JP2003121765A - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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JP2003121765A
JP2003121765A JP2001313364A JP2001313364A JP2003121765A JP 2003121765 A JP2003121765 A JP 2003121765A JP 2001313364 A JP2001313364 A JP 2001313364A JP 2001313364 A JP2001313364 A JP 2001313364A JP 2003121765 A JP2003121765 A JP 2003121765A
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optical switch
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JP2001313364A
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English (en)
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Toshishige Shibazaki
利成 柴崎
Teruaki Takeuchi
輝明 竹内
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Maxell Holdings Ltd
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Hitachi Maxell Ltd
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  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で簡易な構造を有し、安価に製造可能な
光スイッチを提供する。 【解決手段】 光スイッチ100は素片10と磁界印加
部200を備える。素片10は、可撓性を有する基体1
上に磁歪材料薄膜3及び反射膜4を備え、素片10で入
射部31からの光を反射させる。磁歪材料薄膜3は磁化
方向に伸びたり縮んだりする性質を有し、素片10は、
磁歪材料薄膜3の伸び縮みに応じて撓み量が変化する。
磁界印加部200で素片10に異なる方向の磁界を印加
して素片10の撓み量を変化させる。これにより素片1
0で反射する光の方向が変化するため、光入射部31か
らの光を、出射部32の光ファイバ14または15に光
路を切り替えることができる。さらに、予め素片10を
所定の角度θで配置しておくことにより磁界トルクの影
響を軽減し、効果的な撓み量を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光の伝送経路を切
り替える光スイッチに関し、特に、光の反射方向を変化
させることによって光の伝送経路を切り替える光スイッ
チに関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムにおいては、光通信回線
を切り替えるために光スイッチが必要である。光スイッ
チの方式の一つとして、例えば、光路上に反射ミラーを
配置し、その角度を変化させることにより光の反射方向
を変える方式の光スイッチが知られている。かかる光ス
イッチにおいて、反射ミラーの角度を変化させる方法と
しては、例えば、静電方式、圧電方式、磁気力方式など
が知られており、磁気力方式を用いた光スイッチは、電
力を連続的に供給し続けなくても反射ミラーの角度を一
定に保持できるという点で優れている。
【0003】従来の磁気力方式の光スイッチの一例とし
て、例えば、特開2000−162520号には、磁石
と電磁石との吸引力を利用した光スイッチが開示されて
いる。この文献に記載されている光スイッチは、磁性体
が取り付けられているミラーが3次元的に運動可能な支
持体を介して基板に取り付けられるとともに、ミラー近
傍に電磁石を設けて構成されている。かかる光スイッチ
では、電磁石を動作させて電磁石から磁界を発生させ、
ミラーに取り付けられている磁性体を磁気的な相互作用
により電磁石に引き付け、ミラーに入射したレーザを所
定の方向にスイッチングさせている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
磁気力方式の光スイッチにおいては、ミラーに磁性体を
