JP2003185022A - 封止構造 - Google Patents
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Abstract
つ、遮蔽性の向上を図り得る封止構造を提供すること。 【解決手段】 封止板を用いて第1の空間と第2の空間
との境界部を封止する封止構造であり、第1の空間と第
2の空間との前記境界部に配置された封止板と;第1の
空間側において封止板を支持する第1の支持部材と;第
2の空間側において封止板を支持する第2の支持部材
と;第1の支持部材と封止板との間に配置された第1の
シール部材と;封止板の外側において、第1の支持部材
と第2の支持部材との間に配置された第2のシール部材
とを備える。そして、第2のシール部材の剪断方向の圧
縮硬さを、第1のシール部材と同一又は低くする。
Description
異なる2つの空間を遮蔽する封止構造に関し、特に、酸
素センサーや化学物質の分解装置等の適用される負電荷
原子発生装置などに使用される固体電解質周辺の封止構
造の改良に関する。
は、Oリングなどのシール部材を用いるのが一般的であ
る。この場合、密閉度(遮蔽性)を向上させる目的で、
Oリングを2重に設けることが考えられる。また、圧力
やガス組成などの雰囲気の異なる2つの空間を仕切るた
めには、当該2つの空間の境界部に封止板を配置し、そ
の外周にシール部材を設けることがある。
グ等のシール部材を2重に配置した場合、締め付け力の
低下等の原因により漏れが発生することがあった。ま
た、封止板を用いた構造においては、封止板とシール部
材との接触部において過剰な圧力が掛かり、封止板が破
損する可能性があった。
剰な圧力の発生を防止しつつ、遮蔽性の向上を図り得る
封止構造を提供することにある。
圧力、姿勢で支持しつつ、真空側と大気圧側の確実な遮
蔽状態を維持可能な負電荷原子発生装置を提供すること
他の目的とする。
に、本発明の第1の態様に係る封止構造は、封止板を用
いて第1の空間と第2の空間との境界部を封止する封止
構造であり、第1の空間と第2の空間との前記境界部に
配置された封止板と;第1の空間側において封止板を支
持する第1の支持部材と;第2の空間側において封止板
を支持する第2の支持部材と;第1の支持部材と封止板
との間に配置された第1のシール部材と;封止板の外側
において、第1の支持部材と第2の支持部材との間に配
置された第2のシール部材とを備える。この場合、第1
の支持部材は容器本体を含んでも良い。そして、第2の
シール部材の剪断方向の圧縮硬さを、第1のシール部材
と同一又は低くする。ここで、封止とは、開口部分を封
鎖する事であり、第1の空間と第2の空間との間で物質
の出入りが無いようにする事である。
ては、外側に配置された第2のシール部材の方が第1の
シール部材よりも柔らかいため、支持部材によって封止
板を締め付けて固定する際に、第1のシール部材が支点
となり、第2のシール部材は補助的に機能する。このた
め、第1のシール部材との接触部における封止板に過大
な圧力が加わることを防止できると共に、封止板の面に
対して水平な圧力をかけることが可能となる。
して、封止板の方向に向かって圧力を加えて第1の空間
と第2の空間との境界部を封止する加圧手段を更に備え
る。そして、加圧手段による加圧前の状態において、第
2のシール部材と第1又は第2の支持部材との間に所定
の隙間が形成されるようにする。これにより、支持部材
を締め付ける際に、最初に第1のシール部材がつぶれ、
続いて第2のシール部材がつぶれることになる。
属からなる封止被膜を、封止板とシール部材、支持部材
等の他の部材との接触面に施することが好ましい。これ
により、封止板の表面に凹凸がある場合にも、封止被膜
によってこれを吸収し、シール部材との高い密着性を確
保することが可能となる。
反対側において第1の支持部材に面する第3の支持部材
と;第1の支持部材と第3の支持部材との間に配置され
た第3のシール部材とを更に備えることができる。この
場合、第3の支持部材が容器本体を含んでも良く、第1
の支持部材は容器本体から独立した状態で設けられても
良い。このような構造により、より封止性能が向上す
る。
膨張係数を有する材質で形成することにより、膨張率の
違いによって封止板が破損する危険性を回避することが
可能となる。
加熱しつつ動作する負電荷原子発生装置であり、上述し
た本発明の第1の態様に係る封止構造を採用している。
すなわち、第1の空間側において固体電解質基板を支持
する第1の支持部材と;第2の空間側において固体電解
質基板を支持する第2の支持部材と;第1の支持部材と
固体電解質基板との間に配置された金属製の第1のシー
ル部材と;固体電解質基板の外側において、第1の支持
