JP2003198405A - 無線受信機 - Google Patents
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Abstract
成分による受信性能の劣化を、システムの許容範囲内に
抑制可能な無線機を提供することを目的とする。 【解決手段】 RF信号を増幅するLNA(13)と、増幅され
たRF信号をLO信号を用いて直接B/B信号へ復調する直交
復調器(14)と、B/B信号を増幅するVGA(16)と、増幅され
たB/B信号をフィードバック制御するDCオフセットキャ
ンセラ(17)と、少なくともLNAの利得を制御する利得制
御部(18)と、を備え、利得制御部は、増幅されたB/B信
号強度を検出する信号強度検出部(20)と、この信号強度
を元に、LNAの予め設定された複数の利得から所望の利
得を選択する利得選択部(21)と、この選択された所望の
利得に切替えるタイミングを制御するタイミング制御部
(22)と、このタイミングに応じて、LNA用利得制御信号
の生成間隔を変動させる利得制御信号発生部(23)と、を
有することを特徴とする無線受信機。
Description
クトコンバージョン)方式の無線受信機に関し、特に直
流(DC)オフセットキャンセラを内蔵するダイレクトコン
バージョン方式の無線受信機に関する。
い、無線回路に対する、低コスト化、小型・低消費電力
化等の改善が求められている。部品点数とコストの削
減、ICのモノリシック化可能な点から、高周波(RF)信号
と同じ周波数の局部発振(LO)信号を乗算して、直接ベー
スバンド信号(B/B信号)を取り出す、ダイレクトコンバ
ージョン方式の実用化が始まりつつある。
機のブロック図を図9に示す。ダイレクトコンバージョ
ン方式受信機は、アンテナ1と、低雑音増幅器(LNA)2
と、直交復調器3と、ローパスフィルタ(LPF)4と、可
変利得増幅器(VGA)5と、利得制御部6と、復調部7を備
え、利得制御部6は信号強度検出部8、利得選択部9、及
び利得制御信号発生部10からなっていた。
る。アンテナ1で受信された受信(RF)信号は、LNA2で信
号増幅されてから、直交復調器3に入力され、局部発振
器(不図示)からの局部発振(LO)信号と乗算されること
により、直接ベースバンド信号に変換される。このベー
スバンド信号は、LPF4で波形整形されてから、VGA5に入
力され増幅される。その後ベースバンド信号は、利得制
御部6と復調部7への入力に分岐され、復調部7でベース
バンド信号をデジタル信号へ復調する。
するフローチャートである。信号強度検出部8でベース
バンド信号強度を測定し(S100)、利得選択部9でLNA2とV
GA5の利得を切り換えるか否かを判断し(S110)、利得制
御信号発生部10からLNA及びVGA用又はVGA用の利得制御
信号を出力し(S120)、フィードバック制御を行う。
方式は受信周波数帯の直交復調器で検波を行い、高周波
数帯から直接ベースバンドへ周波数変換を行うので、原
理的には、イメージ信号抑圧のための問題が生じない。
それ故、スーパーへテロダイン方式において必要とされ
る高周波帯のイメージ抑圧フィルタや中間周波帯のチャ
ンネル選択をするためのパッシブフィルタを使用する必
要が無くなる。これらのフィルタはサイズも大きく、IC
への集積化が難しいかったので、ダイレクトコンバージ
ョン方式受信機は、部品点数とコストの削減、ICのモノ
リシック化を可能とする。
方式受信機では直流(DC)オフセット成分が大きな問題
となる。問題点としては、谷本洋「ダイレクトコンバー
ジョン受信機用ミクサの研究開発動向 電子情報通信学
会論文誌C Vol.J84−C No.5 pp.337−348 2001年5
月」に示されるように、受信周波数と局部発振周波数が
同じであるため、局部発振信号はLNAやアンテナの通過
帯域にあり受信信号と完全なアイソレーションが取れな
い。それ故、局部発振信号はアンテナやLNAに漏えい
し、この漏えい成分が直交復調器の入力として周波数変
