JP2003199740A - X線ct装置、x線ctの3次元再構成方法、及びx線ctの重み設定方法 - Google Patents

X線ct装置、x線ctの3次元再構成方法、及びx線ctの重み設定方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】コーンビームCTの3次元再構成アルゴリズム
を医用CTに適用した場合でも被写体の動きに起因して
生じるアーチファクトを低減できると共に、時間分解能
を向上させる。 【解決手段】X線CTスキャナは、ガントリ1、寝台
2、および制御キャビネット3を備え、被検体Pに対し
X線コーンビームを所定の軌道に沿ってスキャンさせて
被写体内のX線吸収係数の3次元分布を反映したコーン
ビームデータを収集する。制御キャビネット3は、コー
ンビームデータの収集時刻に応じてそのデータの信頼度
を決定し、そのデータの信頼度に基づいてコーンビーム
データで求まる3次元ラドンデータの重み付けを決定す
る。この重み付けを用いて、その3次元ラドンデータを
3次元再構成アルゴリズムの元に再構成する再構成ユニ
ット36を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーンビーム状の
X線を用いてスキャンを行いX線CT装置に係り、特
に、2次元検出器により透過X線の2次元投影データを
収集し、この2次元投影データから3次元再構成を行っ
てCT画像を得る、コーンビームCT装置とも呼ばれる
X線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線CTスキャナは、その架台(ガント
リ)内に被検体を挟むようにX線管(X線照射装置)お
よびX線検出器を配置し、例えばR−R方式で駆動する
例ではX線管およびX線検出器を同期して被検体周りに
回転させると共に、X線管から曝射されたX線ビーム
を、被検体を透過させてX線検出器に入射させる。この
X線検出器には、DAS(データ収集装置)が接続され
ており、そのDASにより1スキャン毎の透過X線の強
度データを収集し、その投影データを再構成処理するこ
とにより、被検体内の画像データ(スライスデータまた
はボリュームデータ)を得ることができる。
【0003】こういったX線CTスキャナの分野におい
ては、近年、高分解能の3次元画像を高速に生成する試
みの1つとして、コーンビームを用いてスキャンを行
う、いわゆるコーンビームCTが盛んに研究されてい
る。
【0004】例えば、特開平9−19425号公報(特
許文献1参照)によれば、実測のX線パスと計算上のX
線パスとのずれによる再構成誤差を軽減して画質を向上
し得るコーンビームCTとしてのX線コンピュータ断層
撮影装置が提案されている。
【0005】また、特開2000−102532号公報
(特許文献2参照)によれば、連続X線を用いてコーン
ビームでスキャンを行うときにDASの実用的な回路規
模を維持しつつ、スキャン時間を格別に長期化させない
で、投影データの収集タイミングのずれに起因した実効
パスの少ない高分解能な投影データを確実に収集できる
コーンビームCTとしてのX線CTスキャナが提案され
ている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−19425号公報
【0007】
【特許文献2】特開2000−102532号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来例で提案されているコーンビームCTを実際の医
用CTに適用しようとすると、被写体である患者が動く
ことがあるため、これを無視したまま汎用の3次元再構
成アルゴリズムで投影データから画像を3次元再構成し
ようとすると、アーチファクトが生じ、また時間分解能
も悪くなるといった問題があった。
【0009】本発明は、このような従来の事情を背景に
なされたもので、コーンビームCTの3次元再構成アル
ゴリズムを医用CTに適用した場合でも被写体の動きに
起因して生じるアーチファクトを低減できると共に、時
間分解能も向上させることができるX線装置およびコー
ンビームCTの3次元再構成方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るX線CT装置によれば、コーンビーム
状のX線を曝射するX線源と、このX線源から曝射され
且つ被検体を透過したX線を検出してそのX線量に対応
した投影データを出力する2次元のX線検出器と、少な
くとも前記X線源の一定軌道上の移動を伴う所望のスキ
ャン方式の元で一定のスキャン範囲にて当該X線源から
曝射されたX線で被検体をスキャンして、このスキャン
に伴う前記投影データを前記X線検出器に収集させるス
キャン手段と、このスキャン手段により収集された投影
データから3次元分布の3次元ラドンデータを生成する
ラドンデータ生成手段と、このラドンデータ生成手段に
より生成された3次元ラドンデータに前記投影データの
収集時刻に関して非一定の重みを呈する重み関数による
重み付けを行う重み付け手段と、この重み付け手段によ
り重み付けされた3次元ラドンデータを所望の3次元再
構成アルゴリズムで再構成して画像を得る再構成手段と
を備えたことを基礎的な特徴とする。
【0011】好適には、前記重み付け手段は、前記3次
元ラドンデータのそれぞれを求めるための面積分の対象
となる面それぞれに対応して前記重み付けを行う手段で
ある。
【0012】例えば、前記重み付け手段は、前記重み関
数として、前記再構成手段により再構成される画像の時
刻を代表するデータ収集時刻で最大の重みを呈し、この
データ収集時刻から離れたデータ収集時刻で小さい重み
を呈する重み関数を用いて、前記スキャン範囲で収集さ
れた投影データに対応した3次元ラドンデータに前記重
み付けをする手段である。
【0013】また例えば、前記重み付け手段は、前記重
み関数として、前記再構成手段により再構成される画像
の時刻を代表するデータ収集時刻及びそのデータ収集時
刻に近い時刻で最大の重みを呈し、これらデータ収集時
刻から離れたデータ収集時刻で小さい重みを呈する重み
関数を用いて、前記スキャン範囲で収集された投影デー
タに対応した3次元ラドンデータに前記重み付けをする
手段に構成してもよい。
【0014】さらに、例えば、前記重み付け手段は、前
記重み関数として、前記再構成手段により再構成される
画像の時刻を代表するデータ収集時刻で最大の重みを呈
し、このデータ収集時刻から離れるにしたがって小さく
なる重みを呈する重み関数を用いて、前記スキャン範囲
で収集された投影データに対応した3次元ラドンデータ
に前記重み付けをする手段として構成してもよい。
【0015】好適には、前記重み関数は前記スキャン方
式の種類に応じて設定される。このスキャン方式は、例
えば、前記軌道が1回転の円軌道を描く円軌道フルスキ
ャン、前記軌道が1回転の円軌道を描き且つ360度の
スキャン範囲からの投影データを使った拡張円の円軌道
ハーフスキャン(MHS:Modified Half Scan)、或い
は前記軌道が1回転の円軌道を描く円軌道アンダースキ
ャン、前記軌道が2回転以上の円軌道を描く円軌道スキ
ャン、前記軌道が直線軌道と円軌道とを組みあわせた軌
道を描くスキャン、又は、前記軌道がヘリカル状の軌道
を描くヘリカルスキャンに基づくスキャン方式である。
【0016】また、上述した目的を達成するため、本発
明に係るX線CTの3次元再構成方法によれば、コーン
ビーム状のX線で被検体をスキャンすることにより収集
される被写体のX線吸収係数の3次元分布を反映した2
次元の投影データを収集し、この投影データから3次元
ラドンデータを生成し、前記投影データの収集時刻に応
じて予め決定されている当該投影データの信頼度を反映
させた重み関数を用いて前記3次元ラドンデータを補正
し、この3次元ラドンデータを3次元再構成アルゴリズ
ムの処理に付して前記被写体の3次元データを再構成す
る、ことを特徴とする。例えば、前記重み関数を用いた
前記3次元ラドンデータを補正は、前記3次元ラドンデ
ータのそれぞれを求めるための面積分の対象となる面そ
れぞれに対応して行われる。
【0017】さらに本発明によれば、上述した目的を達
成するため、コーンビーム状のX線でスキャンすること
により収集される被検体のX線吸収係数の3次元分布を
反映した2次元の投影データの収集時刻を元にそのデー
タの信頼度を決め、前記データの信頼度に基づいて、前
記投影データから求まる3次元ラドンデータに対する補
正のための重みを決定する、ことを特徴とするX線CT
の重み設定方法も提供される。
【0018】本発明のその他の態様に係る具体的な構成
及び特徴は、以下に記述する発明の実施形態及び添付図
面により明らかにされる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るX線CT装置
を図1〜37に基づいて説明する。なお、本発明に係る
X線CTの3次元再構成方法およびX線CTの補正関数
設定方法は、上述のX線CT装置の中で機能的に一体と
して実施されるので、それらの方法もX線CT装置の中
で一体に説明される。
【0020】図1〜図3に示すX線CTスキャナ(X線
CT装置)は、ガントリ1、寝台2、制御キャビネット
3、電源装置4、および各種のコントローラを備え、例
えばR−R方式で駆動するようになっている。各種コン
トローラとしては、図3に示すように、高電圧コントロ
ーラ31、架台コントローラ33、および寝台コントロ
ーラ32が含まれる。
【0021】ここで、図1、2に示す如く、寝台2の長
手方向を列方向(または回転軸方向、またはスライス方
向)Zとして、これに直交する2方向をチャンネル方向
Xおよびビーム曝射方向Yとしてそれぞれ定義する。
【0022】寝台2の上面には、その長手方向(列方向
Z)にスライド可能に支持された状態で天板2aが配設
されており、その天板2aの上面に被検体Pが載せられ
る。天板2aは、サーボモータで代表される寝台駆動装
置2bの駆動によって、ガントリ1の診断用開口部(図
示せず)に進退可能に挿入される。寝台駆動装置2bに
は、寝台コントローラ32から駆動信号が供給される。
寝台2はまた、天板2aの寝台長手方向の位置を電気信
号で検出するエンコーダなどの位置検出器(図示せず)
を備え、この検出信号を寝台制御用の信号として寝台コ
ントローラ32に送るようになっている。
【0023】ガントリ1は、図1および図3に示すよう
に、その内部に略円筒状の回転フレーム9を有する。回
転フレーム9の内側には上述の診断用開口部が位置す
る。また回転フレーム9には、その内側に位置する診断
用開口部に挿入された被検体Pを挟んで互いに対向する
ようにX線管10及びX線検出器としての2次元検出器
11が設けられる。さらに、回転フレーム9の所定位置
には、図3に模式的に示すように、高電圧発生器21、
プリコリメータ22、ポストコリメータとしての散乱線
除去コリメータ23、データ収集装置(DAS)24、
