JP2003193376A - スエード調人工皮革の染色方法 - Google Patents

スエード調人工皮革の染色方法

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JP2003193376A
JP2003193376A JP2001388095A JP2001388095A JP2003193376A JP 2003193376 A JP2003193376 A JP 2003193376A JP 2001388095 A JP2001388095 A JP 2001388095A JP 2001388095 A JP2001388095 A JP 2001388095A JP 2003193376 A JP2003193376 A JP 2003193376A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色斑がなく全体が均一に染色されていて外観
に優れ、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、耐光堅牢性に優れる
実用価値のあるスエード調人工皮革の染色物の製造方法
の提供。 【解決手段】 ポリエステル繊維不織布と弾性重合体か
らなる基体の片面又は両面にポリエステル極細繊維の立
毛を有するスエード調人工皮革を、分散染料でスエード
調人工皮革を染色し、次いで還元剤で処理して過剰の分
散染料を還元分解して基体表面に露出している弾性重合
体部位を脱色し、必要に応じて酸化剤で酸化洗浄した
後、界面活性剤を含有する熱水を用いて処理して基体を
構成する弾性重合体の内部に存在する染料を弾性重合体
の表面に移行させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊維
不織布と弾性重合体からなるスエード調人工皮革の染色
方法およびそれにより得られる染色されたスエード調人
工皮革に関する。より詳細には、本発明はポリエステル
繊維不織布と弾性重合体よりなる基体の表面にポリエス
テル極細繊維の立毛を有するスエード調人工皮革の染色
方法であって、色斑がなく全体が均一に染色されてい
て、しかも洗濯、摩擦、光などによって色落や変色など
が生じず、その良好な染色状態が長期にわたって維持さ
れ得る、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、耐光堅牢性に優れ
る、実用価値のあるスエード調人工皮革の染色物を製造
するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】極細繊維を用いたスエード調人工皮革
は、ソフトなタッチと風合い、高級な外観を有すること
から、近年、衣料用素材をはじめとして、家具、自動車
などの車両用シートなどの用途に高級素材として用いら
れている。特に、ポリエステル繊維不織布と弾性重合体
よりなる基体の表面にポリエステル極細繊維の立毛繊維
を有するスエード調人工皮革は、ソフトな風合および高
級な外観を有すると共に、耐摩耗性に優れ、しかも水洗
いが可能でイージーケアー性を備えていることから、幅
広く使用されるようになっている。
【0003】表面にポリエステル極細繊維の立毛を有す
る前記スエード調人工皮革の染色は、一般に分散染料を
用いて高温高圧染色により行われている。その場合に、
人工皮革の表面に存在する立毛は、表面積の大きなポリ
エステル極細繊維から形成されていることにより光の乱
反射が起こり易く、染料の染着量が多い割りには白っぽ
くなり発色性が低いため、ポリエステル極細繊維よりな
る立毛部分を所望の色調に染色するには、多量の染料を
用いて染着量を高くする必要がある。その際に、ポリエ
ステル繊維不織布および弾性重合体よりなる基体も同時
に染色されるが、基体を構成するポリウレタンなどの弾
性重合体は分散染料との親和性が小さく、また弾性重合
体は多孔質構造を有していて孔中に染料が多量に含浸充
填された状態になっているため、洗濯時やクリーニング
時、使用時の摩擦などによって染料が脱落して、色落
ち、他の洗濯物の汚染などを生じ易く、また耐光堅牢性
にも劣るという欠点がある。
【0004】上記した問題点の解消を目的として、ポリ
エステル繊維不織布と弾性重合体からなり且つ表面にポ
リエステル極細繊維の立毛を有するスエード調人工皮革
を分散染料で染色した後、化学的還元剤の存在下に水ま
たは熱水中でスエード調人工皮革を揉み処理して弾性重
合体に吸着した染料を脱着・脱色して堅牢性を向上させ
る方法が提案されている(特公昭51−38761号公
報)。しかしながら、この方法による場合は、ポリエス
テル極細繊維の立毛と同じかまたは近似した色調になる
ように弾性重合体を脱色することが困難な場合が多い。
色目によっては、ポリエステル極細繊維の立毛の色調と
基体表面に露出している脱色後の弾性重合体の色調の違
いが大きくなって色斑を生じ、外観不良を招くことにな
る。色斑の発生による外観不良を防止するために、還元
剤の濃度を低くして、弱い条件下に還元処理を行って、
基体を構成する弾性重合体の表面に色目(染料)を残し
ておくことも考えられるが、そのような弱い脱色条件を
採用した場合は、脱色処理後のスエード調人工皮革を洗
濯やクリーニングした時、使用した時に、染料の脱落、
色落ち、それに伴う他の洗濯物の汚染、耐光堅牢性の低
下など問題が依然として残っており、十分に満足のゆく
ものではない。
【0005】上記した問題を解消するために、スエード
調人工皮革の製造に用いる弾性重合体およびポリエステ
ル極細繊維を染顔料を用いて目標とする色調に予め着色
しておき、着色した弾性重合体およびポリエステル極細
繊維を用いてスエード調人工皮革を製造する方法が考え
られる。しかしながら、この方法による場合は、所定の
色調を有する弾性重合体およびポリエステル極細繊維
を、色調ごとに予め製造し在庫しておく必要があり、市
場から要求される多種多様の色調をすべてカバーし得る
ように予めそのような準備をしておくことは現実には不
可能である。かかる点から、ポリエステル繊維不織布と
弾性重合体からなり且つポリエステル極細繊維の立毛を
有するスエード調人工皮革の染色において、基体表面に
露出している弾性重合体の色調と、ポリエステル極細繊
維の立毛の色調および基体を構成するポリエステル繊維
不織布の色調が同じか又は近似していて色斑がなく外観
に優れており、しかも洗濯、摩擦、光などによっても色
落ちや変色がなく堅牢性に優れる実用価値のあるスエー
ド調人工皮革の染色物を確実に且つ簡単に得ることので
きる染色方法が強く求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル繊維不織布と弾性重合体からなる基体の一方ま
たは両方の表面にポリエステル極細繊維よりなる立毛を
有するスエード調人工皮革を染色するに当たって、ポリ
エステル極細繊維の立毛、基体を構成する弾性重合体、
