JP2011259103A - 無線通信受信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】狭帯域無線において、高速応答性、高安定性、高線形性の自動利得制御が可能なダイレクトコンバージョン受信方式の無線通信受信機を提供する。
【解決手段】受信ベースバンド部120は、直交復調器110で直交復調されたIch、Qchのベースバンド信号を増幅する増幅器及びR−2Rラダー減衰器124、134を備えたIch、Qchの信号系と、自動利得制御部により構成される。自動利得制御部は、Ich及びQch信号系から出力されるベースバンド信号をアップコンバージョン乗算器140によりベースバンド信号の周波数よりも高い周波数に変換した後、IQ検波器144、誤差増幅器145、ラグリードフィルタ146、AGC/ADC147を介してラダー制御回路148へ出力する。ラダー制御回路148は、AGC/ADC147の出力信号に基づいてIch、Qch信号系のR−2Rラダー減衰器124、134の減衰量を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイレクトコンバージョン受信方式を用いた無線通信受信機に関する。
従来、変調帯域が広い(数MHz程度)CDMA(Code Division Multiple Access)、W−CDMA(Wideband CDMA)方式を用いた携帯電話機等の移動体通信機器では、Q値の高いイメージ抑圧フィルタを必要としないダイレクトコンバージョン方式の受信技術が使用されている。ダイレクトコンバージョン受信方式は、高周波受信信号を直交復調器により被変調信号である直交したベースバンドのI/Q信号に直接周波数変換を行う受信方式であり、IC化しやすく、小型化・低価格のメリットがある。
図11は、従来のダイレクトコンバージョン受信機の回路構成例を示すブロック図である。従来のダイレクトコンバージョン受信機は、高周波受信部10、直交復調器20、受信ベースバンド部30、ソフト処理制御部50により構成される。
高周波受信部10は、アンテナ11で受信した高周波信号をバンドパスフィルタ(BPF)12を介して取り出し、低雑音増幅器13及び可変利得増幅器14で増幅して直交復調器20へ出力する。
直交復調器20は、ミキサ21、22及び0/90°位相器23からなり、外部の局部発振器24から送られてくる局部発振信号が0/90°位相器23に入力される。0/90°位相器23は、局部発振器24からの局部発振信号を90°の位相差を持たせてミキサ21、22に供給する。ミキサ21、22は、高周波受信部10で受信された高周波信号と0/90°位相器23により位相制御された局部発振信号とを混合し、Ichの直交復調ベースバンド信号及びQchの直交復調ベースバンド信号に周波数変換して受信ベースバンド部30へ出力する。
受信ベースバンド部30は、直交復調器20で直交復調されたIchのベースバンド信号を増幅するIch信号系、直交復調器20で直交復調されたQchのベースバンド信号を増幅するQch信号系、及び自動利得制御(AGC)DAC(DAコンバータ)35を備えている。上記Ich信号系は、Ichのベースバンド信号を増幅する第1可変利得増幅器31a、加算器32、第1ローパスフィルタ(LPF)33a、第2可変利得増幅器31b、第2ローパスフィルタ33b、第3可変利得増幅器31c、アンチエイリアシングフィルタ33cにより構成される。
また、上記Qch信号系は、Qchのベースバンド信号を増幅する第4可変利得増幅器41a、加算器42、第3ローパスフィルタ(LPF)43a、第5可変利得増幅器41b、第4ローパスフィルタ43b、第6可変利得増幅器41c、アンチエイリアシングフィルタ43cにより構成される。
上記自動利得制御DAC35は、ソフト処理制御部50の制御命令に従って上記Ich信号系の可変利得増幅器31a、31b、31c及び上記Qch信号系の可変利得増幅器41a、41b、41cの利得を制御すると共に、高周波受信部10に設けられている可変利得増幅器14の利得を制御する。
ソフト処理制御部50は、受信ベースバンド部30で増幅されたIchの信号をデジタル信号に変換するRX ADC51、Qchの信号をデジタル信号に変換するRX ADC52及び制御部53を備えている。
制御部53は、IchのRX ADC51及びQchのRX ADC52から出力されるデジタル信号に対する復調処理を行うと共に、受信ベースバンド部30におけるIch信号系の加算器32及びQch信号系の加算器42に対するDCオフセット補正処理、自動利得制御DAC35に対する制御処理を行う。
上記のように構成されたダイレクトコンバージョン受信機において、高周波受信部10のアンテナ11で受信された高周波信号は、バンドパスフィルタ12、低雑音増幅器13及び可変利得増幅器14を介して直交復調器20へ送られ、Ich及びQchのベースバンド信号に直交変換される。この直交復調器20で直交変換されたIchのベースバンド信号は、受信ベースバンド部30のIch信号系の可変利得増幅器31a、31b、31cで増幅されると共にローパスフィルタ33a、33bにより帯域制限され、アンチエイリアシングフィルタ33cを通過後にソフト処理制御部50のRX ADC51に入力されてデジタル化される。
また、直交復調器20で直交変換されたQchのベースバンド信号は、受信ベースバンド部30のQch信号系の可変利得増幅器41a、41b、41cで増幅されると共にローパスフィルタ43a、43bで帯域制限され、アンチエイリアシングフィルタ43cを通過後にソフト処理制御部50のRX ADC52に入力されてデジタル化される。
上記IchのRX ADC51及びQchのRX ADC52でデジタル化された信号は、ソフト処理制御部50のソフト処理により、復調処理、AGC処理、DCオフセット補正処理等が行われる。
