JP2003200526A - プリント配線板製造用材料及びプリント配線板及びその製造方法 - Google Patents
プリント配線板製造用材料及びプリント配線板及びその製造方法Info
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Abstract
縁層を形成することができるプリント配線板製造用材料
を提供する。 【解決手段】 無機誘電体粒子を含有する熱硬化性樹脂
組成物からなる樹脂層1をキャリア2の表面に形成した
プリント配線板製造用材料に関する。熱硬化性樹脂組成
物中の無機誘電体粒子の体積分率を40〜80vol%
とする。無機誘電体粒子の構成要素としてMn、V、C
r、Co、Fe、Cu、Ni及びMoから選択された1
種又は2種以上のアクセプタ型元素を含有する。アクセ
プタ型元素を含有する無機誘電体粒子により絶縁層の誘
電率や体積抵抗値を高くすることができる。
Description
リント配線板を形成するためのプリント配線板製造用材
料及びこれを用いたプリント配線板及びその製造方法に
関するものである。
が急速に進行する中で、電子部品の超小型化や実装の高
密度化が進み、電子機器の小型化、軽量化、薄型化が急
速に進んでいる。その中で、プリント配線板の配線パタ
ーンの細密化やプリント配線板上の容量を用いるバイパ
スコンデンサの複合回路化などの要求から、高誘電率か
つ薄板状の絶縁層を有するプリント配線板が必要とされ
ている。
ント配線板を製造するにあたっては、絶縁層となる絶縁
基板を無機物、例えば、アルミナや窒化アルミニウムな
どで形成したセラミック基板(無機基板)を用いること
が行なわれている。このようなセラミック基板は絶縁基
板の誘電率が10程度であり、誘電率が5程度であるエ
ポキシ樹脂やポリイミド樹脂等からなる有機基板に比べ
ると、厚みが薄くても高誘電率や高体積抵抗率を有して
絶縁性に優れるものである。しかし、セラミック基板は
有機基板と比べて孔あけなどの加工性が劣り、実用に供
することが難しかった。
線板を製造するにあたっては、絶縁層となる絶縁基板を
有機基板で形成したものを用いることが行なわれてお
り、例えば、FR−4グレードで厚み50μmのものが
用いられている。しかし、このような有機基板は誘電率
が5程度であって、セラミック基板に比べると低誘電率
であったり低体積抵抗率であったりして絶縁性が低いも
のであった。そこで、二酸化チタン系セラミック等の無
機充填材を絶縁層に添加することが行われているが(例
えば、特許文献1参照)、さらに、高い絶縁性を有する
絶縁層を形成することができるプリント配線板製造用材
料の開発が望まれていた。
求の範囲等)
ても加工性及び絶縁性に優れる絶縁層を形成することが
できるプリント配線板製造用材料及びこれを用いて製造
されるプリント配線板及びその製造方法を提供すること
を目的とするものである。
プリント配線板製造用材料Aは、無機誘電体粒子を含有
する熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層1をキャリア2
の表面に形成したプリント配線板製造用材料において、
熱硬化性樹脂組成物中の無機誘電体粒子の体積分率を4
0〜80vol%とし、無機誘電体粒子の構成要素とし
てMn、V、Cr、Co、Fe、Cu、Ni及びMoか
ら選択された1種又は2種以上のアクセプタ型元素を含
有して成ることを特徴とするものである。
線板製造用材料Aは、請求項1に加えて、無機誘電体粒
子が固有の誘電率で100以上の誘電率を有することを
特徴とするものである。
線板製造用材料Aは、請求項1又は2に加えて、無機誘
電体粒子がチタン酸化合物系セラミック、ジルコン酸化
合物系セラミック、スズ酸化合物系セラミックから選ば
れる少なくとも一つであることを特徴とするものであ
る。
線板製造用材料Aは、請求項1乃至3のいずれかに加え
て、無機誘電体粒子からアクセプタ型元素を除いた基本
構成要素の無機化合物の100モルに対して、0.05
〜5.0モルのアクセプタ型元素を含有する無機誘電体
粒子を用いて成ることを特徴とするものである。
線板製造用材料Aは、請求項1乃至4のいずれかに加え
て、無機誘電体粒子の平均粒径が0.01〜5μmであ
ることを特徴とするものである。
線板製造用材料Aは、請求項1乃至5のいずれかに加え
て、キャリア2として金属箔2bと樹脂フィルム2aの
少なくとも一方を用いて成ることを特徴とするものであ
る。
線板製造用材料Aは、請求項1乃至6のいずれかに加え
て、無機誘電体粒子の平均粒径が、0.01μm以上
0.5μm未満の粒子と、平均粒径0.5μm以上5μ
m以下の粒子との2種類以上の粒子から成ることを特徴
とするものである。
線板製造用材料Aは、請求項1乃至7のいずれかに加え
て、キャリア2として用いられる金属箔2bの表面粗度
Rzが3μm以下であることを特徴とするものである。
線板製造用材料Aは、請求項1乃至8のいずれかに加え
て、キャリア2の表面に無機誘電体粒子を含有しない樹
脂層3を形成すると共に無機誘電体粒子を含有する熱硬
化性樹脂組成物からなる樹脂層1を上記無機誘電体粒子
を含有しない樹脂層3の表面に形成して成ることを特徴
とするものである。
配線板製造用材料Aは、請求項9に加えて、キャリア2
の表面に樹脂層3を塗工あるいは噴霧により形成して成
ることを特徴とするものである。
は、請求項1乃至10のいずれかに記載のプリント配線
板製造用材料の樹脂層1を硬化して絶縁層4を形成して
成ることを特徴とするものである。
の製造方法は、請求項1乃至10のいずれかに記載のプ
リント配線板製造用材料Aの片面に回路形成した後、こ
の回路形成した面に樹脂シート5と導電箔6を順次積層
成形し、さらに回路形成することを特徴とするものであ
る。
配線板の製造方法は、請求項1乃至10のいずれかに記
載のプリント配線板製造用材料Aの片面に回路形成した
