JP2003187738A - 電子分光装置および電子分光器ならびに試料分析方法 - Google Patents
電子分光装置および電子分光器ならびに試料分析方法Info
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- JP2003187738A JP2003187738A JP2001387653A JP2001387653A JP2003187738A JP 2003187738 A JP2003187738 A JP 2003187738A JP 2001387653 A JP2001387653 A JP 2001387653A JP 2001387653 A JP2001387653 A JP 2001387653A JP 2003187738 A JP2003187738 A JP 2003187738A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 試料のガス反応処理を分析室で行え、その場
合でも、S/N比の良いスペクトルを短時間に得ること
ができる電子分光装置および電子分光器ならびに試料分
析方法を提供する。 【解決手段】 試料7のガス反応処理を行う場合、まず
オペレータは、微小領域分析を行う場合と同様、開口径
調整機構28を調整して、視野制限絞り27の開口径を
たとえば250μm〜300μm程度に小さくする。このよう
な絞り調整により、試料へガス照射を行っても、そのガ
スは視野制限絞り27で食止められて、アナライザ21
内部へのガス流入を防止することができる。この結果、
アナライザ内でのMCP放電を防止することができ、試
料分析を行った際に、放電ノイズを含まないスペクトル
を得ることができる。
合でも、S/N比の良いスペクトルを短時間に得ること
ができる電子分光装置および電子分光器ならびに試料分
析方法を提供する。 【解決手段】 試料7のガス反応処理を行う場合、まず
オペレータは、微小領域分析を行う場合と同様、開口径
調整機構28を調整して、視野制限絞り27の開口径を
たとえば250μm〜300μm程度に小さくする。このよう
な絞り調整により、試料へガス照射を行っても、そのガ
スは視野制限絞り27で食止められて、アナライザ21
内部へのガス流入を防止することができる。この結果、
アナライザ内でのMCP放電を防止することができ、試
料分析を行った際に、放電ノイズを含まないスペクトル
を得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、光電子分光装置
などの電子分光装置、および光電子分光装置などに用い
られる電子分光器、ならびに電子分光装置における試料
分析方法に関する。
などの電子分光装置、および光電子分光装置などに用い
られる電子分光器、ならびに電子分光装置における試料
分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 光電子分光装置は、X線を試料表面に
照射し、その照射により試料から放出される光電子を電
子分光器で分析してエネルギースペクトルを得る装置で
ある。この得られたスペクトルを解析することによっ
て、試料表面の元素およびその元素の化学状態を知るこ
とができる。
照射し、その照射により試料から放出される光電子を電
子分光器で分析してエネルギースペクトルを得る装置で
ある。この得られたスペクトルを解析することによっ
て、試料表面の元素およびその元素の化学状態を知るこ
とができる。
【0003】さて、最近の光電子分光装置の中には、ガ
ス反応処理による試料表面の化学状態変化を観察できる
ように構成されているものがある。
ス反応処理による試料表面の化学状態変化を観察できる
ように構成されているものがある。
【0004】その1つに、分析室と仕切弁などで隔離さ
れたガス反応室を備えた光電子分光装置があり、そのガ
ス反応室には、ガス照射手段と試料加熱機構が備えられ
ている。このようなガス反応処理機構を備えた光電子分
光装置においては、以下の手順で試料分析が行われる。 加熱ホルダに装着された試料が試料交換室に配置さ
れ、試料交換室が予備排気される。 試料が試料交換室からガス反応室に移動され、試料が
加熱されて試料表面が清浄化される。 清浄化された試料が分析室に移動され、ガス反応処理
以前の試料表面状態を把握するためにXPS(X-ray Photoe
lectron Spectroscopy)測定が行われる。 試料がガス反応室に移動され、所定の条件において、
試料に対してガス反応処理が行われる。たとえば、試料
が500〜800℃程度に加熱された状態で、ガス照射手段に
よるガス照射(酸素や一酸化炭素などのガス照射)が試
料に対して行われる。 ガス反応処理が行われた試料が再び分析室に移動さ
れ、試料表面の化学状態変化を観察するためにXPS測定
が行われる。 必要に応じて、が繰り返される。
れたガス反応室を備えた光電子分光装置があり、そのガ
ス反応室には、ガス照射手段と試料加熱機構が備えられ
ている。このようなガス反応処理機構を備えた光電子分
光装置においては、以下の手順で試料分析が行われる。 加熱ホルダに装着された試料が試料交換室に配置さ
れ、試料交換室が予備排気される。 試料が試料交換室からガス反応室に移動され、試料が
加熱されて試料表面が清浄化される。 清浄化された試料が分析室に移動され、ガス反応処理
以前の試料表面状態を把握するためにXPS(X-ray Photoe
lectron Spectroscopy)測定が行われる。 試料がガス反応室に移動され、所定の条件において、
試料に対してガス反応処理が行われる。たとえば、試料
が500〜800℃程度に加熱された状態で、ガス照射手段に
よるガス照射(酸素や一酸化炭素などのガス照射)が試
料に対して行われる。 ガス反応処理が行われた試料が再び分析室に移動さ
れ、試料表面の化学状態変化を観察するためにXPS測定
が行われる。 必要に応じて、が繰り返される。
【0005】また、ガス反応処理機構を備えた別の光電
子分光装置として、図1に示すものがある。この装置で
は、専用のガス反応セル100が分析室チャンバ101に取り
付けられており、試料103がセル内の加熱ヒータ102上に
置かれている。そして、ガス照射手段104がセル内に設
けられており、また、セル内は排気装置105によって排
気されるようになっている。
