JP2003193588A - 内壁部の断熱構造、断熱内壁枠、及び開口部用横枠 - Google Patents
内壁部の断熱構造、断熱内壁枠、及び開口部用横枠Info
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Abstract
維持し、且つ、断熱性能の優れた開口近傍の内壁部の断
熱構造、断熱内壁枠、及び開口部用横枠を提供する。 【解決手段】 本断熱構造100は、住宅等の軸組1
に、サッシ3が、その周縁を内断熱テープ50により密
封されて配設されるとともに、開口部10aが形成され
た断熱内壁枠101が取付金具102により、軸組1か
ら所定間隔離間されて設けられ、断熱内壁枠101の開
口部10aに額縁4が配設され、軸組1と断熱内壁枠1
01との間に目地断熱材103が充填され、断熱内壁枠
101の屋内側の目地に内断熱縦目地シート104が貼
設されてなるものである。
Description
内壁部における断熱構造、特に、窓枠等を取り付けるた
めの開口を有する内壁部であって、従来より高い断熱性
能を得るための断熱構造、及び断熱内壁枠に関するもの
である。
を有する内壁部は、図18に示すように、建物の軸組み
1に、内壁枠2が取り付けられ、更に、サッシ(窓枠)
3、額縁4、内壁ボード、壁紙(図示せず)等が設けら
れて構成されている。前記内壁枠2は、図19に示すよ
うに、縦桟5Tと横桟5Yとからなる矩形の枠体5の所
定位置に開口部5aが設けられ、枠体5で四囲される空
間であって該開口部5aを除く箇所に断熱材6が充填さ
れ、枠体5の内壁側には、開口部5aと略同形の切抜き
が形成された防湿シート7が貼付されてなるものであ
る。縦桟5T及び横桟5Yは、各々木製のものであり、
釘、ビス、又は接着剤等を固着手段を用いて夫々接合さ
れている。また、枠体5の矩形構造を補強するために横
桟5Yは縦桟5T間に複数架設されている。断熱材6
は、グラスウール又はロックウールを用いたもので、タ
ッカー8により枠体5に固定されている。防湿シート7
は、アルミと合成樹脂とのラミネートシートである。
れた内壁枠2は、軸組1に、内壁枠2の枠体5、即ち縦
桟5Tを押し当てるように位置せしめられ、軸組1に装
着された止具9により固定されており、該内壁枠2に充
填された断熱材6により、屋内から屋外への熱損失を抑
制して、建築物の屋内の断熱を行っていた。
内から屋外への熱損失を完全に抑制することは困難であ
る一方、省エネルギー等の観点から、より高い断熱性能
が住宅等には求められている。例えば、内壁部の断熱構
造を高めるために、前記断熱材6を厚くすることが考え
られるが、断熱材6を厚くすれば内壁枠2の厚みも増す
分、従来より納まりを大きくとる必要が生じ、一方、内
壁枠2を従来と同様の厚みとすれば、充填された断熱材
6の反発力が大きくなって屋内側に膨らみが生じ、施工
性が悪くなる。従って、従来と同様の作業性や施工コス
トを備え、且つ断熱性能を向上した内壁部の構造が必要
となっている。また、サッシ3の取付部分の隙間等から
も熱損失が生じることから、該熱損失をも抑制する必要
もある。
のであり、簡易且つ安価であり、従来と同様の作業性を
維持し、且つ、断熱性能の優れた開口近傍の内壁部の断
熱構造、断熱内壁枠、及び開口部用横枠を提供すること
を目的とする。
壁部の構造を鋭意研究した結果、軸組と内壁枠が直に接
触している点、及び、内壁枠の枠体の材料である木材の
熱伝導性が、断熱材として用いられるグラスウール等の
約3倍程度と高い点に着眼し、従来の内壁部の構造にお
ける熱損失は内壁枠の枠体から軸組への熱伝導により生
ずるものが主であることを見出した。また、断熱内壁枠
の断熱性能をも向上させるため、断熱性能が優れた合成
樹脂素材を併用することにより、断熱内壁枠の厚みや施
工性等を従来と同等に維持し、断熱性能を向上できるこ
とに着眼し、前記熱伝導を簡易且つ低コストで抑制し、
且つ、断熱性能を向上させ、更に窓枠の周囲を断熱材で
密封することにより窓枠周囲の熱損失を抑制すべく本発
明を完成するに至った。
熱構造は、建築物の内壁の開口近傍の断熱構造であっ
て、軸組に、表面側に合成樹脂断熱材層を、裏面側に易
変形断熱材層を有し、所定位置に開口部が形成されてな
る断熱内壁枠が配設され、該断熱内壁枠の縦目地であっ
て軸組と断熱内壁枠の枠体との間に、目地断熱材が介設
されたものである。
