JP2004186619A - 磁歪アクチュエータ及びその磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ - Google Patents

磁歪アクチュエータ及びその磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ Download PDF

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Teruaki Takeuchi
輝明 竹内
Ryuzo Fukao
隆三 深尾
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

【課題】弱い印加磁界でも十分な磁歪素片の撓み量を得ることができるとともに、動作時のみ磁界を印加すれば足りる、消費電力の少ない小型の磁歪アクチュエータ及びその磁歪アクチュエータを利用した光スイッチを提供する。
【解決方法】本発明の磁歪アクチュエータは、磁界印加装置を構成するコアの一部に硬磁性体を含んでいる。コアに外部磁界を発生させて磁化した後、上記コイルへの電力供給を停止すると、コアの硬磁性体にのみ残留磁化が残る。この残留磁化により、コアから磁歪アクチュエータに磁界を印加し続けることができ、磁歪素片は撓んだ状態が維持される。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、基体上に磁歪膜を形成した素片を用いた磁歪アクチュエータ及びその磁歪アクチュエータを利用した光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁歪材料を用いたアクチュエータの製品化に向けて、様々な開発が行われている。例えば、可撓性を有する矩形の基体上に磁歪材料からなる膜を形成して磁歪素片を作製する。この磁歪素片の長手方向に磁界を印加することによって、磁歪素片を撓ませて変位を生じさせることにより磁歪アクチュエータとして利用することが知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。これらの磁歪アクチュエータは、外部から印加した磁界によって伸縮する磁歪膜と、印加磁界によっても伸縮しない基体との間にずれ応力が発生し、これにより磁歪素片が、素片の表面に垂直な上下方向のいずれかに向かって撓む。このとき、磁歪素片の撓む変位量は、磁界を印加したときの磁歪膜自体の伸縮量に比べて大きい。したがって、磁歪膜の伸縮量を直接アクチュエータの動作源として用いた磁歪アクチュエータより、磁歪膜と基板との間に生じる応力に基づく磁歪素片の撓みを利用した磁歪アクチュエータの方が、変位量の幅を大きくすることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−224485号公報(第(3)頁)
【非特許文献1】
S.H.リムらによる著(S. H. Llim et al.),ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(Journal of Applied Physics),第87巻(Vol.87),第9号(No.9),5801(2000年)(第1頁、左欄、第23−28行)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの磁歪アクチュエータでは、大きな撓み量を得るために、数十〜数百[Oe]程度の大きい磁界を印加する必要があった。大きな磁界を印加するためには、磁界印加に必要な消費電力も増大し、また、磁界印加手段を大型化する必要があった。
【0005】
また、磁歪素片に磁気ヒステリシスを生じない磁歪膜を用いた場合、磁歪素片の撓んだ状態を維持するために、磁歪素片が撓んでいる間、継続的に磁界を印加する必要があった。そのため、磁界印加に必要な消費電力をさらに増大させる原因となっていた。これに対し、磁歪素片に磁気ヒステリシスを生じる磁歪膜を用いた場合、磁歪素片に磁界を一旦印加して磁歪素片を撓ませると、磁界印加を停止した後も磁歪素片の撓んだ状態が維持される。しかしながら、この状態で逆方向に磁界を印加することにより逆方向に磁化しても磁歪膜の磁歪状態は変化せず、磁歪素片は撓んだ状態のままとなる。よって、このような磁気ヒステリシスを生じる磁歪膜を用いて磁歪素片を形成した場合、印加する磁界を変化させても磁歪素片の撓み変化による状態切り替えを行うことはできない。
【0006】
そこで、本発明の第1の目的は、弱い印加磁界でも十分な磁歪素片の撓み量を得ることができるとともに、動作時のみ磁界を印加すれば足りる、消費電力の少ない小型の磁歪アクチュエータを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、この磁歪アクチュエータを利用して、光路を切り替えることができる光スイッチを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、基体と、該基体上に形成された磁歪膜とで構成される素片と;