取り付けるとともに、変形可能な支持体を介してミラー
を基板に取り付ける必要があるために、部品点数が多く
なるとともに構造が複雑になり、製造工程もまた複雑化
するという問題があった。
【0005】本発明は、上記従来技術の問題を解決する
ためになされたものであり、その目的は、小型で簡易な
構造を有し、容易に製造できる新規な光スイッチを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の態様に従えば、
光の伝送経路を切り替えるための光スイッチにおいて、 光入射部と;光出射部と;基体、磁歪材料からなる薄膜
及び反射膜を含む素片と;上記素片に磁界を印加するた
めの磁界印加手段と;を備え、 上記素片が、磁界印加手段から発生する磁界の方向に対
して所定の角度で傾斜して配置され;上記磁界印加手段
の磁界印加による上記素片の撓みの違いを利用して光入
射部からの光を光出射部に切り替えることを特徴とする
光スイッチが提供される。
【0007】本発明の光スイッチは、基体上に磁歪材料
からなる薄膜が形成された素片を備えており、かかる素
片は、光路を切り替えるための素子として機能する。素
片は、例えば、薄い平板状の基体上に磁性材料薄膜と反
射膜とが形成されて構成されており、素片の一端は支持
部によって支持され、他方の端部が所定の角度で撓んで
いる。光スイッチの光入射部から入射した光は、素片の
反射膜により反射して、反射光は光出射部に導かれる。
ここで、素片を構成する磁歪材料は、所定の方向に磁化
したときに、その方向に伸びるかあるいは縮む性質を有
している。磁化した方向に伸びるか縮むかは磁歪材料の
種類により異なる。磁化した方向に伸びる性質を有する
磁歪材料を用いて素片を構成した場合、素片に対して磁
界印加手段により、例えば、素片長手方向(素片の縦方
向とする)に磁界を印加すると、磁歪材料薄膜は素片縦
方向に伸びるため、基体と磁歪材料薄膜との間にずれ応
力が発生し、素片は、磁歪材料薄膜の形成されている側
が外側になるように反り返る。すなわち、素片が撓む。
一方、素片に対して、素片長手方向に垂直な方向、例え
ば、素片の面内において長手方向に垂直な方向(素片の
横方向とする)に磁界を印加すると、磁歪材料薄膜は、
素片縦方向への伸びが無くなって元の状態に戻る。この
ように素片の撓みが、素片に印加される磁界の方向に応
じて発生するため、光入射部から素片表面に入射した光
は、それぞれ違う角度で反射される。したがって、素片
の撓みの有無に応じてそれぞれ違う角度で反射した反射
光が受光されるように、二つの光出射部を光スイッチ内
で位置付けることにより、光の伝達経路を切り替える光
スイッチングが可能となる。
【0008】さらに本発明においては、図4に示すよう
に磁界印加方向(X方向)に対して磁歪素片を予め所定
角度で傾斜させて配置している。このように素片を磁界
印加方向に対して傾斜配置させる理由を図6を用いて説
明する。図6に示すように、磁界を印加しない状態で素
片10を磁界印加方向に配置した場合(傾斜角0度)、
素片10は印加磁界により上述の原理に従って例えば図
示のように下方に撓む。ここで、素片10の磁化は印加
磁界によりその長手方向に揃えられているので、素片1
0の磁化方向は磁界印加方向に対して所定角度をなして
いる。それゆえ、印加された磁界は素片10を磁界印加
方向に戻す方向に磁気トルクを発生させる。すなわち、
この磁気トルクは前述の磁歪素片の撓みを抑制するよう
に作用する。そこで、本発明では、磁歪素片を磁界印加
方向に対して、素片が撓む向きと逆向きに傾斜させて配
置することにより、素片が撓んだときに磁気トルクが最
小となるようにしている。これにより、所定の磁界強度
の下で最大の撓み量を獲得することができる。
【0009】磁性材料の磁歪定数(元の長さに対する伸
びまたは縮みの変化量)は10−5〜10−3程度で極
めて微小であるが、基体と磁歪材料薄膜の厚みや材料を
適当に調整することにより、素片の撓み量を大きくし
て、撓みがある場合の反射光の光路を撓みがない場合の
反射光の光路と明確に区別することができる。
【0010】本発明において、素片を構成する基体は、
可撓性を有するとともに所定の曲げ弾性を有する材料か
ら形成し得る。基体を形成する材料としては、例えば、
シリコン、酸化シリコン、ガラス、銅ニッケル合金など
を用いることができる。
【0011】本発明において、磁歪材料は、希土類元素
と鉄族元素の合金から構成することが好ましい。かかる
磁歪材料は大きな磁歪を有するため最適である。希土類
元素としては、テルビウム(Tb)、サマリウム(S
m)、ジスプロシウム(Dy)からなる群から選ばれた
少なくとも1種を用いることができ、鉄族元素として
は、鉄、コバルト、ニッケルからなる群から選ばれた少