子分光装置として、図1に示すものがある。この装置で
は、専用のガス反応セル100が分析室チャンバ101に取り
付けられており、試料103がセル内の加熱ヒータ102上に
置かれている。そして、ガス照射手段104がセル内に設
けられており、また、セル内は排気装置105によって排
気されるようになっている。
【0006】このような図1の装置においては、試料10
3のガス反応処理はセル内で行われる。すなわち、試料1
03がヒータ102によって加熱された状態で、ガス照射手
段104によるガス照射が試料103に対して行われる。
3のガス反応処理はセル内で行われる。すなわち、試料1
03がヒータ102によって加熱された状態で、ガス照射手
段104によるガス照射が試料103に対して行われる。
【0007】また、試料103のXPS測定時には、X線源10
6によるX線照射が試料103に対して行われる。この際、
セル100の微小開口hを通過したX線のみが試料103を照
射する。そして、このX線照射によって試料103から光
電子が発生し、前記微小開口hを通過した光電子は、電
子分光器107のインプットレンズ(減速レンズ)108に取
り込まれる。
6によるX線照射が試料103に対して行われる。この際、
セル100の微小開口hを通過したX線のみが試料103を照
射する。そして、このX線照射によって試料103から光
電子が発生し、前記微小開口hを通過した光電子は、電
子分光器107のインプットレンズ(減速レンズ)108に取
り込まれる。
【0008】なお、前記インプットレンズ108の試料側
先端には、微小開口を持つ絞り109が取付けられてお
り、この絞り109は、ガス照射手段104によるガスのアナ
ライザ110への侵入を低減するために設けられている。
先端には、微小開口を持つ絞り109が取付けられてお
り、この絞り109は、ガス照射手段104によるガスのアナ
ライザ110への侵入を低減するために設けられている。
【0009】以上、従来のガス反応処理機構を備えた光
電子分光装置を、2つの例を挙げて説明した。
電子分光装置を、2つの例を挙げて説明した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述
した2つの方式は、それぞれ以下の問題を有している。
した2つの方式は、それぞれ以下の問題を有している。
【0011】まず、分析室と異なるガス反応室でガス反
応処理を行う方式は、以下の問題を有している。 (1)ガス反応処理が分析室とは別のガス反応室で行われ
るので、ガス反応直後の動的な試料表面の化学状態を分
析することができない。すなわち、ガス反応室から分析
室に試料を移動させるのに時間がかかるので、分析時点
での試料温度はガス反応時よりかなり下がってしまい、
ガス反応時と大きく異なる状態に試料がおかれる。 (2)繰り返しガス反応処理を行うためには、その都度試
料の移動操作が必要となり、そのような操作はオペレー
タにとって面倒な作業である。また、その各回の試料移
動操作が同じように行われないと、分析時の試料状態を
一定に保つことができない。
応処理を行う方式は、以下の問題を有している。 (1)ガス反応処理が分析室とは別のガス反応室で行われ
るので、ガス反応直後の動的な試料表面の化学状態を分
析することができない。すなわち、ガス反応室から分析
室に試料を移動させるのに時間がかかるので、分析時点
での試料温度はガス反応時よりかなり下がってしまい、
ガス反応時と大きく異なる状態に試料がおかれる。 (2)繰り返しガス反応処理を行うためには、その都度試
料の移動操作が必要となり、そのような操作はオペレー
タにとって面倒な作業である。また、その各回の試料移
動操作が同じように行われないと、分析時の試料状態を
一定に保つことができない。
【0012】一方、ガス反応セルを用いる方式は、以下
の問題を有している。 (1)ガス反応セルの微小開口から光電子を取り出してお
り、さらに、インプットレンズ先端には、ガス侵入防止
用の絞りが配置されている。このため、試料表面から発
生した光電子の一部しか、電子分光器に取り込まれな
い。この結果、測定強度が不足し、信号対雑音比の大き
い質の良いスペクトルが得られない。 (2)(1)に関連して、信頼性の高いスペクトルを得るため
には長時間のスペクトル測定を行う必要がある。このた
め、高速なスペクトル測定が行えない。
の問題を有している。 (1)ガス反応セルの微小開口から光電子を取り出してお
り、さらに、インプットレンズ先端には、ガス侵入防止
用の絞りが配置されている。このため、試料表面から発
生した光電子の一部しか、電子分光器に取り込まれな
い。この結果、測定強度が不足し、信号対雑音比の大き
い質の良いスペクトルが得られない。 (2)(1)に関連して、信頼性の高いスペクトルを得るため
には長時間のスペクトル測定を行う必要がある。このた
め、高速なスペクトル測定が行えない。
【0013】本発明はこのような点に鑑みて成されたも
のであり、その目的は、試料のガス反応処理を分析室で
行え、その場合でも、S/N比の良いスペクトルを短時
間に得ることができる電子分光装置および電子分光器な
らびに試料分析方法を提供することにある。
のであり、その目的は、試料のガス反応処理を分析室で
行え、その場合でも、S/N比の良いスペクトルを短時
間に得ることができる電子分光装置および電子分光器な
らびに試料分析方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成する本
発明の電子分光装置は、分析室に配置される試料に1次
線を照射する照射手段と、前記分析室に配置され、前記
試料にガスを照射するガス照射手段と、次の(a)〜(e)の
構成を有する電子分光器と、(a)開口径を変えられるよ
うに構成された視野制限絞り、(b)前記1次線照射によ
って前記試料から放出された電子線を、前記視野制限絞
り上に結像させるための第1レンズ、(c)前記視野制限
絞りを通過した電子線を減速させてアナライザの入射ス
リット上に結像させるための第2レンズ、(d)前記入射
スリットを通過した電子をそのエネルギーによって選別
するアナライザ、(e)前記アナライザで選別された電子
を検出する検出器、前記分析室を排気する排気手段とを
備えている。
発明の電子分光装置は、分析室に配置される試料に1次
線を照射する照射手段と、前記分析室に配置され、前記
試料にガスを照射するガス照射手段と、次の(a)〜(e)の