受信電界レベルの検出は、ソフト処理制御部50の制御部53がソフト処理にて行う。この際、制御部53は、RX ADC51から出力されるIch信号とRX ADC52から出力されるQch信号のベクトル合成値より電界レベルを検出し、受信電界レベルが最適になるよう多段に設けられた可変利得増幅器14、31a、31b、31c、41a、41b、41cの利得を制御する。
また、本発明に関連する公知技術として、変調された搬送波信号が一定周期でパワーコントロールされ、連続受信するCDMA受信機において、受信した搬送波信号からパワーコントロールの周期を検出し、パワーコントロールの切替えタイミングで受信AGCのステップ制御を行うことにより連続受信途中の不連続な制御が行われず安定に受信することができる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−261638号公報
上記ダイレクトコンバージョン受信機では、高周波受信部10で受信した高周波信号を直交復調器20により、被変調波信号であるベースバンド信号に直交で周波数変換している。従って、受信機のダイナミックレンジを確保するために、受信ベースバンド部30に複数の可変利得増幅器31a、31b、31c、41a、41b、41cを設けるか、もしくは高周波受信部10に可変利得増幅器14を設けて利得を可変させることにより、受信機のダイナミック性能を上げている。
AGC制御に使用される信号はベースバンド信号であり、ダイレクトコンバージョン受信方式の特徴となっている。また、ベースバンド信号には、DC(直流)成分があることと直交成分I/Qchの利得を均一にAGC制御することも特徴の一つである。
携帯電話機等の移動体通信機器は常に移動しているので受信電界レベルが変動し、また、強力な妨害波、フェージング等の外的要因や、温度特性による受信利得増減のような内的要因により受信電界レベルが変動する。従って、AGC回路は、受信機の利得を常に監視し、受信機内部利得を制御し、システム上問題がない程度に受信波の電界レベルを調整する必要がある。
従来のAGC回路は、前述の一連の制御ループを自動化した構成となっている。利得が最適化された受信信号には、I/Qch信号の直交確度、妨害波に対する十分な減衰、RX ADC51、52のサンプリングクロックノイズに対する十分な減衰性能が要求される。また、受信帯域内での強電界受信中は、高い線形性能も要求され、受信システムによっては加えて高速な応答性能が求められる。
以上のような要求事項より、従来のAGC回路には次の構成上の特徴がある。
(1)妨害波干渉特性の要求よりローパスフィルタ33a、33b、43a、43bを通過後のベースバンド信号を検波する構成。
(2)直交確度性能要求よりI/Qchを合成する構成(RX ADC51、52でデジタル変換後、ソフト処理制御部50のソフト処理にて行う。)。
(3)IchのRX ADC51及びQchのRX ADC52のサンプリングクロックノイズ抑圧の要求より、アンチエイリアシングフィルタ33c、43c通過後の信号を検波する構成。
(4)高い線形性の要求より、可変利得制御部(14、31a、31b、31c、41a、41b、41c)を多段とする構成。
(5)高速応答性の要求より、IchのRX ADC51及びQchのRX ADC52のサンプリングクロックと制御部53の処理速度が高速である構成。
上記ダイレクトコンバージョン受信方式は、一般に変調帯域が数MHz程度の広帯域無線に使用されているが、変調帯域が数KHz程度の狭帯域無線においても、小型化、低価格化を図るためにダイレクトコンバージョン受信方式の採用が要望されている。
しかし、狭帯域無線においてダイレクトコンバージョン受信方式を採用する場合、
(1)AGCの高速応答性
(2)直交復調確度(利得制御確度)
(3)高い線形性
を満たすことが困難である。このため狭帯域無線においては、ダイレクトコンバージョン受信方式を簡易に採用することができないという問題がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、変調帯域が数KHz程度の狭帯域無線においてダイレクトコンバージョン受信方式を採用し、高速応答性、高安定性及び高線形性の自動利得制御が可能な無線通信受信機を提供することを目的とする。
第1の発明は、ダイレクトコンバージョン受信方式を用いた無線通信受信機において、高周波信号を受信して増幅する高周波受信部と、前記高周波受信部で受信された高周波信号を直交復調し、I成分及びQ成分のベースバンド信号に変換する直交復調器と、前記直交復調器から出力されるI/Q成分のベースバンド信号をそれぞれ増幅する増幅器及び可変減衰器からなるベースバンド信号増幅部と、前記ベースバンド信号増幅部から出力されるI/Q成分のベースバンド信号を該ベースバンド信号の周波数成分よりも高い周波数に変換するアップコンバージョン乗算器と、前記アップコンバージョン乗算器の出力信号レベルに基づいて前記ベースバンド信号増幅部の各可変減衰器の減衰量を制御する自動利得制御手段とを具備することを特徴とする。
第2の発明は、前記第1の発明に係る無線通信受信機において、前記ベースバンド信号増幅部の各可変減衰器としてR−2Rラダー減衰器を使用し、前記ベースバンド信号増幅部から出力されるI/Q成分のベースバンド信号の利得相対偏差が最小となるように前記自動利得制御手段により前記各R−2Rラダー減衰器を制御することを特徴とする。
第3の発明は、前記第2の発明に係る無線通信受信機において、前記自動利得制御手段は、受信電界レベルの変化に応じて前記R−2Rラダー減衰器へのデジタル制御信号を出力するADコンバータ及び該ADコンバータから出力されるデジタル制御信号に基づいて前記各R−2Rラダー減衰器を制御するラダー制御回路を備え、前記ラダー制御回路は、前記ADコンバータの出力値が予め設定した規定ビット以下の場合は一定レベルのデジタル制御信号を出力して前記各R−2Rラダー減衰器を制御し、前記ADコンバータの出力値が前記規定ビット以上の場合は受信電界レベルの変化に応じて前記ADコンバータから出力される前記規定ビットから最大ビットまでのデジタル制御信号により前記各R−2Rラダー減衰器を制御することを特徴とする。