後、この回路形成した面を互いに対向させて二枚のプリ
ント配線板製造用材料Aを配し、その間に樹脂シート5
を配して積層成形し、さらに回路形成することを特徴と
するものである。
配線板の製造方法は、回路9を形成した基板7の表面に
樹脂8を塗工し、この基板7の回路9の表面が塗工した
樹脂8の表面と略同一になるよう平滑にし、さらに、上
記請求項1乃至10のいずれかに記載のプリント配線板
製造用材料Aを重ね合わせた後、成形することにより多
層化することを特徴とするものである。
する。
無機誘電体粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物からなる
樹脂層1をキャリア2の表面に形成したものである。こ
のようなプリント配線板製造用材料としては、図1
(a)に示すようにキャリア2の片面に樹脂層1を形成
したものを例示することができる。キャリア2としては
耐熱性があり且つ樹脂層1を支持する強度があるフィル
ム状のものを使用することができ、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系フィルム、ポリフ
ェニレンサルファイドフィルム、ポリイミドフィルム、
フッ素系樹脂フィルム等の樹脂フィルム2a、及びアル
ミニウム箔、ニッケル箔、銅箔等の金属箔(金属製フィ
ルム)2bを挙げることができる。キャリア2として上
記のような金属箔2bを用いた場合、本発明のプリント
配線板製造用材料は樹脂付き金属箔として形成すること
ができる。金属箔2bのキャリア2は、プリント配線板
製造用材料を搬送したりする際の取り扱い性を向上させ
ると共にプリント配線板の回路形成用の導体層として用
いられるものである。一方、樹脂フィルム2aのキャリ
ア2はプリント配線板製造用材料を搬送したりする際の
取り扱い性を向上させるために用いられるものである。
上記のキャリア2の厚みは特に制限はないが、例えば、
5〜100μmに形成することができる。
面粗度Rzは3μm以下であることが好ましい。金属箔
2bの表面粗度Rzが3μm以下であることにより、絶
縁層の厚みが5μmから50μmのプリント配線板を形
成した際に、金属箔2bと絶縁層の密着性を高くするこ
とができ、絶縁層の高い絶縁性を確保することができる
からである。従って、金属箔2bの表面粗度Rzが3μ
mより大きいと、金属箔2bと絶縁層の密着性を高くす
ることができず、絶縁層の高い絶縁性を確保することが
できなくなる恐れがある。尚、金属箔2bの表面粗度R
zは小さいほど好ましいので、特に下限は限定されない
が、現在入手可能な金属箔2bの表面粗度Rzは1.4
μmであるので、この値が金属箔2bの表面粗度Rzの
実質的な下限値となる。
化性樹脂と無機誘電体粒子を含有して調製されるもので
ある。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂(PPO樹脂)、
ポリフェニレンエーテル樹脂、BT樹脂、ポリブタジエ
ン樹脂などを用いることができるが、高周波域の用途で
は、高周波で損失の少ない低tanδ樹脂が好ましく、
例えば、PPO樹脂が用いられる。また、比誘電率の大
きな樹脂、例えば、エポキシ樹脂などは、比誘電率の点
では好ましいが、誘電損失が大きく、高周波領域で低損
失を求められる用途にはそぐわない。また、臭素化ビス
フェノールA型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂を用いると、その他の熱硬化性樹脂より密
着性の良い樹脂層1及び絶縁層及び積層板を得ることが
できて好ましい。
要素としてMn,V,Cr,Co,Fe,Cu,Ni及
びMoから選択された1種又は2種以上のアクセプタ型
元素を含むものであって、具体的には、Mn,V,C
r,Co,Fe,Cu,Ni及びMoから選択された1
種又は2種以上のアクセプタ型元素を組成中に含有した
チタン酸化合物系セラミック、Mn,V,Cr,Co,
Fe,Cu,Ni及びMoから選択された1種又は2種
以上のアクセプタ型元素を組成中に含有したジルコン酸
化合物系セラミック、Mn,V,Cr,Co,Fe,C
u,Ni及びMoから選択された1種又は2種以上のア
クセプタ型元素を組成中に含有したスズ酸化合物系セラ
ミックから選ばれるいずれか一つあるいはこれらの二つ
以上の混合物である。すなわち、本発明で用いる無機誘
電体粒子は、無機誘電体粒子からアクセプタ型元素を除
いた基本構成要素の無機化合物であるチタン酸化合物系
セラミックあるいはジルコン酸化合物系セラミックある
いはスズ酸化合物系セラミックにアクセプタ型元素が少
量配合(添加)されて、基本構成要素の無機化合物の組
成中にアクセプタ型元素が含有された状態となってい
る。
機誘電体粒子の電子伝導が抑制され、この無機誘電体粒
子を含むプリント配線板の絶縁層の絶縁性が向上すると
考えられる。特に、Mn元素を含む化合物を無機誘電体
粒子に含有させることは、絶縁層の絶縁性の向上の点で
より好ましい。
ン酸化合物系セラミック、ジルコン酸化合物系セラミッ
ク、スズ酸化合物系セラミックから選ばれるいずれか一
つを用いたりあるいは複数種混合して用いることができ
る。基本構成要素のチタン酸化合物系セラミックとして
は二酸化チタン系セラミック、チタン酸バリウム系セラ
ミック、チタン酸鉛系セラミック、チタン酸ストロンチ
ウム系セラミック、チタン酸カルシウム系セラミック、
チタン酸ビスマス系セラミック、チタン酸マグネシウム
系セラミック、チタン酸カドミウム系セラミックなどを
例示することができる。尚、上記のチタン酸バリウム系
セラミックとしては、BaTi0.7Zr0.3O3な
どのBaTixZr(1−x)O3の組成を有するもの
やLa0 .15Ba0.85Ti0.92Zr0.08
などのLaxBa(1−x)Ti yZr(1−y)の組
成を有するものやLa0.15Ba0.85Ti