構成を有する電子分光器と、(a)開口径を変えられるよ
うに構成された視野制限絞り、(b)前記1次線照射によ
って前記試料から放出された電子線を、前記視野制限絞
り上に結像させるための第1レンズ、(c)前記視野制限
絞りを通過した電子線を減速させてアナライザの入射ス
リット上に結像させるための第2レンズ、(d)前記入射
スリットを通過した電子をそのエネルギーによって選別
するアナライザ、(e)前記アナライザで選別された電子
を検出する検出器、前記分析室を排気する排気手段とを
備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】 以下、図面を用いて本発明の実
施の形態について説明する。
施の形態について説明する。
【0016】図2は、本発明の電子分光装置の一例を示
したものであり、光電子分光装置を示したものである。
したものであり、光電子分光装置を示したものである。
【0017】まず、図2の装置構成について説明する
と、1は分析室チャンバである。分析室チャンバ1の内
部の分析室2は、排気装置3により超高真空に排気され
ている。分析室2の真空度は真空ゲージ4でモニタされ
ており、真空ゲージ4の検出出力は制御装置5に供給さ
れている。
と、1は分析室チャンバである。分析室チャンバ1の内
部の分析室2は、排気装置3により超高真空に排気され
ている。分析室2の真空度は真空ゲージ4でモニタされ
ており、真空ゲージ4の検出出力は制御装置5に供給さ
れている。
【0018】6は光電子励起X線源(照射手段)であ
り、X線源6は分析室チャンバ1に取り付けられてい
る。このX線源6は、分析室2に配置された試料7にX
線(1次線)を照射して、光電子を励起するための励起
光源である。X線源6は、X線源電源8を介して前記制
御装置5に接続されている。
り、X線源6は分析室チャンバ1に取り付けられてい
る。このX線源6は、分析室2に配置された試料7にX
線(1次線)を照射して、光電子を励起するための励起
光源である。X線源6は、X線源電源8を介して前記制
御装置5に接続されている。
【0019】前記試料7は試料加熱ホルダ9に保持され
ていて、試料加熱ホルダ9は試料ステージ10上に置か
れている。試料ステージ10は分析室チャンバ1に取り
付けられており、試料ステージ位置調整機構11を調整
することによって、試料ステージ10をx,yおよびz
方向に移動させることができる。
ていて、試料加熱ホルダ9は試料ステージ10上に置か
れている。試料ステージ10は分析室チャンバ1に取り
付けられており、試料ステージ位置調整機構11を調整
することによって、試料ステージ10をx,yおよびz
方向に移動させることができる。
【0020】なお、前記試料加熱ホルダ9は、試料7を
加熱するためのヒータ(図示せず)を内蔵している。こ
のヒータは、ヒータ線hを介して、試料ステージ10上
の電流供給部12に接続されている。電流供給部12
は、加熱電源13を介して前記制御装置5に接続されて
いる。
加熱するためのヒータ(図示せず)を内蔵している。こ
のヒータは、ヒータ線hを介して、試料ステージ10上
の電流供給部12に接続されている。電流供給部12
は、加熱電源13を介して前記制御装置5に接続されて
いる。
【0021】14は磁界型結像レンズであり、結像レン
ズ14は試料7の下方に配置されている。この結像レン
ズ14は試料ステージ10に取り付けられている。
ズ14は試料7の下方に配置されている。この結像レン
ズ14は試料ステージ10に取り付けられている。
【0022】また、15はガス照射手段であり、ガス照
射手段15は分析室チャンバ1に取り付けられている。
このガス照射手段15は、ガス導入バルブ16とガス照
射キャピラリ17で構成されている。
射手段15は分析室チャンバ1に取り付けられている。
このガス照射手段15は、ガス導入バルブ16とガス照
射キャピラリ17で構成されている。
【0023】前記ガス導入バルブ16は、ガス供給源1
8からの反応ガス(たとえば、酸素や一酸化炭素などの
ガス)を前記ガス照射キャピラリ17に導入するための
バルブであり、このバルブとして、ガスの流量を調整で
きるバリアブルリークバルブが用いられている。なお、
前記ガス供給源18には、ガスの流量をより精度よく調
整するためにマスフローコントローラが配置されてお
り、また、ガス供給源18は前記制御装置5に接続され
ている。
8からの反応ガス(たとえば、酸素や一酸化炭素などの
ガス)を前記ガス照射キャピラリ17に導入するための
バルブであり、このバルブとして、ガスの流量を調整で
きるバリアブルリークバルブが用いられている。なお、
前記ガス供給源18には、ガスの流量をより精度よく調
整するためにマスフローコントローラが配置されてお
り、また、ガス供給源18は前記制御装置5に接続され
ている。
【0024】一方、前記ガス照射キャピラリ17は、バ
ルブ16からの反応ガスを試料7上にガイドするための
細管であり、その先端はガスの発散を低減するために漏
斗状に形成されている。
ルブ16からの反応ガスを試料7上にガイドするための
細管であり、その先端はガスの発散を低減するために漏
斗状に形成されている。
【0025】また、図2において、19は電子分光器で
あり、電子分光器19は分析室チャンバ1に取り付けら
れている。この電子分光器19は、インプットレンズ2
0と、インプットレンズ20からの電子をエネルギー分
析するためのアナライザ21と、アナライザ21で選別
された電子を検出する検出器22で構成されている。
あり、電子分光器19は分析室チャンバ1に取り付けら
れている。この電子分光器19は、インプットレンズ2
0と、インプットレンズ20からの電子をエネルギー分
析するためのアナライザ21と、アナライザ21で選別
された電子を検出する検出器22で構成されている。
【0026】筒状のインプットレンズ20は、試料側か
ら順に、筒状の接地電極23、筒状の電極(主倍率制御
レンズ)L1、筒状の接地電極24、筒状の電極(補助
倍率制御レンズ)L2、筒状の接地電極25、筒状の電
極(結像レンズ)L3、筒状の接地電極26、筒状の電
極(減速レンズ)LRを備えている。なお、これらの各
電極は、隣の電極と所定の間隔を置いて配置されてい
る。
ら順に、筒状の接地電極23、筒状の電極(主倍率制御
レンズ)L1、筒状の接地電極24、筒状の電極(補助
倍率制御レンズ)L2、筒状の接地電極25、筒状の電
