JP4094407B2 - 光スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光通信等に用いられ、光ファイバ伝送路などの光路の切り換えや遮断を行う光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光通信分野などで用いられる光ファイバ伝送路の光路の切り換えや遮断を行う光スイッチとしては、光ファイバやプリズムを直接駆動して光路を切り換える構造のメカニカル式光スイッチが多く用いられてきた。 光ファイバを直接駆動して光路の切り替えや遮断を行う構造のメカニカル光スイッチは、比較的構造が簡単であり、低挿入損失、小型化、低消費電力が得られるという特徴を有しているため、これまでに多くの構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図4にその構造を示す。
【0003】
この構造は1×2光スイッチ型のもので、基部を第1の円筒管7に片持ち梁状に固定されていて、その先端近傍表面に所望の磁気特性を有する磁性体5を固着した1本の可動裸光ファイバ1と、流れる電流の向きを変えることにより、磁性体5両端の磁極を反転させる中空ソレノイドコイル6と、磁性体5に対して光軸と垂直方向に磁気吸引力を付与する1対の永久磁石8a、8bと、半割円柱3a、3bの平坦部に形成されたV状溝4上に固定された2本の静止裸光ファイバ2a、2bと、第1の円筒管7及び半割円柱3a、3bを整列保持し、かつ、中空ソレノイドコイル6および永久磁石8a、8bを固定する長尺円筒スリーブ9から構成されている。
【0004】
本構造の動作は以下に示すとおりである。磁性体5の両端部の磁極に応じて可動裸光ファイバ1は一対の永久磁石8a、8bのいずれか一方に磁気的に吸引され、その先端は半割円柱3a、3bの平坦部に形成されたV状溝4上において2本の静止裸光ファイバ2a、2bのいずれか一方と光結合する。中空ソレノイドコイル6へ通電して磁性体5に光軸に沿った磁界を印加することにより磁性体5両端の磁極を反転させると、可動裸光ファイバ1は他方の永久磁石側に吸引されて他方の静止裸光ファイバに光結合する。電流を供給しない状態においても、磁性体5は永久磁石に磁気的に吸引されているため、一方の静止裸光ファイバ2a、2bとの結合状態を保つことができ、自己保持型のスイッチング動作を得ることができる。
【0005】
上記動作は1×2光スイッチング動作に関するものであるが、1方の光路に着目すると、その光路の開閉・遮断を行うことができるため、光シャッタとしても用いることができる。
【0006】
その他にも、光ファイバを直接駆動して光路を切り換える構造の光スイッチが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭63−313111(第3−4頁、第1図)
【0008】
【特許文献2】
特開2000−89142(第4−5頁、第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4で示す従来例においては、半割円柱3a、3bや長尺円筒スリーブ9などの主要な構成部品に、極めて高い加工精度、組立精度が要求される。そのため、部品費用が高く、組立性においても多くの時間を要し、コスト高となっていた。
【0010】
上述の例に限らず、従来のメカニカル型光スイッチは構造が比較的簡単であるが、加工精度の高い要素部品を必要とする。また、要素部品の加工精度を高くしても加工公差や組立誤差があるため、高性能な光学特性を得るためには、組立時の調整に時間がかかるという問題点があった。そのため、大量生産や低コスト化には適さないという問題点があった。
【0011】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、比較的単純な構成で、かつ要素部品も安価かつ高精度に作製することで、組立時の調整を容易とし、低コストで高性能な光スイッチを大量に提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる光スイッチは、片持ちはり状に可動する1本の可動裸光ファイバと、少なくとも1本の溝と、先端近傍が前記溝に沿って整列し、端面が所定の間隔で前記可動裸光ファイバの端面に対向して固定された少なくとも1本の固定裸光ファイバと、前記可動裸光ファイバの先端近傍を前記溝方向に押圧する押圧体と、前記可動裸光ファイバの先端を前記溝から離すリフト構造と、前記押圧体あるいは前記リフト構造の少なくとも一方の動作を制御する制御素子からなり、前記可動裸光ファイバは、前記溝に沿って整列あるいは非整列することで、光路の開閉や切り換えを行うことを特徴としている。
【0013】
従って、比較的単純な構成で、押圧体が可動裸光ファイバを溝方向に押圧することで、可動裸光ファイバと静止裸光ファイバが溝に沿って整列して光学的に結合するため、組立時の調整が容易で、高性能な光スイッチを得ることができる。
【0014】
さらに、本発明にかかる光スイッチでは、前記溝は、互いにその開口部が向かい合うとともに略平行に2本配置され、前記可動裸光ファイバは、その可動に伴って少なくとも一つの前記溝に沿って整列することを特徴としている。
【0015】
従って、比較的単純な構成で、1×2光スイッチング動作や、光路の開閉の逆転動作にも対応可能である。
【0016】
さらに、本発明にかかる光スイッチでは、前記可動裸光ファイバと前記固定裸光ファイバは、前記端面が各光ファイバの中心軸方向に垂直な面に対して斜めに形成されることを特徴としている。
【0017】
従って、反射減衰量を低減することが可能で、高性能な光学特性を得ることができる。
【0018】
さらに、本発明にかかる光スイッチでは、前記押圧体は、少なくとも一部が前記溝に略垂直な方向に変位する弾性構造を有することを特徴としている。
【0019】
従って、押圧体が溝方向に押圧する荷重は、押圧体の弾性構造によって調整可能であるため、組立時の調整が容易で、高性能な光スイッチを得ることができる。
【0020】
さらに、本発明にかかる光スイッチでは、前記リフト構造は、前記可動裸光ファイバの弾性力を利用するものであることを特徴としている。
【0021】
従って、リフト構造が単純となり、部品点数の低減や、組立時間の短縮が可能となる。
【0022】
さらに、本発明にかかる光スイッチでは、前記リフト構造は、前記制御素子との間で働く磁気力を利用するものであることを特徴としている。
【0023】
従って、可動裸光ファイバの駆動力を制御素子により容易に制御することができるため、組立時の調整が容易で、高性能な光スイッチを得ることができる。
【0024】
さらに、本発明にかかる光スイッチでは、前記押圧体と前記リフト構造が一体に形成されていることを特徴としている。
【0025】
従って、部品点数が減少し、押圧体とリフト構造の組立や調整が容易となる。
【0026】
さらに、本発明にかかる光スイッチでは、前記制御素子が電磁石であることを特徴としている。
【0027】
従って、制御素子の制御が非常に容易であり、組立時の調整が容易で高性能な光スイッチを得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に関して図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかわる光スイッチ主要部の構成を示す構成図である。図1(a)は上面図、図1(b)はAB断面での断面図である。簡単のため、構造が隠れる要素は図示を省略している。光スイッチ30は、支持基板13上面に設けられたV状溝14内に、可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12とが端面を近接した状態で対向させて固定されている。可動裸光ファイバ11は、片持ちはり状に動作するように樹脂などを用いて接着部22で支持基板13に固定され、先端から所定の距離離れた位置に所望の磁気特性を有する円筒状の磁性体15が設けられている。静止裸光ファイバ12は、接着部22で支持基板13に固定されている。
【0030】
磁性体15は、可動裸光ファイバ11を支持基板13に対して略垂直方向に駆動する駆動体として機能する。磁性体15よりも先端部において、可動裸光ファイバ11は所望のバネ定数と磁気特性を持つ板バネ16により所望の力でV状溝14に押圧されている。支持基板13には、可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12とを沿わせるV状溝14と、その状態で磁性体15が支持基板13と当たらないような幅と深さを持つザグリ17と、接着部22から樹脂などの接着剤が接着部22以外に回り込むことを防止するための逃げ溝18が設けられている。
【0031】
可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12は、それぞれ光ファイバ心線の保護樹脂層を先端から所定の長さ除去し、裸ファイバ部分を露出し、この裸ファイバ部分がV状溝14にそって整列する。さらに、それぞれの光ファイバ端面はコアの中心軸方向に垂直な面に対して斜めに形成され、それぞれの端面が平行になるように近接して対向される。
【0032】
図2に図1のCD断面での断面図を示す。図2(a)は、光路が形成されている状態、図2(b)は光路が遮断されている状態を示す。支持基板13上には上部基板19が設けられ、その上部にコイル20と鉄芯21を有する電磁石31が設けられている。上部基板19には、可動裸光ファイバ11の動作を妨げないように、所望の深さで段差23が形成されている。この段差23に板バネ16を固着し、板バネ16が可動裸光ファイバ11の先端近傍を支持基板13方向に押圧している。
【0033】
図2(a)は、コイル20に電流を流していない状態を示す。板バネ16によって可動裸光ファイバ11の先端近傍はV状溝14に押圧されるので、V状溝14に沿って可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12の端面どうしが近接して対向し、可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12は光学的に結合して光路が形成されている。
【0034】
一方、図2(b)は、コイル20に所定の電流を流した状態を示す。鉄心21端と磁性体15や板バネ16の間に磁気吸引力が働き、この磁気吸引力は可動裸光ファイバ11と板バネ16の弾性力より十分大きい。このとき、板バネ16の弾性構造が変形して先端は上方に引き上げられる。板バネ16が上方に引き上げられることで、可動裸光ファイバ11はV状溝に押圧されなくなる。さらに、上部基板19には段差23が設けられていて、磁気吸引力によって磁性体15が引き上げられることで片持ちばり状の可動裸光ファイバ11が電磁石31方向に撓んで、可動裸光ファイバ11先端はV状溝14から離れ、光路が遮断される。
【0035】
