JPH08201857A - 磁気駆動導波路型光スイッチとその製造方法 - Google Patents

磁気駆動導波路型光スイッチとその製造方法

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JPH08201857A
JPH08201857A JP880795A JP880795A JPH08201857A JP H08201857 A JPH08201857 A JP H08201857A JP 880795 A JP880795 A JP 880795A JP 880795 A JP880795 A JP 880795A JP H08201857 A JPH08201857 A JP H08201857A
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JP
Japan
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movable plate
slit
film
switch
waveguide type
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Application number
JP880795A
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English (en)
Inventor
Makoto Sato
佐藤  誠
Hideo Kobayashi
英夫 小林
Hiroyuki Okubo
博行 大久保
Shigeru Kawamata
繁 川又
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電力及び挿入損失が小さく、しかも外部
磁場の影響を受けない磁気駆動導波路型光スイッチ及び
その製造方法を提供する。 【構成】 基板20表面に互いに交差する光導波路2
5,26を形成すると共にその交差部27に光路を切り
替える切替え手段を設けた磁気駆動導波路型光スイッチ
において、交差部27にスリット28を形成し、そのス
リット28に光を直進させるための液体32を封入し、
そのスリット28内に反射させる可動板31を設け、そ
のスリット近傍に、可動板31を移動させて光路を切り
替えるための可動板移動手段35を設けると共に、可動
板31を可動位置に保持させる自己保持手段34とを設
けたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交差する2本の光導波
路の交差部に形成されたスリット内部の屈折率を磁気力
を利用して変化させて光路の切り替えを行う磁気駆動導
波路型光スイッチとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信機器の普及に伴って、低挿入損
失、低クロストーク、小形、高速スイッチング等の特性
を持つ光マトリクススイッチのニーズが高まっている。
【0003】図7は磁気駆動導波路型光スイッチの従来
例であり、図7(a)は導波路の交差部を示す図、図7
(b)はA−A線断面図、図7(c)は図7(b)に示
した可動板の外観斜視図である。
【0004】基板上には2本の互いに交差した光導波路
1,2が形成されており、これらの光導波路1,2の交
差部3にはコア5,6を分断するようにスリット4が形
成されている(図7(a))。
【0005】スリット4内には、図7(c)に示すよう
な一方の表面に光導波路1,2のコア5,6の断面積よ
りも大きな面積の光透過部7と光反射部8とを有し、上
面に磁性体9が積層された可動板10が図の上下方向に
移動自在に挿入されている。コア5及びクラッド11か
らなる光導波路1,2及びスリット4の上にはストッパ
12が設けられており、ストッパ12のスリット4上に
は電磁石13が取付けられている(図7(b))。
【0006】このような磁気駆動導波路型光スイッチ
は、磁性体9を電磁石13の磁界により上方に引付けた
り、スリット4の底部4aに落下させたりすることによ
り、光のスイッチングを行っている。
【0007】ここでスイッチング動作について説明す
る。
【0008】電磁石13に電流を流すと、可動板10に
はその上面に磁性体9が積層されているので、可動板1
0自体が上方に引付けられる。可動板10はストッパ1
2に接触した状態で保持され、その結果、可動板10の
光反射部8のみがコア5を分断するように位置すること
になり、入射ポートXから入射した光は光反射部8によ
り反射され、出射ポートZから出射する。
【0009】次に電磁石13への通電を中止すると、可
動板10はストッパ12から離れてスリット4の底部4
aに位置し、光透過部7のみがコア5に面し、入射ポー