0.92Zr0.08O3などのLaxBa(1−x)
TiyZr(1−y)O3の組成を有するものなどを例
示することができる(但し、0.12≦x≦0.17、
0.07≦y≦0.12、0.19≦x+y≦0.26
5)。また、基本構成要素のジルコン酸化合物系セラミ
ックとしては、ジルコン酸カルシウム系セラミック、ジ
ルコン酸バリウム系セラミック、ジルコン酸鉛系セラミ
ックなどを例示することができる。また、基本構成要素
のスズ酸化合物系セラミックとしてはスズ酸カルシウム
系セラミック、スズ酸ストロンチウム系セラミック、ス
ズ酸バリウム系セラミックなどを例示することができ
る。
体粒子からMn,V,Cr,Co,Fe,Cu,Ni及
びMoから選択された1種又は2種以上のアクセプタ型
元素を除いた基本構成要素の無機化合物の100モルに
対して0.05〜5.0モルのMn,V,Cr,Co,
Fe,Cu,Ni及びMoから選択された1種又は2種
以上のアクセプタ型元素を含有する(基本構成要素の無
機化合物の全モルに対して0.05〜5.0モル%のM
n,V,Cr,Co,Fe,Cu,Ni及びMoから選
択された1種又は2種以上のアクセプタ型元素を含有す
る)のが好ましい。無機誘電体粒子のMn,V,Cr,
Co,Fe,Cu,Ni及びMoから選択された1種又
は2種以上のアクセプタ型元素の含有量が基本構成要素
の無機化合物100モルに対して0.05〜5.0モル
の範囲から逸脱すると、絶縁層の誘電率や体積抵抗率が
低下する傾向にあり、厚みが薄くても絶縁性の高い絶縁
層を形成することができなくなる恐れがある。
率を有するものであって、誘電率が100以上であるこ
とが好ましい。無機誘電体粒子の誘電率が100未満で
あれば、厚みが薄くても絶縁性の高い絶縁層を得ようと
すると、無機誘電体粒子を熱硬化性樹脂組成物に多量に
配合しなければならず、絶縁層の加工性が低下する恐れ
があり、逆に、少ない配合量にすると高い誘電率を有す
る絶縁層を形成することができない恐れがある。尚、無
機誘電体粒子の誘電率の上限は特に設定されないが、現
在入手可能なもので最も高い誘電率は20000である
ので、この値が本発明の無機誘電体粒子の誘電率の上限
となる。
01〜5μmであることが好ましい。無機誘電体粒子の
平均粒径が5μmを超えると、樹脂層1の薄膜化が困難
となり、厚みの薄い絶縁層が形成しにくくなる恐れがあ
り、無機誘電体粒子の平均粒径が0.01μm未満では
無機誘電体粒子を熱硬化性樹脂と混合し、ワニスを調製
する際、ワニス粘度が増して無機誘電体粒子の均一分散
の妨げとなり、均質な絶縁層を形成することができない
恐れがあり、また、プリント配線板製造における成形時
に樹脂層1の溶融粘度が上がり過ぎて成形性が低下する
恐れがある。また、粒径の異なる複数種の無機誘電体粒
子を用いることができ、これにより、熱硬化性樹脂組成
物の流動性をあまり損なうことなく、熱硬化性樹脂組成
物に含まれる無機誘電体粒子の充填量を上げることがで
きるのでより好ましい。
しては、平均粒径が0.01μm以上0.5μm未満の
粒子と、0.5μm以上5μm以下の粒子との2種類以
上の粒子からなることが好ましい。すなわち、単一平均
粒径の無機誘電体粒子ではなく平均粒径が異なる2種類
以上の無機誘電体粒子を併用するものであり、これによ
り、平均粒径の大きな無機誘電体粒子の間に平均粒径の
小さな無機誘電体粒子を入り込ませることができ、樹脂
層1中に充填する無機誘電体粒子の充填率を上げること
ができるものであり、高い絶縁性を有するプリント配線
板の絶縁層を容易に形成することができるものである。
平均粒径が0.01μm以上0.5μm未満の粒子と、
0.5μm以上5μm以下の粒子との配合比率は特に限
定はないが、例えば、無機誘電体粒子の全質量のうち平
均粒径が0.01μm以上0.5μm未満の粒子の配合
量を5〜45質量%とし、その残部を0.5μm以上5
μm以下の粒子とすることができる。
より、粒子径とその相対粒子量との分布を測定し、その
平均値を無機誘電体粒子の平均粒径として定義している
ものである。
要に応じてジシアンジアミド等の硬化剤、2−エチル−
4−メチルイミダゾール等の硬化促進剤、エポキシシラ
ンカップリング剤等のカップリング剤を配合することが
できる。
粒子及び必要に応じて硬化剤や硬化促進剤やカップリン
グ剤を均一に混合することによって本発明で用いる熱硬
化性樹脂組成物を調製することができる。この熱硬化性
樹脂組成物中における無機誘電体粒子の体積分率は40
〜80vol%とする。熱硬化性樹脂組成物中における
無機誘電体粒子の体積分率が40vol%より少ない
と、プリント配線板製造用材料の樹脂層1から形成され
る絶縁層の誘電率が低くなり、厚みが薄くても高誘電率
のプリント配線板を得ることができない。また、熱硬化
性樹脂組成物中における無機誘電体粒子の体積分率が8
0vol%より多いと、プリント配線板製造用材料の樹
脂層1から形成される絶縁層が脆くなってその強度が低
くなり、プリント配線板の取り扱い性が低下する恐れが
ある。
して0.8〜1.2当量となるように配合するのが好ま
しい。また、硬化促進剤は熱硬化性樹脂100質量部に
対して0.05〜0.1質量部配合するのが好ましく、
さらに、カップリング剤はフィラー100質量部に対し
て0.5〜3.0質量部配合するのが好ましい。
製造用材料を形成するにあたっては次のようにして行な
う。まず、上記の熱硬化性樹脂組成物を溶剤に溶解ある
いは分散させることによって樹脂ワニスを調製する。溶
剤としてはメチルエチルケトン(MEK)やN,N−ジ
メチルホルムアミドなどを用いることができる。また、
樹脂ワニスの塗工性などを考慮すると、樹脂ワニス中の
熱硬化性樹脂組成物の濃度は60〜90質量%にするの
が好ましい。
工した後、乾燥させたりあるいは乾燥後に加熱等により
樹脂ワニス中の熱硬化性樹脂を半硬化状態(Bステージ
状態)にしたりしてキャリア2の片面に樹脂層1を形成
