JP2003193239A - ガラス膜の形成方法及びガラス膜形成装置 - Google Patents

ガラス膜の形成方法及びガラス膜形成装置

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JP2003193239A
JP2003193239A JP2001400819A JP2001400819A JP2003193239A JP 2003193239 A JP2003193239 A JP 2003193239A JP 2001400819 A JP2001400819 A JP 2001400819A JP 2001400819 A JP2001400819 A JP 2001400819A JP 2003193239 A JP2003193239 A JP 2003193239A
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glass
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Seiichi Kashimura
誠一 樫村
Kentaro Ohira
健太郎 大平
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜途中の真空容器内壁のクリーニング工程
を省略して製造効率を大幅に向上できる新規なガラス膜
の形成方法及びガラス膜形成装置の提供。 【解決手段】 真空容器1内に収容された基板6上にガ
ラス膜を形成するに際し、予め上記真空容器1の内壁を
上記ガラス膜とほぼ同じ組成からなるシールド板5で覆
ってからガラス膜を形成する。これによって、真空容器
1内壁に付着堆積した膜の剥離がなくなって真空容器1
内のクリーニング作業が不要となるため、製造効率が大
幅に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野等にお
いて不可欠な光導波路等を製造する際して平面基板上に
ガラス膜を形成するための方法及びその装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来のプラズマCVD装置を示し
たものであり、図中1は真空容器、2は上部シャワー電
極板、3は下部電極板、4a,4bはこれら各電極板
2,3を加熱するヒータ、6は石英ガラス基板、7は真
空排気系、8は材料ガス導入系、9は高周波電源であ
る。
【0003】このようなプラズマCVD装置を用いて石
英ガラス基板6上にガラス膜を形成するには、先ず、石
英ガラス基板6を下部電極板3上にセットし、真空容器
1内を真空排気系7によって真空に排気した後、加熱ヒ
ータ4a,4bをオンにして上部シャワー電極板2,下
部電極板3及びその上に置かれた石英ガラス基板6を加
熱し、昇温する。続いて真空容器1内の真空度が安定し
たところで材料ガス導入系8を通して上部シャワー電極
板2から真空容器1内にガラス膜の材料ガスであるTE
OS(テトラエトキシシラン)とO2の混合ガスを導入
する。尚、この時の流量は真空容器1の容積によって異
なるが、ガス圧は10〜50Pa付近である。
【0004】そして、真空容器1内のガス圧が安定した
ならば高周波電源9による上部シャワー電極板3に電力
を供給して上下電極板2,3間にプラズマを発生させる
と、このプラズマ中でTEOS及びO2が分解し、反応
してガラス基板6表面に堆積し、ガラス膜が形成される
ことになる。この時、ガラス膜の屈折率を調整するため
に、材料ガスとしてB(ボロン)やP(リン),Ge
(ゲルマニウム),Ti(チタン)等の有機金属化合物
を同時に添加することも行われている。また、SiH4
(モノシラン)とO2ガスを主原料としてガラス膜を形
成することもある。さらに、一般に最近普及され始めて
いる光導波路用のコアやクラッドとなるガラス膜等の場
合は、その膜厚は数μm〜20μmと厚い膜の形成が必
要となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のプラズマCVD装置及びプラズマCVD法を用い
て膜厚が厚いガラス膜を形成した場合、石英ガラス基板
6の表面以外の部分、すなわち真空容器1の内壁や下部
電極板3の露出部分にも同様にガラス膜が付着堆積する
が、その膜厚が徐々に厚くなってくるとこの余分なガラ
ス膜の一部がその内壁剥離して石英ガラス基板6側のガ
