い印加磁界でも十分な磁歪変化
をもたらす磁歪材料を得ることができた。なお、本実施
例では、Feの組成比を80原子%としたが、これに限
定されるものではない。
【0060】[磁歪アクチュエータの製造方法]次に、
こうして得られた磁歪素片300を用いて製造した磁歪
アクチュエータについて、図21(a)〜(c)を用い
て説明する。図21(a)に示すように、磁歪アクチュ
エータ400は、主に、磁気コア140、コイル14
6、磁歪素片300及び電源148で構成される。磁気
コア140は、幅(図中、Y方向の長さ)d1=15m
m、長さ(図中、X方向の長さ)d2=8mm及び高さ
(図中、Z方向長さ)d3=10mmの四角柱状であ
り、フェライトから形成されている。磁気コア140の
内部にはX方向に貫通する貫通孔141が形成されてい
る。貫通孔141により、磁気コア140は、図21
(b)に示すように、Z方向に上面部140aと底面部
140bに分けられる。上面部140aには、Y方向の
中央部に、X方向に延在するギャップ142が形成され
ており、ギャップ142は上面部140aを右上面部1
40arと左上面部140alに分割している。ギャッ
プ142は貫通孔141と連通している。貫通孔141
の幅及びギャップ142の幅(ギャップ幅)は、それぞ
れ、10mm及び1.2mmである。磁気コア140
は、磁気ヘッドに用いられる磁気コアを流用した。磁気
コア140は、磁気ヘッドに用いられる磁気コアと同様
にフェライトを加圧成形して製造することができる。
【0061】磁気コア140の底面部140bには、コ
イル146がX方向及びZ方向に複数回周回して設けら
れている。電源148はコイル26の両端に接続され、
コイル146に電力を供給する。磁歪素片300は、ギ
ャップ142内で、X方向に延在し且つ磁歪素片300
の表面が上面部140aの表面と並行になるように配置
されている。ここで、磁歪素片300の一端300a
を、固定端としてギャップ142の端部に挟持された支
持片144に接着剤などで固着し、磁歪素片300の他
端300bを支持せずに自由端とした。なお、磁歪素片
300は、磁歪素片300の基板がコイル146側を向
くように、ギャップ142内に配置される。
【0062】[磁歪アクチュエータの駆動方法]次に、
磁歪アクチュエータ400の駆動方法について、図21
(a)及び(c)を用いて説明する。電源148によっ
てコイル146に電力を供給することにより、磁気コア
140に磁界を発生させる。このとき、磁気コア140
のギャップ142に、磁歪素片300の幅方向(Y軸方
向)に磁界が発生する。これにより、ギャップ142内
に配置された磁歪素片300のサマリウム(Sm)−エ
ルビウム(Er)−鉄(Fe)の非晶質合金からなる磁
歪材料層が、磁化容易軸方向である素片の長手方向(X
軸方向)に収縮する。磁歪材料層が収縮することによ
り、磁歪素片300の磁歪材料層と基板との間でずれ応
力が生じ、磁歪素片300は支持片144で固定された
固定端を支点として、図21(c)に破線で示すよう
に、コイル146側とは反対側、即ち、上方に向かって
撓む(矢印AR4)。これにより、アクチュエータとし
て必要な変位量を得る。コイル146に40mAの電流
を流した場合、磁歪素片300の自由端側端部300b
が、支点側端部300aを回転基準として、約10度の
角度で変位した。また、この状態で電源148からの電
力供給を停止した場合、磁気コア140に発生していた
磁界は消え、それに伴いギャップ142における磁界も
消失する。これにより、磁界の影響を受けて収縮した状
態となっていた磁歪材料層は、元の長さに戻り、基板と
のずれ応力は解消される。よって、磁歪素片300は、
撓まない元の状態となる。
【0063】
【第8実施例】次に、第7実施例で製造した磁歪アクチ
ュエータを光スイッチに適用した例について、図22を
用いて説明する。図22に示すように、光スイッチ60
0は、磁歪アクチュエータ400、ミラー150、送光
ファイバ151,152、受光ファイバ153,154
及びレンズ155、156から構成されている。ミラー
150は、長さ0.1mm、幅0.1mm、厚み2μm
の平板状のミラーであり、両面が鏡面である。ミラー1
50は、磁歪素片300の自由端の近傍であって磁歪素
子の幅方向中央部に樹脂接着剤を用いて固定されてい
る。この際、ミラー表面が、X方向、即ち、磁歪素片3
00の長手方向に延在し且つ磁歪膜の表面に垂直となる
ように磁歪膜上に設置されている。
【0064】送光ファイバ151と受光ファイバ153