なくとも1種を用いることができる。
【0012】素片を構成する反射膜は、基体の少なくと
も一方の表面に形成され得、磁歪材料薄膜上に形成され
ていても、基体に対して磁歪材料薄膜が形成されている
側とは反対側に形成されても良い。反射膜は、基体の表
面の全面に形成されていても、光が入出射する領域にの
み部分的に形成されていても良い。
【0013】本発明の光スイッチにおいて、磁界印加手
段は、素片に対して、2方向に磁界を印加できるように
構成し得、例えば磁界印加により撓んだ状態の素片のほ
ぼ長手方向(縦方向)と長手方向にほぼ垂直な方向(横
方向)、或いは、素片のほぼ長手方向と素片のほぼ厚み
方向に磁界を印加できるように構成し得る。磁界印加手
段は、例えば、永久磁石やコイルを用いて構成すること
ができる。磁界印加手段としてコイルを用いる場合は、
発生させる磁界強度を大きくする目的で、鉄やパーマロ
イなどの軟磁性体などから形成される磁心を備えること
が好ましい。
【0014】本発明の光スイッチは、支持部によって一
端が支持された素片の他端を支持するストッパを備え得
る。かかるストッパは、磁界印加手段の印加により生じ
る素片の撓み或いは反りを制限することができる。
【0015】本発明の光スイッチにおいて、光入射部及
び光出射部は、例えば、光ファイバを用いて形成するこ
とができ、光ファイバの光出射側または光出射側にはレ
ンズなどの光学素子を備えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う光スイッチに
ついて具体的に説明するが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0017】
【第1実施例】図1に、本発明に従う光スイッチの概略
平面図を示す。また、図2に、図1に示した光スイッチ
のA−A方向の断面図を示す。図1及び2に示すよう
に、光スイッチ100は、素片10と、該素片10の一
端を支持する支持部19と、素片10の他端を支持して
動作を制限するストッパ11及び12と、素片10に磁
界を印加するための磁界印加部200と、外部からの光
信号が入力される光入射部31と、外部に光信号を出力
する光出射部32とを備える。光入射部31は、光ファ
イバ13と、光ファイバ13の光出射側に設けられたレ
ンズ18から構成される。光出射部32は、光ファイバ
14とその光入射側に設けられたレンズ17、及び、光
ファイバ15とその光入射側に設けられたレンズ16か
ら構成される。
【0018】図3に素片10の概略断面図を示した。図
3に示すように、素片10は、基板1上に、下地膜2、
磁歪材料薄膜3及び反射膜4を備えた構造を有する。基
板1は、磁歪材料薄膜3の磁化方向による撓みを大きく
する必要性があることから、十分に薄いことが望まれ
る。このため、シリコン基板の表面を熱酸化して所望の
厚さの酸化層を形成し、裏面から水酸化カリウム溶液で
エッチングして薄い基板を形成した。こうして縦1.0
cm、横0.5cm、厚さ2μmの平板状のSiO
板を作製した。ここでは基板1としてSiOを用いた
が、弾性を有する金属箔を用いることもできる。
【0019】つぎに、かかる基板1上に、スパッタ法を
用いて、下地膜2、磁歪材料薄膜3、反射膜4を順に形
成した。まず、基板1上に、下地膜2としてチタンを膜
厚10nmにて成膜した。次いで、下地膜2上に、磁歪
材料薄膜3としてテルビウム−鉄非晶質合金を膜厚2μ
mにて成膜した。ここでは、磁歪材料としてテルビウム
−鉄非晶質合金を用いたが、結晶質のテルビウム−鉄合
金、テルビウム−ジスプロシウム−鉄合金などを用いる
こともできる。つぎに、磁歪材料薄膜3上に反射膜4と
してアルミニウムを膜厚50nmにて成膜した。ここで
は、反射膜4を形成する材料としてアルミニウムを用い
たが、金、白金などの金属材料を用いることができ、反
射膜4として誘電体多層膜を用いることもできる。
【0020】図2に示すように、磁界印加部200は、
Xコイル22及び23、Yコイル24及び25、並びに
磁心21から構成される。磁心21は、素片10の四辺
を取り囲むような四角形(額縁状)の金属製の枠であ
り、Mn−Znフェライトで形成されている。ここで
は、磁心21を形成する材料として酸化物材料を用いた
が、鉄やパーマロイ、鉄コバルト合金などの軟磁性材料
を用いることができる。磁心21の横片21c及び21
dは、それぞれ、Xコイル22及び23の磁心として機
能し、磁心21の縦片21a及び21bが、それぞれ、
Yコイル24及び25の磁心として機能する。磁心21
の横片21c及び21dの対向する部分、例えば、横片
21cのX方向端部と横片21dのX方向端部が、同じ