することによって、本発明のプリント配線板製造用材料
を形成することができる。樹脂層1の厚みは5〜50μ
mにするのが好ましい。樹脂層1の厚みが5μmより小
さいと、本発明のプリント配線板製造用材料を用いて形
成されるプリント配線板の絶縁層が薄くなり過ぎて高誘
電率や高体積抵抗率を有する絶縁性の絶縁層を形成する
のが困難であり、樹脂層1の厚みが50μmよりも大き
くなると、本発明のプリント配線板製造用材料を用いて
形成されるプリント配線板の絶縁層の厚みを薄く形成す
ることができなくなる恐れがある。
造用材料Aの他例を示す。このプリント配線板製造用材
料Aは二枚のキャリア2の間に樹脂層1を形成したもの
であり、その他の構成は図1(a)のものと同様にする
ことができる。このようなプリント配線板製造用材料A
は一方のキャリア2の片面に上記と同様にして樹脂層1
を形成した後、樹脂層1の表面に他方のキャリア2を重
ね合わせることによって形成することができる。また、
キャリア2は両方とも樹脂フィルム2aあるいは金属箔
2bであってもよし、一方が樹脂フィルム2aで他方が
金属箔2bで形成するようにしてもよい。
造用材料Aの他例を示す。このプリント配線板製造用材
料Aは図1(b)に示すものにおいて、キャリア2の表
面にさらに他のキャリア2を重ね合わせて形成したもの
であり、その他の構成は図1(b)のものと同様にする
ことができる。このプリント配線板製造用材料Aの場
合、例えば、樹脂層1の表面に接触しているキャリア2
が金属箔2bで形成し、この金属箔2bのキャリア2の
表面に重ね合わせられるキャリア2は樹脂フィルム2a
で形成することができる。
造用材料Aの他例を示す。このプリント配線板製造用材
料Aは図1(a)に示すものにおいて、キャリア2の表
面にさらに他のキャリア2を重ね合わせて形成したもの
であり、その他の構成は図1(a)のものと同様にする
ことができる。このプリント配線板製造用材料Aの場
合、例えば、金属箔2bのキャリア2の表面に重ね合わ
せられるキャリア2は樹脂フィルム2aで形成すること
ができる。
料Aの他例を示す。このプリント配線板製造用材料A
は、キャリア2の片面に無機誘電体粒子を含有しない樹
脂層3を形成した後、無機誘電体粒子を含有する熱硬化
性樹脂組成物からなる上記と同様の樹脂層1を無機誘電
体粒子を含有しない樹脂層3の表面に形成したものであ
り、その他の構成は図1(a)のものと同様にすること
ができる。従って、キャリア2の片面には無機誘電体粒
子を含有しない樹脂層3と無機誘電体粒子を含有する樹
脂層1とがこの順で積層されていることになる。
含有する樹脂層1との間に無機誘電体粒子を含有しない
樹脂層3を介在させることによって、本発明のプリント
配線板製造用材料を用いて形成されるプリント配線板を
成形した後に、キャリア2と絶縁層との密着性を高める
ことができ、層間剥離等の破損を少なくすることができ
るものである。
3は、無機誘電体粒子を含有する樹脂層1で用いられる
熱硬化性樹脂と同様のものを使用することができる。ま
た、上記の無機誘電体粒子を含有しない樹脂層3は、キ
ャリア2に対して、コンマコータ等による塗工あるいは
スプレー等による噴霧により形成されることが好まし
く、これにより、無機誘電体粒子を含有しない樹脂層3
を薄く形成することができ、本発明のプリント配線板製
造用材料を用いて形成されるプリント配線板の絶縁層の
比誘電率の低下を最小にし、且つ密着力を向上させるこ
とができるものである。尚、無機誘電体粒子を含有しな
い樹脂層3の厚みは特に限定されるものではないが、例
えば、0.1〜1μmにすることができる。
造用材料を用いてプリント配線板を製造するにあたって
は各種の方法を採用することができる。キャリア2とし
て金属箔2bを用いたプリント配線板製造用材料の場合
は、プリント配線板製造用材料を加熱あるいは加熱加圧
して樹脂層1を硬化させて絶縁層を形成することによっ
て、両面あるいは片面金属箔張り積層板を形成し、この
積層板の金属箔2bにサブトラクティブ法などの回路形
成を施すことによってプリント配線板を形成することが
できる。また、内層用コア材などの他のプリント配線板
の表面に樹脂層1が接触するようにしてプリント配線板
製造用材料を重ね合わせ、この重ね合わせたものを加熱
あるいは加熱加圧して樹脂層1を硬化させて絶縁層を形
成することによって、内層回路を有する両面あるいは片
面金属箔張り積層板を形成し、この積層板の金属箔2b
にサブトラクティブ法などの回路形成を施すことによっ
て多層プリント配線板を形成することができる。
を用いたプリント配線板製造用材料の場合はキャリア2
を樹脂層1あるいは他のキャリア2(金属箔2bのキャ
リア2)から剥離した後、上記と同様にして樹脂層1を
硬化させたり他のプリント配線板に重ね合わせたりする
ものである。さらに、金属箔2bのキャリア2を有さな
いプリント配線板製造用材料Aの場合は樹脂層1の硬化
により絶縁層を形成した後、アディティブ法などの回路
形成を絶縁層に施すことによりプリント配線板を製造す
ることができる。
例えば、温度160〜180℃、圧力0〜3MPaの条
件を採用することができる。
料Aを用いた多層プリント配線板の製造方法を示す。こ
こで用いたプリント配線板製造用材料Aは図1(c)に
示すものであって、無機誘電体粒子を含有する樹脂層1
の両面に接触させて設けたキャリア2として銅箔等の金
属箔2bを用い、一方の金属箔2bと接触させて設けた
キャリア2として樹脂フィルム2aを用いたものであ
る。
板製造用材料Aの樹脂層1を硬化させて絶縁層4を形成
することによって両面銅張り積層板を作製した後、図3
(a)に示すように、樹脂フィルム2aで覆われていな
い一方の金属箔2bにサブトラクティブ法などの回路形
成を施すことにより、絶縁層4の片面に内層回路となる
回路(回路パターン)10を形成する。ここで、他方の
