JP2003183996A - 還元性雰囲気下の水系殺微生物方法 - Google Patents

還元性雰囲気下の水系殺微生物方法

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JP2003183996A JP2001381957A JP2001381957A JP2003183996A JP 2003183996 A JP2003183996 A JP 2003183996A JP 2001381957 A JP2001381957 A JP 2001381957A JP 2001381957 A JP2001381957 A JP 2001381957A JP 2003183996 A JP2003183996 A JP 2003183996A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元性雰囲気下にある水系、特に製紙工
程の古紙回収を含めたパルプの還元漂白工程、パルプの
還元漂白後の工程およびでんぷんスラリー調整工程にお
ける殺微生物方法を提供する。 【解決手段】 還元性雰囲気下にある水系に、下記一般
式(1)で表される4級アンモニウム塩化合物を添加す
ることを特徴として構成されている。 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4のうち1〜3個はメチル
基及びエチル基から選ばれ、その他はヒドロキシ基およ
び/あるいはベンゼン環を有していてもよい炭素数が8
〜18のアルキル基、炭素数が8〜18のアルケニル基
及び炭素数が8〜18のアリール基から選ばれる。Xは
ヒドロキシ基を含んでいてもよい炭素数が4〜18の1
〜3価カルボン酸残基であり、2〜3価カルボン酸残基
の場合は一部がナトリウム塩あるいはカリウム塩であっ
てもよい。nは1あるいは2の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、還元性雰囲気下に
ある水系、特に製紙工程の古紙回収を含めたパルプの還
元漂白工程およびパルプの還元漂白後の工程における殺
微生物方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製紙産業においては紙のリサイク
ルが進展し、古紙の利用が新聞紙から中質・上質紙へと
拡大して、再生紙の白色度を上げることが要望されてい
る。
【0003】紙の白色度を上げるために、通常、パルプ
の漂白が行われている。パルプの漂白は、これまで塩
素、次亜塩素酸ナトリウム(ハイポ)、二酸化塩素等の
塩素系漂白処理が主流であったが、周辺環境への配慮か
ら過酸化水素等の酸化剤を用いる漂白と、亜硫酸ナトリ
ウム、ナトリウムハイドロサルファイト、二酸化チオ尿
素、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を用いる漂白を組み
合わせた二段漂白方法へと転換するようになってきた。
漂白工程における殺微生物処理は、これまで酸化型の殺
微生物剤が主に用いられてきたが、これらは還元雰囲気
下にあってはその殺微生物作用が大きく低下し、十分な
殺微生物効果が得られず、スライムの発生がみられてい
る。スライムが工程内の壁面や装置に付着すると、スラ
イム付着面下の腐食が発生したり、付着したスライムの
一部が剥離して紙製品に再付着して断紙を引き起こし操
業の一時停止、成紙中の欠点(欠損部)や汚点の発生等
の品質低下などの多大な損失をもたらすので、還元性雰
囲気下にある水系におけるスライムの発生抑制、すなわ
ち殺微生物処理の要望が高くなってきた。また、コーン
でんぷん等のでんぷん粉砕工程で亜硫酸ナトリウムを添
加したり、粉体化したでんぷんの白色度を調整のために
亜硫酸ナトリウムを添加したりする。一般にでんぷんを
使用した、スラリーの防腐目的で殺微生物剤を使用する
が、このような還元物質を含むでんぷんを使用するとで
んぷんスラリーが還元性雰囲気となり、やはり殺微生物
作用が大きく低下し、でんぷんスラリーが腐敗しやすく
なるという問題もある。