再びコイル20への電流をカットすると、鉄心21端と板バネ16や磁性体15との磁気吸引力がなくなるため、可動裸光ファイバ11と板バネ16の弾性力によって、可動裸光ファイバ11はV状溝14に整列する。そして、板バネ16によって再びV状溝14に押圧され、可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12は端面が近接して対向するため、光学的に再結合される。このように、コイル20への電流をオンオフすることで、光路の開閉を容易に行うことのできる光スイッチが構成される。
【0036】
板バネ16や磁性体15に作用する磁気吸引力は、コイル20に流す電流によって容易に制御することが出来る。そのため、可動裸光ファイバ11をV状溝14に押圧する力の大きさやV状溝14から引き上げる力の大きさを容易に制御することが出来るので、外部からの振動に対する光スイッチの光学的な影響を小さくするなどの制御が容易となる。
【0037】
電磁石31は、本実施の形態では鉄心21とコイル20を有しているが、外部からの電流によって、板バネ16と磁性体15に対して支持基板13の略垂直方向の磁気力を制御できるものであれば良いことは言うまでもない。例えば、空芯のソレノイドコイルでも良いし、永久磁石の周囲にコイルを巻いた電磁石などでも良い。また、電磁石31は、鉄心21をコの字状に形成して鉄心21の両端の間隔を小さくし、主に鉄心21の両端近傍に配置した磁性体15や板バネ16を磁気吸引している。そのため、磁気的には閉回路に近く周囲にもれる磁界は少ない。
【0038】
ここで、磁性体15や板バネ16は、例えばニッケルやパーマロイなどの軟磁性体で形成されている。磁性体15は、電磁石31からの磁気力を可動裸光ファイバ11に伝達できれば良いため、少なくとも一部分が磁性体で形成されていれば良い。例えば、可動裸光ファイバ11を通す筒状の保持体に軟磁性体からなる微小な板を接着したものでも良いし、可動裸光ファイバ11側面に軟磁性体を蒸着法やメッキ法によって成膜したものでも良い。
【0039】
板バネ16は、磁性体ではないステンレス鋼などにパーマロイなどの軟磁性体を貼り付けたものでも良いし、軟磁性体を蒸着法やメッキ法によって形成したものでも良い。また、板バネでなくとも、一部分に弾性構造を有し、その弾性力で可動裸光ファイバ11を支持基板13方向へ押圧するものであればよいことは言うまでもない。
【0040】
あるいは、磁性体15や板バネ16は、磁性体ではないステンレス鋼などに永久磁石を貼り付けたものであり、電磁石31を支持基板13の下方に配置し、磁気吸引力の代わりに磁気反発力を利用しても良い。また、永久磁石を貼り付ける代わりに、メッキ法などにより永久磁石を形成しても良いことは言うまでもない。
【0041】
また、可動裸光ファイバ11と接触する板バネ16の先端近傍に、板バネ16を塑性変形させるなどして曲率を持たせる、あるいは緩衝部材を貼り付けるなどした接触部を形成し、その接触部で可動裸光ファイバ11を押圧することにより、石英からなる光ファイバの損傷を防止することが可能である。さらに、板バネ16は上部基板19に固定する代わりに、支持基板13に固定しても良いことは言うまでもない。
【0042】
また、支持基板13はシリコンウェハーを用い、結晶異方性エッチングによってV状溝14やザグリ17などを精度良く作製することができる。段差23を有する上部基板19はシリコンウェハーやガラス基板からなり、シリコンウェハーを結晶異方性エッチングすることや、ガラス基板をフッ酸でエッチングすることにより容易に作製可能である。
【0043】
上記光スイッチは、可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12の対向した端面の周囲を屈折率整合液で満たした状態で使用しても良いし、空気中で使用しても良い。ただし、空気中で使用する場合には、光ファイバ端面での表面反射による挿入損失や反射減衰量やクロストークを低減するために、端面を減反射コートすることが望ましい。端面間の距離は、挿入損失を低減するために、約10ミクロン程度まで近接させることが望ましい。反射減衰量を小さくするため、端面は5°から8°程度コアの中心軸方向に垂直な面から傾いて形成されることが望ましい。
【0044】
ところで、光ファイバ端面をコアの中心軸方向に垂直な面から傾けて形成し、その端面周囲が屈折率整合液で満たされていない場合、光ファイバ端面での屈折により光軸ずれが生じ、挿入損失となる。この損失を低減するためには、支持基板13に設けた1本のV状溝14に可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12を整列させるのではなく、可動裸光ファイバ11用と静止裸光ファイバ12用に光軸ずれに対応したV状溝を2本形成して整列させればよい。それぞれに対応したV状溝は、シリコンウェハー上に結晶異方性エッチングを用いて容易に精度良く作製することができる。
【0045】
本発明による光スイッチは、電磁石がほぼ磁気的な閉回路を構成しているため、周囲に漏れる磁界の影響は少なく、複数の光スイッチを近接して配置することが可能である。その上、光スイッチの周囲をパーマロイなどで覆うことによって磁気シールドすれば、本発明による複数の光スイッチを近接して配置した場合でも隣接する光スイッチの電磁石からの影響を防止することができる。
【0046】
以上説明したように、上記光スイッチによれば、コイルに流す電流をオンオフすることで、可動裸光ファイバ11をV状溝14から変位させることにより、光路の開閉を容易に行うことができる。また、可動裸光ファイバ11を板バネ16でV状溝14に押圧しているため、電流をオフに切り換えたときに可動裸光ファイバ11の先端がV状溝14内で振動する過渡状態を抑えることができる。その結果、高速な切換時間が実現できる。さらに、電流を流さない状態で光スイッチに振動が加わっても、光路が遮断されることなく、安定した特性が得られる。
【0047】
さらに、支持基板13や上部基板19はガラスやシリコンなどからなるため、これらの熱膨張係数は石英からなる光ファイバの熱膨張係数と差が小さく、温度変動に対して安定したスイッチング動作を行うことができる。また、支持基板13と上部基板19は加工精度が高く、それらを接着剤や金ハンダなどを用いて貼り合わせるため、光スイッチ主要部の封止が容易であり、温度変動や湿度変化などに対する信頼性が向上する。
【0048】
また、主要な要素部品である支持基板13や上部基板19は、シリコンウェハーなどから大量に加工精度良く安価に作製することができる。さらに、比較的構造が単純であり、板バネ16で可動裸光ファイバ11をV状溝14に押圧するため、組立誤差の影響が少なく、組立時の調整が容易となる。これらのことから、高性能な光学特性を有する光スイッチを、大量に安価に提供することができる。
【0049】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2を示す光スイッチの構成を示す断面図である。実施の形態1では電磁石を上部基板の上側に配置していたが、実施の形態2では電磁石の配置を変更している。その他の構造は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
図3では、鉄心21の片端24aが上部基板19の上方、他端24bが支持基板13の下方に配置されている。鉄心21の片端24aと磁性体15や板バネ16との距離は、他端24bと磁性体15や板バネ16との距離に比べて十分近くなるように配置する。このように配置することで、磁性体15や板バネ16に働く磁気吸引力は、他端24bより片端24aの方が勝るため、磁性体15と板バネ16は上部基板19側に引き上げられる。電磁石31の磁気吸引力がなくなったときに可動裸光ファイバ11がV状溝14に戻り、スイッチング動作を早く安定させるためには、可動裸光ファイバ11の可動方向と鉄心21の両端間の方向が略一致するように配置する方が望ましい。
【0051】
このように電磁石31を配置することで、実施の形態1よりも、電磁石31による板バネ16や磁性体15への磁気吸引力が効果的に働き、電磁石31に流す電流が小さくても大きな磁気吸引力を得ることができる。つまり、電磁石31の消費電力を低減することが可能となる。
【0052】
(実施の形態3)
図5は、この発明の実施の形態3にかかわる光スイッチ主要部の構成を示す断面図であり、図1のCD断面での断面図に相当する。実施の形態1では磁性体15を用いて可動裸光ファイバをV状溝から引き上げていたが、実施の形態3では複合板バネ40を用いることにより磁性体15を不要としている。その他の構造は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
図1や図2で示した板バネ16に代わり、所望のバネ定数と磁気特性を持つ複合板バネ40が上部基板19に設けられた段差23内に固着され、可動裸光ファイバ11の先端近傍をV状溝14に押圧している。複合板バネ40は、その下部に可動裸光ファイバ11の外径より大きな内径を有する環状のリフト部46を有し、そのリフト部46に可動裸光ファイバ11が挿入されている。
【0054】
図6は複合板バネ40の構成を示す構成図であり、図6(a)は上面図、図6(b)は図6(a)中、GH断面における断面図である。複合板バネ40は、上部基板19に接着される固定部41、所望のバネ定数を有するリフトバネ部42、リフト部46を支持する連結部43,所望のバネ定数を有する押圧バネ部44、可動裸光ファイバ11の先端近傍をV状溝14に押圧する押圧部45から成り、これらが一体に形成されている。
【0055】
次に動作について説明する。図5はコイル20に電流を流していない状態であり、可動裸光ファイバ11はV状溝14にそって整列し、複合板バネ40の押圧部45により支持基板13方向に押圧されている。その結果、静止裸光ファイバ12と可動裸光ファイバ11の端面は近接して対向し、光路が形成されている。
【0056】
コイル20に電流を流すと、鉄心21端と複合板バネ40の間に磁気吸引力が働き、この磁気吸引力は可動裸光ファイバ11や複合板バネ40のリフトバネ部42の弾性力より十分大きい。このとき、リフトバネ部42が弾性変形して連結部43が上方に引き上げられる。連結部43が上方に引き上げられることで、それにつながる押圧部45も上方に引き上げられ、可動裸光ファイバ11はV状溝14に押圧されなくなる。さらに、連結部43が支持するリフト部46も引き上げられるため、リフト部46に挿入されている片持ちばり状の可動裸光ファイバ11が電磁石31方向に撓んで、可動裸光ファイバ11先端はV状溝14から離れ、光路が遮断される。
【0057】
再びコイル20への電流をカットすると、鉄心21端と複合板バネ40との磁気吸引力がなくなるため、可動裸光ファイバ11はV状溝14にそって整列し、可動裸光ファイバ11と静止裸光ファイバ12は光学的に再結合する。
【0058】
ここで複合板バネ40は、板バネ16と同様に、例えばニッケルやパーマロイなどの軟磁性体で形成されている。あるいは、複合板バネ40の少なくとも一部分が磁性体で形成されていれば良いため、磁性体ではないステンレス鋼などにパーマロイなどの軟磁性体を貼り付けたものでも良いし、ステンレス鋼などに軟磁性体を蒸着法やメッキ法によって形成したものでも良い。さらに、複合板バネ40は、磁性体ではないステンレス鋼などに永久磁石を貼り付けたものであり、電磁石31を支持基板13の下部に配置して、磁気吸引力の代わりに磁気反発力を用いて複合板バネ40を駆動しても良い。