金属箔2bは樹脂フィルム2aに保護されており、絶縁
層4の片面のみの回路形成ができるものであり、こうす
ることにより上記回路形成時では回路形成を施さない金
属箔2bに変形や割れを生じにくくすることができるも
のである。次に、回路10を形成した片面においてプリ
ント配線板製造用材料Aに樹脂シート5と導電箔6とを
この順で重ね合わせ、この後、加熱加圧等により成形し
て樹脂シート5を硬化させることによって、プリント配
線板製造用材料Aと樹脂シート5の硬化物からなる絶縁
層11と導電箔6とを積層一体化する。ここで、樹脂シ
ート5及び導電箔6としては従来からプリント配線板の
製造に用いられている公知のものを使用することがで
き、例えば、樹脂シート5としてはエポキシ樹脂含浸ガ
ラス布基材等のプリプレグを用いることができ、また、
導電箔6としては銅箔等の金属箔を用いることができ
る。また、上記の積層一体化する際の加熱加圧の条件も
従来と同様にすることができ、例えば、温度160〜1
80℃、圧力0〜3MPaの条件を採用することができ
る。
フィルム2aを未回路形成の金属箔2bから剥離して金
属箔2bを露出させると共にこの金属箔2bにサブトラ
クティブ法などの回路形成を施して図3(b)に示すよ
うに絶縁層4の他の片面に内層回路となる回路(回路パ
ターン)12を形成する。次に、図3(c)に示すよう
に、金属箔2bから形成した回路12側の片面に上記と
同様の樹脂シート5と導電箔6とをこの順で重ね合わ
せ、この後、上記と同様にして、加熱加圧等により成形
して樹脂シート5を硬化させることによって、プリント
配線板製造用材料Aと樹脂シート5の硬化物からなる絶
縁層13と導電箔6とを積層一体化する。
外側に絶縁層11、13を介して積層された導電箔6に
サブトラクティブ法などの回路形成を施して外層となる
回路(回路パターン)14を形成することによって、図
3(d)に示すように、本発明のプリント配線板製造用
材料Aをコア材料とした多層プリント配線板を形成する
ことができる。
材料Aは従来から用いられている通常のプリント配線板
加工性設備を使用して多層プリント配線板を形成するこ
とができる。尚、図3(d)に示す多層プリント配線板
をコア材料として用いてさらに多層のプリント配線板を
製造することができる。
料Aを用いた多層プリント配線板の製造方法の他例を示
す。ここで用いたプリント配線板製造用材料Aは図1
(c)に示すものであって、無機誘電体粒子を含有する
樹脂層1の両面に接触させて設けたキャリア2として銅
箔等の金属箔2bを用い、一方の金属箔2bと接触させ
て設けたキャリア2として樹脂フィルム2aを用いたも
のである。
板製造用材料Aの樹脂層1を硬化させて絶縁層4を形成
することによって両面銅張り積層板を作製した後、図4
(a)に示すように、樹脂フィルム2aで覆われていな
い一方の金属箔2bにサブトラクティブ法などの回路形
成を施すことにより、絶縁層4の片面に内層回路となる
回路(回路パターン)10を形成する。ここで、他方の
金属箔2bは樹脂フィルム2aに保護されており、絶縁
層4の片面のみの回路形成ができるものであり、こうす
ることにより上記回路形成時では回路形成を施さない金
属箔2bに変形や割れを生じにくくすることができるも
のである。次に、上記のように回路10を形成したプリ
ント配線板製造用材料Aを二枚用意し、回路10を形成
した面を互いに対向させて二枚のプリント配線板製造用
材料Aを配置すると共にこの二枚のプリント配線板製造
用材料Aの間に上記と同様の樹脂シート5を配置し、二
枚のプリント配線板製造用材料Aと樹脂シート5とを重
ね合わせる。この後、加熱加圧等により成形して樹脂シ
ート5を硬化させることによって、図4(b)に示すよ
うに、二枚のプリント配線板製造用材料Aと樹脂シート
5の硬化物からなる絶縁層11とを積層一体化する。こ
の積層一体化する際の加熱加圧の条件は上記と同様に設
定することができる。
フィルム2aを金属箔2bから剥離して金属箔2bを露
出させると共にこの金属箔2bにサブトラクティブ法な
どの回路形成を施して外層となる回路(回路パターン)
14を形成することによって、図4(c)に示すような
多層プリント配線板を形成することができる。
材料Aは従来から用いられている通常のプリント配線板
加工性設備を使用して多層プリント配線板を形成するこ
とができると共に多層プリント配線板に必要な容量に応
じて容易に多層化を図ることができるものである。尚、
図4(c)に示す多層プリント配線板をコア材料として
用いてさらに多層のプリント配線板を製造することがで
きる。
料Aを用いた多層プリント配線板の製造方法の他例を示
す。ここで用いたプリント配線板製造用材料Aは図1
(a)に示すものであって、キャリア2として銅箔等の
金属箔2bを用いたものであり、樹脂付き金属箔として
形成されている。
る回路(回路パターン)9を形成した内層用の基板(コ
ア材料)7の表面に液状の樹脂8を全面に亘って塗工
し、加熱等により塗工した樹脂8を硬化させる。ここで
樹脂8としてはプリント配線板製造用材料Aの樹脂層1
に用いた熱硬化性樹脂と同様のものを使用することがで
きる。次に、硬化した樹脂8を研磨等することにより、
基板7の回路9の表面と塗工した樹脂8の表面とが略同
一になるよう平滑にする。次に、図5(a)に示すよう
に、上記のプリント配線板製造用材料Aの樹脂層1を基
板7の表面に接触するようにして両側に重ね合わせた
後、加熱加圧等により成形してプリント配線板製造用材
料Aの樹脂層1を硬化させて絶縁層4を形成することに
よって、図5(b)に示すように、二枚のプリント配線
板製造用材料Aと基板7とを積層一体化する。この積層
一体化する際の加熱加圧の条件は上記と同様に設定する
ことができる。次に、プリント配線板製造用材料Aの金
属箔2bにサブトラクティブ法などの回路形成を施して
外層となる回路(回路パターン)14を形成することに
