JP2003202338A - 体液中のコラーゲン断片を測定する方法、該方法を実施するためのテストキット及び手段、並びにコラ−ゲンの代謝に関連する疾患の存在を診断するために該方法を使用する方法・用途 - Google Patents

体液中のコラーゲン断片を測定する方法、該方法を実施するためのテストキット及び手段、並びにコラ−ゲンの代謝に関連する疾患の存在を診断するために該方法を使用する方法・用途

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】コラーゲンの代謝に関する疾患を診断するため
に体液中のコラーゲン断片を測定する方法の提供。 【解決手段】体液の試料をコラーゲン断片に対する少な
くとも一つの免疫学的結合性パ−トナ−と接触させるこ
とから成る体液中のコラーゲン断片を測定する方法にお
いて、前記免疫学的結合性パ−トナ−が、実質的にコラ
ーゲンに由来する配列を有する合成ペプチドと免疫反応
性を示し且つ架橋のための可能な部位を含有するもので
ある前記測定方法。該免疫学的結合性パ−トナ−は、全
抗体としてか又はその免疫学的に活性な断片としてのい
ずれかで、試料中のコラーゲン断片を定量するための測
定方法に組み込まれる。免疫学的結合性パ−トナ−の一
つ又は複数と接触させること以外に、該試料は対応する
合成ペプチドに直接接触させても構わない。更に、該方
法を実施するためのテストキットおよび具体的な手段を
包含する。また、特異的ペプチドの構造も説明・記載す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体液中のコラーゲ
ン断片を測定する方法に関する。本発明は、さらに、本
発明の該方法を実施するのに用いる、合成ペプチド、モ
ノクローナルおよびポリクローナル抗体ならびに細胞系
を含む手段に関する。なおさらに、本発明は、コラーゲ
ンの代謝に関連する疾患、特に骨粗鬆症を診断するため
に前記方法を使用する方法・用途に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】コラーゲンとコラーゲン代
謝疾患 骨粗鬆症はヒトにおいて最も広範に認められる骨の疾病
である。原発性骨粗鬆症は、高い骨折受傷性を伴うので
あるが、骨格の骨質量の漸進的減少に起因する疾患であ
り、アメリカ合衆国だけでも1500万乃至2000万
の人々が罹患していると推定されている。この疾患の基
礎は、骨の再形成、即ち骨組織の形成および吸収の速度
が年齢に依存して不均衡になることである。
【0003】アメリカ合衆国においては毎年、骨粗鬆症
に関連した骨折が約120万件も老人に起こっており、
これには約538000の脊髄の圧縮骨折、約2270
00の股関節骨折および相当数の末梢骨の初期骨折を含
む。股関節骨折については、その12乃至20%が致命
的である。その理由は、重度の外傷および出血を引き起
こし、而も助かった患者の半分は家庭での看護を必要と
する。骨粗鬆症関連傷害から生じる合計コストは今や、
米国で年間少なくとも100億ドルに達する(Riggs, N
ew England Journal of Medicine. 327:620-727(199
2))。
【0004】骨粗鬆症は、閉経後の女性に最も広範に生
起するのであるが、それは平均して閉経後10年以内に
その骨の質量の15%を失うからである。またこの疾病
は、老齢になるに従い男性でもまた若い無月経の女性運
動競技者でも起こる。骨粗鬆症が持つ社会的かつ経済的
影響の重要性は大きく而も増大しているにも係わらず、
患者または健常な被験者において骨吸収速度を測定する
ための信頼できる測定方法は、その利用可能性は極めて
限定されている。コラーゲン代謝の異常を必然的に伴う
(およびこれに関連した)他の疾患としては、パジェッ
ト病、マルファン症候群、骨形成不全、コラーゲン組織
における新生物増殖、小人症、慢性関節リウマチ、変形
性関節症および脈管炎症候群などがある。
【0005】ヒトコラーゲンには、これまでに三種類の
ものが公知であり報告されている。クラスIコラーゲン
は、I型、II型、III型、V型およびXI型にさら
に細分され、フィブリルを形成することが知られてい
る。I型乃至III型のアミノ酸配列を(これまでに解
明されたところまで)添付書類Aとして添付する。
【0006】I型コラーゲンは、骨の有機マトリックス
の90%以上を占めており、従って原理的にはI型コラ
ーゲンの分解を追跡することによって骨吸収速度を推定
することが可能でる。同様に、結合組織を包含する他の
疾病状態は多数あるが、コラーゲンの分解を測定するこ
とによって追跡することが出来る。その例としては、慢
性関節リウマチおよび変形性関節症に関連するII型コ
ラーゲンの分解および脈管炎症候群におけるIII型コ
ラーゲンの分解が挙げられる。
【0007】ヒトIII型コラーゲン、ヒト・プロα1
(II)コラーゲン及びヒトIII型コラーゲンの全プ
レプロα1(III)鎖のアミノ酸配列並びにこれらに
対応するcDNAクローンが、いくつかのグループの研
究者によって研究されその結果決定されている;即ち、
Loil et al., Nucleic Acids Research 12:9383-9394(1
984);Sangiorgi et al., Nucleic Acids Research, 13:
2207-2225(1985); Baldwin et al., Biochem. J., 262:
521-528(1989);およびAla-Kokko et al., Biochem. J.
260:509-516(1989)を参照。
【0008】I、IIおよびIII型コラーゲンは全
て、プロコラーゲン分子として生体内で形成されるので
あるが、このプロコラ−ゲン分子は、コアコラーゲン分
子に結合したN−末端およびC−末端プロペプチド配列
から構成されて成る。コアコラーゲン合成の過程で生体
内で自然に生成するプロペプチドを除去すると、残るコ
ラーゲン分子のコアは、その大半は非三重ラセンである
末端テロペプチド配列を有する三重ラセンから成ってい
る。これらのテロペプチド配列は、細胞外でのコラーゲ
ンフィブリルの分子間架橋が起こる部位として重要な機
能を有する。またこのアルファラセン領域も架橋可能な
部位を含んでいるが、この領域から得られるペプチドは
本発明の一部を構成する。
【0009】分子間架橋結合は、コラーゲンフィブリル
に対して生物力学的安定性を付与する。これらの架橋結
合の形成は、リシンおよびヒドロキシリシンの対応する
アルデヒドへの修飾によって開始される。コラーゲンの
隣接鎖に位置するそれらの残基のうちのいくつかは、自
発的に相異なる分子間架橋結合を形成する。コラーゲン
テロペプチド上にラセン領域から架橋する部位の正確な
位置は、既に以前に報告済である。例えば、Kuehn, K.,
Immunochemistry of the extracellular matrix, 1:1-
29、CRC Press, Inc., Boca Raton, Florida (1982) 、
Eyre, D.R.,Ann. Rev. Biochem., 53:717-48(1984)また
は米国特許第5140103号を参照。さらに、I型、
II型およびIII型コラーゲンにおいて架橋するため
のいくつかの潜在的可能性のある部位について、アミノ
酸配列を後記表1に示す。
【0010】繊維状蛋白質であるコラーゲンおよびエラ
スチンは、リシンまたはヒドロキシリシンの側鎖からの
アルデヒド形成に基づくユニークな機構によって架橋さ
れる。架橋の4つの相同な座がI型、II型およびII
I型コラーゲンの分子で明らかにされている(総説につ
いては、Kuehn, K., Immunochemistry of the extra-ce
llular matrix, 1:1-29 (1982))を参照)。2つはアル
デヒド部位であり、それぞれ各テロペプチド領域におけ
るものである。残りの二つの部位は、分子の各末端から
約90残基離れて対称的に位置するヒドロキシリシンで
ある。コラーゲン分子がフィブリルにパックすると、ラ
セン領域におけるこれらの後者の部位は一列に配列し、
隣接分子中のテロペプチドアルデヒドと反応する。かく
して、3−ヒドロキシピリジニウム残基がヒドロキシリ
シン由来アルデヒドからの成熟架橋結合であるという強
力な証拠が得られる。しかしながら、別の経路、すなわ
ち、リシン残基のアルデヒド結合からの成熟架橋残基は
依然知られていない。
【0011】コラーゲン分解に関する先行技術による測
定方法 これまでに生体内(in vivo)でのコラーゲンの分解を
追跡するため開発されてきた測定方法は、コラーゲンの
分解産物を含む種々の生化学的マーカーを測定すること
によるものであった。しかしながら、これらの方法はい
ずれも、架橋可能部位を持つコラーゲン断片から本質的
に誘導した配列を有する合成ペプチドと免疫反応性を示
す抗体の形態をとる免疫学的結合性パ−トナ−を使用す
るものではなかった。
【0012】例えば、ヒドロキプロリンは、その大半が
コラーゲンおよび骨や他の全ての結合組織における主要
構造タンパク質に限定されているアミノ酸であるが、尿
中に排泄される。その排泄速度は、ある種の状態、特に
前記したごときパジェット病−骨の代謝回転が大幅に増
大する代謝的骨疾患である−において増加することが知
られている。
【0013】このような理由で、これまで尿中ヒドロキ
シプロリンがコラーゲン分解についてのアミノ酸マーカ
ーとして広く使用されてきたのである;Singer, F.R. e
t al., Metabolic Bone Disease, Vol. II (eds. Aviol
i, L.V., and Kane,S.M.), 489-575(1978), Academic P
ress, New York を参照。
【0014】米国特許第3、600、132号は、コラ
ーゲン代謝における変動を追跡するため血清、尿、腰椎
液やその他の細胞間液などの体液中のヒドロキシプロリ
ンの測定方法を開示している。該特許においては、ヒド
ロキシプロリンは、パジェット病、マルファン症候群、
骨形成不全、コラーゲン組織における新生物増殖及び種
々の形態の小人症のような病理学的状態に関連して、コ
ラーゲンの同化および異化が増大することと相関関係が
ある旨述べられている。
【0015】パジェット病に関連する骨吸収はまた、骨
コラーゲンの分解の後に尿に排泄されるヒドロキシプロ
リンを含んだ小さいペプチドを測定することによっても
追跡されてきた;Russel et al., Metab. Bone Dis. an
d Rel. Res. 4 and 5, 255-262(1981) 及び前掲Singer,
F.R., et al.を参照。
【0016】パジェット病の場合は、尿中ヒドロキシプ
ロリンの増加は恐らくは、その大半は骨分解に基くもの
であろう;しかしながら、ヒドロキシプロリンは一般に
は、骨分解についての特異的指標としては使用すること
は出来ない。尿中のヒドロキシプロリンの多くは、新規
のコラーゲン合成(新たに産生された蛋白質のうちのか
なりの量が組織繊維に一体化させることなく分解され、
排泄される)に由来し且つある種の血中タンパク質やヒ
ドロキシプロリンを含有する他のタンパク質の代謝変化
に由来する可能性があるからである。
【0017】さらには、タンパク質分解に由来する遊離
ヒドロキシプロリンの約80%は肝臓で代謝され、決し
て尿には出現しない。Kiviriko, K.I., Int. Rev. Conn
ect.Tissue Res. 5:93(1970)及びWeiss, P.H. and Klei
n, L., J. Clin. Invest. 48:1(1969)を参照。ヒドロキ
シプロリンは骨粗鬆症の良好なマーカーであるが、扱う
のが面倒であって、骨に含まれるコラーゲンに特異的で
ある。
【0018】ヒドロキシリシンおよびその配糖体誘導体
は、共にコラーゲン性タンパク質にとって独特なもので