【0004】還元性物質の存在下(還元性雰囲気下)に
おける殺菌方法として各種殺菌剤が提案されている。例
えば、有効成分として無水マレイン酸を添加してなる工
業的殺菌方法(特開平10−72304号公報)、N,
4−ジヒドロキシ−α−オキソベンゼンエタンイミドイ
ルクロライドと無水マレイン酸もしくはその水溶性誘導
体を組み合わせて添加する殺菌方法(特開平3−170
404号公報)、2,2'−ジヒドロキシ−5,5'−ジ
クロロジフェニルメタンとイソチアゾリン−3−オン系
化合物との包接化合物及びブロム化酢酸エステルを組み
合わせて添加する殺菌方法(特開平7−258002号
公報)、ジハロゲン化グリオキシム誘導体を添加する殺
菌方法(特開平8−20505号公報)、メチレンビス
チオシアネートと2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノ
ール及び5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンと4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−
3−オンを組み合わせて添加する殺菌方法(特開平10
−36202号公報)、2,2−ジブロモ−3−ニトリ
ロプロピオンアミドとブロム酢酸エステル化合物と2−
ブロモ−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン又
は2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノールを組み合わ
せて添加する殺菌方法(特開平10−67608号公
報)、α−クロロベンズアルドキシムとα−クロロベン
ズアルドキシム、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロ
ピオンアミド、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2
−ブテン、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、
1,2−ビス(ブロモアセトキシ)プロパン、1,2,
3−トリス(ブロモアセトキシ)プロパン、2−ブロモ
−2−ニトロ−1,3−ジアセトキシプロパン及び2,
2−ジブロモ−2−ニトロエタノールのうちのいずれか
とメチレンビスチオシアネートを組み合わせて添加する
殺菌方法(特開平10−109907号公報)、ベンゾ
イソチアゾリンとジデシルジメチルアンモニウムクロラ
イド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライ
ドおよびジデシルメチルポリオキシエチルアンモニウム
プロピオネートを組み合わせて添加する殺菌方法(特開
平11−71211号公報)等が提案されている。しか
し、依然として満足する効果を得るには至っておらず、
より有効な殺微生物方法が強く求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような事情のもと
に本発明の目的は、還元性雰囲気下にある水系、特に製
紙工程の古紙回収を含めたパルプの還元漂白工程、パル
プの還元漂白後の工程およびでんぷんスラリー調整工程
における殺微生物方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究した結果、特定の4級アンモニウ
ム塩化合物が、還元性雰囲気下に優れた殺微生物効果を
持つことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、請求項1の発明は水系殺微生
物方法であり、還元性雰囲気下にある水系に、下記一般
式(1)で表される4級アンモニウム塩化合物)を添加す
ることを特徴としている。
【0007】
【化2】 (式中、R1、R2、R3及びR4のうち1〜3個はメチル
基及びエチル基から選ばれ、その他はヒドロキシ基およ
び/あるいはベンゼン環を有していてもよい炭素数が8
〜18のアルキル基、炭素数が8〜18のアルケニル基