および架台駆動装置25が備えられる。
【0024】この内、X線源として機能するX線管10
は、例えば回転陽極X線管の構造を成し、高電圧発生器
21からフィラメントに電流を連続的に流すことにより
フィラメントを加熱し、熱電子をターゲットに向かって
放出する。この熱電子は、ターゲット面に衝突して実効
焦点が形成され、ターゲット面の実効焦点の部位からX
線ビームが広がりを持って連続的に曝射される。
【0025】高電圧発生器21には、低圧スリップリン
グ26を介して電源装置4から低電圧電源が供給される
と共に、光信号伝送システム27を介して高電圧コント
ローラ31からX線曝射の制御信号が与えられる。この
ため、高電圧発生器21は、供給される低圧電源から高
電圧を生成すると共に、この高電圧から制御信号に応じ
た連続的な管電圧を生成し、これをX線管10に供給す
る。
【0026】プリコリメータ22は、X線管10と被検
体Pとの間に、またポストコリメータとしての散乱線除
去コリメータ2は、被検体Pと2次元検出器11との間
に、それぞれ位置する。プリコリメータ22は、例えば
列方向Zに一定幅の例えばスリット形状の開口を形成す
る。これにより、X線管10から曝射されたトータルの
X線ビームの列方向Zの幅を制限して、例えば2次元検
出器11の複数の検出素子列に対応したトータルの所望
スライス幅のコーンビームを形成する。
【0027】X線管10と2次元検出器11は回転フレ
ーム9の回転によってガントリ1内で、診断用開口部に
おける軸方向の回転中心軸の回りに対向状態で回転可能
になっている。
【0028】また、2次元検出器11には、その全体の
形状が平面形及び円筒形のいずれのものでも適用可能で
あるが、本例の説明では平面形のものを例示する(本発
明は、円筒形の検出器でも適用可能である)。この2次
元検出器11は、複数の検出チャンネルを有する検出素
子の列をスライス方向に複数列配した検出器で成る(図
1参照)。各検出素子の検出部は、その一例として、入
射X線を一度、光信号に変換し、この光信号を電気信号
に変換するシンチレータおよびフォトダイオードの固体
検出器で構成される。また、この各検出素子には、電荷
蓄積部(サンプルホールド)が設けられている。このた
め、この2次元検出器11は、この電荷蓄積部をDAS
24のスイッチ群で順に選択して電荷読出しを行い、こ
れにより透過X線の強度を表す信号(投影データ)を検
出する構造になっている。なお、各検出素子としては、
入射X線を直接に電気信号に変換する方式のセンサ
(I.I.など)を用いてもよい。
【0029】DAS24は、スイッチ群の切換により、
各検出素子から検出信号を順次読み出し、A/D変換
(電圧に変換してサンプリング)する、いわゆるフィル
タDASの構造になっている。これを行うため、DAS
24は、検出器11が2次元検出器であることを考慮し
て、例えばNチャンネル数分の列選択部、1個のチャン
ネル選択部、1個のA/D変換器、及び制御回路を備え
る。
【0030】データ伝送部28は、ガントリ1内の回転
側と固定側の信号経路を接続するもので、ここではその
一例として、非接触で信号伝送する光伝送システムが使
用される。なお、このデータ伝送部28としてスリップ
リングの構造を用いてもよい。このデータ伝送部28を
介して取り出されたデジタル量の投影データは制御キャ
ビネット3の後述する補正ユニットに送られる。
【0031】さらに、架台駆動装置25は、ガントリ1
内の回転側要素全体を回転フレーム9と共にその中心軸
周りに回転させるモータおよびギア機構などを備える。
この架台駆動装置25には、架台コントローラ33から
駆動信号が与えられる。
【0032】高電圧コントローラ31、寝台コントロー
ラ32、および架台コントローラ33は、信号的にはガ
ントリ1および寝台2と制御キャビネット3との間に介
在し、後述するメインコントローラからの制御信号に応
答して、それぞれが担当する負荷要素を駆動する。
【0033】制御キャビネット3は、システム全体を統
括するメインコントローラ30のほか、メインコントロ
ーラ30にバスを介して接続された補正ユニット34、
データ保存ユニット35、再構成ユニット36、表示プ
ロセッサ37、ディスプレイ38、および入力器39と
を備える。
【0034】補正ユニット34は、メインコントローラ
30からの処理指令に応じて、DAS24から送られて
くるデジタル量の投影データに、オフセット補正やキャ
リブレーション補正などの各種の補正処理を施す。この
補正処理された収集データは、メインコントローラ30
の書き込み指令によって、データ保存ユニット35に一
旦格納・保存される。この保存データは、メインコント
ローラ30の所望タイミングでの読み出し指令に応じて
データ保存ユニット35から読み出され、再構成ユニッ
ト36に転送される。
【0035】再構成ユニット36は、メインコントロー
ラ30の管理下において、再構成用の収集データが転送
されてきた段階で、本発明のコーンビームCTの3次元
再構成方法(後述)を適用した3次元再構成アルゴリズ
ムに基づく再構成処理を行い、3次元領域の画像データ
を生成する。この画像データは、メインコントローラ3
0の制御の元、必要に応じてデータ保存ユニット35に
保存される一方、表示プロセッサ37に送られる。
【0036】表示プロセッサ37は、画像データにカラ
ー化処理、アノテーションデータやスキャン情報の重畳
処理などの必要な処理を行い、ディスプレイ38に供給
する。
【0037】ディスプレイ38は、その画像データをD
/A変換し、断層像として表示する。
【0038】入力器39は、スキャン条件(スキャン部
位及び位置,スライス厚,X線管電圧及び電流、被検体
に対するスキャン方向などを含む)、画像表示条件など
の指令をメインコントローラ30に与えるために使用さ
れる。
【0039】ここで、本実施形態の骨格をなすコーンビ
ームCTの3次元再構成方法の原理を図4〜図27に基
づいて説明する。
【0040】ここでは、本発明者の視点から、既知の2
次元再構成方法をレビューし、これを3次元再構成方法
に適用する場合の問題点及びその要因を明確にし、これ
らを元に完成された本発明の3次元再構成アルゴリズム
をその演算式を使って詳細に説明する。なお、n次元の
画像再構成とは、n次元のラドン逆変換(inverse Rado
n transform)を意味するもので、この演算で用いられ
る被写体(上記の被検体Pに相当するもので、以下の説
明でも同様とする。)内のX線吸収係数に応じた投影デ
ータに相当する2次元ラドンデータ(2D-Radon data)
は被写体の線積分により、また3次元ラドンデータ(3D
-Radon data)は被写体の面積分により、それぞれ得ら
れるものである。
【0041】(1) 2次元再構成法のレビュー 最初に、ファンビームによる2次元の再構成方法を本発
明者の視点でレビューする。一般に、2次元のデータ収
集の場合は、2次元分布の被写体を通過する又はその被
写体に接する全ての直線の線積分データが2次元ラドン
データ(X線投影データ)に相当し、その2次元ラドン
データを収集すれば、完全な再構成が可能となる。この
ことを図4〜図19を参照して以下に説明する。ここで
は、説明を簡単にするため、X線検出器として検出素子
が円弧上に均等配列され、等角度サンプリングが可能な
円弧型検出器を想定しているが、前述の通り、本発明で
は、その検出器の形状そのもの(円弧あるいは直線)は
重要ではない。
【0042】まず、図4に示すように、ガントリ1内の
回転フレーム9(前述参照)の回転軸(回転中心)zを
原点とする仮想的なxy座標系を用いて考えると、被写
体fの2次元画像を再構成するには、回転軸zを中心と
して被写体fを含む半径rの円を支持体(support)と
し、その支持体内の範囲で2次元ラドン空間を離散的に
埋め尽くすように2次元ラドンデータを取得すればよい
ことになる。
【0043】さて、図5に示すように、2次元ラドンデ
ータに相当するCTなどで収集される被写体fのX線投
影データpは、被写体fのX線吸収係数をファンビーム
内のあるレイ(ray)に沿って線積分した値の集合と
なる。
【0044】例えば、図5及び図6に示すように、X線
管10のX線焦点が回転軸zを中心にして半径Rの円軌
道上を回転する場合を考えると、その円軌道上のX線焦
点βの位置からのレイに沿った被写体fの投影データp
(β、γ)を収集することは、2次元ラドン空間では、
回転軸zからレイ上に垂線を下ろしたときに得られる交
点Aの2次元ラドンデータを収集することに相当する
(ここでは、βは投影角度すなわちX線焦点の位置、γ
(−γm〜γm)はレイ角を示す)。
【0045】従って、図7に示すように、X線焦点βの
位置から照射されるファンビームの全てのレイに沿った
被写体fの投影データp(β、γ)を収集すると、X線
焦点βと回転軸zとを直径とする円周(図7中の実線及
び点線参照)上の2次元ラドンデータを収集できる。こ
の場合、検出器の素子が離散的に配置されその広がり
(ファン角度)が限定されている場合には図7中の実線
で示す範囲内の2次元ラドンデータが収集される。
【0046】そこで、図8及び図9に示すように、X線
焦点βをz=0の平面上で回転軸zを中心に半径Rの円
軌道に沿って1回だけ回転させてスキャンすると、同じ
A点の2次元ラドンデータを2回ずつ収集したことにな
るので、このスキャンのデータ収集は、冗長性をもって
実行されていることが分かる。
【0047】図10は、横軸にレイ角γ(−γm〜γ
m)、縦軸にX線焦点の位置である投影角度β(0〜2
π)を取ったサイノグラムを使って上記のデータ収集の
様子を説明するものである。この場合、例えば、図中の
実線で示すβ=βのときに得られる2次元ラドンデータ
と、図中の点線で示すβ=π+2γのときに得られる2
次元ラドンデータとは互いに同じ値となる。
【0048】次に、上記のように2次元の円軌道上のス
キャンで得られる2次元ラドンデータ(投影データ)か
ら被写体fの画像を再構成するアルゴリズムを説明す
る。
【0049】まず、2次元の円軌道フルスキャン(以
下、必要に応じ「FS(Full Scan)」と略記する)の
再構成法を説明する。これは、1回転スキャンで得られ
た2次元ラドンデータのうちの互いに冗長なデータ同士
に対し均等に重み付けするものである。これを演算式で
示すと、次の式(1)〜式(5)で表される。
【0050】
【数1】 ここで、式(1)は重み付けの式で、w(β、γ)は重
み付けで用いる関数を示す。また、式(2)〜式(5)
は、等角度データ収集におけるファンビーム再構成の式
で、f(x、y)は、再構成する被写体fのデータ、g
(γ)はフィルタ処理で用いる関数、h(t)は関数g
(γ)の演算で用いる関数、L(β、x、y)は逆投
影で用いる関数をそれぞれ示す。
【0051】上記のうち、式(1)は、重み付けの式で
ある。この再構成法は、2次元逆ラドン変換であり、被
写体fの断面像を正確に再構成するものである。