硬磁性体を一部に含むコア及び、該コアに周回して設けられたコイルを有する磁界印加装置と;を備えることを特徴とする磁歪アクチュエータが提供される。
【0008】
本発明の磁歪アクチュエータは、磁界印加装置を構成するコアの一部に硬磁性体を含んでいる。コアに周回したコイルに電力を供給し、外部磁界を発生させてコアを磁化した後、上記コイルへの電力供給を停止すると、コアの硬磁性体にのみ残留磁化が残る。この残留磁化により、コアから磁歪アクチュエータに磁界を印加し続けることができ、これにより磁歪素片は撓んだ状態が維持される。この状態で、コイルに一時的に逆向きの電力を供給し、コアに上記と逆向きの外部磁界を発生させる。これにより、コアの硬磁性体に生じていた残留磁化が消失する。それに伴い、コアに生じていた磁化も0となり、撓んでいた磁歪素片は、元の撓まない状態に戻る。このように、コアの一部に硬磁性体を含む磁界印加装置を用いることにより、磁歪アクチュエータの作動に必要な消費電力を低減することができる。
【0009】
本発明の磁歪アクチュエータでは、上記磁歪膜が磁気ヒステリシスを持たないことが望ましい。また、上記コアがギャップを有し、該ギャップ内に上記素片が配置され、上記磁界印加装置によって上記素片の磁歪膜が伸縮する方向と垂直な方向に磁界を印加することによって素片を撓ませることが望ましい。さらに、上記コアが貫通孔を有する直方体状であり、上記ギャップが上記貫通孔から上記コアの一側面に連通するように形成されており、上記ギャップの対向する部分が上記硬磁性体で形成されていることが望ましい。
【0010】
本発明の磁歪アクチュエータでは、上記硬磁性体が保磁力の異なる硬磁性体で構成されていることが望ましい。また、上記磁歪膜が伸縮する方向に磁化容易軸が存在していることが望ましい。磁歪膜が伸縮する方向に磁化容易軸を配置することにより、低い磁界を印加した場合でも、素片上の磁歪膜を容易に伸縮させることができる。これにより、磁歪素片の所定の撓み量を効率良く得ることができる。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、光伝送経路を切り替えるための光スイッチにおいて、
光入射部と;
光出射部と;
ギャップを有し、硬磁性体を一部に含むコアと、該コアに周回して設けられたコイルとを有する磁界印加装置と;
基体及び該基体上に形成された磁歪膜を有する素片であって、上記ギャップに配置された素片と;
上記基体又は磁歪膜上に設けられ、光入射部からの光を光出射部またはそれ以外の部分に向けて反射させるミラーと;を備え、
上記素片に上記ギャップを通る磁界を印加して上記素片の撓み量を変化させることによって、上記ミラーを変位させて光入射部からの光をいずれかの光出射部に切り替えることを特徴とする光スイッチが提供される。
【0012】
本発明の光スイッチでは、磁歪素片上に設けられたミラーを用いて、光入射部から照射された光の経路を変更することにより、光のスイッチングを行う。磁歪素片に磁界を印加しないときには磁歪素片は撓まず、磁界印加装置によって磁界を印加したときに撓む。一度磁歪素片を撓ませる方向に磁界が印加されると、その後磁界の印加を停止した場合にもコアを構成する硬磁性体の磁化状態が維持され、コア及びギャップに磁界が生じたままとなる。これにより、磁歪素片が撓んだ状態に保たれる。コアに対し、一時的に磁界印加装置で逆向きに磁界を印加することにより硬磁性体の磁化状態は相殺され、コアに磁界は生じなくなる。これにより、磁歪素片は元の撓まない状態に戻る。
【0013】
したがって、磁歪素片上に設けられたミラーは、印加する磁界によりその位置が変動する。ミラーの位置変化に応じたミラーからの反射光路またはミラーの有無による光路の変化を利用して、光入射部から入射した光の光路を光出射部からそれ以外の部位、例えば、別の光出射部に切り替えることができる。例えば、磁界を印加せずに磁歪素片を撓ませない状態では、光入射部から照射された光はその光路をミラーにより遮られることなく、光出射部に導かれる。一方、磁界を印加し磁歪素片を撓ませた状態では、光入射部から照射された光はその光路をミラーで遮られ、ミラー表面で反射した光が上記の光出射部とは異なる部位、例えば、別の光出射部に導かれる。このように光の経路を切り替えることにより、光のスイッチングを行うことができる。あるいは、ミラーの位置変化により反射光の向き(反射角)を変更して光出射部を切り替えてもよい。
【0014】
本発明の光スイッチでは、上記磁歪膜が磁気ヒステリシスを持たないことが望ましい。また、上記コアが貫通孔を有する直方体状であり、上記ギャップが上記貫通孔から上記コアの一側面に連通するように形成されており、上記ギャップの対向する部分が上記硬磁性体で形成されていることが望ましい。さらに、上記硬磁性体が保磁力の異なる磁性体で構成されていることが望ましい。
【0015】