は、右上面部140arのX方向における磁歪素子の自
由端側に設けられており、送光ファイバ152と受光フ
ァイバ154は、左上面部140alのX方向における
磁歪素子の自由端側に設けられている。送光ファイバ1
51、152は外部から磁歪アクチュエータに光を入射
する光入射部として機能し、受光ファイバ153、15
4は磁歪アクチュエータから光を外部に出射する光出射
部として機能する。送光ファイバ151と送光ファイバ
152はX方向及びZ方向において同位置に設けられ、
受光ファイバ153と出射部154もまたX方向及びZ
方向において同位置に設けられている。すなわち、送光
ファイバ151と送光ファイバ152とがギャップを挟
んで互いに対向し、受光ファイバ153及び受光ファイ
バ154とがギャップを挟んで互いに対向するように配
置されている。
【0065】磁気コア140の右上面部140arと左
上面部140alには、送光ファイバ151及び152
から出射された光の光路上であって、ギャップの中心か
ら等距離隔てた位置に且つ互いにそれらの光軸が同軸状
になるように屈折レンズ155及び156が設けられて
いる。送光ファイバ151,152、受光ファイバ5
3,154及び屈折レンズ155,156の光学的配置
は、送光ファイバ151から出た光が屈折レンズ155
及び156で順次屈折して受光ファイバ154に入射す
るように、同時に、送光ファイバ152から出た光が屈
折レンズ156及び155で順次屈折して受光ファイバ
153に入射するように調製されている。このようにそ
れらの光学素子を配置すると、屈折レンズ155を屈折
して出た光と屈折レンズ156を屈折して出た光とが、
ギャップのY方向における中心位置で交差することにな
る。なお、送光ファイバ151,152、受光ファイバ
153,154及びレンズ155,156は、いずれも
接着剤によって上面部140a上に固定されている。
【0066】図22(a)に示すように、磁歪アクチュ
エータ400のコイル146に電力を供給していない状
態では、磁歪素片300は撓まない。この状態におい
て、送光ファイバ151から出射してレンズ155で屈
折された光は、ミラー150の上方を通過してレンズ1
56に入射し、そこで屈折されて受光ファイバ154に
導かれる。また、送光ファイバ152から出射してレン
ズ156で屈折された光は、ミラー150の上方を通過
してレンズ155に入射し、そこで屈折されて受光ファ
イバ153に導かれる。この場合、磁歪素片300上に
固定されたミラー150は、送光ファイバ151及び1
52から出射した光の光路の下方に位置するので、光を
遮ることがない。
【0067】一方、図22(b)に示すように、磁歪ア
クチュエータ400の電源148をONにし、コイル1
46に電力を供給している状態では、コイル146で発
生した磁界により、磁気コア140のギャップ142を
横断する磁界が発生する。この横断磁界により、磁歪素
片300が、保護膜が形成されている面側、即ち、上方
に撓む(矢印AR5)。これにより、磁歪素片300上
に接着固定されたミラー150が、送光ファイバ151
及び152からそれぞれレンズ155及び156で屈折
された光の光路を遮断する。このとき、送光ファイバ1
51から送光されてレンズ155で屈折された光は、ミ
ラー150の一方の面で反射され、その反射光が受光フ
ァイバ153に入射する。同様に、送光ファイバ152
から送光されてレンズ156で屈折された光は、ミラー
150の反対側の面で反射し、その反射光が受光ファイ
バ154に入射する。従って、送光ファイバ151から
出射した光を、受光ファイバ154から受光ファイバ1
53に切り換えることができると同時に、送光ファイバ
152から出射した光を受光ファイバ153から受光フ
ァイバ154に切り換えることができる。このように、
磁歪素片300の撓み量の変化を利用して光の経路を切
り替えることにより、磁歪アクチュエータを用いた光ス
イッチ600を実現することができる。
【0068】
【発明の効果】本発明の光スイッチは、極めて簡単な構
成で光伝送経路のスイッチングを実現することができ
る。また、光スイッチを製造する際の製造工程を簡略に
することができるため、安価な光スイッチを提供するこ
とができる。
【0069】本発明の磁歪アクチュエータにおいては、
磁歪素片の幅方向に磁界を印加することにより、磁気コ
アのギャップ部分に生じる磁界を効率良く利用すること
ができる。また、磁歪素片の磁歪膜を、磁歪感度の高い
サマリウム−エルビウム−鉄の非晶質合金またはサマリ
