JP2003182551A - 制動油圧制御装置 - Google Patents

制動油圧制御装置

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JP2003182551A JP2001384154A JP2001384154A JP2003182551A JP 2003182551 A JP2003182551 A JP 2003182551A JP 2001384154 A JP2001384154 A JP 2001384154A JP 2001384154 A JP2001384154 A JP 2001384154A JP 2003182551 A JP2003182551 A JP 2003182551A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧ポンプの低圧脈動に起因する騒音を効果
的に低減することができるとともに、制動時における操
作フィーリングの低下を許容範囲内とすることが可能な
制動油圧制御装置を安価に得ること。 【解決手段】 ブレーキマスタシリンダとホイールシリ
ンダを接続する油圧回路に接続される油圧ポンプ12,
13の吐出弁12b,13bより吐出側にダンパ油室1
4,15と絞り16,17が設けられており、油圧ポン
プ12,13から吐出される作動油が前記吐出弁、前記
ダンパ油室および前記絞りを通して前記ブレーキマスタ
シリンダに向けて還流可能に構成した制動油圧制御装置
において、吐出弁12b,13bから絞り16,17に
至る間の油圧回路に、油圧ポンプ12,13の非作動時
における容積が0.01〜1.0cm3であるガスチャ
ンバR1,R2を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両において採用
される制動油圧制御装置、特に、ブレーキマスタシリン
ダとホイールシリンダを接続する油圧回路に接続される
油圧ポンプの吐出弁より吐出側にダンパ油室と絞りが設
けられており、前記油圧ポンプから吐出される作動油が
前記吐出弁、前記ダンパ油室および前記絞りを通して前
記ブレーキマスタシリンダに向けて還流可能に構成した
制動油圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の制動油圧制御装置は、例えば、
特許第2904915号の特許公報に示されていて、同
公報の制動油圧制御装置においては、油圧ポンプから吐
出されるポンプ圧の脈動を抑制する緩衝装置が設けられ
ている。この緩衝装置においては、緩衝チャンバの一部
が可動部材または弾性部材によって区画されてダンパ油
室が形成され、ブレーキマスタシリンダとホイールシリ
ンダとを接続する油圧回路とダンパ油室とを接続する油
圧回路に、制動時にブレーキマスタシリンダからダンパ
油室への作動油の流れを阻止する逆止弁(制動時におけ
るブレーキマスタシリンダでの無効ストロークの増加を
低減するための逆止弁)が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した公報に示され
ている制動油圧制御装置においては、緩衝装置によって
油圧ポンプから吐出されるポンプ圧の脈動を抑制し、ブ
レーキマスタシリンダとホイールシリンダとを接続する
油圧回路とダンパ油室とを接続する油圧回路に設けた逆
止弁によって、制動時(ブレーキペダルの踏み込み時)
におけるブレーキマスタシリンダでの無効ストローク
(ペダル無効ストローク)の増加を低減するようにして
おり、緩衝装置と逆止弁が不可欠である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した逆止
弁(制動時にブレーキマスタシリンダからダンパ油室へ
の作動油の流れを阻止する逆止弁)を不要とするために
なされたものであり、上記した形式の制動油圧制御装置
において、前記油圧ポンプの前記吐出弁から前記絞りに
至る間の油圧回路に、前記油圧ポンプの非作動時におけ
る容積が0.01〜1.0cm3であるガスチャンバを
設けたこと(請求項1に係る発明)に特徴がある。この
場合において、前記ガスチャンバの容積は、前記油圧ポ
ンプの低圧脈動に起因する騒音を低減するため、前記油
圧ポンプの1回の吐出容積の50%以上に設定されてい
ること(請求項2に係る発明)が望ましい。
【0005】また、これらの場合において、前記ガスチ
ャンバは、前記油圧ポンプを収容するハウジングとによ
り前記ダンパ油室を形成するキャップに形成されている