換されることによりDCオフセット成分を生成する。これ
が局部発振信号の自己混合によるDCオフセットと呼ばれ
る問題である。
受信周波数のダイナミックレンジを取り扱わなければい
けないため、LNAは予めいくつかの設定された利得をス
テップ状に切替える必要があり、利得切替え時には、直
交復調器からみたLNAのインピーダンスが変動してしま
う。それ故、局部発振信号の漏えい成分は、LNAの利得
切替えによって変動し、自己混合によるDCオフセット成
分も変動する。
けでなく、直交復調器、ローパスフィルタ、VGA自体も
回路構成素子のばらつき等の問題でDCオフセット成分を
持っている。
受信機のダイナミックレンジを超えてしまう可能性があ
り、受信信号の飽和を引き起こし、受信特性を劣化させ
てしまうので、ダイレクトコンバージョン方式受信機で
はDCオフセットキャンセラを用いて、適宜DCオフセット
成分を除去する必要がある。
DCオフセット成分はほぼ時間的に一定であり、容易に予
め定められた固定的なDC成分を取り除くDCオフセットキ
ャンセラを用いて除去することが可能である。しかしな
がら、自己混合に起因するDCオフセット成分は、受信機
でのLNAのステップ状の利得切替えにより変動し、その
変動幅も受信信号強度と比較すると無視出来ない程大き
いので、上述の固定的なDCオフセット成分除去用の方法
によって、LNAの利得時等に生じる変動するDCオフセッ
ト成分の除去は難しく、受信信号の変動を測定しながら
フィードバック制御をする新たなDCオフセットキャンセ
ラが必要となる。
除く機能を持つ、従来のDCオフセットキャンセラを内蔵
するダイレクトコンバージョン方式受信機を示すブロッ
ク図である。この構成は、図9で示した構成にVGA出力
をフィードバック制御するDCオフセットキャンセラ11を
付加した構成となる。
同一の構成要素には同一の参照符号を付して説明を省略
し、DCオフセットキャンセラ11についてここでは説明す
る。VGA5で増幅されたベースバンド信号を、DCオフセッ
トキャンセラ11に入力し、積分器(ローパスフィルタ)
等の回路を用いて、変動するDCオフセット成分を除去す
るためのフィードバック制御する機能を有することを特
徴とする。尚、DCオフセットキャンセラ11の一例として
は、利得固定の増幅器とローパスフィルタを縦続接続し
た回路構成が挙げられる。
化した場合のDCオフセット成分の様子を示す。ここで
は、一例としてLNA利得を高利得と低利得の2段階にステ
ップ状に変化させた場合を示す。図12(a)はDCオフセ
ットキャンセラがない場合(図9)のVGA出力信号強度
を示し、図12(b)はDCオフセットキャンセラがある場
合(図11)のVGA出力信号強度を示す。図11に示す
ようなフィードバック制御をするDCオフセットキャンセ
ラは、DCオフセットキャンセラに入力されるDCオフセッ
ト成分が定常的な状態の時(図12の点線で囲んだ部
分)にはDCオフセット成分を除去することができる。し
かしながら、図12(a)のように、LNAの利得がステップ
状に増減することによって、DCオフセット成分もステッ
プ状に変動する。すると、このDCオフセット成分のステ
ップ状の変動によって、図12(b)のように、DCオフセ
ットキャンセラによるフィードバック制御の定常状態へ
の収束までに、DCオフセットキャンセラの回路構成に依
存した過渡応答成分が発生してしまい、収束までの間、
DCオフセット成分は残存してしまう。
間変化は、VGA及びDCオフセットキャンセラのフィード
バックループ全体としてのハイパス特性に依存し、通
常、単一指数関数で収束する波形となる。また、その時
の過渡応答成分初期最大値は、LNAの高利得/低利得の
利得切替え幅に依存して一意に決まる値である。
界強度がLNA利得切替えレベル付近の時、利得制御信号
により頻繁にLNAの利得切替えが行われるので、DCオフ
セットキャンセラはステップ状に大きく変化するDCオフ
セット成分の頻繁な変化に追随できなくなり、VGA出力