記載の内壁部の断熱構造において、内壁部に取り付けら
れた窓枠に、窓枠周縁の隙間を密封する帯状の内断熱材
が貼設されたものである。
は2に記載の内壁部の断熱構造において、前記軸組に、
前記断熱内壁枠を軸組から離間して固定するための取付
部材が装着され、該取付部材により軸組に固定された断
熱内壁枠の屋内側の縦目地に、帯状の内断熱材が貼設さ
れたものである。
は、所定位置に開口部を有する断熱内壁枠において、枠
体で四囲された空間に合成樹脂断熱材が充填され、少な
くとも、開口部の上方及び下方にある該合成樹脂断熱材
の裏面側に易変形断熱材が覆設されてなるものである。
記載の断熱内壁枠において、前記易変形断熱材は、前記
枠体の裏面をも覆うものであり、断熱内壁枠が軸組に取
り付けられた際に、易変形断熱材が軸組と枠体との間に
介在するものである。なお、本発明に係る断熱内壁枠に
おいて、合成樹脂断熱材又は枠体の裏面とは、断熱内壁
枠を内壁部に設置したときに屋外側となる面をいう。
枠は、断熱内壁枠の開口部に取付可能な開口部用横枠で
あって、枠体で四囲された空間に合成樹脂断熱材が充填
され、該合成樹脂断熱材の裏面側に易変形断熱材が覆設
されてなるものである。
に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係る内壁部の断熱構造100の主要部を示す断面図
であるが、図に示すように、本断熱構造100は、住宅
等の軸組1に、サッシ3が、その周縁を内断熱テープ5
0により密封されて配設されるとともに、開口部10a
が形成された断熱内壁枠101が取付金具102によ
り、軸組1から所定間隔離間されて設けられ、断熱内壁
枠101の開口部10aに額縁4が配設され、軸組1と
断熱内壁枠101との間に目地断熱材103が充填さ
れ、断熱内壁枠101の屋内側の目地に内断熱縦目地シ
ート104が貼設されてなるものである。なお、断熱内
壁枠101の屋内側には内壁ボード等が配設され、屋外
側には外壁ボード等が配設されているが、本実施の形態
においては、これらの説明は省略する。
2本の縦桟10T間に横桟10Yが複数架設されてなる
矩形の枠体10の中央やや上よりに開口部10aが形成
され、枠体10の表面側に、開口部10aと略同形状の
切抜きが形成された防湿シート11が貼設され、枠体1
0で四囲された空間であって開口部10a以外の箇所に
合成樹脂断熱材12が充填され、枠体10の裏面側か
ら、易変形断熱材13が合成樹脂断熱材12を覆うよう
に設けられてなるものである。なお、本実施の形態にお
いては、枠体10の表面側とは屋内側を指し、裏面側と
は屋外側を指すものとする。
桟10Yは、各々木製の角材であり、釘や接着剤等の周
知の固着手段により夫々が固着されて枠体10をなして
いる。縦桟10T及び横桟10Yの断面寸法は、縦×横
が夫々25〜60mm程度のものであることが好まし
く、特に、縦桟10Tは、断熱内壁枠101を軸組1か
ら離間させて設置することを考慮すると、断熱内壁枠1
01の納まりが従来より大きくならないように、例えば
断面寸法が約30mm×30mm程度の、従来用いられ
ている縦桟より断熱内壁枠101の厚み方向となるべき
寸法が小さいものであることが好ましい。横桟10Yも
同様に、縦桟10Tと同程度の断面寸法とすることが好
ましいが、枠体10の強度を高めるために、枠体10の
高さ方向となるべき横桟の寸法を大きくすることは可能
である。なお、本実施の形態では枠体10を木製のもの
としたが、本発明は係る実施の形態に限定されるもので
ないことは当然であり、例えば枠体10を鋼材を用いた
メタルフレームとすることも可能である。
せて形成されている。図に示すように、本実施の形態に
おける断熱内壁枠101の開口部10aは、その両側に
合成樹脂断熱材12が充填可能な程度の大きさのもので
あるが、例えば、開口部10aの横幅を枠体10の横幅
と同程度とすることもできる。なお、本開口部10aの
周囲は、横桟10Yと補助桟10Hで構成されている。
の大きさの矩形のものであり、枠体10の開口部10a
と合致する位置に略同形状の切抜き11aが形成されて
いる。防湿シート11は、例えばアルミ及び合成樹脂の
ラミネートフィルム等、防湿性を有する素材からなるも
のである。枠体10への貼着は、タッカー等を用いて行
うこともできるが、接着剤や両面テープ等、防湿シート
11に穴を開けずに枠体10に貼着できる手段を使用す