本発明の光スイッチでは、上記光入射部及び上記光出射部が磁界印加装置上に設けられていることが望ましい。また、上記光入射部と上記いずれかの上記光出射部との間に光偏向用光学素子、例えば、レンズを有していることが望ましい。レンズのような光学素子を用いることにより、光入射部から出射された光の光路を変更することができ、光入射部及び光出射部の自由度が向上する。
【0016】
本発明の光スイッチでは、上記光入射部が、第1光入射部及び第2光入射部を有し、上記光出射部が、第1出射部及び第2光出射部を有し、上記ミラーが変位することによって、第1光入射部から照射した光の進路が第1光出射部から第2光出射部へ切り替えられるとともに、第2光入射部から照射した光の進路が第2光出射部から第1光出射部へ切り替えられることが望ましい。また、第1光入射部と第2光入射部、及び、第1出射部と第2光出射部が、それぞれ上記ギャップを挟んで互いに対向するように配置されていることが望ましい。
【0017】
また、本発明では、上記ミラーが、上記素片の表面に垂直に設けられた平板状ミラーであることが望ましい。このとき、上記平板状ミラーの両面が鏡面であればよい。また、上記ミラーが、透明体と、該透明体内部に埋設されたミラー面とで構成されていることが望ましい。さらに、上記ミラーが2枚の透明基板で構成されており、一方の透明基板の一面上に部分的に金属膜が形成され、該金属膜が形成された面を介して上記2枚の透明基板が固着されていてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における実施の形態を、図を用いて説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0019】
【実施例1】
[磁歪素片の作製方法]
まず、本発明の磁歪アクチュエータに用いる磁歪素片の作製方法を、図1を用いて説明する。図1に示すように、磁歪素片100は、基板11、下地層13、磁歪材料層15及び保護層17で構成されている。基板11は、長さ10mm、幅0.8mm、厚み20μmの平板状の石英ガラス基板である。次に、基板11の一方の表面上に、下地層13、磁歪材料層15及び保護層17を、順次、スパッタリングを用いて形成した。このとき、下地層13としてSiOを厚さ20nmで、磁歪材料層15としてサマリウム(Sm)−エルビウム(Er)−鉄(Fe)の非晶質合金を厚さ4μmで、保護層13としてSiOを厚さ20nmで、それぞれ形成した。また、磁歪材料層15のサマリウム(Sm)−エルビウム(Er)−鉄(Fe)の非晶質合金の組成比は、Sm:Er:Fe=12:8:80とした。なお、磁歪材料層15を形成するときのスパッタリングは、500[Oe]の直流磁界中にて行った。直流磁界は基板の長手方向に印加した。これにより、磁歪材料層15は、磁化容易軸が長手方向に向くように形成される。また、磁歪材料層15が形成された磁歪素片を800[Oe]の直流磁界中で真空熱処理し、磁歪材料層15を、磁界を印加する方向にヒステリシスが生じない状態とした。なお、本実施例では、基板11として石英ガラス基板を用いたが、弾性を有する金属箔片、例えば、リン青銅等の箔片を用いてもよい。また、本実施例では、Feの組成比を80原子%としたが、これに限定されない。
【0020】
[磁歪アクチュエータの製造方法]
次に、こうして得られた磁歪素片100を用いて製造した磁歪アクチュエータについて、図2及び3を用いて説明する。図3(a)に示すように、磁歪アクチュエータ300は、主に、磁気コア200、コイル26、磁歪素片100及び電源28で構成される。磁気コア200は、図2(a)及び(b)に示すように、幅(図中、Y方向の長さ)d=15mm、長さ(図中、X方向の長さ)d=8mm及び高さ(図中、Z方向長さ)d=10mmの四角柱状であり、磁気コア200の内部にはX方向に貫通する貫通孔21が形成されている。貫通孔21により、磁気コア200は、図2(b)に示すように、Z方向に上面部200aと底面部200bに分けられる。さらに、磁気コア200の上面部200aには、Y方向の中央部に、X方向に延在するギャップ22が形成され、ギャップ22は上面部200aを右上面部200arと左上面部200alに分割している。ギャップ22は貫通孔21と連通している。貫通孔21の幅及びギャップ22の幅(ギャップ幅)は、それぞれ、10mm及び1.2mmである。また、磁気コア200は、軟磁性体部20及び硬磁性体部25で構成されている。硬磁性体部25は、磁気コア200の底面部200bのY方向中央に、軟磁性体部20を分割するように、即ち、硬磁性体部25がギャップ22に対向する位置に配置される。硬磁性体部25の幅は5mmとした。軟磁性体部20及び硬磁性体部25は、それぞれ保磁力の異なるフェライトで構成されている。軟磁性体部20は0.09[Oe]の保磁力を有し、硬磁性体部25は100[Oe]の保磁力を有する。磁気コア200は、以下のようにして製造した。軟磁性体部20及び硬磁性体部25を、フェライトを用いてそれぞれ所望の形状となるように加圧成形した。次いで、成形した軟磁性体部20と硬磁性体部25とを接着剤で固着した。