のDCオフセット成分の残存が受信特性の劣化を引き起こ
す。
いて、フェージングなどによって受信中にLNA利得切替
えが発生しうる受信機は、LNAのステップ状の高利得/
低利得の利得切替え時に、自己混合によるDCオフセット
成分は受信中に急激な変動をしてしまう。これは上述し
たように、LNAの利得切替え時にLNAの復調器から見たイ
ンピーダンスが変動するので、漏えいした局部発振信号
のLNAからの反射成分も変動することにより生じるのだ
が、VGA出力のDCオフセット成分の残存により受信性能
を劣化させ、場合によっては受信できなくなってしま
う。
にDCオフセットキャンセラの回路構成のハイパス特性に
依存するので、ハイパス特性のカットオフ周波数を上げ
ることにより、DCオフセット過渡応答成分の収束時間を
短くすることが出来る。しかしながらこの場合は、必要
な信号成分も削られて受信特性が劣化し、場合によって
は受信できなくなってしまう。
レクトコンバージョン方式受信機を実現するために必要
なDCオフセットキャンセラに関して、LNAの頻繁な利得
切替えに伴い、過渡応答成分の発生間隔が短いと、ベー
スバンド信号のデジタル復調ができなくなる問題が生じ
ていた。さらに、LNAのステップ状の利得切替えに伴
う、VGA出力のDCオフセット過渡応答成分初期最大値が
大きすぎても、同様に、ベースバンド信号のデジタル復
調ができなくなる問題が生じていた。
特性のカットオフ周波数を上げることによって、VGA出
力のDCオフセット過渡応答成分の収束時間を短くする
と、必要な信号成分が削られて受信特性が劣化するとい
った問題が生じていた。
出力のDCオフセット過渡応答成分による受信性能の劣化
を、無線通信システムの規格の許容範囲内に抑えること
のできるダイレクトコンバージョン方式の無線受信機を
提供することを目的とする。
を増幅する利得可変な低雑音増幅器(13)と、前記増幅さ
れた無線信号を局部発振信号を用いて直接ベースバンド
信号へ復調する直交復調器(14)と、前記ベースバンド信
号を増幅する可変利得増幅器(16)と、前記増幅されたベ
ースバンド信号をフィードバック制御するDCオフセット
キャンセラ(17)と、少なくとも前記低雑音増幅器の利得
を制御する利得制御部(18)と、を備え、前記利得制御部
は、前記増幅されたベースバンド信号強度を検出する信
号強度検出部(20)と、この信号強度を元に、前記低雑音
増幅器の予め設定された複数の利得から所望の利得を選
択する利得選択部(21)と、この選択された所望の利得に
切替えるタイミングを制御するタイミング制御部(22)
と、このタイミングに応じて、前記低雑音増幅器用の利
得制御信号の生成間隔を変動させる利得制御信号発生部
(23)と、を有することを特徴とする無線受信機である。
前記低雑音増幅器用の利得切替え信号に関する時間間隔
(Δt又はΔτ)を測定する低雑音増幅器用利得切替え信
号間隔測定部(24)と、この測定された時間間隔と予め設
定した低雑音増幅器用最短利得切替え時間間隔(α)とを
比較する利得切替え間隔時間比較部(25)と、を備え、前
記測定された時間間隔が前記予め設定した低雑音増幅器
用最短利得切替え時間間隔以上の時に、前記利得制御信
号発生部が前記低雑音増幅器用の利得制御信号を発生さ
せる(S70)ことを特徴とする第1の発明記載の無線受
信機である。
め設定した低雑音増幅器用最短利得切替え時間間隔毎に
前記低雑音増幅器の利得切替えを行っても、無線通信シ
ステムの規格で許容される最大ブロック誤り率以上に劣
化しないような値に、前記予め設定した低雑音増幅器用
最短利得切替え時間間隔の値を設定することを特徴とす
る第2の発明記載の無線受信機である。
幅器用最短利得切替え時間間隔の値を、シンボルレート
に対して7680以上の値に設定することを特徴とする
第2の発明記載の無線受信機である。
利得増幅器の利得も制御し、前記利得選択部は前記可変
利得増幅器の利得も選択し、前記利得制御信号発生部
は、前記可変利得増幅器用の利得制御信号も発生させ、
前記低雑音増幅器が高利得段階である間隔を強制的に長