【0052】上記のことを概念的に説明する。最初に、
円軌道上の任意のX線焦点βで収集された投影データp
(β、γ)を、cosγと、上記式中の関数w(β、
γ)とで重み付けし(ステップ1)、その重み付けされ
た投影データを上記式中の関数g(γ)でフィルタ処理
し(ステップ2)、そのフィルタ処理されたデータを上
記式中のL−2(β、x、y)で重み付けしながら、フ
ァンビーム逆投影を行う(ステップ3)。そして、同様
のステップ1〜3を円軌道上の全ての焦点位置βに対し
繰り返し適用することにより、被写体fの画像を再構成
する(ステップ4)。
【0053】この再構成法では、1)被写体fが静止し
ているか、あるいは動きが無視できるほど小さい、2)
CTスキャナが機械的に十分に安定し、かつ、収集位置
の幾何学的な誤差は無視できる程度である、3)被写体
f内の散乱線の影響は無視できる、4)X線焦点βと検
出素子のサイズは有限であること(互いの位置を入れ替
えたこと)の影響を無視できる、ことが仮定されてい
る。
【0054】従って、この再構成法によれば、式(1)
のように冗長なデータを均等に重み付けすることでノイ
ズによる誤差を最小限にすることができる。これは、異
なる焦点位置βで収集された2つの対向するレイ(図8
及び図9参照)は、上記の仮定の元でフォトンノイズ
(photon noise)以外は同じ線積分値を与えるためであ
る。
【0055】図11は、上記の円軌道フルスキャンFS
で得られる被写体fのスライス画像における時間感度プ
ロファイルを説明するもので、横軸が時間に相当する焦
点位置βを、縦軸が重み付け関数wをそれぞれ示す。図
11において、時間分解能(プロファイルの半値幅に相
当)は、X線焦点βが1回転する時間Tと同じである。
【0056】次に、2次元の円軌道ハーフスキャン(以
下、必要に応じ「HS(Half Scan)」と略記する)の
再構成法を説明する。円軌道ハーフスキャンHSは、上
記のように1回転スキャンを行う円軌道フルスキャンF
Sの場合には2次元ラドンデータを冗長に収集すること
になるため、こういったデータ収集の冗長度を最小限に
するために半回転と少しの範囲(π+2γm)でスキャ
ンするものである。
【0057】この円軌道ハーフスキャンHSの再構成法
では、重み付けで用いる関数w(β、γ)として、部分
的に冗長なデータに対しては「ビュー方向β、レイ方向
γで連続的になるような重み関数」を用いる。このこと
を演算式で示すと、次の式(11)〜式(14)で表さ
れる。
【0058】
【数2】 ここで、f(x、y)を求める式(14)中の焦点位置
βの範囲が前述の式(2)の場合の[0、2π]から
[0、π+2γm]に変化している。この場合、β∈
[π+2γm、2π]の範囲で、x(β、γ)=w
[x(β、γ)]=0として、式(13)の代わりに
式(2)をそのまま適用してもよい。
【0059】図13は、上記のハーフスキャンHSの再
構成法を概念的に説明するものである。また、図14
は、そのサイノグラムを、図15は、これで得られるス
ライス画像中央部の時間感度プロファイルをそれぞれ示
す。
【0060】図13において、円軌道の外側に示す円形
のグラフは、各X線焦点位置(投影角度)での中心レイ
(γ=0)に対する重みを示す。例えば、X線焦点β=
0では、全てのレイが対向するデータによって再度収集
されているので、重みをゼロとし、またそこから移動し
たX線焦点では大半のレイが2回収集されているが、ご
く一部のレイはそのX線焦点のみで1回しか収集されな
いので、1回しか収集されないレイに対しては重みを1
とし、2回収集されるレイに対しては上記の式(11)
と「ビュー方向β、レイ方向γで連続的になるような重
み関数」のルールとに基づいて滑らかに変化するように
重みを決定する。
【0061】ここでのスキャン及びその再構成法では、
画像再構成のための投影角度の範囲、すなわちデータ収
集時間が1回転スキャンの場合の約半分で済むため、図
14に示すスライス画像中央部の時間感度プロファイル
が得られ、その時間分解能はT/2となって非常によく
なる。このことは、図12中の重みのグラフや、図13
のサイノグラムのグラムで示される結果とも一致する。
しかし、このように時間分解能が向上する代償として、
画像再構成で必要とする投影数(データ数、すなわちフ
ォトン数)が上述の円軌道フルスキャンFSの約半分と
少なくなるので、画像ノイズがFSの約1.4倍に増大
することになる。
【0062】なお、前述の「ビュー方向β、レイ方向γ
で連続的になるような重み関数」に関して、その連続性
の重要性を補足すると、上述の式(2)及び式(14)
で示される再構成演算では、レイ方向に高周波数領域を
強調するコンボリューション演算を行うため、これで重
み付けされたデータがレイ方向に不連続であると、この
ことが必要以上に強調されてしまい、最終画像(再構成
された画像)にアーチファクトとして残ってしまうこと
になる。そこで、被写体fが元来有しているX線吸収係
数などの不連続な分布以外は回避するように重み関数は
レイ方向に連続的であることが必要となる。
【0063】また、上記の2次元の円軌道ハーフスキャ
ンHSの概念を拡張し、2γmの代わりに仮想的なファ
ン角度2Γmを導入し、再構成に供する投影角度をπ+
2γm〜2πとする、いわゆる2次元の円軌道Modi
fiedハーフスキャン(以下、必要に応じ「MHS
(Modified Half Scan)」と略記する)の再構成法
(「M.D. Silver:“A method for including redundant
data in computed tomography,”Med. Phys. 27,pp.77
3-774,2000」参照)の場合でも、時間分解能はT/2と
なる。
【0064】次に、2次元の円軌道アンダースキャン
(以下、必要に応じ「US(Under Scan)」と略記す
る)の再構成の場合を説明する。
【0065】ここで、前述したFSにおける1回転スキ
ャンの収集開始時(β=0、t=0)と収集終了時(β
=2π、t=T)のX線焦点で得られるデータは、2次
元ラドン空間では非常に近いものになるが、1回転スキ
ャン中に被写体が動いた場合には、前述した再構成法で
仮定する条件の1つ、すなわち「被写体fが静止してい
るか、あるいは動きが無視できるほど小さい」が満たさ
れないために被写体fの動きの影響でその値は大きく異
なったものになる。その影響により、前述したフルスキ
ャンFSの再構成法を用いると、データに矛盾が生じ、
β=0の焦点位置から扇状に広がるアーチファクトが生
じることになる。
【0066】そこで、2次元の円軌道アンダースキャン
USの再構成では、上記のような被写体の動きに起因し
て生じるアーチファクトを抑制するため、前述したFS
の再構成の式(2)と併用して、重み付けの式として、
次の式(21)及び式(22)が採用される。
【0067】
【数3】
【0068】図15は、上記の円軌道アンダースキャン
HSの再構成法を概念的に説明するものである。また、
図16は、そのサイノグラムを、図17は、これで得ら
れるスライス画像中央部の時間感度プロファイルをそれ
ぞれ示す。
【0069】図15において、円軌道の外側に示す円形
のグラフは、各X線焦点位置(投影角度)での中心レイ
(γ=0)に対する重みを示す。図15〜図17に示す
ように、円軌道アンダースキャンHSでは、上記のFS
におけるデータの矛盾を解消するため、信頼度の低いデ
ータ(β=0、2π付近)に対する重み付けを軽く(重
みを低く)し、重みの連続性を保ちつつ必要な2次元ラ
ドン空間のデータを収集してなるべく均一となるように
重みが決定されている。
【0070】次に、2次元の円軌道オーバースキャン
(以下、必要に応じ「OS(Over Scan)」と略記す
る)の再構成の場合を説明する。これは、前述のアンダ
ースキャンの場合と同じ目的で、1回転より余分にスキ
ャンし、同じ投影角度(焦点位置)で収集した1回転前
と後の2つの投影データに対しそれぞれ重み付けした後
で、前述したFSと同様の再構成法を用いるものであ
る。この場合の重み付けの式は、次の通りである。
【0071】
【数4】
【0072】図18は、上記の円軌道オーバースキャン
OSの再構成法を概念的に説明するものである。また、
図19は、そのサイノグラムをそれぞれ示す。図19に
おいて、円軌道の外側に示す円形のグラフは、各X線焦
点位置(投影角度)での中心レイ(γ=0)に対する重
みを示す。図18及び図19に示すように、この場合の
時間分解能はTとなる。
【0073】(2) 3次元再構成法のレビュー及びそ
の問題点 次に、本発明者の視点から、前述した2次元再構成法の
レビュー結果を元に既知の3次元再構成法をレビュー
し、その問題点を明確にする。ここでは、2次元検出器
として、円筒型検出器(検出素子が円筒面上に均等に配
列され、xy平面内ではレイ方向に等角度サンプリン
グ、z軸方向に等距離サンプリングされる)と、平面検
出器(検出器面上で検出素子が均等な間隔で配列され、
等距離サンプリングされる)とのうち、各々のアルゴリ
ズムにとって都合の良い方を想定する。
【0074】図20及び図21は、3次元座標系におい
て3次元のデータ収集を概念的に説明するものである。
図20及び図21に示すように、3次元のデータ収集
は、X線焦点βからの投影データp(β、γ、α)(図
示しない)で、X線焦点β及び面積分の対象とする平面
Qとを含む平面(図20中の例えば平面検出器上では直
線L)に沿って積分した値を処理して、3次元ラドン空
間では点A(図21)の3次元ラドンデータ(ζ、φ、
s)を収集することに相当する。ここで、βは投影角度
(X線焦点の位置)、γはレイ角、αはコーン角度(x
y平面とレイとが成す角度)をそれぞれ示す。
【0075】従って、図22に示すように、X線焦点β
の位置から照射されるコーンビームの全てのレイによっ
て、X線焦点βと座標系の座標中心O(x=0、y=
0、z=0)とを直径とする球面上の3次元ラドンデー
タが収集される。この際、前述した2次元の場合と同様
に、検出器の素子が離散的で広がり(ファン角度)が限
定されている場合には、上記球面上のうち、ある限定さ
れた範囲のデータが収集されることになる。
【0076】なお、図23に示すように、被写体の支持
体が半径rの球体である場合、正確な3次元再構成のた
めには、その球体と交わるか又は接する全ての面の面積
分を収集する必要がある。
【0077】以上の3次元データ収集の概要を元に、3
次元の再構成法を説明する。
【0078】まず、3次元の円軌道フルスキャンFSの
再構成法を説明する。これは、前述した2次元のFS再
構成法の方法論を3次元に単純に適用したもので、本
来、平面検出器(検出器面上で検出素子が均等な間隔で
配列され、等距離サンプリングになる)用に開発され
た、Feldkamp 再構成法(「L.A. Feldkam,L.C. Davis,a
ndJ.W. Kress:“Practical cone-beam algorithm,”J.