及び炭素数が8〜18のアリール基から選ばれる。Xは
ヒドロキシ基を含んでいてもよい炭素数が4〜18の1
〜3価カルボン酸残基であり、2〜3価カルボン酸残基
の場合は一部がナトリウム塩あるいはカリウム塩であっ
てもよい。nは1あるいは2の整数である。)で表され
る4級アンモニウム塩化合物を添加することを特徴とす
る還元性雰囲気下の水系殺微生物方法。
【0008】請求項2の発明は、請求項1記載の水系殺
微生物方法であり、4級アンモニウム塩化合物が、前記
一般式(1)においてR1、R2、R3及びR4のうち1〜3
個はメチル基及びエチル基から選ばれ、その他は炭素数
が10〜18のアルキル基であることを特徴としてい
る。
【0009】請求項3の発明は、請求項1記載の水系殺
微生物方法であり、4級アンモニウム塩化合物が、前記
一般式(1)においてR1、R2、R3及びR4のうち2個は
メチル基及びエチル基から選ばれ、その他の2個は炭素
数が10〜18のアルキル基であることを特徴としてい
る。
【0010】請求項4の発明は、請求項1記載の水系殺
微生物方法であり、4級アンモニウム塩化合物が、グル
コン酸ジデシルジメチルアンモニウム、グルタル酸ビス
(ジデシルジメチルアンモニウム)、アジピン酸ジデシ
ルジメチルアンモニウムナトリウム、アジピン酸ビス
(ジデシルジメチルアンモニウム)、グルコン酸ドジデ
シルジメチルアンモニウム、グルタル酸ビス(ジドデシ
ルジメチルアンモニウム)、アジピン酸ジドデシルジメ
チルアンモニウムナトリウム及びアジピン酸ビス(ジド
デシルジメチルアンモニウム)から選ばれる1種以上で
あることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における還元性雰囲気下の水系は、古紙回収を含
めたパルプの還元漂白工程及び酸化還元漂白後の工程水
や漂白処理されたパルプを含むパルプスラリー、還元剤
を含むでんぷんを使用、調整されたスラリーなどの還元
性物質が共存する工程水およびでんぷんを含むパルプス
ラリー、更にはその他工業分野においてみられる硫化水
素が多く混入して還元性雰囲気となった水系も包含す
る。
【0012】これらの工程では、ハイドロサルファイト
塩類、チオ硫酸塩類、チオグリコール酸塩類、二酸化チ
オ尿素等が還元剤として使用され、水系ではスルホキシ
ル酸イオン、亜硫酸イオン、チオ硫酸イオン等の形とし
て存在し、これらの1種あるいは2種以上が5〜200
mg/L存在する。
【0013】本発明に係る4級アンモニウム塩化合物
は、下記一般式(1)で表された4級アンモニウム塩化合
物である。
【化3】
【0014】一般式(1)におけるR1、R2、R3及びR4
のうち1〜3個はメチル基及びエチル基から選ばれ、そ
の他はヒドロキシ基および/あるいはベンゼン環を有し
ていてもよい炭素数が8〜18のアルキル基、炭素数が
8〜18のアルケニル基及び炭素数が8〜18のアリー
ル基から選ばれる。
【0015】ヒドロキシ基および/あるいはベンゼン環
を有していてもよい炭素数が8〜18のアルキル基は、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラ
デシル基、ヘキサデシル基、ステアリル基、ベヘニル
基、ヤシアルキル基、2−エチルへキシル基、イソステ
アリル基、2−ヒドロキシエチル基、ベンジル基などで
あり、炭素数が8〜18のアルケニル基としてはオレイ
ル基、リノレイル基などであり、炭素数が8〜18のア
リール基としてはエチルフェニル基などである。
【0016】一般式(1)におけるXはヒドロキシ基を含
んでいてもよい炭素数が4〜18の1〜3価カルボン酸
残基であり、1価のカルボン酸としては酪酸、吉草酸、
カプロン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イ
ソステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン
酸、サリチル酸、ケイ皮酸、グルコン酸、乳酸、2価の
カルボン酸としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、セバチン酸、マレ