【0059】
板バネ16と同様に、複合板バネ40と可動裸光ファイバ11が接触する押圧部45やリフト部46には、塑性変形させるなどして曲率を持たせる、あるいは緩衝部材を貼り付けるなどすることで、石英からなる光ファイバの損傷を防止することが可能である。
【0060】
リフトバネ部42は、本実施の形態では2本の直線上の梁からなり、固定部41と連結部43を連結している。この梁の形状や長さ、幅などを変えることで、任意のバネ定数や変位モードを設定できる。例えば、リフトバネ部42のバネ定数は小さい方が電磁石31を駆動する電流を低減できるので、直線上の梁ではなくコの字状に折り曲げた形状にして、実質的に梁の長さを長くしてバネ定数を小さくすることができる。
【0061】
押圧バネ部44は、本実施の形態では連結部43や押圧部45より幅を狭くしてくびれた形状を有する。このくびれ部の幅や長さを変えることで、可動裸光ファイバ11を押圧する荷重を調整することができる。さらに、押圧バネ部44がくびれた形状を有することで、押圧部45はGHの軸を中心に回転することができる。もし、複合板バネ40がGHの軸に対して回転して取り付けられている場合、押圧部45は支持基板13表面に平行に配置されず、押圧部45が支持基板13に片当たりして可動裸光ファイバ11をV状溝14に押圧できなくなる。しかし、くびれた形状のフレキシャ構造によって、押圧部45は支持基板13表面に平行にならうことができ、可動裸光ファイバ11をV状溝14に押圧することが可能となる。
【0062】
このように、複合板バネ40を用いて可動裸光ファイバ11をV状溝14からリフトする構造と、V状溝に14に押圧する構造を一体に形成することができるため、部品点数が少なくなり、アセンブルや調整に要する時間を少なくすることができる。
【0063】
(実施の形態4)
図7は、この発明の実施の形態4を示す光スイッチの構成を示す断面図である。実施の形態1では磁性体15を可動裸光ファイバ11に設けていたが、実施の形態4では磁性体15の代わりに押上用板バネ25を用いている。その他の構造は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
所望のバネ定数と磁気特性を持つ押上用板バネ25が、支持基板13に設けられたザグリ17内に配置されている。コイル20に電流を流さず、電磁石31からの磁気吸引力が働かない状態では、押上用板バネ25は可動裸光ファイバ11と接触していない。コイル20に電流を流し、電磁石31からの磁気吸引力が働く状態では、押上用板バネ25は上方に引き上げられるため、可動裸光ファイバ11は押上用板バネ25によって電磁石31側に押し上げられる。コイル20へ電流を流さない状態では、押上用板バネ25の弾性力によって元の状態に戻り、可動裸光ファイバ11は押上用板バネ25から力を受けない。これによって、実施の形態1における磁性体15と同様の働きを実現することができる。
【0065】
押上用板バネ25は、板バネ16と同様に、軟磁性体で形成されていても良いし、ステンレス鋼などにパーマロイなどの軟磁性体を貼り付けたものでも良い。さらに、ステンレス鋼などに永久磁石を貼り付けたものでも良い。さらに、板バネ16と同様に、押上用板バネ25と可動裸光ファイバ11の接触部には、曲率を持たせる、あるいは緩衝部材を貼り付けるなどする。また、板バネ16と押上用板バネ25は、プレスなどを用いて一体に形成したものでも良い。
【0066】
本実施の形態においても、実施の形態2で示したような電磁石の配置にしても良いことは言うまでもない。
【0067】
本実施の形態では、押上用板バネ25をザグリ17の所定の位置に接着するだけであるため、円筒状の磁性体15を可動裸光ファイバ11の所定の位置に設けるよりも、光スイッチを容易に組み立てることが可能となる。
【0068】
(実施の形態5)
図8は、この発明の実施の形態5にかかる光スイッチ主要部の構成を示す構成図である。図8(a)は上面図、図8(b)と図8(c)は図8(a)中のEF断面での断面図である。簡単のため、構造が隠れる要素は図示を省略している。光スイッチ130は、支持基板113上面に設けられたV状溝114内に、可動裸光ファイバ111と静止裸光ファイバ112とが端面を近接した状態で対向して固定されている。可動裸光ファイバ111は、片持ちはり状に動作するように樹脂などを用いて可動側接着部122で支持基板113に固定されている。静止裸光ファイバ112は、静止側接着部128で支持基板113に固定されている。
【0069】
所望のバネ定数と磁気特性を持つ押上用板バネ125が、支持基板113に設けられたザグリ117内に固着されている。支持基板113には、可動裸光ファイバ111と静止裸光ファイバ112とを沿わせるV状溝114と、押上用板バネ125が弾性変形しても支持基板113と当たらないような幅と深さを持つザグリ117と、可動側接着部122や静止側接着部128から樹脂などの接着剤が接着部以外に回り込むことを防止するための逃げ溝118が設けられている。
【0070】
支持基板113上には上部基板119が設けられ、支持基板113下部にコイル120と鉄芯121を有する電磁石131が設けられている。所望のバネ定数と磁気特性を持つ板バネ116が、上部基板119に設けられた段差123内に固着され、可動裸光ファイバ111の先端近傍を支持基板113方向に押圧可能としている。段差123は、可動裸光ファイバ111や板バネ116の動作を妨げないように、所望の深さで支持基板113に形成されている。
【0071】
可動裸光ファイバ111と静止裸光ファイバ112は、それぞれ光ファイバ心線の保護樹脂層を先端から所定の長さ除去し、裸ファイバ部分を露出し、この裸ファイバ部分がV状溝114にそって整列する。さらに、それぞれの光ファイバ端面はコアの中心軸に垂直な面に対して斜めに形成され、それぞれの端面が平行になるように近接して対向される。
【0072】
図8(b)はコイル120に電流を流していない状態を示す。このとき、板バネ116は可動裸光ファイバ111と接していないか、接していても可動裸光ファイバ111を支持基板113方向に押し下げる力は小さい。押上用板バネ125の押上力を可動裸光ファイバ111の弾性力より十分大きくすると、押上用板バネ125が可動裸光ファイバ111を上部基板119方向に押し上げるので、片持ちばり状の可動裸光ファイバ111が上方に撓んで、その先端はV状溝114から離れ、光路が遮断される。
【0073】
一方、図8(c)はコイル120に所定の電流を流した状態である。鉄心121端と押上用板バネ125や板バネ116の間に磁気吸引力が働き、この磁気吸引力が十分大きいと、押上用板バネ125と板バネ116の弾性構造が変形して下方に引き下げられる。この状態では、押上用板バネ125は可動裸光ファイバ111と接していないか、接していても上部基板119方向に押し上げる力は小さいので、可動裸光ファイバ111はその弾性力でV状溝114に整列する。さらに、板バネ116によって可動裸光ファイバ111先端はV状溝114に押圧されるので、V状溝114に沿って可動裸光ファイバ111と静止裸光ファイバ112の端面どうしが近接して対向し、可動裸光ファイバ111と静止裸光ファイバ112は光学的に結合して光路が形成されている。
【0074】
再びコイル120への電流をカットすると、鉄心121端と板バネ116や押上用板バネ125との磁気吸引力がなくなり、押上用板バネ125の押上力が可動裸光ファイバ111の弾性力より大きいので、可動裸光ファイバ111の先端は再びV状溝114から離れ、光路が遮断される。このように、コイル120への電流をオンオフすることで、光路の開閉を容易に行うことのできる光スイッチが構成される。
【0075】
板バネ116や押上用板バネ125に作用する磁気吸引力は、コイル120に流す電流によって容易に制御することが出来る。そのため、可動裸光ファイバ111をV状溝114に押圧する力の大きさやV状溝114から押し上げる力の大きさを容易に制御することが出来るので、外部からの振動に対する光スイッチの光学的な影響を小さくするなどの制御が容易となる。
【0076】
ここで、押上用板バネ125や板バネ116は、例えばニッケルやパーマロイなどの軟磁性体で形成されている。板バネ116や押上用板バネ125は、電磁石131からの磁気力を受けて弾性変形すれば良いため、少なくとも一部分が磁性体で形成されていれば良い。例えば、磁性体ではないステンレス鋼などからなる板バネ116や押上用板バネ125に、パーマロイなどの軟磁性体からなる微小な板を接着したものでも良いし、軟磁性体を蒸着法やメッキ法によって成膜したものでも良い。また、板バネ構造でなくとも、一部分に弾性構造を有し、その弾性力で可動裸光ファイバ111を支持基板に垂直方向に可動あるいは押圧するものであればよいことは言うまでもない。
【0077】
あるいは、押上用板バネ125や板バネ116は、磁性体ではないステンレス鋼などに永久磁石を貼り付けたものであり、電磁石131を上部基板119の上方に配置し、磁気吸引力の代わりに磁気反発力を利用しても良い。また、永久磁石を貼り付ける代わりに、メッキ法などにより永久磁石を形成しても良いことは言うまでもない。また、板バネ116と押上用板バネ125は、プレスなどを用いて一体に形成したものでも良い。
【0078】
さらに、可動裸光ファイバ111と接触する板バネ116や押上用板バネ125の先端近傍に、板バネ116や押上用板バネ125を塑性変形させるなどして曲率を持たせる、あるいは弾性部材を貼り付けるなどした接触部を形成し、その接触部で可動裸光ファイバ111に荷重を与えることにより、石英からなる光ファイバの損傷を防止することが可能である。さらに、板バネ116は上部基板119に固定する代わりに、支持基板113に固定しても良いことは言うまでもない。
【0079】
(実施の形態6)
図9は、この発明の実施の形態6にかかる光スイッチ主要部の構成を示す断面図である。実施の形態5では1本のV状溝114に可動裸光ファイバ111と静止裸光ファイバ112を整列させていたが、実施の形態6では支持基板113に対して高さの異なるV状溝を2本形成することで、押上用板バネ125を不要としている。その他の構造は実施の形態5と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
支持基板113には、面内で厚さが異なる厚板部と薄板部が形成されている。支持基板113に垂直な平面内において、厚板部と薄板部にそれぞれ所望の深さを有する2本のV状溝が形成されている。薄板部に形成された低位置V状溝126には静止裸光ファイバ112が静止側接着部128で固定される。厚板部に形成された高位置V状溝127には可動裸光ファイバ111の基部が可動側接着部122で固定される。可動側接着部122と静止側接着部128は、支持基板113に対する厚さ方向の位置が異なる。
【0081】
可動裸光ファイバ111は、高位置V状溝127で片持ちはり状に固定され、コイル120に電流を流さない状態では板バネ116からの力を受けない、あるいは力を受けても小さいため、可動裸光ファイバ111の先端部は低位置V状溝126から離れ、光路が遮断されている。