よって、図5(c)に示すような多層プリント配線板を
形成することができる。
材料Aは従来から用いられている通常のプリント配線板
加工性設備を使用して多層プリント配線板を形成するこ
とができると共に樹脂8により外層と内層の間に形成さ
れる絶縁層の厚みを均一化することができ、単位面積当
たりの電気容量値をほぼ一定値にすることができるもの
である。尚、図5(c)に示す多層プリント配線板をコ
ア材料として用いてさらに多層のプリント配線板を製造
することができる。
V,Cr,Co,Fe,Cu,Ni及びMoから選択さ
れた1種又は2種以上のアクセプタ型元素を構成要素と
する無機誘電体粒子を体積分率で40〜80vol%含
有する樹脂層1を硬化させて絶縁層4を形成するので、
Mn,V,Cr,Co,Fe,Cu,Ni及びMoから
選択された1種又は2種以上のアクセプタ型元素を構成
要素としない無機誘電体粒子を含む絶縁層に比べて絶縁
性改善(絶縁抵抗を高くすること)と低周波数での誘電
損失の低減を図ることができ、厚みが薄くても誘電率や
体積抵抗率の高い絶縁性に優れ、しかも高電気容量の絶
縁層を形成することができるものである。また、絶縁層
は樹脂の硬化物で形成されるので、セラミックで形成さ
れる絶縁層よりもレーザ等での加工性を高めることがで
きるものである。
る。
a2O3、TiO2、ZrO2、MnOの各粉末を乾式
法で混合し、この混合物を1300℃で焼成して焼結体
を形成し、この焼結体を粉砕することによって平均粒径
が1μmの無機誘電体粒子を形成した。この無機誘電体
粒子は基本構成要素としてLa0.15Ba0.85T
i0.92Zr0.08O3の組成を有するものであ
り、Mnの含有量を異ならせて6種類のものを作製し
た。すなわち、基本構成要素100モルに対してMnを
含まないもの(0モルのもの)、0.05モル含むも
の、0.1モル含むもの、0.2モル含むもの、0.3
モル含むもの、0.5モル含むものをそれぞれ作製し
た。尚、各無機誘電体粒子のMnの含有量と誘電率を表
1、2に示す。また、アクセプタ型元素の含有量は無機
誘電体粒子からアクセプタ型元素を除いた基本構成要素
(元素)の全量(100モル)に対するモル%で示す。
型エポキシ樹脂(東都化成社製の「YDB−500」エ
ポキシ当量500)を88質量部と、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂(東都化成社製の「YDCN−70
1」エポキシ当量220)を9.7質量部と、ジシアン
ジアミドを2.3質量部と、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾールを0.097質量部と、エポキシシランカッ
プリング剤を2質量部と、Mnを含有する無機誘電体粒
子を400質量部とを混合して熱硬化性樹脂組成物を調
製した。尚、熱硬化性樹脂組成物中の無機誘電体粒子の
体積分率を表1に示す。
N,N−ジメチルホルムアミドとを混合した溶剤を上記
の熱硬化性樹脂組成物に加えて樹脂濃度が90質量%の
樹脂ワニスを調製した。次に、厚み18μmで表面粗度
Rzが7μmの銅箔の表面に上記の樹脂ワニスをコンマ
コータにより塗工し、これを乾燥することにより厚さ3
0μmの樹脂層1を形成して図1(a)に示すプリント
配線板製造用材料Aを形成した。
樹脂層1の表面に厚み18μmの銅箔を重ね合わせ、こ
れを180℃、3MPa、90分間の条件で加熱加圧す
ることによって両面銅張り積層板を形成した。
て、表1、2のものを添加した以外は実施例1〜5と同
様にしてプリント配線板製造用材料及び両面銅張り積層
板を形成した。 (実施例13)BaCO3、La2O3、TiO2、Z
rO2、MnOの各粉末を乾式法で混合し、この混合物
を1300℃で焼成して焼結体を形成し、この焼結体を
粉砕することによって平均粒径が1μmと0.1μmの
無機誘電体粒子を形成した。平均粒径およびアクセプタ
元素、体積分率としては、表2のとおりとした。また、
使用した無機誘電体粒子の全質量のうち、平均粒径が1
μmの無機誘電体粒子は75質量%、平均粒径が0.1
μmの無機誘電体粒子は25質量%とした。それ以外は
実施例1と同様にしてプリント配線板製造用材料A及び
両面銅張り積層板を形成した。 (実施例14)樹脂層1の厚みを10μmにし、銅箔と
して表面粗度が3μmのものを用いた以外は、実施例1
3と同様にしてプリント配線板製造用材料A及び両面銅
張り積層板を形成した。 (実施例15)実施例13において、無機誘電体粒子を
含有しない熱硬化性樹脂組成物を調製し、これに溶剤を
加えて樹脂濃度が10質量%の樹脂ワニスを調製し、こ
の樹脂ワニスをコンマコータにより塗工し、これを乾燥
することにより厚さ0.5μmの無機誘電体粒子を含有
しない樹脂層3を形成した。次に、この樹脂層3の表面
に実施例13と同様にして無機誘電体粒子を含有する樹
脂層1を形成することによって、図2に示すプリント配
線板製造用材料Aを形成した。この後、実施例13と同
様にしてプリント配線板製造用材料A及び両面銅張り積
層板を形成した。
粒子を用いた以外は実施例1〜5と同様にしてプリント
配線板製造用材料及び両面銅張り積層板を形成した。
した以外は比較例1と同様にしてプリント配線板製造用
材料及び両面銅張り積層板を形成した。
製した両面銅張り積層板について、体積抵抗率及び電気
容量を測定すると共に加工性を評価した。体積抵抗率の
測定はIPC−TM−650に基づいて測定した。ま
た、電気容量は自動平衡ブリッジ法に基づいて測定し
た。厚みはマイクロメーターにより、測定し、測定した
容量と厚みより両面銅張り積層板の誘電率を算出した。
また、加工性は、回路形成、スルーホール穴あけ、スル
ーホールメッキを行い加工が問題なく行えるか、また断
面観察を行い穴あけ加工がなされているかを評価した。
結果を表1、2に示す。
13、15と比較例1はプリント配線板製造用材料の樹