ウム−ツリウム−鉄の非晶質合金を用いて形成すること
により、低い磁界で効率良い撓み量を得ることが可能と
なる。これにより、磁歪アクチュエータを駆動するため
の消費電力を低く抑えられるとともに、磁歪アクチュエ
ータを小型化することができる。また、磁歪素片の長手
方向を磁界印加方向に対し垂直となるように磁歪素片を
配置した場合には、磁気コアのギャップ間隔を狭くする
ことができるので、さらに磁歪アクチュエータを小型化
することが可能となる。また、この磁歪アクチュエータ
を光スイッチに適用することで、消費電力が少なく小型
の光スイッチを提供することができる。また、上記磁歪
アクチュエータを、光スイッチ以外の素子、例えば、光
スキャナー等の素子に応用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の光スイッチの概略平面図
である。
【図2】図1に示した光スイッチのA―Aによる断面図
である。
【図3】本発明の第1実施例の光スイッチに用いられる
素片の概略断面図である。
【図4】本発明の第2実施例の光スイッチに用いられる
素片の概略断面図である。
【図5】第2実施例の磁歪素片において、磁界印加時に
おける各磁歪薄膜の伸縮の方向を示した概念図である。
【図6】図5において磁界印加した場合の磁歪素片の撓
みの様子を示した概念図である。
【図7】本発明の実施例3−1の光スイッチの概略平面
図である。
【図8】図7に示した光スイッチのA―Aによる断面図
である。
【図9】本発明の実施例3−1の光スイッチに用いられ
る素片の概略断面図である。
【図10】本発明の実施例3−2の光スイッチに用いら
れる負の磁歪薄膜を形成した素片の概略断面図である。
【図11】本発明の実施例3−3の光スイッチに用いら
れる、基体の両側にそれぞれ正負の磁歪定数を有する磁
歪薄膜を形成した素片の概略断面図である。
【図12】磁歪素片上の光反射部に磁歪薄膜が形成され
ている場合の入出射光の軌跡の概念図である。
【図13】磁歪素片上の光反射部の磁歪薄膜が除去され
ている場合の入出射光の軌跡の概念図である。
【図14】本発明の第4実施例の光スイッチに用いた磁
歪素片の概略断面図である。
【図15】本発明の第5実施例の光スイッチの概略平面
図である。
【図16】図15に示した光スイッチのA―Aによる断
面図である。
【図17】本発明の第5実施例の光スイッチに用いた素
片の概略断面図である。
【図18】本発明の第6実施例に従う、円柱状磁歪材料
の伸縮を利用した光スイッチの動作説明図である。
【図19】本発明の第7実施例の磁歪アクチュエータに
用いた素片の概略断面図である。
【図20】本発明の第7実施例における、磁性材料の組
成比に関するグラフである。
【図21】本発明の第7実施例の磁歪アクチュエータの
概略斜視図である。
【図22】本発明の第8実施例の光スイッチの概略斜視
図である。
【符号の説明】
1、44、71、81 基板 2、43、44、72、82 下地膜 3 磁歪薄膜 4、47 反射膜 10、40、70、80 素片 11、12 ストッパ 13、14、15 光ファイバ 16、17、18 レンズ 19 支持部 21 磁心 22、23 Xコイル 24、25 Yコイル 31 光入射部 32 光出射部 41 保護膜 42 第1磁歪薄膜 46 第2磁歪薄膜 74 平面鏡支持体 75 平面鏡 100、500、800、900 光スイッチ 200 磁界印加部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 憲雄 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 若林 康一郎 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 2H041 AA14 AA15 AB13 AB14 AC04 AZ02 AZ03 AZ08

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の伝送経路を切り替えるための光スイ
    ッチにおいて、 光入射部と;光出射部と;基体、並びに基体上に形成さ
    れた磁歪薄膜及び反射膜を有する素片と;上記素片に磁
    界を印加するための磁界印加手段と;を備え、 上記磁界印加手段の磁界印加による上記素片の撓みの違
    いを利用して光入射部からの光を光出射部に切り替える
    ことを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】 上記反射膜は、上記基体の少なくとも一