本発明によれば、狭帯域無線においてダイレクトコンバージョン受信方式を採用でき、簡易な構成でLSI化が容易であり、部品点数を削減して小型化、低価格化を図ることができ、且つ高速性、高安定性、高線形性の自動利得制御が可能で、高い受信機性能を確保することができる。
本発明の実施例1に係るダイレクトコンバージョン受信機の回路構成例を示すブロック図である。 同実施例1における第1自動利得制御ループの構成を示すブロック図である。 同実施例1における第2自動利得制御ループの構成を示すブロック図である。 同実施例1におけるガードタイム付き減衰器切替制御回路の制御状態を示す図である。 本発明の実施例2に係るダイレクトコンバージョン受信機の自動利得制御ループ部分の構成を示すブロック図である。 同実施例2におけるAGC/ADCの入力電圧に応じた可変利得制御部の利得の変化を示す図である。 同実施例2におけるAGC/ADC入力電圧に応じた可変利得制御部の利得切替制限あり/なしの場合の利得の変化を示す図である。 同実施例2において、設定値を用いて可変利得制御部の利得を制御する場合の例を示す図である。 同実施例2において、可変利得制御部における有効ビット数可変時のAGC/ADC入力電圧対利得の関係を示す図である。 同実施例2において、可変利得制御部におけるAGC/ADC入力電圧対利得の関係を示す図である。 従来のダイレクトコンバージョン受信機の回路構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係るダイレクトコンバージョン受信方式を用いた無線通信受信機の回路構成例を示すブロック図である。この無線通信受信機は、高周波受信部100、直交復調器110、受信ベースバンド部120、ソフト処理制御部150により構成される。
高周波受信部100は、アンテナ101で受信した高周波信号をバンドパスフィルタ(BPF)102により取り出し、低雑音増幅器103及び2段切替高周波減衰器(RF−ATT)104を介して直交復調器110へ出力する。上記2段切替高周波減衰器104は、受信ベースバンド部120から与えられる制御信号により減衰量が例えば0dBと30dBの2段階に切替えられるようになっている。
直交復調器110は、ミキサ111、112及び0/90°位相器113からなり、外部の局部発振器114から送られてくる局部発振信号が0/90°位相器113に入力される。0/90°位相器113は、局部発振器114からの局部発振信号を90°の位相差を持つ2つの信号に分岐してミキサ111、112に供給する。ミキサ111、112は、高周波受信部100で受信された高周波信号と0/90°位相器113により位相制御された局部発振信号とを混合し、Ich(I成分)の直交復調ベースバンド信号及びQch(Q成分)の直交復調ベースバンド信号に周波数変換して受信ベースバンド部120へ出力する。
受信ベースバンド部120は、直交復調器110で直交復調されたIchのベースバンド信号を処理するIch信号系、直交復調器110で直交復調されたQchのベースバンド信号を処理するQch信号系、及び自動利得制御部(AGC)を備えている。
上記Ich信号系は、直交復調器110から出力されるIchのベースバンド信号を増幅する直流増幅器121a、加算器122、ローパスフィルタ(LPF)123a、直流増幅器121b、ローパスフィルタ123b、R−2Rラダー減衰器124、電流(I)の信号を電圧(V)の信号に変換するI/V変換器125、直流増幅器121c、バイアス補正回路126、ローパスフィルタ123c、上記直流増幅器121cの出力信号に基づき上記加算器122に対してDCオフセット補正処理を行うDCオフセット回路127により構成される。上記R−2Rラダー減衰器124は、例えば0〜40dBの範囲で減衰量を可変することができる。
また、上記Qch信号系は、直交復調器110から出力されるQchのベースバンド信号を増幅する直流増幅器131a、加算器132、ローパスフィルタ(LPF)133a、直流増幅器131b、ローパスフィルタ133b、R−2Rラダー減衰器134、電流(I)の信号を電圧(V)の信号に変換するI/V変換器135、直流増幅器131c、バイアス補正回路136、ローパスフィルタ133c、上記直流増幅器131cの出力信号に基づき上記加算器132に対してDCオフセット補正処理を行うDCオフセット回路137により構成される。上記R−2Rラダー減衰器134は、Ich信号系のR−2Rラダー減衰器124と同様に0〜40dBの範囲で減衰量を可変することができる。
また、上記バイアス補正回路126、136の出力信号は、自動利得制御部を構成するアップコンバージョン乗算器140に入力される。このアップコンバージョン乗算器140は、ミキサ141a、141b及び0/90°位相器142からなり、パルス発振器143から出力されるアップバージョンクロックが0/90°位相器142に入力される。0/90°位相器142は、パルス発振器143から出力されるアップバージョンクロックを90°の位相差を持つ2つの信号に分岐してミキサ141a、141bに供給する。ミキサ141a、141bは、バイアス補正回路126、127から出力される信号と0/90°位相器142により位相制御されたアップバージョンクロックとを混合し、I/Qch信号の周波数成分より高い周波数に変換する。上記ミキサ141a、141bから出力されるI/Qchの信号は、合成されてIQ検波器144へ送られる。