あって、コラーゲン分解のマーカーとしてヒドロキシプ
ロリンよりも正確であると考えられてきた。しかしなが
ら、ヒドロキシプロリンについて前記したと同様の理由
によって、ヒドロキシリシンおよびその配糖体は、恐ら
くは骨吸収の非特異的マーカーとしては同等であろう;
Krane, S.M. and Simon, L.S., Develop. Biochem. 22:
185(1981)を参照。
【0019】また別の研究者は、関節疾病におけるコラ
ーゲン分解の指標として架橋性化合物である3−ヒドロ
キシピリジニウムを測定してきている。その背景および
例については、Wu and Eyre, Biochemistry, 23:1850
(1984); Black et al., Annals of the Rhematic Disea
ses, 48:641-644(1989); Robins et al; Annals ofthe
Rhematic Diseases, 45:969-973(1986);およびSeibel e
t al., The Journalof Dermatology, 16:964 (1989)を
参照。本発明とは異なって、これらの先行研究者は体液
から得たペプチドを加水分解し、次いで個々の3−ヒド
ロキシピリジニウム残基の存在を探索していたのであ
る。
【0020】I型、II型およびIII型コラーゲンの
分解を測定するための測定方法は、米国特許第4、97
3、666号および米国特許第5、140、103号に
開示されている。しかしながら、これらの両特許とも、
架橋剤である3−ヒドロキシピリジニウムを含有するコ
ラーゲン断片に限定されており、一方本発明は、この具
体的な特別の架橋構造の存在または不存在に依存しない
のである。さらに、前記した測定方法は、抗体を産生さ
せるためおよび測定における抗原のために用いる3−ヒ
ドロキシピリジニウムを含有するコラーゲン断片を尿か
ら精製するという退屈で複雑な操作を必要とする。
【0021】現在のところ、米国特許第4、973、6
66号および米国特許第5、149、103号に記載さ
れたアプローチを用いる臨床データはほとんど利用でき
ない。特に、(前記特許に記載された方法によって測定
した)I型コラーゲンのテロペプチドを含有する3−ヒ
ドロキシピリジニウムの尿中濃度と(骨デンシトメトリ
ーによって反復測定した数値により測定した)現実の骨
損失との間の相関関係に関するデータは公表されていな
い。尿中でのテロペプチドを含有する3−ヒドロキシピ
リジニウムの存在は、骨再吸収過程前の異なる時点にお
いてこのような特異的架橋構造が骨組織において正当に
形成されることを必要とする。これらの過程については
情報は、殆ど入手出来ないので、本発明においては、架
橋構造の正確な形成という、このような依存性を回避し
ようと意図したのである。更には予備的データによれ
ば、本発明の一つの実施態様においてはこの測定方法で
反応性を有する分子の大部分は分子量が4、000ダル
トン以上であることが判っている。これとは逆に、2、
000ダルトン未満の分子量を持つ分子のみが本測定方
法で用いたモノクローナル抗体によって尿中で同定され
るのである;Hanson et al., Journal of Bone and Min
eral Research 7: 1251-1258(1992)を参照。このこと
は、本発明の方法は反応性のプロフィールが極めて多様
であること、即ち、この方法は前記米国特許に記載され
た方法とは違って、極めて異なる分子を検出することを
証明するものである。
【0022】前記研究者は何れも、本発明に記載するよ
うに、コラーゲン分解に際して生体内(in vivo) で自然
に生成する線状の架橋可能コラーゲン断片を特異的に測
定することを報告していない。
【0023】英国特許出願第2、205、643号で
は、体内でのIII型コラーゲンの分解は、体液中のI
II型コラーゲン由来のN−末端テロペプチドの濃度を
測定することによって定量的に測定出来ることが報告さ
れている。この方法は、架橋可能構造の周辺における特
異的で、低分子量である配列と反応性を有する抗体を使
用する方法に関するものではない。つまりこの方法は、
III型コラーゲンを細菌性コラゲナーゼで分解するこ
とによって放出・遊離されたN−末端テロペプチドに対
して生成した抗体を使用するものであって、前記テロペ
プチドは、この方法においては標識されたうえで使用さ
れるのである。
【0024】Schroeter-Kermani らは、Immunol. Invse
t. 19:475-491(1990) においてI型およびII型コラー
ゲンのCNBr断片に基づいた免疫学的測定システムを
記載報告している。ペプシン可溶化コラーゲンを用い、
かかるテロペプチドは組織に残される(前記英国特許出
願第2、205、643号参照)。従って、断片および
それから生成した抗体の間に一致関係はない。更にはこ
の文献には、抽出された組織試料についての測定値しか
記載されていない。
【0025】ペプシン可溶化I型コラーゲンに対して生
成させたモノクローナル抗体の開発が、Werkmeisterら
によってEur. J. Biochem. 187:439-443(1990)に記載報
告されている。この抗体は、組織セグメントの免疫組織
学的染色を行うためにまた細胞培養液中のコラーゲン含
量を測定するために使用される。このような測定は体液
について実施されるものではない。
【0026】欧州特許出願第0505210号は、I型
コラーゲン由来のC−末端テロペプチドに対する抗体試
薬の開発について記載している。免疫原は、ヒト骨コラ
ーゲンを細菌性コラゲナーゼで可溶化することによって
調製される。このようにして調製された抗体は、架橋お
よび非架橋テロペプチドとも反応する能力があり、ピリ
ジノリン以外の架橋剤を使用することができる。しかし
ながら、この方法は、本発明の測定方法とは顕著に異な
る免疫測定方法が得られることになる。
【0027】国際特許出願WO91/09114号によ
れば、固体基質への細胞接着を促進するのに使用され
る、幾つかの合成ペプチドが開示されている。免疫学的
試薬としての合成ペプチドの使用については、言及され
ていない。
【0028】コラーゲン分解は、ある種のプロコラーゲ
ンペプチドを数量化することによって測定できることを
示す多数の報告がある。プロペプチドは、プロコラーゲ
ン分子中の位置および生体内(in vivo) でのその切断の
タイミングによってコラーゲンコアのテロペプチドおよ
びアルファラセン領域から区別される;米国特許第4,
504,587号;米国特許第4,312,853号;
Pierard et al., Analytical Biochemistry 141:127-13
6(1984); Niemala, Clin. Chem. 31/8: 1301-1304(198
5); およびRohde et al., European Journal of Clinic
al Investigation, 9:451-459(1979)を参照。
【0029】欧州特許出願第0298210号および第
0339443号は共に、III型プロコラーゲンペプ
チドおよびその断片の免疫学的測定を記載している。更
には、プロコラーゲンの測定に基づく方法が欧州特許出
願0465104号に開示されている。プロコラーゲン
ペプチドの形成およびコラーゲン断片の形成は異なる時
期に起こり、且つこのような断片はコラーゲン分子の異
なる部分に由来するので、これらの方法は、本発明の方
法とは明らかに異なる。
【0030】免疫学的試薬を開発するためにIX型コラ
ーゲンに由来する配列を有する合成ペプチドの使用が、
PCT特許出願WO90/08195号に開示されてい
る。また同様に、該出願には、体液中のIX型コラーゲ
ン断片の測定するためにこのようにして産生された抗体
を使用する用途が記載されている。IX型コラーゲン
は、架橋可能な部位を含有していないので、この特許出
願は本発明を予測させるものではない。
【0031】米国特許第4、778、768号は、滑液
の液状試料中のプロテオグリカンモノマーまたはその抗
原断片の定量を行うことから成る、関節軟骨内部で生起
する変化を測定する方法に関するものである。この米国
特許は、分解コラーゲンに由来するコラーゲン断片の検
出には関するものではない。
【0032】Dodge, J. は、Clin. Invest.83:647-661
(1981)において、ヒトおよびウシのII型コラーゲンの
解かれたアルファ鎖および臭化シアン誘導ペプチドと特
異的に反応するポリクローナル抗血清を用いるII型コ
ラーゲンの分解を分析する方法を幾つか開示している。
本発明とは異なり、コラーゲンの分解産物は体液中にて
検出されるのではなく、細胞培養の染色によって、即ち
「in situ」検出によって組織化学的に検出されているの
である。Dodgeと本発明の間の主要な差異は、DodgeはI
I型コラーゲンの分解をin situにて測定する点であ
る。
【0033】前記文献のいずれも、分解したフィブリル
コラーゲンの量をin vivoで測定するために実測可能で
あるような、具体的なテロペプチドまたはアルファラセ
ンの構造を特定してはいない。
【0034】1994年2月17日に公開された国際出
願94/03813号は、とりわけすべての締約国につ
いての欧州特許を指定している。従って、それはEPC
第54(3)条の規定になる先行技術となる。
【0035】該出願は、試料中のコラーゲンまたはコラ
ーゲン断片を検出するに際して、コラーゲンのC−末端
またはN−末端ドメインに対応する合成線状ペプチドを
含有する結合性パ−トナ−を線状合成ペプチドに対する
抗体および試料と共にインキュベートし、該抗体の該結
合性パ−トナ−に対する抗体の結合を測定することから
成る競合的免疫測定方法を記載している。この特許出願
は、架橋出来る潜在的な部位を含有する合成ペプチドに
言及しておらず、従って、本出願の新規性を阻害するも
のではない。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明は、患者および健
常なヒト被験者の体液中において特定のコラーゲン断片
が存在するという発見に基づく。このコラーゲン断片
は、コラーゲン分解と共に生成されるので、架橋出来る
潜在的な部位の存在によって、例えば、リシンまたはヒ
ドロキシリシンの存在によって部分的に特徴づけられる
(Kuehn, K., Immunochemistry of the extracellular
matrix, 1:1-29(1982))。
【0037】本発明の方法は、I型、II型及びIII 型
のヒト・コラーゲンの分解の測定に使用可能である。
【0038】本発明は、コラーゲン分解に際してin viv
oで産生される特定種のコラーゲン断片の存在およびそ
の量を測定し;次いで、健常な個人、即ちコラーゲン代
謝に影響を及ぼす疾患に罹患していない個人において同
一種のコラーゲンを測定することによって作成した所定
の標準値と前記コラーゲン断片検出値とを比較してコラ
ーゲンの分解を測定する方法を提供するものである。な
お、該個人は試験を受けるべき被験者と性別および年齢
は一致させるものとする。
【0039】本発明は、これらの架橋構造を有さない合
成ペプチドと免疫反応性を示す抗体を用いる。
【0040】好ましいある実施態様においては、本方法
は、体液中のコラーゲン断片とコラーゲンに実質的に由
来する合成ペプチドとが免疫学的結合性パ−トナ−に対
して起こる競争的結合に基づく。
【0041】本発明は、コラーゲン分解に際して生じる
コラーゲン断片の(定性的および定量的)検出を行うた
の新規でかつ非常に簡単な方法を提供する。
【0042】本明細書において開示し特許請求する本発
明の目的のために、下記する用語は以下の通り定義され
る。
【0043】「抗体」:モノクローナルもしくはポリク
ローナル抗体またはその免疫反応性断片(即ち、同一の