トXから入射した光は出射ポートYから出射する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示した磁気駆動導波路型光スイッチでは、可動板10を
移動させる移動手段が電磁石13からなるため、電磁石
13への通電を中止すると、可動板10が可動位置に留
まることができず、エネルギー的に最も安定な位置(落
下位置)に移動してしまう。このため、可動板10を移
動位置に保持するためには、電磁石13に電流を流し続
けなければならず、消費電力が大きく、また発熱のため
故障の原因になるという問題があった。
【0011】また入射側導波路からの光を出射側導波路
へ透過させる場合には、可動板10とコア5の端面との
間に空気層が存在するために、コア5の屈折率と空気の
屈折率との違いから挿入損失が大きくなる傾向があっ
た。
【0012】さらにスリット4、可動板10及び電磁石
13からなるスイッチング素子の周囲には磁気シールド
が設けられていなかったため、外部磁場の影響を受け、
誤動作するという問題があった。
【0013】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、消費電力及び挿入損失が小さく、しかも外部磁場の
影響を受けない磁気駆動導波路型光スイッチ及びその製
造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、基板表面に互いに交差する光導波路を形成
すると共にその交差部に光路を切り替える切替え手段を
設けた磁気駆動導波路型光スイッチにおいて、交差部に
スリットを形成し、そのスリットに光を直進させるため
の液体を封入し、そのスリット内に光を反射させる可動
板を設け、そのスリット近傍に、可動板を移動させて、
光路を切り替えるための可動板移動手段を設けると共に
可動板を可動位置に保持させる自己保持手段とを設けた
ものである。
【0015】上記構成に加え本発明は、可動板が、スリ
ット内で移動自在な形状に形成されると共に、磁界によ
って可動位置に移動されるための磁性体膜と、光導波路
のコアの断面積を超える面積の反射膜とを有するもので
ある。
【0016】上記構成に加え本発明は、可動板移動手段
が、可動板を可動位置に移動するための磁界を発生する
コイルと、強磁性体とからなる磁界印加部である。
【0017】上記構成に加え本発明は、自己保持手段
が、可動位置に移動された可動板をその可動位置に保持
し続けるための残留磁化を有する強磁性体からなるもの
である。
【0018】上記構成に加え本発明は、スリット、可動
板、可動板移動手段及び自己保持手段からなるスイッチ
ング素子の少なくとも一部に、磁気シールドを施したも
のである。
【0019】本発明は、下側基板表面に互いに交差する
光導波路を形成すると共にその交差部にスリットを形成
し、上記下側基板の上に載置される上側基板の裏面の上
記下側基板のスリットに対応する位置に撥油又は撥水処
理膜を形成し、上記上側基板の表面に強磁性体膜及びコ
イルからなる磁界印加部を形成し、さらに、上記スリッ
ト内に光を直進させるための液体を封入すると共に光を
反射させるための可動板を上記スリット内で移動可能に
挿入し、上記下側基板と上記上側基板とを貼り合わせて
一体化したものである。
【0020】
【作用】上記構成によれば、磁気駆動導波路型光スイッ
チは、自己保持手段を有するので、移動手段を作動し続
けることにより可動板を可動位置に保持することなく、
可動板を移動した位置に留めることができる。このため
余分なエネルギーを消費することがない。
【0021】移動手段が、可動板を可動位置に吸引する
ためのコイルと、強磁性体とからなり、自己保持手段
が、可動位置に吸引された可動板を保持し続けるための
残留磁化を有する強磁性体である場合には、コイルに電
流を流して可動板を移動させた後、コイルへの通電を停
止しても強磁性体には残留磁化があり、この残留磁化に
よって可動板が可動位置に保持されるので、消費電流を
大幅に節約することができ、しかも余分な発熱の発生を
押さえることができるので信頼性が向上する。
【0022】スリット、液体、可動板、可動板移動手段
及び自己保持手段からなるスイッチング素子の周囲に磁
気シールドが施されている場合には、外部の磁場の影響
を受けることがないので、誤動作の発生が防止される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0024】図1は本発明の磁気駆動導波路型光スイッ
チの一実施例を示す。図1(a)は導波路側基板の上面
図、図1(b)はそのB−B線断面図である。なお、図
1(b)は便宜上、上側基板と下側基板とを貼り合わせ
る前の状態を示している。図2(a)は蓋側基板の上面