イン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アス
パラギン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸等、3価の
カルボン酸としてはクエン酸などがある。このうち、好
ましくはラウリン酸、グルコン酸、グルタル酸及びアジ
ピン酸から選ばれる。
【0017】このとき、2〜3価カルボン酸の場合に
は、一部がナトリウム塩あるいはカリウム塩の形であっ
てもよい。
【0018】4級アンモニウム塩化合物の具体例として
は、ラウリン酸ジオクチルジメチルアンモニウム、ラウ
リン酸ジデシルジメチルアンモニウム、ラウリン酸ジド
デシルジメチルアンモニウム、グルコン酸ジオクチルジ
メチルアンモニウム、グルタル酸ジオクチルジメチルア
ンモニウムカリウム、グルタル酸ビス(ジオクチルジメ
チルアンモニウム)、グルタル酸ジデシルジメチルアン
モニウムナトリウム、グルタル酸ジドデシルジメチルア
ンモニウムナトリウム、グルコン酸ドジデシルジメチル
アンモニウムカリウム、グルコン酸ジデシルジメチルア
ンモニウム、グルタル酸ビス(ジドデシルジメチルアン
モニウム)、グルタル酸ビス(ドジデシルジメチルアン
モニウム)、アジピン酸ジオクチルジメチルアンモニウ
ムナトリウム、グルタル酸ジドデシルジメチルアンモニ
ウムカリウム、グルタル酸ビス(ジオクチルジメチルア
ンモニウム)、アジピン酸ジデシルジメチルアンモニウ
ムナトリウム、グルタル酸ジデシルジメチルアンモニウ
ムカリウム、グルタル酸ビス(ジデシルジメチルアンモ
ニウム)、アジピン酸ジオクチルジメチルアンモニウム
カリウム、アジピン酸ビス(ジオクチルジメチルアンモ
ニウム)、アジピン酸ジデシルジメチルアンモニウムカ
リウム、アジピン酸ジドデシルジメチルアンモニウムナ
トリウム、アジピン酸ジドデシルジメチルアンモニウム
カリウム、アジピン酸ビス(ジデシルジメチルアンモニ
ウム)、アジピン酸ビス(ジドデシルジメチルアンモニ
ウム)等があり、好ましくはグルタル酸ビス(ジドデシ
ルジメチルアンモニウム、グルタル酸ビス(ジデシルジ
メチルアンモニウム)、グルコン酸ジデシルジメチルア
ンモニウム、アジピン酸ジデシルジメチルアンモニウム
ナトリウム、アジピン酸ビス(ジデシルジメチルアンモ
ニウム)、グルコン酸ジドデシルジメチルアンモニウ
ム、グルタル酸ビス(ジドデシルジメチルアンモニウ
ム)、アジピン酸ジドデシルジメチルアンモニウムナト
リウム及びアジピン酸ビス(ジドデシルジメチルアンモ
ニウム)である。4級アンモニウム塩化合物は単独使用
でもよいが、2種以上を混合して使用してもよい。
【0019】本発明に係る4級アンモニウム塩化合物
は、通常、水あるいは水と親水性有機溶剤の混合液に溶
解、あるいは分散して適用される。親水性有機溶剤とし
てはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリ
セリン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテルなどがあり、これらは2種以上を混合して用いて
もよい。
【0020】4級アンモニウム塩化合物の添加量は、処
理対象水系の状況を考慮して、適宜決定されるが、通
常、対象とする水系に対し、0.1〜1,000mg/L
であり、好ましくは1〜100mg/Lである。
【0021】水系への添加方法は、特に限定されるもの
ではないが、例えば通常の薬品注入ポンプを用いて、連
続的あるいは間欠的に添加される。
【0022】本発明の殺微生物方法は、対象とする水系
のpHの影響が小さく、pH4の酸性域からpH10以
下のアルカリ性域まで適用することができる。
【0023】本発明の効果を妨害しない範囲において、
他の殺微生物剤、界面活性剤を併用したり、あるいは消
泡剤、スケールコントロール剤等その他工程添加剤と共
に使用したりすることがあるが、本発明はこれら薬品の