極性になるように、Xコイル22及び23にそれぞれ電
流が供給される。これにより、Xコイル22及び23に
よって挟まれた素片10には、図2中、X方向の磁界H
xが印加される。また、磁心21の縦片21a及び21
bの対向する部分、例えば、縦片21aのY方向端部と
縦片21bのY方向端部が、同じ極性になるように、Y
コイル24及び25にそれぞれ電流を流すことにより、
Yコイル24及び25によって挟まれた素片10に、図
2中、Y方向の磁界Hyを印加することができる。
【0021】つぎに、光スイッチ100の動作について
説明する。まず、磁界印加部200のXコイル22及び
23に電流を流して素片10に長手方向の磁界Hxを印
加する。磁界Hxの磁界強度は、例えば、100〔O
e〕〜500〔Oe〕程度にすることができる。これに
より、素片10の磁歪材料薄膜3は長手方向(X方向)
に伸張するため、素片10は図1の波線で示した位置か
ら、実線で示した位置に、即ち、下方に撓む。このと
き、素片10の他端はストッパ12と接触して支持さ
れ、素片10の撓みが制限される。このとき、光入射部
31の光ファイバ13から出射された光はレンズ18を
通って素片10に入射し、素片10の反射膜4で所定の
角度で反射された後、光出射部32のレンズ16を通っ
て光ファイバ15に入射される。ここで、Xコイル22
及び23への電流の供給を停止して磁界印加部200か
ら発生させる磁界Hxを零にしても、素片10の磁歪材
料薄膜3の保磁力により磁歪材料薄膜3は磁化したまま
であるため、素片10はそのまま撓み続ける。それゆ
え、光ファイバ13から出射した光は、後述する磁界H
yを印加して光スイッチを切換えない限り、光ファイバ
15に入射される。
【0022】次いで、磁界印加部200のXコイル22
及び23への電流の供給を停止した状態で、Yコイル2
4及び25にそれぞれ電流を流して、素片10に磁界H
yを印加する。かかる磁界Hyの印加により、素片10
の磁歪材料薄膜3においては長手方向(Hxの方向)の
伸張が無くなるため、図1において、素片10の撓み量
は減少し、素片10は図1の破線で示した位置に戻る。
このとき素片10の他端がストッパ11と接触して支持
される。この状態で、光入射部31の光ファイバ13か
ら出射された光はレンズ18を通って素片10に入射
し、素片10の反射膜4で所定の角度で反射された後、
破線で示した光路を経て光出射部32のレンズ17を通
って光ファイバ14に入射される。ここで、Yコイル2
4及び25に供給する電流を停止して磁界印加部200
から発生させる磁界Hyを零としても、素片10の磁歪
材料薄膜3の保磁力により磁歪材料薄膜3は磁化したま
まであるので素片10の撓み量は一定に保持される(こ
の場合、撓みは殆どない)。このため、光入射部31の
光ファイバ13から出射した光は、素片10により光出
射部32の光ファイバ14の方に反射される。
【0023】このように、光スイッチ100は、磁界印
加部200のXコイル22及び23とYコイル24及び
25に供給する電流を切り替えることにより、素片10
の撓み量を変化させて、光入射部31の光ファイバ13
からの光を、光出射部32の光ファイバ14または光フ
ァイバ15の存在する方向に反射させることが可能であ
るため、光伝送経路のスイッチングが実現できる。ま
た、光スイッチ100のXコイル22、23及びYコイ
ル24、25に流す電流は、素片10の状態を切り替え
るとき、すなわち光伝送経路を切り替えるときのみでよ
く、素片10の状態を保持するためにXコイル22、2
3またはYコイル24、25に電流を流し続ける必要は
ない。
【0024】
【第2実施例】本発明の光スイッチの第2実施例を図4
及び5を用いて説明する。光スイッチ300は、素片1
0を磁界印加部200から磁界Hxの印加方向に対して
角度θだけ傾斜させて配置し、さらに厚さ40μmのフ
ィルム状ポリイミドを素片の基体として用いた以外は、
実施例1の光スイッチ100と同様にして構成した。第
1実施例では、素片10はほぼ磁界Hxの印加方向に沿
って配置されており、磁界が印加されて素片10が撓む
に従って、磁界Hxに対する素片10の向きが傾斜す
る。ここで、素片10の磁化は素片の長手方向に向いて
いるので、素片10が磁界Hxに対して傾斜角を有する
と、素片10(の自由端)を磁界Hxの方向に戻すよう
な磁気トルクが作用する。それゆえ、磁歪材料薄膜3の
延びによる素片の撓みは、この磁気トルクにより抑制さ
れることになる。これに対して、本実施例では、図4に
示すように、素片10を磁界Hx(X方向)に対して予
め角度θだけ傾斜させて配置させている。こうすること
により、磁界Hxが素片10に印加されると素片10は