特に基体表面に露出している弾性重合体およびポリエス
テル繊維不織布が同じ色に染色されていて色斑がなく、
スエード調人工皮革全体が均一で良好な色調および外観
を有する染色方法を提供することである。さらに、本発
明の目的は、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、耐光堅牢性など
に優れていて、洗濯、摩擦、光、時間経過などによって
も染料の脱落、変色、退色などがなく、前記した色斑の
ない良好な色調および外観が長期にわたって維持される
実用性のある染色物を、確実に且つ簡単に製造すること
のできる染色方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、ポリエ
ステル繊維不織布および弾性重合体からなる基体の表面
にポリエステル極細繊維の立毛を有するスエード調人工
皮革を分散染料で染色して染色物を製造するに当たっ
て、該スエード調人工皮革を分散染料で染色した後、還
元剤で処理して過剰の分散染料を還元分解し、基体の表
面に露出している弾性重合体部位を脱色するか、または
基体の表面に露出している弾性重合体部位と表面近傍の
弾性重合体部位を脱色し、その後に該脱色後のスエード
調人工皮革を界面活性剤を含有する熱水を用いて処理す
ると、基体を構成する弾性重合体の内側部分に存在して
いた染料または弾性重合体の内部とポリエステル繊維不
織布に存在していた染料が弾性重合体の表面部分に移行
し、ポリエステル極細繊維の立毛の色調、基体表面に露
出している弾性重合体の色調および基体を構成している
ポリエステル繊維不織布の色調が同じか又は近似したも
のになり、色斑のない、均一で良好な色調および外観を
有するようになることを見出した。さらに、本発明者ら
は、界面活性剤を含有する熱水で処理した後の上記スエ
ード調人工皮革は、洗濯、使用時の摩擦などによっても
染料の脱落が生じにくく、また光にも強くて、変色や退
色しにくく、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、耐光堅牢性など
に優れていることを見出した。
【0008】さらに、本発明者らは、還元剤による上記
した脱色処理は、スエード調人工皮革を構成する弾性重
合体中での分散染料の含有量が脱色後の弾性重合体1g
当たり1〜30mgの範囲になるようにして行うと一層
優れた効果が奏されること、また還元剤による脱色処理
後の上記した界面活性剤を含有する熱水での処理は、界
面活性剤を0.5〜3g/dm3の割合で含有する温度
80〜100℃の熱水を用いて行うのが好ましいこと、
スエード調人工皮革の分散染料による染色処理は115
〜150℃の染色浴を用いて行い、その後の還元剤によ
る処理を還元剤を2〜10g/dm3および還元助剤を
1〜10g/dm3の割合で含有する温度50〜80℃
の熱水を用いて行うことが好ましいことを見出した。
【0009】したがって、本発明は、 (1) ポリエステル繊維不織布と弾性重合体からなる
基体の片面または両面にポリエステル極細繊維の立毛を
有するスエード調人工皮革の染色方法であって、 (a)分散染料でスエード調人工皮革を染色する工程; (b)染色したスエード調人工皮革を還元剤で処理し
て、過剰の分散染料を還元分解し、基体の表面に露出し
ている弾性重合体部位を脱色するか、または基体の表面
に露出している弾性重合体部位と表面近傍に位置する弾
性重合体部位を脱色する工程;および、 (c)過剰の分散染料を還元分解してなる前記工程
(b)後のスエード調人工皮革を、界面活性剤を含有す
る熱水を用いて処理して、基体を構成する弾性重合体の
内部に存在する染料、または基体を構成する弾性重合体
の内部とポリエステル繊維不織布中に存在する染料を、
弾性重合体の表面に移行させる工程;を有することを特
徴とするスエード調人工皮革の染色方法である。
【0010】そして、本発明は、 (2) 工程(b)の還元剤処理による脱色後に、基体
を構成する弾性重合体における分散染料の含有量が、脱
色後の弾性重合体1g当たり1〜30mgの範囲になる
条件下で工程(b)の還元剤処理を行う前記(1)の染
色方法; (3) 基体を構成する弾性重合体の内部に存在する染
料、または基体を構成する弾性重合体の内部とポリエス
テル繊維不織布中に存在する染料の弾性重合体表面への
移行が過度にならない条件下で工程(c)の染料の移行
処理を行う前記(1)または(2)の染色方法; (4) 界面活性剤を0.5〜3g/dm3の割合で含
有する温度80〜100℃の熱水を用いて工程(c)の
染料の移行処理を行う前記(1)〜(3)のいずれかの
染色方法;および、 (5) 分散染料を含有する温度115〜150℃の染
色浴を用いて工程(a)の染色を行い、還元剤を2〜1
0g/dm3および還元助剤を1〜10g/dm3の割合
で含有する温度50〜80℃の熱水を用いて工程(b)
を行う前記(1)〜(4)のいずれかの染色方法;であ
る。
【0011】さらに、本発明は、 (6) 前記(1)〜(5)のいずれかの染色方法によ
り得られる染色されたスエード調人工皮革である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で用いるスエード調人工皮革は、ポリエス
テル繊維不織布と弾性重合体からなる基体の片面または
両面にポリエステル極細繊維の立毛を有する。本発明で
用いるスエード調人工皮革では、立毛部はポリエステル
極細繊維からなることが必要であり、また基体を構成す
るポリエステル繊維不織布はポリエステル極細繊維が絡
み合った絡合不織布であることが好ましい。立毛部、お
よび基布を構成するポリエステル繊維不織布の両方をポ
リエステル極細繊維から形成することにより、高級なス
エード調の品位のある外観を有し且つ表面タッチがソフ
トなものにすることができる。立毛部およびポリエステ
ル繊維不織布を構成するポリエステル極細繊維の単繊維
繊度は0.5デシテックス以下であることが好ましく、
0.0005〜0.2デシテックスであることがより好
ましく、0.0001〜0.1デシテックスであること
が更に好ましい。ポリエステル極細繊維の太さ、特に立
毛部を形成するポリエステル極細繊維の太さが、0.5
デシテックスを超えると、高級なスエード調の品位のあ
る外観およびソフトな表面タッチが得られにくくなり、
一方、ポリエステル極細繊維の太さが0.0001デシ
テックス未満であると、染着性が低下して、色調が劣っ
たものになり易い。しかし場合によっては、基体を構成
するポリエステル繊維不織布は、非極細ポリエステル繊
維から形成されていたり、または非極細ポリエステル繊
維を一部含んでいてもよい。
【0013】立毛部を構成するポリエステル極細繊維お
よび基体を構成するポリエステル繊維不織布を形成する
ポリエステルは、繊維形成性のポリエステルであればい
ずれでもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、前記したポリエステル中に5−スルホナトリウ
ム−イソフタル酸などを共重合してなるポリエステルな
どを挙げることができ、ポリエステル極細繊維またはポ
リエステル繊維はこれらのポリエステルの1種または2
種以上から形成されていることができる。
【0014】本発明で用いるスエード調人工皮革におけ
る基布では、ポリエステル繊維不織布の繊維空隙内に弾
性重合体が含有されている。ポリエステル繊維不織布内
に含有させる弾性重合体としては、公知の高分子弾性体
であればいずれも使用でき、例えば、ポリウレタンエラ
ストマー、天然ゴム、SBR、NBR、ポリクロロプレ
ン、ポリイソプレン、クロルスルホン化ポリエチレン、
ポリイソブチレン、イソブチレンイソプレンゴム、アク
リルゴム(アクリル酸エステル系弾性重合体)、ポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性
エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系
熱可塑性エラストマー、塩素系熱可塑性エラストマー、
可塑剤の使用によって弾性化した樹脂(例えば可塑化し
たポリ塩化ビニル、ポリアミドなど)などを挙げること
ができ、これらの1種または2種以上を用いることがで
きる。そのうちでも、弾性重合体としては、ポリウレタ
ンエラストマー(弾性ポリウレタン樹脂)が、弾性回復
性、多孔質化容易性、スエード調人工皮革の風合い、染
色性、耐摩耗性、引張強度などの力学的特性などの点か
ら好ましく用いられる。
【0015】ポリウレタンエラストマーとしては、弾性
を有するポリウレタン樹脂のいずれもが使用できるが、
特に数平均分子量が500〜5000の高分子ジオール
をソフトセグメント成分とし、有機ジイソシアネートを
ハードセグメント成分とし、それらの成分と共に低分子
鎖伸長剤を反応させて得られるセグメント化ポリウレタ
ンが好ましく用いられる。
【0016】セグメント化ポリウレタンの製造に用いる
前記した高分子ジオールとしては、例えば、ジカルボン
酸成分とジオール成分との反応により得られるポリエス
テルジオール、ポリラクトンジオール、ポリカーボネー
トジオール、ポリエステルポリカーボネートジオール、
ポリエーテルジオールなどを挙げることができ、これら
の高分子ジオールの1種または2種以上を用いることが
できる。セグメント化ポリウレタンの製造に用いる高分
子ジオールの数平均分子量が500未満であると、ソフ
トセグメントが短すぎて、ポリウレタンが柔軟性に欠け
たものとなり、天然皮革様のスエード調人工皮革が得ら
れにくくなることがある。一方、該高分子ジオールの数
平均分子量が5000を超えると、ポリウレタン中にお
けるウレタン結合の割合が相対的に減少することによっ
て、耐久性、耐熱性および耐加水分解性などが低下し、
実用的な物性を有するスエード調人工皮革が得られにく
くなる。
【0017】セグメント化ポリウレタンの製造に用いる
有機ジイソシアネートとしては、ポリウレタンの製造に
従来から用いられている有機ジイソシアネートのいずれ
もが使用でき、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソ
シアネートなどの芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチ
レンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
水素化キシリレンジイソシアネートなどの脂環族ジイソ
シアネートなどを挙げることができる。前記した有機ジ
イソシアネートの1種または2種以上を用いることがで
きる。
【0018】セグメント化ポリウレタンの製造に用いる
低分子鎖伸長剤としては、ポリウレタンの製造に従来か
ら用いられている低分子鎖伸長剤、特に分子量が400
以下の低分子鎖伸長剤のいずれもが使用でき、例えば、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、N−メチルジエタノールアミン、1,4−シクロヘ
キサンジオール、ビス−(β−ヒドロキシエチル)テレ
フタレート、キシリレングリコール、1,4−ビス(β
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンなどのジオール類;ヒ
ドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イ
ソホロンジアミン、ピペラジンおよびその誘導体、フェ
ニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミ
ン、アジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジ
ド、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノフェ
ニルメタン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミ
ンなどのジアミン類;アミノエチルアルコール、アミノ
プロピルアルコールなどのアミノアルコール類などを挙
げることができ、これらの1種または2種以上を用いる
ことができる。
【0019】セグメント化ポリウレタンの製造に当たっ
ては、[全イソシアネート基]/[水酸基、アミノ基な
どのイソシアネート基と反応する全官能基]の当量比
が、0.9〜1.1の範囲になるようにして、上記した
高分子ジオール、有機ジイソシアネートおよび低分子鎖
伸長剤を反応させることが、引裂き強力の高いスエード
調人工皮革が得られる点から好ましい。また、ポリウレ
タンの耐溶剤性、耐熱性、耐熱水性などを向上させる目
的で、必要に応じて、トリメチロールプロパンなどの三
官能以上のポリオールや三官能以上のアミン等を反応さ
せてポリウレタン中に架橋構造を持たせてもよい。
【0020】本発明で用いる染色前のスエード調人工皮
革では、天然皮革様の柔軟な風合いが得られる点から、
基体を構成するポリエステル繊維不織布(繊維成分):
弾性重合体の質量比が、30:70〜95:5の範囲内
であることが好ましく、40:60〜85:15の範囲
内であることがより好ましい。繊維成分の割合がスエー
ド調人工皮革の質量に基づいて30質量%未満である
と、ゴムライクな風合いとなり易い。一方、繊維成分の
割合がスエード調人工皮革の質量に基づいて95質量%
を超えると、ポリエステル極細繊維よりなる立毛の脱
落、耐ピリング性の低下などを生じ易くなる。
【0021】スエード調人工皮革の片面または両面にお
ける立毛は、スエード調人工皮革の片方または両方の表
面を、サンドペーパーなどによるバフィングや針布起毛
などにより起毛処理して、ポリエステル繊維不織布を構
成しているポリエステル繊維の一部を立毛として起毛さ