IQ検波器144は、ミキサ141a、141bから出力されるI/Qchの合成信号の包絡線を検波し、直流電圧として誤差増幅器145の一方の入力端子に入力する。この誤差増幅器145の他方の入力端子には、AGC動作のスレッシュ点を決める基準電圧VREFが供給される。上記誤差増幅器145の出力信号は、ラグリードフィルタ146を介してAGC/ADC147に入力され、デジタル信号に変換されてラダー制御回路148へ送られる。このラダー制御回路148は、AGC/ADC147から出力されるデジタル信号に基づいてIch信号系のR−2Rラダー減衰器124、及びQch信号系のR−2Rラダー減衰器134を制御する。また、AGC/ADC147から出力されるデジタル信号は、ガードタイム付き減衰器切替制御回路(RF-ATT)149へ送られる。このガードタイム付き減衰器切替制御回路(RF-ATT)149は、AGC/ADC147の出力信号に基づいて高周波受信部100に設けられている2段切替高周波減衰器104の減衰量を切替え制御する。
そして、上記受信ベースバンド部120のローパスフィルタ123c、133cから出力される信号がソフト処理制御部150へ送られる。このソフト処理制御部150は、受信ベースバンド部120で処理されたIchの信号をデジタル信号に変換するRX ADC151及びQchの信号をデジタル信号に変換するRX ADC152を備えると共に制御部153を備えている。この制御部153は、RX ADC151で変換されたIchのデジタル信号及びRX ADC152で変換されたQchのデジタル信号を復調処理する。
上記ダイレクトコンバージョン受信機は、受信信号に対する可変利得部と、該可変利得部の利得を制御する利得制御部との組み合わせにより、図2に示す第1自動利得制御(AGC)ループ161と、図3に示す第2自動利得制御ループ162を構成している。
図2に示す第1自動利得制御ループ161は、受信ベースバンド部120において、R−2Rラダー減衰器124、直流増幅器121c、バイアス補正回路126からなるIch可変利得部と、R−2Rラダー減衰器134、I/V変換器135、直流増幅器131c、バイアス補正回路136からなるQch可変利得部と、上記Ich可変利得部及びQch可変利得部の利得を制御するアップコンバージョン乗算器140、IQ検波器144、誤差増幅器145、ラグリードフィルタ146、AGC/ADC147、ラダー制御回路148からなる利得制御部により構成している。
図3に示す第2自動利得制御ループ162は、高周波受信部100の2段切替高周波減衰器104、直交復調器110、受信ベースバンド部120における直流増幅器131a、ローパスフィルタ133a、直流増幅器131b、ローパスフィルタ133b、R−2Rラダー減衰器134、I/V変換器135、直流増幅器131cバイアス補正回路136からなるQch可変利得部と、このQch可変利得部における2段切替高周波減衰器104を切替制御するアップコンバージョン乗算器140、IQ検波器144、誤差増幅器145、ラグリードフィルタ146、AGC/ADC147、ガードタイム付き減衰器切替制御回路(RF-ATT)149からなる利得制御部により構成している。なお、図3はQch側の第2自動利得制御ループ162について示したが、Ich側においても同様にしてQch可変利得部と利得制御部との組み合わせにより構成される。
次に上記のように構成されたダイレクトコンバージョン受信機の全体の動作を説明する。
高周波受信部100のアンテナ101により受信された高周波信号は、バンドパスフィルタ102を介して取り出され、低雑音増幅器103にて増幅された後、2段切替高周波減衰器104で信号レベルが調整されて直交復調器110へ送られる。
直交復調器110は、高周波受信部100で受信された高周波信号をベースバンド周波数帯の同相成分(Ich)の信号と90度の位相差がある成分(Qch)の信号に変換して受信ベースバンド部120へ出力する。
受信ベースバンド部120に入力されたIchのベースバンド信号は、直流増幅器121a、121bで増幅されると共にローパスフィルタ123a、123bにより帯域制限された後、R−2Rラダー減衰器124でレベル調整される。このR−2Rラダー減衰器124からは、Ichの信号が電流Iの形態で出力され、I/V変換器125により電圧Vに変換されて直流増幅器121cで増幅される。この直流増幅器121cの出力信号は、DCオフセット回路127へ送られる共に、バイアス補正回路126を介してアップコンバージョン乗算器140に入力される。上記DCオフセット回路127は、直流増幅器121cの出力信号に基づいて加算器122にオフセット信号を供給し、直流増幅器121aの出力信号に対してDCオフセット補正処理を行う。また、バイアス補正回路126の出力信号は、ローパスフィルタ123cを介してソフト処理制御部150のRX ADC151へ送られ、デジタル信号に変換されて復調処理される。
一方、直交復調器110から受信ベースバンド部120に入力されたQchのベースバンド信号は、直流増幅器131a、131bで増幅されると共にローパスフィルタ133a、133bにより帯域制限された後、R−2Rラダー減衰器134でレベル調整される。このR−2Rラダー減衰器134からは、Qchの信号が電流Iの形態で出力され、I/V変換器135により電圧Vに変換されて直流増幅器131cで増幅される。この直流増幅器131cの出力信号は、DCオフセット回路137へ送られる共に、バイアス補正回路136を介してアップコンバージョン乗算器140に入力される。上記DCオフセット回路137は、直流増幅器131cの出力信号に基づいて加算器132にオフセット信号を供給し、直流増幅器131aの出力信号に対してDCオフセット補正処理を行う。また、バイアス補正回路136の出力信号は、ローパスフィルタ133cを介してソフト処理制御部150のRX ADC152へ送られ、デジタル信号に変換されて復調処理される。
そして、上記アップコンバージョン乗算器140は、バイアス補正回路126、127から出力されるI/Qchのベースバンド信号を、ベースバンド信号の周波数成分より高い周波数に変換すると同時に、ハード回路にて合成する。このアップコンバージョン乗算器140から出力されるI/Qchの合成信号は、IQ検波器144により包絡線検波されて直流電圧となる。この直流電圧は誤差増幅器145に入力されて基準電圧VREFによりAGC動作スレッシュ点が決められ、ラグリードフィルタ146にて安定化される。このラグリードフィルタ146から出力される信号は、AGC/ADC147によりデジタルデータに変換されてラダー制御回路148へ送られる。このラダー制御回路148は、AGC/ADC147から出力されるデジタルデータに基づいてR−2Rラダー減衰器124、134の減衰量を制御すると共に、高周波受信部100の2段切替高周波減衰器104の減衰量を切替制御する。
