JP2003183609A - 異方導電性接着剤 - Google Patents

異方導電性接着剤

Info

Publication number
JP2003183609A
JP2003183609A JP2001382739A JP2001382739A JP2003183609A JP 2003183609 A JP2003183609 A JP 2003183609A JP 2001382739 A JP2001382739 A JP 2001382739A JP 2001382739 A JP2001382739 A JP 2001382739A JP 2003183609 A JP2003183609 A JP 2003183609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
anisotropic conductive
conductive adhesive
chemical
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001382739A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Miyamoto
哲也 宮本
Masakazu Kawada
政和 川田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2001382739A priority Critical patent/JP2003183609A/ja
Publication of JP2003183609A publication Critical patent/JP2003183609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の異方導電性接着剤では得られなかった
耐熱性・耐湿性を有し、また、熱硬化反応時の硬化収縮
が小さく、また、種々の被着体に対して密着性に優れた
熱硬化型の異方導電性接着剤を提供するものである。 【解決手段】 本発明は、分子量10,000〜10
0,000のフェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シランカ
ップリング剤、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体
エポキシ化合物を必須成分とする絶縁性接着剤に導電性
粒子を分散させた異方導電性接着剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な回路同志の
電気的接続、更に詳しくはLCD(液晶ディスプレイ)
とフレキシブル回路基板(以下FPC)の接続,COF
(Chip OnFpc)やTCP(Tape Car
rier Package)との接続や、半導体ICと
IC搭載用基板のマイクロ接合等に用いることのできる
異方導電性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化・薄型化に伴い、微細
な回路同志の接続、微小部分と微細な回路の接続等の必
要性が飛躍的に増大してきており、その接続方法とし
て、半田接合技術の進展とともに、新しい材料として、
異方性の導電性接着剤やフィルムが使用されている(例
えば、特開昭59−120436、60−84718、
60−191228、61−55809、61−274
394、61−287974、62−244242、6
3−153534、63−305591、64−818
78、特開平1−46549、1−25178各号公
報)。半田付けでは対応できないLCD(液晶ディスプ
レイ)パネルとFPC、COFやTCPとの接続に適用
され、LCDには必要不可欠の接続材料となっている。
【0003】この方法は、接続しようとする回路間に所
定量の導電性粒子を含有する異方導電性ペーストやフィ
ルムをはさみ、所定の温度・圧力・時間により熱圧着す
ることによって回路間の電気的接続を行うと同時に隣接
する回路間には絶縁性を確保させるものである。
【0004】この、異方導電性接着剤は耐熱性,耐湿
性,硬化収縮や密着性の観点から、主にエポキシ樹脂系
が使われている。最近、更なる電子機器の小型化・薄型
化が進み、これに伴い異方導電性接着剤に対する耐熱
性,耐湿性,硬化収縮や密着性の要求が一段と難しくな
ってきている。特に、COF接続の場合は、接続回路間
ピッチが狭いため異方性の導電性接着剤やフィルムの耐
湿性が悪いとLCDパネルの接続回路を腐食するといっ
た問題や、また、被着体界面がポリイミドであるため密
着性が悪いといった問題が生じている。
【0005】異方導電性接着剤の耐熱性、耐湿性や密着
性を改善するものとして、例えば、特開平5−2109
4、特開平8−185713、特開平9−11535
5、特開平9−150425各号公報等が挙げられる
が、最近の異方導電性接着剤に求められている耐熱性、
耐湿性、硬化収縮や密着性全てを満足するものは得られ
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の異方
導電性接着剤では得られなかった耐熱性・耐湿性を有
し、また、熱硬化反応時の硬化収縮が小さく、また、種
々の被着体に対して密着性に優れた熱硬化型の異方導電
性接着剤を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は一般
式(1)で表される分子量10,000〜100,00
0のフェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シランカップリン
グ剤、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ
化合物を必須成分とする絶縁性接着剤に導電性粒子を分
散させた異方導電性接着剤である。
【化6】 一般式(1)中のXは、一般式(2)、式(3)、一般
式(4)で表されるものであり、それぞれの割合をAm
ol%,Bmol%,Cmol%とすると B≧10、且つ、A+B≧50、且つ、A+B+C=1
00 を満たす。一般式(1)中のYは、水素原子あるいは式