抗原決定基に結合できる能力を持つ)、Fab、Fa
b’およびF(ab')2 断片を含むがこれらに限定され
ない。
【0044】「架橋可能部位」:in vivoで他のコラー
ゲン分子のテロペプチドまたはラセンアミノ酸配列とで
架橋結合を形成できるリシンまたはヒドロキシリシンを
含有するコラーゲンのテロペプチドまたはラセンアミノ
酸配列における座。
【0045】「架橋可能ペプチド」:少なくとも1つの
架橋可能部位を含むコラーゲン配列の断片を含有するペ
プチド。
【0046】テストキット:測定を行うのに用いる試薬
と指示薬の組合せ。
【0047】実質的に由来する(構造について):類似
の抗原性を持つ構造、すなわち、前記合成ペプチド何れ
もが該合成ペプチドに対して免疫反応性を持つ免疫学的
結合性パ−トナ−に結合するのを、非関連ペプチドのレ
ベルを超えて阻害する能力を持つ構造。
【0048】CrossLaps ELISA:α1(1)C1アミノ
酸配列EKAHDGGRに対する抗血清の反応性に基づ
く競合的免疫測定。この測定は8AA ELISAとも呼ば
れる。
【0049】この方法は又動物体液中のコラーゲン断片
を測定するためにも、例えばコラーゲン代謝を測定する
ために用いることもできると想定される。また本方法
は、新規医薬品のコラーゲン代謝に対する影響を評価す
るために該医薬品の臨床試験中においても使用すること
もできる。
【0050】より具体的には、本発明は、コラーゲンの
前記配列に対応した合成ペプチドを使用することによっ
てコラーゲン断片を測定する方法に関する。一般に、こ
れらの合成ペプチドは全コラーゲン分子よりも少ないア
ミノ酸残基を有し、10アミノ酸よりも少ない場合が多
いであろう。また、体液、例えば尿中に存在する分子に
対応する合成ペプチドは架橋出来る潜在的部位、好まし
くはリシンまたはヒドロキシリシンを構造中に結合させ
ているであろう。
【0051】本発明は、前記合成ペプチドに対して免疫
反応性を持つ抗体を使用することによってコラーゲン断
片を測定することを包含するが、なお該ペプチドは各々
架橋可能部位を有するコラーゲン断片に由来する配列を
有する。
【0052】また、本発明は、前記合成ペプチドと免疫
反応性のモノクローナル抗体を産生する細胞系(例え
ば、ハイブリドーマ)をも含む。更には本発明は、融合
細胞ハイブリッドによって産生されたモノクローナル抗
体、および検出可能なマーカーにカップリングしたその
抗体(ならびにその結合性断片、例えばFab)を含
む。検出可能なマーカーの例としては、以下に限定され
るものではないが、酵素、発色団、発蛍光団、補酵素、
酵素阻害剤、化学ルミネッセンス物質、常磁性金属、ス
ピン標識および放射性同位体が挙げられる。
【0053】本発明の方法は、体液中においてコラーゲ
ン分解に由来する特定のコラーゲン断片の濃度を数量化
することから成り、代表的な測定法において、患者体液
中のコラーゲン断片および固体表面に固定化された合成
ペプチドを、合成ペプチドに免疫反応性を持つ免疫学的
結合性パ−トナ−と接触させる。適当な体液としては、
例えば、ヒト尿、血液、血清、血漿および滑液がある。
また本方法は、例えば唾液および汗に対しても使用可能
であることも想定している。この体液はそのまま使用す
るか又は接触工程に先立って精製しても構わない。この
精製工程は、例えば以下に限定されるものではないが、
カートリッジ吸着および溶出、分子ふるいクロマトグラ
フィー、透析、イオン交換、アルミナクロマトグラフィ
ー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、および
それらの組合せを含めた多数の標準的な手法を用いて実
施することができる。
【0054】本発明は、体液中のコラーゲン断片の定量
のための簡便化された方法を実現することにある。ある
代表的な方法において、架橋出来る潜在的な部位を含有
する合成ペプチドを抗体の産生に使用し、その後にコラ
ーゲン分解によってin vivoで生じたコラーゲン断片の
定量のための検定に組み込み使用するのである。従っ
て、該合成ペプチドも免疫原性剤として特徴ずけられ、
免疫原性組成物で使用できる。
【0055】また本発明は、体液中においてコラーゲン
の分解に由来するコラーゲン断片の量を定量するのに有
用なキットを包含する。本キットは、少なくとも1種の
免疫学的結合性パ−トナ−、例えばコラーゲンの分解に
由来するペプチドに特異的なモノクローナルまたはポリ
クローナル抗体から成る。所望ならば、テストキットの
免疫学的結合性パ−トナ−は前記したもののごとき検出
可能なマーカーに結合してもよい。従って一般的に言っ
て、免疫学的結合性パ−トナ−も診断剤としてに有用で
ある。 以下に本発明を詳細に説明する。添付図面を参
照されたい。
【0056】
【発明の実施の態様】本発明の方法の好ましい一つの実
施態様においては、尿中のI、IIおよびIII型コラ
ーゲン断片は、尿試料を計量して取り、コラーゲンに由
来する配列を有する合成ペフチドおよび該合成ペプチド
に免疫反応性を示す抗体とこの試料とを接触させること
によって行う阻害ELISA (酵素結合イムノソルベント検
定法)を用いて測定する。合成ペプチドは固体支持体に
固定化し、また抗体は該合成ペプチドに対して生成させ
る。
【0057】これら試薬と試料を合わせてインキュベー
トし、ペルオキシダーゼ結合(リビーリング)(reveal
ing)抗体を添加する。もう1度インキベーションした
後、ペルオキシダーゼ基質溶液を添加する。最終のイン
キュベーションを短時間で行った後、酵素反応を停止
し、吸光度を450nmで測定し、同一手法によって標
準溶液で得られた標準曲線と比較する。
【0058】合成ペプチドを標準の調製に用いる。関連
合成ペプチドのストック溶液中の合成ペプチドの濃度
を、アミノ酸定量測定法によって測定する。ストック溶
液の3倍希釈物を調製し、引き続いて、阻害ELISA にお
ける標準曲線の作成で用いる。
【0059】合成ペプチドの調製 合成ペプチドの調製は、当該分野でよく知られた手法に
準じて、例えば、通常「Merrifield合成」 と表記される
固相ペプチド合成技術によって行うことができる。ま
た、古典的液相技術を用いることもできる。対象となる
配列は、潜在的架橋可能な部位を含む(例えば、Kuehn,
K., Immunochemistry of the extra-cellular matrix,
1:1-29(1982)、Eyre, D.R., Ann, Rev. Biochem. 53:7
17-48(1984)、または米国特許第5、140、103号
参照)。このようなペプチド配列の例を幾つか後記表1
に示す。
【0060】合成ペプチドに関しては、(a)対応する
天然コラーゲン断片を認識する抗体を生起させる、また
は(b)かかる抗体の天然断片への結合を阻害する、と
いう二つの能力を損失させることなく、架橋可能部位か
ら(またはそれへ)1以上のアミノ酸残基を省略(また
は付加)することができる。抗体を生成させるためによ
り長いコラーゲン断片および/またはキメラペプチドを
用いることができ、原理的には、本測定法において免疫
原および競合体と同一のペプチドを用いる必要はない。
【0061】
【表1】 抗体の調製 モノクローナルおよびポリクローナル両抗体の調製方法
は当該分野でよく知られている。例えば、Campbell, A.
M., Laboratory Techniques in Biochemistryand Molec
ular Biology, Vol. 13 (1986)を参照。免疫化によって
合成ペプチドに対する抗体を産生できる。しかしなが
ら、これらの化合物は分子量が比較的小さいため、ハプ
テンを担体分子に結合させるのが好ましい。適当な担体
分子としては、以下に限定されるものではないが、例え
ばウシ血清アルブミン、チログロブリン、オバルミン、
破傷風毒素及びキイホール・リンペット(keyhole limpe
t)ヘモシアニンがある。好ましい担体は、ウシ血清アル
ブミンである。免疫化動物の抗体産生細胞に対してその
最も免疫原性の高い形態でハプテンを提示するために、
多数の代替カップリングプロトコルを使用できる。適当
な手法としては、以下に限定されるものではないが、グ
ルタルアルデヒド、カルボジイミドおよび過ヨウ素酸塩
が挙げられる。好ましい結合剤は、グルタルアルデヒド
およびカルボジイミドである。
【0062】抗体の調製は、コラーゲン断片または担体
に結合させた合成ペプチドによる免疫化を含む従来公知
の技法によって行われる。免疫原性を改善するために
は、注射前に免疫原をアジュバントと混合する。アジュ
バントの例としては、以下に限定されるものではない
が、水酸化アルミニウム、フロイントのアジュバント、
および免疫刺激複合体(ISCOM )がある。ISCOM は、Mo
rein, B.ら(Nature 308:457-560(1984))によって記載
されている方法に準じて作成できる。
【0063】ハプテン担体分子に対するモノクローナル
またはポリクローナル抗体はいずれでも産生させること
が出来る。モノクロ−ナル抗体の産生を行うには、マウ
スを免疫化するのが好ましい。免疫化マウスから紕臓細
胞を収集し、ホモジナイズし、その後にポリエチレング
リコールの存在下で癌細胞と融合させて、コラーゲンに
由来するペプチド断片に特異的なモノクローナル抗体を
産生する細胞ハイブリッドを得る。適当な癌細胞として
は、以下に限定されるものではないが、骨髄腫、肝癌、
および肉腫細胞がある。モノクローナル抗体の産生につ
いての詳細な記載は、Goding, J.M.のMonoclonal Antib
odies: Principles and Practice(1986)においてなさ
れている。好ましい予備的スクリーニングプロトコル
は、担体に結合され且つマイクロタイタープレートの固
体表面に被覆された合成ペプチドを使用することから成
る。
【0064】コラーゲンに由来するペプチド断片と反応
性を示すポリクローナル抗体を調製するには、種々の動
物種を免疫化させればよい。適当な動物種としては、以
下に限定されるものではないが、ニワトリ、ウサギ、お
よびヤギがある。ニワトリおよびウサギが好ましい。
【0065】抗体断片は、当該分野で公知である種々の
方法によって調製される(E.Ishikawa, Journal of Imm
unoassay 3:209-327(1983) 参照)。
【0066】免疫学的測定法の実施 従って、前記した方法で調製した抗体を用いた免疫学的
測定を利用することによって、事前に分別または加水分
解することなく生物学的流体試料を測定することができ
る。生物学的液体中で所望コラーゲンが持つ特異性は、
測定構成法において一種の合成ペプチド( 抗体の産生に
際して用いたか又は何れにしろ抗体が免疫化学的な反応
性を示す)の使用と組み合わせるとかかる抗体によって
供されるのである。
【0067】この代替法として、かかる免疫学的測定を
モノクローナル抗体を用いて実施しても構わない。この
測定設計の基礎的考え方は、検定の特異性を抗原(コラ
ーゲンに対する合成ペプチド)から抗体(モノクローナ
ル抗体に対するウサギ抗血清からの)にシフトさせるこ
とである。このような構成法を用いると、測定は合成ペ
プチドを用いる必要がない。このような免疫学的測定の
変法は、精製したコラゲナーゼ処理コラーゲンで予め被
覆したマイクロタイタープレート中でペルオキシダーゼ
結合抗体溶液と共に患者試料または標準溶液をインキュ
ベートすることによって行われる。洗浄した後、プレー
トのウェルを基質溶液と共に暗所でインキュベートす
る。停止溶液の添加によって発色反応を停止し、最後に
吸光度を測定する。
【0068】これらの免疫学的測定法それ自体は、当該
分野で広く公知となっている種々の標準的な測定プロト
コルから選択されるいずれかの手法を用いて行われる。
一般に理解されているように、測定法の構成は、特異的
免疫学的結合性パ−トナ−と所望の特異性分析物との相