上記ラダー制御回路148によるR−2Rラダー減衰器124、134及び2段切替高周波減衰器104の制御動作を更に詳細に説明する。
(1)まず、高速応答のAGC回路について説明する。
従来技術の広帯域無線では、ベースバンド信号の帯域幅が数MHz程度と狭帯域無線より1000倍程度広い。このことは、狭帯域無線のAGC応答性では遅延する方向に作用する。
AGC収束時間に変調帯域幅が関連するのは、受信ベースバンド部120におけるIch信号系のローパスフィルタ123a、123b、Qch信号系のローパスフィルタ133a、133bの帯域制限での遅延量増大、ローパスフィルタ123c、133cの折り返しノイズ制限での遅延量増大、RX ADC151、152でデジタル変換時のサンプリングクロック時間での遅延量増大であるが、フィルタの帯域を広帯域にする変更や、RX ADC151、152のサンプリングクロック周波数を高速に変更することは、受信性能上できない。
また、IQ検波器144の検波時間も狭帯域無線では、ベースバンド信号の1波長周期が数百μs〜数十ms程度となり、検波時間が数百ms程度になる。これはTDMA(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)等の高速AGC応答性(数百μs程度)が要求されるシステムでは問題となる。
本発明の実施例1では、上記の問題を図2に示す第1自動利得制御ループ161及び図3に示す第2自動利得制御ループ162により解決している。
図2に示すように第1自動利得制御ループ161にローパスフィルタ123a、123b、133a、133bの帯域制限フィルタを入れないことにより、フィルタによる遅延を避けることができる。また、バイアス補正回路126、127の出力側に設けられているローパスフィルタ123c、133c及びソフト処理制御部150のRX ADC151、152も制御ループに入れないことによりフィルタ遅延及びサンプリング時間遅延の問題を解決できる。
また、IQ検波器144の検波時間と検波信号の合成(I/Qch)の問題は、アップコンバージョン乗算器140を用いて解決する。バイアス補正回路126から出力されるベースバンド信号をアップコンバージョン乗算器140により、より高い周波数に変換すると同時に、そのI/Qchの出力信号のハード回路にて合成する。その後、IQ検波器144により包絡線検波して直流電圧とし、誤差増幅器145における基準電圧VREFによりAGC動作スレッシュ点を決め、ラグリードフィルタ146にて安定化する。その後、AGC/ADC147によりデジタルデータに変換してラダー制御回路148に供給し、このラダー制御回路148によりR−2Rラダー減衰器124、134を制御する。
第1自動利得制御ループ161の収束時間は、仮にパルス発振器143から出力されるアップコンバージョンクロックを1MHzとすると、1波が1μsとなり、IQ検波器144で包絡線検波を安定に行う時定数τを10波長分とし、
τ=1μs×10=10μs
とすると、目標検波電圧の95%に到達する時間tは
t=1−e(−t/τ)≒95%
より、
t=3τ=30μs
となる。収束時間としては、ループの安定性を保つためにラグリードフィルタ146を挿入するので、その分の遅延と、AGC/ADC147、ラダー制御回路148の遅延分が加えられるが、この遅延分はアップコンバージョンクロックの周波数や制御ループの最適化にて解決でき、TDMAの収束要求(数百μs程度)を満たすことができる。また、変調帯域及び変調波周波数成分に応答性能の依存がなくなり、高速化が可能となる。
(2)次に直交復調確度(利得制御偏差)について説明をする。
受信ベースバンド部120における可変利得部の構成としては、R−2Rラダー減衰器124、134を設けている。これはベースバンド周波数(直流〜数kHz)領域での周波数に対する利得偏差を最小にする場合、可変利得増幅器では複雑な回路が必要とされるが、R−2Rラダー減衰器124、134は抵抗値周波数特性に依存しないので、ベースバンド周波数が直流〜数kHz程度と低い領域では、抵抗値の周波数特性が系に与える影響は少なく、可変利得増幅器よりも優位性があり、簡単な回路となる。
また、I/Qchの各信号系において、単一の可変利得部とすることにより、I/Qchの利得制御偏差を多段の可変利得増幅器よりも少なくできる。単一可変部としてのダイナミック性能は、可変利得増幅器よりも線形性が良く、仮に14bit制御とすると、84dBもの高ダイナミックレンジがとれる。当然、単一の可変利得増幅器で84dBのダイナミックレンジを確保し、かつ線形性能も確保するとなると、本実施例1の方がより簡単な構成で実現でき、LSI化もしやすい。また、直交復調確度はI/Qchの相対利得偏差に依存するので、LSI化する場合、ラダー減衰器のような回路性質は特に優位になる。ラダー減衰器の回路性質は、相対抵抗値偏差に減衰量偏差が依存し、絶対抵抗値偏差に依存しない性質であり、LSI上の抵抗偏差特性と整合がとれる。
実際の回路では、I/V変換器125、126と直流増幅器121c、131cの利得分が主AGCループ利得となるため、R−2Rラダー減衰器124、134を0〜40dB程度可変することになる。直交復調器110からローパスフィルタ123b、133bまでの線形性の確保について、次項にて説明する。
(3)高い線形性能のAGC回路について説明する。
前述で述べたとおり、高い線形性を確保するには、第1自動利得制御ループ161より前の回路のダイナミックレンジを確保する必要がある。