ることが好ましい。また、防湿シート11の素材として
は、前記ラミネートフィルムの他、例えばポリプロピレ
ン等、ガス透過性の低い合成樹脂を用いることもでき
る。
ェノール樹脂等の合成樹脂の発泡体からなるものであ
り、一般的に断熱材として用いられるグラスウールやロ
ックウール等より高い断熱性能を有する一方、押圧によ
る変形はグラスウール等ほど大きくなく、柔軟性は劣
る。その大きさは、縦桟10T及び横桟10Y、又は、
縦桟10T、補助桟10H及び横桟10Yで四囲される
空間に略隙間なく充填できる程度の矩形に夫々裁断され
ており、厚みは枠体10と同程度である。該合成樹脂断
熱材12は、前記各空間に夫々嵌め込む際に、縦桟10
T、補助桟10H及び横桟10Yに両面テープ等により
夫々固定してもよいが、断熱内壁枠101の表面には防
湿シート11が、裏面には易変形断熱材13が設けられ
ることにより、これらの部材に挟入されて枠体10から
脱落することはないので、固定を行うことなく嵌め込む
こととしてもよい。
ル、ロックウール等の繊維状のものであり、押圧を受け
ることにより容易に変形可能なものである。該易変形断
熱材13は、予め、枠体10の開口部10aより上方部
分、下方部分、及び両側方部分に合わせて適度な大きさ
に裁断され、繊維が解けたりしないように袋体に詰めら
れている。このように構成された易変形断熱材13は、
図2に示すように、タッカー14を用いて横桟10Yに
固定されることにより、夫々縦桟10Tより内側に納ま
るように覆設されている。なお、本実施の形態では、開
口部10aの上方、下方又は側方夫々に易変形断熱材1
3を覆設したが、易変形断熱材を枠体10と略同等の大
きさとし、開口部10aと略同形状の切抜きを設けたも
のを覆設することとしてもよい。
るが、合成樹脂断熱材12は、縦桟10Tの厚みと略同
等であり、一方、易変形断熱材13は、その両端が縦桟
10Tより内側に納まるようにして、断熱内壁枠101
の裏面側、即ち屋外側に膨出した状態となっている。
を設けることにより、枠体10で四囲される一定容積の
空間において易変形断熱材13より高い断熱性能を得る
ことができ、裏面側に易変形断熱材13を覆設すること
により、横桟10Yによる熱伝導を抑制し、且つ、断熱
内壁枠101の裏面側において軸組1等と当接する場合
に容易に変形して、従来と同様の施工性が維持されるも
のとなっている。
を、軸組1から所定間隔だけ離間させて固定するための
ものであり、図4に示すように、基部20と、基部20
の軸組側に設けられた板バネ21と、基部20と螺合す
るボルト22と、スペーサ23とからなる。
されてなるものであり、該基部20から装着時に軸組1
に向く方へ、先端部分が拡幅された平板棒状の軸組挿入
部20aが突設されており、基部20の中央近傍にはボ
ルト22と螺合するボルト挿通孔(図示せず)が穿設さ
れている。該軸組挿入部20aの幅は、差し込むべき軸
組1の隙間より若干小さい程度であり、先端の拡幅部分
の幅は、該隙間より大きなものとなっている。また、軸
組挿入部20aの長さは、差し込むべき軸組1の奥行よ
りやや大きい程度、即ち、軸組挿入部20aを完全に軸
組に差し込んだ場合に、先端の拡幅部分が軸組1の反対
側(裏面側)に突出する程度である。
なるものであり、その中央部付近で基部20に固着され
ている。スペーサ23は、金属プレートが略コの字状に
曲折され、装着時に軸組1側となる曲折部の中央付近に
並行して切り込みが設けられ、更に該切込み部分が上方
に曲折されて、縦断面形状が略コの字状の金属プレート
から上方に突出する突片23aが形成されてなるもので
あり、該突片23aにはボルト22を摺動自在に挿通す
るための挿通孔23bが穿設されている。ボルト22が
該挿通孔23bに挿通され、更に基部20と螺合される
ことにより、基部20とスペーサ23が一体となってい
る。
ける方法を説明するためのものであるが、まず、図5
(a)に示すように、基部20の軸組挿入部20aを、そ
の先端の拡幅方向が垂直方向となるようにして、軸組1
へ差し込む。板バネ21の反発力に対向して板バネ21
が潰れるまで軸組挿入部20aを軸組1に差し込むこと
により、軸組挿入部20aの先端の拡幅部分が軸組1の
反対側に突出する。その状態で、基部20を時計周り
(又は半時計回り)に90度回転させてから、基部20
を開放すれば、基部20は、板バネ21の反発力により