脂層1(両面銅張り積層板の絶縁層)の厚みが同じであ
るにもかかわらず、実施例1〜13、15の方が比較例
1よりも体積抵抗率が高くなって絶縁層4の絶縁性が優
れるものである。実施例14は、比較例1より厚みが薄
いにもかかわらず体積抵抗率が高くなっており、絶縁層
4の絶縁性が優れるものである。また、比較例2はプリ
ント配線板製造用材料の樹脂層1(両面銅張り積層板の
絶縁層4)の厚みが実施例1〜15よりも厚いので、実
施例1〜15と比較例2の体積抵抗率はほぼ同等になる
こともあるが、電気容量は比較例2の方が低くなり、実
施例1〜15は高電気容量の絶縁層4を形成することが
できるものである。また、単一の平均粒径の無機誘電体
粒子を用いた実施例1〜12では積層板の絶縁層4に若
干の空隙が見られたが、平均粒径が異なる2種類の無機
誘電体粒子を用いた実施例13〜15では充填率が高い
にもかかわらず積層板の絶縁層4に空隙が見られなかっ
た。
は、無機誘電体粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物から
なる樹脂層をキャリアの表面に形成したプリント配線板
製造用材料において、熱硬化性樹脂組成物中の無機誘電
体粒子の体積分率を40〜80vol%とし、無機誘電
体粒子の構成要素としてMn,V,Cr,Co,Fe,
Cu,Ni及びMoから選択された1種又は2種以上の
アクセプタ型元素を含有するので、樹脂層を硬化させて
絶縁層を形成することによって、アクセプタ型元素を構
成要素として含有する無機誘電体粒子を絶縁層に体積分
率40〜80vol%の割合で含有させることができ、
この無機誘電体粒子により絶縁層の誘電率や体積抵抗値
を高くすることができて厚みが薄くても絶縁性に優れる
絶縁層を形成することができるものである。しかも、絶
縁層は樹脂で形成されているので、セラミックの絶縁層
に比較して加工性に優れるものである。
電体粒子が固有の誘電率で100以上の誘電率を有する
ので、樹脂層中の無機誘電体粒子の配合量が少なくても
高い誘電率を有する絶縁層を形成することができ、無機
誘電体粒子の配合量が増加することによる絶縁層の加工
性の低下を防止しながら絶縁性の高い絶縁層を形成する
ことができるものである。
電体粒子がチタン酸化合物系セラミック、ジルコン酸化
合物系セラミック、スズ酸化合物系セラミックから選ば
れる少なくとも一つであるので、他の無機誘電体粒子を
用いるよりも絶縁層の誘電率をより一層高くすることが
できるものである。
電体粒子からアクセプタ型元素を除いた基本構成要素の
無機化合物の100モルに対して、0.05〜5.0モ
ル含有する無機誘電体粒子を用いるので、絶縁層の誘電
率や体積抵抗率を高く維持することができ、厚みが薄く
ても絶縁性の高い絶縁層を形成することができるもので
ある。
電体粒子の平均粒径が0.01〜5μmであるので、樹
脂層の厚みを均一にすることができると共に熱硬化性樹
脂組成物中での無機誘電体粒子の分散性を高めることが
でき、均質な絶縁層を形成することができるものであ
る。
アとして金属箔と樹脂フィルムの少なくとも一方を用い
て成るので、金属箔をキャリアとして用いることによっ
てこの金属箔をプリント配線板の回路形成用の導体とし
て利用することができ、キャリアと回路形成用の導体と
を兼用して部品点数の減少を図って低コスト化を図るこ
とができるものである。また、樹脂フィルムをキャリア
として用いることによって金属箔に比べて軽量化が図
れ、取り扱い性を向上させることができるものである。
電体粒子が、平均粒径0.01μm以上0.5μm未満
の粒子と、平均粒径0.5μm以上5μm以下の粒子と
の2種類以上の粒子から成るので、無機誘電体粒子を絶
縁層に高充填化することができ、高誘電率で厚みが薄く
ても絶縁性に優れる絶縁層を形成することができるもの
である。
アとして用いられる金属箔の表面粗度Rzが3μm以下
であるので、金属箔と絶縁層の密着性を高くすることが
でき、厚みが薄くても絶縁性に優れる絶縁層を形成する
ことができると共にプリント配線板の層間剥離を少なく
することができるものである。
アの表面に無機誘電体粒子を含有しない樹脂層を形成す
ると共に無機誘電体粒子を含有する熱硬化性樹脂組成物
からなる樹脂層を上記無機誘電体粒子を含有しない樹脂
層の表面に形成するので、無機誘電体粒子を含有しない
樹脂層によりキャリアと絶縁層との密着性を高くするこ
とができ、高誘電率で厚みが薄くても絶縁性に優れる絶
縁層を形成することができると共にプリント配線板の層
間剥離を少なくすることができるものである。
リアの表面に樹脂層を塗工あるいは噴霧により形成する
ので、無機誘電体粒子を含有しない樹脂層を薄くて容易
に形成することができ、作業効率を向上させることがで
きるものである。
項1乃至10のいずれかに記載のプリント配線板製造用
材料の樹脂層を硬化して絶縁層を形成するので、無機誘
電体粒子により絶縁層の誘電率や体積抵抗値を高くする
ことができて厚みが薄くても絶縁性に優れる絶縁層を形
成することができるものである。しかも、絶縁層は樹脂
で形成されているので、セラミックの絶縁層に比較して
加工性に優れるものである。
項1乃至10のいずれかに記載のプリント配線板製造用
材料の片面に回路形成した後、この回路形成した面に樹
脂シートと導電箔を順次積層成形し、さらに回路形成す
るので、通常のプリント配線板加工性設備を使用して多
層プリント配線板を形成することができ、容易に回路形
成を行うことができるものである。
項1乃至10のいずれかに記載のプリント配線板製造用
材料の片面に回路形成した後、この回路形成した面を互
いに対向させて二枚のプリント配線板製造用材料を配
し、その間に樹脂シートを配して積層成形し、さらに回
路形成するので、高容量の絶縁層を複数有する多層のプ
リント配線板を容易に形成することができるものであ
る。
を形成した基板の表面に樹脂を塗工し、この基板の回路