図3に示す第2自動利得制御ループ162(Qchの信号系)において、直交復調器110〜ローパスフィルタ133bまでの系にて、飽和もしくは、各ブロックにて歪が発生しないレベルに受信電界レベルを制御する必要がある。このため高周波受信部100の2段切替高周波減衰器104の減衰量を受信電界レベルに応じて2段階(例えば0dBor30dB)に切替える構成とする。これにより、図1における低雑音増幅器103の出力〜制御部153間のダイナミックレンジを略110dB(実回路値)とすることができ、高い線形性を確保できる。
次に、上記2段切替高周波減衰器104の切替制御部である、ガードタイム付き減衰器切替制御回路(RF-ATT)149について、図3に示す第2自動利得制御ループ162と図4を参照して説明する。図4はガードタイム付き減衰器切替制御回路(RF-ATT)149の制御状態を示している。
ガードタイム付き減衰器切替制御回路(RF-ATT)149には、2段切替高周波減衰器104を切替制御するためにハード回路にて、図4に示す制御値、すなわち「上限値」、「下限値」、「ガードタイム1」、「ガードタイム2」、「ガードタイム3」が設定されている。なお、図4では2段切替高周波減衰器104をRF−ATTとして示している。ガードタイム付き減衰器切替制御回路(RF-ATT)149において、上限値と下限値を設定し判定レベルにヒステリシスを設定している理由は、微弱な電界強度変化に対して、2段切替高周波減衰器104が頻繁に切り替わることを避けるためである。具体的には、2段切替高周波減衰器104の最大減衰量「30dB+10dB」とし、上限値と下限値の差異を40dBとしている。
・上限値は、AGC/ADC147の出力データが第1自動利得制御ループ161の制御範囲の上限と判断し、2段切替高周波減衰器104をON(30dB)に切替える判定値である。
・下限値は、AGC/ADC147の出力データが第1自動利得制御ループ161の制御範囲の下限と判断し、2段切替高周波減衰器104をOFF(0dB)に切替える判定値である。
・ガードタイム1は、2段切替高周波減衰器104がOFF(減衰器:0dB)の際、上限値を一定時間連続で上回った場合、2段切替高周波減衰器104をON(減衰器:30dB)に切替える。
・ガードタイム2は、2段切替高周波減衰器104がON(減衰器:30dB)の際、下限値を一定時間連続で下回った場合、2段切替高周波減衰器104をOFF(減衰器:0dB)に切替える。
・ガードタイム3は、2段切替高周波減衰器104がONからOFF、OFFからONへと切替わった際、2段切替高周波減衰器104の切替えを一定時間禁止する。
上記AGC/ADC147の出力データは、第1自動利得制御ループ161と第2自動利得制御ループ162にほぼ遅延なく同時に受け渡しされるため、双方同時制御すると第2自動利得制御ループ162のローパスフィルタ133a、133bによる遅延時間のため、制御ループが不安定になる。このため上記のように3つのガードタイム1、2、3(時間的な判断)を設定し、第2自動利得制御ループ162を制御することにより、AGC応答性を時間的に安定させている。具体的には、第1自動利得制御ループ161の100μs程度の遅れにて第2自動利得制御ループ162が追従するように設定する。この際、双方の自動利得制御ループ161、162を合わせたAGC応答性が、TDMA等の高速応答性が要求されるシステムにおいても問題ないようにガードタイム1、2、3を設定する。
上記実施例1によれば、変調帯域が数KHz程度の狭帯域無線においてダイレクトコンバージョン受信方式を採用でき、イメージ抑圧フィルタを不要としてLSI化が容易であり、部品点数を削減して小型化、低価格化を図ることができ、且つ高速応答性、高安定性、高線形性の自動利得制御が可能で、高い受信機性能を確保することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。
この実施例2は、図1に示した実施例1に係るダイレクトコンバージョン受信機において、受信ベースバンド部120におけるIch信号系のR−2Rラダー減衰器124、I/V変換器125、Qch信号系のR−2Rラダー減衰器134、I/V変換器135、利得制御系のAGC/ADC147、及び論理回路からなるラダー制御回路148を図5に示すように可変利得制御部170として構成したものである。
上記可変利得制御部170におけるIch信号系のR−2Rラダー減衰器124は、複数の抵抗R及び2Rを用いたラダー網にそれぞれ切替スイッチSW1、SW2、…、SW(a−1)、SWaが接続された構成となっている。切替スイッチSW1、SW2、…、SW(a−1)、SWaは、可動接点及び該可動接点により切替接続される固定接点H、Lを備え、ラダー制御回路148により切替制御される。上記切替スイッチSW1、SW2、…、SW(a−1)、SWaは、可動接点がラダー網を構成している各ラダー抵抗2Rと接続され、固定接点Hが共通接続ライン171により共通に接続されて接地される。また、各固定接点Lは共通接続ライン172により共通に接続され、更にラダー網の最終段のラダー抵抗2Rと共にI/V変換器125に接続される。
上記R−2Rラダー減衰器124には、前段のローパスフィルタ123b(図1参照)から電流IRinIが供給され、ラダー網を介して切替スイッチSW1、SW2、…、SW(a−1)、SWaに電流I1、I2、I3、…、Ia−1、Iaが流れる。また、ラダー網の最終段のラダー抵抗2Rには、電流Iaが流れる。上記切替スイッチSW1、SW2、…、SW(a−1)、SWaの固定接点Hの共通接続ライン171には接地電流Iが流れ、各固定接点Lとラダー網の最終段のラダー抵抗2Rの共通接続ライン172には出力電流IRoutIが流れ、I/V変換器125に入力される。
上記I/V変換器125は、差動増幅器125a及びこの差動増幅器125aの出力端子と(−)入力端子間に接続される抵抗RIVからなり、(−)入力端子にR−2Rラダー減衰器124の出力電流が入力され、(+)入力端子に基準電圧1(VREF1)が供給される。