くさせる場合は、前記可変利得増幅器の利得を通常より
も下げ、前記低雑音増幅器が低利得段階である間隔を強
制的に長くさせる場合は、前記可変利得増幅器の利得を
通常よりも上げる、ことを特徴とする第1の発明記載の
無線受信機である。
せる利得制御信号発生部の、信号発生のタイミングを制
御するタイミング制御部を有するので、フェージング等
に対応して頻繁に発生してしまうLNA利得切替え時間間
隔を強制的に長めに調節でき、DCオフセット過渡応答成
分による受信特性の劣化を抑えることができる。
ダイレクトコンバージョン方式受信機のブロック図であ
る。本実施形態の特徴は、低雑音増幅器(LNA)13及び可
変利得増幅器(VGA)16の利得切替えを制御する利得制御
部18が、LNA及びVGA用利得制御信号発生のタイミングを
制御するタイミング制御部22を備えていることである。
テナ12と、受信したRF信号を増幅する低雑音増幅器(LN
A)13と、増幅されたRF信号を局部発振信号を用いて直
接ベースバンド信号へ復調する直交復調器14と、このベ
ースバンド信号の波形を整形するローパスフィルタ(LP
F)15と、整形したベースバンド信号を増幅する可変利
得増幅器(VGA)16と、VGA16の出力信号中のDCオフセッ
ト成分をフィードバック制御し抑制するDCオフセットキ
ャンセラ17と、VGA16の出力信号が入力され、LNA13及び
VGA16の利得切替えを制御する利得制御部18と、VGA16の
出力信号が入力され、デジタル復調する復調部19を備え
る。そして、利得制御部18は、VGA16の出力信号の電界
強度を検出する信号強度検出部20と、この信号強度を元
にLNA13及びVGA16の利得を選択する利得選択部21と、こ
の利得選択部によって選択された利得に切り替えるタイ
ミングを制御するタイミング制御部22と、このタイミン
グ制御部のタイミングに応じて利得制御信号の生成間隔
を変動させる利得制御信号発生部23を有する。
アンテナ12で受信されたRF信号は、LNA13で信号増幅さ
れ、直交復調器14に入力され、局部発振器(不図示)か
らの局部発振信号と乗算されることにより、直接ベース
バンド信号に変換される。このベースバンド信号は、LP
F15で波形整形され、VGA16に入力され増幅される。VGA1
6で増幅されたベースバンド信号は、DCオフセットキャ
ンセラ17に入力し、積分器(ローパスフィルタ)等の回
路を用いて、DCオフセット成分を抑制するためのフィー
ドバック制御する。その後ベースバンド信号は、利得制
御部18と復調部19への入力に分岐され、復調部19でデジ
タル信号に復調される。一方、利得制御部18では、信号
強度検出部20でベースバンド信号の電界強度を測定し、
利得選択部21でLNAとVGAの利得を選択して、タイミング
制御部22でLNAの高利得/低利得の利得切替え間隔の制
御を行い、利得制御信号発生部23からLNAとVGAの利得制
御信号を発生させフィードバック制御を行う。ここで、
LNAの利得を高利得及び低利得の2段階にしているのは
説明の簡略化のためであり、利得選択部21では多段階に
選択できれば良い。
施形態を示したブロック図である。タイミング制御部22
は、LNA利得切替え信号間隔測定部24と、利得切替え間
隔時間比較部25を備える。
る。前記利得選択部21でLNA利得切替え閾値を跨いだ場
合、タイミング制御部22内の、LNA利得切替え信号間隔
測定部24にて前回のLNA利得切替えからの時間間隔を測
定し、この時間間隔測定結果と予め設定したLNA最短利
得切替え時間間隔αを、利得切替え間隔時間比較部25で
比較し、予め設定したLNA最短利得切替え時間間隔よりL
NA利得切替え信号間隔測定部24で測定した時間間隔測定
結果の方が短い場合は、LNAの利得切替えは行わずVGAだ
けで利得を調整する信号を利得制御信号発生部23に出力
する機能を具備することを特徴とする。
例)図3は、図1の利得制御部18での制御方法の一実施
例を示すフローチャートである。図1のVGA16から受け