【0021】
図3(a)に示すように、磁気コア200の底面部(200b)には、コイル26がX方向及びZ方向に100回程度周回して設けられている。電源28はコイル26の両端に接続され、コイル26に電力を供給する。磁歪素片100は、ギャップ22内で、X方向に延在し且つ磁歪素片100の表面が磁気コア200の上面部(200a)の表面と並行になるように配置されている。ここで、図3(c)に示すように、磁歪素片100の一端100aを固定端として、ギャップ22の端部に挟持された支持片24に接着剤などで固着し、磁歪素片100の他端100bを支持せずに自由端とした。なお、磁歪素片100は、磁歪素片100の保護層(17)がコイル26側を向くように、ギャップ22内に配置される。
【0022】
[磁歪アクチュエータの駆動方法]
次に、磁歪アクチュエータ300の駆動方法について、図3(a)〜(c)を用いて説明する。図3(a)に示すように、電源28によってコイル26に電力を供給することにより、磁気コア200に磁界を発生させる。このとき、磁気コア200のギャップ22に、磁歪素片100の幅方向(Y方向)に磁界が発生する。これにより、ギャップ22内に配置された磁歪素片100のサマリウム(Sm)−エルビウム(Er)−鉄(Fe)の非晶質合金からなる磁歪材料層が、磁化容易軸方向である素片の長手方向(X方向)に伸長する。磁歪材料層が伸長することにより、磁歪素片100の磁歪材料層と基板との間でずれ応力が生じ、磁歪素片100は支持片24で固定された固定端を支点として、図3(c)に破線で示すように、コイル26側とは反対側、即ち、上方に向かって撓む(矢印AR1)。これにより、アクチュエータとして必要な変位量を得る。
【0023】
次に、本実施例における磁歪アクチュエータの状態切り替えの具体的な方法を説明する。図3(a)に示すように、磁歪アクチュエータ300では、まず、コイル26に10msの間100mAの電流を流して、磁界H=100[Oe]を発生させた。このとき、印加磁界Hの増大に伴い、硬磁性体部のフェライトの磁化は図3(b)に示したヒステリシスカーブの初期磁化曲線(図3(b)中の参照記号a)に沿って増大し、飽和磁化に達する。磁界Hの印加により、磁歪素片100の自由端側端部100bが、支点側端部100aを回転基準として、約9度の角度で変位した。次いで、コイル26への電力供給を停止した。コイル26への電力供給を停止することにより、軟磁性体部20の磁界は消失する。一方、硬磁性体部25の磁化は、図3(b)中の参照記号bに示すヒステリシスカーブにしたがって変化するが、外部磁界Hを消失しても飽和磁化が残留磁化Msとして残る。硬磁性体部25が残留磁化Msを維持していることにより、磁気コア200のギャップ22には引き続き磁界が生じていることになる。これにより、磁歪素片100は撓んだ状態が維持される。
【0024】
一方、撓んだ状態の磁歪素片100を撓まない元の状態に戻すには、コイル26に10msの間、上記方向とは逆向きに40mAの電流を流す。これにより、に、磁気コア200にはH=−40[Oe]の磁界が発生する。このとき、硬磁性体部25の磁化状態は、図3(b)中の参照記号c及びdに示すようなヒステリシスカーブにしたがって変化してほぼ0となる。この結果、磁気コア200のギャップ22に生じていた磁界は消失する。これにより、磁気ヒステリシスを持たない磁歪材料層は元の長さに戻り、基板とのずれ応力は解消される。よって、磁歪素片100は、撓まない元の状態となる。
【0025】
【実施例2】
本実施例においては、磁気コアの硬磁性体部を保磁力が異なる有する2種類の硬磁性体材料(フェライト)で形成した以外は、実施例1と同様に構成した。図4(a)に示すように、硬磁性体部は、第1硬磁性体部45及び第2硬磁性体部47で構成されており、第1硬磁性体部45が第2硬磁性体部47上に重なるように、即ち、磁気コア400のギャップ42側に第1硬磁性体部45が配置されている。第1硬磁性体部45及び第2硬磁性体部47の厚さ(高さ)はそれぞれ2.5mmとした。第1硬磁性体部45の保磁力は80[Oe]を有し、第2硬磁性体部47の保磁力は2500[Oe]を有する。なお、磁気コア400は、以下のように製造した。第1硬磁性体部45及び第2硬磁性体部47を、予め所望形状にそれぞれ加圧成形した。次いで、第1硬磁性体部45と第2硬磁性体部47とを接着剤で固着し、固着した第1硬磁性体部45及び第2硬磁性体部47を軟磁性体部40に接着剤で固着した。
【0026】
磁気コア400を用いて、図3に示した磁歪アクチュエータと同様に構成した磁歪アクチュエータ(不図示)の磁歪特性を、図4(b)〜(d)を用いて説明する。コイルに100mAの電流を流して外部磁界H’=100[Oe]を発生させる。外部磁界H’は、第1硬磁性体部45の保磁力を上回っているので、第1硬磁性体部45は外部磁界H’に揃う方向に磁化する。なお、第2硬磁性体部47は、予め外部磁界H’の方向に磁化しているものとする。ここで、外部磁界H’を消失させても、第1及び第2硬磁性体部45,47は、磁気ヒステリシスを有するので、残留磁化AR45a,AR47が残る(図4(b)に示した第1硬磁性体部のヒステリシスカーブにおける残留磁界Ms’参照)。これらの残留磁化の合成磁化AR4aは、磁歪素片に磁界を印加した状態を保つ。