図4の手前側に付勢されるとともに、軸組挿入部20a
の拡幅部分により軸組1に掛止されて、軸組1に装着さ
れる。更に、スペーサ23の突片23aを基部20の開
口部と嵌合させることにより、図5(b)に示すように、
取付金具102が軸組1に装着される。
3と同様に、グラスウール、ロックウール等の繊維状で
容易に変形可能なものであり、予め、軸組1と断熱内壁
枠101との間の空間に充填できる程度に裁断され、繊
維が解けたりしないように袋体に詰められている。目地
断熱材103の大きさは、図1に示すように、断面の幅
が断熱内壁枠101の縦桟10Tの幅の2倍より若干大
きい程度、奥行が軸組1と断熱内壁枠101との距離、
即ち、前記取付金具102のスペーサ23の奥行と同程
度のものであって、高さ寸法が断熱内壁枠101の高さ
寸法と同程度のものである。
チレン製の帯状のものであり、図1に示すように、断熱
内壁枠101の屋内側の縦目地に貼設されるものであ
る。内断熱縦目地シート104の幅は、取付金具102
の屋内側の露呈部分、即ちボルト22の頭部等を被覆で
きる程度のものであり、断熱内壁枠101の縦目地全体
に貼着できるように適宜裁断されて用いられる。内断熱
縦目地シート104の貼着は、更に屋内側から内断熱縦
目地シート104を覆うようにして粘着テープ40が断
熱内壁枠101の目地に貼られることにより行われる。
これにより、断熱内壁枠101の縦目地を封止するとと
もに、取付金具102の屋内側の露呈部分から軸組1へ
の熱伝導を抑止することができる。なお、内断熱縦目地
シート104は、前述したように粘着テープ40を用い
て貼着する他、内断熱目地シート104そのものが接着
性を有するもの、即ち裏面に接着剤等が予め塗布された
ものを用いて、断熱内壁枠101の縦目地に貼着させる
こともできる。また、内断熱目地シート104の厚みの
ために内壁面に凹凸が生じる場合には、図1に示すよう
に、断熱内壁枠101の縦桟10Tの所要箇所を目地断
熱シート104の厚み分だけ切り欠くことが好ましい。
り、図1に示すように、サッシ3は軸組1に、額縁4は
断熱内壁枠101の開口部10aに取り付けられてお
り、サッシ3の周縁は内断熱テープ50で密封されてい
る。詳細には、軸組1には、窓台(図示せず)及び窓ま
ぐさ(図示せず)が配設されており、サッシ3は、該窓
台及び窓まぐさに固定されている。サッシ3の周縁に
は、内断熱テープ50がサッシ3の周縁の形状に合致す
るように適宜折り曲げられて、サッシ3の周縁と外壁ボ
ード、窓台、又は窓まぐさとに渡って貼り付けられ、サ
ッシ3の周縁を密封している。
レン発泡体等の合成樹脂を素材とする断熱性を有するも
のであり、幅10cm程度の帯状のものが好適である。
内断熱テープ50が貼設されることにより、サッシ3周
縁の隙間に生ずる通気による熱損失を抑止するととも
に、サッシ3のアングルピースが直接屋外の冷気に触れ
ることを防止して結露を防ぐ。さらに、サッシ3の屋内
側には、サッシ3と略同形状の開口を有する断熱内壁枠
101が配設されており、該断熱内壁枠10の開口部1
0aとサッシ3との間に形成される空間には、矩形の額
縁4が配設されている。
サッシ3を配設する場合を示したが、その他の窓枠等を
配設する場合にも本発明に係る断熱構造を利用できるこ
とは当然である。また、内断熱テープ50を、例えばア
ルミ蒸着された合成樹脂製のものとして、サッシ3周り
の気密をも確保するようにしてもよい。
造100の施工方法を説明する。まず、軸組1に沿って
外壁ボード、窓台及び窓まぐさ等を取り付け、該窓台及
び窓まぐさにサッシ3を適当な取付金具を用いて固定す
る。これらが取り付けられた後、図6に示すように内断
熱テープ50をサッシ3の周縁を密封するように貼り付
ける。内断熱テープ50はサッシ3の形状に合致するよ
うに適宜折り曲げて使用し、後に配設する額縁4の形状
を考慮して、貼設された内断熱テープ50が額縁4によ
り隠蔽されるようにすることが好ましい。また、サッシ
3の四隅部は特に隙間が生じ易いので、内断熱テープ5
0を重ね合わすように貼り付けて隙間が生じないように
する。
付金具102を装着する。具体的には、軸組1の縦方向
に対して、図7に示すように、例えば4個の取付金具1
02を列設する。装着すべき取付金具102は、少なく
とも2個以上であることが好ましいが、断熱内壁枠10