    方の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】 更に、上記素片の一端を支持するための
    支持部材を備えることを特徴とする請求項1または2に
    記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】 上記素片の他端を係止するストッパを備
    えることを特徴とする請求項3に記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】 上記磁歪薄膜が、希土類元素と鉄族元素
    とからなる合金を用いて形成されることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  6. 【請求項6】 上記希土類元素が、テルビウム、ジスプ
    ロシウム及びサマリウムからなる群から選択された少な
    くとも1種の元素であり、上記鉄族元素が、鉄、コバル
    ト及びニッケルからなる群から選択された少なくとも1
    種の元素であることを特徴とする請求項5に記載の光ス
    イッチ。
  7. 【請求項7】 上記磁歪薄膜が、上記基体の一方の面上
    に形成された第1磁歪薄膜と、他方の面上に形成された
    第2磁歪薄膜とを有することを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  8. 【請求項8】 第1磁歪薄膜の磁歪定数と第2磁歪薄膜
    の磁歪定数が、互いに異なる符号を有することを特徴と
    する請求項7に記載の光スイッチ。
  9. 【請求項9】 第1磁歪薄膜がサマリウムと、鉄、コバ
    ルト及びニッケルの内の少なくとも1種類の元素とを含
    み、第2磁歪薄膜がテルビウムと、鉄、コバルト及びニ
    ッケルの内の少なくとも1種類の元素とを含むことを特
    徴とする請求項7又は8に記載の光スイッチ。
  10. 【請求項10】 上記磁界印加手段は、上記素片の長手
    方向及び素片表面に垂直な方向に磁界を発生することを
    特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光スイ
    ッチ。
  11. 【請求項11】 上記磁界印加手段は、上記素片の面内
    において長手方向及び長手方向に垂直な方向に磁界を発
    生することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に
    記載の光スイッチ。
  12. 【請求項12】 上記磁界印加手段はコイルであること
    を特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の光
    スイッチ。
  13. 【請求項13】 上記コイルは軟磁性体の磁心を有する
    ことを特徴とする請求項12に記載の光スイッチ。
  14. 【請求項14】 上記素片は四角形状の平面構造を有す
    る平板であり、上記磁心は、上記素片の四辺を取り囲む
    ように配置された四角形状の枠部材であり、該枠部材の
    各辺にそれぞれコイルが巻きつけられていることを特徴
    とする請求項13に記載の光スイッチ。
  15. 【請求項15】 上記光入射部及び光出射部は、光ファ
    イバを有することを特徴とする請求項1〜14のいずれ
    か一項に記載の光スイッチ。
  16. 【請求項16】 光の伝送経路を切り替えるための光ス
    イッチにおいて、 光入射部と;光出射部と;基体及び基体上に形成された
    磁歪薄膜を有する素片と;上記素片に設けられ、磁歪材
    料の撓みに拘わらず平坦な面を有する反射部材と;上記
    磁歪材料に磁界を印加するための磁界印加手段と;を備
    えることを特徴とする光スイッチ。
  17. 【請求項17】 上記反射部材は、上記基体の少なくと
    も一方の面に形成されていることを特徴とする請求項1
    6に記載の光スイッチ。
  18. 【請求項18】 更に、上記素片の一端を支持するため
    の支持部材を備えることを特徴とする請求項16または
    17に記載の光スイッチ。
  19. 【請求項19】 上記素片の他端を係止するストッパを
    備えることを特徴とする請求項18に記載の光スイッ
    チ。
  20. 【請求項20】 上記磁歪薄膜が、希土類元素と鉄族元