せることによって形成することができる。染色前のスエ
ード調人工皮革における立毛部の立毛長や立毛密度は制
限されず、スエード調人工皮革の用途などに応じて調節
することができるが、一般的には、立毛長が0.05〜
2mm、立毛密度は1000本/cm2以上であること
が好ましい。また、染色前のスエード調人工皮革の厚さ
は、用途などに応じて任意に選択できるが、一般的に
は、立毛部をも含めて0.2〜4mm程度であること
が、風合い、強度などの点から好ましく、0.3〜2m
m程度であることがより好ましい。染色前のスエード調
人工皮革の目付けは、柔軟な風合い、適度な腰感と反発
性を得るために、50〜1000g/m2であることが
好ましく、100〜800g/m2であることがより好
ましい。
【0022】本発明で用いる染色前のスエード調人工皮
革では、その基体において不織布を構成しているポリエ
ステル繊維と弾性重合体とが実質的に接着していないこ
とが好ましい。ポリエステル繊維と弾性重合体とが接着
していないことにより、ポリエステル繊維が弾性重合体
によって拘束されずに動きの自由度が増して、天然皮革
様の柔軟な風合いを得ることができる。
【0023】本発明で用いる染色前のスエード調人工皮
革の製造方法は特に制限されず、従来から既知の方法を
使用して製造することができ、例えば、以下の(i)〜
(iii)の方法を挙げることができる。 (i)ポリエステルおよびポリエステルと相溶しない他
のポリマーを用いて混合紡糸法、海島型複合紡糸法、分
割型複合紡糸法などによってポリエステル極細繊維発生
型繊維を製造し、次いで該ポリエステル極細繊維発生型
繊維を用いて不織布を製造し、それに弾性重合体を含浸
して凝固した後に、ポリエステル極細繊維発生型繊維中
の他のポリマーを溶解、分解などにより除去してポリエ
ステル極細繊維を形成するか、またはポリエステル極細
繊維発生型繊維を分割してポリエステル極細繊維を形成
させ、次いで起毛処理するする方法。 (ii)前記ポリエステル極細繊維発生型繊維を用いて不
織布を製造した後、該ポリエステル極細繊維発生型繊維
中の他のポリマー成分を除去するか又は該ポリエステル
極細繊維発生型繊維を分割してポリエステル極細繊維と
し、それに弾性重合体を含浸・凝固し、次いで起毛処理
する方法。 (iii)メルトブロー法などによって直接得られたポリ
エステル極細繊維を用いて絡合不織布を製造した後に弾
性重合体を含浸・凝固し、次いで起毛処理する方法。
【0024】上記(i)または(ii)の方法で用いるポ
リエステル極細繊維発生型繊維において、溶解除去また
は分解除去される他のポリマーとしては、ポリエステル
極細繊維を形成するポリエステルと溶剤に対する溶解性
または分解剤に対する分解性を異にし、ポリエステルと
相溶性が低く且つ溶融紡糸条件下でポリエステルよりも
溶融粘度が小さいか又は表面張力の小さいポリマーが好
ましく用いられる。そのようなポリマーとしては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリス
チレン、スチレン−アクリル系モノマー共重合体、スチ
レン−エチレン共重合体などを挙げることができ、ポリ
エステル極細繊維発生型繊維は、これらの他のポリマー
の1種または2種以上を用いて形成されていることがで
きる。
【0025】また、上記(i)または(ii)の方法で用
いるポリエステル極細繊維発生型繊維は、極細繊維化後
のポリエステル極細繊維の単繊維繊度を0.5デシテッ
クス以下、特に0.2デシテックス以下とするために、
貼合わせ型(分割型)繊維であるよりは、ポリエステル
を島成分として他のポリマーを海成分とする海島型の繊
維(海島型複合紡糸繊維または海島型混合紡糸繊維)で
あることが工程上有利である。
【0026】上記(i)の方法によって立毛を有するス
エード調人工皮革を製造するに当たっては、例えば、以
下の方法を採用することができる。 (a) ポリエステル極細繊維発生型繊維に延伸、捲
縮、カットなどの処理を施して綿様の形態にする。それ
をカードで開繊した後、ランダムウェバーやクロスラッ
プウェバーなどによりウェブとし、必要に応じて所望の
目付けになるように該ウェブを積層する。ウェブの目付
けはスエード調人工皮革の用途などにより異なるが、一
般的には100〜1000g/m2であることが好まし
い。
【0027】(b) 次いで、例えば、ニードルパンチ
ング法、高圧水流法などの公知の手段を用いて絡合処理
を行って三次元絡合不織布を製造する。また、スエード
調人工皮革の伸び強力の調整、目付けや厚みの調整、そ
の他の目的により、ウェブ形成後から絡合処理完了まで
のいずれかの段階で、織編物、異なる繊維の不織布、フ
ィルムなどのシート状物を、絡合不織布に積層して一体
化してもよい。但し、三次元絡合不織布は最終的に表面
が毛羽立てられ、立毛表面が形成されることとなること
から、その表面はポリエステル極細繊維発生型繊維から
形成されていることが必要であり、三次元絡合不織布全
体がポリエステル極細繊維発生型繊維から形成されてい
ることが好ましい。また、三次元絡合不織布は、表面平
滑な基体とするために、弾性重合体の含浸前に加熱プレ
ス処理などにより表面平滑化することが好ましい。弾性
重合体を含浸する前(加熱プレス後)の三次元絡合不織
布の目付は150〜1000g/m2の範囲内にあるこ
とが好ましく、厚みは1.0〜3.0mm程度であるこ
とが好ましい。三次元絡合不織布の目付が150g/m
2未満であると、弾性重合体の含浸移行の工程で伸びな
どが生じて形態の変化が大きくなり易く、得られる製品
に歪みが残ったり、面感不良を招き易い。一方、三次元
絡合不織布の目付が1000g/m2を超えると、弾性
重合体の含浸や凝固工程、ポリエステル極細繊維発生型
繊維から他のポリマーを除去してポリエステル極細繊維
を形成させる工程などにおいて工程速度が遅くなり、実
用性を欠いたものになり易い。また、加熱プレス後の三
次元絡合不織布の厚みが1.0mm未満であると、弾性
重合体の含浸移行の工程で伸びなどが生じて形態の変化
が大きくなり易く、得られる製品に歪みが残ったり、面
感不良を招き易い。一方、三次元絡合不織布の厚みが
3.0mmを超えると、厚いために巻き取る際に表面に
折れしわを生じ易くなる。
【0028】(c) 続いて、上記(b)で得られた三
次元絡合不織布に上記した弾性重合体を含有させる。弾
性重合体の付与方法は特に制限されず、弾性重合体の溶
液または分散液中に三次元絡合不織布を浸漬して弾性重
合体を含浸させた後にニップする方法、三次元絡合不織
布上に弾性重合体溶液を付与し高速回転するロールで摺
りこむ方法などが挙げられる。風合いのバランスなどの
点から、弾性重合体の溶液または分散液を三次元絡合不
織布に含浸した後、湿式法または乾式法により凝固(固
化)する方法が好ましく採用される。弾性重合体の溶液
または分散液には、必要に応じて、顔料、染料などの着
色剤、凝固性調節剤、酸化防止剤、分散剤などの添加剤