ラス膜中に異物として混入してしまうといった問題が発
生することがある。尚、石英ガラス基板6側のガラス膜
中に異物が混入すると光導波路を作成した場合にこれが
断線の要因となり、損失特性が著しく劣化してしまう。
【0006】そのため、従来ではある一定量のガラス膜
を形成した時点で一旦成膜作業を中断してNF3やCH
3等といったガスプラズマを用いて内壁に付着堆積し
た余分なガラス膜を完全にエッチング除去するといった
クリーニング作業を行っているが、この作業には成膜時
間以上の時間と手間を要することから、製造効率が低い
といった問題点がある。
【0007】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、成
膜途中の真空容器内壁のクリーニング工程を省略して製
造効率を大幅に向上させることができる新規なガラス膜
の形成方法及びガラス膜形成装置を提供するものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、真空容器内に収容された基板上にガラス膜
を形成するに際し、予め上記真空容器の内壁を上記ガラ
ス膜とほぼ同じ組成からなるシールド部材で覆ってから
ガラス膜を形成することを特徴とするガラス膜の形成方
法である。
【0009】前記の如く真空容器内で基板上にガラス膜
を形成するに際しては、その基板上だけでなくその周囲
である真空容器内壁等にも同様にガラス膜が付着堆積す
ることになるが、この真空容器内壁等を予め成膜される
ガラス膜とほぼ同じ組成からなるシールド部材、例え
ば、形成されるガラス膜が石英ガラスであれば石英ガラ
ス製のシールド部材で覆っておけば、シールド部材側へ
付着堆積するガラス膜とシールド部材との密着性が向上
して膜剥がれが発生し難くなる。また、ガラス膜とシー
ルド異亜他の熱膨張率がほぼ等しくなるから真空容器を
大気開放した際の温度変化に起因する膜剥がれ現象も同
様に抑制することができる。従って、膜剥がれに起因す
る基板上のガラス膜表面あるいはそのガラス膜中の異物
混入も未然に回避することができる。
【0010】また、このガラス膜成形をプラズマCVD
法で行う場合には、基板を設置する下部電極板の露出部
分にもガラス膜が付着堆積することから、この部分も予
め上記ガラス膜とほぼ同じ組成からなるシールド部材、
例えば石英ガラスからなるシールド部材で覆っておけ
ば、下部電極板からの膜剥がれによる異物混入も確実に
回避することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0012】図1は本発明に係るガラス膜形成装置の一
つであるプラズマCVD装置の実施の一形態を示したも
のであり、その基本構造は前述した従来のものと同様で
ある。
【0013】すなわち、図中1は真空容器であり、その
内部上方には、材料ガス導入系8から導入される材料ガ
ス(TEOS(テトラエトキシシラン)とO2の混合ガ
ス等)をシャワー状に噴き出す上部シャワー電極板2が
設けられている。
【0014】また、その上部シャワー電極板2の下部に
はこれと対向するように平面基板6を載置するテーブル
状の下部電極板3が設けられており、上部シャワー電極
板2に接続された高周波電源9から供給される電力によ
って上部シャワー電極板2間でプラズマを発生するよう
になっている。
【0015】また、これら各上下電極板2,3の近傍に
はそれぞれ加熱ヒータ4a,4bが設けられており、各
上下電極板2,3を所定の温度に加熱昇温するようにな
っている。さらに、この真空容器1の下部には真空排気
系7が接続されており、真空容器1内の空気を強制排気
して、その内部を所定の真空度に保つことができるよう
になっている。
【0016】そして、本発明のプラズマCVD装置にあ
っては、この真空容器1の内壁に沿ってシールド部材と
してのシールド板5が取り付けられており、このシール
ド部材5によって真空容器1の内壁がほぼ全面に亘って
覆われた状態となっている。ここで、このシールド板5
は、上記平面基板6上に形成されるガラス膜とほぼ同じ
組成の物質、例えば、このガラス膜が石英ガラスを主体
とする場合には同じく石英ガラスから形成されており、
そのガラス膜とほぼ同じ熱膨張率でかつ優れた密着性を
有する材料が選択される。尚、このシールド板5の真空
排気系7が接続される部分には真空排気の邪魔とならな
いようにその位置に排気孔10,10が形成されてい
る。