    素とからなる合金を用いて形成されることを特徴とする
    請求項16〜19のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  21. 【請求項21】 上記希土類元素が、テルビウム、ジス
    プロシウム及びサマリウムからなる群から選択された少
    なくとも1種の元素であり、上記鉄族元素が、鉄、コバ
    ルト及びニッケルからなる群から選択された少なくとも
    1種の元素であることを特徴とする請求項20に記載の
    光スイッチ。
  22. 【請求項22】 上記磁歪薄膜が、上記基体の一方の面
    上に形成された第1磁歪薄膜と、他方の面上に形成され
    た第2磁歪薄膜とを有することを特徴とする請求項16
    〜21のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  23. 【請求項23】 第1磁歪薄膜の磁歪定数と第2磁歪薄
    膜の磁歪定数が、互いに異なる符号を有することを特徴
    とする請求項22に記載の光スイッチ。
  24. 【請求項24】 第1磁歪薄膜がサマリウムと、鉄、コ
    バルト及びニッケルの内の少なくとも1種類の元素とを
    含み、第2磁歪薄膜がテルビウムと、鉄、コバルト及び
    ニッケルの内の少なくとも1種類の元素とを含むことを
    特徴とする請求項22又は23に記載の光スイッチ。
  25. 【請求項25】 上記磁界印加手段は、上記素片の長手
    方向及び素片表面に垂直な方向に磁界を発生することを
    特徴とする請求項16〜24のいずれか一項に記載の光
    スイッチ。
  26. 【請求項26】 上記磁界印加手段は、上記素片の面内
    において長手方向及び長手方向に垂直な方向に磁界を発
    生することを特徴とする請求項16〜24のいずれか一
    項に記載の光スイッチ。
  27. 【請求項27】 上記磁界印加手段はコイルであること
    を特徴とする請求項16〜26のいずれか一項に記載の
    光スイッチ。
  28. 【請求項28】 上記コイルは軟磁性体の磁心を有する
    ことを特徴とする請求項27に記載の光スイッチ。
  29. 【請求項29】 上記素片は四角形状の平面構造を有す
    る平板であり、上記磁心は、上記素片の四辺を取り囲む
    ように配置された四角形状の枠部材であり、該枠部材の
    各辺にそれぞれコイルが巻きつけられていることを特徴
    とする請求項28に記載の光スイッチ。
  30. 【請求項30】 上記光入射部及び光出射部は、光ファ
    イバを有することを特徴とする請求項16〜29のいず
    れか一項に記載の光スイッチ。
  31. 【請求項31】 光の伝送経路を切り替えるための光ス
    イッチにおいて、 光入射部と;光出射部と;反射性を有する基体及び基体
    上に形成された磁歪薄膜を有する素片と;上記磁歪薄膜
    に磁界を印加するための磁界印加手段と;を備えること
    を特徴とする光スイッチ。
  32. 【請求項32】 更に、上記素片の一端を支持するため
    の支持部材を備えることを特徴とする請求項31に記載
    の光スイッチ。
  33. 【請求項33】 上記素片の他端を係止するストッパを
    備えることを特徴とする請求項32に記載の光スイッ
    チ。
  34. 【請求項34】 上記磁歪薄膜が、希土類元素と鉄族元
    素とからなる合金を用いて形成されることを特徴とする
    請求項31〜33のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  35. 【請求項35】 上記希土類元素が、テルビウム、ジス
    プロシウム及びサマリウムからなる群から選択された少
    なくとも1種の元素であり、上記鉄族元素が、鉄、コバ
    ルト及びニッケルからなる群から選択された少なくとも
    1種の元素であることを特徴とする請求項34に記載の
    光スイッチ。
  36. 【請求項36】 上記磁歪薄膜が、上記基体の一方の面
    上に形成された第1磁歪薄膜と、他方の面上に形成され
    た第2磁歪薄膜とを有することを特徴とする請求項31
    〜35のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  37. 【請求項37】 第1磁歪薄膜の磁歪定数と第2磁歪薄
    膜の磁歪定数が、互いに異なる符号を有することを特徴