【0082】
コイル120に電流を流した状態では、電磁石131によって板バネ116は磁気吸引力を受けて、可動裸光ファイバ111の先端近傍を支持基板113方向に押し下げる。この押し下げ力が可動裸光ファイバ111の弾性力よりも大きければ、可動裸光ファイバ111は下側に撓んで低位置V状溝126に板バネ116で押圧されるので、可動裸光ファイバ111と静止裸光ファイバ112の端面が所定の距離だけ離れて低位置V状溝126内で整列し、光路が形成される。
【0083】
コイル120の電流を遮断すると、板バネ116への磁気吸引力がなくなるため、板バネ116はその弾性力で元の状態に戻り、可動裸光ファイバ111を支持基板113方向に押し下げない。そのため、可動裸光ファイバ111はその弾性力で元の状態に戻り、その先端は低位置V状溝126から離れ、光路が遮断される。
【0084】
ここで、図9では、2つのV状溝の深さは同一で、支持基板113の厚さを低位置V状溝126と高位置V状溝127の部分で変えることにより、裸光ファイバを固定する高さを変更している。しかし、支持基板113の厚さは一定であっても、深さの異なる2つのV状溝を形成し、静止裸光ファイバ112は深いV状溝に固定し、可動裸光ファイバ111は浅いV状溝に固定することで、同様の機構を得ることが出来る。
【0085】
部分的に厚さの異なる基板に低位置V状溝126と高位置V状溝127を形成した支持基板113や、厚さが一定で深さの異なる2つのV状溝を形成した支持基板113は、実施の形態1で述べた方法と同様に、シリコンのウェハーから結晶異方性エッチングを用いて容易に形成することが出来る。
【0086】
この実施の形態で示すように、押上用板バネ125を用いなくても、V状溝の支持基板厚さ方向の位置を変えて可動裸光ファイバと静止裸光ファイバを固定するだけで、光ファイバの弾性力を利用したリフト構造を形成することが出来る。そのため、部品点数が減るので、部材加工費や組立調整に要する時間が少なくなり、より低コストで高性能な光スイッチを提供することが出来る。
【0087】
これまでの実施の形態5や6では、可動裸光ファイバ111と板バネ116、あるいは可動裸光ファイバ111と押上用板バネ125は、接触するが接着されていないとして説明してきた。ガラスとステンレス鋼など熱膨張率の異なる材料を接着した場合、温度変動によってそりなどの影響が生じるため、広い温度範囲で良好な光学的特性を保証することは困難である。そこで、可動裸光ファイバ111と板バネ116、あるいは可動裸光ファイバ111と押上用板バネ125は、接着しない方が良好な温度特性を得られる。しかし、温度範囲が狭い場合や、熱膨張率差が小さい材料を用いている場合には、そりなどの影響が小さくなるため、それぞれが接着あるいは固着されていても良い。その場合、可動裸光ファイバ111の片持ちばり状部分の長さが短くなるので、その共振周波数が高くなり、コイルへの電流を切り換えたときなどに生じる過渡的な光ファイバの振動を短時間で減少させることが可能となる。
【0088】
(実施の形態7)
図10は、この発明の実施の形態7にかかわる光スイッチ主要部の構成を示す構成図である。図10(a)は上面図、図10(b)はA‘B’断面での断面図、図10(c)は可動裸光ファイバ203側から見た側面図である。簡単のため、構造が隠れる要素は図示を省略している。可動裸光ファイバ203の先端近傍と静止裸光ファイバ204は、支持基板202の表面に設けられた第1のV溝206の中に端面が近接した状態で対向して配置されている。可動裸光ファイバ203は、片持ち梁状に動作するように一部が樹脂などを用いて第2のV溝207に固定されている。可動裸光ファイバ203は先端部が、所望のバネ定数と磁気特性を持つ板バネ205により所望の力で第1のV溝206に押圧されている。支持基板202には、接着部から樹脂などの接着剤が接着部以外に回り込むことを防止するための逃げ溝209が設けられている。
【0089】
可動裸光ファイバ203と静止裸光ファイバ204は、それぞれ光ファイバ心線の保護樹脂層を先端から所定の長さだけ除去され、裸ファイバ部分を露出させており、この裸ファイバ部分が第1のV溝206の中で整列している。さらに、相互の光ファイバ端面はコアの中心軸方向に垂直な面に対して斜めに形成され、所定の間隔を持ち、かつ略平行になるよう対向して配置されている。
【0090】
図10(b)は、光路が形成されている状態を示す。支持基板202と略平行となる上部基板201が設けられ、その上部にコイル210と鉄芯211から構成される電磁石が設けられている。上部基板201の凹部208には板バネ205の一部が固着され、板バネ205が可動裸光ファイバ203の先端近傍を第1のV溝206に押圧している。図10(b)は、コイル210に電流を流していない状態であり、第1のV溝206の中で可動裸光ファイバ203の端面と静止裸光ファイバ204の端面同士が所定の間隔を持ち、かつ略平行に対向して配置されている。コイル210に電流を流した状態では、板バネ205は磁気力によって上部基板201方向へ引き上げられ、凹部208に格納される。従って、可動裸光ファイバ203の先端近傍は、光ファイバ自体の弾性力により持ち上がり、光路は遮断される。
【0091】
本実施の形態では電磁石は、コイル210と鉄芯211から構成されており、鉄芯211の一部が分離した略円形状または多角形環状に形成され、鉄芯211の両端の間隔を狭くして、両端近傍に配置した板バネ205を吸引している。従って、磁気的には閉回路に近く周囲に漏れる磁界は少ない。従って、複数の光スイッチを近接して配置することが可能である。その上、光スイッチの周囲をパーマロイなどで覆うことによって磁気シールドすれば、本発明による光スイッチを複数、近接して配置した場合でも隣接する光スイッチの電磁石からの影響を防止することができる。
【0092】
静止裸光ファイバ204の一部が第1のV溝206に固定されている場合には、コイル210に電流を流していない状態で、可動裸光ファイバ203の先端近傍は板バネ205により第1のV溝206に押圧されており、可動裸光ファイバ203と静止裸光ファイバ204は第1のV溝206の中で整列され、光路が形成されている。また、静止裸光ファイバ204が第2のV溝207に固定される場合には、コイル210に電流を流している状態で板バネ205は磁気力によって上部基板201方向へ引き上げられ、凹部208に格納される。従って、可動裸光ファイバ203と静止裸光ファイバ204が第2のV溝207に沿って整列され、光路が形成される。すなわち、静止裸光ファイバ204の配置を変更するだけで、電流のオン/オフに対する光路の開閉作用を反転させた光スイッチを作製することができる。
【0093】
(実施の形態8)
図11は、この発明の実施の形態8にかかわる光スイッチの構成を示す断面図である。弾性力発生機構は、支持基板202に段差構造が形成されたものであり、発生する弾性力は可動裸光ファイバ203の先端近傍を上部基板201方向へ変位させるものである。可動裸光ファイバ203の一部は、支持基板202上段の第3のV溝401に固定されており、静止裸光ファイバ204は、支持基板202下段の第4のV溝402に固定されている。図11は、コイル210に電流を流していない状態であり、可動裸光ファイバ203の先端近傍は、板バネ205により支持基板202下段の第4のV溝402に押圧されている。従って、可動裸光ファイバ203と静止裸光ファイバ204は第4のV溝402の中で整列され、光路が形成されている。コイル210に電流を流した状態では、板バネ205は磁気力により上部基板201方向に引き上げられ、凹部208に格納される。従って、可動裸光ファイバ203の先端近傍は光ファイバ自体の弾性力により上方に持ち上がり、光路は遮断される。
【0094】
さらに、実施の形態7と同様に、静止裸光ファイバ204の配置を第4のV溝402から第3のV溝401の延長線上に変更するだけで、電流のオン/オフに対する光路の開閉作用を反転させた光スイッチを作製することができることは言うまでもない。支持基板202に段差構造をもつ以外は実施の形態7と同様であり、作用および効果は実施の形態7と変わらない。
【0095】
(実施の形態9)
図12は、この発明の実施の形態9にかかわる光スイッチの構成を示す断面図である。弾性力発生機構は、支持基板202表面に形成された第1のV溝206の軸上に突起構造501が形成されたものであり、発生する弾性力は可動裸光ファイバ203の先端近傍を上部基板201方向へ変位させるものである。可動裸光ファイバ203の一部および静止裸光ファイバ204の一部は、第1のV溝206に固定されている。図12は、コイル210に電流を流していない状態であり、可動裸光ファイバ203は、突起構造501に沿って撓んでいるとともに、可動裸光ファイバ203の先端近傍は板バネ205よって第1のV溝206に押圧されている。従って、可動裸光ファイバ203と静止裸光ファイバ204は第1のV溝206の中で整列され、光路が形成されている。コイル210に電流を流した状態では、板バネ205は磁気力により上部基板201方向に引き上げられ、凹部208に格納される。従って、可動裸光ファイバ203の先端近傍は光ファイバ自体の弾性力により上方に持ち上がり、光路は遮断される。
【0096】
さらに、実施の形態7と同様に、静止裸光ファイバ204を第1のV溝206から支持基板202の略垂直方向へ平行移動させて配置するだけで、電流のオン/オフに対する光路の開閉作用を反転させた光スイッチを作製することができることは言うまでもない。支持基板202に突起構造501が形成されていること以外の構造は実施の形態7と同様であり、その作用および効果は実施の形態7と変わらない。
【0097】
(実施の形態10)
図13は、この発明の実施の形態10にかかる光スイッチ主要部の構成を示す構成図である。図13(a)は上面図、図13(b)と図13(c)は図13(a)中のE’F’断面での断面図である。簡単のため、構造が隠れる要素は図示を省略している。
【0098】
支持基板603上面に設けられたV状溝604内に、可動裸光ファイバ601と固定裸光ファイバ602とが端面を近接した状態で対向して固定されている。可動裸光ファイバ601は、片持ちはり状に動作するように樹脂などを用いて可動側接着部605で支持基板603に固定されている。固定裸光ファイバ602は、固定側接着部606で支持基板603に固定されている。可動側接着部605および固定側接着部606近傍には、樹脂などの接着剤が接着部以外に回り込むことを防止するための逃げ溝607が設けられている。上部基板610には押圧体609が設置されており、可動光裸ファイバ601の先端近傍をV状溝604に押圧している。可動裸光ファイバ601と支持基板603の間には駆動機構として突起部材608が配置され、可動裸光ファイバ601を常に押し上げている。突起部材608は、可動裸光ファイバ601の長手方向に移動することができる。
【0099】
可動裸光ファイバ601と固定裸光ファイバ602は、それぞれ光ファイバ心線の保護樹脂層を先端から所定の長さ除去し、裸ファイバ部分を露出し、この裸ファイバ部分がV状溝604にそって整列する。さらに、それぞれの光ファイバ端面はコアの中心軸方向に垂直な面に対して斜めに形成され、それぞれの端面が平行になるように近接して対向される。