極(結像レンズ)L3、筒状の接地電極26、筒状の電
極(減速レンズ)LRを備えている。なお、これらの各
電極は、隣の電極と所定の間隔を置いて配置されてい
る。
【0027】また、インプットレンズ20は円形の視野
制限絞り27を有している。この視野制限絞り27は、
前記補助倍率制御レンズL2と結像レンズL3間に、イン
プットレンズ20の筒内を仕切るように配置されてい
る。視野制限絞り27の開口aの中心は、インプットレ
ンズ20の光軸O上に位置している。
制限絞り27を有している。この視野制限絞り27は、
前記補助倍率制御レンズL2と結像レンズL3間に、イン
プットレンズ20の筒内を仕切るように配置されてい
る。視野制限絞り27の開口aの中心は、インプットレ
ンズ20の光軸O上に位置している。
【0028】そして、視野制限絞り27として、図3に
示すような虹彩絞りが用いられており、開口径調整機構
28を調整することによって、視野制限絞り27の開口
径を連続して変えることができる。このため、視野制限
絞り27が完全に閉じられると、その左右のインプット
レンズ内の空間は、絞り27によって真空的に完全に遮
断される。なお、視野制限絞り27は、試料面上で発生
した光電子を取り込む領域を制限するために設けられて
おり、この絞りによって、試料上の分析領域が制限され
る。
示すような虹彩絞りが用いられており、開口径調整機構
28を調整することによって、視野制限絞り27の開口
径を連続して変えることができる。このため、視野制限
絞り27が完全に閉じられると、その左右のインプット
レンズ内の空間は、絞り27によって真空的に完全に遮
断される。なお、視野制限絞り27は、試料面上で発生
した光電子を取り込む領域を制限するために設けられて
おり、この絞りによって、試料上の分析領域が制限され
る。
【0029】さらに、インプットレンズ20は円形の角
度制限絞り29を有している。この角度制限絞り29
は、前記視野制限絞り27と結像レンズL3間に、イン
プットレンズ20の筒内を仕切るように配置されてい
る。角度制限絞り29の開口bの中心は、インプットレ
ンズ20の光軸O上に位置している。
度制限絞り29を有している。この角度制限絞り29
は、前記視野制限絞り27と結像レンズL3間に、イン
プットレンズ20の筒内を仕切るように配置されてい
る。角度制限絞り29の開口bの中心は、インプットレ
ンズ20の光軸O上に位置している。
【0030】そして、角度制限絞り29としても、図3
に示すような虹彩絞りが用いられており、開口径調整機
構30を調整することによって、角度制限絞り29の開
口径を連続して変えることができる。このため、角度制
限絞り29が完全に閉じられると、その左右のインプッ
トレンズ内の空間は、絞り29によって真空的に完全に
遮断される。なお、角度制限絞り29は、視野制限絞り
27を通過した光電子の取込角度を制限するために設け
られており、この角度制限絞りによって、レンズ系の球
面収差によるボケを低減し、試料上の分析領域の精度を
保証することができる。
に示すような虹彩絞りが用いられており、開口径調整機
構30を調整することによって、角度制限絞り29の開
口径を連続して変えることができる。このため、角度制
限絞り29が完全に閉じられると、その左右のインプッ
トレンズ内の空間は、絞り29によって真空的に完全に
遮断される。なお、角度制限絞り29は、視野制限絞り
27を通過した光電子の取込角度を制限するために設け
られており、この角度制限絞りによって、レンズ系の球
面収差によるボケを低減し、試料上の分析領域の精度を
保証することができる。
【0031】なお、図2のインプットレンズ20におい
ては、主倍率制御レンズL1と補助倍率制御レンズL2で
本発明の第1レンズが構成されており、結像レンズL3
と減速レンズLRで本発明の第2レンズが構成されてい
る。
ては、主倍率制御レンズL1と補助倍率制御レンズL2で
本発明の第1レンズが構成されており、結像レンズL3
と減速レンズLRで本発明の第2レンズが構成されてい
る。
【0032】また、図2において、31はアナライザ2
1の入射スリット、32は電源ユニットである。この電
源ユニット32は、電子分光器19の各構成要素に印加
する電圧と、前記結像レンズ14のコイルに流れる電流
とを制御するためのものである。
1の入射スリット、32は電源ユニットである。この電
源ユニット32は、電子分光器19の各構成要素に印加
する電圧と、前記結像レンズ14のコイルに流れる電流
とを制御するためのものである。
【0033】そして、前記制御装置5は、前記電源ユニ
ット32、検出器22および表示装置33に接続されて
いる。
ット32、検出器22および表示装置33に接続されて
いる。
【0034】以上、図2の装置構成について説明した。
以下、図2の電子分光装置において、試料7に対してガ
ス反応処理を行い、ガス反応処理後の試料表面を分析す
る場合について説明する。
以下、図2の電子分光装置において、試料7に対してガ
ス反応処理を行い、ガス反応処理後の試料表面を分析す
る場合について説明する。
【0035】試料7のガス反応処理を行う場合、まずオ
ペレータは、微小領域分析を行う場合と同様、開口径調
整機構28を調整して、視野制限絞り27の開口径をた
とえば250μm〜300μm程度に小さくする。このような
絞り調整により、試料へガス照射を行っても、そのガス
は視野制限絞り27で食止められて、アナライザ21内
部へのガス流入を防止することができる。この結果、ア
ナライザ内での又はMCPの検出器の放電を防止するこ
とができ、試料分析を行った際に、放電ノイズを含まな
いスペクトルを得ることができる。
ペレータは、微小領域分析を行う場合と同様、開口径調
整機構28を調整して、視野制限絞り27の開口径をた
とえば250μm〜300μm程度に小さくする。このような
絞り調整により、試料へガス照射を行っても、そのガス
は視野制限絞り27で食止められて、アナライザ21内
部へのガス流入を防止することができる。この結果、ア
ナライザ内での又はMCPの検出器の放電を防止するこ
とができ、試料分析を行った際に、放電ノイズを含まな
いスペクトルを得ることができる。
【0036】一方、前記角度制限絞り29の開口径は、
たとえば1mm〜2mm程度に設定される。試料へのガス
照射時には、この角度制限絞り29も視野制限絞り27
と同様に差動絞りとして機能し、アナライザ内部へのガ