を添加することができる。三次元絡合不織布における弾
性重合体の含有割合は、柔軟な風合および弾性回復性の
点から、極細繊維化する前の状態で、三次元絡合不織布
と弾性重合体の合計質量に対して10質量%以上である
ことが好ましく、30〜50質量%であることがより好
ましい。弾性重合体の含有量が10質量%未満である
と、緻密な多孔質構造が形成されず、基体表面を起毛し
て立毛を形成させる際に、ポリエステル極細繊維よりな
る立毛を基体に十分に固定できにくくなり、しかも弾性
重合体部の緻密性欠如により表面平滑性が低下して立毛
面が平滑になりにくくなる。
【0029】(d) 次に、弾性重合体を含有させた三
次元絡合不織布をポリエステル極細繊維発生型繊維中の
他のポリマー成分を選択的に溶解または分解する溶剤ま
たは分解液で処理してポリエステル極細繊維発生型繊維
から他のポリマー成分を除去してポリエステル極細繊維
束にするか、或いは弾性重合体を含有させた三次元絡合
不織布に機械的処理または化学的処理を施してポリエス
テル極細繊維発生型繊維におけるポリエステル成分と他
のポリマー成分をその界面で剥離させてポリエステル極
細繊維を含む極細繊維束に変性して、ポリエステル極細
繊維を含む絡合不織布内に弾性重合体が含有されたシー
ト状物とする。この極細繊維束の形成に当たって、極細
繊維発生型繊維としてポリエステルを島成分とする海島
構造繊維を用いて島成分をポリエステル極細繊維として
残留させる場合は、ポリエステル極細繊維(束)と弾性
重合体とが実質的に接着していない構造となり、ポリエ
ステル極細繊維束が弾性重合体に拘束されていないこと
により構造内での動きの自由度が増すことから、天然皮
革様の柔軟性に優れるスエード調人工皮革を得ることが
できる。
【0030】(e) 次いで、上記(d)で得られたシ
ート状物を、必要に応じて厚み方向に複数枚に切断(ス
ライス)したり、バッフィングして所定の厚みにした
後、さらに必要に応じて弾性重合体の溶剤と非溶剤の混
合液をシート状物の表面に塗布して弾性重合体の表面部
分を溶解させ立毛長を調整し、その後に片方または両方
の表面をサンドペーパー等によるバッフィング、針布起
毛などにより起毛し、さらに必要に応じて整毛して、ス
エード調人工皮革の染色前生地を形成させる。
【0031】ポリエステル極細繊維発生型繊維から不織
布を製造し極細繊維化した後に弾性重合体を含有させる
上記(ii)の方法、および既に極細化されたポリエステ
ル極細繊維を用いて絡合不織布を製造しそれに弾性重合
体を含有させる上記(iii)の方法による場合も、絡合
不織布の製造、絡合不織布への弾性重合体の含浸、起毛
処理などを、上記(i)の方法におけるのと同様にして
行うことができる。上記(ii)または(iii)の方法で
は、ポリエステル極細繊維製の絡合不織布に弾性重合体
を含浸して凝固させる前に水溶性樹脂を絡合不織布に予
め付与しておき、弾性重合体の含浸・凝固後に水溶性樹
脂を水で溶解除去するようにすると、極細繊維と弾性重
合体との接着が防止または低減されて極細繊維の動きの
自由度が増して、柔軟性の向上したスエード調人工皮革
を得ることができる。また、上記(i)の方法において
も、絡合不織布に弾性重合体を含浸して凝固させる前に
水溶性樹脂を絡合不織布に付与しておき、弾性重合体の
含浸・凝固後に該水溶性樹脂を水で溶解除去する方法を
用いてもよく、これにより得られるスエード調人工皮革
の柔軟性が一層向上する。
【0032】本発明では、上記のようにして製造された
スエード調人工皮革を分散染料によって染色する。分散
染料の種類は特に制限されず、ポリエステル繊維と弾性
重合体からなるこの種のスエード調人工皮革において従
来から用いられている分散染料のいずれもが使用でき、
例えば、アミノアゾベンゼン系、アントラキノン系、ニ
トロジフェニルアミン誘導体などのニトロアリールアミ
ン系の分散染料を挙げることができる。
【0033】分散染料によるスエード調人工皮革の染色
は、高温高圧染色機を用いて高温下で行うことが望まし
く、一般に115〜150℃、特に120〜140℃の
染色温度が好ましく採用される。また染色時間は一般に
30〜120分間が好ましい。染色温度が115℃未満
であったり、染色時間が短すぎると、ポリエステル繊維
中に分散染料が十分に拡散せず染色が不十分になり易
い。一方、染色温度が150℃を超えたり、染色時間が
長すぎると、基体を構成している弾性重合体が高温高圧
染色中に加水分解して、基体の強度低下、立毛の脱落、
ピリングの発生などが生じやすくなる。スエード調人工
皮革の染色は、分散染料を水系媒体中に分散させた染色
浴中にスエード調人工皮革を浸漬して行うことが好まし
い。その際に、分散染料を染色浴中に安定に分散させて
均一な染色が行われるように、染色浴中に分散剤を存在
させておくことが好ましい。分散剤としては、例えば、
芳香族スルホン酸塩などのアニオン系界面活性剤および
非イオン系界面活性剤の少なくとも1種が好ましく用い
られる。また、染色浴中には、必要に応じてpH調整
剤、金属イオン封鎖剤などを含有させておいてもよい。
染色時の浴比は、スエード調人工皮革生地の質量に対し
て10〜40倍が適当である。また、染色浴における分
散染料の濃度は、1〜35%owfが好ましい。分散染
料の濃度が1%owf未満であると、染色物の色調が薄
くなって本発明の効果が現れにくくなり、一方35%o
wfを超えると染色物の洗濯堅牢性、摩擦堅牢性などが
低くなり、実用性が低下し易い。
【0034】ポリエステル繊維不織布と弾性重合体より
なる基体の表面にポリエステル極細繊維の立毛を有する
スエード調人工皮革は、カチオン染料やその他の反応性
染料を用いても染色は可能であるが、それらの反応性染
料は繊維中の特定部位に結合するため、染色物を還元剤
で処理して弾性重合体表面を脱色した後に界面活性剤で
処理しても、染料が弾性重合体の表面に移行せず、本発
明の効果を奏することができない。
【0035】次いで、染色したスエード調人工皮革を還
元剤を用いて処理して、過剰の分散染料を還元分解し
て、基体の表面に露出している弾性重合体部位を脱色す
るか、または基体の表面に露出している弾性重合体部位
と表面近傍の弾性重合体部位を脱色する。還元剤として
は、ポリエステル染色繊維の還元洗浄に一般に使用され
ている還元剤のいずれもが使用でき、具体例としては、
二酸化チオ尿素、ハイドロサルファイトナトリウム、ハ
イドロサルファイトカルシウムなどのハイドロサルファ
イト系化合物、亜鉛スルホキシレートアルデヒド、ナト
リウムスルホキシレートアルデヒド、セチルトリメチル
アンモニウムブロマイド、オクタデシルピリジニウムブ
ロマイド、酸性亜硫酸ナトリウムなどを挙げることがで
きる。また、還元処理に当たっては、還元助剤(例えば
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ、非
イオン系界面活性剤など)を用いることが、還元処理を