互反応に依存し且つ分析物と免疫学的結合性パ−トナ−
とによって形成された複合体を検出する何らかの手段を
利用するものである。免疫学的結合性パ−トナ−は,固
体支持体に複合体化し、分析物に対する捕捉性免疫学的
結合性パ−トナ−として使用される。このプロトコル
は,直接的形態で実行出来るのであって、この場合は分
析物/免疫学的結合性パ−トナ−の複合体の形成は、例
えば、蛍光、放射性または酵素標識によって検出され
る。又は競合的形態で実行可能であって、この場合標識
化標準は免疫学的結合性パ−トナ−を求めて分析物と競
合するのである。このような形態はまた、凝集測定法と
して構成してもよく又は複合体を適当な沈殿剤を反応混
合物に添加することによって沈殿させてもよい。この免
疫学的測定のプロトコルの具体的設計は、種々幅広い選
択が可能であって、当該分野で利用可能な臨床測定装置
およびプロトコルの数は膨大である。このような種々の
プロトコルについては、米国特許第5、001、225
号を参照。
【0069】標準的な検出プロトコル、例えば、放射性
同位体標識、蛍光標識又はELISA を用いた疫学的測定法
を実施するための抗体およびリビーリング試薬は、直接
的または競合的形態の何れであっても、測定のために必
要な成分および指示を含むキットとして好便に供されて
もよい。本発明の一つの具体例においては、かかるキッ
トは、関連合成ペプチドで被覆したマイクロタイタープ
レート、標準曲線の作成のための標準溶液、分析実行の
定性的テストのための尿対照、前記合成ペプチドと反応
性のウサギ抗体、基質溶液、停止溶液、洗浄緩衝液およ
び指示マニュアルを含む。
【0070】免疫学的測定法の構成は、抗体および特異
的合成ペプチドを用いて行うことが出来るので、適宜の
生物学的液体中における対応するコラーゲン断片配列の
比並びにその個別の含有量とその合計を測定すればよ
い。即ち、この測定法は、いくつかの天然ペプチド配列
を決定できるか又は単一のペプチド配列か若しくはこれ
らの如何なる所望の組合せをも決定できるような抗体を
含むように設計することが可能である。
【0071】骨吸収のインジケーターとして本明細書で
特定したペプチドを使用するのに加えて、骨代謝バラン
スの測定も、同一個体から採取した同一または他の適宜
の生物学的液体中における骨形成マーカーを実質的に同
時に測定することによって有利に行える。「実質的に同
時」とは、同一日、好ましくは4時間以内を意味する。
例えばかかるマーカーとしては、(BGPの骨GLA蛋
白質としても公知の)オステオカルチン、I型プロコラ
ーゲン、骨アルカリ性ホスファターゼおよび合成アルカ
リ性ホスファターゼがある。これらのマーカーの適当な
測定方法は、例えば、Delmase, P.D.らのJ. Bone Min,
Res.(1986)1:333-337に見い出すことができる。
【0072】本発明の測定方法は、分解が起こった場合
コラーゲン誘導ペプチドを生じるような組織の代謝状態
を測定するための指標を提供するものであるので、種々
の意味で有用である。先ずI型コラーゲンの分解を検討
する場合、これら測定法は、例えば過剰骨吸収を明示す
ることによって被験者の異常状態を評価する方法とな
る。つまりこのことによって、骨粗鬆症症状の存在また
は悪性疾患の転移的進行が判る。過剰骨吸収によって特
徴付けられる他の疾患症状としては、パジェット病およ
び上皮小体亢進症がある。同様に、結合組織に関係する
多くの他の疾病状態を、コラーゲンの分解の測定によっ
て追跡できる。その例としては、慢性関節リウマチおよ
び変形性関節症に関連するII型コラーゲン分解および
脈管炎症候群におけるIII型コラーゲン分解がある。
被験者の状態は連続的に追跡できるので、これらの測定
法の適用は、これらのまたは他の症状を治療するために
適用した療法の進行状態を追跡するのにも使用できる。
さらにこれらの測定法は、毒性物質の投与はしばしば組
織分解の結果をもたらすので、毒性の尺度としても使用
できる。
【0073】即ち、これら測定法は、疾患症状、治療ま
たは被験者に直接投与された物質または被験者が環境で
暴露された物質の効果の指標としてコラーゲン組織の代
謝状態を使用することが可能である如何なる状況におい
ても適用して構わない。
【0074】
【実施例】以下に記載する実施例は、本発明を具体的に
説明するものであって、本発明を限定するものではな
い。
【0075】実施例1:尿中の特異的ペプチド配列の免
疫学的測定 固相技術によって調製した3種のペプチド(α1(I)
C1、α1(I)N1およびα2(I)N1)(20及び
21ペ−ジ、表1参照)を免疫原の調製に用いる。免疫化
を行うために、当該分野でよく知られたグルタルアルデ
ヒド試薬および方法を用いて、該ペプチドをウシ血清ア
ルブミンに共有結合させる。モノクローナルおよびポリ
クローナル両抗体を該ペプチドに対して生成させる。モ
ノクローナル抗体の産生のために、Balb/cマウス
をペプチド−BSA結合体で免疫化し、紕臓またはリン
パ節からの細胞とAg8骨髄腫細胞とを融合させて標準
的な技術を用いて、ハイブリドーマ細胞系を調製する。
ポリクローナルをウサギおよびニワトリで生起させる。
抗血清およびハイブリドーマ細胞培地のスクリーニング
は、カルボジイミド試薬および当該分野で公知の方法を
用いて調製した適当なペプチド−ゼラチン結合体で被覆
したマイクロタイタープレートを用いてELISA によって
行った。
【0076】尿中における3種のペプチド配列(α1
(I)C1、α1(I)N1およびα2(I)N1)の
測定は、阻害ELISA によって以下のように行う。
【0077】各々、コラーゲン断片を可能性として含有
する尿試料(10または25μl)または参照標準とし
て0. 05〜15μgペプチド/mlを含有する溶液
を、0. 1%Tween-20界面活性剤PBS−T)を含有し
且つ0. 1%(w/v)BSAを含むリン酸緩衝生理食
塩水中に1:5, 000〜1:20, 000に希釈した
ペプチドに対する免疫学的結合性パ−トナ−75μlに
添加する。各試料は、適当なペプチドを含有するゼラチ
ン結合体で予め被覆した平底96−ウェルのマイクロタ
イタープレートにおいて二回繰り返して調製する。60
分後、該プレートをPBS−T(3回)で洗浄し、一次
抗体の種に対して調製したホースラディッシュペルオキ
シダーゼ標識抗体を用いる標準的技法によって結合抗体
を検出する。ペルオキシダーゼ基質を添加し、1MH3
PO4を用いて酵素反応を停止させた後に自動マイクロ
タイタープレート中で発色を450nmで測定する。分
析物を含有する試料は、プレート中の固定化ペプチドに
対する一次抗体の結合を減少させ、かくして色濃度が低
下する。試料中の分析物の量は、log−linプロッ
トを用いてコンピューター計算した各プレートに含まれ
る標準からの予め確立した曲線を参照して定量する。図
1、2および3は、α1(I)C1(CrossLaps)免疫
測定(図1)、α1(I)N1免疫測定(図2)および
α2(I)N1免疫測定(図3)についての典型的な標
準曲線を示す。
【0078】実施例2:HPLCにてのピリジノリン測
定に対する相関関係 多数の非選択尿試料について、全ピリジノリンの濃度
(HPLC法、例えば、Uebelhart, D., Bone and Mine
ral, 8:87-96(1990)参照)を測定した。このHPLCシス
テムで得られた値は、二回の免疫学的測定で得られた値
(CrossLapsおよびα1(I)N1ペプチドに基づく測
定)と相関関係にあった。
【0079】図4は、全ピリジノリン(HPLC)およびCr
ossLaps免疫測定(n=59)との相関関係を示す。直
線回帰分析で計算した相関はr=0. 80である。
【0080】図5は、全ピリジノリン(HPLC)およびα
1(I)N1免疫検定(n=36)の間の相関関係を示
す。直線回帰分析で計算した相関はr=0. 95であ
る。
【0081】実施例3:I型コラーゲンの分解産物の測
定のためのモノクローナル抗体を用いる測定 モノクローナル抗体は、適当な担体蛋白質に結合させた
α1(I)C1合成ペプチドでのマウスの免疫化によっ
て生じさせた。細胞融合、クローニングおよびハイブリ
ドーマ増殖は、標準的操作方法により行った。スクリー
ニング操作には、マイクロタイタープレート中に固定化
したα1(I)C1合成ペプチドに対する反応性に関す
る試験を含むものであった。
【0082】抗体の特異性は、I型コラーゲンのC−テ
ロペプチドに基く異なる重複配列を用いた阻害実験によ
って試験した。
【0083】かかる抗体の一つであるMAbA7の特異
性を図6に示す。
【0084】抗体MAbA7を用い測定を開発した。略
言すれば、グルタルアルデヒドを用いて合成ペプチドα
1(I)C1をウシ血清アルブミンに結合させ、該結合
体をマイクロタイタープレートの被覆に用いた。また代
替の物質を用いることもできるが、必須の要件はアルギ
ニンの後で解離切断された配列EKAHDGGR(R)
の露呈である。
【0085】かかる代替物の一つは、細菌コラゲナーゼ
で処理したI型コラーゲンである。また別の代替物は、
組換えペプチドにおけるEKAHDGGR配列の発現物
であってもよく、必須の要件は再度EKAHDGGR配
列のカルボキシ末端(すなわち、アルギニン残基)の露
呈である。
【0086】被覆に続き、マイクロタイタープレートの
ウェルを、尿15μlおよびホースラディッシュペルオ
キシダーゼに結合したMAbA7の100μlと共にイ
ンキュベートする。
【0087】1時間後、該プレートを洗浄し、基質(例
えば、TMB)を添加する。
【0088】MAbA7のエピトープ特異性は図6から
明らかでる。マイクロタイタープレート中での固定化E
KAHDGGRに対するMAbA7の反応性は、異なる
合成ペプチドでのコインキュベーションによって開始さ
せた。得られた結果から、アルギニンの後の切断はMA
bA7ELISA における検出に必須であることが判った。
【0089】実施例4:他のペプチド断片および抗体に
基づくELISA測定結果に対するCrossLaps ELISA の相関
関係 20人の閉経後婦人から採取した尿についてのCrossLap
s ELISAとMAbA7ELISA との間の相関を図7に示
す。MAbA7 ELISA は競合測定であり、ここに、マ
イクロタイタートレイ中に固定化した合成8AAペプチ
ド(EKAHDGGR)はモノクローナル抗体(MAb
A7)への結合について患者試料中のコラーゲン断片と
競合する。
【0090】結果は高い相関関係を示し、二回の測定結
果は同一または関連した代謝過程を反映していることが
判る。
【0091】同様に、CrossLapsとNα2 ELISA 間の相
関関係を図8に示す。Nα2は競合測定法であり、この
場合I型コラーゲンにおけるα2鎖中のN−テロペプチ
ドからのNα2(I)N1ペプチド断片(QYDGKG
VG)は、前記と同様に生成させた抗−QYDGKGV
G抗血清に対する結合につき、患者試料中のコラーゲン
断片と競合する。結果は高い相関関係を示し、これから
二回の測定結果は同一または関連する代謝過程を反映す
ることが判る。
【0092】実施例5:CrossLaps ELISAの検討 現在好ましい合成ペプチドGlu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gl
y-Arg(またはEKAHDGGR)を、前記したように
「CrossLapsTTM」と命名される酵素結合イムノソルベン
ト測定法(ELISA )において一体化させた。CrossLaps
ELISA は、フランスの専門家(Garnroら)のグループに
よって調べられており、結果はJ. Clin.Indocrinol. Me
tab. 79, No.3(1994)に発表されるであろう。
【0093】検討結果の要約を以下に記載する。
【0094】CrossLaps ELISA は、I型コラーゲンのα