【0027】
一方、上記と逆向きに100mAの電流を流し、磁界H’=−100[Oe](即ち、H’=−H’)を印加すると、磁界H’は第1硬磁性体部45の保磁力よりも大きいため、第1硬磁性体部45の磁化は図4(d)に示すように反転する。これに対し、第2硬磁性体部47の保磁力は外部磁界H’よりも大きいため、第2硬磁性体部47の磁化の向きは図4(d)に示すように変化しない。ここで、外部磁界H’を消失させると、第1及び第2硬磁性体部45,47にそれぞれ残留磁化AR45b,47が残る。第1及び第2硬磁性体部においては、残留磁化AR45b,AR47の大きさが予めほぼ等しくなるように調整されているとすれば、それらは互いに逆向きであるので、硬磁性体全体の磁化はほぼ0となる。これにより、硬磁性体により磁気コア400に生じる磁界は消失する。本実施例では、外部磁界の極性±H’を切り替えるだけで、磁歪アクチュエータの状態切り替えが可能になる。
【0028】
本実施例では、第1硬磁性体部と第2硬磁性体部とを、接着剤を用いて固着したが、第2硬磁性体部上に第1硬磁性体部を、接着剤を用いずに密着させ、その側面に軟磁性体40を接着剤で固着してもよい。また、本実施例では、保磁力が異なる2種類の硬磁性材料を同じ厚さで成形したが、保磁力が高い硬磁性体部の厚さが保磁力の低い硬磁性体部の厚さに比べて小さくなくなるように、第1及び第2硬磁性体部を成形してもよい。これにより、硬磁性体部の磁化を相殺するための印加磁界を小さくすることができる。
【0029】
【実施例3】
次に、実施例1で製造した磁歪アクチュエータを光スイッチに適用した例について、図5を用いて説明する。図5に示すように、光スイッチ500は、磁歪アクチュエータ300、ミラー50、送光ファイバ51,52、受光ファイバ53,54及びレンズ55、56から構成されている。ミラー50は、長さ0.1mm、幅0.1mm、厚み2μmの平板状のアルミニウム製ミラーであり、異方性エッチング法を用いて作製した。また、ミラーの両面が鏡面である。ミラー50は、磁歪素片100の自由端の近傍であって磁歪素片の幅方向中央部に樹脂接着剤を用いて固定されている。このとき、ミラー表面がX方向、即ち、磁歪素片100の長手方向に延在し且つ磁歪素片100の表面に垂直となるように、高精度に載置可能なマウンタ(不図示)を用いて磁歪素片100上に設置した。
【0030】
送光ファイバ51と受光ファイバ53は、右上面部200arのX方向における磁歪素子の自由端側に設けられており、送光ファイバ52と受光ファイバ54は、左上面部200alのX方向における磁歪素子の自由端側に設けられている。送光ファイバ51、52は外部から磁歪アクチュエータに光を入射する光入射部として機能し、受光ファイバ53、54は磁歪アクチュエータから光を外部に出射する光出射部として機能する。送光ファイバ51と送光ファイバ52はX方向及びZ方向において同位置に設けられ、受光ファイバ53と受光ファイバ54もまたX方向及びZ方向において同位置に設けられている。すなわち、送光ファイバ51と送光ファイバ52とがギャップを挟んで互いに対向し、受光ファイバ53及び受光ファイバ54とがギャップを挟んで互いに対向するように配置されている。
【0031】
磁気コア200の右上面部200arと左上面部200alには、送光ファイバ51及び52から出射された光の光路上であって、ギャップの中心から等距離隔てた位置に且つ互いにそれらの光軸が同軸状になるように屈折レンズ55及び56が設けられている。送光ファイバ51,52、受光ファイバ53,54及び屈折レンズ55,56の光学的配置は、送光ファイバ51から出た光が屈折レンズ55及び56で順次屈折して受光ファイバ54に入射するように、同時に、送光ファイバ52から出た光が屈折レンズ56及び55で順次屈折して受光ファイバ53に入射するように調製されている。このようにそれらの光学素子を配置すると、屈折レンズ55を屈折して出た光と屈折レンズ56を屈折して出た光とが、ギャップのY方向における中心位置で交差することになる。なお、送光ファイバ51,52、受光ファイバ53,54及びレンズ55,56は、いずれも接着剤によって上面部200a上に固定されている。
【0032】
図5(a)に示すように、磁歪アクチュエータ300のコイル26に電力を供給していない状態では、磁歪素片100は撓まない。この状態において、送光ファイバ51から出射してレンズ55で屈折された光は、ミラー50の上方を通過してレンズ56に入射し、そこで屈折されて受光ファイバ54に導かれる。また、送光ファイバ52から出射してレンズ56で屈折された光は、ミラー50の上方を通過してレンズ55に入射し、そこで屈折されて受光ファイバ53に導かれる。この場合、磁歪素片100上に固定されたミラー50は、送光ファイバ51及び52から出射した光の光路の下方に位置するので光を遮ることがない。