(5)の何れかであり、m≧25である。
【化7】 一般式(2)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フ
ッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選
ばれるものであり、R1、R2、R3、R4は同一であって
も異なっていても良い。
【化8】
【化9】 一般式(4)中のR5、R6、R7、R8は、水素原子,フ
ッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選
ばれるものであり、R5、R6、R7、R8は同一であって
も異なっていても良い。また、Zは−CH2−、−C
(CH32−、−O−、−SO2−の何れかである。
【化10】
【0008】また、上記の異方導電性接着剤を用いて、
電子・電機部品の電気的な接合が行われた機器であり、
更に、該電子・電機部品が半導体装置、プリント回路基
板、液晶ディスプレイ、テープキャリヤパッケージであ
る電子機器である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本発明の異方導電性接着剤は、異方導電接着剤を
構成する樹脂組成物中に一般式(1)で表されるフェノ
キシ樹脂を含有することが特徴であり、例えば、LCD
とCOFを接続した場合、耐熱性・耐湿性が優れるた
め、種々の環境下で従来の異方導電性接着剤では得られ
なかった接続信頼性が得られ、また、一般式(1)で表
されるフェノキシ樹脂はポリイミドや金属と化学的相互
作用を示すため、FPC、COFやTCPに対して従来
の異方導電性接着剤では得られなかった密着性が発現す
ることを見出した。
【0010】一般式(1)以外のフェノキシ樹脂では、
耐熱性・耐湿性と密着性の両立が困難で、一般式(1)
で表されるフェノキシ樹脂のみが種々の被着体に対して
十分な接続信頼性を得ることが出来る。
【0011】本発明に用いられる一般式(1)で表され
るフェノキシ樹脂の分子量は、10,000〜100,
000である。分子量が10,000未満であると、熱
可塑性エラストマーとしての性質が失われ造膜性を示さ
なくなることや、異方導電性接着剤とした場合の流動性
が大きく十分な接続信頼性が得られない。また、分子量
が100,000を越えると溶剤に対する溶解性が悪く
なることや、異方導電性接着剤とした場合の流動性が低
下し、通常の圧着条件では十分な接続信頼性が得られな
い。
【0012】一般式(1)で表されるフェノキシ樹脂の
配合量は、特に制限されないが、エポキシ樹脂とマイク
ロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の合計
100部に対して10部〜100部であることが好まし
い。配合量が上限値を越えると異方導電性接着剤とした
時の流動性が不足し、十分な接続信頼性が得られないこ
とや各種被着体との濡れ性が低下し、十分な密着性が得
られない。また、下限値未満であると異方導電性接着剤
とした時の製膜性が悪いことや、硬化物の弾性率が高く
なるため各種被着体に対する密着性が悪いといった問題
や熱衝撃試験後の接続信頼性に劣るといった問題が発生
する。
【0013】本願発明の一般式(1)で表されるフェノ
キシ樹脂のXは、一般式(2)、式(3)、一般式
(4)で表される。一般式(2)、式(3)、一般式
(4)のそれぞれの割合をAmol%,Bmol%,C
mol%とすると、B≧10、且つ、A+B≧50、且
つ、A+B+C=100である。B<10であると耐熱
・耐湿性に関与するフルオレン骨格が不足し、異方導電
性接着剤とした場合の耐熱・耐湿性が不足する。また、
A+B<50であると同様の理由で異方導電性接着剤と
した場合の耐熱・耐湿性が不足する。
【0014】一般式(2)中のR1、R2、R3、R4は、
水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアル
キル基より選ばれるものであり、異方導電性接着剤とし
た場合の耐熱・耐湿性や密着性を考慮して決定される。
また、R1、R2、R3、R4は同一であっても異なってい
ても良い。
【0015】一般式(4)中のR5、R6、R7、R8は、
水素原子,フッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアル
キル基より選ばれるものであり、また、Zは−CH
2−、−C(CH32−、−O−、−SO2−の何れかで
ある。R5、R6、R7、R8は、異方導電性接着剤とした
場合の耐熱・耐湿性や密着性を考慮して決定されもので
あり、R5、R6、R7、R8は同一であっても異なってい
ても良い。
【0016】本発明に用いられる一般式(1)で表され
るフェノキシ樹脂は、例えば、二価フェノール類とエピ
クロルヒドリンとの反応による方法、または、二価フェ
ノール類のジグリシジルエーテルと二価フェノール類の
付加重合反応よる方法等があるが、本発明に用いられる
フェノキシ樹脂は製法によって左右されるものではな
い。
【0017】二価フェノール類とエピクロルヒドリンの
反応の場合、ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチ
ルハイドロキノンと9,9’−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン、及びビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、臭素化ビスフェノールA等が挙げられるが特
に限定されるものではない。これらの、ビスフェノール
類は単独でも、または、2種類以上混合しても良い。こ
の際、ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチルハイ
ドロキノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンの配合量は50mol%以上である。5
0mol%未満であると、異方導電性接着剤とした時の
耐熱性・耐湿性および密着性が不足する。
【0018】二価フェノール類とエピクロルヒドリンの