1鎖のC−テロペプチドの一部(Glu-Lys-Ala-His-Asp-
Gly-Gly-Arg, CrossLaps 抗原)に特異的な8個のアミ
ノ酸(8AA)のアミノ酸配列を持つ固定化合成ペプチ
ドに基づく。この配列に対して生成させた抗体でのイン
キュベーションの間に、該固定化ペプチドと尿中のI型
コラーゲンのα1鎖の分解産物との間で競合が起こる。
【0095】略言すれば、25μL尿試料または標準を
CrossLaps抗原−被覆マクイロプレートの各ウェルに添
加し、続いて、75μLの抗−CrossLaps抗血清に添加
する。該プレートを撹拌下で室温にて1時間インキュベ
ートし、洗浄緩衝液で5回洗浄する。ヤギ抗ウサギ免疫
グロブリンGホースラディッシュペルオキシダーゼ結合
体(100μL)を各ウェルに添加する。室温での1時
間のインキュベーションの後に、プレートを前記したご
とくに5回洗浄する。酵素基質(100μL/ウェル)
を添加し、暗所での15分間のインキュベーションの後
に、100μLのリン酸(1モル/L)を添加すること
によって反応を停止する。450nmにおける光学密度
をマクイロプレートリーダーにて測定する。二回の重複
測定を各尿試料について行い、データを、標準比色技術
によって測定して、尿クレアチニン(Cr)mmol当
たりのマイクログラムとして表す。
【0096】いくつかの試料においては、Pyrおよび
D−Pyrの全排出量を、HPLCによって加水分解試料に
ついて測定し、尿中ヒドロキシプロリンを分光光度法に
よって測定した。
【0097】CrossLaps ELISA を用いて、年齢が31〜
89歳である146人の婦人および60人の男性からな
る健康成人の標本においてまた代謝的骨疾病に罹患した
患者において、骨マトリックス分解の間に放出されたI
型コラーゲンペプチドの尿中排泄量を測定した。測定内
および測定間の変動係数は、各々、10%および13%
以下であった。尿試料からのCrossLaps抗原の回収率は
92〜115%の範囲であり、該ELISA は連続試料希釈
について直線的であった。CrossLaps測定は、遊離ピリ
ジノリン(Pyr)または遊離デオキシピリジノリン
(D−Pyr)いずれとも交差反応しない。ELISA によ
って測定したCrossLapsおよび高速液体クロマトグラフ
ィーによって測定したPyrの全排泄量は、正常婦人に
おいて高度に相関していた(n=91;r=0. 73;
P<0. 001)。尿中CrossLaps排泄量は婦人の年齢
と共に増加したが、男性ではそうはならなかった。婦人
においては、閉経は、HPLCによって測定した全D−Py
r(+91%)および全Pyr(+47%)り平均増加
よりも高い骨アルカリ性ホスファターゼ(+48%)お
よびオステオカルチン[+41%;217ないし524
μg/mmolクレアチニン(Cr)]のCrossLaps 排
泄量が141%増加したことによって反映された。尿中
CrossLaps排泄量は、パジェット病において(n=3
2;平均、1810±2300μg/mmolCr;P
<0. 001)、および一次上皮小体亢進症を持つ患者
において(n=10;平均、780±380μg/mm
ol Cr;P<0. 001)、および甲状腺機能亢進
症を持つ患者において(n=27;平均、1280±9
70μg/mmol Cr;P<0. 001)、対照値
から増加しており、Z−スコア(性別および年齢が合致
した対照の平均からのSD数)は各々4. 4±6. 6、
1. 5±1. 2および6. 7±6. 5であった。パジェ
ット病の患者においては、尿中ヒドロキシプロリンのレ
ベルと高度に相関し(r=0. 91;P<0. 00
1)、3日間のビス・ホスホネートパミドロネートによ
る静脈内治療を行った場合、尿中CrossLaps排泄量の減
少は尿中ヒドロキシプロリンのそれよりも大きかった
(−71%−対−−17%;P<0. 001)。甲状腺
機能亢進症の患者においては、CrossLaps排泄量はほと
んどの患者において(78%)正常範囲を超えて上昇
し、甲状腺機能亢進症の治療1カ月内に正常に戻った。
【0098】これらの観察に基づき、Garneroらは、こ
の新しい便利な測定法は、骨吸収速度の指標として感度
が優れ且つ特異的でありまた骨粗鬆症や他の代謝的骨疾
患の患者の臨床検査および治療的追跡に有用であると結
論づけている。
【0099】実施例6:MAbA7ELISA の検査 前記したごとく、モノクローナル抗体MAb7Aに基づ
く測定構成では、合成ペプチドを使用する必要がない。
このような種類の測定法は、3段階にて以下のごとくに
実施される。
【0100】第1の段階において、精製したコラゲナー
ゼ処理コラーゲン(CTC)で事前被覆したマイクロタ
イタープレートのウェルを15μlの標準溶液または尿
試料および100μlのペルオキシダーゼ結合モノクロ
ーナル抗体溶液と共に室温で1時間インキュベートす
る。
【0101】第2の段階で洗浄を行った後、ウェルを1
00μlの基質溶液と共に室温で15分間暗所でインキ
ュベートする。最後に、第3の段階において、発色反応
を100μlの停止溶液の添加によって停止する。45
0nmにおける吸光度を2時間以内に測定する。
【0102】図9は、閉経に伴う骨吸収の増加に関する
MAb7A ELISAの検出を示す。18人の閉経前および
38人の閉経後の婦人からの尿試料をテストした。t−
スコア(閉経前婦人の標準偏差数として表した平均値の
差)は、二つの母集団間の分離が相対的に微細になるこ
とを示す。
【0103】図10は、CrossLaps ELISA によって行っ
た閉経に伴う骨吸収の増加係わる同様の検定を示す。尿
試料は図8のものと同一である。
【0104】ホルモン代替療法(HRT)に過程におい
て生化学的マーカーにおける変化が図11から明らかで
ある。エストロゲン(塗りつぶした丸)またはプラセボ
(塗りつぶさない丸)を服用した婦人から採取した尿試
料をベースラインにおいて又12カ月間の治療を行った
後で試験した。12カ月後の値をベースライン値の10
0分率として表す。得られた結果から、CrossLaps ELIS
A およびMAb7A ELISA(被覆剤としてCTCまたは
合成ペプチドEKAHDGGRを使用)は、抗吸収治療
に対して同等の感度を有することが判る。
【0105】実施例7:臨床結果 実施例1に記載した免疫学的測定方法(α1(I)C1
ペプチド、即ちCrossLaps ELISAを使用した)を異なる
個体からの尿試料に適用し、分析物の量を数量化した。
得られた値は、尿検定で通常行われているように、尿試
料中の尿クレアチニン含有量と関連づけた。年令マッチ
ングさせた健常婦人(閉経前および閉経後)で得られた
値を表2に示す。
【0106】
【表2】 個々の値については、図12を参照。閉経前および閉経
後の値の間の差は、高度に有意である(P<0. 000
1) 。定量的試験方法のZ−スコアは、二つの母集団の
間を差別化する当該方法の能力を表わす。
【0107】表3は、年令マッチングさせた健常な閉経
前(n=140)および閉経後婦人(n=180)から
採取した同一セットの尿試料に適用した場合におけるCr
ossLaps免疫学的測定法とHPLCによるピリジノリンに関
する最新の技術水準測定法のZ−スコアを示す。
【0108】
【表3】 表3から分かるように、2の方法の差別化能力はほぼ同
様である。
【0109】ある測定法を吸収の指標として使用するた
めには、ホルモン代替療法(HRT)のインパクトを測
定出来ることが非常に重要である。表4は、かかる検討
においてCrossLaps ELISA で得られた結果を示す。
【表4】 個々の値については、図13を参照。HRTを受ける群
における高度に有意な低下が、12カ月後に観察される
(P<0. 001)。
【0110】実施例8:尿中のI型コラーゲン分解産物
の定量・数量化に際しての本発明の免疫学的測定法(Cr
ossLaps ELISA)の評価 ピリジノリン(Pyr)およびデオキシピリジノリン
(D−Pyr)は成熟コラーゲン間の架橋物であり、主
として骨および軟骨で見い出されるのであるが、他方で
は皮膚には存在しない。D−PyrはPyrよりも骨に
より特異的であるが、いずれも絶対的には骨特異的では
ない。しかしながら、PyrおよびD−Pyrの全排泄
量の測定は、骨吸収の指標として使用できる。Pyrお
よびD−Pyrは、通常はHPLCを用いて分離した後加水
分解された尿において蛍光分光学的に測定されるのであ
るが、長時間を要する、複雑な方法で、ルーチンの使用
には適さない。
【0111】本実施例は、尿中においてPyrおよびD
−Pyrの構造とは独立したI型コラーゲン特異的ペプ
チド配列を測定する測定法、即ちCrossLaps ELISA を記
載するものである。骨の有機マトリックスは90%以上
がI型コラーゲンから成るので、この測定法で測定した
ペプチド配列は、骨吸収の潜在的なマーカーである。
【0112】この測定法について参照値を確立するため
に、年齢が30〜51歳(平均±1SD;39. 3±
5. 56)の102人の健康な閉経前婦人から採取した
試料を検査測定した。全ての婦人は正常な膣出血の経歴
を有し、カルシウム代謝に影響することが知られている
医薬は一切服用していなかった。同様に、年齢が45〜
57歳(平均±1SD;51. 1±2. 38)の初期閉
経後婦人から採取した料を測定したが、これらの婦人は
全て、自然な閉経の履歴の持主であった(平均閉経年齢
20.1±9.90月)。更に年齢が68〜72歳(平均
±1SD;70.0±1.19)の後期閉経後婦人から採
取した試料(n=165)を測定したが、これらの婦人
は全て自然な閉経の経歴の持主であった(平均閉経年齢
268±68 2月)。これらの婦人のいずれもカルシ
ウム代謝に影響することが知られている医薬品は一切服
用していなかった。
【0113】テストした測定法及びD−Pyr(HPL
C法)の比較を行うために、年齢30. 0〜65. 0歳
の214人の健康な婦人から採取した尿試料を測定し
た。この測定法およびHprを比較するために、年齢3
0. 0〜54. 0歳の健康な婦人から成るもう1つの集
団から採取した試料を測定した(n=421)。
【0114】実験は、8AA特異的合成ペプチドに基づ
くCrossLaps ELISA については実施例5に概説したのと
実質的に同様に行った。略言すれば、25μLの標準ま
たは未知試料を予め被覆したELISA プレート中の適当な
ウェルに二連にてピペットを用いて入れる。次いで、7
5μLの抗体溶液(8AAに対するウサギ抗体)を各ウ
ェルに添加し、該プレートをシーリングテープで覆い、
振とう器具上室温にて60分間インキュベートする。ま
た、下記の操作は全て室温で行った。インキュベーショ
ン後に、該プレートを希釈した洗浄緩衝液で3回洗浄し
た。
【0115】ペルオキシダーゼ結合抗体(ウソギIgG
に対するHRP−結合ヤギ抗体、100μL/ウェル)
を添加し、シールしたウェルを振とう器具上、60分間
インキュベートした。もう一度洗浄した後、100μL
のTMB基質溶液をすべてのウェルに添加し、これをシ
ールし、15分間インキュベートした。100μLの停
止溶液の添加して15分後酵素反応を停止した。光学密
度を450nmでELISA レーダーで読み取った。
【0116】補正曲線は、五つのの標準液(0. 5〜1
0. 5μg/ml)の平均吸光度をプロットすることに
よって対数−直線グラフ紙上で作成した。各患者の試料
における8AA相当物の濃度を、補正曲線上で内挿法に
よって決定した。
【0117】その他のマーカー Pyrの尿中濃度をHPLC法によって測定した。略言すれ
ば、架橋物は、セルロースクロマトグラフィーによって
加水分解尿試料から抽出し、逆相HPLCによって分離し、
分光蛍光光度法によって同定した。蛍光ピークの面積
は、ヒト骨皮質から精製した補正済Pyr外部標準との
比較によって数量化した。測定内および全測定変動係数
は、標準曲線の範囲内では10%以下であった(14.