【0100】
図13(b)は突起部材608が、可動裸光ファイバ601の先端から遠くに位置している状態を示す。このとき、可動裸光ファイバ601は、突起部材608によって片持ちはり状に持ち上げられるが、突起部材608から先端部分が長く、バネ定数が比較的小さい。従って、可動裸光ファイバ601の先端部近傍は、押圧体609が可動裸光ファイバ601先端部を押す力により、V状溝604にそって配列され、固定裸光ファイバ602と対向して光路が形成される。
【0101】
一方、図13(c)は突起部材608を、可動裸光ファイバ601の先端方向に近づけた状態を示す。突起部材608を可動裸光ファイバ601の先端方向に近づけて行くと、可動裸光ファイバ601の突起部材608から先端部分のバネ定数が大きくなり、また、可動裸光ファイバ601先端部を持ち上げる力が大きくなる。先端部を持ち上げる力が、押圧体609による可動光ファイバ601の先端部の押圧力より大きくなると先端部は図示した通り持ち上がる。従って、可動裸光ファイバ601と固定裸光ファイバ602間の光路は遮断される。このように、突起部材608を移動させることによって、光路の開閉を容易に行うことのできる光スイッチが構成される。
【0102】
突起部材608はシリコン、ガラス、樹脂材料など様々な材料を用いることが可能である。図13では突起部材608は円柱形状として示しているが、可動裸光ファイバ601を持ち上げることができる大きさであれば、形状には制限はない。ただし、突起部材608の可動裸光ファイバ601との接触部分は、可動光ファイバ601の損傷を防止するため、滑らかな状態であることが望ましい。突起部材608の駆動は、機械的駆動、電磁駆動、静電駆動、圧電駆動など様々な駆動手段を用いることができる。
【0103】
また、図13では駆動機構として、突起部材608を可動裸光ファイバ601の長手方向に移動させる構成を示したが、可動裸光ファイバ601と支持基板603の間に、くさび型部材を出し入れすることによっても、可動裸光ファイバ601を持ち上げることが可能である。
【0104】
押圧体609の材料としては、ステンレス、燐青銅などをはじめとする金属バネ材、樹脂材料など、弾性変形する材料が用いられる。図では板状の押圧体609を示しているが、コイル状のバネ構造体など、板バネ構造でなくとも、一部分に弾性構造を有し、その弾性力で可動裸光ファイバ601を支持基板603に垂直方向に可動あるいは押圧するものであればよいことは言うまでもない。すなわち、押圧体609のかわりに磁力、静電力などを用いた非接触の押圧機構とすることもできる。
【0105】
以上説明したように、上記光スイッチの構成によれば、突起部材608を移動させることによって、可動裸光ファイバ601をV状溝604から変位させることにより、光路の開閉を容易に行うことのできる光スイッチが構成される。また、可動裸光ファイバ601を押圧体609でV状溝604に押圧しているため、光路を切り換えたときに可動裸光ファイバ601の先端がV状溝604内で過渡状態において振動するのを抑えることができる。その結果、高速な切換時間が実現できる。さらに、光路を形成した状態で振動が加わっても、光路が遮断されることなく、安定した特性が得られる。
【0106】
(実施の形態11)
図14は、この発明の実施の形態11にかかる光スイッチ主要部の構成を示す断面図である。
【0107】
図13で説明した実施の形態とは、固定裸光ファイバ621が固定されている位置が異なる。固定裸光ファイバ621は、固定側接着部623で上部基板610に固定されている。固定側接着部623近傍には、樹脂などの接着剤が接着部以外に回り込むことを防止するための逃げ溝607が設けられている。可動裸光ファイバ601と固定裸光ファイバ621は、上部基板610上に設けられたV状溝622内で対向する構成である。
【0108】
突起部材608を可動裸光ファイバ601の先端方向に近づけて行くと、可動裸光ファイバ601の突起部材608から先端部分のバネ定数が大きくなり、また、可動裸光ファイバ601先端部を持ち上げる力が大きくなる。先端部を持ち上げる力が、押圧体609による可動光ファイバ601の先端部の押圧力より大きくなると先端部は持ち上がり、V状溝622内に押圧される。従って、可動裸光ファイバ601と固定裸光ファイバ621間に光路が形成される。このように、図13で説明した実施の形態10とは、突起部材608の移動方向に対する光路の形成、遮断の状態が反転している。
【0109】
以上説明したように、上記光スイッチの構成によれば、突起部材608を移動させることによって、可動裸光ファイバ601をV状溝622へ向かって変位させることにより、光路の開閉を容易に行うことのできる光スイッチが構成される。実施の形態10とは、突起部材608の移動方向に対する光路の形成、遮断の状態が反転していること以外、作用および効果は変わるところはない。
【0110】
(実施の形態12)
図15は、この発明の実施の形態12にかかわる光スイッチの構成を示す断面図である。実施の形態7では1本の可動裸光ファイバ203に対して、1本の静止裸光ファイバ204を対向して配置させていたが、支持基板202の第1のV溝206に第1の静止裸光ファイバ301の一部を固定し、上部基板201の第2のV溝207に第2の静止裸光ファイバ302の一部を固定することで、1×2光スイッチを構成することも可能である。
図15(a)は、コイル210に電流を流していない状態の構成図である。板バネ205には磁気力が作用しておらず、可動裸光ファイバ203の先端近傍は板バネ205により第1のV溝206に押圧されており、可動裸光ファイバ203と第1の静止裸光ファイバ301は第1のV溝206の中で整列され、光路が形成されている。また、図15(b)は、コイル210に電流を流している状態の構成図である。板バネ205は磁気力により上部基板201方向に引き上げられ、凹部208に格納されている。従って、可動裸光ファイバ203は光ファイバ自体の弾性力によって、その先端近傍を持ち上げ、可動裸光ファイバ203と第2の静止裸光ファイバ302は第2のV溝207に沿って整列され、光路が形成されている。静止裸光ファイバが2本配置され、電流のオン/オフによって光路の切り替えが行われること以外は実施の形態7と同様であり、その作用および効果は実施の形態7と変わらない。
【0111】
(実施の形態13)
図16は、この発明の実施の形態13にかかる光スイッチ主要部の構成を示す断面図である。
【0112】
図13で説明した実施の形態とは、固定裸光ファイバが第1の固定裸光ファイバ602と第2の固定裸光ファイバ621の2本配置されている点が異なる。
【0113】
支持基板603上面に設けられたV状溝604内に、可動裸光ファイバ601と第1の固定裸光ファイバ602とが端面を近接した状態で対向して固定されている。可動裸光ファイバ601は、片持ちはり状に動作するように樹脂などを用いて可動側接着部605で支持基板603に固定されている。第1の固定裸光ファイバ602は、固定側接着部606で支持基板603に固定されている。可動側接着部605および固定側接着部606近傍には、樹脂などの接着剤が接着部以外に回り込むことを防止するための逃げ溝607が設けられている。
【0114】
上部基板610には押圧体609が設置されており、可動光裸ファイバ601の先端近傍をV状溝604内に押圧している。可動裸光ファイバ601と支持基板603の間には駆動機構として突起部材608が配置され、可動裸光ファイバ601を常に押し上げている。突起部材608は、可動裸光ファイバ601の長手方向に移動することができる。第2の固定裸光ファイバ621は、固定側接着部623で上部基板610に形成されたV状溝622内に固定されている。固定側接着部623近傍には、樹脂などの接着剤が接着部以外に回り込むことを防止するための逃げ溝607が設けられている。可動裸光ファイバ601と第2の固定裸光ファイバ621は、上部基板610上に設けられたV状溝622内で対向する構成である。
【0115】
突起部608が可動裸光ファイバ601の先端から遠くに位置している場合、可動裸光ファイバ601は、突起部材608によって片持ちはり状に持ち上げられるが、突起部材608から先端部分が長く、バネ定数が比較的小さい。従って、可動裸光ファイバ601の先端部近傍は、押圧体609が可動裸光ファイバ601先端部を押す力により、V状溝604にそって配列され、第1の固定裸光ファイバ602と対向して光路が形成される。
【0116】
一方、突起部材608を可動裸光ファイバ601の先端方向に近づけて行くと、可動裸光ファイバ601の突起部材608から先端部分のバネ定数が大きくなり、また、可動裸光ファイバ601先端部を持ち上げる力が大きくなる。先端部を持ち上げる力が、押圧体609による可動光ファイバ601の先端部の押圧力より大きくなると先端部は持ち上がり、V状溝622内に押圧される。従って、可動裸光ファイバ601と第2の固定裸光ファイバ621間に光路が形成される。このように、実施の形態13では、容易に1×2の光スイッチを構成することができる。
【0117】
以上説明したように、上記光スイッチの構成によれば、突起部材608を移動させることによって、可動裸光ファイバ601をV状溝604およびV状溝622の間で変位させ、光路の切り替えを容易に行うことのできる光スイッチが構成される。
【0118】
(実施の形態14)
図17は、本発明の実施の形態14に係わる1×2光スイッチの主要部についての構成図であり、下部基板を上方から観察した図である。また、図18から図22は、それぞれ図17中のAA’断面からEE’断面を示しており、これらの図は、下部基板に加え、その上方に配置された上部基板の断面を含めて記している。本光スイッチは、1つの入力側光ファイバ(可動裸光ファイバ)が基板に対して略垂直方向に可動することにより、2つの出力側光ファイバ(固定裸光ファイバ2本)へ光路の切り換えを行う1×2光スイッチである。
【0119】
図18から図22に示す断面図からも分かるように、上部基板721と下部基板711から構成されおり、それぞれの基板が向かい合う面には、V溝が並列に形成されている。下部基板711に形成された第1のV溝712には、根元部が固定されていて、先端部が下部基板711の垂直方向に片持ち梁状に可動する可動裸光ファイバ717と、可動裸光ファイバ717と端面を近接して対向させた第1の固定裸光ファイバ716が固定されている。また、上部基板721に形成された第2のV溝722には、第1の固定裸光ファイバ716と端面の光軸方向の位置をほぼ一致させた第2の固定裸光ファイバ726が、第1の固定裸光ファイバ716と並列に固定されている。通常、光ファイバは、心線の周りが樹脂コートされているが、ここでは、先端から所望の長さの樹脂コートを剥離して先端だけ裸にした光ファイバを使用し、その裸にされた部分をV溝内に挿入する。
【0120】
ここで、下部基板711の一部には、第1の凹み部714が存在し、その第1の凹み部714内には、根元部が固定されていて先端部が下部基板711に対して略垂直方向に可動する第1の押さえバネ713が形成されている。また、可動裸光ファイバ717の上側には、同様に、根元部が下部基板711の表面に固定されていて先端部が下部基板711に対して略垂直方向に可動する第2の押さえバネ723が形成されている。これら、第1の押さえバネ713と第2の押さえバネ723の先端近傍には、それぞれ磁性体715、725が形成されている。