添加については何ら制限するものではない。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0025】〔本発明に該当する殺微生物剤〕 殺微生物剤1:マロン酸ビス(ジテトラデシルジメチル
アンモニウム)〔東京化成(株)製・試薬〕を0.5重
量%エタノール溶液として用いた。 殺微生物剤2:コハク酸ビス(ジドデシルジメチルアン
モニウム)〔東京化成(株)製・試薬〕を0.5重量%
エタノール溶液として用いた。 殺微生物剤3:ラウリン酸ジドデシルジメチルアンモニ
ウム〔東京化成(株)製・試薬〕を0.5重量%エタノ
ール溶液として用いた。 殺微生物剤4:オクタン酸ジドデシルジメチルアンモニ
ウム〔東京化成(株)製・試薬〕を0.5重量%エタノ
ール溶液として用いた。 殺微生物剤5:アジピン酸ジデシルジメチルアンモニウ
ムナトリウム〔東京化成(株)製・試薬〕を0.5重量
%水溶液として用いた。 殺微生物剤6:アジピン酸ジデシルジメチルアンモニウ
ムカリウム〔東京化成(株)製・試薬〕を0.5重量%
水溶液として用いた。 殺微生物剤7:アジピン酸ビス(ジデシルジメチルアン
モニウム)〔「オスモリンDA−50」(商品名)、三
洋化成工業(株)製〕を0.5重量%水溶液として用い
た。 殺微生物剤8:50重量%グルコン酸水溶液〔関東化学
(株)製・試薬〕157部(純分換算0.40モル)と
水300部を80〜90℃に保ちながらジデシルジメチ
ルアンモニウムメチルカーボネート〔関東化学(株)製
・試薬〕のメタノール溶液230部(純分換算0.40
モル)を2時間かけて徐々に加え、発生する二酸化炭素
とメタノールを留去してグルコン酸ジデシルジメチルア
ンモニウムの水溶液を得た。イオン交換水にて活性分
0.5重量%水溶液として用いた。 殺微生物剤9:グルタル酸ビス(ジデシルジメチルアン
モニウム)〔関東化学(株)製〕を0.5重量%水溶液
として用いた。 殺微生物剤10:アジピン酸ビス(ジオクチルジメチル
アンモニウム)〔関東化学(株)製・試薬〕を0.5重
量%水溶液として用いた。 殺微生物剤11:グルコン酸ジドデシルジメチルアンモ
ニウム〔関東化学(株)製・試薬〕を0.5重量%水溶
液として用いた。 殺微生物剤12:グルコン酸ビス(ジドデシルジメチル
アンモニウム)〔関東化学(株)製・試薬〕を0.5重
量%水溶液として用いた。 殺微生物剤13:アジピン酸ジドデシルジメチルアンモ
ニウムナトリウム〔関東化学(株)製・試薬〕を0.5
重量%水溶液として用いた。 殺微生物剤14:アジピン酸ビス(ジドデシルジメチル
アンモニウム)〔関東化学(株)製・試薬〕を0.5重
量%水溶液として用いた。
【0026】〔比較に挙げた殺微生物剤〕 殺微生物剤15:塩化ベンザルコニウム〔関東化学
(株)製・試薬〕を0.5重量%水溶液として用いた。 殺微生物剤16:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−
オン(「プロクセルプレスペースト(D)」(商品
名)、ゼネカ(株)製)を0.5重量%水溶液として用
いた。 殺微生物剤17:2−ブロモ−2−ニトロプロパン−
1,3−ジオール〔「マイアサイドAS」(商品名)、
長瀬化成(株)製〕を0.5重量%水溶液として用い
た。 殺微生物剤18:5−クロロ−2−メチル−4−イソチ
アゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾリン
−3−オンとの混合物〔「ゾーネンF」(商品名)、市
川合成(株)製〕を0.5重量%水溶液として用いた。 殺微生物剤19:オルトフタルアルデヒド〔「OPA」
(商品名)、昭和加工(株)製〕を0.5重量%水溶液
として用いた。 殺微生物剤20:グルタルアルデヒド〔「アキュカー5
50」(商品名)、ユニオンカーバイド社製〕を0.5
重量%水溶液として用いた。 殺微生物剤21:5−ジクロロ−2−n−オクチル−イ
ソチアゾリン−3−オン〔「クラリックス4000」
(商品名)、ローム&ハース社製〕を0.5重量%水溶
液として用いた。
【0027】〔殺微生物試験に用いた微生物〕 微生物1:グラム陰性菌のシュードモナス エルギノー
サ(Pseudomonas aeruginosa