1の枠体10の強度等を考慮して設けるべき取付金具1
02の数を設定すればよく、特に4個に限定されるもの
でないことは当然である。なお、図7においては、説明
の便宜上、サッシ3等は省略している。
3が位置せしめる。目地断熱材103は、図7に示すよ
うに、軸組1の幅より若干大きなものであり、予め軸組
1の高さに合致するように裁断されている。該目地断熱
材103の、前記取付金具102と対応する位置に、目
地断熱材103を貫通する縦方向の切込み30を設け、
図7の拡大図に示すように、目地断熱材103が各取付
金具102を内包するようにして、目地断熱材103を
軸組1の屋内側に位置せしめる。
た後、断熱内壁枠101を取り付ける。図8は、取付金
具102に断熱内壁枠101を取り付けた状態を示すも
のであり、説明の便宜上、前記目地断熱材103は点線
で示している。図に示すように、断熱内壁枠101の縦
桟10Tを、軸組1に装着された取付金具102のスペ
ーサ23に当接させるようにして断熱内壁枠101を取
り付ける。これにより、軸組1と前記縦桟10Tとの間
にスペーサ23分だけの空間が生じ、縦桟10Tが軸組
1と直接接触することはない。該空間には、図に点線で
示すように、目地断熱材103が充填された状態とな
り、断熱内壁枠101の縦目地であって軸組1と断熱内
壁枠101の縦桟10Tとの間に、目地断熱材103が
介設された状態となる。
けた後、取付金具102のボルト22をねじ込むことに
より、ボルト22の頭部が断熱内壁枠101の表面に当
接して断熱内壁枠101が固定される。ボルト22の頭
部の大きさが小さい場合や軸組1に装着された取付金具
102の数が少ない場合には、断熱内壁枠101の固定
が不安定となることも想定されるが、そのような場合に
は、円盤状の押えプレート24をボルト22の頭部に取
り付けてもよい。
直径がボルト22の頭部より大きな円盤状の平板であっ
て、その中央近傍から径方向の3方向に膨らんだ係止孔
25が穿たれたものである。該係止孔25は、互いに略
反対方向に向かって膨らんだ頭挿通部25a、25b
と、該頭挿通部25a、25bと略直交方向に向かって
膨らんだ挿通補助部25cとが形成されており、両頭挿
通部25a、25b間の係止孔25縁部は、押えプレー
ト24の外縁に向かって膨らみ、ボルト22の頭部と係
合可能な劣弧をなしており、頭挿通部25a、25bと
挿通補助部25cとの間の係止孔25の縁部は、押えプ
レート24の中心に向かって膨らみ、ボルト22の頭部
と係合可能な劣弧をなしている。
ボルト22の頭部に取り付けてから、ボルト22をねじ
込むことにより、押えプレート24が断熱内壁枠101
の屋内側の表面に圧接されて、断熱内壁枠101を確実
に固定する。押えプレート24の取付けを詳細に説明す
るに、図9(a)に示すように、ボルト22の上方から、
押えプレート24の係止孔25のボルト挿通部25a、
25bにボルト22の頭部を挿入するようにして、押え
プレート24をボルト22の頭部に嵌め込む。そして、
ボルト22の軸部を挿通補助部25cへ退避させるよう
にして(図9(b))、ボルト22の頭部を係止孔25に
挿通させる。これにより、押えプレート24の係止孔2
5にボルト22の軸部が遊挿された状態となる(図9
(c))。押えプレート24をボルト22の頭部側ヘ位置
せしめ、ドライバ等を用いてボルト22を取付金具10
2の基部20(図示せず)へねじ込むことにより(図9
(d))、押えプレート24の係止孔25の周縁部とボル
ト22の頭部とが係合してボルト22による押圧力が押
えプレート24に伝達され、該押えプレート24が断熱
内壁枠101(図示せず)の屋内側の表面を押圧して、
断熱内壁枠101を取付位置に固定する。
た後、断熱内壁枠101の目地に内断熱縦目地シート1
04を貼設する。詳細には、図10に示すように、予
め、帯状の内断熱縦目地シート104を断熱内壁枠10
1の縦目地寸法に裁断しておき、該内断熱縦目地シート
104を、取付金具102の屋内側の露呈部分、即ちボ
ルト22の頭部及び押えプレート24を覆うように位置
せしめ、更に内断熱縦目地シート104の上から粘着テ
ープ40を貼りつけて、内断熱縦目地シート104を断
熱内壁枠101の目地に貼着させる。
は、額縁4を嵌め込んで固定する。額縁4の固定は、ビ
スや釘等を、額縁4を貫通して断熱内壁枠101の開口
部10a周囲の横桟10Y又は補助桟10Hに貫入する