上記I/V変換器125から出力される信号は、可変利得制御部170のIch側の出力信号VoutIとして出力端子173aから図1に示す直流増幅器121cへ送られる。
また、Qch側のR−2Rラダー減衰器134は、Ich側のI/V変換器125と同様の構成であるので、詳細な説明は省略する。
上記Qch側のR−2Rラダー減衰器134には、前段のローパスフィルタ133b(図1参照)から電流IRinQが供給され、出力端から電流IRoutQが出力される。この出力電流IRoutQは、I/V変換器135に入力される。このI/V変換器135は、差動増幅器135a及びこの差動増幅器135aの出力端子と(−)入力端子間に接続される抵抗RIVからなり、(−)入力端子にR−2Rラダー減衰器134の出力電流が入力され、(+)入力端子に基準電圧1(VREF1)が供給される。
上記I/V変換器135から出力される信号は、可変利得制御部170のQch側の出力信号VoutQとして出力端子173bから図1に示す直流増幅器131cへ送られる。
そして、上記出力端子173a、173b間にIQ検波器144が接続される。このIQ検波器144は、可変利得制御部170のI/V変換器125、135の出力信号VoutI、VoutQの包絡線を検波し、直流電圧として誤差増幅器145の一方の入力端子に入力する。この誤差増幅器145の他方の入力端子には、AGC動作のスレッシュ点を決める基準電圧2VREF2が供給される。上記誤差増幅器145の出力信号は、AGC/ADC147にVADinとして入力され、デジタル信号に変換されてラダー制御回路148へ送られる。このラダー制御回路148は、AGC/ADC147から出力されるデジタル信号に基づいてIch信号系のR−2Rラダー減衰器124、及びQch信号系のR−2Rラダー減衰器134の切替スイッチSW1、SW2、…、SW(a−1)、SWaを切替制御する。
上記のように構成された可変利得制御部170では、ラダー制御回路148によりAGC/ADC147の出力信号を常に監視し、R−2Rラダー減衰器124、134への制御信号をコントロールしている。携帯電話機等の移動体通信機器では受信電界レベルが常に変動しており、それに伴ってAGC/ADC147の入力電圧VADinが変動するので、この変動をラダー制御回路148により常に監視し、R−2Rラダー減衰器124、134への制御信号をコントロールすることでスイッチングノイズの発生を抑え、受信品質の劣化を抑えている。
図6はAGC/ADC147の入力電圧値に応じた可変利得制御部170の利得の変化を示している。AGC/ADC147のある入力電圧値を設定値Aとし、この設定値A以下の入力電圧の場合はR−2Rラダー減衰器124、134への制御信号を一定値として固定の利得とする。設定値A以上の入力電圧の場合は、入力電圧に応じて利得を可変するように制御する。これにより、受信電界レベルが低い場合にはR−2Rラダー減衰器124、134への制御信号の更新を停止させるため、スイッチングノイズの発生を抑え、受信品質の低下を防ぐことができる。
図7はAGC/ADC入力電圧値に応じた可変利得制御部170の利得の変化(利得切替制限あり/なし)を示している。図7において、実線aは利得切替制限なしの場合の特性を示し、破線bは利得切替制限ありの場合の特性を示している。
利得の切替制限がない場合、ある電位差Vaにおける利得の変化量はAGC/ADC147の入力電圧VADinによって変化し、α<βの関係のように入力電圧VADinが小さくなる程、利得の変化量が小さくなる。そのため、AGC/ADC147の入力電圧VADinが小さくなるに従い利得の切替頻度を下げても、本来得られる利得の変化と同等となる。
また、利得の切替頻度を下げることは、R−2Rラダー減衰器124、134の制御信号の下位ビットを制御しないことになるため、スイッチングノイズの発生頻度を下げることができる。そこで、AGC/ADC147の入力電圧VADinに応じR−2Rラダー減衰器124、134への制御信号の有効ビットを可変(上位ビットから有効)にし、有効ビット以外のビットは制御を行わないようにする。これにより、AGC/ADC147の入力電圧VADinが高いときに比べて入力電圧VADinが低いときは有効ビット数が少なくなるため、スイッチングノイズの発生頻度が低下する。
また、AGC/ADC147の入力電圧VADinが小さいときは、受信電界レベルが低いことを示しているため、受信電界レベルが低くなるほどスイッチングノイズの発生頻度を抑えることができ、受信品質の低下を防ぐことになる。
次に、受信電界レベルに応じてR−2Rラダー減衰器124、134への制御信号をコントロールする方法の詳細について説明する。
(1)設定値を使用してR−2Rラダー減衰器124、134への制御信号をコントロールする方法
システム上、AGC回路を用いてベースバンド信号のレベルを40dB減衰させるには8ビット以上のAGC/ADC147を用いる必要があり、図10に8ビットのAGC/ADC147を使用した際の可変利得制御部170における「AGC/ADC入力電圧VADin対利得」の関係を示す。なお、AGC/ADC147の分解能が高くデータ量が多いため、図10では一部の入力電圧のみ抜粋して示している。
受信システムの構成によりダイナミック性能を確保するためのベースバンド信号レベルが決まるが、AGC/ADC147の入力電圧VADinの増加に対し、その入力電圧に応じた利得が必要とされる。
AGC/ADC147に対し、
入力電圧値VADin=3.03V
を設定値Aとした場合、設定値A以下の入力電圧において一定の利得が確保できていればダイナミック性能に影響がない。