取った信号の電界強度の値を信号強度検出部20で検出す
る(S10)。検出した信号電界強度の値より、利得選択部2
1で、LNAの高利得動作を行うか、低利得動作を行うかの
判断を行う(S20)。LNA利得切替え閾値を跨いだ場合(S20
のYES)は、タイミング制御部22内にて、前回のLNA利得
切替えからの時間間隔をLNA利得切替え信号間隔測定部2
4にて測定し、この間隔測定結果の時間をΔtとする(S4
0)。次にΔtと予め設定したLNA最短利得切替え時間間隔
αを利得切替え間隔時間比較部25で比較をする(S50)。
もしΔt≧αの場合、利得制御信号発生部23にてLNAの利
得切替えおよびVGAの利得制御を行い(S60)、LNA及びVGA
利得制御信号を発生させる。もしΔt<αの場合、利得
制御信号発生部23にてLNAの利得切替えは行わず、VGAの
利得制御のみを用いて信号電界強度の制御を行い(S7
0)、VGA利得制御信号を発生させる(S80)。
値は跨がず(S20のNO)、VGAの利得切替えの必要が生じた
場合(S30のYES)は、利得制御信号発生部23にてVGAの利
得制御のみを用いて信号電界強度の制御を行う(S80)。
このような制御方法によって、LNA及びVGAのフィードバ
ック制御を行うことができる。
電界強度レベルが、利得切替えが頻繁に発生するLNA利
得切替えレベル付近であっても、利得制御信号発生部23
の出力信号を、タイミング制御部22を用いて、頻繁に発
生させることなく、最適な信号発生間隔に収まるように
調節し、VGA出力のDCオフセット過渡応答成分による受
信信号の劣化を、無線通信システムの規格の許容範囲内
に抑えることができる。
近の受信信号電界強度に対しては、LNAの利得切替え信
号を強制的に制限することとなるため、LNAでは適切な
利得が取れない場合が想定される。しかしながら、この
LNAの利得切替えレベル付近の入力信号に対しては、LNA
後段のVGAの可変範囲で利得の制御が可能であり、LNAの
利得切替え信号を強制的に制限した場合は、VGAの可変
範囲で適切な利得を取れるように制御する機能を利得制
御信号発生部23は具備する。
御時にタイミング制御部22で行われる利得制御を説明す
るための図である。図は上から順に、(a)受信信号電
界強度、(b)LNA利得、(c)VGA利得の時間変化を表
す。(a)受信信号電界強度の点線は、図3で説明した
LNAの利得切替え閾値である。(b)LNA利得および
(c)VGA利得の図は点線が従来のLNAの利得切替えタイ
ミングを制御しない場合、実線は従来のタイミング制御
しない場合と本実施形態に係るタイミング制御する場合
との相違点である。上記図3に示したようにΔt≧αの
場合は従来の利得の制御と同じであるが、Δt<αの場
合(S50のNO)、実線で示すように、LNAの利得切替えを
行わず、VGAの利得切替えだけで受信周波数のダイナミ
ックレンジに対応できるように制御を行う。
程度の差がある。また、VGAに関しては60dB程度の可変
範囲を有し、通常、その可変範囲内の40dB程度を使用す
る。つまり、VGA可変範囲内の上下それぞれ10dB程度の
マージンを、LNAの利得切替え信号を強制的に制限した
場合に使用することが可能である。さらに、LNAの利得
切替え閾値を適当な値とすれば、VGA出力でLNAの利得切
替え信号を強制的に制限することによって、信号が増幅
されすぎて飽和することも、増幅しきれずに検出されな
いことも避けることが可能である。
により、LNAの利得切替えレベル付近で非常に短い周期
で脈動する入力信号に対して、LNA利得切替え信号発生
のタイミングをシステムの受信可能範囲内となるように
制御し、LNAの利得切替えを一定間隔以下では行わない
ようにする。同時に、従来LNAで利得の切替えを行っ
て、高利得で受信しなければならなかった受信信号に対
しては、VGAを受信可能な範囲まで増幅、または従来LNA
で利得の切替えを行って、低利得で受信しなければなら
なかった受信信号に対しては、VGAを受信可能な範囲ま