Opt. Soc. Am.,1(6),pp.612-619,1984」参照)を、円筒
検出器用に拡張した手法である(「H. Kudo andT. Sait
o:“Three-dimensional helical-scan computed tomogr
aphy using cone-beam projection,”IEICE(D-II) J74-
D-II,1108-1114(1991)」参照)。以下、この場合の手法
に関しては、2次元の場合の「FS」に対し、必要に応
じて「Feldkamp+FS」と略記する。
【0079】この3次元の円軌道フルスキャンFSの再
構成法は、具体的には、1回転スキャンで得られた3次
元ラドンデータ(投影データ)のうちの互いに冗長なデ
ータ同士に対し均等に重み付けするものである。これを
演算式で示すと、次の式(31)〜式(35)で表され
る。
【0080】
【数5】
【0081】この式(31)〜式(35)と、前述した
2次元のFSの演算式(式(1)〜式(5))とを比べ
ると、式(32)において投影角度の積分式(逆投影
部)が2次元逆投影の代わりに3次元逆投影である点
と、cosαの項が加わっている点とを除くと、全て同
様となる。
【0082】このことを概念的に説明する。最初に、円
軌道上の任意のX線焦点βで収集された投影データp
(β、γ、α)を、cosγcosαと、関数w(β、
γ、α)とで重み付けし(ステップ1)、その重み付け
された投影データを上記式中の関数g(γ)でフィルタ
処理し(ステップ2)、そのフィルタ処理されたデータ
を上記式中のL−2(β、x、y)で重み付けしなが
ら、3次元コーンビーム逆投影を行う(ステップ3)。
そして、同様のステップ1〜3を円軌道上の全ての焦点
位置βに対し繰り返し適用することにより、被写体fの
画像を再構成する(ステップ4)。
【0083】例えば、z=0の平面を回転軸zを中心と
する円軌道上を1回だけ回転してスキャンすると、図2
4に示すように、前述した図22中の焦点及び座標中心
(回転軸)を含む球体(半径r)をその座標中心を中心
に1回転させたときの全軌跡をカバーする領域(以下、
便宜上、「りんご状領域」と呼ぶ)の3次元ラドンデー
タを2回ずつ収集したことになる。すなわち、z=0の
平面上でみる限り、2次元のFSの場合と同様に、デー
タ収集は冗長である。
【0084】しかし、3次元で再構成すべき被写体は、
前述した図23中の半径rの球体(支持体)内にあるた
め、この球体をカバーする領域のデータを収集する必要
があるが、この点で言えば、前述の3次元のFeldk
amp+FSでは欠落したデータがあるために不完全で
ある。このことは、図25に示すように、図23と図2
4とを重ね合わせた図を見ることで一目瞭然となる。す
なわち、被写体の支持体を再構成するためには、Fel
dkamp+FSでは、本来、図25に示す被写体を含
む球体をカバーするりんご状領域のデータが必要である
にも関わらず、図24に示すようにりんご状領域の芯部
側のデータが明らかに欠落しており、これにより、必要
な全ての3次元データを収集できていないことが分かる
(この場合の欠落したデータを「missing data」と呼ぶ
ことがある)。
【0085】なお、この3次元のFeldkamp+F
Sで得られるスライス画像の時間感度プロファイルは、
前述した図11と同様になる。
【0086】次に、3次元の円軌道ハーフスキャンの再
構成法を説明する。ここでは、前述した3次元のFel
dkamp+FSと同様に、2次元のHSの方法論を3
次元に適用している。以下、この場合の手法に関して
は、2次元の場合の「HS」に対し、必要に応じて「F
eldkamp+HS」と略記する。
【0087】この3次元のFeldkamp+HSで
は、半回転と少しの範囲(π+2γm)の円軌道上をス
キャンし、ビュー方向β及びレイ方向γで連続的になる
ような重み関数で重み付けする。このときの重みは、コ
ーン角αの関数ではない(全検出器列に同じ重みを乗じ
る)。このことを演算式で示すと、次の式(41)〜式
(44)で表される。
【0088】
【数6】
【0089】図26は、前述した3次元Feldkam
p+HSのデータ収集を概念的に説明するものである。
図26に示すように、この場合の3次元ラドンデータ
は、z=0の平面で回転軸zを中心とする半径Rの円軌
道上をβ=[0、π+2γm]の範囲でスキャンして収
集されている。
【0090】図27は、図23と図26とを重ね合せた
ものである。この図27と図26との比較により、3次
元Feldkamp+HSは、前述した3次元Feld
kamp+FSの場合よりも、3次元ラドンデータの欠
落領域が広がっていることが分かる。これは、2次元の
再構成における方法論を単純に3次元の再構成に適用し
たためである。従って、3次元Feldkamp+HS
では、再構成された画像は時間分解能は高くなるもの
の、データ欠落領域の拡大によりアーチファクトはFe
ldkamp+FSの場合よりも強くなり、実用に耐え
ないといった問題があることが確認された。
【0091】また、前述した2次元のMHSにFeldkamp
再構成法を適用したFeldkamp+MHSの場合
には、失うデータはFeldkamp+HSよりも少な
いが、冗長なデータ収集を補正する重み付けが3次元ラ
ドンデータではなく、2次元ラドンデータの収集位置に
基づいているため、スキャン面以外の不正確さがFel
dkamp+FSよりも増してしまうことはFeldk
amp+HSと同様である。
【0092】次に、3次元の円軌道アンダースキャンU
Sの再構成法を説明する。これも、前述した3次元のF
eldkamp+FSと同じく、2次元のUSの方法論
を3次元の単純に適用したものである。以下、この場合
の手法に関しては、2次元の場合の「US」に対し、必
要に応じて「Feldkamp+US」と略記する。
【0093】この3次元のFeldkamp+USで
は、1回転のスキャン範囲の全データを使用している
が、やはり一部のデータの重みが軽いので、Feldk
amp+FSよりもデータ欠落は大きくなる。また、冗
長なデータ収集に関しては、補正する重み付けが3次元
ラドンデータではなく、2次元ラドンデータの収集位置
に基づいているので、スキャン面以外の不正確さがFe
ldkamp+FSよりも増してしまうといった問題が
ある。
【0094】また、2次元の円軌道オーバースキャンO
Sの方法論を3次元の単純に適用した3次元の円軌道オ
ーバースキャンUSの再構成法(以下、必要に応じて
「Feldkamp+OS」と略記する)の場合には、
3次元ラドンデータの取得率は、3次元のFeldka
mp+FSと同じであるが、時間分解能がFSと同じく
Tとなり良くないといった問題がある。
【0095】以上の3次元再構成法のほか、「Grnatgea
t 法」と呼ばれるアルゴリズムも知られている。
【0096】このGrnatgeat 法は、被写体が体軸方向に
境界があり、検出器はみ出しがない場合(被写体が孤立
物体であり、検出器が被写体全部の投影データを常に収
集できる場合)、このことを専門用語で言い換えれば、
「Short-object problemでdetector truncation」がな
い場合、焦点の軌道がTuyのデータ必要条件、すなわ
ち「被写体の支持体と交わるか又は接する全ての平面
が、少なくとも一度、焦点の軌道と交わるか又は接す
る」の条件を満たしていれば、正確な3次元再構成が出
来るものである。従って、円軌道の場合には、前述した
Feldkamp+FSと同じく近似解となる。
【0097】このGrnatgeat 法による3次元再構成法の
アルゴリズムは、次のステップ1〜9に示す通りであ
る。
【0098】まず、焦点βで収集した投影データp
(β、γ、α)を、cosγcosαで重み付けし、G
(1)(β、γ、α)を得る(ステップ1)。
【0099】次いで、焦点βを含む平面Q(ξ、φ、
s)に含まれるG(1)(β、γ、α)を積分(平面検
出器上では直線Lに沿って線積分)して、重み付き面積
分データG(2)(ξ、φ、s)を得る(ステップ
2)。
【0100】次いで、平面Qの近傍の平面Q’(直線
L’)のデータを使ってG(2)(ξ、φ、s)を微分
して、3次元ラドンデータの1次微分データP
(2)(ξ、φ、s)を得る(ステップ3)。
【0101】次いで、上記ステップ3で得られた3次元
ラドンデータの1次微分データを3次元ラドン空間に変
換する(rebinning)(ステップ4)。
【0102】次いで、上記ステップ1〜4を全ての焦点
位置βに対して適用する(ステップ5)。
【0103】次いで、3次元ラドン空間で3次元ラドン
データの冗長度を、そのラドンデータを収集した回数M
(ξ、φ、s)の逆数で除して補正(正規化)する(M
はその平面と焦点の軌道との交点の数を示す)(ステッ
プ6)。
【0104】次いで、1次微分データを半径方向に微分
して2次微分データP(2)(ξ、φ、s)を得る(ス
テップ7)。
【0105】次いで、2次微分データP(2)(ξ、
φ、s)を平面Q(ξ、φ、s)に3次元逆投影する
(ステップ8)。
【0106】そして、上記ステップ6〜8の演算を、必
要な全ての3次元ラドン空間のデータに繰り返し実行
し、被写体fを再構成する(ステップ9)。
【0107】また、その他の3次元再構成法として、上
記のGrangeat 法の別の実装法であり、上記rebinning
(ステップ4)を避けて各焦点で収集したデータを独立
に扱える、「shift-variant FBP(filtered backproject
ion)法」と呼ばれる手法が知られている。
【0108】このshift-variant FBP 法は、前述した上
記Grangeat 法の条件(Tuyのデータ必要十分条件を
含む)を満たしていれば、円軌道の場合にはFeldk
amp+FSとなる(「H. Kudo and T. Saito:“Deriv
ation and implementation of a cone-beam reconstruc
tion algorithm for nonplanar orbits,”IEEE Trans.