ように打ち付けることにより、又は、適当な取付け金具
等を用いて行う。
が施工され、軸組1と断熱内壁枠101の縦桟10Tと
の間に目地断熱材103が介在させることにより、該縦
桟10Tから軸組1への熱伝導を抑制する。また、断熱
内壁枠101の表面側に合成樹脂断熱材12が、裏面側
に易変形断熱材13が設けられることにより、断熱内壁
枠101に両者の利点、即ち高い断熱性能及び柔軟性が
効果的に発揮され、従来と同様の施工性が維持され、且
つ、断熱性能の向上が可能となる。さらに、サッシ3の
周縁に内断熱テープ50が貼設されることにより、サッ
シ3周縁における熱損失を抑止するとともに、サッシ3
の結露を防ぐ。なお、詳細には説明しないが、断熱内壁
枠101の屋内側には内壁ボード、壁紙等が設けられて
内装が仕上げられる。
形態に係る内壁部の断熱構造100´について説明す
る。図11は、前記内壁部の断熱構造100´の構成を
示すものであるが、該断熱構造100´は、断熱内壁枠
101´の開口部の横幅が前記開口部10aの横幅より
大きく、該開口部の両側方に易変形断熱材13が覆設さ
れていない点を除いては、前記断熱内壁枠101と同様
であり、枠体10、防湿シート11、合成樹脂断熱材1
2、易変形断熱材13等、前記断熱内壁枠101の構成
と同じ図番のものは同一のものである。なお、サッシ3
´及び額縁4´も、前記開口部10bの横幅と合致する
ように、前記サッシ3及び額縁4より幅広のものであ
る。
が幅広であり、開口部の両側から枠体10までの間が狭
い場合には、該開口部の両側方には易変形断熱材13を
覆設せず、目地断熱材103の横幅を、枠体10の縦目
地及び開口部側方に位置する合成樹脂断熱材12の裏側
の空間を充填可能なものとして、目地断熱材103を開
口部10bの両側方に位置せしめる。なお、開口部の上
方及び下方には、枠体10の縦桟10Tまで易変形断熱
材13が覆設されているので、該易変形断熱材13と目
地断熱材103とが圧接することとなるが、両者とも押
圧により柔軟に変形するものであるので施工も容易であ
る。
係る断熱内壁枠105を用いた内壁部の断熱構造につい
て説明する。図12は、前記断熱内壁枠105の構成を
示すものであるが、該断熱内壁枠105は、2本の縦桟
10T間に横桟10Yが複数架設されてなる矩形の枠体
10の中央やや上よりに開口部10aが形成され、枠体
10の表面側に、開口部10aと略同形状の切抜きが形
成された防湿シート11が貼設され、枠体10で四囲さ
れた空間であって開口部10a以外の箇所に合成樹脂断
熱材12が充填され、枠体10の裏面側から、易変形断
熱材15が合成樹脂断熱材12を覆うように設けられて
なるものであり、枠体10、防湿シート11等、前記断
熱内壁枠101の構成と同じ図番のものは同一のもので
ある。
3と同様に、グラスウール、ロックウール等の繊維状で
容易に変形可能なものが、予め、枠体10と略同程度の
大きさに裁断され、繊維が解けたりしないように袋体に
詰められてなるものであるが、その幅が、両縦桟10T
の裏面側にまで至るものである点で前記易変形断熱材1
3と異なる。図13は、図12のB−B断面を示すもの
であるが、図に示すように、易変形断熱材15は、その
両端が枠体10の両端と略同じ位置にあり、縦桟10T
の裏面側をも覆った状態で、枠体10の裏面側に膨出す
るように固定されている。なお、易変形断熱材15の固
定は前述と同様にタッカー14によるものである。
壁枠105を取り付けた状態を示すものであるが、図に
示すように、断熱内壁枠105の縦桟10Tを、軸組1
に装着された取付金具102のスペーサ23に当接させ
るようにして断熱内壁枠105を取り付ける。詳細に
は、断熱内壁枠105を取り付ける際に、易変形断熱材
15の、縦桟10Tの裏面側であって取付金具102に
対応する位置に、水平方向に切込みを設け、易変形断熱
材15が取付金具102を内包し、該取付金具102の
スペーサ23が断熱内壁枠105の縦枠10Tと当接で
きるようにする。易変形断熱材15と軸組1とが当接す
る部分は、断熱内壁枠105の取付け後、取付部材10
2のボルト22の頭部又は押えプレート24によって断
熱内壁枠105を押圧、固定することにより、軸組1の
形状に沿って弾性変形するので、特に切欠き等を設ける
必要はない。
との間にスペーサ23分だけの空間を空けて、縦桟10