部材と第2の支持部材との間に配置された金属製の第2
のシール部材とを備える。そして、第2のシール部材の
剪断方向の圧縮硬さを、第1のシール部材と同一又は低
く設定する。
によれば、シール部材との接触部における固体電解質基
板の破損を防止できる他、真空側と大気圧側の確実な遮
蔽状態を維持可能となる。
て、負電荷原子発生装置を例にとって説明する。なお、
本発明は封止板を用いて圧力の異なる2つの空間を遮蔽
する種々の封止構造に適用可能である。特に、酸素セン
サーや化学物質の分解装置等の使用される負電荷原子発
生装置の固体電解質周辺の封止構造に好適である。
空での負電荷原子発生装置10の構造を示す断面図であ
る。この装置10は、真空容器14の中で、Al2O3
製の治具16を用いて固体電解質基板12を支持した状
態で動作するものである。図示しないが、動作中は、所
定の加熱装置によって固体電解質基板12が連続的に加
熱される。図において、固体電解質基板12の上側が真
空状態となる。絶縁材製治具16は、中央に開口部16
aを有する。また、真空容器14の内側はフランジ状に
なっており、中央に開口部14aが形成されている。そ
して、真空容器14と治具16によって固体電解質基板
12の外周部分のみを支持するようになっている。真空
容器14と治具16とはボルト・ナット機構などの締め
付け具22によって締め付けられ、固体電解質基板12
を上下方向から挟み込んで固定するようになっている。
しないAuペーストの焼結体等からなる電極が形成され
ており、これらの電極間に電位差を設けることによっ
て、固体電解質基板の内部に酸素イオン電流を発生させ
る構造となっている。
には、金属製のOリング18が配置されている。また、
Oリング18の外側において、真空容器14と治具16
との対向面には、他の金属製Oリング20が配置されて
いる。
中空管(外径1.6mm、肉厚0.25mm)に25μ
m厚のNiメッキを施したものを使用する。金属製Oリ
ング20は、Oリング18と同じ材質で、外径2.4m
m、肉厚0.2mmの中空管を使用する。固体電解質基
板(セラミックス板)12としては、YSZ(8%Y 2
O3−ZrO2)を厚さ1mmに加工したものを使用す
る。治具16は、固体電解質基板12と同様の材質YS
Z(8%Y2O3−ZrO2)を厚さ8mmに加工した
ものを使用する。また、真空容器14としては金属製
(SUS304製)を使用する。
の剪断方向の圧縮硬さを、内側のOリング18と同一又
は低くする。すなわち、圧力を加えたときに外側のOリ
ング20の方がつぶれやすくする。また、図2に示すよ
うに、締め付け具22による加圧前の状態において、O
リング20と治具16との間に隙間「d」が形成される
ようにする。隙間「d」の形成は、固体電解質基板12
の板厚を考慮し、Oリング18,20の外形を決定する
ことによって行われる。
による締め付けの際に、最初に内側のOリング18がつ
ぶれて真空封止される。その後、Oリング20と治具1
6が接触した後は、Oリング18,20の両方がつぶれ
ることになる。この際、外側のOリング20の方が柔ら
かいため、内側のOリング18が支点となり、外側のO
リング20は補助的に機能する。よって、本実施例によ
れば、Oリング18との接触部における固体電解質基板
12に過大な圧力が加わることを防止できると共に、基
板12の面に対して水平な圧力をかけることが可能とな
る。
材質又はほぼ同一の熱膨張係数を有する材質(セラミッ
クス)で形成することにより、熱膨張率の違いによって
固体電解質基板12が破損する危険性を回避することが
可能となる。また、真空容器14と固体電解質基板12
とは、金属製のOリング18を介して接触しているた
め、熱膨張の差をOリング18で吸収でき、固体電解質
基板12が破損する危険性を回避できる。
0において、図示しない真空ポンプで真空容器14内を
排気し、1×10−5Torr以下の真空を得る。その
後、固体電解質基板12を500℃まで昇温してもガス
のリークは確認されなかった。また、ボルト22の締め
付け時や昇降温時に固体電解質基板12が破損すること
もなかった。
荷原子発生装置における固体電解質基板12のシール構
造を示す拡大断面図である。図4は、図3に示す構造に
使用される金属被膜42の構成を示す平面図及び側面図
である。本実施例の説明において、上記第1の実施例と
同一又は対応する構成要素については同一の符号を付
し、重複した説明は省略する。
電解質基板12との密着性に優れ、柔軟な金属被膜42
を、固体電解質基板12とOリング18との接触面及
び、固体電解質基板12と治具16との接触面に施して
いる。金属被膜42としては、例えば、金、白金等の柔