こと(請求項3に係る発明)が望ましい。これらの場合
において、前記ガスチャンバは、気泡体(独立気泡の発
泡体が望ましい)で形成されていること(請求項4に係
る発明)も可能である。
【0006】また、前記キャップに形成されている前記
ガスチャンバは、前記キャップに形成した空気室と、前
記キャップに組付けられて前記空気室を密封するダイア
フラム(空気室に向けて撓む部材であればよく、素材は
ゴムでも樹脂でも金属でもよい)とによって、形成され
ていること(請求項5に係る発明)も可能である。この
場合において、前記ダイアフラムは、その周縁部を前記
キャップと同キャップに組付けられる環状のプレートと
により挟持されていること(請求項6に係る発明)、前
記ダイアフラムと前記プレートの少なくとも一方は、表
裏が同一形状で形成されていること(請求項7に係る発
明)も可能である。
【0007】
【発明の作用・効果】本発明による制動油圧制御装置
(請求項1に係る発明)においては、ダンパ油室と絞り
で油圧ポンプの高圧脈動を低減し、ガスチャンバで油圧
ポンプの低圧脈動を低減することが可能であり、各脈動
の低減効果を個別に設定可能である。しかも、油圧ポン
プの非作動時におけるガスチャンバの容積が0.01〜
1.0cm3であるため、制動時にブレーキマスタシリ
ンダからダンパ油室への作動油の流れを阻止する逆止弁
を用いることなく、油圧ポンプの低圧脈動に起因する騒
音を効果的に低減することができるとともに、制動時に
おける操作フィーリングの低下を許容範囲内(ブレーキ
マスタシリンダでの無効ストロークの許容範囲内)とす
ることが可能である。
【0008】また、本発明による制動油圧制御装置(請
求項2に係る発明)においては、ガスチャンバの容積が
油圧ポンプの1回の吐出容積の50%以上に設定されて
いるため、制動時の操作フィーリングの低下(ブレーキ
マスタシリンダでの無効ストローク)を小さくした上
で、油圧ポンプの低圧脈動に起因する騒音の低減効果を
最適にすることが可能である。
【0009】また、本発明による制動油圧制御装置(請
求項3に係る発明)においては、ガスチャンバが油圧ポ
ンプを収容するハウジングとによりダンパ油室を形成す
るキャップに形成されているため、キャップを有効利用
することができる。また、キャップにガスチャンバを予
め形成することで、組付性を良好とすることが可能であ
る。また、本発明による制動油圧制御装置(請求項4に
係る発明)においては、ガスチャンバが気泡体で形成さ
れているため、シンプルかつ安価にガスチャンバを形成
することが可能である。
【0010】また、本発明による制動油圧制御装置(請
求項5に係る発明)においては、ガスチャンバが、キャ
ップに形成した空気室と、キャップに組付けられて空気
室を密封するダイアフラムとによって、形成されている
ため、ガスチャンバの形成に際してダンパ油室内に突出
しない構成が可能であり、ダンパ油室の容積を十分に確
保した上で、ガスチャンバを形成することが可能であ
る。
【0011】また、本発明による制動油圧制御装置(請
求項6に係る発明)においては、ダイアフラムがその周
縁部をキャップと同キャップに組付けられる環状のプレ
ートとにより挟持されているため、ダイアフラムの受圧
面積を正確に特定することができて、ガスチャンバによ
る性能(油圧ポンプの低圧脈動を低減する性能)を安定
化することが可能である。
【0012】また、本発明による制動油圧制御装置(請
求項7に係る発明)においては、ダイアフラムとプレー
トの少なくとも一方が表裏同一形状で形成されているた
め、組付け方向を選ばなくて、誤組付を防止でき、組付
性を向上することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
面に基づいて説明する。図1および図2は本発明による
制動油圧制御装置を示していて、この制動油圧制御装置
においては、油圧制御用のアクチュエータ100を含む
油圧回路を介してブレーキマスタシリンダ101と両前
輪FL,FRおよび両後輪RL,RRのホイールシリン
ダ102,103,104,105が接続されている。
【0014】アクチュエータ100は、電気制御装置
(図示省略)によって作動を制御されるようになってい
て、各種の制御(例えば、ブレーキ操作に伴う制動時の
安定性を確保するためのABS制御、アクセル操作に伴
う加速時の安定性を確保するためのTRC制御、車両の
旋回時の安定性を確保するためのVSC制御等)が可能
である。
【0015】このアクチュエータ100は、ハウジング
10を備えるとともに、単一の電気モータ11によって