Tが軸組1と直接接触することがないように断熱内壁枠
105を取り付け、軸組1と前記縦桟10Tとの間の空
間には、断熱内壁枠105の易変形断熱材15が充填さ
れた状態となる。従って、図15に示すように、前述し
た目地断熱材103に代わり、断熱内壁枠101の縦目
地であって軸組1と断熱内壁枠101の縦桟10Tとの
間に、易変形断熱材15が介在する状態となって、縦桟
10Tから軸組1への熱伝導を抑制する。
口部用横枠について説明する。本開口部用横枠106
は、図16に示すように、枠体60で四囲された空間に
合成樹脂断熱材61が充填され、該合成樹脂断熱材61
の裏面側に易変形断熱材62が覆設され、表面側に防湿
シート63が貼設されてなるものである。
み合わされてなる矩形のものであり、その寸法は特に限
定されるものではないが、額縁等の大きさに合わせて適
宜断熱内壁枠101の開口部10aに取り付けられるも
のであることを考慮すると、幅90mm程度、高さは断熱
内壁枠101と同程度とし、開口部10aの高さに合わ
せて現場にて切断して用いるものとすることが好まし
い。従って、縦桟60T及び横桟60Yも木製の角材等
とすることが好ましい。
材12と同様に、ポリスチレン、フェノール樹脂等の合
成樹脂の発泡体からなるものであり、縦桟60T及び横
桟60Yで四囲される空間に略隙間なく充填できる程度
の矩形に裁断されており、厚みは枠体60と同程度であ
る。該合成樹脂断熱材61も、前記合成樹脂断熱材12
と同様に、縦桟60T及び横桟60Yに両面テープ等に
より固定されている。
3と同様に、例えばグラスウール、ロックウール等の繊
維状のものであり、押圧を受けることにより容易に変形
可能なものである。該易変形断熱材62は、予め、枠体
60と同程度の大きさに裁断され、繊維が解けたりしな
いように袋体に詰められ、枠体60に両面テープ等を用
いて貼り付けた後、適当な大きさのプラスチック板を当
て板として、タッカー14を用いて枠体60に固定され
ることにより、枠体60の裏面側までを覆うようにして
枠体60及び合成樹脂断熱材61の裏面側に覆設されて
いる。
同様に、例えばアルミ及び合成樹脂のラミネートフィル
ム等、防湿性を有する素材からなるものであり、枠体6
0と略同等の大きさであり、接着剤等により枠体60に
貼り付けられている。
は、図17(a)に示すように、断熱内壁枠の開口部の高
さ寸法に合わせて切断され、該開口部の側縁に取り付け
られる。開口部用横枠106の固定は、ビスや釘等を、
枠体60を貫通して断熱内壁枠の開口部周囲の横桟10
Y又は補助桟10Hに貫入するように打ち付けることに
より、又は、適当な取付け金具等を用いて行う。
7(b)に示すように、開口部用横枠106の周囲に気密
テープ等を貼り付けて、開口部用横枠106周縁の隙間
を密封する。開口部用横枠106が取り付けられた断熱
内壁枠101は、前述と同様に、取り付け金具102等
を介して軸組1に配設される。このように、開口部用横
枠106によれば、開口部に設けるべき窓枠の種類に拘
わらず、例えば一定の開口部が形成された断熱内壁枠を
用い、サッシや額縁の横幅に合わせて現場にて適宜開口
部用横枠106を取り付けることで、多種の窓枠に対応
させることが可能となる。
横枠106の表面側に予め防湿シート63を貼設するこ
ととしているが、開口部用横枠106を断熱内壁枠10
1の開口部10aに取り付けた後に、開口部用横枠10
6より若干大きく裁断された防湿シートを、開口部用横
枠106の周縁の隙間を密封するようにして貼設するこ
ととしてもよい。また、開口部用横枠106は、前記断
熱内壁枠101の他、その変形例101´、105等に
取付可能であることは勿論である。
部の断熱構造によれば、軸組に、表面側に合成樹脂断熱
材層を、裏面側に易変形断熱材層を有し、所定位置に開
口部が形成されてなる断熱内壁枠が配設され、該断熱内
壁枠の縦目地であって軸組と断熱内壁枠の枠体との間
に、目地断熱材が介設されたものとしたので、軸組と断
熱内壁枠の枠体とが直に接触することがなく、軸組と断
熱内壁枠の枠体との間が熱伝導性の低い目地断熱材によ
り遮断され、屋内から屋外への熱損失を、簡易且つ低コ
ストで抑制できる。また、断熱内壁枠の表面側に合成樹
脂断熱材が、裏面側に易変形断熱材が設けられたことに
より、断熱性能が向上され、且つ、従来と同様の施工性
が維持される。
られた窓枠に、窓枠周縁の隙間を密封する帯状の内断熱