IFO−12689) 微生物2:胞子形成菌のバシルス スブチルス(Bac
ilus subtils:IAM−1633) 微生物3:グラム陽性菌であるスタフィロコッカス ア
ウレウス(Staphlococcus aureu
:IAM−12082) 微生物4:腸内細菌のエッセレシア コリ(Esche
rechia coli:IAM−12119) 微生物5:グラム陰性菌で多糖類を産生し、スライム形
成力が高いキサントモナス カンペストリス(Xant
hmonas campestris:IFO−135
51) 微生物6:カビのトリコデルマ ビリデ(Tricho
derma virde:IFO−5720) 微生物7:酵母のサッカロミセス セルビシエ(Sach
aromyces cerevisiae:IAM−4
274)
【0028】〔殺微生物試験1〕細菌用平板培地(グル
コース1.0g、ペプトン5.0g、イーストエキスト
ラクト2.5g、寒天18gを蒸留水1Lに溶解させ、
pHを6.8に調整したもの)を用い、平板培地にて、
シュードモナス エルギノーサ(Pseudomona
aeruginosa:IFO−12689)(微
生物1)が対数増殖期になるように25℃にて1〜2日
間培養を行なった。滅菌水100mL中に対数増殖期に
ある菌株をl白金耳入れた後、還元性物質として亜硫酸
ナトリウムをSO3 2-濃度として5mg/L、50mg
/L、100mg/Lになるように添加し、さらにpH
6に調整した。次に殺微生物剤を所定量添加し、30
℃、30分間振盪した後、コロニーカウント法により菌
数(個/mL)の測定を行なった。結果を表1に示し
た。
【0029】
【表1】
【0030】従来の殺微生物剤は、還元性物質が共存す
ると殺微生物効果は著しく低下し、SO3 2-濃度として
50mg/L共存すると、殺微生物効果は全くなくな
る。一方、本発明の殺微生物方法によれば、還元性物質
が100mg/L共存しても高い殺微生物効果が得られ
る。
【0031】〔殺微生物試験2〕グラム陰性菌のシュー
ドモナス エルギノーサ(Pseudomonas ae
ruginosa:IFO−12689)(微生物1)
を殺微生物試験1において用いたのと同じ平板培地にて
対数増殖期になるように25℃にて1〜2日間培養を行
なった。300ml三角フラスコに滅菌水100mLを
入れ、これに対数増殖期にある菌株をl白金耳入れた
後、ナトリウムハイドロサルファイト(還元性物質)を
SO3 2-濃度として50mg/Lとなるように添加し、
pH8に調整した。同様に、他の300mL三角フラス
コに滅菌水100mLを入れ、二酸化チオ尿素(還元性
物質)をスルホキシル酸濃度として50mg/Lになる
ように添加し、pH8に調整した。次に殺微生物剤を2
5mg/L添加して、30℃にて30分間振盪した後、
コロニーカウント法により菌数を測定(個/mL)し
た。結果を表2に示した。
【0032】
【表2】
【0033】従来の殺微生物剤は、還元性物質の存在に
より殺微生物効果が著しく低下するが、本発明の殺微生
物方法によれば、ナトリウムハイドロサルファイト、二
酸化チオ尿素が存在してもなお顕著な殺微生物効果があ
ることが確認された。
【0034】〔殺微生物試験3〕微生物−1〜5を各
々、殺微生物試験1において用いたのと同じ平板培地に
て対数増殖期になるように25℃にて1〜2日間培養を
行なった。200mL三角フラスコに滅菌水100mL
に入れ、次に対数増殖期にある微生物1〜5各々の菌株
をl白金耳取り、三角フラスコ内の滅菌水中に入れて細
菌供試懸濁液とした。同様にカビであるトリコデルマ
ビリデ(Trichoderma virde:IFO
−5720)菌株をPDA平板培地(田辺製薬(株)製)
に25℃、3日間培養した後、白金耳にて表面をかきと
り、10mL試験管に入れて滅菌水2mLに加え、振盪
して菌糸および胞子の懸濁液を作った。この懸濁液を
0.5mLずつ取り、99.5mLの滅菌水に入れてカ
ビ供試懸濁液とした。更に酵母であるサッカロミセス
セルビシエ(Sacharomyces cerevi
siae:IAM−4274)菌株をPDA平板培地に