4〜216pmol、注入試料容量:130μL)。
【0118】Hprの尿中濃度は、分光光度法によって
測定した。測定内および全測定変動係数は標準曲線の範
囲(38〜305μmpl/L)では13%以下であっ
た。
【0119】8AA測定、PyrおよびHprについて
の値は、正規化のために対応するクレアチニン値で除し
た。
【0120】結果 図14は、本測定法にて用いた抗体を生成させるために
選択した8AAペプチドの位置の模式図である。測定で
用いた標準液は、0. 5ないし10. 5mg/Lの測定
範囲を規定するものである。テストした尿試料の約5%
は10. 5mg/Lよりも高い値を有していた。これら
の試料を標準液A中で1+3に希釈し、再テストした。
検出限界(ゼロ標準マイナス2x SD(ゼロ標準)なる
平均吸光度に等しい吸光度に対応する濃度として定義)
は0. 2mg/Lである。
【0121】技術的なバリデ−ションを行うために、検
定の精度を計算した。表5には、内部および全変動係数
をまとめて示す。これらのデータは、同一ロットのELIS
A を用いて三つの尿試料を4日間の毎日6回測定した数
値に基づいて計算した。平均の試験内及び全CV値は、
各々5. 3および6. 6%であった。分析的回収率は、
三つの異なる尿試料に対して合成ペプチドを量を増やし
ながら添加した後に測定したが、平均して100%であ
った(表6)。
【0122】ELISA 法において高濃度の試料を稀釈した
場合の効果を表7に示す。試料は、ゼロ標準液で希釈し
た(500mM TRIS 、0. 1% Tween20 、0. 1%
BSA pH=8. 0)。未希釈尿試料中の含有量に対
して、100%なる数値を割り当てた。尿試料の種々の
希釈液についての全平均は99%であった。
【0123】
【表5】 これらのデータは、 同一ロットの8AA ELISAを用い
て三つの尿試料を4日間毎日6回測定した数値に基づい
て計算した。
【0124】
【表6】
【0125】
【表7】
【0126】凍結および解凍を5回まで反復した後本測
定法で測定を行っても、テストした五つの試料において
尿中濃度は有意に変化しなかった(5回の凍結−解凍サ
イクル後の初期値のパーセント:平均±SD、n=5:
98. 5±4. 5%)。さらに、別の五つの試料におい
ては、測定した抗原は、20℃において少なくとも7日
間、如何なる添加物を加えなくても安定であった(初期
値のパーセント:平均±SD、n=5:99. 8±5.
1%)。
【0127】図15は、二つの閉経後集団(初期閉経
後、n=254、後期閉経後n=165)における8A
A ELISAの個別値を、ハッチングを施した領域によって
示してある健常な閉経前範囲(平均±2SD)と比較し
て示してある(閉経後範囲250±220mg/mol
Cr、n=102)。初期閉経後婦人のうち36. 7
%は、閉経前婦人の3SD限界を超える値を有してい
た。この数字は、後期閉経後群に対しては31. 5%で
あった。初期閉経後婦人に対して得られた平均値は後期
閉経後婦人のそれとは異ならず(419mh/mol対
412mg/mol)、閉経年齢の増加に伴って値が変
化する傾向はなかった。
【0128】図16は、8AA ELISAとHPLCで測定した
D−Pyrとの間の相関関係を示す。相関関係は高度に
有意であり、r−値として0. 83が得られた。
【0129】図17は、ELISA とHprの間の相関関係
を示す。また、この相関関係も高度に有意であり、r−
値は0. 78であった。
【0130】上記にて説明した測定法おいては、I型コ
ラーゲンのC−テロペプチドに特異的であって現在のと
ころ好ましいペプチド配列としてGlu-Lys-Ala-His-Asp-
Gly-Gly-Argを抗体の生成に使用した(図14参照)。
このような分子部分を選択する理由はいくつかあって、
この配列は分子間架橋物にとって重要な領域を含有して
おり、さらに架橋残基の近傍部とこれらの分子の持つコ
ンパクトな構造とが、かかるペプチドが更に一層腎臓分
解されるのを防御することが以前から示唆されている。
従って、成熟I型コラーゲンの部分的分解から生じるか
かるペプチド配列が尿中で見い出され得ることが予測さ
れる。
【0131】この実験の結果から、評価したELISA 法
は、精度、回収率、および尿試料の希釈の点で良好な性
能を有することが判った(表5、6および7)。尿試料
の長期取扱いおよび測定に関して、テストした試料は反
復して凍結し解凍ことが出来又これらの試料中の抗原は
20℃で少なくとも7日間安定であることが判明したの
である。図15から判るように、テストした婦人の各々
36. 7%および31.5%は数値が高かった(平均+
2SD以上)。またこの知見は、全ての婦人の約1/3
が閉経後に加速された骨損失を経験するものと推定する
従前の知見とよく合致する。
【0132】D−Pyrは骨吸収マーカーとして充分に
確立されたものである。D−Pyr測定法(HPLC)およ
び8AA ELISAにおいて平行試料(n=214)につい
て得られた結果を比較することによって、高度の相関関
係が見い出された(r=0.83)。このことは、8A
A ELISA が、ピリジノリンによって反映されることと
類似または平行した代謝過程を反映するものであること
を示唆している。骨吸収のもう1つのよく確立されたマ
ーカーであるHprに対しても相関関係があるので、さ
らに8AA ELISAがin vivoでの骨吸収を反映するもの
であることが判る。
【0133】実施例9:骨吸収の新しいマーカーとして
の本発明の免疫学的検査法(Cross-Laps ELISA)の使用 骨吸収NO増大は骨損失が増大したことの直接的な病原性
因子であるため、これまでに骨吸収に対して特異的であ
るマーカーを発見すべく多大な努力が傾注されてきた。
カルシウムやヒドロキシプロリンの尿中排泄量が、骨吸
収の指標として長年使用されてきたが、いずれも骨代謝
に対しては特異的ではない。
【0134】本実施例は、骨吸収のマーカーとしての本
発明に基づく好ましい免疫学的測定法(CrossLapsTM EL
ISA)を評価する。骨代謝回転に対する他のマーカーも
比較する目的で評価に含める。
【0135】閉経前婦人:血清および尿試料を年齢30
〜50歳(平均±1SD;39. 1±5. 5)の104
人の健康な閉経前婦人から採取して分析したが、全ての
婦人は規則的な膣出血の経歴の持主であり、カルシウム
代謝に影響することが知られている医薬品は一切服用し
ていなかった。
【0136】閉経後婦人:閉経後婦人は、二つの大規模
な、二重盲検プラセボ対照、無作為化試験の一部を構成
するものあった。この試験の主要目的は、初期閉経後骨
損失についての異なる予防的療法を評価することであっ
た。
【0137】ベースライン値は、年齢45〜55歳の1
80人の無作為に選択した健康な閉経後婦人(平均±1
SD;50. 6±2. 36)で測定したが、これら婦人
は全て6カ月から3年の自然の閉経の履歴を有し(平均
±1SD;20. 0±10.4カ月)また誰もカルシウ
ム代謝に影響することが知られている医薬品を服用して
いなかった。
【0138】更に、長期間に亘る血清及び尿試料につい
て、12カ月間のホルモン代替療法終えて無作為に選択
した80人の婦人及び12カ月間のプラセボ治療を終え
て無作為選択した35人の婦人から採取して測定した。
ホルモン療法は、2mgの経口エストラジオールに1m
gのシプロテロンアセテート、0. 75mgのレボノル
ゲステレル、1mgのデソゲステロル、または10mg
のメドロキシプロゲステロンアセテートいずれかを組み
合わせて成るものであった。何れのグループもホルモン
およびプラセボ療法内で同様に反応したので、データは
一緒に分析した。プラセボ治療を受けたこれらの婦人の
うち35人は2年間追跡し、3カ月毎に反復して前腕骨
質量測定し、これにより骨損失の速度が計算できた(%
/年)。
【0139】血液および尿試料 血液試料を採取し、二日目の朝の尿を少なくとも8時間
の絶食の後に午前8と10時の間にて採集した。試料は
分析するまで−20℃まで貯蔵した。
【0140】測定法は前記したごとくに行った(実施例
6)。測定内および測定間変動係数は、各々、6%およ
び8%以下であり、検出限界は0. 2g/mlであっ
た。
【0141】ピリジノリン(Pyr)およびデオキシピ
リジノリン(D−Pyr)の尿中濃度をHPLC法によ
って、これら試料から無作為に選択したサブセット、即
ち合成した81の試料で測定した(29人の閉経前およ
び52人の閉経後試料)。略言すれば、架橋物は、セル
ロースクロマトグラフィーによって加水分解した尿試料
から抽出し、逆相HPLCによって分離し、分光光度法
によって同定した。蛍光ピークの領域は、ヒト骨皮質か
ら精製した、補正済のPyrおよびD−Pyr外部標準
と比較することによって定量した、測定内および測定間
変動はPyrについては10%以下であり、D−Pyr
については15%以下であった。ヒドロキシプロリン
(Hpr)の尿中含有量は、分光光度法によって測定
し、オステオカルチンの血清中含有量はラジオイムノ測
定(RIA)によって測定した。 クレアチニンは自動
分析器で測定し、得られた値を用いて尿中パラメーター
を補正した(CrossLaps, Pyr, D-Pyr, Hpr)。遠位前腕
の骨ミネラル含量(BMC)は、骨デンシトメーターを
用いて単一ホトン吸収法によってベースラインにて3カ
月毎に測定した。とう骨と尺骨の間の距離が8mmとな
ったところで走査を開始した。長期in vivo精度は1%
未満である。腰椎脊髄の骨ミネラル密度(BMD)は二
重エネルギーホトンまたはX−線吸収法いずれかによっ
て測定した。
【0142】統計的解析 CrossLapsおよびPyrのベースライン値は直線回帰分
析によって補正した。両軸にクレアチニンを導入するの
を回避するために、用いた値はクレアチニンについて補
正しなかった。閉経前および閉経後グループ間の差異
は、対となっていないデータにつき、スチューデントt
−検定によって評価した。T−スコアは、閉経前標準偏
差における閉経前平均値からの閉経後偏差として計算し
た。T−スコアは、偏差分析によって比較した。12カ
月のホルモン療法の間の異なるマーカーおよび骨におけ
るベースラインからの減少は、対のデータについて、ス
チューデントt−検定によって評価した。プラセボおよ
びホルモングループにおける変化は、パーセント尺度で
評価した。個々のベースライン値は100%と定義し、
その後の値は全てベースライン値のパーセントとして計
算した。各グループの平均値は、対になっていないデー
タについてスチューデントt−検定によって比較した
(損失速度)。CrossLapsのベースライン値は、直線回
帰分析によって損失速度に対して相関つけた。
【0143】結果 図18において、CrossLapsとPyrとの間の相関関係
が可視化されている(n=81)。r−値は0.83で
ある。
【0144】図19は、閉経前(n=104)および閉
経後(n=180)婦人におけるCrossLaps/Cr、H
pr/Crおよびオステオカルチンの個別の数値を示
す。閉経後婦人は、これら3種のマーカーの全ての数値
が71%(CrossLaps)、23%(Hpr)および52
%(オステオカルチン)となり数値が有意に増加した。
閉経に対する応答がT−スコアで表される場合、CrossL
apsはT−スコアが1.6であり、Hprは0.7であ
り、オステオカルチンについては1.0であった(P<
0.001)。試料から無作為に選択したサブセットに
おいて(閉経前n=29および閉経後n=28)、パー
セントでの増加は、Pyrについて31%、D−Pyr
については50%であった。対応するT−スコアは、P
yrならびにD−Pyrについては1.3であり、これ
はCrossLapsのT−スコアと有意に異ならなかった(Cro
ssLapsについてのT−スコアは同一サブグループで1.