軟な貴金属を用い、固体電解質基板12との間にチタン
等のメタライズ層を介して形成することが好ましい。こ
こで、材質的に金属被膜材を考えると、一般的に柔らか
い金属は比較的融点が低い傾向がある。従って、固体電
解質の使用温度よりも金属被膜材の融点の方が高く、且
つ、金属被膜材の融点よりも周辺部材の融点の方が高く
なるように設定することが好ましい。金属被膜42の形
成は、スパッタリング、金属ペーストの焼結等によって
達成することができる。また、金属被膜42の膜厚は、
固体電解質基板12の表面の凹凸を十分に埋め込める程
度とし、例えば、0.1μm〜100μm程度が好まし
い。
が接する箇所とその裏側に金属被膜42を環状に成膜す
る。金属被膜42の成形に際しては、金ペースト(日本
金液製)を該当箇所に塗布し、150℃仮焼きした後、
850℃で焼結して、厚さ0.5μmの膜を成形する。
このような条件の下、図示しない真空ポンプで真空容器
14内を排気し、1×10−5Torr以下の真空を得
る。その後、固体電解質基板12を500℃まで昇温し
てもガスのリークは確認されなかった。また、ボルト2
2の締め付け時や昇降温時に固体電解質基板12が破損
することもなかった。
固体電解質基板12の表面に凹凸がある場合にも、金属
被膜42によってこれを吸収し、Oリング18及び治具
16との高い密着性を確保することが可能となる。ま
た、治具16と固体電解質基板12等の封止板との熱膨
張係数が異なる場合にも、熱膨張の差を金属被膜42で
吸収でき、昇降温時の熱応力で固体電解質基板12が破
損するおそれがない。一方、真空容器14側において
は、当該真空容器14と固体電解質基板12等の封止板
との熱膨張の差を金属製Oリング18及び金属被膜42
の両方で吸収でき、熱応力による固体電解質基板12の
破損を更に効果的に防止できる。
荷原子発生装置30の構造を示す断面図である。図6
は、図5に示す負電荷原子発生装置30の固体電解質基
板12のシール構造を示す拡大断面図である。本実施例
の説明において、上記第1及び第2の実施例と同一又は
対応する構成要素については同一の符号を付し、重複し
た説明は省略する。
は、治具16と真空容器15との間に別の絶縁体治具3
2を挿入した構造となっている。そして、真空容器15
と治具32との接触面にフッ素ゴム系のOリング34を
配置している。固体電解質基板12に対するOリング3
4の位置は、Oリング20の位置と概ね同じ位置とす
る。治具16は、固体電解質基板12とほぼ同一の熱膨
張係数を有する、又は同一の材質とすることが好まし
い。なお、Oリング34の周辺が高温になる場合には、
図6に示すように、真空容器15内のOリング34近傍
に冷却水用の通路を形成することが好ましい。治具32
として固体電解質基板12と同じ材質を採用した場合に
も、治具32は真空容器15とOリング34がつぶれる
ことで、接触することにより、真空容器15内の冷却機
構で冷却されるため、治具32にイオン電流が流れて真
空容器壁(接地レベル)に流れ込むことを防止できる。
0において、治具32としてYSZ(8%Y2O3−Z
rO2)を厚さ5mmに加工したもの、Oリング34と
してフッ素ゴム製のものを使用して実験を行った。図示
しない真空ポンプで真空容器14内を排気し、1×10
−5Torr以下の真空を得る。その後、固体電解質基
板12を500℃まで昇温してもガスのリークは確認さ
れなかった。ボルト22の締め付け時や昇降温時に固体
電解質基板12が破損することも、Oリング34が焼き
付くこともなかった。更に、725℃において固体電解
質基板12の両面に設けた図示しない対向電極間に10
Vの電圧を印可し、酸素イオン電流を流したところ、約
10mAの電流が流れたが、接地された真空容器15側
には電流は流れなかった。
様)について説明したが、本発明はこれらの実施例に何
ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された
技術的思想の範疇において変更可能なものである。
子発生装置の構造を示す断面図である。
電解質基板のシール構造を示す拡大断面図である。
子発生装置における固体電解質基板のシール構造を示す
拡大断面図である。
の構成を示す平面図及び側面図である。
子発生装置の構造を示す断面図である。
電解質基板のシール構造を示す拡大断面図である。
Claims (16)
- 【請求項1】封止板を用いて第1の空間と第2の空間と
の境界部を封止する封止構造において、 前記第1の空間と第2の空間との前記境界部に配置され
た封止板と;前記第1の空間側において前記封止板を支
持する第1の支持部材と;前記第2の空間側において前
記封止板を支持する第2の支持部材と;前記第1の支持