図、図2(b)は可動板となる前の直方体状の物体の外
観斜視図、図2(c)は可動板の外観斜視図である。
【0025】石英からなる上側基板20の上に、コア2
1,22及びクラッド23,24からなる2本の光導波
路25,26が直交するように形成され、その交差部2
7にはコア21,22を分断するようにスリット28が
形成されている。
【0026】スリット28は、矢印x1方向から光導波
路26aに入射した光がスリット28内の内壁で反射さ
れ、光導波路25bを通り、矢印y2方向に出射するよ
うに形成されている。すなわちスリット28は光の入射
する方向x1と45度の角度をなすように形成されてい
る。
【0027】スリット28内には、図2(c)に示すよ
うに上面に金属の磁性体膜(永久磁石膜)29が形成さ
れ、他のすべての面に光を反射させるため金属膜30が
成膜された可動板31が挿入されると共に、屈折率がコ
ア21,22の屈折率と略等しい液体(屈折率整合液
体)32が適量注入されている。
【0028】コイル33と、自己保持手段としての強磁
性体膜34とからなる可動板移動手段としての磁界印加
部35を取付けた上側基板36でスリット28の空間を
封止し、紫外線硬化樹脂膜37a,37bにより、下側
基板20と上側基板36とを接着するようにしている。
【0029】可動板31がスリット底部28aに位置し
ているときは、液面がコア21,22よりも上方に位置
し、コア21,22と屈折率の略等しい液体32が光路
途中に存在することになるので、x1側の光導波路26
aを通ってきた光はy1側の光導波路26bへ透過する
ようになっている。
【0030】なお、同様に光導波路25a側から入射し
た光もy1,y2方向への光の切替えが可能である。
【0031】38a,38bは撥油処理膜、39a,3
9bは磁気シールド膜、40a,40bは磁気シールド
用下地膜である。
【0032】次に図4(a)、(b)を参照して実施例
の作用を述べる。
【0033】上側基板36の上部に作製したコイル33
に電流(順方向電流とする)を流すと、強磁性体膜34
が磁化され、永久磁石膜29が膜付けされた可動板31
がスリット28の左上部に吸引されて移動する。このと
き、液面がコア21,22の高さよりも下方に移動し、
x1側の光導波路26aを通ってきた光は可動板31の
金属膜30で反射しy2側の光導波路25bを通過する
(図1(a))。一度スリット28の左上部に移動した
可動板31は強磁性体膜34に残留磁化があるため、そ
のまま可動位置から移動せずにスリット28の左上部に
留まる。(図4(a))。
【0034】次にコイル33に通電する電流を逆方向に
することにより、コイル33の磁界を反転させると、ス
リット28の左上部に存在していた可動板31が反発し
て下方に移動する。このとき、液体32の液面がコア2
1,22よりも上方に移動し、コア21,22と屈折率
の略等しい液体がその光路途中に存在するためx1側の
光導波路26aを通ってきた光はy1側の光導波路26
bへ透過していく。反射の場合と同様に、一度スリット
底部28aに移動した可動板31は、強磁性体膜34自
体の残留磁化のため反発してスリット底部28aに保持
される(図4(b))。
【0035】磁気駆動導波路型光スイッチは上述のよう
な自己保持機能を有しており、コイル33に一時的に通
電される電流の方向を切り替えても、強磁性体膜34の
残留磁化により可動板31はスリット28内の移動した
位置に保持される。
【0036】以下に各構成部の製造方法について述べ
る。
【0037】まず上側基板20について述べる。上側基
板20は石英基板上に酸化硅素を主成分としてB、F、
P、Ge等の種々の元素をドープしたコア膜をEB(電
子ビーム)蒸着法により成膜し、コア膜上にWSi金属
膜をスパッタリング法により成膜する。
【0038】WSi金属膜上にレジストを塗布し、露
光、現像によりレジストをパターニングした後、WSi
膜及びコア膜をドライエッチング法によりパターニング
する。クラッド23,24は火炎堆積法、プラズマCV
D法などの成膜法でコア21,22上に成膜される。
【0039】紫外線硬化樹脂膜37aは、紫外線硬化樹
脂をクラッド23,24上にスピンコート法等により成
膜した後、レジストを塗布し、露光、現像によりレジス
トをパターニングし、ウエットエッチングまたはドライ
エッチングにより紫外線硬化樹脂膜37aをパターニン
グする。
【0040】撥油処理膜38aは撥油処理膜をスピンコ
ート法等により成膜した後、レジストを塗布し、露光、
現像によりレジストをパターニングし、ウエットエッチ
ング、またはドライエッチングにより撥油処理膜38a
をパターニングする。
【0041】次に上側基板36の裏面には、紫外線硬化
樹脂をスピンコート法等により成膜し、レジストを塗布
し、露光、現像によりレジストをパターニングした後、