で減衰させることができる構成を具備している。
方法について述べる。
え時間間隔αの値は、復調部19での劣化の指標であるブ
ロック誤り率の、VGA出力のDCオフセット過渡応答成分
が生じていない時からの劣化が0.1dB以上とならない値
とする。つまり、VGA出力のDCオフセット過渡応答成分
が全く発生しない時の復調部でのブロック誤り率から、
LNA最短利得切替え時間間隔α毎にLNAの利得切替えを行
っても、ブロック誤り率は0.1dB以上劣化しないような
値にαを設定する。なお、この値は、3rd Generation P
artnership Project編「3GPP TS 34.121 V3.5.0 (2001-
06) Technical Specification Group Radio Access Net
work; Terminal Conformance Specification; Radio tr
ansmission and reception (FDD) (Release 1999)」
(以下、TS 34.121とする)に示される、3GPP等の規格
用測定システムに許容される最大誤差の値と等しい値で
ある。即ち、DCオフセット過渡応答成分に起因する受信
特性の劣化が、測定システムの誤差範囲内となる程度微
小な値で、受信特性の劣化が生じないと判断できる値で
ある。
え間隔αの値は、チップレートに対して7680以上の値と
する。
ム(W-CDMA)においては、上述の値を用いるとα=2mse
cとなる。この値は3rd Generation Partnership Projec
t編「3GPP TS 25.101 V3.6.0 (2001-03) Technical Spe
cification Group Radio Access Network; UE Radio Tr
ansmission and Reception (FDD) (Release 1999)」
(以下、TS 25.101とする)に準拠した計算機シミュレ
ーションを用いて第二の決定方法での仕様値、つまりブ
ロック誤り率の劣化が0.1dB以下の場合を条件として算
出したLNA最短利得切替え間隔αの値である。
レーション結果についての一例を示す。
タレート384kbpsの場合のスタティック時とマルチパス
フェージング時の伝播特性の3GPP規定値を示す。図は所
望波のレベル(DPCH#Ec)と、干渉波のレベル(Ior)の
1チップあたりの総電力に対する電力比(DPCH#Ec/Ior)
と復調部19でのブロック誤り率(BLER)の関係である。
グラフの傾きは一般的に、ドップラー速度が遅い場合に
なだらかになり、ブロック誤り率の劣化は顕著に現われ
る。即ち、グラフの傾きが急な場合は、縦軸上方向にBL
ERが劣化しても、横軸方向のDPCH#Ec/Ior [dB]は殆ど変
化しないのに対して、グラフの傾きが緩やかな場合は、
縦軸方向(上)にBLERが少し劣化しただけでも、横軸方
向のDPCH#Ec/Ior [dB]は大きく変化する。なお、この時
の横軸方向のずれがブロック誤り率の劣化[dB]である。
(図5の説明の通り、最もBLERの劣化が顕著な場合)の
条件での理想受信機にDCオフセット過渡応答成分を受信
信号に重畳させ、LNA最短利得切替え時間間隔を変化さ
せた時のBLERとLNA最短利得切替え時間間隔の関係のシ
ミュレーション結果を示す。ここで理想受信機とは、伝
送路応答既知で、量子化等の劣化はなく、受信機におい
てVGA出力のDCオフセット過渡応答成分が全く発生しな
い受信機を表す。また、シミュレーションにおいてはDC
オフセット過渡応答成分を単一指数関数で記述し、ハイ
パス特性のカットオフ周波数を10kHzとした。ここで仮
定した過渡応答は、一次ハイパスフィルタ特性を有する
一般的な構成のVGA及びDCオフセットキャンセラのフィ
ードバックループの特性である。またそのカットオフ10
kHzとしたのは、必要な信号を削らない最も高い周波数
であり、これより高いカットオフ周波数を設定した場合