5であった)。ベースラインで測定した180人の閉経
後婦人のうち、41%は閉経前平均値の2倍標準偏差以
上のCrossLaps値を有していた。Hprおよびオステオ
カルチンについて対応する値は、各々12%および23
%であった。 図20は、ベースライン値のパーセント
で表した、12カ月のホルモン代替療法(n=80)ま
たはプラセボ(n=35)療法後のCrossLaps/Cr、
オステオカルチンおよび前腕骨質量を示す。すべてのマ
ーカーにおいて、プラセボグループと比較すると、ホル
モングループにおいては統計的に有意に減少した。Cros
sLapsは60.7%減少し、Hprは30.5%減少し、
オステオカルチンは55.4%減少した。試料のランダ
ムに選択したサブセットにおいて(ホルモン置換n=1
2およびプラセボn=12)、パーセント減少はPyr
について22%、D−Pyrについて29%であった。
1年につき前腕骨質量は3.1%減少し、脊髄骨質量は
3.1%であった、
【0145】図21は、24カ月にわたる前腕骨質量測
定によって測定したCrossLaps/Crのベースライン値
および損失の速度(%/年)の間の相関関係を示す。こ
の相関関係から、t−値として−0.61が得られた
(P<0.001)。Hprおよびオステオカルチンに
ついての対応する相関関係から、−0.46および−0.
44がr−値として得られた。 前記したことから、Cro
ssLapsは、骨吸収の感受性マーカーであることが示され
ているピリジノリンに対して高度に有意に相関関係を有
することが証明される。このことは、CrossLapsが骨吸
収の感受性マーカーであり得ることを示している。本試
験における試料は、婦人の均質な群を代表するものであ
り、従って数値の範囲は比較的狭い。もしパジェット病
および極端に高い骨代謝回転を持つ患者が含まれていた
ならば、相関関係はより高くなったと予測される。Cros
sLapsにおける閉経時の増加は顕著であり(70%を超
える)、このことから、閉経時に起こる代謝変化の感受
性マーカーであることが判る。T−値は試験母集団が異
なると大幅に異なり得るので、注意深く解釈されるべき
である。しかしながら、異なるマーカーを比較する場合
には、T−値は、注目するマーカーの感度の指標を与え
る価値ある手段である。かくして本試験のデータは、Cr
ossLapsがカルシウム代謝に及ぼす閉経の影響に対して
感受性であることを示す。閉経前婦人は閉経後婦人と年
齢が一致しなかった。しかしながら、彼女らは平均して
40歳であり、かくして、年齢のインパクトはもしあっ
たとしても、些細のものに違いない。さらにこのような
比較試験において、マーカーは同様の方法で影響を最も
受け易いであろう。
【0146】CrossLaps値は、ホルモン代替療法に応答
して実質的に減少し、このことから、治療効果を追跡す
るための有用なマーカーとなる可能性が開ける。ホルモ
ン代替療法(オステオカルチン、Hpr、Pyrおよび
D−Pyr)を追跡するのに通常使用されるマーカーと
比較して、CrossLapsはテストした他の吸収マーカーよ
りも良好に機能した。しかしながら、PyrおよびD−
Pyr実験で使用した試料は比較的少数であったため、
これ以上の確固たる結論を得る可能性が制限されてい
る。また、X−スコアは、標準偏差においてプラセボグ
ループからの活性グループの偏差として算出されるもの
であるが、他のマーカーについてよりもCrossLapsにつ
いて高くなる(CrossLaps TMにつき1.5、Hprにつ
き0.7、およびオステオカルチンにつき1.1;P<
0.001)。
【0147】閉経後骨質量損失の速度は、骨代謝回転の
生化学的マーカーのパネルによって評価できることが示
された。損失速度は、骨粗鬆症の危険の第1の指針とな
り、骨質量測定に付託する件数を減少できるであろう。
CrossLapsと単一ホトン吸収法マーカーによって測定さ
れた損失速度との間の相関関係は、−0.61であるこ
とが判明したが(図21)、これは、骨代謝回転の他の
マーカーを用いて従前に見い出されているものよりも高
い。かくして、尿中CrossLaps濃度は、損失速度を予測
するのに使用されるであろう。もし3.0%/年を超え
る骨損失が危険因子であると定義されるならば、この母
集団における600μg/mmolCrなるCrossLaps
カットオフ限界を使用すると、診断感度は73%となり
また特異性は79%となる。3%/年の骨質量損失のレ
ベルを用いて「速い」および「遅い」骨損失者を区別し
た。何故ならば、損失のこの速度は2つのモードがある
骨損失分布において適当な分離を与えることが以前に見
い出されているからである。
【0148】本実施例において、脊髄骨損失の速度は必
要な精度で測定されなかった。というのも、測定の多く
はDPAで行われたからである。従ってベースラインCr
ossLapsに対する相関関係は算出されない。
【0149】健康な閉経後のグループの15年の追跡に
おいて、損失の速度は骨折の後期発生に有意に関係し、
損失速度はそれ自体危険因子であることが判った。一般
に、たとえ同一の結果が得られるとしても、急速な変化
は遅い変化よりも身体によって充分に許容されないこと
が広く受け入れられている。この事実によって、骨代謝
回転が大きい人を同定することが一層重要となってく
る。この意味で、ほとんど80%の特異性および70%
を超える感度であることから、本発明の方法は、閉経後
骨粗鬆症の危険評価における潜在的に有用なスクリーニ
ングパラメーターとなる。
【0150】すべての引用した特許、特許出願および文
献はその全体を出典明示して本明細書の一部とみなす。
しかしながら、矛盾する場合は、本開示が優先、支配す
る。
【0151】上記においては、具体的な実施例を述べて
本発明を記載してきた。しかしながら、以下にて特許請
求する本発明の精神を逸脱することなく、多くの追加、
削除および修正が可能であることは当業者に明らかであ
ろう。
【0152】附属書類 A コラーゲンアルファ1(I)鎖の前駆体−ヒト(断片)
ホモサピエンス(人) 残基の数=1341
【0153】コラーゲンアルファ1(I)鎖の前駆体の
配列は以下から調製: Chu, M.L., de Wet, W., Bernard, M., Ding, J.F., Mo
rabito, M., Myers, J., Williams, C., and Ramirez,
F., Nature 310, 337-340, 1984 (ヒト、残基1-181の
配列、DNA配列から翻訳) Click, E.M., and Bornstein, P., Biochemistry 9, 4
699-4706, 1970 (ヒト皮膚、 CNBr0-1, CNBr2, CNBr4,
CNBr5, 残基162-301 の部分配列) Morgan, P.H., Jacob, H.G., Segrest, J.P., and Cunn
ingham, L.W., J. Biol. Chem. 245, 5042-5048, 1970
(ヒト皮膚残基263-268 の配列) Bernard, M.P., Chu, M.L., Myers, J.C., Ramirez,
F., Eikenberry, E.F.,and Prockop, D.J., Biochemist
ry 22, 5213-5223, 1983 (mRN配列から翻訳した残基302
-1341の配列)
【0154】コラーゲンアルファ2(I)鎖の前駆体
ホモサピエンス(人) 残基の数=1368
【0155】コラーゲンアルファ2(I)鎖の前駆体の
配列は以下から調製: de Wet, W., Bernard, M.,Benson-Chanda, V., Chu, M.