駆動される一対の油圧ポンプ12,13と、一対のダン
パ油室14,15およびオリフィス(絞り)16,17
と、一対のリザーバ18,19を備えている。また、ア
クチュエータ100は、マスタシリンダ油圧を検出する
一対の油圧センサP1,P2と、電磁弁SM1,SRM
1,SFRH,SRLH,SFRR,SRLRと、電磁
弁SM2,SRM2,SFLH,SRRH,SFLR,
SRRRを備えるとともに、電磁弁SRC1,SRC2
を備えている。
【0016】ハウジング10は、ブレーキマスタシリン
ダ101の後方ポート101aに接続されるポート10
a、ブレーキマスタシリンダ101の前方ポート101
bに接続されるポート10b、右前輪FRのホイールシ
リンダ102に接続されるポート10c、左後輪RLの
ホイールシリンダ103に接続されるポート10d、右
後輪RRのホイールシリンダ104に接続されるポート
10e、左前輪FLのホイールシリンダ105に接続さ
れるポート10f、ブレーキマスタシリンダ101のリ
ザーバ101cに接続されるポート10g、およびブリ
ーダプラグ(図示省略)が組付けられるポート10hを
備えている。
【0017】電気モータ11は、ハウジング10に組付
けられていて、各種の制御(ABS制御、TRC制御、
VSC制御等)の必要時に両油圧ポンプ12,13を駆
動する。各油圧ポンプ12,13は、図1および図2に
示したように、吸入弁12a、13aと吐出弁12b,
13bを備えるとともに、電気モータ11の回転軸に設
けた偏心軸部11aとスプリング12c,13cによっ
て軸方向に往復駆動されるピストン12d,13dを備
えていて、ハウジング10に収容されており、1回の吐
出容積が例えば0.05cm3とされている。
【0018】各ダンパ油室14,15は、図2に詳細に
示したように、ハウジング10に形成した内孔10i,
10jと、この内孔10i,10jの開口側端部を液密
的に閉塞するキャップ21,22によって形成されてい
て、その容積が例えば10.0cm3とされている。各
キャップ21,22は、ハウジング10にかしめ固定さ
れていて、内端部には半球状のガスチャンバR1,R2
が形成されている。
【0019】各ガスチャンバR1,R2は、キャップ2
1,22に形成されてダンパ油室14,15に向けて開
口する半球状の空気室21a,22aと、キャップ2
1,22に環状のプレート23,24とともにかしめ固
定されて組付けられ空気室21a,22aを密封するゴ
ム製のダイアフラム25,26によって形成されてい
て、る。各ダイアフラム25,26は、その周縁部25
a,26aをキャップ21,22とプレート23,24
とにより挟持されている。
【0020】各オリフィス16,17は、油圧ポンプ1
2,13の吐出弁12b,13bより吐出側(下流側)
にダンパ油室14,15とともに設けられている。この
ため、油圧ポンプ12,13から吐出される作動油が、
油圧ポンプ12,13の吐出弁12b,13b、ダンパ
油室14,15および絞り16,17を通してブレーキ
ブレーキマスタシリンダ101に向けて還流可能であ
る。
【0021】各リザーバ18,19は、油圧ポンプ1
2,13の吸入側に逆止弁31,32とともに設けられ
ていて、各電磁弁SFRR・SRLR,SFLR・SR
RRと、これらにそれぞれ直列に設けたオリフィス33
・34,35・36を通して排出される作動油を収容可
能である。各逆止弁31,32は、油圧ポンプ12,1
3の吸入側への作動油の流れを許容し、リザーバ18,
19側への作動油の流れを阻止する。
【0022】各電磁弁SM1,SM2は、ブレーキマス
タシリンダ101の圧力室101d(詳細には、前後二
室に区画されていて、ブレーキペダルBPの踏む込みに
応じたマスタシリンダ油圧が生じる)とホイールシリン
ダ102・103,104・105との連通を制御する
ものであり、オリフィス41,42が直列に接続される
とともに、オリフィス41,42を含めた直列回路に対
して、逆止弁43,44が並列に接続されている。各逆
止弁43,44は、ホイールシリンダ102・103,
104・105側への作動油の流れを許容し、ブレーキ
マスタシリンダ101側への作動油の流れを阻止する。
なお、各電磁弁SM1,SM2は、TRC制御、VSC
制御等のときに用いる油圧ポンプ12,13からの油圧
をON作動により確保するためのものであり、ON作動
時には油圧ポンプ12,13からの油圧を一定圧(高
圧)に調圧する。
【0023】各電磁弁SFRH,SRLHおよびSFL
H,SRRHは、オリフィス41,42よりホイールシ