は、たとえDCオフセットがない場合においてもDCオフセ
ットキャンセラを通過した信号のいずれかの誤り率特性
は劣化する。図6横軸に示す間隔[msec]でDCオフセッ
ト成分を発生させ、DPCH#Ec/Ior=−7.5dB時の復調部で
のBLERをシミュレーションにより算出した。
受信機のBLERは約3.8×10-2であった。この時、DPCH#Ec
/Iorが0.1dB劣化し−7.6dBとなると、BLERの値は約4.1
×10 -2となる。よって、図6においてはBLERが約4.1×1
0-2以下の値となるLNA最短利得切替え間隔の値=2msec
まで、αの値として許されることとなる。この値は、チ
ップレートに対して、7680以上となる。
ータレートがTS 25.101に定められる最も速いデータレ
ートであり、また、上述したように、case1の場合が最
もブロック誤り率の劣化が顕著に表れる条件である。こ
の条件以外のTS 25.101に定められる他の全てのテスト
ケースにおいても、第二の決定方法により導いた、シン
ボルレートに対して7680以上の値とするLNA最短利得切
替え間隔αの値は、シミュレーションにおいて、ブロッ
ク誤り率の劣化が0.1dB以下満足する値であることは確
認しており、本実施形態の有効性はデータレートやフェ
ージングの条件に関わらず同様である。
のLNA最短利得切替え時間間隔αは上記第一または第二
の決定方法のいずれかの結果を満たす値であれば良い。
例)上述した実施例では、タイミング制御部22内のLNA
利得切替え信号間隔測定部24にて、αの値を前回のLNA
利得切替え時からの時間間隔Δtと比較することにより
LNAの利得切替えタイミングを制御することに関して述
べてきた。しかし、このαの値と比較する対象は、前回
のLNA利得切替え時からの時間間隔Δtではなく、LNA利
得切替え信号間隔測定部24に信号が入力される時間間
隔、すなわちLNA利得切替え閾値を前回跨いだ時から次
に跨いだ時までの時間間隔Δτとしても良い。
の他の実施例を示すフローチャートである。図7中、図
3と同一の手順には同一の符号を付して説明を省略し、
図3と異なる手順S40’及びS50’についてここでは説明
する。利得選択部21からLNAの利得切替えの信号を出力
されると、LNA利得選択信号間隔測定部24では、前回LNA
の利得切替えの信号が入力した時からの時間間隔を測定
し、その測定結果をΔτとする(S40’)。利得切替え間
隔時間比較部25でこのΔτをαの値と比較することによ
り、LNA用利得制御信号を出力するか否かを判断する(S5
0’)。
御時にタイミング制御部22で行われる利得制御を説明す
るための図である。図は上から順に、(a)受信信号
(VGA16の出力信号)電界強度、(b)LNA利得、(c)
VGA利得の時間変化を表し、詳細な図の見方は図4と同
様なので、図4の説明を参照していただきたい。上記図
7に示したようにΔτ≧αの場合は従来の利得の制御と
同じであるが、Δτ<αの場合(S50’のNO)、実線で
示すように、LNAの利得切替えを行わず、VGAの利得切替
えだけで受信周波数のダイナミックレンジに対応できる
ように制御を行う。
場合を示している。このLNAを切替えない場合であって
も、LNA利得切替え閾値をよりも受信信号電界強度が強
い時が3回ある。この3回の場合は、VGAの利得を強制
的に下げることによって、信号が増幅されすぎて飽和す
ることを避けることが可能である。
合であっても、LNA利得切替え閾値をよりも受信信号電
界強度が低い時には、VGAの利得を通常使用しない上下
それぞれ10dB程度のマージンを用いて強制的に上げ
ることによって、信号が増幅しきれずに検出されないこ
とを避けることが可能である(不図示)。
グ制御部を用いることにより、従来、利得切替えが頻繁
に発生したLNA利得切替えレベル付近の受信信号レベル
の場合においても、利得切替え信号発生のタイミングを
システムの受信可能範囲内となるように制御し、LNAの
利得切替えを一定間隔以下では行わないようにする。さ