の表面が塗工した樹脂の表面と略同一になるよう平滑に
し、さらに、上記請求項1乃至10のいずれかに記載の
プリント配線板製造用材料を重ね合わせた後、成形する
ことにより多層化するので、基板の表面に塗工した樹脂
により絶縁層の厚みを均一化することができ、プリント
配線板の単位面積当たりの電気容量値をほぼ一定値にす
ることができるものである。
施の形態の一例を示す(a)乃至(d)は一部の断面図
である。
の実施の形態の一例を示す一部の断面図である。
施の形態の一例を示し、(a)乃至(d)は断面図であ
る。
の実施の形態の一例を示し、(a)乃至(c)は断面図
である。
の実施の形態の一例を示し、(a)乃至(c)は断面図
である。
Claims (14)
- 【請求項1】 無機誘電体粒子を含有する熱硬化性樹脂
組成物からなる樹脂層をキャリアの表面に形成したプリ
ント配線板製造用材料において、熱硬化性樹脂組成物中
の無機誘電体粒子の体積分率を40〜80vol%と
し、無機誘電体粒子の構成要素としてMn、V、Cr、
Co、Fe、Cu、Ni及びMoから選択された1種又
は2種以上のアクセプタ型元素を含有して成ることを特
徴とするプリント配線板製造用材料。 - 【請求項2】 無機誘電体粒子が固有の誘電率で100
以上の誘電率を有することを特徴とする請求項1に記載
のプリント配線板製造用材料。 - 【請求項3】 無機誘電体粒子がチタン酸化合物系セラ
ミック、ジルコン酸化合物系セラミック、スズ酸化合物
系セラミックから選ばれる少なくとも一つであることを
特徴とする請求項1又は2に記載のプリント配線板製造
用材料。 - 【請求項4】 無機誘電体粒子からアクセプタ型元素を
除いた基本構成要素の無機化合物の100モルに対し
て、0.05〜5.0モルのアクセプタ型元素を含有す
る無機誘電体粒子を用いて成ることを特徴とする請求項
1乃至3のいずれかに記載のプリント配線板製造用材
料。 - 【請求項5】 無機誘電体粒子の平均粒径が0.01〜
5μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれ
かに記載のプリント配線板製造用材料。 - 【請求項6】 キャリアとして金属箔と樹脂フィルムの
少なくとも一方を用いて成ることを特徴とする請求項1
乃至5のいずれかに記載のプリント配線板製造用材料。 - 【請求項7】 無機誘電体粒子が、平均粒径0.01μ
m以上0.5μm未満の粒子と、平均粒径0.5μm以
上5μm以下の粒子との2種類以上の粒子から成ること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプリン
ト配線板製造用材料。 - 【請求項8】 キャリアとして用いられる金属箔の表面
粗度Rzが3μm以下であることを特徴とする請求項1
乃至7のいずれかに記載のプリント配線板製造用材料。 - 【請求項9】 キャリアの表面に無機誘電体粒子を含有
しない樹脂層を形成すると共に無機誘電体粒子を含有す
る熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を上記無機誘電体
粒子を含有しない樹脂層の表面に形成して成ることを特
徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のプリント配
線板製造用材料。 - 【請求項10】 キャリアの表面に樹脂層を塗工あるい
は噴霧により形成して成ることを特徴とする請求項9に
記載のプリント配線板製造用材料。 - 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
プリント配線板製造用材料の樹脂層を硬化して絶縁層を
形成して成ることを特徴とするプリント配線板。 - 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
プリント配線板製造用材料の片面に回路形成した後、こ
の回路形成した面に樹脂シートと導電箔を順次積層成形
し、さらに回路形成することを特徴とするプリント配線
板の製造方法。 - 【請求項13】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
プリント配線板製造用材料の片面に回路形成した後、こ
の回路形成した面を互いに対向させて二枚のプリント配
線板製造用材料を配し、その間に樹脂シートを配して積
層成形し、さらに回路形成することを特徴とするプリン
ト配線板の製造方法。 - 【請求項14】 回路を形成した基板の表面に樹脂を塗
工し、この基板の回路の表面が塗工した樹脂の表面と略
同一になるよう平滑にし、さらに、上記請求項1乃至1
0のいずれかに記載のプリント配線板製造用材料を重ね
合わせた後、成形することにより多層化することを特徴
とするプリント配線板の製造方法。
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JP2006089530A (ja) * | 2004-09-21 | 2006-04-06 | Murata Mfg Co Ltd | 樹脂組成物、樹脂硬化物、および積層型電子部品 |
JP2006225484A (ja) * | 2005-02-16 | 2006-08-31 | Murata Mfg Co Ltd | 複合誘電体材料及び電子部品 |
JP2008229849A (ja) * | 2007-03-16 | 2008-10-02 | Murata Mfg Co Ltd | 誘電体フィルムおよびそれを用いた電子部品 |
-
2002
- 2002-10-25 JP JP2002311913A patent/JP4075569B2/ja not_active Expired - Lifetime
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