反応は、二価フェノール類1.000molとエピクロ
ルヒドリン0.985〜1.015molとを非反応性
溶媒中で、アルカリ金属水酸化物の存在化で行われるの
が一般的であるが、特に限定されるものではない。ま
た、反応は分子量が10,000〜1000,000の
範囲になるようにエピクロルヒドリンの縮合反応を制御
する必要がある。分子量を10,000〜100,00
0の範囲に制御するために、反応温度は50〜150℃
の範囲で行うことが好ましく、反応圧力は通常常圧であ
る。
【0019】非反応性溶媒としては、トルエン、キシレ
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ
オキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール、ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロ
ソルブアセテート、シクロヘキサノン等が挙げられる
が、特に限定されるものではなく単独、あるいは、2種
類以上混合して用いても良い。
【0020】二価フェノール類のジグリシジルエーテル
と二価フェノール類の反応の場合、一般式(6)で表さ
れる二価フェノール類のジグリシジルエーテル及び/ま
たは一般式(7)で表される二価のフェノール類のジグ
リシジルエーテルをアミン系、イミダゾール系、トリフ
ェニルフォスフィン、フォスフォニウム塩系の触媒存在
下で、ハイドロキノンや2,5−ジ−t−ブチルハイド
ロキノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン及び一般式(4)で表される二価フェノ
ール類1.000molと0.950〜1.050mo
lの範囲で反応させることにより製造される。この際、
ハイドロキノン又は2,5−ジ−t−ブチルハイドロキ
ノン及び9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレンの配合量は50mol%以上である。50mo
l%未満であると、異方導電性接着剤とした時の耐熱性
・耐湿性および密着性が不足する。
【0021】
【化11】 一般式(6)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フ
ッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選
ばれるものであり、R1、R2、R3、R4は同一であって
も異なっていても良い。また、Yは−CH2−、−C
(CH32−、−O−、−SO2−の何れかである。m
は、0または1であり、nは0より大きい整数である。
【化12】 一般式(7)中のnは0より大きい整数である。
【0022】本発明に用いられる一般式(1)で表され
るフェノキシ樹脂以外にも、異方導電性接着剤とした場
合の密着性や接続信頼性を向上させるため、他のエラス
トマーも併用することが出来る。例えば、ビスフェノー
ルA型フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリブタジエン、ポリプロピ
レン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ
アセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ブチルゴ
ム、クロロプレンゴム、ポリアミド樹脂、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジ
エン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ナイ
ロン、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブチ
レン−スチレンブロック共重合体などを用いることがで
き、単独、あるいは2種以上混合しても良い。
【0023】本発明に用いられるエポキシ樹脂は、1分
子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するもので
あれば、特に限定されるものではない。例えば、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではなく、単独でも混合して用いても差し支えない。エ
ポキシ樹脂の配合量は、マイクロカプセル化イミダゾー
ル誘導体エポキシ化合物100部に対して10〜200
部であることが好ましい。配合量が200部を越えると
異方導電性接着剤とした時の硬化性が悪くなり、また、
10部未満であると耐熱・耐湿性に劣るため、異方導電
性接着剤とした時の十分な接続信頼性がえられない。
【0024】本発明に用いるマイクロカプセル化イミダ
ゾール誘導体エポキシ化合物は、イミダゾール誘導体と
エポキシ化合物との反応性生物をマイクロカプセル化し
微粉末化したものである。更に、マイクロカプセル化イ
ミダゾール誘導体エポキシ化合物とイソシアネート化合
物とを反応させ、耐薬品性及び貯蔵安定性を高めたもの
も好適である。ここで用いるエポキシ化合物としては、
例えば、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノール
A、ビスフェノールF及びブロム化ビスフェノールA等
のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸ジグ
リシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル等が
挙げられる。
【0025】また、イミダゾール誘導体としては、イミ
ダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダ
ゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フ
ェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダ
ゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−