らに、従来LNAを高利得にして受信しなければならなか
った入力信号に対しては、VGAを受信可能な範囲まで増
幅させ、または従来LNAを低利得にして受信しなければ
ならなかった入力信号に対しては、VGAを受信可能な範
囲まで減衰させることによって、VGA出力のDCオフセッ
ト過渡応答成分により、受信信号の復調ができなくなる
問題を解消し、VGA出力DCオフセット成分による受信性
能の劣化を無線通信システムの規格の許容範囲内に抑え
ることのできるダイレクトコンバージョン方式の無線機
を提供することができる。
方式受信機のブロック図。
したブロック図。
を示すフローチャート。
る利得制御を説明するための図。
定方法を説明するための、DPCHの1チップあたりの総電
力に対する電力比(DPCH#Ec/Ior)と復調部でのブロッ
ク誤り率(BLER)の関係を示す特性図。
定方法を説明するための、DCオフセット成分を受信信号
に重畳させ、LNA最短利得切替え時間間隔を変化させた
時のBLERとLNA最短利得切替え時間間隔の関係を示す特
性図。
例を示すフローチャート。
る利得制御を説明するための図。
のブロック図。
ーチャート。
ダイレクトコンバージョン方式受信機のブロック図。
ダイレクトコンバージョン方式受信機のDCオフセット成
分の残存を説明する図。
Claims (5)
- 【請求項1】 無線信号を増幅する利得可変な低雑音増
幅器と、 前記増幅された無線信号を局部発振信号を用いて直接ベ
ースバンド信号へ復調する直交復調器と、 前記ベースバンド信号を増幅する可変利得増幅器と、 前記増幅されたベースバンド信号をフィードバック制御
するDCオフセットキャンセラと、 少なくとも前記低雑音増幅器の利得を制御する利得制御
部と、を備え、 前記利得制御部は、前記増幅されたベースバンド信号強
度を検出する信号強度検出部と、この信号強度を元に、
前記低雑音増幅器の予め設定された複数の利得から所望
の利得を選択する利得選択部と、この選択された所望の
利得に切替えるタイミングを制御するタイミング制御部
と、このタイミングに応じて、前記低雑音増幅器用の利
得制御信号の生成間隔を変動させる利得制御信号発生部
と、を有することを特徴とする無線受信機。 - 【請求項2】 前記タイミング制御部は、前記低雑音増
幅器用の利得切替え信号に関する時間間隔を測定する低
雑音増幅器用利得切替え信号間隔測定部と、この測定さ
れた時間間隔と予め設定した低雑音増幅器用最短利得切
替え時間間隔とを比較する利得切替え間隔時間比較部
と、を備え、 前記測定された時間間隔が前記予め設定した低雑音増幅
器用最短利得切替え時間間隔以上の時に、前記利得制御
信号発生部が前記低雑音増幅器用の利得制御信号を発生
させることを特徴とする請求項1記載の無線受信機。 - 【請求項3】 ブロック誤り率が、前記予め設定した低
雑音増幅器用最短利得切替え時間間隔毎に前記低雑音増
幅器の利得切替えを行っても、無線通信システムの規格
で許容される最大ブロック誤り率以上に劣化しないよう
な値に、前記予め設定した低雑音増幅器用最短利得切替
え時間間隔の値を設定することを特徴とする請求項2記
載の無線受信機。 - 【請求項4】 前記予め設定した低雑音増幅器用最短利
得切替え時間間隔の値を、シンボルレートに対して76
80以上の値に設定することを特徴とする請求項2記載
の無線受信機。 - 【請求項5】 前記利得制御部は前記可変利得増幅器の
利得も制御し、 前記利得選択部は前記可変利得増幅器の利得も選択し、 前記利得制御信号発生部は、 前記可変利得増幅器用の利得制御信号も発生させ、 前記低雑音増幅器が高利得段階である間隔を強制的に長
くさせる場合は、前記可変利得増幅器の利得を通常より
も下げ、 前記低雑音増幅器が低利得段階である間隔を強制的に長
くさせる場合は、前記可変利得増幅器の利得を通常より
も上げる、ことを特徴とする請求項1記載の無線受信
機。
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