ウエットエッチングまたはドライエッチングにより下側
基板20の紫外線硬化樹脂膜37aと同じようなパター
ンで紫外線硬化樹脂膜37bをパターニングする。
【0042】撥油処理膜38bは、スピンコート法など
により成膜し、レジストを塗布し、露光、現像によりレ
ジストをパターニングした後ウエットエッチングまたは
ドライエッチングにより下側基板20の撥油処理膜38
aと同じようなパターンでパターニングする。
【0043】上側基板36の上側表面には強磁性体膜3
4を成膜し、レジストを塗布し、露光、現像によりレジ
ストをパターニングした後、ウエットエッチングまたは
ドライエッチングによりパターニングする。次に強磁性
体膜34の上にコイル33の金属膜を成膜し、レジスト
を塗布し、露光、現像によりレジストをパターニングし
た後ウエットエッチングまたはドライエッチングにより
パターニングしてコイル33及び強磁性体膜34からな
る磁界印加部35を形成する。
【0044】スリット28の大きさは可動板31が上下
方向に十分移動できる大きさ(例えば幅15μm、高さ
15μm、長さ45μm程度の可動板31を使おうとす
るならば、スリット28の大きさは幅20μm、深さ3
5μm、長さ50μm程度)になるように形成する。
【0045】具体的には火炎堆積後の下側基板20上に
WSi膜を成膜し、レジストを塗布し、露光、現像によ
りレジストをパターニングした後、ドライエッチングに
よりWSi膜、クラッド膜をドライエッチングしてスリ
ット28を形成する。可動板31は、石英基板上に金属
を膜厚15μm成膜し、上方から見たときに幅15μ
m、長さ45μmの長方形となるようにレジストを塗布
し、露光、現像によりレジストをパターニングした後、
ウエットエッチングまたはドライエッチングによりパタ
ーニングして図2(b)に示したような直方体状の物体
41を作製し、上面41aに永久磁石膜29を、他のす
べての面41bに光を反射させるための金属膜30を成
膜することにより図2(c)に示したような可動板31
が作製される。
【0046】液体32としてはコアの屈折率naと略等
しい屈折率の液体であることが望ましくシクロヘキサノ
ール(n;1.4656、沸点;161.1℃)などが
用いられる。
【0047】次に、下側基板20と上側基板36との接
着方法を図3に示す。
【0048】下側基板20と上側基板36とをμmオー
ダーで位置合わせした後、両基板20,36のスリット
28の封止部分に成膜した紫外線硬化樹脂膜37a,3
7bを図のように紫外線UVを照射して両基板を接着す
る。下側基板20と上側基板36とを接着した後、スリ
ット28、可動板31、磁界印加部35及び強磁性体膜
34からなるスイッチング素子の光ファイバ接続部を除
いた表面に磁気シールド用下地膜40及び磁気シールド
膜39を成膜するかまたはスイッチング素子を囲むよう
な磁気シールドの囲いを取付ける。このような磁気シー
ルドを施すことによりスイッチング素子の外部からスイ
ッチング素子内部へ浸入してくる外部磁場を防ぐことが
できる。
【0049】ここで磁気駆動導波路型光スイッチの最適
条件についての根拠を述べる。
【0050】本実施例においてスリット28の空間の容
積は、20μm×35μm×50μm(35000μm
3 )、可動板31の体積は15μm×15μm×45μ
m(10125μm3 )であるので、コア22が図5に
示すようにクラッド上端から8μmのところに存在し、
断面形状が縦8μm、横8μmの正方形のコアを用いる
場合には液体32の液量は次の範囲にしなければならな
い。つまり、可動板31がスリット28の左上部に位置
するときには液面がコアよりも下方に存在しなければな
らず、可動板31がスリット28の空間の底部に位置す
るときには、液面がコアよりも上に存在しなければなら
ないので、液体32の体積VL は数1式
【0051】
【数1】(35−8)×20×50−15×15×45
≦VL ≦20×(35−8−8)×50μm3 となり、この数1式を計算すると数2式
【0052】
【数2】16875≦VL ≦19000μm3 となる。また、スリット28の空間の容積をVS 、上方
から見た断面積をSS 、可動板31の体積をVM 、上方
から見た断面積をSM 、液体32の体積をVL 、コアが
クラッド上の端からxのところに存在し、コアの寸法が
高さy、幅zであるとすれば、上述と同様にして、数3
【0053】
【数3】(VS /SS −x)×SS −VM ≦VL ≦(V
S /SS −x−y)×SS となり、可動板31の高さはスリット28の底部に挿入
したときに、コアの高さ以下でなければならないので、
数4式
【0054】
【数4】VM /SM ≦VS /SS −(x+y) となり、数3式及び数4式を満たすようにVS 、SS