ス流入を防止する。
たとえば1mm〜2mm程度に設定される。試料へのガス
照射時には、この角度制限絞り29も視野制限絞り27
と同様に差動絞りとして機能し、アナライザ内部へのガ
ス流入を防止する。
【0037】こうして、視野制限絞り27と角度制限絞
り29の開口径の調整が済むと、オペレータは、制御装
置5に対して、ガス反応処理の指示入力を行う。する
と、制御装置5は、試料7を所定温度(たとえば500
℃)に加熱するための加熱信号を加熱電源13に送る。
加熱電源13は、その加熱信号に基づいて電流供給部1
2を制御する。この結果、試料7を500℃に加熱するた
めの電流が、電流供給部12から、試料加熱ホルダ9の
ヒータに流される。
り29の開口径の調整が済むと、オペレータは、制御装
置5に対して、ガス反応処理の指示入力を行う。する
と、制御装置5は、試料7を所定温度(たとえば500
℃)に加熱するための加熱信号を加熱電源13に送る。
加熱電源13は、その加熱信号に基づいて電流供給部1
2を制御する。この結果、試料7を500℃に加熱するた
めの電流が、電流供給部12から、試料加熱ホルダ9の
ヒータに流される。
【0038】こうして、試料7が所定温度に加熱される
と、制御装置5は、試料7に所定量のガス導入を行うた
めのガス導入信号をガス供給源18に送る。ガス供給源
18は、そのガス導入信号に基づいてガス導入バルブ1
6を制御する。すなわち、ガス供給源18は、所定時間
だけ、ガス導入バルブ16を所定量だけ開ける。この結
果、所定量の反応ガス(たとえば酸素)が、ガス供給源
18から、ガス導入バルブ16とガス照射キャピラリ1
7を介して試料7に導入される。
と、制御装置5は、試料7に所定量のガス導入を行うた
めのガス導入信号をガス供給源18に送る。ガス供給源
18は、そのガス導入信号に基づいてガス導入バルブ1
6を制御する。すなわち、ガス供給源18は、所定時間
だけ、ガス導入バルブ16を所定量だけ開ける。この結
果、所定量の反応ガス(たとえば酸素)が、ガス供給源
18から、ガス導入バルブ16とガス照射キャピラリ1
7を介して試料7に導入される。
【0039】以上、試料7のガス反応処理について説明
した。
した。
【0040】さて、このような試料へのガス照射の直後
においては、分析室2の真空度は一時的に低下する。こ
の分析室2の真空度は制御装置5で常に監視されてお
り、制御装置5は、分析室2の真空度が回復すると、試
料7にX線照射を行うためのX線照射信号をX線源電源
8に送る。また、制御装置5は、電子分光器19の各構
成要素に所定の電圧を印加するための電圧制御信号を電
源ユニット32に供給する。
においては、分析室2の真空度は一時的に低下する。こ
の分析室2の真空度は制御装置5で常に監視されてお
り、制御装置5は、分析室2の真空度が回復すると、試
料7にX線照射を行うためのX線照射信号をX線源電源
8に送る。また、制御装置5は、電子分光器19の各構
成要素に所定の電圧を印加するための電圧制御信号を電
源ユニット32に供給する。
【0041】前記X線照射信号を受けたX線源電源8
は、そのX線照射信号に基づいてX線源6を制御する。
この結果、X線源6からX線が発生し、試料7にX線が
照射される。なお、このX線照射時においても、上述し
た試料加熱は引き続いて行われるので、試料分析時にお
ける試料温度は、試料のガス反応時と同じ温度に保たれ
る。
は、そのX線照射信号に基づいてX線源6を制御する。
この結果、X線源6からX線が発生し、試料7にX線が
照射される。なお、このX線照射時においても、上述し
た試料加熱は引き続いて行われるので、試料分析時にお
ける試料温度は、試料のガス反応時と同じ温度に保たれ
る。
【0042】一方、前記電圧制御信号を受けた電源ユニ
ット32は、その電圧制御信号に基づいて電子分光器1
9を制御する。すなわち、電源ユニット32は、X線照
射によって試料7から発生した電子線が前記視野制限絞
り27上に結像するように、前記主倍率制御レンズL1
に電圧V1を印加すると共に、前記補助倍率制御レンズ
L2に電圧V2を印加する。
ット32は、その電圧制御信号に基づいて電子分光器1
9を制御する。すなわち、電源ユニット32は、X線照
射によって試料7から発生した電子線が前記視野制限絞
り27上に結像するように、前記主倍率制御レンズL1
に電圧V1を印加すると共に、前記補助倍率制御レンズ
L2に電圧V2を印加する。
【0043】また、電源ユニット32は、視野制限絞り
27と角度制限絞り29を通過した前記電子線が減速す
るように、前記減速レンズLRに電圧VRを印加する。ま
た、電源ユニット32は、視野制限絞り27と角度制限
絞り29を通過して前記減速レンズLRで減速された電
子線が、入射スリット31上に結像するように、前記結
像レンズL3に電圧V3を印加する。
27と角度制限絞り29を通過した前記電子線が減速す
るように、前記減速レンズLRに電圧VRを印加する。ま
た、電源ユニット32は、視野制限絞り27と角度制限
絞り29を通過して前記減速レンズLRで減速された電
子線が、入射スリット31上に結像するように、前記結
像レンズL3に電圧V3を印加する。
【0044】さらに、電源ユニット32は、前記アナラ
イザ21と前記検出器22に所定の電圧を印加する。な
お、以下に述べる例では、前記結像レンズ14のコイル
には、電流は流されない。
イザ21と前記検出器22に所定の電圧を印加する。な
お、以下に述べる例では、前記結像レンズ14のコイル
には、電流は流されない。
【0045】さて、上述したように試料7にX線が照射
されると、光電子が試料表面から放出される。そして、
この光電子による電子線は、主倍率制御レンズL1と補
助倍率制御レンズL2によって、視野制限絞り27上に
結像される。
されると、光電子が試料表面から放出される。そして、
この光電子による電子線は、主倍率制御レンズL1と補
助倍率制御レンズL2によって、視野制限絞り27上に
結像される。
【0046】このように、試料表面で発生した電子線は
視野制限絞り27上に結像されるので、上述したように
視野制限絞り27の開口径がかなり小さく設定されてい
ても、多くの電子線が視野制限絞り27の開口aを通過
する。そして、図2の装置においては、従来の図1の装
置のように、インプットレンズ20の試料側先端にガス
侵入防止用絞りが配置されていないので(配置する必要
がないので)、視野制限絞り27の開口aを通過する電