ベンジル−2−エチルイミダゾール、1−ベンジル−2
−エチル−5−メチルイミダゾール、2−フェニル−4
−メチル−5−ヒドロキシジメチルイミダゾール、2−
フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等
が挙げられる。
【0026】マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エ
ポキシ化合物の添加量としては、一般式(1)で表され
るフェノキシ樹脂とエポキシ樹脂の合計100部に対し
て50〜400部であることが好ましい。配合量が40
0部を越えると異方導電性接着剤とした時の耐熱性・耐
湿性が不足し、十分な接続信頼性が得られない。また、
50部未満であると、硬化性の低下が懸念されるという
問題がある。
【0027】本発明に用いられる導電性粒子は、特にそ
の組成は限定されるものではない。例えば、金属粒子と
しては、金、銀、亜鉛、錫、半田、インジウム、パラジ
ウム等の単体もしくは2種以上を組み合わせても良い。
また、高分子核材に金属被覆をした粒子としては、高分
子核材に、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹
脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体
などのポリマーの中から1種あるいは2種以上組み合わ
せたもの、金属薄膜皮膜に、金、ニッケル、銀、銅、亜
鉛、錫、インジウム、パラジウム、アルミニウムなどの
中から1種あるいは2種以上組み合わせて良い。また、
金属薄膜皮膜の厚さにも特に制限はないが、薄すぎると
異方導電性接着剤とした場合接続が不安定になり、厚す
ぎると凝集が生じるため、異方導電性接着剤とした場合
絶縁不良を起こす可能性があるため、0.01〜1μm
が好ましい。さらに、金属薄膜皮膜にむらや欠けがある
と接続が不安定になるため、均一に被覆されていること
が好ましい。これらの、導電粒子の粒径や材質、配合量
は接続したい回路のピッチやパターン、回路端子の厚み
や材質等によって適切に選ぶことができる。
【0028】導電性粒子の配合量は、一般式(1)で表
されるフェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、マイクロカプセ
ル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物の合計に対して
0.1〜10体積%であることが好ましい。配合量が1
0体積%を越えると、異方導電性接着剤中の導電性粒子
絶対量が多くなるため、被着体接続端子間の絶縁性が極
端に悪くなる。また、0.1体積%未満であると、異方
導電性接着剤中の導電性粒子絶対量が少なくなるため、
被着体接続端子上の導電性粒子が不足し、接続抵抗値が
極端に高くなる。
【0029】本発明の異方導電性接着剤には、必要に応
じてカップリング剤を適量添加しても良い。カップリン
グ剤を添加する目的は、異方導電性接着剤の接着界面の
接着性の改質することや、耐熱性、耐湿性を向上するも
のである。カップリング剤としては特に限定するもので
はないが、シランカップリング剤を好適に使用すること
ができ、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエ
トキシシラン等が挙げられるが、1種あるいは2種以上
混合しても良い。
【0030】さらに、本発明の異方導電接着剤には、樹
脂の相溶性、安定性、作業性等の各種特性向上のため、
各種添加剤、例えば、非反応性希釈剤、反応性希釈剤、
揺変性付与剤、増粘剤、無機充填剤等を適宜添加しても
良い。
【0031】本発明によれば、一般式(1)で表される
フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、マイクロカプセル化イ
ミダゾール誘導体エポキシ化合物とを配合した絶縁性接
着剤中に、導電性粒子を分散して得られた異方導電性接
着剤中に、一般式(1)で表されるフェノキシ樹脂が含
まれることから、優れた耐熱性・耐湿性および接着性に
優れた異方導電性接着剤が得られる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施
例、比較例で用いた物質を表1にまとめた。
【0033】
【表1】
【0034】(1)ガラス転移温度測定方法 下記に示す実施例1のような作製方法で得られた異方導
電性接着剤を、恒温槽中で180℃、1時間の硬化を行
い、幅3.0mm、厚み15μmの測定サンプル得た
後、動的粘弾性測定装置(DMA)により測定を行っ
た。測定は、引っ張り法、周波数11Hz、加幅振幅2
5μm、昇温速度3℃/min、測定温度領域20℃〜
200℃の条件で行った。ガラス転移温度は、tanδ
(E″貯蔵弾性率/E′s′損失弾性率)のピークによ
り算出した。 (2)吸水率の測定 実施例1と同様の作製方法で得られた異方導電性接着剤
を、一般的に使われる恒温槽中で180℃、1時間の硬
化を行い、重量で1gの測定サンプルを得た。その後、
測定サンプルを恒温・恒湿槽中で168時間吸水処理を
行い、吸水処理前重量と吸水処理後の重量変化率を吸水
率とした。式(3)密着性、接続信頼性、保存性測定用
サンプルの作製 被着体は銅箔/ポリイミド=12μm/25μmに、N
i/Auメッキを施した2層FPC(ピッチ50μm、
端子数400本)とITO(インジウム/錫酸化物)ベ
タガラス(30Ω□)を用いた。 (4)密着性評価方法 200℃、3MPa、15secの条件で圧着し、90
度剥離試験によって評価を行った。 (5)接続信頼性測定方法 サンプル作製直後および温度85℃、湿度85%、10
00時間放置後の接続抵抗を2端子法により測定した。
測定できないものをOPEN(導通不良)とした。 (6)保存性測定方法 異方導電性接着剤を25℃雰囲気中に2週間放置後、2
00℃3MPa、10secの条件で圧着し、接続抵抗
を測定した。5.0Ω未満を◎(保存性非常に良
好))、5.0Ω以上〜10.0Ω未満を○(保存性良
好)、10.0Ω以上を×(保存性不良)とした。