    とする請求項36に記載の光スイッチ。
  38. 【請求項38】 第1磁歪薄膜がサマリウムと、鉄、コ
    バルト及びニッケルの内の少なくとも1種類の元素とを
    含み、第2磁歪薄膜がテルビウムと、鉄、コバルト及び
    ニッケルの内の少なくとも1種類の元素とを含むことを
    特徴とする請求項36又は37に記載の光スイッチ。
  39. 【請求項39】 上記磁界印加手段は、上記素片の長手
    方向及び素片表面に垂直な方向に磁界を発生することを
    特徴とする請求項31〜38のいずれか一項に記載の光
    スイッチ。
  40. 【請求項40】 上記磁界印加手段は、上記素片の面内
    において長手方向及び長手方向に垂直な方向に磁界を発
    生することを特徴とする請求項31〜38のいずれか一
    項に記載の光スイッチ。
  41. 【請求項41】 上記磁界印加手段はコイルであること
    を特徴とする請求項31〜40のいずれか一項に記載の
    光スイッチ。
  42. 【請求項42】 上記コイルは軟磁性体の磁心を有する
    ことを特徴とする請求項41に記載の光スイッチ。
  43. 【請求項43】 上記素片は四角形状の平面構造を有す
    る平板であり、上記磁心は、上記素片の四辺を取り囲む
    ように配置された四角形状の枠部材であり、該枠部材の
    各辺にそれぞれコイルが巻きつけられていることを特徴
    とする請求項42に記載の光スイッチ。
  44. 【請求項44】 上記光入射部及び光出射部は、光ファ
    イバを有することを特徴とする請求項31〜43のいず
    れか一項に記載の光スイッチ。
  45. 【請求項45】 光の伝送経路を切り替えるための光ス
    イッチにおいて、 反射面を有する磁歪材料と;光入射部及び光出射部と;
    上記磁歪材料に磁界を印加する磁界印加手段と;を備え
    ることを特徴とする光スイッチ。
  46. 【請求項46】 上記磁歪材料が、希土類元素と鉄族元
    素とから構成された合金であることを特徴とする請求項
    45に記載の光スイッチ。
  47. 【請求項47】 上記希土類元素が、テルビウム、ジス
    プロシウム及びサマリウムからなる群から選択された少
    なくとも1種の元素であり、上記鉄族元素が、鉄、コバ
    ルト及びニッケルからなる群から選択された少なくとも
    1種の元素であることを特徴とする請求項46に記載の
    光スイッチ。
  48. 【請求項48】 基体と、基体上に形成された磁歪膜と
    を含み、 該磁歪膜が、サマリウムと;エルビウム及びツリウムの
    うち少なくとも1種の元素と;鉄,コバルト及びニッケ
    ルのうち少なくとも1種の元素と;を含む磁歪材料。
  49. 【請求項49】 上記サマリウムをSmで表わし、上記
    エルビウム及びツリウムの少なくとも1種をAで表わ
    し、上記鉄,コバルト及びニッケルの少なくとも1種を
    Bとした場合、上記磁歪材料が、ASm
    (100−X―Y)で示される化合物であり、式中Xが
    0〜20であり、Yが55〜85であることを満たすこ
    とを特徴とする請求項48に記載の磁歪材料。
  50. 【請求項50】 ギャップを有するコア及び該コアに周
    回して設けられたコイルとを有する磁界印加装置と;基
    体及び該基体上に、サマリウムと、エルビウム及びツリ
    ウムのうち少なくとも1種の元素と、鉄、コバルト及び
    ニッケルのうち少なくとも1種の元素とを含む磁歪膜を
    有する素片であって、上記ギャップに配置された素片
    と;を備え、上記素片に上記ギャップを通る磁界を印加
    して上記素片の撓み量を変化させることを特徴とする磁
    歪アクチュエータ。
  51. 【請求項51】 上記サマリウムをSmで表わし、上記
    エルビウム及びツリウムの少なくとも1種をAで表わ
    し、上記鉄,コバルト及びニッケルの少なくとも1種を
    Bとした場合、上記磁歪膜を形成する磁歪材料が、A
    Sm(10 0−X―Y)で示される化合物であり、
    式中Xが0〜20であり、Yが55〜85であることを
    満たすことを特徴とする請求項50に記載の磁歪アクチ
    ュエータ。
  52. 【請求項52】 光伝送経路を切り替えるための光スイ
    ッチにおいて、 光入射部と;複数の光出射部と;ギャップを有するコア
    及び該コアに周回して設けられたコイルとを有する磁界