【0121】
さらに、上部基板721の第2のV溝722を形成した反対面側には、電磁石718が配置されている。例えば、この電磁石718が鉄心とコイルで形成されている場合、コイルに電流を流すことにより、それぞれの磁性体の周辺に磁場を発生させ、下部基板711に略垂直な方向の磁気吸引力を与えることができる。この磁気吸引力により、第1の押さえバネ713と第2の押さえバネ723の先端は電磁石が形成された方向へと可動する。このとき、可動裸光ファイバ717の先端部は、第1の押さえバネ713の先端部の一部により持ち上げられ、電磁石718が形成された方向へと可動する。
【0122】
ここで、図18から図22に示した断面図において、実線で示したものが、可動裸光ファイバ717が第1の固定裸光ファイバ716と光結合しているときの状態を、点線で示したものが、可動裸光ファイバ717が第2の固定裸光ファイバ726と光結合している状態を示す。コイルに電流を流していないとき、つまり、磁性体715、725に磁気吸引力が働いていないとき、図22に示すように、可動裸光ファイバ717の先端部には、第2の押さえバネ723の先端部から下部基板711方向への荷重が加わり、可動裸光ファイバ717の先端部は第1のV溝712に沿って整列する(図20)。このとき、第1の凹み部714を十分な深さを有して形成した場合、第1の押さえバネ713は、可動裸光ファイバ717と接すること無く、第1の凹み部714内に収まる(図21)。第1のV溝712には、図19に示すように第1の固定裸光ファイバ716が可動裸光ファイバ717とその端面を近接させ配置されており、同一のV溝内で端面を近接させた2本の光ファイバ間で挿入損失の低い光結合が行われる。
【0123】
一方、コイルに電流を流したとき、つまり、磁性体715,725に磁気吸引力が働くと、第2の押さえバネ723の先端部は下部基板711から離れる方向へと可動し、可動裸光ファイバ717の先端部に加わっていた下部基板711方向への荷重は無くなる。さらに、第1の押さえバネ713の先端部にも上部基板721方向への力が加わるため、図21に示すように、第1の押さえバネ713の先端部からの荷重により、可動裸光ファイバ717の先端部が持ち上げられるとともに、上部基板721に形成した第2のV溝722内に押し付けられる。よって、図20に示すように、可動裸光ファイバ717の先端部は第2のV溝722に沿って整列し、第2の固定裸光ファイバ726と光結合する。なお、図22に示すように、第2の凹み部724を十分な深さを有して形成した場合、第2のV溝722方向へと可動した第2の押さえバネ723の先端部は可動裸光ファイバ717と接触することは無い。
【0124】
上記光スイッチにおいて、可動裸ファイバ717の端面と2本の固定裸ファイバ716、726の端面間に空気がある場合、挿入損失を低減させるためには、端面間距離を約20μm以下まで近接させる必要がある。また、光ファイバ端での屈折率差によって、表面反射が生じ、挿入損失や反射減衰量が増加する。そこで、それぞれの端面に反射防止膜をコートする方が望ましい。また、反射減衰量を低減させるために、端面を5度から8度程度、光軸に垂直な面から傾けて加工する方が望ましい。この場合、光ファイバ端面での屈折により、光軸ずれが起こり、挿入損失が増加する。そこで、1本のV溝に光ファイバを配置するのではなく、光軸ずれに対応した位置に光ファイバが配置できる2本の平行なV溝を形成する。また、端面間を屈折率整合液で満たすことによっても、反射損失及び挿入損失を低減させることが可能である。
【0125】
第1の押さえバネ713及び第2の押さえバネ723には、弾性材を使用する。磁性体715、725は、第1の押さえバネ713及び第2の押さえバネ723の先端近傍に直接貼り付けて形成する。また、磁性体715、725は、真空蒸着やスパッタリングといった薄膜堆積法や、めっき法により形成しても良い。或いは、第1の押さえバネ713及び第2の押さえバネ723自体を磁性材で形成しても構わない。
【0126】
上部基板721や下部基板711には、結晶方位が存在する単結晶Siやガラスを使用する。単結晶Siを使用した場合、結晶方位により異方性のエッチングレートを示す液に浸し、エッチングを進行させることにより、容易に高精度なV溝が加工できる。例えば(100)方位の単結晶Siウェハを使用したときには、(111)或いは(110)の側面を有するV溝が作製できる。これらの面はウェハー表面の(100)面に対し、一定の角度を有しており、高精度にエッチングマスクを加工できるフォトリソ技術と併用することにより、高精度なV溝加工が実現できる。また、光ファイバと同一材料であるガラスを基板材料に使用した場合、熱膨張係数が一致していることから、広い温度範囲において、挿入損失、反射損失、偏波依存特性等が、温度変化に依存しない、優れた光スイッチを作製できる。V溝は、基板表面を機械的に加工して作製する。例えば、切削用ブレードを高速回転させ、回転方向に走査させながらカッティングすることにより、ブレードの断面形状を転写させた形の溝が作製できる。ブレードのテーパ角を制御することにより、任意の傾斜の側面を容易に形成でき、様々な形状のV溝加工が実現する。
【0127】
以上説明したように、上記光スイッチによれば、電磁石のコイルに流す電流をON/OFFすることにより押さえバネを可動させ、押さえバネにより荷重が与えられる光ファイバをV溝に押し当てる構造により、2本の光ファイバへの光の切り換えを可能とした。このような比較的単純な構造であるために、組立時の調整が容易となり、高性能な光スイッチを低コストで供給できる。また、主要部品である上部基板や下部基板は、Siやガラスウェハから量産性良く供給できる。
【0128】
(実施の形態15)
図23は、本発明の実施の形態に係わる1×2光スイッチの主要部についての構成図であり、下部基板731を上方から観察した図である。図23におけるAA’断面からDD’断面までの断面図は、実施の形態14に係る1×2光スイッチで示した図18から図21と同様である。EE’断面での断面図を、図24に示す。これらの断面図は、下部基板731に加え、その上方に固定された上部基板741の断面を含めて記している。本発明の実施の形態に係る光スイッチの基本構造は、実施の形態14に係る光スイッチと同様であり、第1の押さえバネと第2の押さえバネが一体に形成されている点が異なる。第1の押さえバネ733の根元部は下部基板731の第1の凹み部734内で固定されている点は、実施の形態14に係る光スイッチと同様であるが、第2の押さえバネ743の根元部は、第1の押さえバネ733の一部と接続されている。第1の押さえバネ733が可動すると第2の押さえバネ743も連動して可動する構造をしている。この一体に形成された押さえバネは、例えばステンレスなどを用いた場合、プレス加工により容易に作製できる。従って、部品点数を削減できる他、組立や調整のコストも低減でき、光スイッチのさらなる低コスト化が実現できる。
【0129】
(実施の形態16)
まず、本発明の実施の形態16に係わる光スイッチについて図25から図27を用いて説明する。図25は本発明の実施の形態16に係わる光スイッチの上面図である。基板811には、V溝812が形成され、そのV溝812内には、2本の対向する裸光ファイバ(固定裸光ファイバ813と可動裸光ファイバ814)が、端面を近接させて配置されている。通常、光ファイバはクラッドを外傷から保護する目的で周囲に樹脂層がコーティングされているが、先端から所定の長さの樹脂層を除去して先端は裸のファイバを露出させた裸光ファイバをV溝に挿入する。固定裸光ファイバ813は、光ファイバ固定部815において、V溝812の両側面と接した状態で接着剤等により固定されている。
【0130】
対向する可動裸光ファイバ814は、その根本部が光ファイバ固定部816において接着剤等によりV溝812の両側面と接して固定され、片持ち梁状に可動する。可動裸光ファイバ814の上方には加圧体817を配置している。加圧体817は、加圧体固定部819で基板に固定されているが、バネ構造を有しており、基板垂直方向へ可動する。可動裸光ファイバ814の端部は、この加圧体814によりV溝812の深さ方向に荷重が加えられ、V溝812の両側の側面に接している。従って、固定裸光ファイバ813と可動裸光ファイバ814は、ともにV溝812の両側面と接して配置されており、2本の光ファイバ間で光結合されている。
【0131】
ここで、可動裸光ファイバ814の端部近傍には、半円筒状の磁性体818が基板811と反対側に形成されている。また、可動裸光ファイバ814に荷重を与える加圧体817の一部にも磁性体821が形成されている。これら磁性体818,821は、真空蒸着法やスパッタ法といった薄膜堆積法により形成しても良いし、直接貼り付けても良い。図25には示していないが、基板811の上方には電磁石が配置されている。この電磁石は例えばコイルと鉄心で構成される。コイルに電流を流すことにより、磁性体818及び821の周辺に磁場を発生させ、基板垂直方向の磁気吸引力を与えることが可能である。
【0132】
図26は、コイルに電流を流さないときの図25におけるAA’断面図である。可動裸光ファイバ814の端部は、加圧体817による荷重によりV溝812の両側面に接している。従って、固定裸光ファイバ813と可動裸光ファイバ814の端面どうしが対向し、光結合されている。これに対し、電磁石820に電流を流し、磁性体818及び821近辺に磁場を発生させた場合の図25におけるAA’断面図を図27に示す。電磁石820と磁性体818及び加圧体817の間に磁気吸引力が働き、磁性体818を形成した可動裸光ファイバ814の先端と磁性体821を形成した加圧体817の先端が上方へ引き上げられる。加圧体817が上方へ引き上げられることにより、可動裸光ファイバ814の先端は、加圧体817から与えられていた荷重から開放され、さらに、磁性体818が上方へ引き付けられることにより、上方へと移動する。その結果、固定裸光ファイバ813との光路は遮断される。さらに、コイルへ流す電流を切断すると、磁性体818及び821に働いていた磁気吸引力が無くなり、可動裸光ファイバ814と加圧体817の弾性力により、可動裸光ファイバ814は再びV溝に収まり、加圧体817の荷重によりV溝812の両側面と接した状態に戻る。この結果、固定裸光ファイバ813との光路は再結合される。
【0133】
ここで、基板上方に移動した可動裸光ファバ814と固定裸光ファイバ813が光結合することなく、クロストークを十分小さくするためには、可動裸光ファイバ814の先端の移動量を十分大きくする必要がある。可動裸光ファイバ814の端面が完全に基板811の表面より上方へ移動した場合、磁気吸引力が無くなり可動裸光ファイバ814がV溝812に戻る際に、重力や加圧体817等により基板811の表面に対し水平な方向の荷重が加わることにより、基板811の表面と加圧体817に可動裸光ファイバ814が挟まれ、V溝812に戻らないこともある。可動裸光ファイバ814の先端の移動量が大きい場合でも、可動裸光ファイバ814が必ずV溝812に戻り固定裸光ファイバ813と光結合するよう、移動した可動裸光ファイバ814端面の中心が基板811の表面より上方に位置しないようにする。このことで可動裸光ファイバ814は、基板811の表面と加圧体817で挟まれることは無く、V溝812へ必ず戻る。この結果、光スイッチの信頼性は確保される。