リンダ102・103,104・105側にてホイール
シリンダ102・103,104・105側への作動油
の流れを各種の制御時に制御するもの(OFF作動時に
通路を開く保持・増圧制御弁)であり、オリフィス51
・52,53・54が直列に接続されるとともに、オリ
フィス51・52,53・54を含めた直列回路に対し
て、逆止弁55・56,57・58が並列に接続されて
いる。各逆止弁55・56,57・58は、ブレーキマ
スタシリンダ101側への作動油の流れを許容し、ホイ
ールシリンダ102・103,104・105側への作
動油の流れを阻止する。なお、各電磁弁SFRH,SR
LHおよびSFLH,SRRHは、ホイールシリンダ圧
を保持または減圧するときにON作動するものであり、
ON作動時には通路を閉じて作動油の流れを阻止する。
【0024】一方、各電磁弁SFRR,SRLRおよび
SFLR,SRRRは、電磁弁SFRH,SRLHおよ
びSFLH,SRRHよりホイールシリンダ102・1
03,104・105側にてリザーバ18,19への作
動油の流れを各種の制御時に制御するもの(OFF作動
時に通路を閉じる減圧制御弁)であり、オリフィス33
・34,35・36が直列に接続されている。なお、各
電磁弁SFRR,SRLRおよびSFLR,SRRR
は、ホイールシリンダ圧を減圧するときにON作動する
ものであり、ON作動時には通路を開いて作動油の流れ
を許容する。
【0025】各電磁弁SRM1,SRM2は、ブレーキ
マスタシリンダ101の圧力室101dから油圧ポンプ
12,13の吸入側への作動油の流れを制御するもの
(OFF作動時に通路を閉じる吸入制御弁)であり、オ
リフィス61,62が直列に接続されている。なお、各
電磁弁SRM1,SRM2は、制動状態でのVSC制御
時にON作動するものであり、ON作動時には通路を開
いて作動油の流れを許容する。
【0026】各電磁弁SRC1,SRC2は、ブレーキ
マスタシリンダ101のリザーバ101cから油圧ポン
プ12,13の吸入側への作動油の流れを制御するもの
(OFF作動時に通路を閉じる吸入制御弁)であり、オ
リフィス63,64が直列に接続されるとともに、逆止
弁65,66が直列に接続されている。各逆止弁65,
66は、油圧ポンプ12,13の吸入側への作動油の流
れを許容し、ブレーキマスタシリンダ101のリザーバ
101c側への作動油の流れを阻止する。なお、各電磁
弁SRC1,SRC2は、非制動状態でのVSC制御時
またはTRC制御時にON作動するものであり、ON作
動時には通路を開いて作動油の流れを許容する。
【0027】上記のように構成したこの実施形態におい
ては、各油圧ポンプ12,13の吐出弁12b,13b
より吐出側にダンパ油室14,15とオリフィス16,
17が設けられるとともに、ダンパ油室14,15に連
通するようにしてガスチャンバR1,R2が設けられて
いる。このため、ダンパ油室14,15とオリフィス1
6,17にて油圧ポンプ12,13の高圧脈動(例え
ば、ABS制御時における油圧ポンプ12,13の作動
により生じるポンプ圧の脈動)を低減し、ガスチャンバ
R1,R2で油圧ポンプ12,13の低圧脈動(例え
ば、プライマリーチェックで油圧ポンプ12,13を作
動させることにより生じるポンプ圧の脈動)を低減する
ことが可能であり、各脈動の低減効果を個別に設定可能
である。なお、プライマリーチェックは、車両において
IGスイッチがONされたときに実行されるものであ
り、このとき各電磁弁がON−OFF作動する。
【0028】しかも、油圧ポンプ12,13の非作動時
におけるガスチャンバR1,R2の容積が0.01〜
1.0cm3であるため、ブレーキペダルBPの踏み込
み時(制動時)にブレーキマスタシリンダ101側から
ダンパ油室14,15への作動油の流れを阻止する逆止
弁を用いることなく、油圧ポンプ12,13の低圧脈動
に起因する騒音を効果的に低減することができるととも
に、制動時における操作フィーリングの低下を許容範囲
内とすること、すなわち、図3に示したように、ガスチ
ャンバR1,R2の容積を0.01cm3以上とするこ
とで、車室内騒音(AdB)を騒音許容限界値(45d
B程度)以下とすることができるとともに、図4に示し
たように、ガスチャンバR1,R2の容積を1.0cm
3以下とすることで、ブレーキペダルBPの無効ストロ
ーク(Lmm)をペダル無効ストローク許容限界値(6
mm程度)以下とすることが可能である。
【0029】また、この実施形態において、油圧ポンプ
12,13の非作動時におけるガスチャンバR1,R2