支持部19を基点として時計方向に撓み、素片10の長
手方向は磁界Hxの方向に揃うことになる。すなわち、
素片10は磁気トルクがかからない方向に撓もうとす
る。それゆえ、素片10の撓みは磁気トルクにより抑制
されることがなく、逆に磁界印加開始時に発生する磁気
トルクにより素片10を一層容易に撓ませることが可能
になる。
【0025】ここで、素片の磁界Hx方向に対する最適
傾斜角θを調べるために、θを0度、2度、4度及び6
度の4種の値に変更して素片の撓み量をそれぞれ測定し
た。撓み量は、図7に示すように素片10の支持部10
を基点として素片10の自由端の回転角度δとして測定
した。また、撓み量は印加する磁界強度に依存するため
に、磁界Hxの強度を0〜3000〔Oe〕までの範囲
で変化させながら測定した。測定結果を図8に示す。い
ずれの磁界強度においても傾斜角度θが大きいほど素片
の傾斜角度θが大きいほど素片の撓み量δが大きいこと
が分かる。例えば、磁界強度1500〔Oe〕において
は、素片を傾斜しない場合(θ=0)に比べて、4度傾斜
した場合には撓み量が10%、6度傾斜した場合には撓
み量が15%増大していることが分かる。この結果から
すれば、この実験に用いた素片では傾斜角θとして6度
が最適であることが分かる。このように、実際に光スイ
ッチに用いる素片の材料及び寸法などに応じて素片の最
適傾斜角度を求めて、その傾斜角度で磁界印加部に対し
て配置することにより、少ない磁界で有効に光反射方向
を切り替えることができる。それゆえ、小型で且つ省電
力な光スイッチを構成することができる。
【0026】理論的には、磁歪材料薄膜の磁歪定数、素
片の長さ、基体材料及び印加する磁界強度などにより素
片の最大撓み量δmaxが決定される。それゆえ、素片を
磁界印加部に対して配置させるときに、素片を磁界Hx
に対して最大撓み量δmaxになるように予め傾斜させれ
ば(δmax=θ)、磁気トルクによる悪影響を最も効果
的に抑制し、最大の撓み量を得ることができる。
【0027】以上、本発明の光スイッチについて実施の
形態により具体的に説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、種々の変形及び改良を含み得る。例
えば、上記実施の形態では、図2示すように、素片10
に対する印加磁界の方向をX方向とY方向に切り替える
ことによって素片の撓み量を制御したが、例えば、X方
向と素片10の厚み方向(紙面に対して垂直な方向)に
印加磁界の方向を切り替えて素片の状態を制御すること
もできる。素片の厚み方向に磁界を印加するには、例え
ば、図1において、素片の10の上下に電磁コイルや永
久磁石を配置させればよい。或いは、磁心としての金属
製の枠を、該枠を含む平面と素片表面とが互いに垂直に
なるように配置してもよい。また、磁界印加部200
は、素片10に対してX方向の磁界Hxを発生させるた
めに、Xコイル22とXコイル23の2つのコイルを用
いたが、Xコイル22と23のどちらか一方のコイルを
用いて素片10にX方向の磁界を印加することもでき
る。この場合は、磁心21の縦片21a及び21bのそ
れぞれの中間部分にギャップを形成すればよい。これに
より、磁心21の縦片21aのギャップ部分から縦片2
1bのギャップ部分に向かって磁界が発生するため、縦
片21aのギャップ部分と縦片21bのギャップ部分と
の間に位置する素片10にX方向の磁界を印加すること
ができる。また、素片10に対してY方向の磁界Hyを
発生させる場合も同様に、Yコイル24とXコイル25
の2つのコイルを用いずにどちらか一方のコイルを用い
て素片10にY方向の磁界を印加することもできる。こ
の場合は、磁心21の横片21c及び21dのそれぞれ
の中間部分にギャップを形成すればよい。これにより、
磁心21の横片21cのギャップ部分から横片21dの
ギャップ部分に向かって磁界が発生するため、それらの
間に位置する素片10にY方向の磁界を印加できる。
【0028】また、図1に示した光スイッチでは、素片
10を、基板1に対して、光入出射する側に磁歪材料薄
膜3を形成して構成したが、光入出射する側とは反対の
側に磁歪材料薄膜3を形成して素片10を構成すること
もできる。また、図1に示した光スイッチ100では、
光入射部31と光出射部32を上部に位置付けて構成し
たが、下部に位置付けることもできる。この場合は、素
片10の反射膜4を基板1の裏面に形成して素片10の
裏面で光を反射させるようにすればよい。
【0029】
【発明の効果】本発明の光スイッチは、極めて簡単な構
成で光伝送経路のスイッチングを実現することができ
る。また、光スイッチを製造する際の製造工程を簡略に