そこで、図8に示すようにAGC/ADC147の入力電圧VADinが設定値Aより低い場合は、ラダー制御回路148から固定の制御信号をR−2Rラダー減衰器124、134へ送り、例えば「−8.08dB」の一定の利得とする。AGC/ADC147の入力電圧VADinが設定値Aより高い場合は、ラダー制御回路148からAGC/ADC出力値をそのまま制御信号としてR−2Rラダー減衰器124、134へ送り、AGC/ADC147の入力電圧に応じた利得とする。これにより、設定値A以下のAGC/ADC入力電圧のときは制御信号の更新がなく、R−2Rラダー減衰器124、134のスイッチ切替が発生しないため、スイッチングノイズの発生を抑えることができる。また、設定値Aは使用する環境やシステムに応じて自由に設定を変更することができる。
(2)AGC/ADC147の入力電圧VADinに応じてR−2Rラダー減衰器124、134への制御信号の有効ビットを可変する方法
図9は8ビットのAGC/ADC147を使用した場合の可変利得制御部170における「有効ビット数可変時のAGC/ADC入力電圧対利得」の関係を示している。
図9において、aは有効ビット数「8(全ビット使用)」、bは有効ビット数「7」、cは有効ビット数「6」、dは有効ビット数「5」、eは有効ビット数「4」、fは有効ビット数「3」、gは有効ビット数「2」、hは有効ビット数「1」の特性を示している。
全ビット有効時の利得と有効ビット数を制限したときの利得を比較すると、有効ビット数が少なくなるにつれ、利得の差が大きくなる。
ここで、2種類の電圧範囲のテーブルA(3.13V以上、3.44V未満)、テーブルB(3.44V以上、3.75V未満)を用意し、システム上必要となる減衰量を
テーブルA:−9.0dB以上
テーブルB:−10.0dB以上
とする。必要な減衰量が得られ、有効ビット数が少ない程スイッチングノイズ低減に効果があるため、例えば
テーブルAの有効ビット数:5ビット
テーブルBの有効ビット数:6ビット
というように設定する。
また、テーブル数、テーブル範囲、各テーブルにおける有効ビット数の設定は、使用する環境やシステムに応じて自由に設定変更することができる。
上記実施例2に示したように、R−2Rラダー減衰器124、134を用いた自動利得制御部において、受信電界レベルに応じてR−2Rラダー減衰器124、134への制御信号をコントロールすることで、スイッチングノイズの発生頻度を抑えることができ、受信品質の劣化を抑えることができる。
なお、上記実施例2では、I/V変換器125、135の出力信号をIQ検波器144に入力して検波する場合について示したが、図1に示した実施例1と同様にアップコンバージョン乗算器140により高い周波数に変換したベースバンド信号をIQ検波器144に入力して検波するようにしてもよい。
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できるものである。
100…高周波受信部、101…アンテナ、102…バンドパスフィルタ、103…低雑音増幅器、104…2段切替高周波減衰器、110…直交復調器、111、112…ミキサ、113…0/90°位相器、114…局部発振器、120…受信ベースバンド部、121a、121b、121c…直流増幅器、122…加算器、123a、123b、123c…ローパスフィルタ、124…R−2Rラダー減衰器(I)、125…I/V変換器、125a…差動増幅器、126…バイアス補正回路、127…DCオフセット回路、131a、131b、131c、…直流増幅器、132…加算器、133a、133b、133c…ローパスフィルタ、134…R−2Rラダー減衰器(Q)、135…I/V変換器、135a…差動増幅器、136…バイアス補正回路、137…DCオフセット回路、140…アップコンバージョン乗算器、141a、141b…ミキサ、142…0/90°位相器、143…パルス発振器、144…IQ検波器、145…誤差増幅器、146…ラグリードフィルタ、147…AGC/ADC、148…ラダー制御回路、149…ガードタイム付き減衰器切替制御回路、150…ソフト処理制御部、153…制御部、161…第1自動利得制御ループ、162…第2自動利得制御ループ、170…可変利得制御部、171、172…共通接続ライン、173a、173b…出力端子。

Claims (3)

  1. 高周波信号を受信して増幅する高周波受信部と、前記高周波受信部で受信された高周波信号を直交復調し、I成分及びQ成分のベースバンド信号に変換する直交復調器と、前記直交復調器から出力されるI/Q成分のベースバンド信号をそれぞれ増幅する増幅器及び可変減衰器からなるベースバンド信号増幅部と、前記ベースバンド信号増幅部から出力されるI/Q成分のベースバンド信号を該ベースバンド信号の周波数成分よりも高い周波数に変換するアップコンバージョン乗算器と、前記アップコンバージョン乗算器の出力信号レベルに基づいて前記ベースバンド信号増幅部の各可変減衰器の減衰量を制御する自動利得制御手段とを具備することを特徴とするダイレクトコンバージョン受信方式を用いた無線通信受信機。
  2. 前記ベースバンド信号増幅部の各可変減衰器としてR−2Rラダー減衰器を使用し、前記ベースバンド信号増幅部から出力されるI/Q成分のベースバンド信号の利得相対偏差が最小となるように前記自動利得制御手段により前記各R−2Rラダー減衰器を制御することを特徴とする請求項1に記載の無線通信受信機。
  3. 前記自動利得制御手段は、受信電界レベルの変化に応じて前記R−2Rラダー減衰器へのデジタル制御信号を出力するADコンバータ及び該ADコンバータから出力されるデジタル制御信号に基づいて前記各R−2Rラダー減衰器を制御するラダー制御回路を備え、
    前記ラダー制御回路は、前記ADコンバータの出力値が予め設定した規定ビット以下の場合は一定レベルのデジタル制御信号を出力して前記各R−2Rラダー減衰器を制御し、前記ADコンバータの出力値が前記規定ビット以上の場合は受信電界レベルの変化に応じて前記ADコンバータから出力される前記規定ビットから最大ビットまでのデジタル制御信号により前記各R−2Rラダー減衰器を制御することを特徴とする請求項2に記載の無線通信受信機。
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