【0017】従って、図示するように下部電極板3上に
石英ガラス基板6を設置してから真空排気系7によって
真空容器1内を所定の真空度に保つと共に、加熱ヒータ
4a,4bによって上下電極板2,3を所定の温度まで
加熱した状態でその上下電極板2,3間にプラズマを発
生させると、材料ガス導入系8から導入された材料ガス
がこのプラズマ中で分解し、反応して石英ガラス基板6
表面は勿論、その周囲のシールド板5の表面にも付着堆
積する。
【0018】そして、このガラス膜の厚さは時間が経過
することによって徐々に増加するが、このシールド部材
5は前述したようにそのガラス膜とほぼ同じ成分の石英
ガラスで形成されていることから、ガラス膜に対して優
れた密着性を発揮し、その膜厚が厚くなってもこれから
容易に剥離してしまうようなことがない。
【0019】従って、基板6側のガラス膜が最終的な膜
厚になるまで連続して一気に成膜作業を実施することが
可能となり、従来のように成膜途中で一旦その工程を中
断してそのガラス膜のエッチング除去を行うといった煩
わしくかつ長時間を要する作業を省略することができ
る。この結果、生産効率が向上し、またエッチングに要
する材料やその設備が一切不要となるため、生産コスト
の大幅な削減も可能となる。
【0020】また、このようにして成膜作業を行った後
に装置を停止してガラス膜が形成された基板6を取り出
すに際し、真空容器1内、すなわちガラス膜が付着堆積
したシールド板5に大気開放によって温度変化が生じて
もそのシールド板5とその表面に付着堆積したガラス膜
の熱膨張率がほぼ同じであるため、冷却後にシールド板
5表面からガラス膜が剥離して装置内を汚染するといっ
た不都合も同時に回避することができる。また、このよ
うにして繰り返し成膜作業を行って徐々にシールド板5
表面のガラス膜の膜厚が厚くなって真空容器1内の容積
を減少させるようになった場合には、このシールド板5
のみを取り外し、新たなものと交換すれば、常に真空容
器1内を良好な状態に保つことができ、装置自体の長寿
命化にも貢献することができる。尚、このようにして取
り出したシールド板5は、別の工程でフッ酸でエッチン
グ洗浄すれば容易に再生可能である。
【0021】また、図2に示すように、この石英ガラス
基板6を載置する下部電極板3が石英ガラス基板6に比
してかなり大きくて広く露出する場合には、その露出部
分も予め同じく石英ガラスからなるトレー部材としての
トレー板11で覆っておけば、下部電極板3側からの異
物の混入も確実に回避することが可能となり、また、下
部電極板3へのガラス膜の付着堆積も未然に防止するこ
とができる。
【0022】尚、このシールド板5及びトレー板11の
組成は、成膜するガラス膜の組成に合わせて自由に変え
ることが可能であるが、膜剥がれの起きない範囲でSi
2の濃度を高くしたほうが膜へのコンタミネーション
(汚染)を抑止できるため好ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を説明する。
【0024】(実施例1)図1に示すような構成をした
プラズマCVD装置を用い、先ず厚さ1mmの石英ガラ
ス基板6を下部電極板3上にセットし、真空容器1内を
1×10-4Pa以下の圧力まで排気した。次に、加熱ヒ
ータ4a,4bをオンにして上下電極板2,3及び下部
電極板3上の石英ガラス基板6をそれぞれ350℃まで
加熱、昇温してから再度真空容器1内の真空度が1×1
-4Pa以下に安定することを確認して材料ガス導入系
8を通して上部シャワー電極板2から真空容器1内に材
料ガスであるTEOSとO2をそれぞれ20sccm、
680sccm導入した。尚、真空容器1内のガス圧は
40Paとした。次いでガス圧が安定した後、高周波電
源9より上部シャワー電極板2に700WのRF電力を
供給し、上下電極板2,3間にプラズマを発生させて、
石英ガラス基板6表面にSiO2膜を15μmの膜厚で
形成した。
【0025】そして、成膜後その石英ガラス基板6のガ
ラス膜の表面及び内部に存在する異物の量を異物検査装
置にて調べた結果、従来法、すなわちシールド板5を装
着しないで成膜した場合に100個/4インチφ以上発
生していた異物がシールド板5を装着した本発明方法の
場合には10個/4インチφまで減少できたことが確認
された。
【0026】また、本発明方法によって連続して20回
(合計膜厚300μm)実施したが、やはりガラス膜中