て25℃、3日間培養を行なった後、白金耳にて表面を
かき取り、滅菌水2mLに入れ、振盪して菌の懸濁液を
作った。この懸濁液を0.5mLずつ取り、99.5m
Lの滅菌水に入れたものを酵母供試懸濁液とした。この
各微生物懸濁液に亜硫酸ナトリウムをSO3 2-濃度0m
g/L、50mg/L添加し、pHをそれぞれ4.0、
7.0、10.0に調整した。次に殺微生物製剤1,
4,5,7,8,12,15,17,18,19,20を
0.25mL添加して30℃にて30分間振盪した後、
コロニーカウント法により菌数(個/mL)を測定し
た。各微生物に関する結果を表3〜表9に示した。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】表3〜表9に示した結果から、本発明の殺
微生物方法は、pH=4〜10の広い範囲で高い殺微生
物効果を示していることが判る。
【0043】
【発明の効果】上記説明したように、本発明によれば、
還元性雰囲気下にある水系においても優れた殺微生物効
果が発揮されることから、製紙工程の古紙回収を含めた
パルプの還元漂白工程、パルプの還元漂白後の工程およ
びでんぷんスラリー調整工程における微生物障害による
操業の停止等の弊害を防止し、工程の安定化、生産性の
向上に大きく寄与することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 520 C02F 1/50 520J 532 532B 532C 532E 540 540B Fターム(参考) 4H011 AA02 BA01 BB04 BB06 BC18 DA13 DC05 DD01 4L055 AG35 AH21 EA30 FA22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元性雰囲気下にある水系に、一般式
    (1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4のうち1〜3個はメチル
    基及びエチル基から選ばれ、その他はヒドロキシ基およ
    び/あるいはベンゼン環を有していてもよい炭素数が8
    〜18のアルキル基、炭素数が8〜18のアルケニル基
    及び炭素数が8〜18のアリール基から選ばれる。Xは
    ヒドロキシ基を含んでいてもよい炭素数が4〜18の1
    〜3価カルボン酸残基であり、2〜3価カルボン酸残基
    の場合は一部がナトリウム塩あるいはカリウム塩であっ
    てもよい。nは1あるいは2の整数である。)で表され
    る4級アンモニウム塩化合物を添加することを特徴とす
    る還元性雰囲気下の水系殺微生物方法。
  2. 【請求項2】 4級アンモニウム塩化合物が、前記一般
    式(1)においてR1、R2、R3及びR4のうち1〜3個は
    メチル基及びエチル基から選ばれ、その他は炭素数が1
    0〜18のアルキル基である請求項1記載の水系殺微生
    物方法。
  3. 【請求項3】 4級アンモニウム塩化合物が、前記一般
    式(1)においてR1、R2、R3及びR4のうち2個はメチ
    ル基及びエチル基から選ばれ、その他の2個は炭素数が
    10〜18のアルキル基である請求項1記載の水系殺微
    生物方法。
  4. 【請求項4】 4級アンモニウム塩化合物が、グルコン
    酸ジデシルジメチルアンモニウム、グルタル酸ビス(ジ
    デシルジメチルアンモニウム)、アジピン酸ジデシルジ
    メチルアンモニウムナトリウム、アジピン酸ビス(ジデ
    シルジメチルアンモニウム)、グルコン酸ジドデシルジ
    メチルアンモニウム、グルタル酸ビス(ジドデシルジメ
    チルアンモニウム)、アジピン酸ジドデシルジメチルア
    ンモニウムナトリウム及びアジピン酸ビス(ジドデシル
    ジメチルアンモニウム)から選ばれる1種以上である請
    求項1記載の水系殺微生物方法。
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