【0035】<実施例1>9,9’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン、ハイドロキノン、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(エポキシ等量:180g/e
q)を、それぞれ40mol%、40mol%、20m
ol%の配合比で、メチルイソブチルケトン溶媒中、1
20℃、12時間常圧で反応を行った。こうして得られ
たフェノキシ樹脂(Mw:50,000)のメチルイソ
ブチルケトン溶液を再沈等の方法により固形化し、次
に、酢酸エチルに溶解し20%の溶液を得た。このフェ
ノキシ樹脂の酢酸エチル20%溶液を150重量部、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ等量:180
g/eq)を20重量部、マイクロカプセル化2−メチ
ルイミダゾール誘導体エポキシ化合物を50重量部、平
均粒径5μmのNi/Auメッキポリスチレン粒子を前
記接着剤樹脂混合物の固形分に対して1.0体積%混合
・均一分させた後、離型処理を施したポリエチレンテレ
フタレート上に乾燥後の厚さが15μmになるように流
延・乾燥した後、幅1.5mmに切断して異方導電性接
着剤を得た。
【0036】<実施例2〜5>表2に示す配合割合、条
件で実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0037】<実施例6>ハイドロキノンの代わりに、
2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンを用いた以外は
実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0038】<実施例7>ビスフェノールA型エポキシ
樹脂の代わりに、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エ
ポキシ等量:165g/eq)を用いた以外は、実施例
1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【0039】<実施例8>ビスフェノールA型エポキシ
樹脂の代わりに、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂(エポキシ等量:10,000g/eq、臭素含有
率:25%)を用いた以外は、実施例1と同様にして異
方導電性接着剤を得た。
【0040】<実施例9〜17>表2、3に示す配合割
合、条件で実施例1と同様にして異方導電性接着剤を得
た。
【0041】実施例1〜17の結果を、表2、3に示
す。
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】<比較例1>9,9’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン、ハイドロキノン、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(エポキシ等量:180g/e
q)を、それぞれ40mol%、40mol%、20m
ol%の配合比で、メチルイソブチルケトン溶媒中、1
00℃、3時間常圧で反応を行った。こうして得られた
フェノキシ樹脂(Mw:5,000)のメチルイソブチ
ルケトン溶液を再沈等の方法により固形化し、次に、酢
酸エチルに溶解し20%の溶液を得た。このフェノキシ
樹脂の酢酸エチル20%溶液を150重量部、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂(エポキシ等量:180g/e
q)を20重量部、マイクロカプセル化2−メチルイミ
ダゾール誘導体エポキシ化合物を50重量部、平均粒径
5μmのNi/Auメッキポリスチレン粒子を前記接着
剤樹脂混合物の固形分に対して1.0体積%混合・均一
分させた後、離型処理を施したポリエチレンテレフタレ
ート上に乾燥後の厚さが15μmになるように流延・乾
燥した後、幅1.5mmに切断して異方導電性接着剤を
得た。
【0044】<比較例2〜6>表4に示す配合割合、条
件で比較例1と同様にして異方導電性接着剤を得た。
【表4】
【0045】
【発明の効果】本発明により、耐熱性・耐湿性および密
着性に優れた異方導電性接着剤を得ることが出来る。こ
の異方導電性接着剤を用いることによりLCDとCOF
等の微細な回路電極の接続が可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される分子量10,0
    00〜100,000のフェノキシ樹脂、エポキシ樹
    脂、マイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化
    合物を必須成分とする絶縁性接着剤に導電性粒子を分散
    させたことを特徴とする異方導電性接着剤。 【化1】 一般式(1)中のXは、一般式(2)、式(3)、一般
    式(4)で表されるものであり、それぞれの割合をAm
    ol%,Bmol%,Cmol%とすると B≧10、且つ、A+B≧50、且つ、A+B+C=1
    00 の式を満足し、一般式(1)中のYは、水素原子あるい
    は式(5)の何れかであり、m≧25である。 【化2】 一般式(2)中のR1、R2、R3、R4は、水素原子,フ
    ッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選
    ばれるものであり、R1、R2、R3、R4は同一であって
    も異なっていても良い。 【化3】 【化4】 一般式(4)中のR5、R6、R7、R8は、水素原子,フ
    ッ素原子,臭素原子,炭素数1〜4のアルキル基より選
    ばれるものであり、R5、R6、R7、R8は同一であって
    も異なっていても良い。また、Zは−CH2−、−C
    (CH32−、−O−、−SO2−の何れかである。 【化5】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の異方導電性接着剤を用