子線量はかなり多い。
視野制限絞り27上に結像されるので、上述したように
視野制限絞り27の開口径がかなり小さく設定されてい
ても、多くの電子線が視野制限絞り27の開口aを通過
する。そして、図2の装置においては、従来の図1の装
置のように、インプットレンズ20の試料側先端にガス
侵入防止用絞りが配置されていないので(配置する必要
がないので)、視野制限絞り27の開口aを通過する電
子線量はかなり多い。
【0047】なお、本発明における第1レンズは、主倍
率制御レンズL1と補助倍率制御レンズL2の2段レンズ
で構成されているので、このレンズL1とL2に印加する
電圧を変更すれば、そのレンズ倍率を変更することがで
きる。その際、電子線が視野制限絞り27上に常に結像
するように、レンズL1とL2に印加する電圧の組み合わ
せが変更される。
率制御レンズL1と補助倍率制御レンズL2の2段レンズ
で構成されているので、このレンズL1とL2に印加する
電圧を変更すれば、そのレンズ倍率を変更することがで
きる。その際、電子線が視野制限絞り27上に常に結像
するように、レンズL1とL2に印加する電圧の組み合わ
せが変更される。
【0048】そして、前記視野制限絞り27の開口aを
通過し、さらに角度制限絞り29の開口bを通過した電
子線は、結像レンズL3と減速レンズLRによって、減速
されてアナライザの入射スリット31上に結像される。
図2の装置においては、アナライザ21の分析エネルギ
ーに応じて減速レンズLRへの印加電圧が変更される
と、常に電子線が入射スリット31上に結像するよう
に、それに伴って結像レンズL3への印加電圧が変更さ
れる。
通過し、さらに角度制限絞り29の開口bを通過した電
子線は、結像レンズL3と減速レンズLRによって、減速
されてアナライザの入射スリット31上に結像される。
図2の装置においては、アナライザ21の分析エネルギ
ーに応じて減速レンズLRへの印加電圧が変更される
と、常に電子線が入射スリット31上に結像するよう
に、それに伴って結像レンズL3への印加電圧が変更さ
れる。
【0049】なお、図4は、インプットレンズ20の光
電子取り込みに関する光線図を模式的に示したものであ
る。ここで、D1〜D3は回折面の位置を示しており、I
1〜I3は実像位置を示している。
電子取り込みに関する光線図を模式的に示したものであ
る。ここで、D1〜D3は回折面の位置を示しており、I
1〜I3は実像位置を示している。
【0050】さて、入射スリット31を通過した電子
は、アナライザ21でエネルギー分光される。なお、分
析中にアラナイザ内部の排気が必要な場合は、アナライ
ザに接続された排気装置(図示せず)によって、アナラ
イザ内部が排気される。
は、アナライザ21でエネルギー分光される。なお、分
析中にアラナイザ内部の排気が必要な場合は、アナライ
ザに接続された排気装置(図示せず)によって、アナラ
イザ内部が排気される。
【0051】そして、前記アナライザ21で選別された
電子は検出器22で検出される。検出器22は、検出し
た電子を電気信号に変換して出力し、その電気信号は、
パルス計測システム(図示せず)を介して制御装置5に
取り込まれる。制御装置5は、取り込んだ信号から光電
子スペクトルを生成し、そのスペクトルを表示装置33
の表示画面上に表示させる。
電子は検出器22で検出される。検出器22は、検出し
た電子を電気信号に変換して出力し、その電気信号は、
パルス計測システム(図示せず)を介して制御装置5に
取り込まれる。制御装置5は、取り込んだ信号から光電
子スペクトルを生成し、そのスペクトルを表示装置33
の表示画面上に表示させる。
【0052】以上、本発明の一例を、図2の電子分光装
置を用いて説明した。
置を用いて説明した。
【0053】なお、上記例では、磁界型結像レンズ14
はオフされたが、この結像レンズ14を用いて、試料か
ら発生した電子線を視野制限絞り27上に結像するよう
にしても良い。その場合、主倍率制御レンズL1はオフ
され、磁界型結像レンズ14と補助倍率制御レンズL2
によって、試料から発生した電子線は視野制限絞り27
上に結像される。
はオフされたが、この結像レンズ14を用いて、試料か
ら発生した電子線を視野制限絞り27上に結像するよう
にしても良い。その場合、主倍率制御レンズL1はオフ
され、磁界型結像レンズ14と補助倍率制御レンズL2
によって、試料から発生した電子線は視野制限絞り27
上に結像される。
【0054】このときには、電子線が視野制限絞り27
上に常に結像するように、磁界型結像レンズ14のコイ
ルに流れる電流と、補助倍率制御レンズL2に印加する
電圧が変更されて、レンズ倍率が変更される。
上に常に結像するように、磁界型結像レンズ14のコイ
ルに流れる電流と、補助倍率制御レンズL2に印加する
電圧が変更されて、レンズ倍率が変更される。
【0055】以上説明したように、本発明の電子分光装
置は、開口径を変えられる視野制限絞りを備えており、
この視野制限絞りの開口径を調整することによって、ガ
ス反応処理時におけるアナライザ内部へのガス流入を防
止することができる。このように、本発明においては、
試料へのガス反応処理を分析室において行うことがで
き、ガス反応直後の動的な試料表面の化学状態を分析す
ることができる。
置は、開口径を変えられる視野制限絞りを備えており、
この視野制限絞りの開口径を調整することによって、ガ
ス反応処理時におけるアナライザ内部へのガス流入を防
止することができる。このように、本発明においては、
試料へのガス反応処理を分析室において行うことがで
き、ガス反応直後の動的な試料表面の化学状態を分析す
ることができる。
【0056】また、本発明においては、試料表面で発生
した電子線は第1レンズによって視野制限絞り上に結像
され、また、従来のようにインプットレンズ先端にガス
侵入防止用絞りが配置されないので、試料表面で発生し
た多くの電子が視野制限絞りを通過してアナライザ内に
取り込まれる。このため、S/N比の良いスペクトルを
短時間に得ることができる。
した電子線は第1レンズによって視野制限絞り上に結像
され、また、従来のようにインプットレンズ先端にガス
侵入防止用絞りが配置されないので、試料表面で発生し
た多くの電子が視野制限絞りを通過してアナライザ内に
取り込まれる。このため、S/N比の良いスペクトルを
短時間に得ることができる。