【0134】
また、別の言い方をすれば、加圧体817から荷重を受けている可動裸光ファイバ814とV溝812との接点と、基板表面との距離を、可動裸光ファイバ814の移動量以上にする。この場合、上方へ移動した可動裸光ファイバ814の端面は、完全に基板表面より上方に出ることは無く、少なくとも一部は基板表面より下方に位置しており、可動裸光ファイバ814は基板811の表面と加圧体817に挟まれることは無く、必ずV溝812内へ戻る。
【0135】
このように、V溝を深く形成すると、基板表面におけるV溝の幅が広くなるので、同一基板上に複数の光スイッチを並列に配置するような高密度化に不利である。これまでの説明では、V溝の両側面がそれぞれ1つの平面で形成されているものとして説明してきたが、複数以上の平面もしくは曲面で形成されていても良い。図28及び図29にそのような実施の形態の図25におけるAA’断面図を示す。図28と図29において、実線で示した図が磁場を発生させていないとき、点線で示した図が磁場を発生させて可動裸光ファイバ及び加圧体が上方へ移動した様子を示している。
【0136】
図28では、V溝826の側面がなだらかな曲面となっており、基板表面に向かって垂直に近づいている。図29では、V溝827の側面が4つの平面から構成されており、V溝827の上方に位置する2面が、基板の表面に対し略垂直な面で構成されており、その幅を光ファイバの直径以上に形成する。高密度化の為には、V溝827の幅はなるべく小さい方が望ましいことから、下方に位置する2つの斜面の幅をファイバ径より若干大きめに設定する。ここで、図30に、図26及び図28、図29に示した第1の溝の幅を比較した図を示す。可動裸光ファイバの移動量を同じにした場合でも、基板表面における溝の幅を狭くすることができ、同一基板上に並列に複数の光スイッチを配置するなどの高密度化が容易となり、光スイッチの集積化に対応できる。
【0137】
図31は、図25から図27で説明した本発明の実施の形態16に係る光スイッチの製造工程の一例を示す説明図である。
【0138】
はじめに、ステップS101では、基板811に結晶方位が存在する単結晶シリコンを使用する。この単結晶シリコンをエッチング加工し、V溝812を形成する。V溝812は可動裸光ファイバ先端部の移動量以上の深さにする。ここで用いるエッチング加工は、液体のエッチャントに浸して結晶性のもつ異方性を利用するウェットエッチング加工であり、一定の角度を有する側面を形成できる。
【0139】
例えば、(100)ウェハーを使用したときの(111)面や(110)面がそれにあたる。(111)面により基板表面の(100)面に対し54.7°に、(110)面により基板表面の(100)面に対し45°に側面を形成できる。エッチャントには、水酸化カリウム水溶液、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等のシリコンの結晶方位に対し、異方性のエッチング速度を有するアルカリ水溶液を使用する。これらの面は、それぞれの結晶方位に合ったマスク形状をフォトリソグラフィ技術により作製し、エッチングを進行させることで容易に形成可能である。勿論、ラジカルやイオンといった活性化したガスの反応を利用したドライエッチングによっても加工可能である。マスク材には、酸化シリコンもしくは窒化シリコンあるいは金属といったシリコンに対しエッチング選択比の高い材料を選択する。
【0140】
また、別の基板の材料として酸化珪素を用いることも有効である。酸化珪素基板の表面を機械的に加工し、V溝812を形成する。例えば、切削用ブレードを高速回転させ、基板表面をカッティングすることにより、ブレード断面形状を転写した形の溝が形成される。ブレードの外周部にテーパをつけることにより一定傾斜角の側面を有する溝となる。ブレードのテーパ角を制御することにより任意の傾斜角の側面を容易に形成できる。図28に示した曲面や図29に示した2段の側面も、ブレード外周の形状をそのような型に形成することにより作製できる。このように機械加工によりV溝を形成する場合、基板の材料として裸光ファイバと同一材料である酸化珪素を選択することが可能である。裸光ファイバと基板との熱膨張係数が一致していることから、広い温度範囲において、固定裸光ファイバのコアと可動裸光ファイバのコアとの相対的な位置関係を一定に保つことが可能となり、挿入損失、反射損失、偏波依存特性等において、温度変化に依存しない、優れた光スイッチを作製できる。
【0141】
続いて、ステップS102では、固定裸光ファイバ813と磁性体818を形成した可動裸光ファイバ814をV溝812に挿入し、所定の位置に配置し接着剤で固定する。温度変化による光損失のばらつきを低減させるため、基板の材料であるシリコンまたは酸化珪素、及び光ファイバの材料である酸化珪素と熱膨張係数が大きく違わない接着剤、例えばエポキシ系接着剤及びセラミック系接着剤の使用が有効である。
【0142】
そして、最後に、ステップS103では、加圧体817を可動裸光ファイバ814の上方に配置し、接着剤で加圧体固定部819を接着する。このとき、加圧体817の荷重が可動裸光ファイバ814に与えられ、可動裸光ファイバ814の端部がV溝812の両側面に接していることを確認する。
【0143】
なお、ステップS102及びS103において、接着剤を使用した接着方法を説明したが、ガラス中の金属イオンが結合の担い手となる陽極接合や、隙間に挿入される水素イオンが結合手となる水素接合、あるいは、それぞれの接合面に金を塗布し、それぞれの金が圧着される金属接合といったような接合方法を利用して固定しても勿論構わない。
【0144】
図32は、図29で説明した本発明の実施の形態16に係る光スイッチの製造工程の一例を示す説明図である。ステップS102とステップS103は図31と同様であるが、ステップS101がステップS301からステップS303に変更される。
【0145】
はじめに、ステップS301は、ステップS101と同様であり、異方性のエッチングを単結晶シリコン基板に施すことより一定角の側面を有するV溝832を形成する。このときのV溝は、図31に示すV溝より浅く形成し、V溝の基板表面での幅は、可動裸光ファイバの直径以上にする。
【0146】
次に、ステップS302では、垂直加工性の優れたドライエッチングによりV溝(第1の溝)を加工する。このとき、第1の溝以外をマスク833で覆い、V溝832だけ加工する。例えば、選択性及び垂直加工性の優れた高密度プラズマエッチングにより、V溝の側面の表面を荒らすことなく垂直方向の加工が可能となる。マスク材には金属や酸化珪素及び窒化珪素を使用し、フォトリソグラフィ技術とエッチングにより高精度にマスクを加工する。加工した溝の深さは、可動裸光ファイバ先端の移動量以上にする。
【0147】
次に、ステップS303では、エッチングによりマスク833を剥離する。
【0148】
また、図33は、図29で説明した本発明の実施の形態16に係る光スイッチの製造工程の別の一例を示す説明図である。ステップS102とステップS103は図31と同様であるが、ステップS101がステップS401とステップS402に変更される。
【0149】
はじめに、ステップS401は、ステップS101と同様であり、異方性のエッチングを単結晶シリコン基板に施すことより一定角の側面を有するV溝834を形成する。図32と同様に、V溝は、図31に示すV溝より浅く形成し、V溝の基板表面での幅は、可動裸光ファイバの直径以上にする。
【0150】
次に、ステップS402では、側面が垂直な板835を基板の表面に貼り付ける。板835の材料は、シリコンや酸化珪素を使用し、接着材を用いたり、或いは陽極接合や水素結合を利用して貼り合わせる。形成された溝の深さは、可動裸光ファイバの移動量以上にする。
【0151】
(実施の形態17)
本発明の実施の形態17に係わる光スイッチについて図34を用いて説明する。本発明の実施の形態17に係わる光スイッチの基本構成は、実施の形態16と同様であり、基板821の上方に、天板824を設けている点が異なる。可動裸光ファイバ823の先端部における断面図(図25におけるBB’断面図)を図34に示す。V溝822に対向して、天板824の表面にV溝825を形成する。基板821の表面におけるV溝822の幅と、天板824の表面におけるV溝825の幅はほぼ等しく、かつ、溝の幅方向におけるV溝822とV溝825の位置もほぼ一致している。天板824に形成したV溝825は、少なくとも可動裸光ファイバ823の先端付近のみに形成されていれば良い。ここで、このV溝825の形状は、図34に示す限りでは無い。実施の形態16に係る光スイッチで説明したような複数の斜面により形成されるV溝(図29)やその一部が曲面のV溝(図28)であっても構わない。図34において、可動裸光ファイバ823が移動してないときを破線、磁気吸引力により上方に移動したときを実線で示す。上方へ移動した可動裸光ファイバ823は、V溝825内に一旦収まる。基板821の水平方向への移動が抑制されているため、加圧体の端部が基板821の表面と平行でなかったり、可動裸光ファイバ823に斜め上方の力が加わることにより、基板821に対し平行方向の荷重が加わった場合においても、天板824のV溝825が基板821のV溝822に上方に配置されていることにより、基板821表面の平行方向への移動が規制され、磁気吸引力が無くなったときに必ずV溝822内に戻り、固定裸光ファイバとの光結合する。
【0152】
この天板に形成するV溝は、基板に形成するV溝と同様の作製方法により形成できる。天板の材料として結晶方位を有する材料を選択した場合、図31におけるS101と同様の工程を採用できる。また、図28もしくは図29のように、側面を曲面としたり、側面を複数の面で構成してその一部を基板に対し垂直な面として形成することも可能である。また、機械加工や貼り合わせの工程により複数の側面を形成することも勿論可能である。このような作製工程で形成するV溝により、同一基板上に並列に複数配置した光スイッチの高密度化が実現する。
【0153】
また、天板を基板に接着する工程においては、陽極接合、水素結合、金属結合といったイオンや金属が結合の担い手となる接合方法を用いる。原子同士の結合により、安定性及び信頼性に優れた接着が可能である。また、接着剤を用いて接着しても構わない。その場合、基板及び天板の材料となる珪素や酸化珪素と熱膨張率が大きく違わないエポキシ系もしくはセラミック系の接着剤の使用が有効である。
【0154】
(実施の形態18)
本発明の実施の形態18に係わる光スイッチについて図35と図36を用いて説明する。本発明の実施の形態18に係わる光スイッチの基本構造は実施の形態16に係わる光スイッチと同様であるが、加圧体の一部に溝が形成されており、この溝で可動裸光ファイバにおける基板表面に平行な方向への変位を制限している。