部材と前記封止板との間に配置された第1のシール部材
と;前記封止板の外側において、前記第1の支持部材と
前記第2の支持部材との間に配置された第2のシール部
材とを備え、 前記第2のシール部材の剪断方向の圧縮硬さが、前記第
1のシール部材と同一又は低いことを特徴とする封止構
造。 - 【請求項2】前記第1及び第2の支持部材に対して、前
記封止板の方向に向かって圧力を加えて前記第1の空間
と第2の空間とを封止する加圧手段を更に備え、 前記加圧手段による加圧前の状態において、前記第2の
シール部材と前記第1又は第2の支持部材との間に所定
の隙間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の
封止構造。 - 【請求項3】前記封止構造において、他の部材との接触
面に封止被膜を施したことを特徴とする請求項1又は2
に記載の封止構造。 - 【請求項4】前記封止被膜は、前記封止板との密着性に
優れ、柔軟な金属からなることを特徴とする請求項3に
記載の封止構造。 - 【請求項5】前記第1の支持部材と面し、前記第2の支
持部材の反対側において前記第1の支持部材に面する第
3の支持部材と;前記第1の支持部材と前記第3の支持
部材との間に配置された第3のシール部材とを更に備え
たことを特徴とする請求項1,2,3又は4に記載の封
止構造。 - 【請求項6】前記第3のシール部材は、ゴムによって成
形され、 前記第1又は第3の支持部材には、前記第3のシール部
材を冷却するための冷却機構が装備されていることを特
徴とする請求項5に記載の封止構造。 - 【請求項7】前記第2の支持部材が前記封止板とほぼ同
一の熱膨張係数を有する材質からなることを特徴とする
請求項1,2,3,4,5又は6に記載の封止構造。 - 【請求項8】前記封止板がセラミックス基板であること
を特徴とする請求項1,2,3,4,5,6又は7に記
載の封止構造。 - 【請求項9】前記封止板が固体電解質基板であることを
特徴とする請求項8に記載の封止構造。 - 【請求項10】固体電解質基板を加熱しつつ動作する負
電荷原子発生装置において、 前記固体電解質基板は、第1の空間と第2の空間との境
界部に配置され、 前記第1の空間側において前記固体電解質基板を支持す
る絶縁性の第1の支持部材と;前記第2の空間側におい
て前記固体電解質基板を支持する絶縁性の第2の支持部
材と;前記第1の支持部材と前記固体電解質基板との間
に配置された金属製の第1のシール部材と;前記固体電
解質基板の外側において、前記第1の支持部材と前記第
2の支持部材との間に配置された金属製の第2のシール
部材とを備え、 前記第2のシール部材の剪断方向の圧縮硬さが、前記第
1のシール部材と同一又は低いことを特徴とする負電荷
原子発生装置。 - 【請求項11】前記第1及び第2の支持部材に対して、
前記固体電解質基板の方向に向かって圧力を加えて前記
第1の空間と第2の空間とを封止する加圧手段を更に備
え、 前記加圧手段による加圧前の状態において、前記第2の
シール部材と前記第1又は第2の支持部材との間に所定
の隙間が形成されることを特徴とする請求項10に記載
の負電荷原子発生装置。 - 【請求項12】前記固体電解質基板において、他の部材
との接触面に金属被膜を施したことを特徴とする請求項
10又は11に記載の負電荷原子発生装置。 - 【請求項13】前記金属被膜は、前記固体電解質基板と
の密着性に優れ、柔軟な材質からなることを特徴とする
請求項12に記載の負電荷原子発生装置。 - 【請求項14】前記第1の支持部材と面し、前記第2の
支持部材の反対側において前記第1の支持部材に面する
絶縁性の第3の支持部材と;前記第1の支持部材と前記
第3の支持部材との間に配置された第3のシール部材と
を更に備えたことを特徴とする請求項10,11,12
又は13に記載の負電荷原子発生装置。 - 【請求項15】前記第3のシール部材は、ゴムによって
成形され、 前記第1又は第3の支持部材には、前記第3のシール部
材を冷却するための冷却機構が装備されていることを特
徴とする請求項14に記載の負電荷原子発生装置。 - 【請求項16】前記第2の支持部材が前記固体電解質基
板と同一の熱膨張係数を有する材質からなることを特徴
とする請求項10,11,12,13,14又は15に
記載の負電荷原子発生装置。
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JP2010112535A (ja) * | 2008-11-10 | 2010-05-20 | Mitsubishi Cable Ind Ltd | 密封構造体 |
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