【0057】なお、本発明は上記例に限定されるもので
はない。
はない。
【0058】たとえば、図2の装置において、視野制限
絞り27の前段に偏向手段を設けるようにしてもよい。
たとえば、接地電極24の内側に、視野制限絞り27の
前段に形成される電場E(主倍率制御レンズL1と補助
倍率制御レンズL2によって形成される電場)をx,y
方向に偏向させるための偏向手段を設けるようにしても
よい。
絞り27の前段に偏向手段を設けるようにしてもよい。
たとえば、接地電極24の内側に、視野制限絞り27の
前段に形成される電場E(主倍率制御レンズL1と補助
倍率制御レンズL2によって形成される電場)をx,y
方向に偏向させるための偏向手段を設けるようにしても
よい。
【0059】そして、上述した試料分析のときに、視野
制限絞り27の開口径を微小領域分析に対応した大きさ
に設定し、前記偏向手段により前記電場Eを二次元的に
走査させるようにすれば、試料上の大領域Aについて、
その大領域A中の各ポイント(各微小領域)から発生し
た光電子を順にアラナイザ21に取り込んで検出器22
で検出することができる。この場合、制御装置5は、前
記偏向手段による走査に対応させて検出器22からの信
号を内部メモリに書き込み、その記憶した情報に基づ
き、ガス反応処理が施された試料表面領域Aについての
化学状態マップを表示画面上に表示させる。
制限絞り27の開口径を微小領域分析に対応した大きさ
に設定し、前記偏向手段により前記電場Eを二次元的に
走査させるようにすれば、試料上の大領域Aについて、
その大領域A中の各ポイント(各微小領域)から発生し
た光電子を順にアラナイザ21に取り込んで検出器22
で検出することができる。この場合、制御装置5は、前
記偏向手段による走査に対応させて検出器22からの信
号を内部メモリに書き込み、その記憶した情報に基づ
き、ガス反応処理が施された試料表面領域Aについての
化学状態マップを表示画面上に表示させる。
【0060】また、上記例ではX線を試料に照射してい
るが、X線源の代わりに真空紫外光源(ヘリウム共鳴線
源)を装置に組込み、真空紫外光を試料に照射するよう
にしても良い。このように、低いエネルギーの1次線を
試料に当てることにより、ガス反応処理による試料表面
の化学状態変化を、得られた価電子帯のスペクトルから
求めることができる。
るが、X線源の代わりに真空紫外光源(ヘリウム共鳴線
源)を装置に組込み、真空紫外光を試料に照射するよう
にしても良い。このように、低いエネルギーの1次線を
試料に当てることにより、ガス反応処理による試料表面
の化学状態変化を、得られた価電子帯のスペクトルから
求めることができる。
【0061】また、本発明は、オージェ電子分光装置な
どの電子分光装置にも適用することができる。
どの電子分光装置にも適用することができる。
【図1】従来の電子分光装置を示した図である。
【図2】本発明の電子分光装置の一例を示した図であ
る。
る。
【図3】図2の視野制限絞りを説明するために示した図
である。
である。
【図4】インプットレンズ20の光電子取り込みに関す
る光線図を模式的に示した図である。
る光線図を模式的に示した図である。
1…分析室チャンバ、2…分析室、3…排気装置、4…
真空ゲージ、5…制御装置、6…X線源、7…試料、8
…X線源電源、9…試料加熱ホルダ、10…試料ステー
ジ、11…試料ステージ位置調整機構、12…電流供給
部、13…加熱電源、14…磁界型結像レンズ、15…
ガス照射手段、16…ガス導入バルブ、17…ガス照射
キャピラリ、18…ガス供給源、19…電子分光器、2
0…インプットレンズ、21…アナライザ、22…検出
器、23、24、25、26…接地電極、27…視野制
限絞り、28…開口径調整機構、29…角度制限絞り、
30…開口径調整機構、31…入射スリット、32…電
源ユニット、33…表示装置、L1…主倍率制御レン
ズ、L2…補助倍率制御レンズ、L3…結像レンズ、LR
…減速レンズ、100…ガス反応セル、101…分析室チャン
バ、102…加熱ヒータ、103…試料、104…ガス照射手
段、105…排気装置、106…X線源、107…電子分光器、1
08…インプットレンズ、109…絞り、110…アナライザ
真空ゲージ、5…制御装置、6…X線源、7…試料、8
…X線源電源、9…試料加熱ホルダ、10…試料ステー
ジ、11…試料ステージ位置調整機構、12…電流供給
部、13…加熱電源、14…磁界型結像レンズ、15…
ガス照射手段、16…ガス導入バルブ、17…ガス照射
キャピラリ、18…ガス供給源、19…電子分光器、2
0…インプットレンズ、21…アナライザ、22…検出
器、23、24、25、26…接地電極、27…視野制
限絞り、28…開口径調整機構、29…角度制限絞り、
30…開口径調整機構、31…入射スリット、32…電
源ユニット、33…表示装置、L1…主倍率制御レン
ズ、L2…補助倍率制御レンズ、L3…結像レンズ、LR
…減速レンズ、100…ガス反応セル、101…分析室チャン
バ、102…加熱ヒータ、103…試料、104…ガス照射手
段、105…排気装置、106…X線源、107…電子分光器、1
08…インプットレンズ、109…絞り、110…アナライザ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H01J 49/06 G01N 1/28 Z
Claims (10)
- 【請求項1】 分析室に配置される試料に1次線を照射
する照射手段と、前記分析室に配置され、前記試料にガ
スを照射するガス照射手段と、次の(a)〜(e)の構成を有
する電子分光器と、(a)開口径を変えられるように構成
された視野制限絞り(b)前記1次線照射によって前記試
料から放出された電子線を、前記視野制限絞り上に結像
させるための第1レンズ(c)前記視野制限絞りを通過し
た電子線を減速させてアナライザの入射スリット上に結
像させるための第2レンズ(d)前記入射スリットを通過
した電子をそのエネルギーによって選別するアナライザ
(e)前記アナライザで選別された電子を検出する検出器
前記分析室を排気する排気手段とを備えたことを特徴と
する電子分光装置。 - 【請求項2】 前記視野制限絞りと前記第2レンズ間
に、開口径を変えられるように構成された角度制限絞り
が配置されていることを特徴とする請求項1記載の電子
分光装置。 - 【請求項3】 前記第1レンズは、倍率が変えられるよ