L., Dickson, L., Weil, D., and Ramirez, F., J. Bio
l. Chem. 262, 16032-16036, 1987(mRNA配列から翻訳し
た配列) 表題:ヒトプロ−アルフア−2(I)コラーゲン遺伝子
の構成
【0156】コラーゲンアルファ1(II)鎖の前駆体
ホモサピエンス(人) 残基の数=1418
【0157】コラーゲンアルファ1(II)鎖前駆体の
配列は、以下から調製 Su, M.W., Lee, B., Ramirez, F., Manchdo, M. and Ho
rton, W., Nucleic Acids, Res, 17, 9473, 1989 ヒトII型プロコラーゲンをコードする全cDNAのヌ
クレオチド配列 Baldwin, C.T., Reginato, A.M.,Smith, C., Jimenez,
S.A., and Prockop, D.J., Biochem. J. 262, 521-528,
1989 ヒトII型プロコラーゲンをコードするcDNAクロー
ンの構造。アルファ−1(II)鎖はフィブリル状コラ
ーゲンの2つの他のアルファ鎖よりもアルフア−1
(I)鎖により類似する。 Ala-Kokko, L., Baldwin, C.T., Moskowitz, R.W., and
Prockop, D.J. Proc.Natl. Acad. Sci. U.S.A.87, 656
5-6568, 1990 中度軟骨形成不全症に伴う原発性変形性関節症の原因と
してのII型プロコラーゲン遺伝子(COL2A1) における
単一塩基突然変異 Ramirez, F. EMBL Data Libraryに提出、1988年12月 参照番号:S04892 Vikkula, M. and Peltonen, L. FEBS Lett. 250, 171-174, 1989 II型コラーゲン遺伝子における多形領域の構造分析
【0158】コラーゲンアルファ1(III)鎖の前駆
体 ホモサピエンス(人) 残基の数=1078
【0159】コラーゲンアルフア−1(III)鎖前駆
体の配列、以下から調製 Janeczko, R.A., and Ramirez, F., Nucleic Acids Re
s. 17, 6742, 1989 全ヒト・アルファ−1(III)コラーゲンのヌクレオ
チドおよび核酸配列
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で詳細に記載するα1(I)C1免疫
測定(「CrossLaps」とも称する)についての典型的標準
曲線である。
【図2】 実施例で詳細に記載するα1(I)NI免疫
測定についての典型的標準曲線である。
【図3】 実施例で詳細に記載するα2(I)N1免疫
測定についての典型的標準曲線である。
【図4】 全ピリジノリン(HPLC) とCrossLaps免疫測
定との間の相関関係を示す。
【図5】 全ピリジノリン(HPLC) とα1(I)免疫測
定との間の相関関係を示す。
【図6】 抗体MAbA7のエピトープ特異性を示す。
【図7】 α1(I)C1ペプチド断片に基づくCrossL
aps ELISAとMAbA7ELISAとの間の相関相関を示す。
【図8】 CrossLaps ELISAとα2(I)N1ペプチド
断片に基づいたNα2EISA との間の相関相関を示す。
【図9】 閉経に関連した骨吸収の増加をMAbA7EL
ISAによって検出する方法を示す。
【図10】 閉経に関連する骨吸収の増加のCrossLaps
ELISAによる検出を示す。
【図11】 CrossLaps ELISAおよびMAbA7 ELISA
によって測定した、ホルモン代替療法の間に於ける生物
化学的マーカーの変化を示す。
【図12】 健常な年齢適合させた婦人からの採取した
尿試料のCrossLapsにおける測定の個々の数値を示す。
【図13】 ホルモン代替療法を受けている婦人および
CrossLaps免疫測定におけるプラセボからの尿試料の測
定の個々の値を示す。
【図14】 CrossLaps免疫測定について選択された8
AAペプチドの位置の模式的表示である。
【図15】 初期閉経後婦人(n=245)および後記
閉経婦人からの個々の8AA値を示す。ハッチングを施
した領域は閉経前婦人(n=102)の群からの平均値
±2SDを示す。
【図16】 D−Pyrおよび8AA ELISAの間の相関
を示す。214人の年齢が30. 0−65. 0歳の健康
な婦人について、8AAELISA で得られた値をD−Py
r(HPLC) と比較した。
【図17】 Hprおよび8AA ELISAの間の相関を示
す。421人の健康な年令が30. 0−54. 0歳の婦
人について、8AAELISA で得られた値をHprと比較
した。
【図18】 CrossLapsTM ELISA で得られた値とHPLCで
のピリジノリン(n=81)との相関を示す。
【図19】 閉経前(n=104)および閉経後(n=
180)の婦人におけるCrossLapTM、Hprおよびオス
テオカルシン(osteocalcin) を示す。T−スコアはBott
om panelで示す。
【図20】 ベースライン値のパーセントとして表し
た、12カ月のホルモン代替療法(n=80)(.)ま
たはプラセボ(n=35)療法後における生化学的パラ
メーターならびに前腕(o)および脊髄(.)の骨質量
の平均変化を示す。ハッチングを施した領域は閉経前婦
人での変動を表す。
【図21】 24カ月の期間におけるCrossLaps TM/C
rのベースライン値と9回の前腕骨質量測定値から決定
した損失速度(%/年)との間の相関相関を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 21/08 C12N 15/00 C (72)発明者 クイスト、ペル デンマーク国、ディーケー−2930、クラム ペンボルク、タールバク・ストランドベ イ、103番ジー (72)発明者 ボンデ、マルチン デンマーク国、ディーケー−2800、リング ビー、リストフテベイ、15番 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA44 GA03 HA15 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA13 4B065 AA91X AA91Y AB05 BA08 CA25 CA46 4H045 AA10 AA30 DA76 EA50 FA74

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液中のコラーゲン断片の測定方法であ
    って、前記体液の試料をコラーゲン断片に対する少なく
    とも一つの免疫学的結合性パ−トナ−と接触させるこ
    と、前記結合性パ−トナ−が、実質的にコラーゲンに由
    来する配列を持つ合成ペプチドと免疫反応性を示しかつ
    架橋のための潜在的部位を含有する抗体であること、及
    び前記該免疫学的結合性パ−トナ−の一つ又は複数を、
    全抗体または免疫学的に活性なその断片のいずれかとし
    て、試料中のコラーゲン断片の定量測定法に組み込むこ
    ととを特徴とする、前記測定方法。
  2. 【請求項2】 体液中の試料を、免疫学的結合性パ−ト
    ナ−の一つまたは複数と接触させることに加えて、架橋
    出来る潜在的部位を含有する対応した合成ペプチドと直
    接接触させる、請求項第1項に記載された方法。
  3. 【請求項3】 該免疫学的結合性パ−トナ−が、架橋出
    来る潜在的部位を含有する対応した合成ペプチドを用い
    て免疫化することによって生成されたものである、請求
    項第1項または第2項に記載された方法。
  4. 【請求項4】 架橋出来る潜在的部位が、ペプチド配列
    に一体化されたリシンまたはヒドロキシリシン残基から
    成る、請求項第1項に記載された方法。
  5. 【請求項5】 該合成ペプチドの配列が、実質的に下記
    する構造のうちの一つから成る、ヒトI型コラーゲンの
    配列に由来するものである、請求項第1項又は第2項に
    記載された方法。 Asp-Glu-Lys-Ser-Thr-Gly-Gly Glu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-Arg Gly-Met-Lys-Gly-His-Arg Gly-Ile-Lys-Gly-His-Arg Gly-Phe-Lys-Gly-Ile-Arg 又は Gly-Leu-Pro-Gly-Leu-Lys-Gly-His-Asn
  6. 【請求項6】 該合成ペプチドの配列が、実質的に下記
    する構造のうちの一つから成る、ヒトII型コラーゲンの
    配列に由来するものである、請求項第1項又は第2項に
    記載された方法。 Glu-Lys-Gly-Pro-Asp Gly-Val-Lys Pro-Gly-Val-Lys-Gly Pro-Gly-Pro-Lys-Gly-Glu Gly-Gln-Lys-Gly-Glu-Pro 又は Gly-Asp-Ile-Lys-Asp-Ile-Val
  7. 【請求項7】 該合成ペプチドの配列が、実質的に下記
    する構造のうちの一つから成る、ヒトIII 型コラーゲン
    の配列に由来するものである、請求項第1項又は第2項
    に記載された方法。 Asp-Val-Lys-Ser-Gly-Val Glu-Lys-Ala-Gly-Gly-Phe-Ala Gly-Phe-Pro-Gly-Met-Lys-Gly-His-Arg 又は Gly-Ala-Ala-Gly-Ile-Lys-Gly-His-Arg
  8. 【請求項8】 該体液がヒトの尿、血液、血清または滑
    液・滑膜液である請求項第1項に記載された方法。
  9. 【請求項9】 請求項第1項ないし第8項のうちの何れ
    か一項に記載された方法において使用される該合成ペプ
    チドのいずれかに対して結合するモノクローナル抗体を
    産生する能力を有する細胞系。
  10. 【請求項10】 請求項第9項に記載された細胞系に
    よって産生されるモノクローナル抗体。
  11. 【請求項11】 実質的に下記する構造のうちの一つ
    から成る、ヒトI型コラーゲンの配列に由来する配列: Asp-Glu-Lys-Ser-Thr-Gly-Gly Glu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-Arg Gly-Met-Lys-Gly-His-Arg Gly-Ile-Lys-Gly-His-Arg Gly-Phe-Lys-Gly-Ile-Arg 又は Gly-Leu-Pro-Gly-Leu-Lys-Gly-His-Asnと 実質的に下記する構造のうちの一つから成る、ヒトII型
    コラーゲンの配列に由来する配列: Glu-Lys-Gly-Pro-Asp Gly-Val-Lys Pro-Gly-Val-Lys-Gly Pro-Gly-Pro-Lys-Gly-Glu Gly-Gln-Lys-Gly-Glu-Pro 又は Gly-Asp-Ile-Lys-Asp-Ile-Val 、及び 実質的に下記する構造のうちの一つから成る、ヒトIII
    型コラーゲンの配列に由来する配列: Asp-Val-Lys-Ser-Gly-Val Glu-Lys-Ala-Gly-Gly-Phe-Ala Gly-Phe-Pro-Gly-Met-Lys-Gly-His-Arg 又は Gly-Ala-Ala-Gly-Ile-Lys-Gly-His-Arg から成る群から選択される合成ペプチドを用いて免疫化
    することによって生成せせめられる免疫学的結合性パ−
    トナ−。
  12. 【請求項12】 Glu-Lys-Ala-His-Asp-Gly-Gly-Argな
    る配列を有する合成ペプチドを用いて免疫化することに
    よって生成せしめられる請求項第11項に記載された免
    疫学的結合性パ−トナ−。
  13. 【請求項13】 体液中のコラーゲン断片の量を数量
    化するためのテストキットであって、前記キットが実質
    的にコラーゲンに由来し且つ架橋出来る潜在的部位を有
    する合成ペプチドと免疫反応性を示す少なくとも1つの
    免疫学的結合性パ−トナ−を包含して成るものである、
    前記テストキット。
  14. 【請求項14】 請求項第12項に記載された免疫学
    的結合性パ−トナ−を包含して成る、請求項第13項に
    記載されたテストキット。
  15. 【請求項15】 コラーゲン代謝に関連した疾患の存
    在を患者において診断する方法であって、下記する三つ
    の工程から成る前記診断方法: (a)前記患者から採取した試料をコラーゲン断片に対
    する少なくとも1つの免疫学的結合性パ−トナ−と接触
    させること。なお、該結合性パ−トナ−は、その配列が
    コラーゲンに実質的に由来し且つ架橋出来る潜在的部位
    を含有する合成ペプチドに免疫反応性を示す抗体または
    その断片であるとする; (b)該試料中のコラーゲン断片に結合した前記抗体の
    量を検出すること;及び (c)該量を、コラーゲン代謝に関連した何れの疾患に
    も罹患していない対照被験者から採取した試料中におぴ
    て測定した前記抗体の結合量に基づいて予め確立・作成
    しておいた標準に前記量を比較対照すること。
  16. 【請求項16】 該抗体が、架橋出来る潜在的部位を
    含有する対応した合成ペプチドを用いて免疫化すること
    によって生成せしめたものである、請求項第13項に記
    載された方法。
  17. 【請求項17】 所定の疾患を診断するため、骨組
    織、結合組織および他の組織の代謝の他のマーカーと組
    み合わせてコラーゲン断片の測定を行うことから成る、
    請求項第13項に記載された方法。
  18. 【請求項18】 請求項第11項に記載された合成ペ
    プチドを体液中におケル当該ペプチドの量を数量化する
    に際しての標準として使用する方法・用途。
  19. 【請求項19】 請求項第11項に記載された合成ペ
    プチドを免疫原剤の調製において使用する方法・用途。
  20. 【請求項20】 診断剤として使用される、請求項第1
    1項に記載された免疫学的結合性パ−トナ−。
  21. 【請求項21】 請求項第11項に記載された合成ペプ
    チドから成る免疫原性組成物。
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