することができるため、安価な光スイッチを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う第1の実施例の光スイッチの概略
平面図である。
【図2】図1に示した光スイッチのA―Aによる断面図
である。
【図3】本発明に従う光スイッチに用いられる素片の概
略断面図である。
【図4】本発明に従う第2の実施例の光スイッチの概略
平面図である。
【図5】図4に示した光スイッチのA―Aによる断面図
である。
【図6】磁気トルクの影響を記載した概念図である。
【図7】本発明に従う光スイッチに用いられる素片に関
する、素片を配置した時の角度による撓み量の変化を調
べる実験を概略的に説明する図である。
【図8】素片を配置した時の角度に対する撓み量の変化
を示すグラフである。
【符号の説明】
1 基板 2 下地膜 3 磁歪材料薄膜 4 反射膜 10 素片 11、12 ストッパ 13、14、15 光ファイバ 16、17、18 レンズ 19 支持部 21 磁心 22、23 Xコイル 24、25 Yコイル 31 光入射部 32 光出射部 200 磁界印加部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の伝送経路を切り替えるための光スイ
    ッチにおいて、 光入射部と;光出射部と;基体、磁歪材料からなる薄膜
    及び反射膜を含む素片と;上記素片に磁界を印加するた
    めの磁界印加手段と;を備え、 上記素片が、磁界印加手段から発生する磁界の方向に対
    して所定の角度で傾斜して配置され;上記磁界印加手段
    の磁界印加による上記素片の撓みの違いを利用して光入
    射部からの光を光出射部に切り替えることを特徴とする
    光スイッチ。
  2. 【請求項2】 上記反射膜は、上記基体の少なくとも一
    方の面に形成されていることを特徴とする請求項1に記
    載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】 更に、上記素片の一端を支持するための
    支持部材と、上記素片の他端を係止するストッパとを備
    える請求項1または2に記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】 上記磁歪薄膜が、希土類元素と鉄族元素
    とからなる合金を用いて形成されることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】 上記希土類元素が、テルビウム、ジスプ
    ロシウム及びサマリウムからなる群から選択された少な
    くとも1種の元素であり、上記鉄族元素が、鉄、コバル
    ト及びニッケルからなる群から選択された少なくとも1
    種の元素であることを特徴とする請求項4に記載の光ス
    イッチ。
  6. 【請求項6】 上記磁界印加手段は、磁界印加により撓
    んだ状態の上記素片のほぼ長手方向及び素片表面にほぼ
    垂直な方向に磁界を発生することを特徴とする請求項1
    〜5のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  7. 【請求項7】 上記磁界印加手段は、磁界印加により撓
    んだ状態の上記素片の面内においてほぼ長手方向及び長
    手方向に垂直な方向に磁界を発生することを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  8. 【請求項8】 上記磁界印加手段はコイルであることを
    特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光スイ
    ッチ。
  9. 【請求項9】 上記コイルは軟磁性体の磁心を有するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の光スイッチ。
  10. 【請求項10】 上記素片は平板であり、上記磁心は、
    上記平板を取り囲むように配置された四角形状の枠部材
    であり、該枠部材の各辺にコイルが巻きつけられている
    ことを特徴とする請求項9に記載の光スイッチ。
  11. 【請求項11】 上記所定の角度は、印加された磁界の
    下での最大撓み量に相当する角度である請求項1〜10
    のいずれか一項に記載の光スイッチ。
  12. 【請求項12】 上記光入射部及び光出射部は、光ファ
    イバを有することを特徴とする請求項1〜11のいずれ
    か一項に記載の光スイッチ。
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