    いて、電子・電機部品の電気的な接合が行われたことを
    特徴とする電子機器。
  3. 【請求項3】 該電子・電機部品が半導体素子、半導体
    装置、プリント回路基板、液晶ディスプレイ(LCD)
    パネル、プラズマディスプレイ(PDP)パネル、エレ
    クトロルミネッセンス(EL)パネル、フィールドエミ
    ッションディスプレイ(FED)パネル、テープキャリ
    ヤパッケージ(TCP)である請求項2記載の電子機
    器。
JP2001382739A 2001-12-17 2001-12-17 異方導電性接着剤 Pending JP2003183609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001382739A JP2003183609A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 異方導電性接着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001382739A JP2003183609A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 異方導電性接着剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003183609A true JP2003183609A (ja) 2003-07-03

Family

ID=27592988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001382739A Pending JP2003183609A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 異方導電性接着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003183609A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006199835A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 実装用接合剤およびそれを用いた電気電子機器
US8012379B2 (en) 2005-03-23 2011-09-06 Panasonic Corporation Electroconductive bonding material and electric/electronic device using the same
KR20170116624A (ko) * 2016-04-11 2017-10-20 주식회사 잉크테크 전도성 접착제 조성물 및 이를 이용한 구조물의 접착 방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006199835A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Matsushita Electric Ind Co Ltd 実装用接合剤およびそれを用いた電気電子機器
US8012379B2 (en) 2005-03-23 2011-09-06 Panasonic Corporation Electroconductive bonding material and electric/electronic device using the same
KR20170116624A (ko) * 2016-04-11 2017-10-20 주식회사 잉크테크 전도성 접착제 조성물 및 이를 이용한 구조물의 접착 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1944346B1 (en) Anisotropic conductive adhesive
JP4962156B2 (ja) 導電性接着剤
JP3503740B2 (ja) 異方導電性接着剤及びそれを用いた電子機器
JPH10168412A (ja) 異方導電性接着剤
JP5005236B2 (ja) 熱硬化型接着剤、異方導電性接着剤および電子機器
JP3522634B2 (ja) 異方導電性接着剤
JP2007056209A (ja) 回路接続用接着剤
JP2002285103A (ja) 異方導電性接着剤
JP3418492B2 (ja) 異方導電フィルム
JP3449948B2 (ja) 異方導電性接着剤の製造方法及びその方法により製造された接着剤を用いて製作された電子機器
JP3947532B2 (ja) 異方導電性接着剤フィルム
JPH11209713A (ja) 異方導電性接着剤
JP3708423B2 (ja) エポキシ樹脂用フェノール系硬化剤及びそれを用いたエポキシ樹脂組成物
JP4113191B2 (ja) 異方導電性フィルムを用いた電子機器
JP3981341B2 (ja) 異方導電性接着剤
JP2001187836A (ja) エポキシ樹脂組成物用添加剤およびそのエポキシ樹脂組成物
JP2500826B2 (ja) 異方導電フィルム
JPH07173448A (ja) 異方導電フィルム
JPH09291259A (ja) 低温加熱硬化型異方導電性接着剤
JP2005187508A (ja) 半導体用接着フィルムおよび半導体装置
JP4128281B2 (ja) エポキシ系樹脂組成物
JP4730215B2 (ja) 異方導電性接着剤フィルム
JP2000044905A (ja) 異方導電性接着剤及びそれを用いた電子機器
JP2003183609A (ja) 異方導電性接着剤
JP2003147306A (ja) 導電性接着剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041001

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071218

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080422