x、yに対するVM 、SM 、VL を適切に設定する必要
がある。
【0055】ここで、下側基板20としてはシリコン基
板あるいは石英基板が用いられ、その上に形成される光
導波路25,26即ちクラッド及びコアの材料として
は、酸化硅素を主成分としてB、F、P、Geなどの種
々の元素をドープしたものが用いられる。可動板31に
蒸着する永久磁石膜29としては、永久磁石のNd(ネ
オジム)−Fe−B系磁石、KS鋼(Fe−Co−W−
Cr−C系磁石)、MK鋼(Fe−Ni−Al系磁
石)、MT鋼(Fe−Co−Al系磁石)、アルニコ磁
石(Fe−Al−Ni−Co系磁石)、Sm(サマリウ
ム)−Co磁石などを膜状にしたものを用い、スパッタ
リング法などで成膜する。
【0056】可動板31は、金属あるいは無機物からな
る直方体状のものとし、スリット28はその中で可動板
31が滑らかに動けるぐらいの大きさとする。強磁性体
膜34としては、コイル33の磁力で強磁性体膜34の
極性が簡単に変わり、磁化率が大きい強磁性体で、か
つ、残留磁化が大きくかつ抗磁力の小さい、つまり軟磁
性の強磁性体が好ましい。コイル33としては大きな磁
界を発生できるような金属膜、例えばAu、Alなどの
金属膜をパターニングしたものを用いる。撥油処理膜3
8a,38bは、液体32との接触角の大きいフッ化樹
脂膜などをパターニングしたものを用いることができ、
図1及び図4に示すように、撥油処理膜38a,38b
がスリット28の周りに存在するために、紫外線硬化樹
脂膜37a,37bの張り合わせ部において液体32が
濡れることを防ぐことができる。
【0057】以上において本実施例では、2本の光導波
路が交差する交差部にスリットを形成し、そのスリット
内に光を反射させる可動板を設け、そのスリット近傍
に、可動板を移動させて光路を切り替える可動板移動手
段を設けると共に可動板を可動位置に保持させる自己保
持手段とを設けたので、自己保持機能を有し、挿入損失
が小さく、しかも外部磁場の影響を受けない磁気駆動導
波路型光スイッチ及びその製造方法を実現することがで
きる。
【0058】尚、本実施例では強磁性体膜を使用し、強
磁性体膜の磁化方向を反転させることにより可動板を移
動させたが、強磁性体膜の代わりに蓋側基板の上方から
磁石を近付けて可動板を引き上げたり、磁石を遠ざけて
可動板を重力落下させたりすることや、磁化方向を外部
制御で反転するような磁化方向の反転可能な磁石を用い
ることやコイルの電流方向の変更、電流のオン・オフ、
あるいはコイルの代わりに電磁石を用いても同様の光ス
イッチング機能が得られる。
【0059】また本実施例の光スイッチの動作時間をよ
り短くするには可動板に作用する磁力を大きくして駆動
力を高め、その移動速度を高めることにより達せられ
る。
【0060】さらに本実施例では導波路側基板と蓋側基
板との接着に紫外線硬化樹脂を用いたが、金属とその合
金膜あるいは無機膜など、例えばPb:Snが6:4あ
るいは7:3であるような半田を用いても両基板を接着
することができる。
【0061】磁界印加部についてはその箇所を一か所に
だけに限らず複数箇所に作製することにより可動板の位
置決め精度を高めたり、スイッチング速度を高めたりす
ることができる。
【0062】光導波路の交差角度については90度に限
定されず90度〜180度でもよい。その場合、スリッ
トと導波路との交差角度は、導波路同士の交差角度の半
分の値となる。可動板はその材質として金属ではなく無
機物でもよい。また、可動板移動時に蓋側基板下部やス
リット空間の底部へ可動板が衝突して可動板が破損する
のを防止するために、可動板には金属膜及び永久磁石膜
の膜付けの後、上下表面に衝撃吸収膜を付加することも
考えられる。さらに本実施例では撥油処理膜をスリット
周りに形成したが、液体として親水性の液体を用いる場
合には撥水処理膜を用いる。図1〜図5に示した実施例
では2入力2出力、いわゆる2×2型光スイッチの場合
であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、
図6に示すようなn×m型光スイッチ(n>2、m>
2)にも適用することができる。
【0063】同図において50はスイッチング素子、A
−1〜A−4は入射側光ファイバ、B−1〜B−4は透
過側光ファイバ、C−1〜C−4は反射側光ファイバ、
51は紫外線硬化樹脂膜、52はコア導波路、53は可
動板、54は撥油処理膜をそれぞれ示している。スイッ
チング素子50を切り替えることにより入射側光ファイ
バA−1に入射した光を、透過側光ファイバB−1〜B
−4、反射側光ファイバC−1〜C−4のいずれにも高
速、低消費電力で出射させることができる。