Med. Imag.,MI-13, pp.186-195,1994」、「M. Defrise
and R. Clack:“A cone-beam reconstruction algorith
m using shift-variant filtering and cone-beam back
projection,”IEEE Trans. Med. Imag., MI-13, pp.186
-195,1994」等参照)。
【0109】図28(a)〜(c)は、上記のshift-va
riant FBP 法を説明する概要図である。図28(a)は
焦点から平面検出器上へのコーンビーム投影による投影
データを用いてその再投影データを得る段階(ステップ
1〜2)を、図28(b)は再投影データを用いてその
コーンビーム逆投影による再構成データを得る段階(ス
テップ3〜9)を、図28(c)は平面検出器上でFeld
kamp 法により逆投影されるデータ範囲の例を、それぞ
れ示す。
【0110】このshift-variant FBP 法のアルゴリズム
は、次のステップ1〜9に示す通りである。
【0111】まず、図28(a)に示すように、焦点β
で収集した投影データp(β、u、v)を、cosγc
osαで重み付けし、G(2)(β、u、v)を得る
(ステップ1)。
【0112】そして、この焦点を含む平面Q(ξ、φ、
s)に含まれるG(2)(β、u、v)を積分(平面検
出器上では直線Lに沿って線積分)して、再投影データ
として、重み付き面積分データP(3)(ξ、φ、s)
を得る(ステップ2)。
【0113】次いで、図28(b)に示すように、平面
Qの近傍の平面Q’(直線L’)のデータを使って、上
記のP(3)(θ、φ、s)をフィルタ処理(微分)し
て、3次元ラドンデータの1次微分データP
(4)(ξ、φ、s)を得る(ステップ3)。
【0114】そして、このP(4)(ξ、φ、s)に重
み関数Wを乗算することにより、データ冗長度を補正し
てP(5)(ξ、φ、s)を得る(ステップ4)。この
3次元ラドンデータの1次微分P(5)(ξ、φ、s)
を直線Lに沿って検出器面に(2次元)平行逆投影する
(ステップ5)。
【0115】次いで、上記ステップ2〜5の処理を検出
器面上で全ての角度に適用して、G (3)(β、u、
v)を得る(ステップ6)。このG(3)(β、u、
v)を焦点の軌跡の接線方向(焦点の移動方向)に微分
してG(4)(β、u、v)を得る(ステップ7)。こ
のG(4)(β、u、v)をL−2で重み付けしなが
ら、(3次元)コーンビーム逆投影する(ステップ
8)。
【0116】そして、上記ステップ1〜8の処理を全焦
点位置βに適用することにより、被写体fを再構成する
(ステップ9)。
【0117】上記のアルゴリズムを数式で表現すると、
次の式(51)〜式(57)で示す通りである。
【0118】
【数7】 ここで、関数Wは、冗長度補正関数と呼ばれるもので、
検出器面上の直線に対応する平面と焦点軌道との交点の
数Mの逆数に相当する。あるいは、この関数Wは、交点
数Mをスムージングしたものでもよい。上記では、平面
検出器で説明してあるが、前述した通り、円筒型検出器
にも適用可能であることは言うまでもない。
【0119】また、上記のshift-variant FBP 法(FB
Pアルゴリズム)を円軌道スキャンに適用した3次元再
構成法の場合には、平面と焦点軌道との交点数は常に2
になるため、
【数8】 を上記式(54)に代入すると、上記式(51)〜(5
7)を簡略化でき、Feldkamp再構成の式(3
2)に帰着させることが可能である。
【0120】また、上記のshift-variant FBP 法を、円
と直線の組合わせからなるスキャン軌道に適用した場合
には、次の条件1〜3を満たすアルゴリズムを採用する
ことができる。
【0121】1)円軌道だけと交わる平面に属するデー
タに関しては、平面と焦点軌道との交点数は常に2であ
るため、上記と同様に式(58)を式(54)に代入す
ることで、式(51)〜(57)をFeldkamp 再構成法
の式(32)に帰着させる(条件1)。
【0122】2)円軌道と直線軌道の両者と交点をもつ
平面に関しては、円軌道で収集したデータに式(58)
を、また直線軌道で収集したデータに、
【数9】 を代入して使用しない(条件2)。
【0123】3)円軌道と交わらずに直線軌道とのみに
交点をもつ平面に属するデータに関しては、直線軌道と
の交点の数に応じて冗長度補正関数Wβ(r、θ)を与
えて式(51)〜(57)を適用する(条件3)。
【0124】以上で明らかな通り、3次元再構成におけ
る冗長度補正関数Wβ(r、θ)と、2次元再構成にお
ける重み関数w(β、γ)は、いずれも「n次元ラドン
データの冗長度を補正する」といった同じ目的を達成し
ている。
【0125】上記の冗長度補正関数Wβ(r、θ)の設
計法に関しては、Shift-variant FBP 法の発展法が提案
されている(「H. Kudo and T. Saito:“An extended c
ompleteness condition for exact cone-beam reconstr
uction and its application,”Conf. Rec. 1994 IEEE
Med. Imag. Conf. (Norfolk, VA)(New York:IEEE)1710-
14」、「H. Kudo and T. Saito: “Fast and stable cone-
beam filtered backprojection method for non-planar
orbits,”1998 Phys. Med. Biol. 43,pp. 747-760,199
8」等参照)。これによると、冗長度補正関数W
β(r、θ)は、次の目的1、2のいずれかに合せて設
定される。
【0126】1)専門用語で言う長大物体問題(Long-o
bject problem)を解く。すなわち、人体の一部をスキ
ャンする場合のように、体軸方向に長い被写体の一部を
体軸歩行の幅の狭い検出器でスキャンして再構成するた
めに、被写体はみ出しに相当する面に対応するデータに
対する重みをゼロにする(目的1)。
【0127】2)再構成の計算誤差を最小にする。同じ
平面の誤差の少ない水平方向のrampfiltering で処理で
きる焦点と、誤差の大きいshift-variant filtering で
処理すべき焦点とに属する場合、関数Mを均等にせず、
ramp filtering に対応するデータの重みを大きく、shi
ft-variant filtering に対応するデータの重みを小さ
くする(目的2)。
【0128】なお、ヘリカルスキャンの場合の正確な3
次元再構成法としては、「n-PI method」と呼ばれる手
法が提案されている(「R. Proksa et. al.:“The n-pi
-method for helical cone-beam CT,”IEEE Trans. Me
d. Img., 19,848-863(2000)」参照)。本方法は、その
他のヘリカルスキャンの3次元再構成法が3次元ラドン
データを冗長に収集しないのに対し、各々の3次元ラド
ンデータを1、3、5、7、…といったように奇数回収
集するものである。従って、冗長に収集したデータは、
冗長度補正関数Wβ(r、θ)(上記 Proksa らの文献
中の式24、すなわち
【数10】 で示される関数が、この場合の冗長度補正関数に相当す
る)によって重み付けされ、補正される。
【0129】従って、前述した2次元再構成法及び3次
元再構成法の独自のレビューにより、正確な3次元再構
成における冗長度補正関数Wの設定法においては、「収
集時刻」という概念がなく、「被写体が動く可能性があ
る」という前提条件もないことが明らかになった。しか
しながら、3次元再構成アルゴリズムを医用CTに適用
するときには、被写体である患者が動くことがあり、こ
れを無視するとアーチファクトが生じることがある。ま
た、時間分解能を向上したいという要求がある。
【0130】(3) 本発明の3次元再構成法の原理 本発明は、前述した2次元再構成法及び3次元再構成法
の独自のレビューから明確になった「被写体である患者
の動きによるアーチファクトの解消および時間分解能の
向上」といった要求を実現する3次元再構成法を提供す
る。
【0131】この目的実現のため、本発明は、前述した
正確な3次元再構成法において、冗長度補正関数Wをデ
ータの収集時刻を元にした信頼度に基づいて設計し、そ
の設計した冗長度補正関数Wを用いて3次元のラドンデ
ータを補正するという構成を採る。
【0132】ここで設計される冗長度補正関数Wは、デ
ータ収集が冗長であり、言い換えると同じ3次元ラドン
データを複数回収集できるスキャンの再構成法であれ
ば、いずれの方法であってもそのまま適用できる。さら
に、後述するように、信頼度の低いデータの画像への寄
与率を積極的に下げた方が良い場合には、データ収集が
冗長でない再構成の場合にも、上述した冗長度補正関数
Wによる補正を適用することができる。
【0133】この冗長度補正関数Wによる補正は、ま
た、3次元のラドンデータのそれぞれに対して、すなわ
ち、この各ラドンデータを演算(面積分)する対象とな
った平面Q毎に、補正ユニット34により実行される。
【0134】ここで導入される冗長度補正関数W
β(r、θ)の設計指針は、次のルール1〜3で規定さ
れる。
【0135】まず、データの信頼性関数T(β)が大き
く信頼できるデータ収集時刻(又は収集時刻範囲)で収
集した3次元ラドンデータのそれぞれに対する重みを大
きくする(ルール1)。これを数式で表現すると、次の
通りである。
【0136】
【数11】
【0137】また、データの信頼性関数T(β)が小さ
く信頼できないデータ収集時刻(又は収集時刻範囲)で
収集した3次元ラドンデータのそれぞれに対する重みを
小さくする(ルール2)。これを数式で表現すると、次
の通りである。
【0138】
【数12】
【0139】このルール1及び2をより具体的に説明す
る。
【0140】一例として、前述したように、X線管10
の焦点βが円軌道(フルスキャン)を描くように移動す
るスキャンの場合、この焦点βとX線検出器11が提示
する検出器面上の直線Lとを含む平面Q(つまり、3次
元のラドンデータのそれぞれを演算(面積分)する対象
となった平面)を想定する(図20参照)。繰返しの説
明になるが、この場合、平面Qが円軌道の面に対して僅
かでも傾いている限り、円軌道は平面Qに対してデータ
収集時刻の異なる2箇所で交差する。この平面Qを面積
分することにより、1つの点Aのラドンデータが演算さ
れる(図21参照)。したがって、2箇所で交差すると
いうことは、点Aのラドンデータが2回収集されている
ことになる。
【0141】この平面Qと円軌道面との交差状態は、よ
り平易には、図33〜34に示すように模式化できる。
図中、t1、t2は交差する2点でのデータ収集時刻を
表す。また、図33〜34において、(b)図は、
(a)図をある横方向Aから見たときの模式図を示す。
【0142】例えば図33に示すデータ収集時刻t1、
t2に対し、データ収集の冗長性を補正するため、一方
のデータ収集時刻t1が得たい画像の時刻であり且つこ
の時刻を基準に3次元ラドンデータの再構成処理を行い
たいものとすると、もう一方の時刻t2で収集された投
影データは、一方の時刻t1で収集された投影データに
対しては、t1〜t2間に被検体が動いた可能性がある
ため、信頼度が低いものと推定される。この場合、時刻
t1で収集された投影データから演算されるラドンデー
タには最大の信頼度を与える一方で、時刻t2で収集さ
れた投影データから演算されるラドンデータには、時刻
t1のそれよりも低い信頼度、すなわち、低い重みが与
えられるようにする。この場合、例えば、時刻t1〜t
2の時間差が大きくなるほど、重みが下げられるように
する。
【0143】また図34に示すデータ収集時刻t1、t