材を貼設したので、窓枠周囲の熱損失及び窓枠に生ずる
結露を抑制することができる。
断熱内壁枠を軸組から離間して固定するための取付部材
が装着され、該取付部材により軸組に固定された断熱内
壁枠の屋内側の縦目地に、帯状の内断熱材が貼設された
ものとしたので、前記取付部材による熱伝導をも遮断す
ることができ、前記断熱構造の断熱性能を更に向上させ
ることができる。
枠体で四囲された空間に合成樹脂断熱材が充填され、少
なくとも、開口部の上方及び下方にある該合成樹脂断熱
材の裏面側に易変形断熱材が覆設されてなるので、断熱
内壁枠の断熱性が向上される。また、合成樹脂断熱材を
併用することにより、断熱内壁枠の厚みを従来と同等の
ものとし、一方、他の部材と当接する裏面側に易変形断
熱材を用いることにより、他の部材に沿って容易に変形
し、従来と同様の施工性が維持される。
は、前記枠体の裏面をも覆うものであり、断熱内壁枠が
軸組に取り付けられた際に、易変形断熱材が軸組と枠体
との間に介在するものとしたので、本断熱内壁枠を用い
た内壁構造において、易変形断熱材が軸組の形状に従っ
て変形し、枠体と軸組との間に熱伝導性の低い易変形断
熱材が介在するものとなる。これにより、前記断熱構造
と同様に、内壁部における屋内から屋外への熱損失を、
簡易且つ低コストで抑制することができ、また、前記目
地断熱材を設ける必要がないので施工を更に容易とする
ことができる。
ば、枠体で四囲された空間に合成樹脂断熱材が充填さ
れ、該合成樹脂断熱材の裏面側に易変形断熱材が覆設さ
れてなるので、窓枠の幅等に合わせて適宜、前記断熱内
壁枠の開口部に取り付けられ、該開口部において前記断
熱内壁枠と同等の断熱性能が発揮される。
00の構成を示す横断面図である。
る。
を示す斜視図であり、(b)は、軸組1に装着された取付
金具102を示す斜視図である。
た状態を示す概略斜視図である。
説明するための模式図及び部分拡大図である。
す拡大斜視図である。
ける前の状態を示す斜視図であり、(b)は、ボルト22
の頭部に押えプレートを嵌めた状態を示す斜視図であ
り、(c)は、押えプレート24にボルト22が相通され
た状態を示す斜視図であり、(d)は、ボルト22をねじ
込む状態を示す斜視図である。
説明するための拡大斜視図である。
成を示す横断面図である。
ある。
る。
示す拡大斜視図である。
を示す横断面図である。
である。
た開口部用横枠106を取り付ける状態を示す斜視図で
あり、(b)は、開口部用横枠106の周囲に気密テープ
を貼り付けた状態を斜視図である。
図である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 建築物の内壁の開口近傍の断熱構造であ
って、 軸組に、表面側に合成樹脂断熱材層を、裏面側に易変形
断熱材層を有し、所定位置に開口部が形成されてなる断
熱内壁枠が配設され、該断熱内壁枠の縦目地であって軸
組と断熱内壁枠の枠体との間に、目地断熱材が介設され
たことを特徴とする内壁部の断熱構造。 - 【請求項2】 内壁部に取り付けられた窓枠に、窓枠周
縁の隙間を密封する帯状の内断熱材が貼設されたことを
特徴とする請求項1に記載の内壁部の断熱構造。 - 【請求項3】 前記軸組に、前記断熱内壁枠を軸組から
離間して固定するための取付部材が装着され、該取付部
材により軸組に固定された断熱内壁枠の屋内側の縦目地
に、帯状の内断熱材が貼設されたことを特徴とする請求
項1又は2に記載の内壁部の断熱構造。 - 【請求項4】 所定位置に開口部を有する断熱内壁枠に
おいて、 枠体で四囲された空間に合成樹脂断熱材が充填され、少
なくとも、開口部の上方及び下方にある該合成樹脂断熱
材の裏面側に易変形断熱材が覆設されてなるものである
ことを特徴とする断熱内壁枠。 - 【請求項5】 前記易変形断熱材は、前記枠体の裏面を
も覆うものであり、断熱内壁枠が軸組に取り付けられた
際に、易変形断熱材が軸組と枠体との間に介在するもの
となることを特徴とする請求項4に記載の断熱内壁枠。 - 【請求項6】 断熱内壁枠の開口部に取付可能な開口部
用横枠であって、 枠体で四囲された空間に合成樹脂断熱材が充填され、該
合成樹脂断熱材の裏面側に易変形断熱材が覆設されてな
るものであることを特徴とする開口部用横枠。
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