【0064】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0065】(1) コアと反射板との間に空気層ではな
く、コアと略屈折率の等しい液体が存在するため、挿入
損失が小さい。
【0066】(2) 残留磁化の大きいコイルを用いて自己
保持機能を持たせることにより、消費電力を小さくする
ことができる。
【0067】(3) スイッチング素子の周囲を磁気シール
ドで覆うことにより外部磁場の影響を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気駆動導波路型光スイッチの一実施
例を示す図であり、(a)は導波路側基板の上面図、
(b)はそのB−B線断面図である。
【図2】(a)は図1に示した磁気駆動導波路型光スイ
ッチの蓋側基板の上面図、(b)は可動板となる前の直
方体状の物体の外観斜視図、(c)は可動板の外観斜視
図である。
【図3】図1に示した磁気駆動導波路型光スイッチの導
波路側基板と蓋側基板との接着方法を示す図である。
【図4】図1に示した磁気駆動導波路型光スイッチの動
作原理を示す図である。
【図5】図1に示した磁気駆動導波路型光スイッチのス
リットに注入する液体の体積範囲を計算するために用い
た図である。
【図6】図1に示した磁気駆動導波路型光スイッチを4
×8型導波路光スイッチに適用した実施例を示す図であ
る。
【図7】磁気駆動導波路型光スイッチの従来例であり、
(a)は導波路の交差部を示す図、(b)はA−A線断
面図、(c)は(b)に示した可動板の外観斜視図であ
る。
【符号の説明】
20 基板(下側基板) 25,26 光導波路 27 交差部 28 スリット 31 可動板 32 液体(屈折率整合液体) 34 自己保持手段(強磁性体膜) 35 可動板移動手段(磁界印加部) 36 上側基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 博行 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンタ内 (72)発明者 川又 繁 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンタ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板表面に互いに交差する光導波路を形
    成すると共にその交差部に光路を切り替える切替え手段
    を設けた磁気駆動導波路型光スイッチにおいて、上記交
    差部にスリットを形成し、そのスリットに光を直進させ
    るための液体を封入し、そのスリット内に光を反射させ
    る可動板を設け、そのスリット近傍に、該可動板を移動
    させて、光路を切り替えるための可動板移動手段を設け
    ると共に上記可動板を可動位置に保持させる自己保持手
    段とを設けたことを特徴とする磁気駆動導波路型光スイ
    ッチ。
  2. 【請求項2】 上記可動板が、上記スリット内で移動自
    在な形状に形成されると共に、磁界によって可動位置に
    移動されるための磁性体膜と、上記光導波路のコアの断
    面積を超える面積の反射膜とを有する請求項1記載の磁
    気駆動導波路型光スイッチ。
  3. 【請求項3】 上記可動板移動手段が、上記可動板を可
    動位置に移動するための磁界を発生するコイルと、強磁
    性体とからなる磁界印加部である請求項2記載の磁気駆
    動導波路型光スイッチ。
  4. 【請求項4】 上記自己保持手段が、上記可動位置に移
    動された可動板をその可動位置に保持し続けるための残
    留磁化を有する強磁性体からなる請求項3記載の磁気駆
    動導波路型光スイッチ。
  5. 【請求項5】 上記スリット、可動板、可動板移動手段
    及び自己保持手段からなるスイッチング素子の少なくと
    も一部に、磁気シールドを施した請求項4記載の磁気駆
    動導波路型光スイッチ。
  6. 【請求項6】 下側基板表面に互いに交差する光導波路
    を形成すると共にその交差部にスリットを形成し、上記
    下側基板の上に載置される上側基板の裏面の上記下側基
    板のスリットに対応する位置に撥油又は撥水処理膜を形
    成し、上記上側基板の表面に強磁性体膜及びコイルから
    なる磁界印加部を形成し、さらに、上記スリット内に光
    を直進させるための液体を封入すると共に光を反射させ
    るための可動板を上記スリット内で移動可能に挿入し、
    上記下側基板と上記上側基板とを貼り合わせて一体化し
    たことを特徴とする磁気駆動導波路型光スイッチの製造
    方法。
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