【0155】
図35は、図25におけるAA’断面を示しており、加圧体844にはV溝846が形成されている。加圧体844に形成したV溝846の幅を、可動裸光ファイバ843の直径以上に設定する。このV溝846の形状は、図35に示す限りでは無い。実施の形態16に係る光スイッチで説明したような複数の斜面により形成されるV溝(図29)やその一部が曲面のV溝(図28)であっても勿論構わない。可動裸光ファイバ83への荷重はV溝846の内面で与えられ、可動裸光ファイバ843は基板841に形成したV溝842の両側面及び加圧体844に形成したV溝846の内面とそれぞれ接した状態で固定裸光ファイバと光結合する。ここで電磁石に電流を流して磁場を発生させ、加圧体844の先端と可動裸光ファイバ843の先端を上方へ移動させた状態を図36に示す。このとき可動裸光ファイバ843は、その断面の中心が基板841の表面より上方に移動している。再度磁場を無くすと、可動裸光ファイバ843は下方へ移動するが、このとき、V溝846により、基板841に平行な方向の可動裸光ファイバ843の移動を抑制するので、V溝842の深さが実施の形態16で述べた例より浅い場合においても可動裸光ファイバ843はV溝842内に戻る。V溝842へ戻った可動裸光ファイバ843はV溝846の内面からの荷重により、図36に示す位置へと戻り、固定裸光ファイバと光結合する。実施の形態18に係る光スイッチにより、部品点数を抑え且つ比較的組立時の精度を必要とせず、高性能な光スイッチを低価格で供給することが可能となる。
【0156】
以上説明してきたように、可動裸光ファイバの先端近傍でその下部に溝がある部分を、溝と反対側から板バネなどの弾性部材で溝方向に押圧する構造であれば、他の方法によっても可動裸光ファイバは溝に沿って容易に整列する。その上、溝内で可動裸光ファイバが過渡的に振動する状態を低減することができる。また、その溝が1本である場合でも複数本である場合でも、同様の構造を用いてそれぞれの溝に押圧することができるので、上述した実施例と同様の効果を有する。
【0157】
さらに、溝が複数である場合、可動裸光ファイバが変位した場合に整列しやすい配置であれば、それぞれが略平行な配置である必要はなく、片持ちはり状の可動裸光ファイバの支点を中心として略半径方向に配置しても良い。また、可動裸光ファイバを駆動するために、磁気力を用いた例を主に述べたが、板バネをバイメタルや形状記憶合金などで作製して、抵抗加熱することで変形させて駆動する方法などでも良いことは言うまでもない。
【0158】
板バネなどを電磁石で駆動する構造などを例示してきたが、その構造の場合には電磁石以外に永久磁石を用いることによって、容易に自己保持機能を追加することができることは言うまでもない。
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる光スイッチによれば、従来の光スイッチに比べて、主要な要素部品を半導体プロセスと類似の作製プロセスで作製可能であるため高精度に大量に作製可能となる。また、構造が比較的簡単であり、板バネなどを用いて光ファイバを押圧することで組立精度の影響が少なく、組立時の調整が容易となる。そのため、大量生産可能で、安価・高性能な光スイッチを提供できる。
【0160】
また、本発明にかかる光スイッチによれば、可動裸光ファイバを板バネなどで押圧する構造であるため、電流により動作状態を切り換えたときの光ファイバ先端が振動する過渡状態を抑えることができる。さらに、電流を流さない状態で光スイッチに振動が加わっても、光路が遮断されることなく安定した特性を得ることができる。
【0161】
さらに、光ファイバと熱膨張係数の近いガラスやシリコンを基板に使用しているため、温度変化に対して安定した動作を行うことができる。また、支持基板などの加工精度が高いため、封止が容易で、湿度変化やゴミなどの環境条件に対する信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかる光スイッチの主要部の構成を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1にかかる光スイッチの構成と動作を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2にかかる光スイッチの構成を示す断面図である。
【図4】従来の光スイッチの構造の一例を示す斜視図である。
【図5】この発明の実施の形態3にかかる光スイッチの構成を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3にかかる光スイッチで用いる複合板バネの構成を示す構成図である。
【図7】本発明の実施の形態4にかかる光スイッチの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態5にかかる光スイッチの主要部の構成を示す構成図である。
【図9】本発明の実施の形態6にかかる光スイッチの主要部の構成を示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態7にかかる光スイッチの主要部の構成を示す構成図、断面図および側面図である。
【図11】この発明の実施の形態8にかかる光スイッチの構成を示す断面図である。
【図12】この発明の実施の形態9にかかる光スイッチの構成を示す断面図である。
【図13】この発明の実施の形態10にかかる光スイッチの主要部の構成を示す上面図(a)、側面図(b)、および側面図(c)である。
【図14】この発明の実施の形態11にかかる光スイッチの主要部の構成を示す構成図である。
【図15】この発明の実施の形態12にかかる光スイッチの構成と動作を示す断面図である。
【図16】この発明の実施の形態13にかかる光スイッチの主要部の構成を示す構成図である。
【図17】本発明の実施の形態14に係る1×2光スイッチの主要部を示す構成図である。
【図18】本発明の実施の形態14に係る1×2光スイッチの主要部を示す構成図におけるAA’断面図である。
【図19】本発明の実施の形態14に係る1×2光スイッチの主要部を示す構成図におけるBB’断面図である。
【図20】本発明の実施の形態14に係る1×2光スイッチの主要部を示す構成図におけるCC’断面図である。
【図21】本発明の実施の形態14に係る1×2光スイッチの主要部を示す構成図におけるDD’断面図である。
【図22】本発明の実施の形態14に係る1×2光スイッチの主要部を示す構成図におけるEE’断面図である。
【図23】本発明の実施の形態15に係る1×2光スイッチの主要部を示す構成図である。
【図24】本発明の実施の形態15に係る1×2光スイッチの主要部を示す構成図におけるEE’断面図である。
【図25】本発明の実施の形態16に係る光スイッチを示す上面図である。
【図26】図25におけるAA’断面図である。
【図27】図25におけるAA’断面図である。
【図28】本発明の実施の形態16に係る光スイッチを示す断面図である。
【図29】本発明の実施の形態16に係る光スイッチを示す断面図である。
【図30】本発明の実施の形態16に係る光スイッチの基板の断面図である。
【図31】本発明の実施の形態16に係る光スイッチの製造工程の一例を示す説明図である。
【図32】本発明の実施の形態16に係る光スイッチの製造工程の一例を示す説明図である。
【図33】本発明の実施の形態16に係る光スイッチの製造工程の一例を示す説明図である。
【図34】本発明の実施の形態17に係る光スイッチを示す断面図である。
【図35】本発明の実施の形態18に係る光スイッチを示す断面図である。
【図36】本発明の実施の形態18に係る光スイッチを示す断面図である。
【符号の説明】
11 可動裸光ファイバ
12 静止裸光ファイバ
13 支持基板
14 V状溝
15 磁性体
16 板バネ
17 ザグリ
18 逃げ溝
19 上部基板
20 コイル
21 鉄芯
22 接着部
23 段差
25 押上用板バネ
30 光スイッチ
31 電磁石
40 複合板バネ
41 固定部
42 リフトバネ部
43 連結部
44 押圧バネ部
45 押圧部
46 リフト部
111 可動裸光ファイバ
112 静止裸光ファイバ
113 支持基板
114 V状溝
116 板バネ
117 ザグリ
118 逃げ溝
119 上部基板
120 コイル
121 鉄芯
122 可動側接着部
123 段差
125 押上用板バネ
126 低位置V状溝
127 高位置V状溝
128 静止側接着部
130 光スイッチ
131 電磁石

Claims (5)

  1. 表面に溝が形成された支持基板と、
    前記支持基板と平行に配置された上部基板と、
    先端部を除く一部が前記溝の一部に配置され片持ち梁状に可動する1本の可動裸光ファイバと、
    前記可動裸光ファイバの前記先端部の端面と対向するように前記溝の一部に固定された固定裸光ファイバと、
    前記可動裸光ファイバの前記先端部を前記支持基板方向に押圧する押圧ばねと、
    前記可動裸光ファイバを載置し、前記可動裸光ファイバの前記先端を前記溝から離す方向に力を加えるとともに、前記押圧ばねと一体に形成されたリフト部とを備え、
    前記押圧ばねと前記リフト部の少なくとも一方が所望の磁気特性を持ち、
    前記押圧ばね前記リフト部の動作を磁気力により制御する制御素子からなり、
    前記押圧ばねは、前記押圧ばねを前記上部基板あるいは前記支持基板に固定する固定部と、前記可動裸光ファイバの前記先端部を前記支持基板方向に押圧する押圧部と、前記固定部と前記押圧部の間に設けられ所望のばね定数を有するばね部とからなり、
    前記リフト部と前記可動裸光ファイバとの接触部分は、前記制御素子により互いに摺動させられるものであり、
    前記可動裸光ファイバが、前記溝に沿って整列あるいは非整列することで、光路の開閉や切り換えを行うことを特徴とする光スイッチ。
  2. 前記可動裸光ファイバと前記固定裸光ファイバは、前記端面が各光ファイバの中心軸方向に垂直な面に対して斜めに形成されることを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 移動した前記可動裸光ファイバの端面の中心が前記支持基板の表面より前記溝の深さ方向に位置することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の光スイッチ。
  4. 前記上部基板に第2の溝を有し、
    前記可動裸光ファイバが前記リフト部により前記溝から離された位置において、前記可動裸光ファイバの端面と対向するように前記第2の溝の一部に固定された第2の固定裸光ファイバを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光スイッチ。
  5. 前記押圧ばねの一部に第3の溝が形成されており、前記第3の溝により前記可動裸光ファイバを押し付けることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の光スイッチ。
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