の容積(0.01cm3以上で1.0cm3以下の容積)
を油圧ポンプ12,13の1回の吐出容積(0.05c
3)の50%以上に設定した場合(ガスチャンバR
1,R2の容積を0.025cm3以上に設定した場
合)には、図3および図4から明らかなように、制動時
の操作フィーリングの低下を小さくした上で、油圧ポン
プ12,13の低圧脈動に起因する騒音の低減効果を最
適にすることが可能である。
【0030】また、この実施形態においては、ガスチャ
ンバR1,R2が油圧ポンプ12,13を収容するハウ
ジング10とによりダンパ油室14,15を形成するキ
ャップ21,22に形成されているため、キャップ2
1,22を有効利用することができる。また、キャップ
21,22にガスチャンバR1、R2を予め形成するこ
とで、組付性を良好とすることが可能である。
【0031】また、この実施形態においては、ガスチャ
ンバR1,R2が、キャップ21,22に形成した空気
室21a,22aと、キャップ21,22に組付けられ
て空気室21a,22aを密封するダイアフラム25,
26とによって、形成されているため、ガスチャンバR
1,R2の形成に際してダンパ油室14,15内に突出
しない構成が可能であり、ダンパ油室14,15の容積
を十分に確保した上で、ガスチャンバR1,R2を形成
することが可能である。
【0032】また、この実施形態においては、ダイアフ
ラム25,26がその周縁部25a,26aをキャップ
21,22と同キャップ21,22に組付けられる環状
のプレート23,24とにより挟持されているため、ダ
イアフラム25,26の受圧面積を正確に特定すること
ができて、ガスチャンバR1,R2による性能(油圧ポ
ンプ12,13の低圧脈動を低減する性能)を安定化す
ることが可能である。
【0033】また、この実施形態においては、プレート
23,24が表裏同一形状で形成されているため、プレ
ート23,24の組付け方向を選ばなくて、誤組付を防
止でき、組付性を向上することが可能である。また、空
気室21a,22aが略半球形状に形成されているた
め、ダイアフラム25,26に無用な負荷が作用し難く
て、ダイアフラム25,26の耐久性・信頼性を高める
ことが可能である。なお、ダイアフラム25,26は、
ポンプ吐出圧が高圧であるとき、キャップ21,22の
略半球形状の空気室21a,22a内面に密着する。
【0034】上記実施形態においては、プレート23,
24を表裏同一形状で形成して実施したが、図5に示し
たように、ダイアフラム25,26とプレート23,2
4を共に表裏同一形状で形成して実施することも可能で
あり、この場合には、プレート23,24とダイアフラ
ム25,26の組付け方向を選ばなくて、誤組付を防止
でき、組付性を更に向上することが可能である。なお、
ダイアフラム25,26のみを表裏同一形状で形成して
実施することも可能である。
【0035】また、上記実施形態においては、ダンパ油
室14,15に連通するようにしてガスチャンバR1,
R2を設けて実施したが、このガスチャンバR1,R2
は、油圧ポンプ12,13の吐出弁12b,13bから
オリフィス16,17に至る間の油圧回路に設けられて
おれば、上記実施形態と同様な作用効果を得ることが可
能であるため、配設位置を適宜変更して実施することも
可能である。
【0036】また、上記実施形態においては、ガスチャ
ンバR1,R2が、キャップ21,22に形成した空気
室21a,22aと、キャップ21,22に組付けられ
て空気室21a,22aを密封するダイアフラム25,
26とによって、形成されるようにして実施したが、図
6に示したように、ガスチャンバR1,R2が気泡体2
9で形成されるようにしてキャップ21,22に固定し
て実施することも可能である。この場合には、ガスチャ
ンバR1,R2をシンプルかつ安価に形成することが可
能である。なお、気泡体29は、気泡内にガスを保持す
るために、独立気泡であるのが望ましい。また、ガスチ
ャンバR1,R2は、ダンパ油室14,15内に浮かし
た空気(ガス)内蔵のゴムボール(図示省略)でも実施
可能である。
【0037】また、上記実施形態においては、ダイアフ
ラム25,26をゴム製として実施したが、このダイア
フラムはキャップに組付けられて空気室を密封し、ポン
プ吐出圧が低圧であるときに空気室に向けて撓む素材で
あればよく、ゴム以外の素材、例えば、樹脂でも金属で
もよい。
【0038】また、上記実施形態においては、14個の
電磁弁を採用した制動油圧制御装置に実施したが、例え
ば、12個の電磁弁を採用した制動油圧制御装置(電磁