    印加装置と;基体及び該基体上に、サマリウムと、エル
    ビウム及びツリウムのうち少なくとも1種の元素と、
    鉄、コバルト及びニッケルのうち少なくとも1種の元素
    とを含む磁歪膜を有する素片であって、上記ギャップに
    配置された素片と;を備え、上記基体又は磁歪膜上に設
    けられ、光入射部からの光をいずれかの光出射部に向け
    て反射させるミラーと;を備え、 上記素片に上記ギャップを通る磁界を印加して上記素片
    の撓み量を変化させることによって、上記ミラーを変位
    させて光入射部からの光をいずれかの光出射部に切り替
    えることを特徴とする光スイッチ。
  53. 【請求項53】 上記サマリウムをSmで表わし、上記
    エルビウム及びツリウムの少なくとも1種をAで表わ
    し、上記鉄,コバルト及びニッケルの少なくとも1種を
    Bとした場合、上記磁歪膜を形成する磁歪材料が、A
    Sm(10 0−X―Y)で示される化合物であり、
    式中Xが0〜20であり、Yが55〜85であることを
    満たすことを特徴とする請求項52に記載の光スイッ
    チ。
  54. 【請求項54】 上記光入射部及び上記光出射部が磁界
    印加装置上に設けられていることを特徴とする請求項5
    2又は53に記載の光スイッチ。
  55. 【請求項55】 上記光入射部と上記いずれかの上記光
    出射部との間にレンズを有していることを特徴とする請
    求項52〜54のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  56. 【請求項56】 上記光入射部が、第1光入射部及び第
    2光入射部で構成され、上記光出射部が、第1出射部及
    び第2光出射部で構成されており、上記ミラーが変位す
    ることによって、第1光入射部から照射した光が第1光
    出射部から第2光出射部に切り替えられるとともに、第
    2光入射部から照射した光が第2光出射部から第1光出
    射部に切り替えられることを特徴とする請求項52〜5
    5のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  57. 【請求項57】 第1光入射部と第2光入射部、及び、
    第1出射部と第2光出射部が、それぞれ上記ギャップを
    挟んで互いに対向するように配置されていることを特徴
    とする請求項56に記載の光スイッチ。
  58. 【請求項58】 上記ミラーが平板状に形成されている
    ことを特徴とする請求項52〜57のいずれか一項に記
    載の光スイッチ。
  59. 【請求項59】 上記ミラーの両側表面が鏡面であるこ
    とを特徴とする請求項58に記載の光スイッチ。
  60. 【請求項60】 上記ミラーが上記素片の撓みにより変
    位する側の端部近傍に設けられていることを特徴とする
    請求項52〜59のいずれか一項に記載の光スイッチ。
JP2002291948A 2001-10-09 2002-10-04 磁性材料及び磁歪アクチュエータ並びに磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ Withdrawn JP2003202509A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002291948A JP2003202509A (ja) 2001-10-09 2002-10-04 磁性材料及び磁歪アクチュエータ並びに磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001311681 2001-10-09
JP2001-311681 2001-10-09
JP2002291948A JP2003202509A (ja) 2001-10-09 2002-10-04 磁性材料及び磁歪アクチュエータ並びに磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003202509A true JP2003202509A (ja) 2003-07-18

Family