【0033】
一方、図5(b)に示すように、磁歪アクチュエータ300の電源28をONにし、コイル26に電力を供給した状態では、コイル26で発生した磁界により、磁気コア200のギャップ22を横断する磁界が発生する。磁気コア200の硬磁性体部25では、電源28をOFFにしコイル26への電力供給を停止した後においても、硬磁性体部25の保磁力により磁気コア200は磁化した状態が維持される。これにより、電源28をOFFした後もギャップ22を横断する磁界が生じている状態となる。この横断磁界により、磁歪素片100が、基板側、即ち、上方に撓む(矢印AR5)。これにより、磁歪素片100上に接着固定されたミラー50が、送光ファイバ51及び52からそれぞれレンズ55及び56で屈折された光の光路を遮断する。このとき、送光ファイバ51から送光されてレンズ55で屈折された光は、ミラー50の一方の面で反射され、その反射光が受光ファイバ53に入射する。同様に、送光ファイバ52から送光されてレンズ56で屈折された光は、ミラー50の反対側の面で反射し、その反射光が受光ファイバ54に入射する。従って、送光ファイバ51から出射した光を、受光ファイバ54から受光ファイバ53に切り換えることができると同時に、送光ファイバ52から出射した光を受光ファイバ53から受光ファイバ54に切り換えることができる。
【0034】
さらに、上記と逆方向となるようにコイル26に40mAの電流を一時的に流し、磁気コア200を逆向きに磁化するとともに、硬磁性体部25の磁化を消失させる。これにより、ギャップ22に生じていた磁界は0となり、磁歪素片100は元の撓まない状態に戻る。このように、磁歪素片100の撓み量の変化を利用して光の経路を切り替えることにより、磁歪アクチュエータを用いた光スイッチ500を実現することができる。
【0035】
【変形例】
実施例3の光スイッチに用いたミラー部品の変形例を図6及び7を用いて説明する。図6(a)及び(b)に示すように、縦(X方向長さ)0.1mm、横(Y方向長さ)0.01mm、高さ(Z方向長さ)0.1mmの屈折率の等しい2枚のガラス板61及び62を用意する。次いで、一方のガラス板61の一側面61aの下半面に蒸着法によりAlを蒸着する。次いで、もう一方のガラス板(ガラス部)62をガラス板(ガラス部)61の一側面61aを接着面として、接着剤を用いて固着する。この際、光透過部に接着剤を付けないようにする。これにより、ミラー面63及び光透過面64を有するミラー部品600を得ることができる。実施例3における光スイッチのミラー50に代えて、ミラー部品600を磁歪素片上に固着することにより、光のスイッチングが可能となる。なお、ミラー部品600は、ミラー面63が磁歪素片の長手方向に延在し且つ磁歪膜の表面に垂直となるように磁歪素片上に設置される。また、ミラー部品600は、ミラー部品600を挟んで互いに対向する位置に設けられら屈折レンズを介してミラー部品600に入射した光が、ミラー部品600のガラス接着面、即ち、ミラー面63または光透過面64で交差するように設置される。さらに、ミラー部品600は、磁歪素片が撓まない状態で、光がミラー部品600の光透過面64を通過するように設置される。以下に、図7を用いて、ミラー部品600を用いた光路の切り替えについて説明する。
【0036】
図7(a)は、磁歪素片の撓み変位が0の場合、即ち、光がミラー部品600の光透過面64を透過する場合の光路を示した図である。送光ファイバ51’から出射して屈折レンズ55’で屈折した光は、ミラー部品600のガラス部62に入射するとともに屈折する(光LS1a)。ミラー部品600の光透過面64を通過してミラー部品600のガラス部61から出射するとともに屈折し、屈折レンズ56’に入射する(光LS1b)。光は、屈折レンズ56’においてさらに屈折し、受光ファイバ54’に導かれる。また、送光ファイバ52’から出射して屈折レンズ56’で屈折した光は、ミラー部品600のガラス部61に入射するとともに屈折する(光LS2a)。ミラー部品600の光透過面64を通過してミラー部品600のガラス部62から出射するとともに屈折し、屈折レンズ55’に入射する(光LS2b)。光は、屈折レンズ55’でさらに屈折し、受光ファイバ53’に導かれる。このとき、磁歪素片上に固定されたミラー600のミラー面63は、送光ファイバ51’及び52’から出射した光の光路の下方に位置するので光を遮ることがない。
【0037】
一方、図7(b)は、磁歪素片が撓んだ状態にある場合、即ち、光がミラー部品600のミラー面63で反射される場合の光路を示した図である。磁歪素片が撓むことにより磁歪素片上に固着されたミラー部品600のミラー面63が光路の高さに配置される。ミラー600のミラー面63は、送光ファイバ51’及び52’から受光ファイバ54’及び53’へ向かう光の光路を遮断する(光LS1a及びLS2a)。このとき、送光ファイバ51’から送光されて屈折レンズ55’で屈折された光LS1aは、ミラー部品600のミラー面63aで反射され、その反射光がガラス部62及び屈折レンズ55’を介して受光ファイバ53’に入射する(光LS1b’)。同様に、送光ファイバ52’から送光されて屈折レンズ56’で屈折された光LS2aは、ミラー部品600のミラー面63bで反射され、その反射光がガラス部61及び屈折レンズ56’を介して受光ファイバ54’に入射する(光LS2b’)。