2の場合、データ収集の冗長性を補正するため、両方の
時刻t1、t2の中間の時刻t0を得たい画像の時刻と
し且つこの時刻t0を基準に3次元ラドンデータの再構
成処理を行いたいものとする。この場合、時刻t0〜t
1及び時刻t0〜t2の時間差に応じて(例えば、それ
らの時間差が大きくなるにつれて)、より低い信頼度、
すなわち、低い重みが与えられるようにする。
【0144】また一方で、X線管10の焦点βが円軌道
(ハーフスキャン)を描くように移動するスキャンの場
合、データ収集の観点からは、一部のデータ収集範囲に
おいて2箇所で交差することを除けば、焦点βの軌道は
平面Qと1箇所でしか交差しない。この交差の様子を図
35に概念的に示す。この図35において、(b)図
は、(a)図をある横方向Aから見たときの模式図を示
す。1箇所交差の場合、データ収集の冗長性は無い。t
1は交差する1点でのデータ収集時刻を表す。いま、デ
ータ収集の信頼度を考慮した補正を行うため、時刻t0
を得たい画像の時刻とし且つこの時刻t0を基準に3次
元ラドンデータの再構成処理を行いたいものとする。こ
の場合、時刻t0〜t1の絶対時間差に応じて(例え
ば、それらの時間差が大きくなるにつれて)、より低い
信頼度、すなわち、低い重みが与えられるようにする。
【0145】実際には、後述するようにスキャン方法
(すなわちX線焦点βの移動軌跡)に応じてデータ収集
時刻tに対応した信頼度関数Tが決められており、この
信頼度関数Tから冗長度補正関数Wによる重みが後述す
るように演算又は決められる。
【0146】さらに、残りのルールは、同じ平面Qに対
応する重みの積分は、0以上1以下で、データの信頼性
関数の積分によって決定することである(ルール3)。
これを数式で表現すると、次の通りである。
【0147】
【数13】
【0148】したがって、X線焦点βが円軌道を描くと
すると、その円軌道に適用した場合のデータの信頼性関
数T(β)は、例えば、次式(104)及び(105)
で示すように収集時刻に基づいて決定される。
【0149】
【数14】
【0150】上記のルール1と2を具体化すると、次式
(106)で表現される。
【0151】
【数15】
【0152】(データの信頼性関数の例)本実施形態に
おけるデータの信頼性関数は、そのスキャン態様(例え
ば、円スキャン、直線スキャン、ヘリカルスキャン等)
によって適宜設定されるが、その一例を図30〜図32
に基づいて説明する。
【0153】図30は、スキャン態様が直線軌道と円1
回転の軌道とから成るスキャンである場合のデータの信
頼性関数T(β)又はT(t)の例を説明するものであ
る。
【0154】この場合のスキャン軌道は、図30中の上
段グラフ(縦軸:スキャン軌道Z、横軸:時間t=β)
に示すように、直線方向(Z軸方向、回転軸方向、又は
スライス方向)の所定区間(Z=Z〜Z、t=t
〜t)分、行われる直線スキャンと、これに引き続い
て直線方向の一定位置(Z=Z)で行われる円周方向
の1回転(β=0〜2π)分の円スキャンとで構成され
る。
【0155】このスキャン軌道におけるデータの信頼性
関数T(t)又はT(β)は、例えば図30中の中段グ
ラフ(縦軸:T(t)又はT(β)、横軸:t又はβ)
に示すように、円スキャンの中心部(β=π)で最も信
頼性が高くなるように設定される。この場合のT(t)
又はT(β)は、スキャンの終始点、すなわち直線スキ
ャンの始点Z(t=t)と、円スキャンの終点(β
=2π)で最も低く、その両者の間で、直線スキャンの
始点Zからその終点Z(t=t)を介し円スキャ
ンの始点(t=0)を経てその中心部(β=π)に向け
て連続して増加していき、その円スキャンの中心部(β
=π)で最も高くなり、これをピークにして円スキャン
の終点(β=2π)に向けて連続して減少していくパタ
ーンとなる。
【0156】これ以外の上記スキャン軌道におけるデー
タの信頼性関数T(t)又はT(β)としては、図30
中の下段グラフ(縦軸:T(t)又はT(β)、横軸:
t又はβ)に示すように、上記と同様に円スキャンの中
心部(β=π)で最も信頼性が高くなるように設定され
る一方で、直線スキャン及び円スキャンの始終点(t=
)の信頼性がほぼ同じレベルで低くなるパターンの
ものでもよい。
【0157】図30に示す例によれば、スキャン態様が
直線と円1回転スキャンである場合により適したコーン
ビームCTによる3次元再構成アルゴリズムを構築で
き、これにより、上記効果を最大限に発揮させ、被写体
の動きに起因して生じるアーチファクトをより効果的に
低減できる。
【0158】なお、上述した図30の例の場合、スキャ
ンは直線軌道及び円軌道の順に1回だけなされる態様で
説明したが、先に1回の円軌道のスキャンが行われ、こ
の後に1回の直線軌道のスキャンが実行されるものであ
ってもよい。その場合の信頼性関数は、例えば上述した
図30の中段又は下段に記した信頼性関数の時間順序を
逆にすればよい。
【0159】また、上述した直線軌道及び円軌道が組合
されたスキャンは、複数回実行されるようにしてもよ
い。
【0160】図31は、スキャン態様が複数回転の連続
した円軌道スキャンである場合のデータの信頼性関数T
(β)又はT(t)の設定例を説明するものである。
【0161】この場合のスキャン軌道は、図31中の最
上段グラフ(縦軸:スキャン軌道Z、横軸:時間t=
β)に示すように、直線方向の一定位置で円周方向に連
続回転させる円スキャン(β=0〜2π〜4π〜6π)
となる。このスキャン軌道におけるT(β)又はT
(t)は、図31中の中央2段〜最下段の各グラフ(縦
軸:T(β)又はT(t)、横軸:t=β)に示すよう
に、円スキャンの所定区間毎にその中央部(図中の例で
は、β=0〜2π区間ではβ=π、β=π〜3π区間で
はβ=2π、β=2π〜4π区間ではβ=3π)が最も
高くなるように設定される。
【0162】図31に示す例によれば、スキャン態様が
複数回転の連続した円軌道スキャンである場合により適
したコーンビームCTによる3次元再構成アルゴリズム
を構築でき、これにより、上記効果を最大限に発揮さ
せ、被写体の動きに起因して生じるアーチファクトをよ
り効果的に低減できる。
【0163】図32は、スキャン態様がヘリカルスキャ
ンである場合のデータの信頼性関数T(β)又はT
(t)の例を説明するものである。
【0164】この場合のスキャン軌道は、図32中の最
上段グラフ(縦軸:スキャン軌道Z、横軸:時間t=
β)に示すように、直線位置を変えながら円スキャンを
行うヘリカルスキャン(Z=Z1〜Z2〜Z3〜Z4、
t=t1〜t2〜t3〜t4)となる。このスキャン軌
道におけるT(β)又はT(t)は、図32中の中央2
段〜最下段の各グラフ(縦軸:T(β)又はT(t)、
横軸:t=β)に示すように、ヘリカルスキャンの所定
区間毎にその中央区間(図中の例では、上限がt=t3
より小さい区間でt=t1〜t2、t=t1〜t4の間
の区間でt=t2〜t3、上限がt=t4を超える区間
でt=t3〜t4)でほぼ一定値で最も高くなるパター
ン(略台形状パターン)に設定される。
【0165】図32に示す例によれば、スキャン態様が
ヘリカルスキャンである場合により適したコーンビーム
CTによる3次元再構成アルゴリズムを構築でき、これ
により、上記効果を最大限に発揮させ、被写体の動きに
起因して生じるアーチファクトをより効果的に低減でき
る。
【0166】本実施形態にあっては、上述した信頼性関
数Tを例えば式(106)に適用して冗長度補正関数W
として演算される。この補正関数Wに従う重みは、補正
ユニット34又は再構成ユニット36により求められる
もので、式(106)などの式に基づく演算を各補正演
算の度に行ってもよいし、予め補正ユニット34の内蔵
メモリ又はデータ保存ユニット35に格納しておく記憶
テーブルを参照する方法で求めてもよい。
【0167】この重みを設定する手順は概略、以下のよ
うである。まず、スキャン軌道(円軌道か、直線軌道及
び円軌道の組合せ軌道かなど)及び得たい画像(再構成
したい画像)の時刻が決められる。次いで、平面Q毎
に、スキャン軌道と平面Qとが交差する収集時刻(ビュ
ー)が決められる。つまり、平面Q毎に、収集されるビ
ューが決まる。逆に言えば、各ビューで収集される平面
Qが複数決まる。従って、各平面Qについて、同じ平面
が収集される別のビューのデータが分かる。次いで、交
差する収集時刻と上述した得たい画像の時刻との時間関
係を信頼性関数に適用して、データの信頼性が決められ
る。次いで、この決められて信頼性を冗長度補正関数に
適用して、信頼性に応じて重みが決められる。これによ
り、例えば、得たい画像の時刻により近い時刻で収集さ
れたデータに、より大きな重みが設定され、一方、得た
い画像の時刻から離れた時刻で収集されたデータには、
相対的に小さい重みが設定される。
【0168】なお、この設定は3次元再構成処理と並行
して又は適宜な事前のタイミングで行っておけばよい。
【0169】次に、上記の設計指針に基づいて求まる冗
長度補正関数Wを用いた、実際の3次元再構成アルゴリ
ズムによる画像再構成の処理を説明する。
【0170】(Shift-variant FBP法 その1)3次元再
構成アルゴリズムとしてのShift-variant FBP 法に適用
した例を説明する。この場合の処理は、図36に示すス
テップS101a〜S110の順に、補正ユニット34
及び再構成ユニット36により協働して実行される。
【0171】最初に所定の収集時刻が指定され(ステッ
プS101a)、検出器面上の所定角度が指定され(ス
テップS101b)、この焦点βの位置及び検出面上の
角度位置(すなわち積分対象の面に相当)で収集した投
影データp(β、u、v)を、cosγcosαで重み
付けし、G(2)(β、u、v)を得る(ステップS1
02)。
【0172】次いで、焦点を含む平面Q(ξ、φ、s)
に含まれるG(2)(β、u、v)を積分(平面検出器
上では直線Lに沿って線積分)して、重み付き面積分デ
ータP(3)(ξ、φ、s)を得る(ステップS10
3)。
【0173】次いで、平面Qの近傍の平面Q’(直線
L’)のデータを使って、P(3)(ξ、φ、s)をフ
ィルタ処理(微分)して、3次元ラドンデータの1次微
分データP(4)(ξ、φ、s)を得る(ステップS1
04)。
【0174】次いで、前述の式(101)〜(106)
で求まる信頼性関数T(β)に基づいた重み関数W
β(r、θ)を乗算してデータ冗長度を補正してP
(5)(ξ、φ、s)を得る(ステップS105)。
【0175】次いで、3次元ラドンデータの1次微分P
(5)(ξ、φ、s)を直線Lに沿って検出器面に(2
次元)平行逆投影する(ステップS106)。
【0176】次いで、検出器面上で全ての角度に上記ス
テップS101b〜106を適用してG(3)(β、
u、v)を得る(ステップS107)。
【0177】次いで、焦点の軌跡の接線方向(焦点の移
動方向)にG(3)(β、u、v)を微分してG(4)
(β、u、v)を得る(ステップS108)。
【0178】次いで、G(4)(β、u、v)をL−2
で重み付けしながら、(3次元)コーンビーム逆投影す
る(ステップS109)。
【0179】そして、上記ステップ101a〜109を
焦点βのデータ収集範囲内の全ての位置(すなわち全収
集時刻)に適用して、被写体fを再構成する(ステップ
S110)。
【0180】上記のアルゴリズムを数式で表現すると、
次の式(111)〜式(117)で示す通りである。
【0181】
【数16】
【0182】なお、本例において、信頼性関数T(β)
や冗長度補正関数Wβ(r、θ)に負の値を持つことを
許容すると外挿になり、ゼロの値の領域を広げて信頼で
きる区間を狭くすると、時間分解能を更に向上させるこ
とが可能となる(データ取得率を犠牲にする)。
【0183】(X線焦点の直線と円とを組み合せた軌道
を移動するスキャン)その他、X線焦点βが直線と円と
を組み合せた軌道を移動するスキャンの再構成法に上述
した冗長度補正関数Wを適用した例を説明する。