ID=27666298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002291948A Withdrawn JP2003202509A (ja) 2001-10-09 2002-10-04 磁性材料及び磁歪アクチュエータ並びに磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003202509A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005062471A (ja) * 2003-08-12 2005-03-10 Fujikura Ltd マトリックス光スイッチ
JP2009231349A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Fdk Corp 超磁歪薄膜素子及びその製造方法
CN111367072A (zh) * 2020-04-24 2020-07-03 罕王微电子(辽宁)有限公司 一种电磁式微镜结构及制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005062471A (ja) * 2003-08-12 2005-03-10 Fujikura Ltd マトリックス光スイッチ
JP4540951B2 (ja) * 2003-08-12 2010-09-08 株式会社フジクラ マトリックス光スイッチ
JP2009231349A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Fdk Corp 超磁歪薄膜素子及びその製造方法
CN111367072A (zh) * 2020-04-24 2020-07-03 罕王微电子(辽宁)有限公司 一种电磁式微镜结构及制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3597095B2 (ja) 光スイッチングデバイスおよび光クロス接続スイッチングデバイス
JP3062881B2 (ja) 光スイッチ
US5898515A (en) Light reflecting micromachined cantilever
JP3266561B2 (ja) 同調可能光ファイバーグレーティングデバイスと、光マルチプレクサ/デマルチプレクサと、波長分割多重化通信システム
US5889452A (en) Miniature device for executing a predetermined function, in particular microrelay
EP0856752B1 (en) Magnetically tunable optical fiber gratings
US8068387B2 (en) Magneto-optical device
US6085016A (en) Magnetically controlled variable optical attenuator
KR20190071631A (ko) 2차원 광 주사 미러 장치, 그 제조 방법, 2차원 광 주사 장치 및 화상 투영 장치
JP2008304618A (ja) 偏光変換素子
US7142743B2 (en) Latching mechanism for magnetically actuated micro-electro-mechanical devices
JP2003202509A (ja) 磁性材料及び磁歪アクチュエータ並びに磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ
WO2005059623A1 (ja) 光スイッチ
US6961485B2 (en) Optical switch
EP1079377B1 (en) Lens driving apparatus for disk player
JP2003015060A (ja) 光スイッチ
JP2005099737A (ja) 磁気光学光部品
JP2003121765A (ja) 光スイッチ
JP2004186619A (ja) 磁歪アクチュエータ及びその磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ
US7082251B2 (en) Optical device
JP2002323663A (ja) クロスコネクト光スイッチ
JPS5831563B2 (ja) 光スイッチ
JP2004325982A (ja) 光スイッチ
JP2001235690A (ja) 光スイッチ
JP4070569B2 (ja) 光スイッチ用部材、光スイッチ及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110