【0038】
このように、磁歪素片の撓み変位を利用することにより、送光ファイバ51から出射した光を受光ファイバ54から受光ファイバ53に切り換えることができると同時に、送光ファイバ52から出射した光を受光ファイバ53から受光ファイバ54に切り換えることができる。また、本変形例では、対称に対置された送光ファイバ対と受光ファイバ対の光の切り替えを可能にする、厚みの十分薄いミラーを容易に作製することができる。
【0039】
上記実施例では、磁歪材料層15を負の磁歪定数を有するサマリウム−エルビウム−鉄の非晶質合金を用いて形成したが、サマリウム−鉄合金(SmFe,SmFe)、エルビウム−鉄合金(ErFe)、ツリウム−鉄合金(TmFe)、サマリウム−鉄−コバルト合金、サマリウム−ツリウム(Tm)−鉄の非晶質合金等を用いて形成してもよい。また、正の磁歪定数を有するテルビウム−鉄合金(TbFe(非晶質合金を含む),TbFe)、ホロミウム−鉄合金(HoFe,HoFe)、テルビウム−ニッケル合金、テルビウム−コバルト合金、テルビウム−鉄系合金(例えば、TbCo0.4Fe1.6,TbNi0.4Fe1.6,Tb(CoFe),Tb(NiFe))、ジスプロシウム−鉄合金(DyFe(非晶質合金を含む),DyFe)、ガドリニウム−鉄合金、テルビウム−ジスプロシウム−鉄合金等を用いて磁歪材料層を形成することもできる。磁歪材料層に正の磁歪定数を有する磁歪材料を用いる場合、磁歪素片の撓み方向を一定とするために、磁歪材料層が磁気コアの外側に配置されるように基板上に形成される。
【0040】
上記実施例では、磁気コアに用いる軟磁性体部及び硬磁性体部を、保磁力の異なるフェライトを用いて作製したが、鉄圧粉型軟磁性体、サマリウム−コバルト系硬磁性体等を用いて作製してもよい。
【0041】
上記実施例及び変形例では、光路偏向用の光学素子としてレンズを用いたが、ミラー等を用いてもよい。また、上記変形例では、ミラー部品を、ガラス板を用いて作製したが、光スイッチで用いる光に対して透過性を有するガラス板以外の透明基体、例えば、アクリル、エポキシ等を用いて作製してもよい。また、透明基体の内部にミラー面を埋設するように、透明基体を一体成形により作製してもよい。
【0042】
【発明の効果】
本発明の磁歪アクチュエータにおいては、磁歪素片の幅方向に磁界を印加することにより、磁気コアのギャップ部分に生じる磁界を効率良く利用することができる。これにより、磁歪アクチュエータを駆動するための消費電力を低く抑えられるとともに、磁歪アクチュエータを小型化することができる。また、磁気コアの一部に硬磁性体を用いることにより、電力供給を停止した場合でも、磁気コアのギャップ部に磁界を印加した状態に維持することができるので、さらに消費電力を抑制することが可能となる。また、この磁歪アクチュエータを光スイッチに適用することで、消費電力の少ない小型の光スイッチを提供することができる。また、上記磁歪アクチュエータを、光スイッチ以外の素子、例えば、光スキャナー等の素子に応用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で作製した磁歪素片の概略断面図である。
【図2】(a)は、本発明の実施例1における磁歪アクチュエータに用いた磁気コアの概略的斜視図であり、(b)は、図2(a)の磁気コアの概略断面図である。
【図3】(a)は、本発明の実施例1における磁歪アクチュエータの概略的斜視図であり、(b)は、図3(a)の硬磁性体部に用いたフェライトのヒステリシスカーブを示した図であり、(c)は、図3(a)の磁歪アクチュエータの概略断面図である。
【図4】(a)は、本発明の実施例2における磁歪アクチュエータに用いた磁気コアの概略的斜視図であり、(b)は、図4(a)の第1硬磁性体部に用いるフェライトのヒステリシスカーブを示した図であり、(c)及び(d)は、第1及び第2硬磁性体部の磁化の方向を概略的に示した図である。
【図5】本発明の実施例3における光スイッチの概略的斜視図であり、(a)は磁界を印加していないときの光スイッチの様子を、(b)は電源をONにして磁界を印加したときの光スイッチの様子を、それぞれ示している。
【図6】本発明の変形例におけるミラー部品を概略的に示した図である。
【図7】図6のミラー部品を用いた場合の光路切り替えの様子を概略的に示した図である。
【符号の説明】
11 基板
13 下地層
15 磁歪材料層
17 保護層
20,40 軟磁性体部
22,42 ギャップ
25 硬磁性体部
26 コイル
45 第1硬磁性体部
47 第2硬磁性体部
50 ミラー