弁SRC1,SRC2を省略してVSC制御を非設定と
した制動油圧制御装置)にも同様に実施することが可能
であり、上記実施形態の電磁弁構成に限定されるもので
はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による制動油圧制御装置の一実施形態
を示す油圧回路図である。
【図2】 図1の要部拡大断面図である。
【図3】 図1および図2に示した制動油圧制御装置に
より得られるガスチャンバ容積と車室内騒音の関係を示
す線図である。
【図4】 図1および図2に示した制動油圧制御装置に
より得られるガスチャンバ容積とペダル無効ストローク
の関係を示す線図である。
【図5】 ガスチャンバの他の実施形態を示す要部断面
図である。
【図6】 ガスチャンバのその他の実施形態を示す要部
断面図である。
【符号の説明】
10…ハウジング、11…電気モータ、12,13…油
圧ポンプ、12a,13a…吸入弁、12b,13b…
吐出弁、14,15…ダンパ油室、16,17…オリフ
ィス(絞り)、21,22…キャップ、21a,22a
…空気室、23,24…プレート、25,26…ダイア
フラム、25a,26a…周縁部、29…気泡体、R
1,R2…ガスチャンバ、101…ブレーキマスタシリ
ンダ、102〜105…ホイールシリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 秀幸 愛知県刈谷市朝日町二丁目1番地 株式会 社アドヴィックス内 (72)発明者 土方 昌幸 愛知県刈谷市朝日町二丁目1番地 株式会 社アドヴィックス内 Fターム(参考) 3D046 BB07 BB28 BB29 CC02 EE01 LL23 LL33 LL37 LL41 LL50

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキマスタシリンダとホイールシリ
    ンダを接続する油圧回路に接続される油圧ポンプの吐出
    弁より吐出側にダンパ油室と絞りが設けられており、前
    記油圧ポンプから吐出される作動油が前記吐出弁、前記
    ダンパ油室および前記絞りを通して前記ブレーキマスタ
    シリンダに向けて還流可能に構成した制動油圧制御装置
    において、前記吐出弁から前記絞りに至る間の油圧回路
    に、前記油圧ポンプの非作動時における容積が0.01
    〜1.0cm3であるガスチャンバを設けたことを特徴
    とする制動油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の制動油圧制御装置にお
    いて、前記ガスチャンバの容積は、前記油圧ポンプの1
    回の吐出容積の50%以上に設定されていることを特徴
    とする制動油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の制動油圧制御
    装置において、前記ガスチャンバは、前記油圧ポンプを
    収容するハウジングとにより前記ダンパ油室を形成する
    キャップに形成されていることを特徴とする制動油圧制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3に記載の制動油圧
    制御装置において、前記ガスチャンバは、気泡体で形成
    されていることを特徴とする制動油圧制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の制動油圧制御装置にお
    いて、前記ガスチャンバは、前記キャップに形成した空
    気室と、前記キャップに組付けられて前記空気室を密封
    するダイアフラムとによって、形成されていることを特
    徴とする制動油圧制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の制動油圧制御装置にお
    いて、前記ダイアフラムは、その周縁部を前記キャップ
    と同キャップに組付けられる環状のプレートとにより挟
    持されていることを特徴とする制動油圧制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の制動油圧制御装置にお
    いて、前記ダイアフラムと前記プレートの少なくとも一
    方は、表裏が同一形状で形成されていることを特徴とす
    る制動油圧制御装置。
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