円滑に行えることから好ましい。
【0036】還元処理は、ポリエステル繊維不織布と弾
性重合体からなる基体の表面に露出している弾性重合体
部位が脱色されるか、または基体の表面に露出している
弾性重合体部位と表面近傍の弾性重合体部位が脱色され
て、染色前の弾性重合体の色調とほぼ同じ色調になるよ
うな条件で行うことが好ましい。基体を構成する弾性重
合体の表面部位または表面近傍部位のみならず、弾性重
合体の全体または深部までが脱色されるような過度の還
元処理を行うと、次工程で界面活性剤を含有する熱水を
用いて処理を行っても、弾性重合体の表面に染料を移行
させ得なくなり、最終的に得られるスエード調人工皮革
に色斑が発生し、外観に劣ったものとなる。一方、還元
処理が不十分で、基体の表面に露出している弾性重合体
部位や弾性重合体の表面近傍部位に染料が脱色されずに
多く残っていると、次工程で界面活性剤を含有する熱水
を用いて染料の移行処理を行ったときに、弾性重合体の
表面部分に過剰の染料が存在するようになり、洗濯した
際や使用時などに染料の脱落、変色、退色などが生じ、
洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、耐光堅牢性などに劣ったもの
となる。
【0037】一般的には、基体の表面に露出している弾
性重合体部位および表面近傍に位置する弾性重合体部位
が染色前とほぼ同じ色調にまで脱色されていて、且つス
エード調人工皮革を構成する弾性重合体での分散染料の
含有量が、還元処理後(脱色後)の弾性重合体1g当た
り1〜30mgの範囲になるようにして還元処理を行う
ことが好ましく、1〜10mgの範囲になるようにする
のがより好ましい。そのような還元状態(脱色状態)を
得るための還元条件は、分散染料の種類、弾性重合体の
種類、基体の厚さ、還元剤の種類、還元助剤の種類など
に応じて異なり得るが、一般的には、還元剤を2〜10
g/dm3および還元助剤を1〜10g/dm3の割合で
含有する温度50〜80℃の熱水を用いて行うと上記し
た好ましい還元・脱色状態とすることができる。還元処
理は、スエード調人工皮革を熱水中に静置状態で浸漬し
て行っても、またはスエード調人工皮革を熱水中で揉み
ながら行ってもよく、そのうちでも熱水中で揉みながら
行うことが好ましい。
【0038】還元剤を用いて基体の表面に露出している
弾性重合体部位、または基体の表面に露出している弾性
重合体部位と表面近傍の弾性重合体部位における染料を
還元分解して脱色したスエード調人工皮革は、そのまま
で次の界面活性剤を含有する熱水を用いる染料の移行処
理に付してもよいが、その前に酸化剤を含む液で処理
(酸化洗浄)して、スエード調人工皮革に残留している
還元剤を除去しておくことが、次の染料の移行処理を円
滑に行うことができ、また得られるスエード調人工皮革
の洗濯堅牢性などの物性が良好になることから好まし
い。洗浄(酸化洗浄)を行うための酸化剤を含む液とし
ては、還元剤で脱色処理を行った後のスエード調人工皮
革に残留している還元剤を酸化して除去できるものであ
ればいずれでもよく、例えば、過酸化水素水、過酢酸、
次亜塩素酸ナトリウムなどを挙げることができる。スエ
ード調人工皮革の酸化処理は、酸化剤を含有する洗浄浴
中に還元処理後のスエード調人工皮革を浸漬させて、温
度50〜90℃で行うことが好ましく、それによってス
エード調人工皮革に残留している還元剤を円滑に酸化除
去することができる。
【0039】次いで、酸化処理を行ったスエード調人工
皮革を、必要に応じてさらに水などを用いて洗浄した
後、界面活性剤を含有する熱水で処理して、基体を構成
する弾性重合体の内部に存在する分散染料、または弾性
重合体の内部とポリエステル繊維不織布中に存在する分
散染料を、弾性重合体の表面にまで移行させて、基体の
表面に露出している弾性重合体部位または基体の表面に
露出している弾性重合体部位と表面近傍の弾性重合体部
位を再度染色する。この染料の移行処理に用いる界面活
性剤としては、分散染料による染色時に用いたのと同様
の界面活性剤を使用することができ、例えば、芳香族ス
ルホン酸塩類などのアニオン系界面活性剤および非イオ
ン系界面活性剤の1種または2種以上を使用することが
でき、具体例としては、日本化薬株式会社製「KPレベ
ラーAUL」(芳香族スルホン酸塩誘導体)などを挙げ
ることができる。
【0040】染料の移行処理に用いる熱水の温度および
熱水中での界面活性剤の含有量は、分散染料の種類、基
体を構成する弾性重合体の種類、界面活性剤の種類、弾
性重合体における分散染料の含有量、基体の厚さなどに
応じて調整し得るが、一般的には熱水1dm3当たり界
面活性剤を0.5〜3gの割合で含有する温度80〜1
00℃の熱水を用いることが好ましい。熱水中での界面
活性剤の含有量が0.5g/dm3未満であると、基体
を構成する弾性重合体の内部、または弾性重合体の内部
とポリエステル繊維不織布中から弾性重合体表面への染
料移行が不十分になり色斑を生じ易くなり、一方3g/
dm3を超えて使用しても効果に大差がなく、コスト的
に不利になり易い。また、熱水の温度が80℃未満であ
ると、基体を構成する弾性重合体の内部または弾性重合
体の内部とポリエステル繊維不織布中から弾性重合体表
面への染料移行が不十分になり色斑を生じ易くなり、一
方100℃を超えると弾性重合体の内部などから表面へ
の染料移行が過多になり、洗濯堅牢性、耐光堅牢性、耐
光堅牢性などが低下したものになり易い。
【0041】また、界面活性剤を含有する熱水による処
理時間は、熱水に含まれる界面活性剤の種類や量、熱水
の温度、移行処理時の操作(例えば揉み処理の有無等)
などに応じて調整できるが、界面活性剤を前記した0.
5〜3g/dm3で含有し且つ温度が80〜100℃の
熱水を用いて行う場合は、一般に5〜60分程度の処理
時間で、染料が弾性重合体の表面にまで良好に移行し、
色斑のない、全体に均一な色調を有する、外観に優れる
スエード調人工皮革の染色物を得ることができる。
【0042】最後に、常温の水または温水を用いて洗浄
した後、乾燥し、必要に応じて撥水処理、整毛処理など
の仕上げ処理を行う。それによって、ポリエステル極細
繊維の立毛部、基体を構成するポリエステル繊維不織布
および弾性重合体がほぼ同色に均一に染色されていて、
全体の色調が均一で、良好な外観を有する本発明のスエ
ード調人工皮革を得ることができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定され
るものではない。以下の例中、特に断らない限り、部は
質量部を、%は質量%を示す。以下の例において、洗濯
堅牢度、摩擦堅牢度および耐光堅牢度は、それぞれJI
S L0844(A法)、JIS L0849およびJ
IS L0842に規定されている測定法に準じて評価
した。
【0044】《実施例1》 (1) ポリエチレンテレフタレート(相対粘度=0.