51,52 送光ファイバ
53,54 受光ファイバ
55,56 屈折レンズ
100 磁歪素片
200,400 磁気コア
300 磁歪アクチュエータ
500 光スイッチ
600 ミラー部品

Claims (18)

  1. 基体と、該基体上に形成された磁歪膜とで構成される素片と;
    硬磁性体を一部に含むコア及び、該コアに周回して設けられたコイルを有する磁界印加装置と;を備えることを特徴とする磁歪アクチュエータ。
  2. 上記磁歪膜が磁気ヒステリシスを持たないことを特徴とする請求項1に記載の磁歪アクチュエータ。
  3. 上記コアがギャップを有し、該ギャップ内に上記素片が配置され、上記磁界印加装置によって上記素片の磁歪膜が伸縮する方向と垂直な方向に磁界を印加することによって素片を撓ませることを特徴とする請求項1または2に記載の磁歪アクチュエータ。
  4. 上記コアが貫通孔を有する直方体状であり、上記ギャップが上記貫通孔から上記コアの一側面に連通するように形成されており、上記ギャップの対向する部分が上記硬磁性体で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の磁歪アクチュエータ。
  5. 上記硬磁性体が保磁力の異なる硬磁性体で構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の磁歪アクチュエータ。
  6. 上記磁歪膜が伸縮する方向に磁化容易軸が存在していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁歪アクチュエータ。
  7. 光伝送経路を切り替えるための光スイッチにおいて、
    光入射部と;
    光出射部と;
    ギャップを有し、硬磁性体を一部に含むコアと、該コアに周回して設けられたコイルとを有する磁界印加装置と;
    基体及び該基体上に形成された磁歪膜を有する素片であって、上記ギャップに配置された素片と;
    上記基体又は磁歪膜上に設けられ、光入射部からの光を光出射部またはそれ以外の部分に向けて反射させるミラーと;を備え、
    上記素片に上記ギャップを通る磁界を印加して上記素片の撓み量を変化させることによって、上記ミラーを変位させて光入射部からの光をいずれかの光出射部に切り替えることを特徴とする光スイッチ。
  8. 上記磁歪膜が磁気ヒステリシスを持たないことを特徴とする請求項7に記載の光スイッチ。
  9. 上記コアが貫通孔を有する直方体状であり、上記ギャップが上記貫通孔から上記コアの一側面に連通するように形成されており、上記ギャップの対向する部分が上記硬磁性体で形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の光スイッチ。
  10. 上記硬磁性体が保磁力の異なる磁性体で構成されていることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  11. 上記光入射部及び上記光出射部が磁界印加装置上に設けられていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  12. 上記光入射部と上記いずれかの上記光出射部との間に光偏向用光学素子を有していることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  13. 上記光入射部が、第1光入射部及び第2光入射部を有し、上記光出射部が、第1出射部及び第2光出射部を有し、上記ミラーが変位することによって、第1光入射部から照射した光の進路が第1光出射部から第2光出射部へ切り替えられるとともに、第2光入射部から照射した光の進路が第2光出射部から第1光出射部へ切り替えられることを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  14. 第1光入射部と第2光入射部、及び、第1出射部と第2光出射部が、それぞれ上記ギャップを挟んで互いに対向するように配置されていることを特徴とする請求項13に記載の光スイッチ。
  15. 上記ミラーが、上記素片の表面に垂直に設けられた平板状ミラーであることを特徴とする請求項7〜14のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  16. 上記平板状ミラーの両面が鏡面であることを特徴とする請求項15に記載の光スイッチ。
  17. 上記ミラーが、透明体と、該透明体内部に埋設されたミラー面とで構成されていることを特徴とする請求項7〜14のいずれか一項に記載の光スイッチ
  18. 上記ミラーが2枚の透明基板で構成されており、一方の透明基板の一面上に部分的に金属膜が形成され、該金属膜が形成された面を介して上記2枚の透明基板が固着されていることを特徴とする請求項7〜14のいずれか一項に記載の光スイッチ。
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