の異物量は10個/4インチφ以下であり、膜剥がれ等
による異物の混入量を飛躍的に減少させることが可能で
あることが確認された。
【0027】(実施例2)図2に示すようにさらに下部
電極板3にトレー板11をセットしてその露出部分を覆
ってから実施例1と同様な条件で成膜を行い、そのガラ
ス膜中の異物量を測定した結果、その異物量はいずれも
5個/4インチφ以下であり、さらに異物量の混入量を
減少させることができた。
【0028】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、真空容器
内壁等に付着堆積したガラス膜の剥離を効果的に抑制で
きるため、基板上に成膜されるガラス膜への異物の混入
による歩留まりの低下を回避できることは勿論、成膜中
の真空容器内のクリーニング作業,工程,設備等が不要
となるため、成膜時間が大幅に短縮され、作業効率が大
幅に向上する等といった優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラス膜の形成方法及びガラス膜
形成装置(プラズマCVD装置)の実施の一形態を示す
構成図である。
【図2】本発明に係るガラス膜の形成方法及びガラス膜
形成装置(プラズマCVD装置)の他の実施の形態を示
す構成図である。
【図3】従来のガラス膜の形成方法及びガラス膜形成装
置(プラズマCVD装置)の実施の一形態を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 真空容器 2 上部シャワー電極板 3 下部電極板 4a,4b 加熱ヒータ 5 シールド板 6 基板 7 真空排気系 8 材料ガス導入系 9 高周波電源 10 排気孔 11 トレー板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G075 AA24 AA30 AA57 BC04 BD14 CA47 CA57 EB42 FB06 FC09 4K030 AA06 AA09 AA14 BA42 BA44 CA06 DA06 FA03 KA14 KA17 KA47

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内に収容された基板上にガラス
    膜を形成するに際し、予め上記真空容器の内壁を上記ガ
    ラス膜とほぼ同じ組成からなるシールド部材で覆ってか
    らガラス膜を形成することを特徴とするガラス膜の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 上記ガラス膜をプラズマCVD法を用い
    て形成することを特徴とする請求項1に記載のガラス膜
    の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のプラズマCVD法を用い
    たガラス膜の形成方法において、上記基板を下部電極板
    上に設置し、その下部電極板の露出部分も予め上記ガラ
    ス膜とほぼ同じ組成からなるトレー部材で覆ってからガ
    ラス膜を形成することを特徴とするガラス膜の形成方
    法。
  4. 【請求項4】 上記ガラス膜及びシールド部材並びにト
    レー部材を石英系ガラスで形成することを特徴とする請
    求項1から3のいずれかに記載のガラス膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 真空容器内に収容された基板上にガラス
    膜を形成する装置において、上記真空容器内にその内壁
    を上記ガラス膜とほぼ同じ組成からなるシールド部材で
    覆ったことを特徴とするガラス膜形成装置。
  6. 【請求項6】 上記シールド部材及び上記基板上に成膜
    されるガラス膜が石英系ガラスからなることを特徴とす
    る請求項5に記載のガラス膜形成装置。
  7. 【請求項7】 真空容器内に収容された平面基板上にプ
    ラズマCVD法を用いて石英ガラス膜を形成するプラズ
    マCVD装置において、上記真空容器内の内壁を石英ガ
    ラス基板からなるシールド部材で覆うと共に、上記平面
    基板を設置する下部電極の露出部分を石英ガラスからな
    るトレー部材で覆ったことを特徴とするプラズマCVD
    装置。
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