【0184】まず、焦点の軌道λ(β)を、次式(12
1)及び(122)で定義する。
【0185】
【数17】
【0186】このうち、次式(123)で示される範囲
のデータを使って、被写体fを再構成する場合を考え
る。
【0187】
【数18】
【0188】この場合、データの信頼性関数T(β)及
び冗長度補正関数Wβ(r、θ)は、それぞれ次式(1
24)及び(125)で定義される。
【0189】
【数19】
【0190】なお、本例の3次元再構成法は、上記のほ
か、Grangeat 法及びn-PI method等の全ての3次元再構
成アルゴリズムに適用可能である。また、データ収集が
冗長でない再構成法であっても、「信頼の出来ないデー
タの重みを軽くした方が例えデータ取得率が低下しても
良い結果を得ることが出来る」場合には、前述のルール
1〜3の「データの信頼度に基づいて3次元ラドンデー
タに対する重み付けを同じ3次元ラドンデータに対する
重みの総和が0〜1の間になるように決定する」という
基本的な考え方は適用できる。
【0191】また、本例の3次元再構成法で用いる検出
器の形状は、平面検出器、円筒型検出器、球面型検出器
等の任意の形状に適用できる。
【0192】(shift-variant FBP法 その2)次に、そ
の他の3次元再構成法の例を説明する。
【0193】図29は、本例のジオメトリを示すもので
ある。図29に示す検出器面上のジオメトリにおいて、
その検出器面上の点(u,v)に向けて焦点βのコーン
ビーム頂点位置s(β)(sはベクトル)からコーンビ
ーム投影される投影データg(u,v,β)は、次式
(129)及び(130)で与えられる円軌道に沿った
演算で求められる。
【0194】
【数20】 ここで、f(r)(rはベクトル)は再構成すべき被写
体、Rは円軌道の半径、αu,v,βは単位ベクトルを
それぞれ示す。
【0195】上記のジオメトリにおいて、本適用例の3
次元再構成アルゴリズムは、1)データの信頼性関数T
(β)を定義し、2)3次元ラドンデータのT(β)に
基づいて冗長度補正関数w(s、μ、β)を演算する、
3)w(s、μ、β)をshift-variant FBP 法に適用す
るものである。以下、この内容を順次説明する。
【0196】まず、データ信頼性関数T(β)に関して
は、1)T(β−β)が│β−β │と共に減少す
る、2)∂T(β)/∂βが連続性を有するといったル
ールの元で、次式(131)及び(132)で定義す
る。
【0197】
【数21】
【0198】次いで、冗長度補正関数w(s、μ、β)
に関しては、1)w(s、μ、β)がT(β)と共に増
加する、2)同じ3次元ラドン面のw(s、μ、β)に
おける総和が1に等しくなる、3)w(s、μ、β)が
s、μの座標軸において連続性を有するといったルール
の元で、次式(133)及び(134)で定義する。
【0199】
【数22】
【0200】次いで、図37に示すステップ121〜1
26により、上記で求まる冗長度補正関数w(s、μ、
β)をshift-variant FBP 法に適用して、被写体fを再
構成する。なお、図37に示す一連の処理は、補正ユニ
ット34及び再構成ユニット36が協働して実行され
る。
【0201】まず、所定の収集時刻及び検出器面上の位
置が指定される(ステップS121,S122)。次
に、次式(135)により、重み付けを行う(ステップ
123)。
【0202】
【数23】
【0203】次いで、shift-variant filtering を行う
(ステップ124)。このステップ2は、次のサブステ
ップ2a〜2cで構成される。
【0204】まず、次式(136)により、3次元ラド
ンデータを面積分で計算する(サブステップ124
a)。
【0205】
【数24】
【0206】次いで、次式(137)により、冗長性補
正を行う(サブステップ124b)。これらの処理は、
検出面上に設定した全ての線(すなわち面積分の対象と
なる全平面)について個別に繰り返される(ステップS
124c)。
【0207】
【数25】
【0208】次いで、次式(138)により、2次元逆
投影とμ軸に沿った微分を行う(サブステップ124
d)。
【0209】
【数26】
【0210】そして、コーンビーム逆投影を行い、被写
体fを再構成する(ステップ125)。以上の処理は、
X線焦点βの必要なデータ収集範囲内の全ての位置(す
なわち全収集時刻)について繰り返される(ステップS
126)。
【0211】上記のように構成されたX線CTスキャナ
において、X線管10および2次元検出器11がR−R
方式で回転駆動され、マルチスキャンまたはヘリカルス
キャンなどのスキャン法でX線投影される。この回転駆
動の間、X線管10からはX線が連続的に被検体Pに向
けて曝射される。この連続X線はプリコリメータ22に
よりコーン状に整形され、コーンビームとして被検体P
に照射される。被検体Pを透過したX線は2次元検出器
11で検出され、読み出される。これで読み出された投
影データは、データ伝送部28を通って補正ユニット3
4に送られ、ここで各種の補正を受けた後、データ保存
ユニット35にビュー毎に保存される。
【0212】この保存データに対し、再構成ユニット3
6にて前述した3次元再構成法のいずれかのアルゴリズ
ム(例えば、前述したステップS101a〜S110で
示すアルゴリズム)に基づく画像処理が行われて被検体
Pの再構成画像が作成され、これがメインコントローラ
30の制御の元、必要に応じてデータ保存ユニット35
に保存される一方、表示プロセッサ37に送られ、ここ
でカラー化処理、アノテーションデータやスキャン情報
の重畳処理などの必要な処理が行われ、ディスプレイ3
8にてD/A変換され、断層像又はボリューム像(3次
元像)として表示される。
【0213】以上のように、前述したファンビームのM
HS(2次元の円軌道 Modified ハーフスキャン)によ
れば、仮想ファン角度2Γmをπとしたときと同じ重み
付けを3次元ラドンデータに対して実現しつつ、焦点回
転面(z=0の平面)では2次元ファンビーム再構成に
おけるMHS(2Γm=π)と同じ効果が得られる。す
なわち、1)3次元ラドンデータのデータ取得率を信頼
性に基づいた合理的な値にできる、2)時間分解能がT
/2に向上できる、3)コーン角度の小さな領域での正
確性を保てる、4)重みの連続性を保つことができるの
でアーチファクトが生じない等の利点がある。
【0214】従って、本実施形態によれば、コーンビー
ムCTによる3次元再構成アルゴリズムを医用CTに適
用する際に被写体の動きに起因して生じるアーチファク
トを低減すると共に、時間分解能を向上させることがで
きる。
【0215】なお、本実施形態及びその適用例では、X
線CTスキャナは、第3世代CTに適用した例を説明し
てあるが、第四世代CTや、高速スキャンのできる多管
球CT(第3世代CTでX線管と検出器のペアが複数あ
るもの)、第5世代CT(X線管を装備しないで、リン
グ状に形成されたターゲットに対する電子ビームの衝突
位置を変更してX線焦点を回転させるもの)等のその他
のX線CT装置でも適用可能である。また、X線検出器
についても、その形状は平面型に限定されず、円筒型な
ど、他の形状の検出器を用いることもできる。
【0216】なお、本発明は、代表的に例示した上述の
実施形態及びその適用例に限定されるものではなく、当
業者であれば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、そ
の要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更す
ることができ、それらも本発明の権利範囲に属するもの
である。
【0217】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コーンビームCTによる3次元再構成アルゴリズムを医
用CTに適用する際に被写体の動きに起因して生じるア
ーチファクトを低減できると共に、時間分解能を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るX線CTスキャナ(X
線装置)のガントリ内のX線管と2次元検出器の位置関
係を説明する図。
【図2】X線CTスキャナの概略構成図。
【図3】X線CTスキャナの電気系の概略ブロック図。
【図4】2次元のデータ収集を座標上で説明する図。
【図5】2次元ラドン空間における2次元のデータ収集
を説明する図。
【図6】2次元ラドンデータを座標上で説明する図。
【図7】X線焦点からのファンビームで収集される2次
元ラドンデータの集まりを座標上で説明する図。
【図8】冗長性をもつ2次元ラドンデータを説明する
図。
【図9】冗長性をもつ2次元ラドンデータ収集の様子を
座標上で説明する図。
【図10】冗長性をもつ2次元ラドンデータをサイノグ
ラム上で説明する図。
【図11】2次元の円軌道フルスキャン(FS)の場合
のスライス画像の時間感度プロファイルを示す図。
【図12】2次元の円軌道ハーフスキャン(HS)の再
構成を説明する図。
【図13】HS再構成の場合の2次元ラドンデータをサ
イノグラム上で説明する図。
【図14】HS再構成の場合のスライス画像の時間感度
プロファイルを示す図。
【図15】2次元の円軌道アンダースキャン(US)の
再構成を説明する図。
【図16】US再構成の場合の2次元ラドンデータをサ
イノグラム上で説明する図。
【図17】US再構成の場合のスライス画像の時間感度
プロファイルを示す図。
【図18】2次元の円軌道オーバースキャン(OS)の
再構成を説明する図。
【図19】OS再構成の場合の2次元ラドンデータをサ
イノグラム上で説明する図。
【図20】3次元のデータ収集を座標上で説明する図。
【図21】3次元ラドン空間における3次元のデータ収
集を説明する図。
【図22】ある焦点からのコーンビームで収集される3
次元ラドンデータを説明する図。
【図23】被写体を再構成するのに必要な3次元ラドン
データを説明する図。
【図24】3次元の円軌道スキャンで収集される3次元
ラドンデータを説明する図。
【図25】図23と図24とを重ね合わせた図。
【図26】3次元の円軌道ハーフスキャン(β=[0〜
π+2γm])で収集される3次元ラドンデータを説明
する図。
【図27】図23と図26とを重ね合わせた図。
【図28】shift-variant FBP 法を説明する図。
【図29】その他の3次元再構成法の例におけるジオメ
トリを説明する図。
【図30】直線と円1回転スキャンの場合のデータの信
頼性関数の例を説明する図。
【図31】複数回転の連続した円軌道スキャンの場合の
データの信頼性関数の例を説明する図。
【図32】ヘリカルスキャンの場合のデータの信頼性関
数の例を説明する図。
【図33】データ収集の冗長性を説明する説明図。
【図34】データ収集の冗長性を説明する別の説明図。
【図35】冗長性の無いデータ収集を説明する説明図。
【図36】本発明を実施した3次元再構成アルゴリズム
の一例を説明する概略フローチャート。
【図37】本発明を実施した3次元再構成アルゴリズム
の別の例を説明する概略フローチャート。
【符号の説明】
1 ガントリ 2 寝台 3 制御キャビネット 4 電源装置 10 X線管 11 2次元検出器 24 DAS 30 メインコントローラ 31〜33 コントローラ 36 再構成ユニット 38 ディスプレイ

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーンビーム状のX線を曝射するX線源
    と、 このX線源から曝射され且つ被検体を透過したX線を検
    出してそのX線量に対応した投影データを出力する2次
    元のX線検出器と、 少なくとも前記X線源の一定軌道上の移動を伴う所望の
    スキャン方式の元で一定のスキャン範囲にて当該X線源
    から曝射されたX線で被検体をスキャンして、このスキ
    ャンに伴う前記投影データを前記X線検出器に収集させ