65)を島成分とし、直鎖状低密度ポリエチレン(温度
190℃で測定したMFR=40g/10分)を海成分
とする海島型複合繊維[島成分:海成分=60:40
(質量比)、島数=20、繊度=4.0デシテックス、
繊維長=51mm、捲縮数=12山/2.54cm]を
用いて常法によりニードルパンチ不織布(厚さ=1.3
mm、目付=530g/m2)を製造した。 (2) 上記(1)で得られた絡合不織布に、ポリエー
テル系ポリウレタン(大日本インキ化学工業株式会社製
「CRISVON 1367」)の15%ジメチルホル
ムアミド(DMF)溶液を含浸させ、DMF/水(1/
5質量比)混合溶液を用いて湿式凝固し、水洗した後、
85℃のトルエンを用いて海成分であるポリエチレンを
抽出除去して、人工皮革用基体(目付=480g/
2、厚さ=1.0mm)を製造した。 (3) 上記(2)で得られた人工皮革用基体の片面を
180番のサンドペーパーによりバフィングして厚さを
0.8mmにした後、反対側の面に、DMF/アセトン
(30/70質量比)混合溶媒を200メッシュのグラ
ビアロールを用いて8g/m2の割合で塗布して乾燥
し、混合溶媒の塗布面を240番のサンドペーパーで2
回および400番のサンドペーパーで2回順次バフィン
グし、混合溶媒塗布後のバフィング面にポリエステル極
細繊維(単繊維繊度=0.05〜0.15デシテック
ス)の立毛を有し且つポリエステル極細繊維不織布とポ
リウレタンからなる基体を有するスエード調人工皮革の
染色前生地を得た。
【0045】(4) 上記(3)で得られたスエード調
人工皮革生地を、80℃の熱水中に20分間湯通しして
熱水になじませると共に生地をリラックスさせた後、高
圧液流染色機(株式会社日阪製作所製のサーキュラー染
色機)を使用し、下記の表1に示す条件で染色した。
【0046】
【表1】
【0047】(5) 上記(4)の染色処理の結果、ス
エード調人工皮革では、ポリエステル極細繊維の立毛
部、基体を構成するポリエステル極細繊維不織布および
ポリウレタンのいずれもが鮮やかなエンジ色に染色され
ていた。 (6) 上記(4)で使用した高圧液流染色機から染色
液を排出させ、代わりに該染色機に、二酸化チオ尿素
(還元剤)を7g/dm3および水酸化ナトリウム(還
元助剤)を3g/dm3の割合で含有する温度65℃の
熱水を入れ、そこに上記(5)で得られた染色後のスエ
ード調人工皮革を入れて(浴比=1:30)、液流状態
で30分間還元処理を行った後、スエード調人工皮革を
染色機から取り出した。還元処理後のスエード調人工皮
革では、ポリエステル極細繊維の立毛部は還元処理前よ
りも少し薄いエンジ色を呈し、一方基体の表面に露出し
ているポリウレタン部分および表面近傍のポリウレタン
部分がほぼ白色に脱色され、また基体を構成するポリエ
ステル繊維不織布は還元処理前よりも少し薄いエンジ色
を呈していて、色斑のある品位の劣った外観を有してい
た。
【0048】(7) 高圧液流染色機から還元処理液を
排出し、代わりに該染色機に過酸化水素含量3g/dm
3およびソーダ灰含量3g/dm3である温度70℃の熱
水を入れ、そこに上記(6)で得られた還元処理したス
エード調人工皮革を入れて(浴比=1:30)、液流下
に20分間酸化処理を行った。 (8) 染色機から酸化処理液を排出し、代わりに該染
色機に界面活性剤(日本化薬株式会社製「KPレベラー
AUL」、芳香族スルホン酸塩系界面活性剤)を1g/
dm3および酢酸を1g/dm3の割合で含有する温度9
0℃の熱水を投入して(浴比=1:30)、液流下に1
0分間処理を行って基体を構成するポリウレタンの内部
に存在していた染料の一部をポリウレタン表面にまで移
行させた。次いで、染色機よりスエード調人工皮革を取
り出して乾燥、撥水処理(撥水剤;大日本インキ化学工
業株式会社製「ディックガードF−90C」)および整
毛処理を順に行って、スエード調人工皮革の染色物を得
た。 (9) 上記(8)で得られたスエード調人工皮革の染
色物は、ポリエステル極細繊維の立毛部並びに基体を構
成するポリエステル極細繊維不織布およびポリウレタン
のいずれもが、ほぼ同色のエンジ色に染色されていて色
斑がなく、全体に均一な色調を呈し、高級な外観を有し
ていた。得られたスエード調人工皮革の染色物の洗濯堅
牢度、摩擦堅牢度および耐光堅牢度は以下の表2に示す
とおりであり、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性および耐光堅牢
性に優れており、実用価値の高いものであった。
【0049】《実施例2》 (1) 実施例1の(1)〜(7)と同様にして、染色
前のスエード調人工皮革生地の製造、染色処理、還元処
理および酸化処理を順に行った。 (2) 上記(1)で得られた酸化処理後のスエード調
人工皮革を、実施例1で使用した高圧液流染色機を用い
て、界面活性剤を含有せず酢酸のみを1g/dm 3の割
合で含有する温度60℃の熱水中で10分間処理した。
その結果、この処理後のスエード調人工皮革は、ポリエ
ステル極細繊維の立毛部と基体を構成するポリエステル
繊維不織布は還元処理前よりも少し薄いエンジ色を呈
し、一方基体の表面に露出しているポリウレタン部分お
よび表面近傍のポリウレタン部分がほぼ白色に脱色され
ていて、依然として色斑のある品位の劣った外観のまま
であった。 (3) 上記(2)の処理後に、高圧液流染色機内の熱
水に界面活性剤(日本化薬株式会社製「KPレベラーA
UL」、芳香族スルホン酸塩系界面活性剤)を1g/d
3になるような量で加えて、液温90℃で液流下に2
0分間処理を行った後、染色機から取り出し、乾燥、撥
水処理(撥水剤;大日本インキ化学工業株式会社製「デ
ィックガードF−90C」)および整毛処理を順に行っ
た。 (4) 上記(3)で得られたスエード調人工皮革は、
ポリエステル極細繊維よりなる立毛部並びに基体を構成
するポリエステル極細繊維不織布およびポリウレタンの
いずれもが、ほぼ同色のエンジ色に染色されていて色斑
がなく、スエード調人工皮革全体の染色状態が均一で、
高級な外観を有していた。得られたスエード調人工皮革
の洗濯堅牢度、摩擦堅牢度および耐光堅牢度は以下の表
2に示すとおりであり、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性および
耐光堅牢性に優れており、実用価値の高いものであっ
た。
【0050】《比較例1》実施例1の(8)の染料のポ
リウレタン表面への移行処理を行わなかった以外は実施
例1と同様の処理を行った。その結果、最終的に得られ
たスエード調人工皮革では、ポリエステル極細繊維より