うに複数のレンズで構成されていることを特徴とする請
求項1記載の電子分光装置。 - 【請求項4】 前記試料の下部に配置され、前記試料か
ら放出された電子線を前記視野制限絞り上に結像させる
ためのレンズを更に備えたことを特徴とする請求項1記
載の電子分光装置。 - 【請求項5】 前記電子分光器において、前記視野制限
絞りの前段に偏向手段が配置されていることを特徴とす
る請求項1記載の電子分光装置。 - 【請求項6】 更に、前記試料を加熱する手段を備えた
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の電子
分光装置。 - 【請求項7】 開口径を変えられるように構成された視
野制限絞りと、試料から放出された電子線を前記視野制
限絞り上に結像させるための第1レンズと、前記視野制
限絞りの後段に配置され、開口径を変えられるように構
成された角度制限絞りと、前記角度制限絞りを通過した
電子線を減速させてアナライザの入射スリット上に結像
させるための第2レンズと、前記入射スリットを通過し
た電子をそのエネルギーによって選別するアナライザ
と、前記アナライザで選別された電子を検出する検出器
とを備えたことを特徴とする電子分光器。 - 【請求項8】 前記第1レンズは、倍率が変えられるよ
うに複数のレンズで構成されていることを特徴とする請
求項7記載の電子分光器。 - 【請求項9】 前記視野制限絞りの前段に偏向手段が配
置されていることを特徴とする請求項7または請求項8
記載の電子分光器。 - 【請求項10】 分析室に配置される試料に1次線を照
射する照射手段と、前記分析室に配置され、前記試料に
ガスを照射するガス照射手段と、次の(a)〜(e)の構成を
有する電子分光器と、(a)開口径を変えられるように構
成された視野制限絞り(b)前記1次線照射によって前記
試料から放出された電子線を、前記視野制限絞り上に結
像させるための第1レンズ(c)前記視野制限絞りを通過
した電子線を減速させてアナライザの入射スリット上に
結像させるための第2レンズ(d)前記入射スリットを通
過した電子をそのエネルギーによって選別するアナライ
ザ(e)前記アナライザで選別された電子を検出する検出
器前記分析室を排気する排気手段とを備えた電子分光装
置において、前記試料にガスを照射するときは、前記視
野制限絞りの開口径を調整して、前記アナライザ内部へ
のガス流入を防止するようにしたことを特徴とする試料
分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001387653A JP2003187738A (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 電子分光装置および電子分光器ならびに試料分析方法 |
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---|---|---|---|
JP2001387653A JP2003187738A (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 電子分光装置および電子分光器ならびに試料分析方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003187738A true JP2003187738A (ja) | 2003-07-04 |
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ID=27596414
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001387653A Withdrawn JP2003187738A (ja) | 2001-12-20 | 2001-12-20 | 電子分光装置および電子分光器ならびに試料分析方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003187738A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005292013A (ja) * | 2004-04-02 | 2005-10-20 | Jeol Ltd | 表面分析装置 |
JP2009510433A (ja) * | 2005-09-27 | 2009-03-12 | リヴェラ インコーポレイテッド | 光電子分光装置及び使用方法 |
JP2009079955A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Jeol Ltd | 試料の深さ方向分析方法 |
WO2015163266A1 (ja) * | 2014-04-21 | 2015-10-29 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 走査電子顕微鏡、及びその制御方法 |
JP2016127025A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-11 | 株式会社日立ハイテクサイエンス | 荷電粒子ビーム装置 |
-
2001
- 2001-12-20 JP JP2001387653A patent/JP2003187738A/ja not_active Withdrawn
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---|---|---|---|---|
JP2005292013A (ja) * | 2004-04-02 | 2005-10-20 | Jeol Ltd | 表面分析装置 |
JP2009510433A (ja) * | 2005-09-27 | 2009-03-12 | リヴェラ インコーポレイテッド | 光電子分光装置及び使用方法 |
KR101174317B1 (ko) * | 2005-09-27 | 2012-08-16 | 리베라 인코퍼레이티드 | 광전자 분광 장치 및 그 사용 방법 |
JP2009079955A (ja) * | 2007-09-26 | 2009-04-16 | Jeol Ltd | 試料の深さ方向分析方法 |
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