    るスキャン手段と、 このスキャン手段により収集された投影データから3次
    元分布の3次元ラドンデータを生成するラドンデータ生
    成手段と、 このラドンデータ生成手段により生成された3次元ラド
    ンデータに前記投影データの収集時刻に関して非一定の
    重みを呈する重み関数による重み付けを行う重み付け手
    段と この重み付け手段により重み付けされた3次元ラドンデ
    ータを所望の3次元再構成アルゴリズムで再構成して画
    像を得る再構成手段とを備えたことを特徴とするX線C
    T装置。
  2. 【請求項2】 前記重み付け手段は、前記3次元ラドン
    データのそれぞれを求めるための面積分の対象となる面
    それぞれに対応して前記重み付けを行う手段である請求
    項1に記載のX線CT装置。
  3. 【請求項3】 前記スキャン手段は、前記一定軌道とし
    て、前記被検体の周りに少なくとも「180度+前記コ
    ーンビーム状X線のファン角度」の経路を前記スキャン
    範囲として含む軌道を描くように前記X線源を移動させ
    るように構成した請求項1に記載のX線CT装置。
  4. 【請求項4】 前記重み付け手段は、前記重み関数とし
    て、前記再構成手段により再構成される画像の時刻を代
    表するデータ収集時刻で最大の重みを呈し、このデータ
    収集時刻から離れたデータ収集時刻で小さい重みを呈す
    る重み関数を用いて、前記スキャン範囲で収集された投
    影データに対応した3次元ラドンデータに前記重み付け
    をする手段である請求項2に記載のX線CT装置。
  5. 【請求項5】 前記重み付け手段は、前記重み関数とし
    て、前記再構成手段により再構成される画像の時刻を代
    表するデータ収集時刻及びそのデータ収集時刻に近い時
    刻で最大の重みを呈し、これらデータ収集時刻から離れ
    たデータ収集時刻で小さい重みを呈する重み関数を用い
    て、前記スキャン範囲で収集された投影データに対応し
    た3次元ラドンデータに前記重み付けをする手段である
    請求項2に記載のX線CT装置。
  6. 【請求項6】 前記重み付け手段は、前記重み関数とし
    て、前記再構成手段により再構成される画像の時刻を代
    表するデータ収集時刻で最大の重みを呈し、このデータ
    収集時刻から離れるにしたがって小さくなる重みを呈す
    る重み関数を用いて、前記スキャン範囲で収集された投
    影データに対応した3次元ラドンデータに前記重み付け
    をする手段である請求項2に記載のX線CT装置。
  7. 【請求項7】 前記重み関数は前記スキャン方式の種類
    に応じて設定されている請求項1又は2に記載のX線C
    T装置。
  8. 【請求項8】 前記スキャン方式は、前記軌道が1回転
    の円軌道を描く円軌道フルスキャン、前記軌道が1回転
    の円軌道を描き且つ360度のスキャン範囲からの投影
    データを使った拡張円の円軌道ハーフスキャン(MH
    S:Modified Half Scan)、或いは前記軌道が1回転の
    円軌道を描く円軌道アンダースキャン、前記軌道が2回
    転以上の円軌道を描く円軌道スキャン、前記軌道が直線
    軌道と円軌道とを組みあわせた軌道を描くスキャン、又
    は、前記軌道がヘリカル状の軌道を描くヘリカルスキャ
    ンに基づくスキャン方式である請求項7に記載のX線C
    T装置。
  9. 【請求項9】 前記スキャン方式は、前記軌道が直線軌
    道と円軌道とをこの順に組みあわせた軌道を描く前記ス
    キャンを前記被検体に対して1回行うスキャン方式であ
    り、 前記重み付け手段は、前記重み関数として、前記再構成
    手段により再構成される画像の時刻を代表するデータ収
    集時刻及びそのデータ収集時刻に近い時刻で最大の重み
    を呈し、前記直線軌道による移動を開始するときのデー
    タ収集時刻及び前記円軌道による移動を終了するときの
    データ収集時刻に最小の重みを呈する重み関数を用い
    て、前記スキャン範囲で収集された投影データに対応し
    た3次元ラドンデータに前記重み付けをする手段である
    請求項8に記載のX線CT装置。
  10. 【請求項10】 前記スキャン方式は、前記軌道が直線
    軌道と円軌道とをこの順に組みあわせた軌道を描く前記
    スキャンを前記被検体に対して1回行うスキャン方式で
    あり、 前記重み付け手段は、前記重み関数として、前記再構成
    手段により再構成される画像の時刻を代表するデータ収
    集時刻及びそのデータ収集時刻に近い時刻で最大の重み
    を呈し、前記円軌道による移動を開始するときのデータ
    収集時刻及び前記円軌道による移動を終了するときのデ
    ータ収集時刻に最小の重みを呈する重み関数を用いて、
    前記スキャン範囲で収集された投影データに対応した3
    次元ラドンデータに前記重み付けをする手段である請求
    項8に記載のX線CT装置。
  11. 【請求項11】 前記重み関数は、前記直線軌道全体に
    及ぶデータ収集時刻で前記最小の重みを維持する重み関
    数である請求項9又は10に記載のX線CT装置。
  12. 【請求項12】 前記スキャン方式は、前記軌道が円軌
    道と直線軌道とをこの順に組みあわせた軌道を描く前記
    スキャンを前記被検体に対して1回行うスキャン方式で
    あり、 前記重み付け手段は、前記重み関数として、前記再構成
    手段により再構成される画像の時刻を代表するデータ収
    集時刻及びそのデータ収集時刻に近い時刻で最大の重み
    を呈し、前記円軌道による移動を開始するときのデータ
    収集時刻及び当該直線軌道による移動を終了するときの
    データ収集時刻に最小の重みを呈する重み関数を用い
    て、前記スキャン範囲で収集された投影データに対応し
    た3次元ラドンデータに前記重み付けをする手段である
    請求項6に記載のX線CT装置。
  13. 【請求項13】 前記スキャン方式は、前記軌道が直線
    軌道と円軌道とを組みあわせた軌道を描く前記スキャン
    を前記被検体に対して複数回行うスキャン方式であり、 前記重み付け手段は、前記複数回のスキャンのデータ収
    集時間帯に存する所定周期毎に行われる複数回の前記3
    次元ラドンデータの生成に対して、当該各回の所定周期
    毎に、前記再構成手段により再構成される画像の時刻を
    代表するデータ収集時刻及びそのデータ収集時刻に近い
    時刻で最大の重みを呈し、当該所定周期の開始時及び終
    了時のデータ収集時刻に最小の重みを呈する重み関数を
    前記重み関数として用いて、前記スキャン範囲で収集さ
    れた投影データに対応した3次元ラドンデータに前記重
    み付けをする手段である請求項8に記載のX線CT装
    置。
  14. 【請求項14】 前記スキャン方式は、前記軌道が2回
    転以上の円軌道を描く前記円軌道スキャンを前記被検体
    に対して行うスキャン方式であり、 前記重み付け手段は、前記重み関数として、前記複数回
    のスキャンに応じて各回毎に前記再構成手段により再構
    成される画像の時刻を代表するデータ収集時刻で最大の
    重みを呈し、このデータ収集時刻から離れたデータ収集
    時刻で小さい重みを呈する重み関数を用いて、前記スキ
    ャン範囲で収集された投影データに対応した3次元ラド
    ンデータに前記重み付けをする手段である請求項8に記
    載のX線CT装置。
  15. 【請求項15】 前記スキャン方式は前記ヘリカルスキ
    ャン方式であり、 前記重み付け手段は、前記ヘリカルスキャン方式により
    生成される3次元ラドンデータのうち、画像の再構成に
    必要なデータ収集時間帯毎に、当該データ収集時間帯の
    3次元ラドンデータを代表するデータ収集時刻を中心と
    する一定時間だけ一定値で且つ最大の重みを呈し、当該
    データ収集時間帯の開始時及び終了時のデータ収集時刻
    に最小の重みを呈する重み関数を前記重み関数として用
    いて、前記スキャン範囲で収集された投影データに対応
    した3次元ラドンデータに前記重み付けする手段である
    請求項8に記載のX線CT装置。
  16. 【請求項16】 前記各面に対する前記投影データの収
    集時刻に応じて予め決められた当該投影データの信頼度
    から前記重み関数を決め、この重み関数による重み情報
    を前記各面毎に提供する提供手段を更に備える請求項2
    〜15の何れか一項に記載のX線CT装置。
  17. 【請求項17】 コーンビーム状のX線で被検体をスキ
    ャンすることにより収集される被写体のX線吸収係数の
    3次元分布を反映した2次元の投影データを収集し、 この投影データから3次元ラドンデータを生成し、 前記投影データの収集時刻に応じて予め決定されている
    当該投影データの信頼度を反映させた重み関数を用いて
    前記3次元ラドンデータを補正し、 この3次元ラドンデータを3次元再構成アルゴリズムの
    処理に付して前記被写体の3次元データを再構成する、
    ことを特徴とするX線CTの3次元再構成方法。
  18. 【請求項18】 前記重み関数を用いた前記3次元ラド
    ンデータを補正は、前記3次元ラドンデータのそれぞれ
    を求めるための面積分の対象となる面それぞれに対応し
    て行う請求項17に記載のX線CTの3次元再構成方
    法。
  19. 【請求項19】 前記投影データの信頼度は、前記X線
    コーンビームの焦点位置に対応づけられたデータの信頼
    性関数であり、 前記重み関数は、前記データの信頼性関数に対応付けら
    れた冗長度補正関数である請求項18に記載のX線CT
    の3次元再構成方法。
  20. 【請求項20】 前記データの信頼性関数は、前記X線
    のスキャン方式に応じて設定される請求項19に記載の
    X線CTの3次元再構成方法。
  21. 【請求項21】 前記X線コーンビームのスキャン方式
    は、前記軌道が1回転の円軌道を描く円軌道フルスキャ
    ン、前記軌道が1回転の円軌道を描き且つ360度のス
    キャン範囲からの投影データを使った拡張円の円軌道ハ
    ーフスキャン(MHS:Modified Half Scan)、或いは
    前記軌道が1回転の円軌道を描く円軌道アンダースキャ
    ン、前記軌道が2回転以上の円軌道を描く円軌道スキャ
    ン、前記軌道が直線軌道と円軌道とを組みあわせた軌道
    を描くスキャン、又は、前記軌道がヘリカル状の軌道を
    描くヘリカルスキャンに基づくスキャン方式である請求
    項20に記載のX線CTの3次元再構成方法。
  22. 【請求項22】 コーンビーム状のX線でスキャンする
    ことにより収集される被検体のX線吸収係数の3次元分
    布を反映した2次元の投影データの収集時刻を元にその
    データの信頼度を決め、 前記データの信頼度に基づいて、前記投影データから求
    まる3次元ラドンデータに対する補正のための重みを決
    定する、ことを特徴とするX線CTの重み設定方法。
  23. 【請求項23】 前記データの信頼度を決めるステップ
    は、前記データ収集時刻に対応づけられたデータの信頼
    性関数を演算するステップであり、 前記重みを決定するステップは、前記データの信頼性関
    数に対応付けられた冗長度補正関数の値を演算するステ
    ップである請求項22記載のX線CTの重み設定方法。
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