なる立毛部および基体中のポリエステル極細繊維不織布
はエンジ色に染色されていたが、基体を構成するポリウ
レタン表面は脱色されたままのほぼ白色状態を呈してい
て、ポリウレタン内部の染料が表面に移行していないた
めに、スエード調人工皮革全体では色斑のある、不均一
な色調の、品位に劣る外観であった。また、この比較例
1で得られたスエード調人工皮革の洗濯堅牢度、摩擦堅
牢度および耐光堅牢度は以下の表2に示すとおりであっ
た。
【0051】《比較例2》実施例1の(6)〜(8)の
工程(還元処理工程、酸化処理工程および染料の基体表
面への移行処理工程)を行わなかった以外は、実施例1
と同様の処理を行った(染色処理工程まで行った)。そ
の結果、最終的に得られたスエード調人工皮革では、ポ
リエステル極細繊維よりなる立毛部、基体中のポリエス
テル極細繊維不織布および基体を構成するポリウレタン
のいずれもがエンジ色に染色されていて、ほぼ均一な外
観を有していた。しかしながら、この比較例2で得られ
たスエード調人工皮革の洗濯堅牢度、摩擦堅牢度および
耐光堅牢度を上記した方法で評価したところ、以下の表
2に示すように、洗濯堅牢性および摩擦堅牢性に劣って
いた。
【0052】
【表2】
【0053】《参考例1》実施例1の(8)の染料の基
体表面への移行処理に当たって、処理液の温度を120
℃に変えた以外は実施例1と同様の処理を行った。その
結果、最終的に得られたスエード調人工皮革では、基体
を構成するポリウレタン内部の染料がポリウレタン表面
に移行していて、ポリエステル極細繊維よりなる立毛部
並びに基体を構成するポリエステル極細繊維不織布およ
びポリウレタンはほぼ同じエンジ色に染色されており、
色斑がなく、スエード調人工皮革全体の染色状態が均一
な高級な外観を有していた。但し、このスエード調人工
皮革の洗濯堅牢度(退色)は3〜4級、洗濯堅牢度(汚
染)は2級、摩擦堅牢度(乾)4級、摩擦堅牢度(湿)
2〜3級、耐光堅牢度は3級であり、洗濯堅牢性、摩擦
堅牢性および耐光堅牢性の点では、実施例1および2に
比べて劣っていた。これは、基体を構成するポリウレタ
ン内部の染料をポリウレタン表面に移行させる際の処理
条件(この参考例1の場合は液温)が高すぎたために、
ポリウレタン表面への染料の移行が過度になったことに
よるものと考えられる。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法でスエード調人工皮革を製
造すると、ポリエステル極細繊維の立毛、基体を構成す
る弾性重合体、特に基体表面に露出している弾性重合
体、および基体を構成するポリエステル繊維不織布が、
同じ色に染色されていて色斑がなく、スエード調人工皮
革全体が均一で良好な色調を有し、外観に優れるスエー
ド調人工皮革の染色物を、簡単な操作で円滑に得ること
ができる。しかも、本発明の方法で得られるスエード調
人工皮革の染色物は、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性、耐光堅
牢性などの堅牢性に優れていて、洗濯、摩擦、光、時間
経過などによって、染料の脱落、変色、退色などがな
く、前記した色斑のない良好な色調および外観を長期に
わたって維持することができ、実用価値に極めて優れて
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牧村 勝 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株式 会社クラレ内 (72)発明者 田村 聡 新潟県見附市葛巻1丁目2番16号 Fターム(参考) 4F055 AA02 BA12 DA07 EA04 EA07 EA12 EA24 EA34 FA18 GA02 HA04 HA19 HA22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維不織布と弾性重合体か
    らなる基体の片面または両面にポリエステル極細繊維の
    立毛を有するスエード調人工皮革の染色方法であって、 (a)分散染料でスエード調人工皮革を染色する工程; (b)染色したスエード調人工皮革を還元剤で処理し
    て、過剰の分散染料を還元分解し、基体の表面に露出し
    ている弾性重合体部位を脱色するか、または基体の表面
    に露出している弾性重合体部位と表面近傍に位置する弾
    性重合体部位を脱色する工程;および、 (c)過剰の分散染料を還元分解してなる前記工程
    (b)後のスエード調人工皮革を、界面活性剤を含有す
    る熱水を用いて処理して、基体を構成する弾性重合体の
    内部に存在する染料、または基体を構成する弾性重合体
    の内部とポリエステル繊維不織布中に染料を、弾性重合
    体の表面に移行させる工程;を有することを特徴とする
    スエード調人工皮革の染色方法。
  2. 【請求項2】 工程(b)の還元剤処理による脱色後
    に、基体を構成する弾性重合体における分散染料の含有
    量が、脱色後の弾性重合体1g当たり1〜30mgの範
    囲になる条件下で工程(b)の還元剤処理を行う請求項
    1に記載の染色方法。
  3. 【請求項3】 基体を構成する弾性重合体の内部に存在
    する染料、または基体を構成する弾性重合体の内部とポ
    リエステル繊維不織布中に存在する染料の弾性重合体表
    面への移行が過度にならない条件下で工程(c)の染料
    の移行処理を行う請求項1または2に記載の染色方法。
  4. 【請求項4】 界面活性剤を0.5〜3g/dm3の割
    合で含有する温度80〜100℃の熱水を用いて工程
    (c)の染料の移行処理を行う請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の染色方法。
  5. 【請求項5】 分散染料を含有する温度115〜150
    ℃の染色浴を用いて工程(a)の染色を行い、還元剤を
    2〜10g/dm3および還元助剤を1〜10g/dm3
    の割合で含有する温度50〜80℃の熱水を用いて工程
    (b)を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の染色
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の染
    色方法により得られる染色されたスエード調人工皮革。
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